JP2016204990A - 屋根の吹き飛び防止構造 - Google Patents
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Abstract
Description
また、屋根が爆風によってバラバラになって飛散しないように、建物から屋根全体を爆風で一体的に浮き上がらせる構造とする水素貯蔵建屋がある(例えば、特許文献2参照)。
したがって、屋根が建物の外側へ吹き飛ぶことを防止でき、屋根が周囲に脱落することもない。
したがって、簡易な構成で、屋根が建物の外側へ吹き飛ぶことを防止できる。
このため、少数の架け渡し部材で、屋根板材が建物の外側へ吹き飛ぶことを防止できる。
また、強風時に架け渡し部材がバタつくことが防止される。
以下、図面を参照しながら、第1実施形態の屋根吹き飛び防止構造について説明する。
なお、図2は、図1に示したA−A’で示される立断面図であり、図3は、図1に示したB−B’で示される立断面図である。
図2及び図3に示すように、建物20は、ガス供給設備10を格納する格納庫として使用される。
床版25からは、壁体22が対向して立ち上げられている。この壁体22の間には、壁体22より高さの低い壁体21が設けられ、さらに、壁体21と対向して、壁体21より高さの低い壁体23が設けられている。
これらの壁体21、22、23により、床版25の上にガス供給設備10を格納する部屋15が構成されると共に、建物20の上部には矩形状の上部開口26が形成される。
壁体21、23の上部には、上部開口26を覆う屋根30が架け渡されている。屋根30は、壁体23側へ傾斜しており、壁体23の外側へ雨水を流すようになっている。
なお、本実施形態において、壁体21は壁体22よりも高さが低く構成されているが、壁体21と壁体22は同じ高さで構成してもよい。この場合、屋根30は、壁体21の側面から壁体23の上部に架け渡される。
壁体21には、開口部27が形成され、建物20内の部屋15への出入り口となっている。なお、開口部27は、防爆扉で閉じられており、ガス供給設備10から漏れたガスが爆発したときに、爆圧が開口部27から建物20の外側へ放出しない構成である。
また、壁体21、22、23と、床版25は、ガスが爆発したときの爆圧に耐えうる剛性とされている。
図1に示すように、屋根30は、屋根板材としての鋼製折板31を、壁体21、23の上部に複数枚架け渡し、隙間なく幅方向Wに並べて構成されており、上部開口26を覆っている。
なお、幅方向Wは建物20の長手方向を示し、図1、2において矢印Wで示している。
また、屋根30が上部開口26を「覆っている」とは、屋根30が上部開口26の上部を完全に被覆している状態や、屋根30と壁体22との間に僅かに隙間が空いている状態も含む。
なお、図1、図2においては、鋼製折板31の波型形状を省略している。
屋根受け部材70には、鋼製折板31にボルト接合された幅方向Wへ延出するタイトフレーム74が溶接されている。
屋根受け部材70とタイトフレーム74との溶接部分は、所定の圧力で破断するように強度が調節されており、ガスが爆発したときには、爆圧によって壁体21、22、23が破壊する前に、溶接部分が破断して鋼製折板31を浮き上がらせる。
架け渡し部材は、複数本のワイヤ46(鋼製の撚り紐)をターンバックル45で連結した連結ワイヤ40として構成されている。
連結ワイヤ40は、屋根30の上面から離間して、壁体22の間に幅方向Wに沿って2本架け渡されている。また、2本の連結ワイヤ40は、屋根30の奥行き方向Dの中心線Mの両側に架け渡されている。
なお、奥行き方向Dは建物20の短手方向を示し、図1、3において矢印Dで示している。
クランプ43は、金属製(例えばアルミ合金)の円筒状部材であり、圧縮設備を用いてワイヤ46を加締めている。
クリップ44は、金属製(例えばステンレス鍛造品)の留め具であり、ワイヤ46の重ね合わせ部分を、一定間隔を置いて複数箇所加締めている。
ジョイント部42は、ターンバックル45の係止孔45aに係合されており、複数のワイヤ46が、ターンバックル45を介して連結され、連結ワイヤ40となっている。
図1〜図3に示すように、支持部材50は、鋼製折板31のリブ頂面31aにボルト接合された台座51を備えている。台座51の上部には、連結ワイヤ40を支持する支持部52が設けられている。支持部52はアングルとされ、奥行き方向Dに沿って設置されている。
支持部材50は幅方向Wの中央部に配置されており、支持部52は、上面に連結ワイヤ40が載置されて、連結ワイヤ40の荷重の一部を支持している。
図4(a)、(b)に示すように、固定具60は、壁体22に固定された固定部材61と、固定部材61に挿入するかんぬき部材62で構成されている。
固定部材61の、ベースプレート61dは壁体22の外側面にボルト61fで固定されている。ベースプレート61dには2枚の平板61bと、底板61cが溶接されている。
ベースプレート61dには、貫通孔61eが形成され、壁体22を貫通する貫通孔22aと連通している。
平板61bには、それぞれ貫通孔61aが設けられている。
かんぬき部材62は、貫通孔61aよりも小径とされた外径を有する棒鋼で、平板61bの上方から、貫通孔61aを貫通して落とし込み、底板61cの上に載置することができる。
ガス供給設備10は、本実施形態においては、圧縮水素を貯蔵するタンクである。なお、ガス供給設備とは、爆発(爆轟や爆燃)する可能性のあるガスを内在するタンク、配管、バルブ及び容器並びにこれらを2つ以上組み合わせたものを含む。
