JP2016205438A - 留め具 - Google Patents

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敦史 小川
Atsushi Ogawa
敦史 小川
岡田 重夫
Shigeo Okada
重夫 岡田
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Abstract

【課題】留め具を軸体に容易に取り付けることができる技術を提供する。
【解決手段】留め具10は、ボルトに係止可能な係止部材20と、係止部材20の外周面の少なくとも一部を覆う筒状部材22と、を備える。係止部材20は、基部と、基部から延出し、ボルトを間に受け入れる一対の脚部26と、一対の脚部26の内側に形成され、ボルトに係止する係止部30と、筒状部材22を保持するための保持部28と、を有する。筒状部材22は、内側面に保持部28に係合可能な第1係合部を有し、係止部材20を基部側から受け入れて第1係合部と係合した状態で一対の脚部26を囲って拡開を制限する。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸体に留める留め具に関する。
特許文献1に開示されるスタッドクリップは、スタッドボルトを内側に圧入可能な軟質キャップと、軟質キャップに連結されるクリップとにより構成される。中空状の軟質キャップは、外周面に突出する爪を有する。クリップは、筒体と、筒体の上部に径方向に張り出すフランジと、筒体の外周面に形成される係止孔とを有する。
特許文献1のスタッドクリップは、軟質キャップをスタッドボルトに押しつけて圧入させ、クリップの筒体内に軟質キャップを挿入させて係止孔と爪とを係止させることで、スタッドボルトに取り付ける。
特開平9−280228号公報
特許文献1に開示される技術では、スタッドボルトに係止する軟質キャップは、円筒状に形成されており、軟質キャップの中空内にスタッドボルトを圧入させて取り付けるため、スタッドボルトに取り付ける際の挿入力が高くなる可能性がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、留め具を軸体に容易に取り付けることができる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の留め具は、軸体に係止可能な係止部材と、係止部材の外面の少なくとも一部を覆う筒状部材と、を備える。係止部材は、基部と、基部から延出し、軸体を間に受け入れる一対の脚部と、一対の脚部の内面に形成され、軸体に係止する係止部と、筒状部材を保持するための保持部と、を有する。筒状部材は、内面に保持部に係合可能な第1係合部を有し、係止部材を基部側から受け入れて第1係合部と係合した状態で一対の脚部を囲って拡開を制限する。
本発明によれば、留め具を軸体に容易に取り付けることができる。
図1(a)および図1(b)は、留め具の斜視図であって、図1(a)は取付前の状態を示し、図1(b)は取付完了状態を示す図である。 図2(a)は、係止部材の斜視図であり、図2(b)は、係止部材の側面図であり、図2(c)は、係止部材の底面図である。 図3(a)は、筒状部材の側面図であり、図3(b)は、筒状部材の斜視図である。 留め具の取付工程について説明するための図である。
図1(a)および図1(b)は、留め具10の斜視図であって、図1(a)は取付前の状態を示し、図1(b)は取付完了状態を示す。留め具10は、ボルトに係止する係止部材20と、係止部材20に保持される筒状部材22との2部材から構成される。
留め具10は、車体パネルに固定されたボルトに留められ、車体パネルより車室側にある内装パネルを支持する。留め具10は、天井から下方に突出するボルトに留められるが、側壁から水平に突出するボルトや下面から上方に突出するボルトに留められてよい。
図1(a)に示すように係止部材20は、一対の脚部26と、筒状部材22の第2係合部46に係合する保持部28とを有する。一対の脚部26は、拡開するように撓んでボルトを受け入れ可能である。脚部26の内面にはボルトのネジ溝に係止するめねじ状の係止部30が形成される。
筒状部材22は、内装パネルを支持するフランジ部40と、フランジ部40から円筒状に延出する筒状部42と、筒状部42に孔状に形成された第2係合部46と、不図示の孔状の第1係合部とを有する。
係止部材20をボルトに押し込み、係止部材20に対して筒状部材22を押し込むことで筒状部42が係止部材20を受け入れて係止部材20の外周面を覆い、図1(b)に示す取付完了状態の留め具10になる。
一対の脚部26は、図1(a)に示す取付前の状態では拡開可能であるが、図1(b)に示す取付完了状態では筒状部42に囲まれて拡開を制限され、内面の係止部30がボルトに係止した状態を維持する。留め具10の各部材について新たな図面を参照して説明する。
図2(a)は、係止部材20の斜視図であり、図2(b)は、係止部材20の側面図であり、図2(c)は、係止部材20の底面図である。ここで各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
