JP2016204949A - セキュリティーゲート及びセキュリティーゲート開閉方法 - Google Patents

セキュリティーゲート及びセキュリティーゲート開閉方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゲート本体の両側に相対して設けられるフラップを開閉させる駆動部の機構をよりコンパクトな構成とし、省スペース化を実現するセキュリティーゲート及びセキュリティーゲート開閉方法を提供する。
【解決手段】本キュリティーゲート1は、複数のフラップ2a,2bを備え、両側に設けられた通路3を通行する通行者34を許可又は禁止するために開閉し、この複数のフラップ2は、一つのモータ9によりそれぞれ独立して開閉し、本セキュリティーゲート開閉方法は、どちらのフラップ2を動作させるか、及びフラップ2a,2bを閉位置と開位置とのいずれに動作させるかの情報を受信するステップと、情報に基づき、所定の駆動部10をモータ9に連結させ、その他の駆動部10をモータ9から外すステップと、モータ9を回転させて所定のフラップ2a,2bを所定の位置に動作させるステップと、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、セキュリティーゲート及びセキュリティーゲート開閉方法に係り、特に、複数のフラップを備え、両側に設けられた通路の通行を許可又は禁止するためにフラップを開閉するセキュリティーゲート、及び両側の通路に開閉するフラップを備えたセキュリティーゲート開閉方法に関する。
入場許可を受けた特定の通行人のみに入場を許可して通行や入室を許容すると共に、通行者の入場記録等を管理する入退場管理システムが考案されている。
この入退場管理システムには、例えば、室の出入口に設けられた自動ドアの近傍に磁気カードリーダやICカードリーダ等を配置し、予め入室が許可された人物のみが所持するカードの情報を磁気カードリーダやICカードリーダ等に読み取らせ、そのカードの情報が予め登録された情報と一致した場合に自動ドアの開放許可を出して、入退室を許容するシステムが広く採用されている。
また、入退場管理システムの一つの実例として、鉄道の改札口、空港の入場口、遊園地や博物館の入場口等に配置される改札機がある。この改札機は、通路の一部に開閉自在なフラップ(ゲート)を配置して、所定のICカードや切符(磁気カード)等の認証媒体をカード情報読取装置に読み取らせ、そのICカードや切符が入場を許可するデータを有する場合のみにフラップを一時的に開放して通行者の入退場を許容する。
これらの入退場管理システムにおいて、通行者の入退出や入退場を管理する装置としてセキュリティーゲートが設けられる。本明細書では、この「セキュリティーゲート」を通行者の入退室や入退場を管理する装置として総称する。そして、このセキュリティーゲートには、ゲート本体に対して通行者の入退出や入退場を許可するか、又は禁止するために開閉する扉又はゲートが設けられている。この扉又はゲートを「フラップ」と総称し、このフラップが設けられる装置の本体部分をゲート本体と総称する。
図8,図9に、従来のセキュリティーゲート30の一つの実施例の概略構成を平面図にて示す。ここでは、本発明が対象とするゲート本体35とフラップ32との関係を示す。また、セキュリティーゲート30を通過する通行者34に対し、フラップ32によりその通過を許可、或いは禁止する方法について説明する。図8(a),(b)には、主に入退場ゲートに用いられるセキュリティーゲート30a,30bを示す。また、図9(a),(b)には、主に改札機として用いられるセキュリティーゲート30c,30dを示す。
図8(a)に示すセキュリティーゲート30aは、通行者34が通行する通路33の一方は壁面であり、他方にゲート本体35が設置されている場合である。この場合、通行者34は、セキュリティーゲート30aに対して進入口36から進入して進出口37から進出するか、又は、進出口37から進入して進入口36から進出しても良い。そして、ゲート本体35の中央に通路33と交差するようにフラップ32が設けられる。このゲート本体35に対するフラップ32の位置を「センターフラップ」と称する。このフラップ32は、閉位置41にて通行者34の通過を禁止する。或いは、図8中に破線で示す正回転方向開位置42又は逆回転方向開位置43にて通行者34の通過を許可する。なお、このフラップ32の形状、開閉の方向、開閉の方式、ゲートの設置方法等は、これらの構成に限らない。