次に、図4(a)、(b)を参照しながら、連結ワイヤ40の施工方法について説明する。
連結ワイヤ40を構成するワイヤ46の一方の端部には、施工に先立って、予めクランプ43で加締められた引掛部41が形成されている。
第1実施形態の屋根吹き飛び防止構造は、上述したように構成されており、以下その作用について説明する。
このとき、爆風EPによる爆圧によって、壁体21、22、23が破壊される前に、壁体21、23と鋼製折板31とを締結する溶接部分が破断して、鋼製折板31を浮き上がらせる。このため、壁体21、22、23の破壊を抑制することができる。
このため、強風時においても連結ワイヤ40と鋼製折板31とが接触することが抑制されるので、連結ワイヤ40がバタつくことが防止される。また、連結ワイヤ40と鋼製折板31の相互の擦れによって鋼製折板31の塗装が剥がれて屋根30の耐久性に影響を与えることを抑制できる。
このため、本実施形態の屋根吹き飛び防止構造は、強風時の屋根の吹き上げ対策としても有効である。
本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
例えば、鋼製折板31はプレキャストコンクリート製の板等であってもよい。また、屋根全体が、RC造等により一体的に形成されたものであってもよい。このような場合でも、ガスが何らかの原因で爆発したときには、屋根30が浮き上がろうとするが、連結ワイヤ40によって、屋根30が建物20の周囲へ脱落することを抑制することができる。
例えばジョイント部42と同様、クリップ44で加締めてもよいし、連結ワイヤ40自体を円環状に形成せず、円環状の端子を接続してもよい。クリップ44で加締めるものとすれば現場で加工することができるので、資材管理が容易である。円環状の端子を接続するものとすれば円環部分の直径を一定にすることができるので、品質管理が容易である。
例えば鋼製折板31が軽い素材であったり、想定される爆発の規模が小さい時は1本でもよいし、逆に、鋼製折板31が重い素材であったり、想定される爆発の規模が大きい時は、3本以上であってもよい。
連結ワイヤ40を屋根30の上に斜めに架け渡せば、鋼製折板31を幅方向W、奥行き方向Dのいずれの方向に並べても、鋼製折板31が浮き上がった際には、連結ワイヤ40に当る。したがって、鋼製折板31を並べる方向に関わらず、鋼製折板31が建物の外側へ吹き飛ぶことを抑制できる。また、連結ワイヤ40を格子状に架け渡せば、鋼製折板31が建物20の外側へ吹き飛ぶことを抑制する効果を、さらに高めることができる。
例えばPC鋼棒などの線状部材や、アングルやチャンネルなどの型鋼を用いて、強度を大きくしてもよい。強度を大きくすることで、大きな爆発の爆圧にも耐えることができる。あるいは、架け渡し部材の本数を少なくすることができる。
また、架け渡し部材の強度が大きくなると剛性が高まるので、架け渡し部材が自重によって垂れたり撓んだりすることを抑制できる。しがたって、強風時のバタつきを抑える効果を高めることもできる。
この場合、架け渡し部材は、ボルト接合や溶接などによって、壁体22に設置したアンカー部材等に固定すればよい。
例えば、台座51を建物20の内部に設けられた仕切壁の上面に固定して、鋼製折板31の上面から突出させた支持部52に、連結ワイヤ40の上下方向の移動を拘束して支持するものとしてもよい。
このように構成すれば、支持部材50が鋼製折板31ではなく建物20の躯体に固定されるので、支持部材50の固定強度を高めることができる。また、支持部材50が鋼製折板31と一緒に吹き上げられることがないので、強風時の吹き上げ防止の効果を高めることができる。この場合、支持部52を、アングルではなく有孔のプレートで形成し、プレートの孔に連結ワイヤ40を貫通させるものとすればよい。
20 建物
21、22、23 壁体
26 上部開口
30 屋根
31 鋼製折板(屋根板材)
40 連結ワイヤ(架け渡し部材)
50 支持部材
Claims (3)
- ガス供給設備を貯蔵する建物の上部開口を覆う屋根と、
前記屋根の上面から離して前記建物の上部へ架け渡された架け渡し部材と、
を有する屋根吹き飛び防止構造。 - 前記屋根は屋根板材を幅方向に並べて構成され、前記架け渡し部材は前記幅方向へ架け渡されている、
請求項1に記載の屋根吹き飛び防止構造。 - 前記屋根の上面には、前記架け渡し部材を支持する支持部材の支持部が位置している、
請求項1又は請求項2に記載の屋根吹き飛び防止構造。
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US3869836A (en) * | 1974-04-15 | 1975-03-11 | Cloy L Allen | Mobile home protector |
JP2004293081A (ja) * | 2003-03-26 | 2004-10-21 | Sankyo Alum Ind Co Ltd | 簡易建物 |
JP2008057185A (ja) * | 2006-08-30 | 2008-03-13 | Tokiko Techno Kk | 水素貯蔵建屋 |
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- 2015-04-23 JP JP2015088236A patent/JP6530953B2/ja active Active
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