JP2016205018A - 収納室構造 - Google Patents

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重欣 青木
Shigeyoshi Aoki
重欣 青木
村田 成康
Nariyasu Murata
成康 村田
真貴子 定方
Makiko Sadakata
真貴子 定方
浩祐 米原
Kosuke Yonehara
浩祐 米原
均 鈴木
Hitoshi Suzuki
均 鈴木
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Abstract

【課題】効率的に収納量を向上させることができるとともに玄関の美観を保つことができる収納室構造を提供することを目的とする。
【解決手段】住宅等の建物の玄関2に隣接して設けられ、人の出入りが可能とされた収納室1の構造において、玄関2と収納室1とを仕切る仕切壁5に出入口5aが形成され、出入口5aには、収納室1側に寄せて配置され、出入口5aを開閉する建具としての機能を持つ可動収納家具10が設けられている。可動収納家具10は、玄関2側に向かって開口する収納部11aが形成された家具本体11と、収納部11aの開口を開閉する開閉体12と、を備える。そして、可動収納家具10によって、収納室1の出入口5aを開閉しつつ収納量を向上させることができ、さらに、収納室1内や収納部11a内を遮蔽して玄関2の美観を保つことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅等の建物における玄関に隣接して設けられる収納室の構造に関する。
従来、玄関に隣接して人の出入りを可能とした収納室が設けられる。
特許文献1に記載の建物には、玄関に、通路状に形成された脱臭・除菌収納室が設けられ、この脱臭・除菌収納室の脇に、低天井収納空間が設けられている。脱臭・除菌収納室と低天井収納空間とを仕切る壁には開口部が形成され、行き来できるようになっている。
また、収納部である低天井収納空間は、通路状に形成された脱臭・除菌収納室からさらに奥まった位置にあるため、玄関からは覗きにくい。さらに、脱臭・除菌収納室と低天井収納空間とを仕切る壁に形成された開口部や、脱臭・除菌収納室の入口および出口にはそれぞれ建具が設けられ、収納された物品を隠すことができる。
特開2012−211464号公報
ところで、近年の住宅事情を勘案すると、従来のように建物建築用の敷地を広く確保することが難しく、限られた建物内スペースの中で居住のための空間を広く確保する必要がある。しかしながら、その分、収納のための空間を狭くしてしまうと生活において不都合が生じる場合がある。
そのため、特に玄関のような居室ではない場所においては、収納スペースを確保しつつも、より効率的に収納量を向上させたいという要望があった。また、従来のように、収納された物品を隠して玄関の美観を保つことも併せて望まれていた。
本発明の課題は、効率的に収納量を向上させることができるとともに玄関の美観を保つことができる収納室構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図11に示すように、住宅等の建物の玄関2に隣接して設けられ、人の出入りが可能とされた収納室1の構造において、
前記玄関2と前記収納室1とを仕切る仕切壁5に出入口5aが形成され、
前記出入口5aには、前記収納室1側に寄せて配置され、前記出入口5aを開閉する建具としての機能を持つ可動収納家具10が設けられており、
前記可動収納家具10は、前記玄関2側に向かって開口する収納部11aが形成された家具本体11と、前記収納部11aの開口を開閉する開閉体12と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、出入口5aには、収納室1側に寄せて配置され、出入口5aを開閉する建具としての機能を持つ可動収納家具10が設けられているので、この可動収納家具10によって、収納室1の出入口5aを開閉しつつ収納量を向上させることができ、効率的である。
可動収納家具10は、収納室1側に寄せて配置されているので玄関2側に突出しない。さらに、可動収納家具10によって収納室1の内部を遮蔽し、開閉体12によって家具本体11における収納部11aの内部を遮蔽できるので、玄関2の美観を保つことができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1〜図5に示すように、請求項1に記載の収納室構造において、