図8(b)に示すセキュリティーゲート30bは、1台のゲート本体35の両側に二つの通路33a、33bが設けられる場合である。通行者34aが通行する通路33aの一方は壁面であり、他方にゲート本体35が設置される。通行者34bが通行する通路33bのゲート本体35と反対側は他の壁面となる。本セキュリティーゲート30bでは、説明のため、通行者34a,34bが相互に逆方向に通過する設定とする。すなわち、通行者34aは、セキュリティーゲート30bに対して進入口36aから進入して進出口37aから進出する。一方、通行者34bは、セキュリティーゲート30bに対して進入口36bから進入して進出口37bから進出する。そして、両通路33a,33bには、それぞれフラップ32a,32bが設けられる。このフラップ32a,32bは、閉位置41a,41bにて通行者34a,34bの通過を禁止するか、図8中に破線で示す正回転方向開位置42a,42b又は逆回転方向開位置43a,43bにて通行者34a,34bの通過を許可する。なお、このフラップ32a,32bの形状、開閉の方向、開閉の方式、ゲートの設置方法等は、これらの構成に限らない。
図9(a)に示すセキュリティーゲート30cは、2台のゲート本体35a,35bが設置されている場合を示す。そして、ゲート本体35a,35bに挟まれた通路33の両端に通路33と交差するようにフラップ32a,32bが設けられる。通行者34は、セキュリティーゲート30cに対して進入口36から進入し、フラップ32aを通過し、フラップ32bを通過して進出口37から進出する。又は、通行者34は、セキュリティーゲート30cに対して進出口37から進入し、フラップ32bを通過し、さらにフラップ32aを通過して進出口36から進出しても良い。フラップ32a及び32bは、閉位置41にて通行者34の通過を禁止するか、図9中に波線で示す、正回転方向開位置42又は逆回転方向開位置43にて通行者34の通過を許可する。なお、このフラップ32a,32bの形状、開閉の方向、開閉の方式、ゲートの設置方法等は、これらの構成に限らない。
図9(b)のセキュリティーゲート30dは、3台のゲート本体35a,35b,35cが並設される。本実施例では、通行者34aは通路33aを通行し、通行者34bは通路33bを逆向きに通行する。また、本セキュリティーゲート30dでは、説明のため、通行者34a,34bが相互に逆方向に通過する設定とする。すなわち、通行者34aは、セキュリティーゲート30dに対して進入口36aから進入して進出口37aから進出する。一方、通行者34bは、セキュリティーゲート30dに対して進入口36bから進入して進出口37bから進出する。通路33aにはフラップ32a,32bが設けられ、通路33bにはフラップ32c,32dが設けられる。これらのフラップ32a,32b,32c,32dは、閉位置41a,41bにて通行者34a,34bの通過を禁止するか、正回転方向開位置42a,42b又は逆回転方向開位置43a,43bにて通行者34a,34bの通過を許可する。なお、これらのフラップ32a,32b,32c,32dの形状、開閉の方向、開閉の方式、ゲートの設置方法等は、これらの構成に限らない。
上述した図8(b)のセキュリティーゲート30bでは、ゲート本体35の両側にはフラップ32a,32bが隣接して設けられる。また、図9(b)のセキュリティーゲート30dでは、ゲート本体35bの両側にはフラップ32a及び32c、32b及び32dがそれぞれ隣接して設けられる。そして、これら従来のセキュリティーゲート30b,30dでは、両側に隣接して設けられるフラップ32を動作させるモータ(図示せず)はフラップ32ごとに個別に設けられ、フラップ32を個別に開閉させていた。