係止部材20は、基部24、一対の脚部26、一対の保持部28、一対の係止部30、複数の切欠部32および一対の平面部34を有する。基部24は、円柱状に形成され、表面24aは平らに形成される。
基部24の外周面に一対の保持部28が径方向外向きに突出して爪状に形成される。一対の保持部28は軸対称位置に設けられる。保持部28は、筒状部材22に係合して筒状部材22を保持する。切欠部32は、保持部28の径方向周りを切り欠くように基部24の外側面に形成される。切欠部32は、軸方向において保持部28より裏面24b側まで切り欠いて形成される。
一対の脚部26は、基部24の裏面24bから延出し、対向して形成される。一対の脚部26は、拡開するように撓んでボルトを受け入れる。係止部30は、脚部26の内側に溝状に形成され、ボルトに係止する。
図2(c)に示すように、脚部26は、内面にめねじ状の係止部30と、内面が平らな平面部34とを有する。平面部34を設けることで、係止部30の円弧状部分のみの脚部26と比べて、脚部26の強度を高めることができる。
保持部28の少なくとも一部は、係止部材20を軸方向から見て、係止部30と径方向に重ならないように位置する。軸方向から見て、係止部30の周方向端部30aは、保持部28の周方向中央に位置し、係止部30の周方向中央位置は、保持部28と周方向に位置ずれする。つまり、図2(c)に示すように、一対の係止部30が対向する方向D2は、一対の保持部28を結ぶ方向D1と交差する。一対の保持部28を結ぶ方向D1は、軸方向から見て、各保持部28の周方向中央位置を直線で結んだ方向であり、一対の係止部30が対向する方向D2は、軸方向から見て、各係止部30の周方向中央位置を直線で結んだ方向である。これにより、一対の保持部28が筒状部材22の荷重を受けた際に、その荷重が一対の脚部26を拡開させるように作用しても、一対の係止部30が対向する方向と交差するため、荷重が係止部30の係止を外すように作用する割合を低くして、耐荷重性を向上できる。
図3(a)は、筒状部材22の側面図であり、図3(b)は、筒状部材22の斜視図である。筒状部材22は、フランジ部40、筒状部42、第1係合部44、第2係合部46および切欠部48を有する。
フランジ部40は、円盤状に形成され、外周縁に一対の窪み40aが形成される。窪み40aは、留め具10の取り外し時にマイナスドラ−バーなどの工具を差し込むために形成される。窪み40aは、周方向において、第1係合部44および第2係合部46と同じ位置に形成され、窪み40aを持ち上げた際に保持部28と第1係合部44の係合が外れやすくさせている。
筒状部42は、フランジ部40の裏側から垂下するように円筒状に形成される。筒状部42の開口部42aから係止部材20の基部24を受け入れる。
筒状部42の外周面には、一対の第1係合部44と一対の第2係合部46とが軸方向に離れて位置して形成される。第2係合部46は、第1係合部44より開口部42a側に位置する。第1係合部44および第2係合部46の周方向位置は同じである。切欠部48は、筒状部42の外周面を切り欠くように形成され、第1係合部44および第2係合部46の間の筒状部42に可撓性を持たせる。第1係合部44および第2係合部46は、筒状部42を貫通して形成されるが、変形例では筒状部42の内面に凹んで形成されてよい。
図4は、留め具10の取付工程について説明するための図である。図4(a)は、取付前状態の留め具10を示し、図4(b)は、取付途中であって係止部材20をボルト12に取り付けた状態を示し、図4(c)は、取付完了状態の留め具10を示す。
図4(a)に示すように、ボルト12が車体パネル(不図示)から下方に突出し、内装パネル14のパネル孔14aと略同軸に配置される。作業者は、留め具10をボルト12に向かって押し込む。筒状部42は、取付前状態において脚部26の基端側を少し覆うように設けられ、搬送時などに脚部26が拡開して変形することを抑えている。
係止部材20のボルト12への挿入時は、一対の脚部26が拡開可能であるため、低い挿入力で挿入することができ、保持部28と第2係合部46の係合に加わる力を低減させて、保持部28と第2係合部46の係合を維持できる。係止部材20とボルト12の相対移動が規制されるまで保持部28が第2係合部46と係合した状態を維持し、筒状部材22を押して係止部材20をボルト12に押し込み可能である。図4(a)に示すように、保持部28は、基部24に設けられるため、筒状部材22が保持部28に係合しても、一対の脚部26の拡開方向の撓みを妨げないように構成される。
図4(b)に示すように、保持部28と第2係合部46の係合が維持されたまま、一対の脚部26がボルト12に係止する。作業者は、さらに筒状部材22を係止部材20に対して押し込む。ボルト12の先端に係止部材20の基部24が当接しているため、ボルト12と係止部材20の相対移動が規制され、保持部28と第2係合部46の係合力より押し込み力が大きくなって保持部28と第2係合部46の係合が解除され、筒状部42内に係止部材20が入る。