前記可動収納家具10は、当該可動収納家具10を前記仕切壁5に沿ってスライド移動させる第一移動手段(例えば第一スライド手段、第二スライド手段)を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、可動収納家具10は、当該可動収納家具10を仕切壁5に沿ってスライド移動させる第一移動手段を備えるので、この第一移動手段によって、可動収納家具10を仕切壁5に沿って確実にスライド移動させることができる。すなわち、可動収納家具10を、出入口5aを開閉する建具として確実に機能させることができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図1〜図5に示すように、請求項2に記載の収納室構造において、
前記第一移動手段は、前記家具本体11をスライド移動させる第一スライド手段(例えばキャスター13、レール部材14)と、前記開閉体12をスライド移動させる第二スライド手段(例えばレール部材15、吊下体16、振れ止め17)と、からなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、第一移動手段は、家具本体11をスライド移動させる第一スライド手段と、開閉体12をスライド移動させる第二スライド手段と、からなるので、これら第一スライド手段と第二スライド手段によって家具本体11と開閉体12を別々にスライド移動させることができる。
また、家具本体11によって出入口5aを閉塞している状態において、第二スライド手段で開閉体12をスライド移動させることによって、家具本体11の収納部11a全体をいっぺんに開放させることができる。これによって、収納部11a全体の物品の出し入れを行うことができるので、使い勝手がよい。
請求項4に記載の発明は、例えば図6に示すように、請求項1に記載の収納室構造において、
前記可動収納家具10は、当該可動収納家具10を前記収納室1から前記出入口5aを介して前記玄関2側へと移動させる第二移動手段(例えばキャスター20)を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、第二移動手段によって、可動収納家具10を、収納室1から出入口5aを介して玄関2側へと確実に移動させることができる。
また、可動収納家具10を収納室1内で移動させることがないので、収納室1内に、可動収納家具10を配置するためのスペースを確保すれば、可動収納家具10を収納室1内で移動させるための余計なスペースが必要なくなる。これによって、収納室1内の収納スペースを広くすることができる。
請求項5に記載の発明は、例えば図7〜図9に示すように、請求項1に記載の収納室構造において、
前記可動収納家具10は、当該可動収納家具10を垂直軸回りに前記玄関2に向かって回転移動させる第三移動手段(例えば回転軸30)を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、第三移動手段によって、可動収納家具10を玄関2側へと確実に回転移動させることができる。
また、可動収納家具10を収納室1内で移動させることがないので、収納室1内に、可動収納家具10を配置するためのスペースを確保すれば、可動収納家具10を収納室1内で移動させるための余計なスペースが必要なくなる。これによって、収納室1内の収納スペースを広くすることができる。
請求項6に記載の発明は、例えば図7,図10,図11に示すように、請求項1に記載の収納室構造において、
前記玄関2は、玄関土間部3と、この玄関土間部3よりも一段高い床面4aに設定された玄関ホール部4と、を備えており、
前記出入口5aが形成された前記仕切壁5は、前記収納室1と前記玄関土間部3との間に設けられており、
前記可動収納家具10は、当該可動収納家具10を前記玄関土間部3側から前記玄関ホール部4側にスライド移動させる第四移動手段(例えばキャスター40、レール部材41)を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、第四移動手段によって、可動収納家具10を玄関ホール部4側に確実にスライド移動させることができる。
また、可動収納家具10を収納室1内で移動させることがないので、収納室1内に、可動収納家具10を配置するためのスペースを確保すれば、可動収納家具10を収納室1内で移動させるための余計なスペースが必要なくなる。これによって、収納室1内の収納スペースを広くすることができる。
さらに、可動収納家具10を玄関ホール部4側に移動させて物品の出し入れを行うことができるので、玄関土間部3に下りて作業を行う必要がない。