特許文献1には、ゲート本体の小型化によりゲート全体をシンプルな形状とし、据え付ける建築物のデザイン性を損なわないセキュリティーゲートが開示されている。ここでは、ゲート本体の両側に形成された入退出通路を、ゲート本体に設けたフラップによりそれぞれ個別に開閉するにあたり、フラップの回転軸を上下に位置させて同軸上に配置する。また、フラップの各回転駆動源をそれぞれの上方枢支部と下方枢支部との間に配置することが記載されている。
特開2010-196428号公報
従来のセキュリティーゲートにおける各フラップの開閉は、それぞれ個別のモータにより駆動されていた。このため、ゲート本体の両側に通路がありフラップが相対して両側に設けられているセキュリティーゲートの場合には、相対する両側のフラップにそれぞれ設けられたモータが近接して実装されていた。そのため、両側のフラップをそれぞれ動作させる複数のモータを収納するためにゲート本体の形状が嵩張っていた。また、モータを含む駆動部が近接して設けられるため複雑な構成になるという問題があった。
これにより、従来のセキュリティーゲートにおいては、省スペース化が図れず、セキュリティーゲート自体をコンパクトなデザインとすることに対する障害となっていた。さらに、セキュリティーゲートの製作コストを低減することができず、故障の発生を抑えることができない、などの問題が発生していた。
本願の目的は、かかる課題を解決し、ゲート本体の両側に相対して設けられるフラップを開閉させる駆動部の機構をよりコンパクトな構成とし、省スペース化を実現するセキュリティーゲート及びセキュリティーゲート開閉方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係るセキュリティーゲートは複数のフラップを備え、両側に設けられた通路の通行を許可又は禁止するためにフラップを開閉するセキュリティーゲートにおいて、複数のフラップは一つのモータによりそれぞれ独立して開閉することを特徴とする。
上記構成により、一つのモータにより複数のフラップをそれぞれ駆動させることで、モータの回転をフラップの開閉に伝達させる機能を有する駆動部が簡略化でき、コンパクトなセキュリティーゲートが実現できる。また、セキュリティーゲートの駆動部の機構をコンパクト化することでセキュリティーゲートの製作コストをより低減することができ、故障の発生をより抑えることができる。なお、モータの回転をフラップの開閉に伝達させる機構は、複数のギアを組み合わせる伝達方式に限らず、タイミングベルトによる伝達方式などであっても良い。
また、セキュリティーゲートは、モータが一定の方向にのみ回転することが好ましい。これにより、一つのモータにより複数のフラップをそれぞれ駆動させることで、フラップを開閉させる駆動部の機構をよりコンパクトな構成とすることができる。また、モータの回転方向を変える機構が不要となり、セキュリティーゲートのコンパクト化及び省スペース化が可能となる。
また、セキュリティーゲートは、モータが複数のギアが組み合わされた駆動部によりフラップを回転させ、駆動部が通路の通行を禁止する閉位置と、モータの回転と同方向に回転して通路の通行を許可する回転方向開位置と、モータの回転と逆方向に回転して通路の通行を許可する逆回転方向開位置とに制御することが好ましい。このように、複数のギアを組み合わせる技術により、一つのモータを一定方向に回転させるだけで複数のフラップを閉位置、回転方向開位置、及び逆回転方向開位置に自在に開閉させることができる。
また、セキュリティーゲートは、駆動部がフラップをモータの回転と同方向に回転させる回転方向ギアと、フラップをモータの回転と逆方向に回転させる逆回転方向ギアとから構成されることが好ましい。このように、複数のギアを組み合わせて回転方向ギアと逆回転方向ギアとを形成させることで、コンパクトな駆動部の構成によりフラップを自在に開閉させることができる。
また、セキュリティーゲートは、回転方向ギア及び逆回転方向ギアが連結棒を介してソレノイドに接続され、ソレノイドがフラップを閉位置に設置する際には、回転方向ギア及び逆回転方向ギアをモータの軸から離した位置に移動させることが好ましい。これにより、ソレノイド及び連結棒により回転方向ギアと逆回転方向ギアとを切り替えることができ、コンパクトな駆動部の構成によりフラップを自在に開閉させることができる。
