JP2016204885A - 駆動装置およびバックドア開閉装置 - Google Patents

駆動装置およびバックドア開閉装置 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動部による動力と、外力との、2種類の手段で従動部材を動かすことができ、さらに、従動部材の停止時に複雑な制御なく適宜なロックを掛けることができる駆動装置、および、バックドア開閉装置を提供すること。【解決手段】従動部材と、駆動軸と従動部材との間の動力伝達経路における遊星ギヤ機構20と、駆動部の動力を遊星ギヤ機構から従動部材に伝達する伝達部材30、40と、駆動部の動力により回転する回転体10と、コイルバネ9と、第1規制部材4と、第2規制部材5と、第3規制部材6と、コイルバネ9の第1端部9aを周方向へ移動させることが可能、且つ、第2端部9bを周方向へ移動させることが可能な可動部材7とを有し、伝達部材30、40または駆動軸2aの回転により、可動部材7が第1端部9aまたは第2端部9bを移動させてコイルバネ9による回転体10の締付解除を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、駆動装置およびバックドア開閉装置に関する。
以前より、回転部に所定の外力が加わっても回転部が回転しないように停止状態が保持されるロック機構を有するものがある。
例えば、特許文献1には、回転体に遠心力により揺動する揺動部材を設け、回転体が停止しているとき、揺動部材が回転体と同軸の軸部に摩擦係合して、回転体を停止状態に保持し、回転体が回転すると揺動部材が遠心力により軸部と離間して、回転体の回転運動を許容する構造の切換機構が開示されている。
特開2014−080848号公報
回転部を回転させるのに、動力を発生する駆動部(モータ等)による回転駆動と、外力による回転との、2種類の手段が利用できる機構が求められることがある。さらに、このような構成においても、回転部の停止時に回転体の停止状態が保持されるロック機構が望まれることがある。
本発明の目的は、駆動部による動力と、従動部材に直接働く外力との、2種類の手段で従動部材を動かすことができ、さらに、従動部材の停止時に複雑な制御なく適宜なロックを掛けることのできる駆動装置、ならびに、このような駆動装置を用いてバックドアを開閉する開閉装置を提供することである。
本発明の一態様に係る駆動装置は、
従動部材と、
駆動軸を有し、動力を発生する駆動部と、
前記駆動軸と前記従動部材との間の動力伝達経路における前記駆動軸側に接続される太陽ギヤと、前記太陽ギヤと歯合する遊星ギヤと、前記遊星ギヤと歯合する内歯ギヤとを備えた第1遊星ギヤ機構と、
前記駆動軸と前記従動部材との間の動力伝達経路で、前記駆動部の動力を前記第1遊星ギヤ機構から前記従動部材に伝達する伝達部材と、
前記駆動軸と前記従動部材との間に介在し、前記駆動部の動力により回転する回転体と、
線材が螺旋状に巻回され、前記回転体の周面に沿って配置されたコイル部、および、前記コイル部より前記回転体の周面より外方に突出する前記線材の第1端部と第2端部とを有し、径の縮拡によって前記回転体の締付と締付解除とが可能なコイルバネと、
前記回転体の周方向における前記コイルバネの前記第1端部と前記第2端部との間に存在して、前記第1端部と前記第2端部とが前記周方向で交差しないように、前記第1端部と前記第2端部との移動を規制する第1規制部材と、
前記第1端部が前記第1規制部材から離間する方向の移動可能範囲を制限する第2規制部材と、
前記第2端部が前記第1規制部材から離間する方向の移動可能範囲を制限する第3規制部材と、
前記伝達部材または前記駆動軸の回転により移動して、前記第1端部を前記周方向へ移動させることが可能、且つ、前記第2端部を前記周方向へ移動させることが可能な可動部材と、
を有し、
前記第1端部が前記周方向における前記第1規制部材と前記第2規制部材との間に配置され、前記第2端部が前記周方向における前記第1規制部材と前記第3規制部材との間に配置され、
前記可動部材は、前記第1遊星ギヤ機構の前記内歯ギヤに接続され、前記周方向における前記第1端部と前記第2端部との間に配置され、
前記伝達部材または前記駆動軸の回転により、前記可動部材が前記第1端部または前記第2端部を移動させて前記回転体の前記締付解除を行う、