図4(c)に示すように、保持部28が第1係合部44に係合して取付完了状態となる。取付完了状態では、筒状部材22は、係止部材20を基部24側から全て受け入れて第1係合部44と係合した状態で一対の脚部26を囲って拡開を制限する。なお、変形例では取付完了状態で脚部26が筒状部42の開口部42aから部分的に少し張り出してもよい。
取付完了状態において、留め具10は、フランジ部40が内装パネル14の表面に当接して、内装パネル14を支持する。作業者は、留め具10をボルト12に押し当てるだけで取付完了でき、ボルトにネジ留めする留め具と比べて取付作業性がよい。ボルトにネジ留めする留め具では工具用の溝が筒状部材22の表面に形成されるが、筒状部材22を押し込むだけで取り付けるため、工具用の溝が不要となり、筒状部材22の頭部の設計自由度が高まり、意匠性も高めることが可能となる。
保持部28が第2係合部46に係合して留め具10が仮保持状態をとり、仮保持状態の筒状部材22が係止部材20に押し込まれることで保持部28が第1係合部44に係合して留め具10が取付完了状態をとる。第1係合部44および第2係合部46が軸方向に離れて、周方向に同じ位置に設けられるため、係止部材20および筒状部材22を軸方向に相対移動させることで保持部28を第2係合部46から第1係合部44に移動させて係合させることができる。また、保持部28が第2係合部46に係合した状態で、筒状部材22をボルト12に対して回転させることで、係止部30のボルト12への係止を解除することができる。
本発明は上述の各実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施例に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施例も本発明の範囲に含まれうる。
実施例では、脚部26を一対形成した態様を示したが、この態様に限られない。脚部26は少なくとも2つあればよく、3つ以上であっても、複数対あってもよい。
実施例では、保持部28を突出して形成し、第1係合部44および第2係合部46を孔状に形成した態様を示したが、この態様に限られない。例えば、保持部28を孔状に形成し、第1係合部44および第2係合部46を突出して形成してもよい。
実施例では、留め具10をボルト12に留める態様を示したが、この態様に限られない。例えば、留め具10は、ネジ溝を有しない棒状体に留められてよい。この棒状体には係止孔が形成され、留め具10の係止部が入り込んで係止する。このように留め具10は、ネジ溝の有無にかかわらない軸体に係止する。
実施例では、留め具10の筒状部材22が内装パネル14を支持する態様を示したが、この態様に限られない。例えば、筒状部材22の頭部にバンドが設けられてハーネスが取り付けられてよく、筒状部材22の頭部に飾り材が設けられてよい。
10 留め具、 12 ボルト、 14 内装パネル、 14a パネル孔、 20 係止部材、 22 筒状部材、 24 基部、 24a 表面、 24b 裏面、 26 脚部、 28 保持部、 30 係止部、 32 切欠部、 34 平面部、 40 フランジ部、 42 筒状部、 42a 開口部、 44 第1係合部、 46 第2係合部、 48 切欠部。

Claims (5)

  1. 軸体に係止可能な係止部材と、
    前記係止部材の外面の少なくとも一部を覆う筒状部材と、を備え、
    前記係止部材は、
    基部と、
    前記基部から延出し、軸体を間に受け入れる一対の脚部と、
    前記一対の脚部の内面に形成され、前記軸体に係止する係止部と、
    前記筒状部材を保持するための保持部と、を有し、
    前記筒状部材は、内面に前記保持部に係合可能な第1係合部を有し、前記係止部材を前記基部側から受け入れて前記第1係合部と係合した状態で前記一対の脚部を囲って拡開を制限することを特徴とする留め具。
  2. 前記保持部は、前記基部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の留め具。
  3. 前記筒状部材は、前記第1係合部に対して軸方向に離れて位置した第2係合部を有し、
    該留め具の取付前において前記保持部が前記第2係合部を保持して前記筒状部材が前記係止部材に保持された状態をとり、前記筒状部材が前記係止部材に押し込まれて軸方向に相対移動すると前記保持部が前記第1係合部に係合して前記筒状部材を保持することを特徴とする請求項1または2に記載の留め具。
  4. 前記筒状部材を軸体に向かって押して前記係止部材と軸体の相対移動が規制されるまで、前記保持部が前記第2係合部と係合した状態を維持することを特徴とする請求項3に記載の留め具。
  5. 前記保持部は、前記係止部材の外面に一対設けられ、
    一対の前記保持部を結ぶ方向は、前記一対の脚部にそれぞれ形成された前記係止部が対向する方向に交差することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の留め具。
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