また、セキュリティーゲートは、前記回転方向ギア及び前記逆回転方向ギアは、連結棒を介してソレノイドに接続され、前記ソレノイドは、フラップを回転方向開位置又は逆回転方向開位置に設置する際には、前記モータの軸を前記回転方向ギア又は前記逆回転方向ギアの一方だけに噛み合う位置に移動させることが好ましい。これにより、ソレノイド及び連結棒により回転方向ギアと逆回転方向ギアとを切り替えることができ、コンパクトな駆動部の構成によりフラップを自在に開閉させることができる。
さらに、セキュリティーゲートは、フラップが閉位置に設置されると、フラップの軸はブレーキにより回転が固定されることが好ましい。これにより、フラップが閉位置に設置された場合にフラップの不要な回転を抑えることができる。
上記目的を達成するため、本発明に係るセキュリティーゲート開閉方法は、両側の通路に開閉するフラップを備えたキュリティーゲートの開閉方法であって、どちらのフラップを動作させるか、及びフラップを閉位置と開位置とのいずれに動作させるかの情報を受信するステップと、情報に基づき、所定の駆動部をモータに連結させ、その他の駆動部をモータから外すステップと、モータの回転により所定のフラップを所定の位置に動作させるステップとを備えることを特徴とする。
上記構成により、所定の駆動部をモータに連結させ、その他の駆動部をモータから外すステップが含まれることで、モータの回転をフラップの開閉に伝達させる機能を有する駆動部が簡略化でき、コンパクトなセキュリティーゲートが実現できる。また、セキュリティーゲートの駆動部の機構をコンパクト化することでセキュリティーゲートの製作コストをより低減することができ、故障の発生をより抑えることができる。
また、セキュリティーゲート開閉方法は、駆動部は複数のギアから構成され、連結棒を押し引きしてギアのうちモータに連結させるギアをモータと接続させ、その他のギアはモータから外すステップを含むことが好ましい。これにより、所定の駆動部をモータに連結させ、その他の駆動部をモータから外すステップが連結棒により実現化し、モータの回転をフラップの開閉に伝達させる機能を有する駆動部が簡略化でき、コンパクトなセキュリティーゲートが実現できる。
以上のように、本発明に係るセキュリティーゲート及びセキュリティーゲート開閉方法によれば、ゲート本体の両側に相対して設けられるフラップを開閉させる駆動部の機構をよりコンパクトな構成とし、省スペース化を実現することができる。
本発明に係るセキュリティーゲートの第1の実施形態の概略構成を示す断面図である。 図1に示すセキュリティーゲートのA−A断面図である。 図1に示すセキュリティーゲートの駆動機構に関するブロック図である。 セキュリティーゲートの第1のポジションであり、フラップが正回転方向に回転して正回転方向開位置となる場合を示す説明図である。 セキュリティーゲートの第2のポジションであり、フラップが閉位置においてフリーな状態である場合を示す説明図である。 セキュリティーゲートの第3のポジションであり、フラップが逆回転方向に回転して正回転方向開位置となる場合を示す説明図である。 セキュリティーゲート開閉方法の一つの実施形態の概略構成を示すフローチャートである。 セキュリティーゲートの一つの実施例として、主に入退場ゲートとして用いられるセキュリティーゲートの概略構成を示す平面図である。 セキュリティーゲートの一つの実施例として、主に改札機として用いられるセキュリティーゲートの概略構成を示す平面図である。
(セキュリティーゲートの構成)
以下に、図面を用いて本発明に係るセキュリティーゲート1の一つの実施形態につき、詳細に説明する。図1にセキュリティーゲート1の一つの実施形態の概略構成を水平方向に切断した断面図にて示す。また、図2には、図1に示すセキュリティーゲート1のA−A断面図を示す。さらに、図3には、図1に示すセキュリティーゲート1の駆動機構をブロック図で示す。
