JP7485350B2 - ロープ(ザイル)降下用臨時支点装置 - Google Patents
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Description
ロープを用いた災害時の救助活動や建物外壁作業等の際に懸垂下降または登攀する人間を任意に停止又は緩下降させるためには、屋上部の笠木(パラペットとも称される)などに常設設置されている前述したゴンドラ用の跨座式突梁や(パラペット)スタンションに類した装置が用いられている。(例えば、特許文献1ならび特許文献2参照)
そうした場合、前述した屋上部の建築躯体(笠木)や支持金物などを利用したロープの展張が行えず、救助用ロープを用いた屋上からの救助活動(いわゆるラペリング作業)が行えない事態も生じる。
本考案に係るロープ降下用の臨時支点装置の構成は、主に対象となる空間域に架設するための〔メインチーズ〕へと挿通された〔固定用ピン〕により着脱可能な〔自在受け板〕を有する〔メインフレーム〕とそれを外包し、〔自在押し板〕と〔締付けハンドル〕とが挿通し、連結された〔可動チーズ〕と異なる間口に対応するために選択可能な複数の〔延長パーツ〕と〔エンドパーツ〕ロープ等を接続するための〔スイベル〕とから成る。
設置前に対象となる間口を測定する。次いで〔延長パーツ〕の要または不要、必要数を選択し〔メインフレーム〕〔延長パーツ〕〔エンドパーツ〕の側面に等間隔で配設された〔固定ピン用ガイド穴〕と必要に応じて選択された〔延長パーツ〕と〔可動チーズ〕に配設された〔固定ピン用ガイド穴〕とが合致したら〔固定用ピン〕を用いて挿通させ、対象となる間口に合わせて緩嵌させた状態にする。
続いて、前記〔メインフレーム〕の軸上から垂直に継合される〔メインチーズ〕に配設された〔自在受け板〕と〔可動チーズ〕に挿通して〔自在押し板〕に連結された〔締付けハンドル〕を回して〔自在押し板〕を任意の位置へ移動させ、対象物へと押し付けて張設することにより、ロープ等を接続するための支点を構成する。
これにより〔メインチーズ〕の近傍に配設された〔スイベル〕へロープを挿通させ、接続することで(降下作業を開始する際に必要とされる)ロープ用の支点は、確実に構成(担保)される。
また、張設する場所を任意での選択が出来、対象物への応力集中を極力発生させない構成(建築躯体へと荷重を分散させる)により対象物の張設部分を変形や損壊させることなく、当該性能をそのまま担保することが出来る。つまり、設置場所における適応性、簡易性、即応性、迅速性、携行運搬性、そして強度の担保性など複数の要件を具備することを特徴とする。
また、産業分野のおいては、ロープ高所作業に係る作業者や熱源器、空調機などの更新工事や保守作業等に係る産業の分野のおいても、自己確保(レストレイン)が担保(確保)出来ない環境下で行う作業者の安全性をも担保出来得る。
したがって、作業可能となる対象範囲の拡大や作業時間の短縮化が可能となるなど、さまざまな社会的利益が期待出来る。さらには、同産業分野の発展にも寄与することが出来る。
その結果、簡易な構成でありながら、ロープ降下作業のみならず、墜落を防止するための自己確保(レストレイン)を必要とする高所での作業など、様々な作業の高効率化と作業者の安全性の向上を同時に実現することができる。
以下に、本発明に係る[ロープ降下用の臨時支点装置]の一実施形態について、図面を参照して説明する。ここで図1、図2は、本実施の形態1に係る[ロープ降下用の臨時支点装置]の構成を示す模式図、図3、図5は、[ロープ降下用の臨時支点装置]の使用状態とかかる応力を示す模式図、図4、図6、図7は、使用状態を示す模式図である。
<実施形態1>
また、前記〔メインチーズ〕の近傍には、ロープの結索始点となる〔スイベル〕が並設され、そこから一定の距離を設けた〔メインフレーム〕の側面には、等間隔で〔固定用ピン〕を用いて挿通させるための〔固定ピン用ガイド穴〕が配設されている。