請求項7に記載の発明は、例えば図3,図6,図7,図9,図11に示すように、請求項1〜6のいずれか一項に記載の収納室構造において、
前記可動収納家具10によって前記出入口5aを閉塞している状態において、前記可動収納家具10の下端面(底面)と床面1a(3a)との間に隙間が形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、可動収納家具10の下端面(底面)と床面1a(3a)との間に隙間が形成されているので、この隙間を通じて収納室1内の換気を行うことができる。
また、例えば掃除等で収納室1の床面1aに水を撒いた際に、隙間を通じて水を玄関2側に排水できるので、排水性にも優れる。
請求項8に記載の発明は、例えば図7〜図11に示すように、請求項1〜7のいずれか一項に記載の収納室構造において、
前記収納室1は、前記玄関2に隣接して配置された階段8の踊り場8aの下方、または踊り場8aと連続する床9の下方に設けられていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、収納室1は、階段8の踊り場8aの下方、または踊り場8aと連続する床9の下方に設けられている、すなわち踊り場8aや床9の下方空間を有効利用して収納室1を建物内に導入できるので、建物内に比較的広い収納スペースである収納室1を確保しつつ、建物内全体のスペースの有効活用に貢献できる。
本発明によれば、玄関のような居室ではない場所において収納室を確保しつつ効率的に収納量を向上させることができる。さらに、玄関の美観を保つことができる。
第1実施形態における収納室構造を表す斜視図である。 可動収納家具の一例を示す斜視図である。 出入口付近の構造を表す側断面図である。 出入口付近の構造を表す平断面図である。 出入口付近の構造の他の例を表す平断面図である。 第2実施形態における収納室構造を表す斜視図である。 第3,4実施形態の収納室構造における玄関側からの斜視図である。 第3実施形態における収納室構造を表す平断面図である。 同、正面図である。 第4実施形態における収納室構造を表す平断面図である。 同、正面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
〔第1実施形態〕
図1において符号1は収納室を示しており、符号2は玄関を示している。
玄関2は、住宅等の建物に設けられたものであり、玄関土間部3と、この玄関土間部3よりも一段高い床面4aに設定された玄関ホール部4と、を備える。収納室1は、この玄関2の玄関土間部3に隣接して設けられている。
収納室1は、人の出入りが可能とされており、後述の可動収納家具10を含む複数の収納家具が設置される。また、収納室1内において複数の収納家具がない場所は、人が物品の出し入れ等の作業を行う作業スペースとされている。
収納室1は、四方に壁が設けられており、四方の壁のうち収納室1と玄関土間部3との間に設けられ、これら収納室1と玄関土間部3とを仕切る仕切壁5には出入口5aが形成されている。また、四方の壁のうち玄関ホール部4側に配置された壁6は、仕切壁5と直交している。
収納室1の床(床面1a)は、図3に示すように、玄関土間部3の土間床面3aと連続し、かつ面一に設けられている。
また、図3に示すように、収納室1の天井1bは、玄関土間部3の天井3bと略等しい高さに設定されている。ただし、これに限られるものではなく、玄関土間部3の天井3bより低くてもよいし、高くてもよい。
玄関2の屋外側には玄関ポーチ7が設けられている。
なお、図1においては、玄関土間部3と玄関ポーチ7とを仕切る外壁を省略している。図1では、玄関土間部3における土間床面3aの升目と、玄関ポーチ7における土間床面7aの升目の大きさが異なり、これら土間床面3a,7a同士の境界部分に外壁が設けられるものとする。そして、外壁には玄関出入口が設けられているものとする(例えば図8,図10参照)。
玄関ホール部4は、建物内の部屋に通じる廊下と一体であり、床面4aの高さは、廊下や建物1階の部屋の床面と等しい高さに設定されている。また、仕切壁5と直交する壁6が、玄関ホール部4および廊下に面している。
出入口5aには、出入口5aを開閉する建具としての機能を持つ可動収納家具10が設けられている。
また、可動収納家具10は、玄関土間部3側には飛び出さず、収納室1側に寄せて配置されている。より詳細には、仕切壁5の収納室1側の面よりも収納室1の内側に配置されている。
可動収納家具10は、出入口5aを開放する際には仕切壁5の裏側(収納室1側)に近接して配置される。また、出入口5aを閉塞する際には出入口5aを覆い、かつ壁6側の面が壁6に対して当接するようにして配置される。