図1に示すように、本実施形態のセキュリティーゲート1は、ゲート本体5、ゲート本体5の上下に相対して設けられた右側フラップ2a及び左側フラップ2b、及びフラップ2a,2bを回転させる駆動機構である、モータ軸10,右側フラップ回転ギア8a,8b ,8b ,左側フラップ回転ギア9a,9b ,9b ,フラップ回転ギア13,14から構成される。なお、本明細書において上下左右とは、各図面に向かう方向により上下左右が規定される。
図2に示すように、ゲート本体5は、2枚の側面パネル26により囲われ、その内部にモータ24が設置され、そのモータ24からモータ軸10が下方に向かって伸びている。そして、モータ軸10は、モータ24の回転数を調整するギアヘッド25を貫通してセキュリティーゲート1の最下層に設けられている右側フラップ回転ギア8,左側フラップ回転ギア9に係合される。本実施形態では、モータ24は所定の方向にのみ回転してフラップ2a,2bをそれぞれ所定の方向に回転させるが、モータ24が逆回転することはない。これにより、ギアヘッド25においてモータ24の回転方向を正方向又は逆方向に制御する機構は不要となる。
図1に示すように、モータ24は、複数のギアが組み合わされた駆動部である右側フラップ回転ギア8によりフラップ2aを回転させる。右側フラップ2aに関しては、モータ軸10の回転を、右側フラップ回転ギア8を介してフラップ回転ギア13に伝達する。このフラップ回転ギア13は右側フラップ2aに固定されているため右側フラップ2aを自在に回転させる。この右側フラップ回転ギア8は2種類の回転伝達経路を有する。一方の回転伝達経路は正回転方向ギア8aであり、他方の回転伝達経路は逆回転方向ギア8b及び8bである。これらの回転伝達経路は、後述するように、それぞれ単独で右側フラップ2aを回転させる駆動機構となる。なお、後述するように、正回転方向ギア8a,9a,8b,9bは、駆動機構のポジション20a〜20cによりモータ軸10に対して接触するか離間するが、図1では説明のため、全ての駆動機構回転ギア8a,9a,8b,9bがモータ軸10に接触している状態を示す。
同様に、モータ24は、複数のギアが組み合わされた駆動部である左側フラップ回転ギア9によりフラップ2bを回転させる。左側フラップ2bに関しては、モータ軸10の回転を、左側フラップ回転ギア9を介してフラップ回転ギア14に伝達する。このフラップ回転ギア14は左側フラップ2bに固定されているため左側フラップ2bを自在に回転させる。この左側フラップ回転ギア9は2種類の回転伝達経路を有する。一方の回転伝達経路は正回転方向ギア9aであり、他方の回転伝達経路は逆回転方向ギア9b及び9bである。これらの回転伝達経路は、後述するように、それぞれ単独で左側フラップ2bを回転させる駆動機構となる。
上述したように、本実施形態では、駆動部8,9については、複数のギアの組み合わせによりフラップ2a,2bを回転させるが、このギア方式の限らず、タイミングべルト方式や滑り方式であっても良い。
右側フラップ2a及び左側フラップ2bは、一つのモータ24によりそれぞれ独立して正回転方向R1又は逆回転方向R2に回転する。正回転方向R1とは、各図面に向かって時計回りの方向をいい、逆回転方向R2とは、各図面に向かって反時計回りの方向をいう。そして、右側フラップ2a及び左側フラップ2bは、後述する3つのポジション(図4〜図6参照)である、閉位置21、正回転方向開位置22、逆回転方向開位置23に位置する。閉位置21とは、図1に示す通路3a,3bの通行を禁止する位置である。また、正回転方向開位置22とは、モータ24の回転と同方向に回転して通路3a,3bの通行を許可する位置である。さらに、逆回転方向開位置23とは、モータ24の回転と逆方向に回転して通路3a,3bの通行を許可する位置である。
上述したフラップ2a,2bの駆動機構のポジション20を、図3に示すブロック図で説明する。本実施形態の駆動機構のポジション20は、制御部11、動力部12、右側フラップ回転ギア(駆動部)8a,8b、左側フラップ回転ギア(駆動部)9a,9b、右側フラップ2a、及び左側フラップ2aから構成される。