これを使用して〔メインフレーム〕と〔エンドパーツ〕とを〔固定用ピン〕を用いて挿通させ、その両端部にボールエンドが配設される状態に連結する。
略T字型形状の〔可動チーズ〕には、その端部から一定の距離も設けて配設される角柱状の支管が形成されている。その中間部には〔送りネジ〕を挿通させて連結させた〔締付けハンドル〕と45°前後の首振り機能を有する〔自在押し板〕とが一体的に形成され、更には〔可動チーズ〕と〔メインフレーム〕または〔延長パーツ〕〔エンドパーツ〕とを〔固定用ピン〕を挿通させて連結させるための〔固定ピン用ガイド穴〕が配設されている。
また、複数のロープを直接接続(直接結索しても良い)または、間接的に接続することが可能であり、カラビナなどの器具を用いることが出来る利点もある。
加えて〔スイベル〕に直接〔ロープ〕や〔スリング〕などを挿通させるか、または、〔スイベル〕の近傍に巻着して連結することで、バックアップ用途またはガイライン用としての利用を可能としている。([0030]にて『ガイライン』を解説する)
<実施形態2>
実施形態1において許容(適応)可能な間口を超える場合は、前述の〔延長パーツ〕を〔メインフレーム〕と〔エンドパーツ〕との間に必要数を連結して対象となる空間に張設する。先の実施形態と同様な部材や手順に関しては、同様な符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<実施形態3>
図7に模式的に示すように、開口部の長辺側の一辺は壁や柱と接しており、短辺側の一辺も床面と接している。そこで、前述の制限を受けて(壁など他の建築躯体と接して)いない短辺側の一辺と長辺側の一辺を結んだ対角線上に張設した使用状態を示している。
先ず、前記の対角線の長さを測定する。次いで〔延長パーツ〕の必要数を選択して〔メインフレーム〕と〔エンドパーツ〕と連結させ、対象となる空間域に対して緩嵌する程度の状態にする。続いて〔メインチーズ〕に連結された〔自在受け板〕は〔固定用ピン〕を抜去して取外す。次いで〔メインチーズ〕の円柱部分を制限を受けていない側の天面に接触させながら、壁や柱と接触するまで移動させる(必ず接触させなくてもよい)。続いて〔エンドパーツ〕の端部にある〔ボールエンド〕を制限を受けていない側の床面に接地させる。続けて〔メインフレーム〕に継合されている〔メインチーズ〕が前述の天面へ接触させたままの状態を保持する。そして〔自在押し板〕にて張設が出来るように〔可動チーズ〕の作用する範囲内を見定め〔メインフレーム〕とを〔固定用ピン〕で挿通させ連結させる。その状態で〔締付けハンドル〕を回して連結されている〔自在押し板〕を制限を受けていない長辺側の一辺に押し当てて張設する。
このように、前述した補助的な支点を構成することで、様々な建築構造物への適応性をも同時に実現することができる。
加えて前述の各パーツの端部は、凹設状と凸設状に形成されており、これを連結することで、各パーツ同士が重合するように連設され、前記〔固定ピン用ガイド穴〕も重合したままの状態で〔固定用ピン〕の任意の位置での挿通(連結)が可能となるように形成されている。
これらの構造により、設置可能な寸法を最大限まで確保することが出来、かかる応力(荷重)に対する強度は、角棒状のアルミ合金と同程度に担保されている。
〔可動チーズ〕には、前述の各パーツとを任意の位置で嵌合固定をするための〔固定ピン用ガイド穴〕が配設されている。
したがって、救助活動や警察ならびに軍事用等特殊作業の際に要求される現場での適応性をはじめ、作業時の即応性、迅速性と共に好適な姿勢の保持を得やすくすることが出来る。また、前述した産業分野においてもロープ降下作業のみならず、墜落を防止するための自己確保(レストレイン)を必要とする高所での作業など、様々な作業の高効率化と作業者の安全性の向上を同時に実現することが出来る。