可動収納家具10は、前面(玄関土間部3側)が開口した直方体箱状の収納体であり、その正面の縦横寸法が出入口5aの縦横寸法と等しいか、出入口5aの縦横寸法よりも大きく設定されている。
そして、この可動収納家具10は、家具本体11と、開閉体12と、第一移動手段と、を備える。
家具本体11は、後述の第一スライド手段によって仕切壁5に沿ってスライド移動するものであり、図1〜図5に示すように、天板と、底板と、背板と、左右の側板からなる箱状体を基本構造としている。このような基本構造の箱状体の内部は、縦板(仕切り板)または横板(棚板)によって、上下または左右に仕切られる。
縦板は、天板と底板との間、または天板と横板との間、または底板と横板との間に架け渡されて固定されている。
横板は、左右の側板間、または左右いずれかの側板と仕切り板との間に架け渡される。横板の場合は、各板間に架け渡されて固定されるものと、例えばダボ・ダボ穴を採用するなどして居住者の任意の高さに設定できるもの、とがある。
家具本体11は、以上のように形成されることによって前面(玄関土間部3側)に開口した一つまたは複数の収納部11aを有する状態となる。
開閉体12は、収納部11aの開口を開閉する扉や幕である。扉は、片開き式や両開き式、横スライド式(引き違いを含む)、上げ下げ式、滑り出し式等、様々な形式のものを採用することができる。幕は、垂れ幕式や引き割り式、巻き上げ式(ロール式ともいう)等が採用される。
本実施形態の開閉体12は、後述の第二スライド手段によって家具本体11とは別に仕切壁5に沿ってスライド移動するものである。
この開閉体12は、家具本体11の天板と、底板と、左右の側板の前面に沿って矩形状に形成された枠体12aと、ヒンジを介して枠体12aに取り付けられた複数の板材12bと、を有する。
本実施の形態では、板材12bが、家具本体11上側に区画形成された収納部11aと、家具本体11下側に区画形成された収納部11aの双方における前面開口を開閉する両開きの扉として枠体12aの側部に設けられている。家具本体11中央に区画形成された収納部11aは、板材12bによって覆われておらず、玄関土間部3に向かって開放されている。すなわち、背板の前面が露出した状態となっている。
なお、開閉体12の構成は、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば開閉体12がスライドしない形態の物であれば、枠体12aは必要なく、板材12bを家具本体11にヒンジを介して取り付ければよい。
第一移動手段は、可動収納家具10を仕切壁5に沿ってスライド移動させるための手段であり、この第一移動手段によって、可動収納家具10に対して、出入口5aを開閉する建具としての機能を持たせることができる。
そして、第一移動手段は、家具本体11をスライド移動させる第一スライド手段と、開閉体12をスライド移動させる第二スライド手段と、からなる。
第一スライド手段は、家具本体11の底面に取り付けられたキャスター13と、家具本体11の天面と収納室1の天井1bとに跨って設けられたレール部材14と、を備える。
キャスター13は、家具本体11がスライドする方向にのみ移動自在であり、本実施形態においては回転機能(方向転換機能)を有さないものとする。
レール部材14は、家具本体11の天面に取り付けられたガイドレール14aと、収納室1の天井1bに埋め込まれるようにして取り付けられるとともにガイドレール14aが挿入されるレール溝14bと、を有する。なお、レール溝14bの下面は、天井1bと面一である。
このような第一スライド手段により、家具本体11は、図4に示すように出入口5aを開放させる方向および出入口5aを閉塞する方向、すなわち、仕切壁5の収納室1側の面に沿う方向(仕切壁5の幅方向、と換言してもよい)にスライド移動する。
第二スライド手段は、収納室1の天井1bに埋め込まれるようして取り付けられたレール部材15と、開閉体12の天面に取り付けられるとともにレール部材15に吊り下げられる吊下体16と、収納室1の床面1aに取り付けられた振れ止め17と、を備える。
レール部材15は、リップ溝形鋼(C形鋼、Cチャンともいう)状に形成されて、開放された箇所を下方に向けて配置されている。このレール部材15は、開放箇所の両側に位置し、かつ下面が天井1bと面一となる下片部15aを有する。
吊下体16は、レール部材15の内部に挿入されて、下片部15aの上面に載る車輪16aを有しており、車輪16aは、下片部15a上を転動する。開閉体12は、この吊下体16によって天井1b(レール部材15)から吊り下げられた状態となっており、図4に示すように、出入口5aを開放させる方向および出入口5aを閉塞する方向、すなわち、仕切壁5の収納室1側の面に沿う方向(仕切壁5の幅方向、と換言してもよい)にスライド移動する。