制御部11は、駆動部8a,8b、駆動部9a,9b、及び動力部12に指令を送信し、右側フラップ2a及び左側フラップ2bのポジションを制御する。また、制御部11は、動力部12を介してモータ24に指令を出してその回転数を制御する。また、制御部11は、駆動部8a,8b及び駆動部9a,9bの何れを動作させるかを判断する。すなわち、右側フラップ2a又は左側フラップ2bそれぞれについて、正回転させるか、又は逆回転させるかを判断し、一方の駆動部が回転するように、かつ他方の駆動部が回転しないように動作させる。
(駆動機構)
図4〜図6に、駆動部8,9の組み合わせによりフラップ2を回転させる駆動機構について示す。本実施形態では、セキュリティーゲート1のギア連結棒15を移動させることで第1ポジション20a,第2ポジション20b及び第3ポジション20cが設定される。本実施形態の駆動機構のポジション20は、右側フラップ2aを回転させる回転ギア8に関連する駆動部8、及び左側フラップ2bを回転させる左側回転ギア9に関連する駆動部9から構成されるが、図4〜図6では駆動部8のみを図示する。駆動部9についても駆動部8と同様である。なお、図4〜図6では、ギアの駆動方法について理解し易いように、回転するギアについては歯車を記載し、回転しないギアについては歯車を記載しない。
正回転方向ギア8a及び逆回転方向ギア8bは、ギア連結棒15に固定されている。そして、ギア連結棒15は、図4〜図6において図面に向かって左方向への移動を示す符号P1、図面に向かって右方向への移動を示す符号P2,P3が付されたソレノイド17に接続されている。すなわち、ギア連結棒15が左方向移動P1するか、又は右方向移動P2,P3すると、正回転方向ギア8a又は逆回転方向ギア8bの一方がモータ軸10に係合する位置関係にある。
図4には、セキュリティーゲート1の第1ポジション20aであり、右側フラップ2aが逆回転方向R2に回転して逆回転方向開位置23となる場合を示す。ソレノイド17がギア連結棒15をP1方向に押すと、ギア連結棒15は図4に向かって左方向へ移動する。すると、モータ軸10は、正回転方向ギア8aと離間し、逆回転方向ギア8bと係合する。この場合には、モータ軸10、逆回転方向ギア8b、逆回転方向ギア8b、及びフラップ回転ギア13が連続的に係合する。その結果、モータ軸10が正方向回転R1すると、逆回転方向ギア8bは逆方向回転R2し、逆回転方向ギア8bは正方向回転R1する。その結果、フラップ回転ギア13は逆方向回転R2する。これによりフラップ2aは、閉位置21から逆回転方向R2に回転して逆回転方向開位置23に移動する。
図5には、セキュリティーゲート1の第2ポジション20bであり、右側フラップ2aが閉位置21においてフリーな状態である場合を示す。ソレノイド17がギア連結棒15を図4の位置からP2方向に引くと、ギア連結棒15は図5に向かって右方向へ移動する。すると、図6に示すように、モータ軸10は、正回転方向ギア8aと係合し、逆回転方向ギア8b と離間する。この場合には、モータ軸10、正回転方向ギア8a、及びフラップ回転ギア13が連続的に係合する。その結果、モータ軸10が正方向回転R1すると、正回転方向ギア8aは逆方向回転R2する。その結果、フラップ回転ギア13は正方向回転R1する。これによりフラップ2aは、図5に示すように、破線で示す逆回転方向開位置23から正回転方向R1に回転して閉位置21に移動する。そして、フラップ2aが閉位置21付近に移動すると、モータ軸10を正回転方向ギア8a及び逆回転方向ギア8b の双方と離間させる。その結果、フラップ回転ギア13にはモータ軸10の回転は伝達されない。これによりフラップ2aは、逆回転方向開位置23から正回転方向R1し、図2に示す電磁16ブレーキに閉位置21に停止する。
図6には、セキュリティーゲート1の第3ポジション20cであり、右側フラップ2aが正回転方向R1に回転して正回転方向開位置22となる場合を示す。ソレノイド17がギア連結棒15をP3方向に更に引くと、ギア連結棒15は図6に向かって右方向へ移動する。すると、モータ軸10は、正回転方向ギア8aと係合し、逆回転方向ギア8bと離間する。この場合には、モータ軸10、正回転方向ギア8a、及びフラップ回転ギア13が連続的に係合する。その結果、モータ軸10が正方向回転R1すると、正回転方向ギア8aは逆方向回転R2する。その結果、フラップ回転ギア13は正方向回転R1する。これによりフラップ2aは、閉位置21から正回転方向R1に回転して正回転方向開位置22に移動する。