以上説明したように、本発明に係る[ロープ降下用の臨時支点装置]によれば、簡易な構成と別途に設ける補助的な支点とを構成することで、様々な建築構造物への設置が可能となり、既存の降下用ロープや付帯する下降器などの各種器材は、そのまま流用が出来る。
また、救助活動や警察ならびに軍事用等の際に要求される降下作業の即応性、迅速性と共に好適な姿勢の保持性が担保され、さらには作業を行う際に、必ず伴う装置の携行運搬性も含めて、簡易に実現することができる。
1 メインフレーム
11 メインチーズ
12 自在受け板
13 スイベル
2 可動チーズ
3 自在押し板
31 締付けハンドル
32 送りネジ
4 延長パーツ
5 エンドパーツ
6 固定用ピン
61 固定用ピンA
62 固定用ピンB
63 固定ピン用ガイド穴
7 ボールエンド
RP ロープ
Claims (6)
- 〔固定用ピン〕の抜去により着脱可能で対象物の形状に適応する〔自在受け板〕と摺動性や耐摩耗性に優れる樹脂とアルミ合金の2層構造で形成され、端部にゴム製の〔ボールエンド〕とを備える〔メインチーズ〕とその近傍に降下用のロープを接続する〔スイベル〕とを有する〔メインフレーム〕、対象物の間口に応じて必要数を選択可能な複数の〔延長パーツ〕と〔ボールエンド〕を有する〔エンドパーツ〕とを連結して、それを外包する形状で〔締付けハンドル〕と45°前後の首振り機能を有する〔自在押し板〕が設けられ、〔送りネジ〕により挿通して連結される〔可動チーズ〕にて構成されていることを特徴とするロープ降下用の臨時支点装置。
- 〔メインフレーム〕〔延長パーツ〕〔エンドパーツ〕には、それぞれ対象となる間口へ対応出来るように一定の間隔で〔固定ピン用ガイド穴〕が配設され、加えて前述の各パーツの端部は、凹設状と凸設状に形成されており、これを連結することで、各パーツ同士が重合するように連設され、前記〔固定ピン用ガイド穴〕も重合したままの状態で〔固定用ピン〕の任意の位置での連結が可能であり、これらの構造により、設置可能な寸法を最大限まで確保することが出来、かかる応力(荷重)に対する強度は、同外径を有す角棒状のアルミ合金と同程度に担保される構成を備え、前記〔固定用ピン〕により連接された〔メインフレーム〕〔延長パーツ〕〔エンドパーツ〕を外包する構造の〔可動チーズ〕には、前述の各パーツとを任意の位置で嵌合し固定するための〔固定ピン用ガイド穴〕が配設されていることを特徴とする請求項1に記載のロープ降下用臨時支点装置。
- 〔メインチーズ〕に配設された〔固定用ピン〕により着脱可能な角度可変式の〔自在受け板〕と〔メインチーズ〕に挿通し〔締付けハンドル〕と連結された45°前後の首振り機能を有する〔自在押し板〕にて対象物を張設することより、確実に支持出来ることを特徴とする請求項1に記載のロープ降下用臨時支点装置。
- 複数の〔延長パーツ〕を重合させて連設される(連結させる)ことで2mを超える間口にも対応可能な適応性を有することを特徴とする請求項1に記載のロープ降下用の臨時支点装置。
- 〔メインチーズ〕の近傍に配設され降下用のロープの動きへ追従変位する〔スイベル〕を備えることを特徴とする請求項1に記載のロープ降下用臨時支点装置。
- 対象とする開口部の短辺と長辺のそれぞれ一辺が壁や柱、床などに接している環境であっても設置および張設が可能となるようにゴム製の〔エンドボール〕を各端部に有し、摺動性や耐摩耗性に優れる樹脂とアルミ合金の2層構造で円柱状に形成された〔メインチーズ〕と〔エンドパーツ〕〔延長パーツ〕を床面に接地させ、開口部へ挿嵌出来るようにした構成を特徴とする請求項1ないし4に記載のロープ降下用臨時支点装置。
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