振れ止め17は、吊り下げられた開閉体12の振れを抑制する突起状のものであり、先端部が開閉体12の下端部に、開閉体12の幅方向に沿って長尺に形成された凹部12cに挿入された状態となっている。なお、振れ止め17は、床面1aのうち出入口5aに露出しない位置に設けられている。
なお、本実施形態において開閉体12は、図4に示すように仕切壁5の収納室1側の面に近い位置を当該面に沿ってスライドし、家具本体11は開閉体12の収納室1側の面に近い位置を当該面に沿ってスライドする。
ただし、この場合は家具本体11が、開閉体12の厚み分だけ収納室1内側に後退して配置された状態となる。そこで、図5に示すように、仕切壁5に開閉体12を引き込みできる引き込み凹部5bを形成してもよい。これにより、家具本体11は、図4に示す例よりも玄関土間部3側に寄せて配置された状態となるので、その分だけ収納室1内のスペースを広くすることができる。
また、図3に示すように、可動収納家具10によって出入口5aを閉塞している状態において、可動収納家具10の下端面(底面)と床面1aとの間には隙間が形成されている。
すなわち、可動収納家具10を構成する家具本体11はキャスター13によって床面1aとの間に隙間を形成し、開閉体12は天井1bに吊り下げられることによって床面1aとの間に隙間を形成するようにして設けられている。
このように可動収納家具10の下端面(底面)と床面1aとの間に隙間が形成されれば、収納室1と玄関土間部3とが隙間を通じて常に連通した状態となる。
本実施形態における第一移動手段は、上述のような構成に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、可動収納家具10を、その天面および底面から突出する回転軸(垂直軸回り)を備えるものとし、回転軸を収納室1の床面1aおよび天井1bに回転自在に取り付けて、可動収納家具10を回転式としてもよい。
また、本実施形態において可動収納家具10は、出入口5aと仕切壁5の裏側(収納室1側)との間でスライド移動する構成となっているが、そのスライド方向も特に限定されるものではない。例えば、収納室1と玄関土間部3との間を行き来する方向にスライド移動するものとしてもよいし、出入口5aと玄関ホール部4との間でスライド移動するものとしてもよい。
また、より詳細な点においては、第一スライド手段のレール部材14は、家具本体11の天面と収納室1の天井1bとに跨って設けられるものとしたが、これに限られるものではない。
例えば、レール部材14を、家具本体11の前面と開閉体12に跨って設けられるものとしてもよいし、家具本体11の底面と床面1aに跨って設けられるものとしてもよい。
さらには、家具本体11の前面と仕切壁5に跨って設けられるものとしてもよい。この場合は、第二スライド手段は無く、開閉体12が、家具本体11の収納部11a内の開口縁部に設けられた状態となる。
なお、このようにレール部材14は、家具本体11とこれに対向する面に跨って設けられるものであればよく、その取付位置に係る自由度が高い。ただし、その取付位置に応じて、ガイドレール14aがレール溝14bに係合しやすい構造を備えるものとする。
また、ガイドレール14aおよびレール溝14bは共に、家具本体11および開閉体12のスライド方向に長尺であるが、少なくともレール溝14bが長尺であればよい。すなわち、ガイドレール14aは短尺でもよいし、ガイドレール14aに代えて、レール溝14bに挿入されてこれに沿って移動する突状体を用いてもよい。
また、本実施形態において第二スライド手段は、レール部材15と、吊下体16と、振れ止め17と、を備えるものとしたが、これに限られるものではない。
例えば、第二スライド手段も、第一スライド手段と同様にキャスター13、レール部材14を備えるものとしてもよい。すなわち、可動収納家具10の下端面(底面)と床面1aとの間に隙間を形成するための支持構造(支持機構)が設けられればよいものとする。
すなわち、可動収納家具10は、自身を出入口5aを開閉する建具として機能させるための移動機構と、床面1aとの間に隙間を形成するための支持機構とを併せ持つものである。
本実施形態によれば、出入口5aには、収納室1側に寄せて配置され、出入口5aを開閉する建具としての機能を持つ可動収納家具10が設けられているので、この可動収納家具10によって、収納室1の出入口5aを開閉しつつ収納量を向上させることができ、効率的である。