(電磁ブレーキの機能)
図5に示すように、フラップ2a,2bが閉位置21に設置されると、モータ軸10は、右側フラップ回転ギア8のうち正回転方向ギア8a、及び逆回転方向ギア8bの何れにも噛み合わない。そのため、モータ軸10の回転は伝達されない。そして、逆回転方向ギア8bのみがフラップ回転ギア13に接触している。このため、フラップ2aは、閉位置21に完全に固定されておらず、左右に動く可能性がある。そこで、図2に示すように、フラップ2a,2bの回転軸16には電磁ブレーキ18を実装する。このブレーキ機能により閉位置21におけるフラップ2a,2bの回転が固定される。
(セキュリティーゲート開閉方法の構成)
図7に、キュリティーゲート開閉方法の一つの実施形態の概略構成をフローチャートで示す。本実施形態では、セキュリティーゲート1の両側の通路33a,33bに開閉するフラップ2a,2bを備えたキュリティーゲート1の開閉方法について説明する。図7での各ステップは、S1〜S5により示す。
まず、どのフラップ2a,2bを閉位置21、正回転方向開位置22,及び逆回転方向開位置23のいずれに動作させるかの情報を受信する(S1)。すなわち、制御部11は、図8及び図9に示すように通行者34が進入口36又は進出口37のいずれかから進入するかの情報、その通行者34の通行を許可するか又は禁止するかの情報などを受信する。この情報は、例えば、入退出ゲートに設けられた磁気カードリーダやICカードリーダ等による通行者のカードデータの読み取り結果から判断される情報である。或いは、改札機において、カード情報読取装置により読み取られたICカードや切符(磁気カード)等の認証媒体から判断される情報である。
次に、制御部11は、モータ24が回転しているか否かを確認し(S2)、回転していなければモータ24を回転させ(S3)、回転していれば次のステップに進む。すなわち、制御部11は、動力部12に対してモータ24の回転を制御する。
そして、上記情報に基づき、所定の駆動部8,9をモータ24に連結させ、その他の駆動部8,9をモータ24から外す(S4)。すなわち、制御部11が、この所定の駆動部8,9をモータ24に連結させ、その他の駆動部8,9をモータ24から外すことで、モータ24の回転をフラップ2a,2bの開閉に伝達させる機能を有する。これにより、駆動部8,9が簡略化でき、コンパクトなセキュリティーゲート1が実現できる。また、セキュリティーゲート1の駆動部8,9の機構をコンパクト化することでセキュリティーゲート1の製作コストをより低減することができ、故障の発生をより抑えることができる。
最後にモータ24を回転させて所定のフラップ2を所定の閉位置21又は開位置22,23に動作させる(S5)。この一連のセキュリティーゲート開閉方法により、フラップ2a,2bが開閉し、通行者の通行を適切に許可又は禁止することができる。
ステップ5において、駆動部8,9は複数のギアから構成され、ギア連結棒15を押し引きして複数のギアのうちモータ24に連結させるギアをモータ24に係合させ、その他のギアはモータ24から外すステップを含む。すなわち、駆動部8,9は、右側フラップ回転ギア8及び左側フラップ回転ギア9から構成される。そして、ギア連結棒15をソレノイド17により押し引きすることで、フラップ2a,2bを正回転方向R1と逆回転方向R2とに回転させることができる。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさ、及び配置関係については、本発明が理解、実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
1.30,30a,30b,30c,30d セキュリティーゲート、2,32,32a,32b,32c,32d フラップ,2a 右側フラップ,2b 左側フラップ、3,33,33a,33b 通路、5,35,35a,35b,35c ゲート本体、8 右側フラップ回転ギア(駆動部),8a 正回転方向ギア,8b,8b 逆回転方向ギア、9 左側フラップ回転ギア(駆動部),9a 正回転方向ギア,9b,9b 逆回転方向ギア、10 モータ軸、11 制御部、12 動力部、13,14 フラップ回転ギア、15 ギア連結棒、16 回転軸、17 ソレノイド、18 電磁ブレーキ、20 駆動機構のポジション,20a 駆動機構の第1ポジション,20b 駆動機構の第2ポジション,20c 駆動機構の第3ポジション、21,41 閉位置、22,42a,42b 正回転方向開位置(時計回り)、23,43a,43b 逆回転方向開位置(反時計回り)、24 モータ、25 ギアヘッド、26 側面パネル、34,34a,34b 通行者、36,36a,36b 進入口、37,37a,37b 進出口、P ギア連結棒の移動,P1 左方向移動,P2 右方向移動,P3 左方向移動、R1 正回転方向(時計回り)、R2 逆回転方向(反時計回り)。

Claims (9)

  1. 複数のフラップを備え、両側に設けられた通路の通行を許可又は禁止するために前記フラップを開閉するセキュリティーゲートにおいて、
    前記複数のフラップは、一つのモータによりそれぞれ独立して開閉することを特徴とするセキュリティーゲート。
  2. 請求項1に記載のセキュリティーゲートであって、前記モータは、一定の方向にのみ回転することを特徴とするセキュリティーゲート。
  3. 請求項1又は2に記載のセキュリティーゲートであって、前記モータは、複数のギアが組み合わされた駆動部によりフラップを回転させ、前記駆動部は、通路の通行を禁止する閉位置と、モータの回転と同方向に回転して通路の通行を許可する回転方向開位置と、モータの回転と逆方向に回転して通路の通行を許可する逆回転方向開位置とに制御することを特徴とするセキュリティーゲート。
  4. 請求項3に記載のセキュリティーゲートであって、前記駆動部は、前記フラップを前記モータの回転と同方向に回転させる回転方向ギアと、前記フラップを前記モータの回転と逆方向に回転させる逆回転方向ギアとから構成されることを特徴とするセキュリティーゲート。
  5. 請求項4に記載のセキュリティーゲートであって、前記回転方向ギア及び前記逆回転方向ギアは、連結棒を介してソレノイドに接続され、前記ソレノイドは、前記フラップを閉位置に設置する際には、前記回転方向ギア及び前記逆回転方向ギアを前記モータの軸から離した位置に移動させることを特徴とするセキュリティーゲート。
  6. 請求項4に記載のセキュリティーゲートであって、前記回転方向ギア及び前記逆回転方向ギアは、連結棒を介してソレノイドに接続され、前記ソレノイドは、フラップを回転方向開位置又は逆回転方向開位置に設置する際には、前記モータの軸を前記回転方向ギア又は前記逆回転方向ギアの一方だけに噛み合う位置に移動させることを特徴とするセキュリティーゲート。
  7. 請求項3乃至6のいずれか1項に記載のセキュリティーゲートであって、前記フラップが閉位置に設置されると、前記フラップの軸はブレーキにより回転が固定されることを特徴とするセキュリティーゲート。
  8. 両側の通路に開閉するフラップを備えたキュリティーゲートの開閉方法であって、
    どちらのフラップを動作させるか、及び前記フラップを閉位置と開位置とのいずれに動作させるかの情報を受信するステップと、
    前記情報に基づき、所定の駆動部をモータに連結させ、その他の駆動部を前記モータから外すステップと、
    前記モータの回転により所定のフラップを所定の位置に動作させるステップと、を備えることを特徴とするセキュリティーゲート開閉方法。
  9. 請求項8に記載のセキュリティーゲート開閉方法であって、前記駆動部は複数のギアから構成され、連結棒を押し引きして前記ギアのうち前記モータに連結させるギアを前記モータと接続させ、その他のギアは前記モータから外すステップを含むことを特徴とするセキュリティーゲート開閉方法。
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