可動収納家具10は、収納室1側に寄せて配置されているので玄関2側に突出しない。さらに、可動収納家具10によって収納室1の内部を遮蔽し、開閉体12によって家具本体11における収納部11aの内部を遮蔽できるので、玄関2の美観を保つことができる。
また、可動収納家具10の下端面(底面)と床面1a(3a)との間に隙間が形成されているので、この隙間を通じて収納室1内の換気を行うことができる。
また、例えば掃除等で収納室1の床面1aに水を撒いた際に、隙間を通じて水を玄関2側に排水できるので、排水性にも優れる。
また、可動収納家具10は、当該可動収納家具10を仕切壁5に沿ってスライド移動させる第一移動手段を備えるので、この第一移動手段によって、可動収納家具10を仕切壁5に沿って確実にスライド移動させることができる。すなわち、可動収納家具10を、出入口5aを開閉する建具として確実に機能させることができる。
さらに、第一移動手段は、家具本体11をスライド移動させる第一スライド手段と、開閉体12をスライド移動させる第二スライド手段と、からなるので、これら第一スライド手段と第二スライド手段によって家具本体11と開閉体12を別々にスライド移動させることができる。
また、家具本体11によって出入口5aを閉塞している状態において、第二スライド手段で開閉体12をスライド移動させることによって、家具本体11の収納部11a全体をいっぺんに開放させることができる。これによって、収納部11a全体の物品の出し入れを行うことができるので、使い勝手がよい。
〔第2実施形態〕
次に、図面を参照して本発明の第2実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態とは異なる構成部分について主に説明する。
本実施形態においては、図6に示すように、可動収納家具10が、当該可動収納家具10を収納室1から出入口5aを介して玄関2側へと移動させる第二移動手段を備える。
本実施形態の可動収納家具10は、開閉体12を構成する板材12bが、家具本体11の前面にヒンジを介して回転可能に取り付けられたものであり、第二移動手段による移動時には、家具本体11と開閉体12は一緒に移動する。
第二移動手段は、家具本体11の底面に取り付けられたキャスター20であり、このキャスター20は、家具本体11がスライドする方向にのみ移動自在である。
このように第二移動手段がキャスター20であるため、可動収納家具10によって出入口5aを閉塞している状態において、可動収納家具10の下端面(底面)と床面1aとの間には隙間が形成されている。
また、第二移動手段は、家具本体11の天面に取り付けられたガイドレール14aと、収納室1の天井1bから玄関土間部3の天井3bにかけて取り付けられるとともにガイドレール14aが挿入されるレール溝14bと、を有するレール部材14を備えてもよい。
なお、キャスター20は、家具本体11がスライドする方向にのみ移動自在であるとしたが、これに限られるものではなく、回転機能(方向転換機能)を有するものを用いてもよい。この場合、真っ直ぐなレール部材14は併用しない。
本実施形態によれば、第二移動手段によって、可動収納家具10を、収納室1から出入口5aを介して玄関2側へと確実に移動させることができる。
また、可動収納家具10を収納室1内で移動させることがないので、収納室1内に、可動収納家具10を配置するためのスペースを確保すれば、可動収納家具10を収納室1内で移動させるための余計なスペースが必要なくなる。これによって、収納室1内の収納スペースを広くすることができる。
〔第3実施形態〕
次に、図面を参照して本発明の第3実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態とは異なる構成部分について主に説明する。
本実施形態における収納室1は、図7〜図9に示すように、玄関2に隣接して配置された階段8の踊り場8aの下方、または踊り場8aと連続する床9の下方に設けられている。つまり、踊り場8aと床9は一体に設けられており、その下方に収納室1が設けられている。
より詳細に説明すると、床面1aと、踊り場8aおよび床9を構成する床体との間に収納室1が設けられており、その天井高は、例えば0.8m〜1.4mに設定されている。このような収納室1の天井高を確保できる高さ位置に床体が設けられており、この床体と玄関ホール部4に通じる廊下との間に階段8が架け渡されている。
なお、床体における踊り場8aの範囲および床9の範囲は明確に規定されているわけではないが、説明の便宜上、階段8から踊り場8aに上がった場所と、その場所から更に上階に上がるための階段(図示せず)までに人が通過する場所までの範囲を踊り場8aと称し、それ以外の範囲を床9と称する。
階段8は、踊り場8aの玄関2側端部から離れた位置(可動収納家具10に干渉しない程度)に配置されている。また、踊り場8aおよび床9の玄関2側端部の上面には、上から見て略L字状に組み立てられた手摺8bが設けられている。
そして、踊り場8aおよび床9の玄関2側端部の下方に、収納室1と玄関土間部3とを仕切る仕切壁5が設けられている。仕切壁5には出入口5aが形成されている。なお、本実施形態の出入口5aは、玄関土間部3側と玄関ホール部4側の二方向に開口している。
可動収納家具10は、二方向に開口する出入口5aを塞ぐようにして設けられている。すなわち、正面部分が玄関土間部3側に面し、玄関ホール部4側の側面部分が玄関ホール部4に面している。また、これら正面部分および側面部分は、隣接する壁面(仕切壁5の玄関側の面、壁6の廊下側の面)と面一である。
また、この正面部分においては、開閉体12を構成する板材12bが、家具本体11の前面にヒンジを介して回転可能に取り付けられている。
可動収納家具10の玄関ホール部4側の端部は、玄関ホール部4の床面4a上に位置する。これに伴って、可動収納家具10の底面の位置は、図9に示すように、玄関ホール部4の床面4aよりも若干高い位置に設定されており、可動収納家具10は、玄関ホール部4から張り出したような状態となる。
これにより、可動収納家具10によって出入口5aを閉塞している状態において、可動収納家具10の下端面(底面)と床面1a(土間床面3a)との間には、比較的大きな隙間が形成される。
そして、可動収納家具10は、当該可動収納家具10を垂直軸回りに玄関2に向かって回転移動させることを可能とする第三移動手段を備える。
本実施形態における第三移動手段は、図8,図9に示すように、可動収納家具10において、上述した正面部分と側面部分とが交わるコーナー部の天面および底面から突出する回転軸30である。
回転軸30の上端部31および下端部32は、収納室1の天井1bおよび玄関ホール部4の床面4aに回転自在に取り付けられている。
すなわち、可動収納家具10は、図8に示すように玄関ホール部4側に向かって回転することによって出入口5aを開放でき、逆方向に回転することによって出入口5aを閉塞できる。
可動収納家具10を回転移動させた状態においては、可動収納家具10の正面部分が玄関ホール部4側に向いた状態となる。
なお、本実施形態において踊り場8aおよび床9を構成する床体の高さは、例えば0.8m〜1.4m、と比較的低い設定としたが、これに限られるものではなく、通常の2階の高さ(1階居室の天井高を少なくとも2.1mとした場合の高さ)に設定してもよいものとする。この場合、仕切壁5および出入口5aと、可動収納家具10の高さもこれに合わせて高く設定する。
本実施形態によれば、第三移動手段によって、可動収納家具10を玄関2側へと確実に回転移動させることができる。
また、可動収納家具10を収納室1内で移動させることがないので、収納室1内に、可動収納家具10を配置するためのスペースを確保すれば、可動収納家具10を収納室1内で移動させるための余計なスペースが必要なくなる。これによって、収納室1内の収納スペースを広くすることができる。
また、収納室1は、階段8の踊り場8aの下方、または踊り場8aと連続する床9の下方に設けられている、すなわち踊り場8aや床9の下方空間を有効利用して収納室1を建物内に導入できるので、建物内に比較的広い収納スペースである収納室1を確保しつつ、建物内全体のスペースの有効活用に貢献できる。
〔第4実施形態〕
次に、図面を参照して本発明の第4実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上述した実施形態とは異なる構成部分について主に説明する。
本実施形態における収納室1は、第3実施形態と同様に、玄関2に隣接して配置された階段8の踊り場8aの下方、または踊り場8aと連続する床9の下方に設けられている。
また、可動収納家具10も、その玄関ホール部4側の端部が、玄関ホール部4の床面4a上に位置するため、可動収納家具10は、玄関ホール部4から張り出したような状態となり、床面1a(土間床面3a)との間に、比較的大きな隙間が形成される。
本実施形態の可動収納家具10は、当該可動収納家具10を玄関土間部3側から玄関ホール部4側にスライド移動させる第四移動手段を備える。
第四移動手段は、図10,図11に示すように、家具本体11の底面に取り付けられたキャスター40と、家具本体11の天面と収納室1の天井1bとに跨って設けられたレール部材41と、を備える。
キャスター40は、家具本体11がスライドする方向にのみ移動自在であり、本実施形態においては回転機能(方向転換機能)を有さないものとする。
レール部材41は、上述のレール部材14と同様の構成であり、家具本体11の天面に取り付けられたガイドレール41aと、収納室1の天井1bに埋め込まれるようにして取り付けられるとともにガイドレール41aが挿入されるレール溝41bと、を有する。
このような第四移動手段により、可動収納家具10は、出入口5aを開放させる方向および出入口5aを閉塞する方向に移動できる。すなわち、可動収納家具10を玄関ホール部4側にスライド移動させることによって出入口5aを開放でき、逆方向にスライド移動することによって出入口5aを閉塞できる。
可動収納家具10を玄関ホール部4側にスライド移動させた状態においては、可動収納家具10の正面部分が玄関ホール部4側に向いた状態となる。
本実施形態によれば、第四移動手段によって、可動収納家具10を玄関ホール部4側に確実にスライド移動させることができる。
また、可動収納家具10を収納室1内で移動させることがないので、収納室1内に、可動収納家具10を配置するためのスペースを確保すれば、可動収納家具10を収納室1内で移動させるための余計なスペースが必要なくなる。これによって、収納室1内の収納スペースを広くすることができる。
さらに、可動収納家具10を玄関ホール部4側に移動させて物品の出し入れを行うことができるので、玄関土間部3に下りて作業を行う必要がない。
なお、以上の各実施形態において説明した本発明の構成については、可能な限り組み合わせて適用してもよいものとする。
1 収納室
2 玄関
3 玄関土間部
4 玄関ホール部
5 仕切壁
5a 出入口
10 可動収納家具
11 家具本体
11a 収納部
12 開閉体
13 キャスター
14 レール部材
15 レール部材
16 吊下体
17 振れ止め
20 キャスター
30 回転軸
40 キャスター
41 レール部材

Claims (8)

  1. 住宅等の建物の玄関に隣接して設けられ、人の出入りが可能とされた収納室の構造において、
    前記玄関と前記収納室とを仕切る仕切壁に出入口が形成され、
    前記出入口には、前記収納室側に寄せて配置され、前記出入口を開閉する建具としての機能を持つ可動収納家具が設けられており、
    前記可動収納家具は、前記玄関側に向かって開口する収納部が形成された家具本体と、前記収納部の開口を開閉する開閉体と、を備えることを特徴とする収納室構造。
  2. 請求項1に記載の収納室構造において、
    前記可動収納家具は、当該可動収納家具を前記仕切壁に沿ってスライド移動させる第一移動手段を備えることを特徴とする収納室構造。
  3. 請求項2に記載の収納室構造において、
    前記第一移動手段は、前記家具本体をスライド移動させる第一スライド手段と、前記開閉体をスライド移動させる第二スライド手段と、からなることを特徴とする収納室構造。
  4. 請求項1に記載の収納室構造において、
    前記可動収納家具は、当該可動収納家具を前記収納室から前記出入口を介して前記玄関側へと移動させる第二移動手段を備えることを特徴とする収納室構造。
  5. 請求項1に記載の収納室構造において、
    前記可動収納家具は、当該可動収納家具を垂直軸回りに前記玄関に向かって回転移動させる第三移動手段を備えることを特徴とする収納室構造。
  6. 請求項1に記載の収納室構造において、
    前記玄関は、玄関土間部と、この玄関土間部よりも一段高い床面に設定された玄関ホール部と、を備えており、
    前記出入口が形成された前記仕切壁は、前記収納室と前記玄関土間部との間に設けられており、
    前記可動収納家具は、当該可動収納家具を前記玄関土間部側から前記玄関ホール部側にスライド移動させる第四移動手段を備えることを特徴とする収納室構造。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の収納室構造において、
    前記可動収納家具によって前記出入口を閉塞している状態において、前記可動収納家具の下端面と床面との間に隙間が形成されていることを特徴とする収納室構造。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の収納室構造において、
    前記収納室は、前記玄関に隣接して配置された階段の踊り場の下方、または踊り場と連続する床の下方に設けられていることを特徴とする収納室構造。
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