構成を採る。
本発明によれば、駆動部による動力と、外力との、2種類の手段で従動部材を動かすことができ、さらに、従動部材の停止時に複雑な制御なく適宜なロックを掛けることができる。
本発明の実施の形態1に係る駆動装置を示す構成図 本発明の実施の形態1に係る駆動装置を示す側面図 図1のコイルバネを示す斜視図 停止状態(a)、時計回転状態(b)、反時計回転状態(c)の各状態において、実施の形態1のコイルバネと位置規制部材と、可動部材との関係を示す図 停止状態(a)、通常負荷状態(b)、過負荷状態(c)の各状態において、実施の形態1の押圧ノッチピンと回転カムとの関係を示す図 実施の形態1に係る駆動装置を適用したバックドア開閉装置の一例を示す斜視図 本発明の実施の形態2に係る駆動装置を示す構成図 本発明の実施の形態3に係る駆動装置を示す構成図 本発明の実施の形態3に係る駆動装置を示す側面図 停止状態(a)、時計回転状態(b)、反時計回転状態(c)の各状態において、実施の形態2のコイルバネと可動部材との関係を示す図
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る駆動装置を示す構成図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る駆動装置を示す側面図である。図3は、図1のコイルバネを示す斜視図である。
実施の形態1の駆動装置1は、装置を支えるフレームFと、従動部材に動力を出力する出力軸45と、駆動部としてのモータ2と、位置規制部材3と、可動部材7と、回転体10と、制御部15と、駆動回路16と、電流検出部17と、複数の遊星ギヤ機構20、30、40と、ノッチ機構50とを備えている。フレームFは、例えば、内部に中空部を有する円筒状の部材を用いることができ、出力軸45が円筒状の部材の一端部から突出した状態で、モータ2と、位置規制部材3と、可動部材7と、回転体10と、複数の遊星ギヤ機構20、30、40と、ノッチ機構50とを中空部に収容しても良い。
これらのうち、モータ2と、位置規制部材3と、中央の遊星ギヤ機構30の内歯ギヤ33とが、フレームFに固定されている(図2の固定部f1、f2、f3を参照)。回転体10、および、遊星ギヤ機構20、30、40の遊星キャリア24、34、44は、回転可能な状態で、直接、又は間接的にフレームFに支持されている。モータ2、回転体10、遊星ギヤ機構20、30、40の各回転軸は、同軸上に並んでいる。
実施の形態1では、複数の遊星ギヤ機構20、30、40のうち、可動部材7が接続されている駆動側の遊星ギヤ機構20が第1遊星ギヤ機構の一例に相当し、ノッチ機構50と係合される出力側の遊星ギヤ機構40が第2遊星ギヤ機構の一例に相当する。また、出力側の遊星ギヤ機構40と中央の遊星ギヤ機構30とは、モータ2の動力を駆動側の遊星ギヤ機構20から従動部材へ伝達する伝達部材の一例に相当する。また、出力軸45を従動部材と見なしてもよい。
モータ2は、駆動軸2aを有し、駆動回路16から出力される電力により駆動軸2aを回転駆動する。駆動軸2aは、一体回転可能とされるなど、駆動力を伝達可能に、回転体10と固定的に接続されている。モータ2は、駆動時或いは外力により駆動軸2aが回転することで生じる電気的なパルス(回転パルスと記す)を出力するパルス発生機構を有している。
回転体10は、軸方向の所定の幅で回転方向に沿って連続的に形成された周面を有し、中央を通る回転軸を中心に回転する。回転体10の周面の周囲には、コイルバネ9が外嵌するように配置される。回転体10は、回転軸方向の一端がモータ2の駆動軸2aに固定的に接続され、回転軸方向の他端が連結軸11を介して遊星ギヤ機構20の太陽ギヤ21に固定的に接続されている。回転体10は、遊星ギヤ機構20の遊星ギヤ22とは、遊星ギヤ機構20の太陽ギヤ21と遊星ギヤ22との歯合を介して接続されている。
位置規制部材3は、回転体10の周面の周囲に配置される第1規制部材4、第2規制部材5、および、第3規制部材6を有する。これらの配置関係については後述する。位置規制部材3は、第1規制部材4、第2規制部材5、および、第3規制部材6を、所定の位置となるように、固定的に保持する。位置規制部材3は、回転体10が第1規制部材4、第2規制部材5、および、第3規制部材6に対して移動するように回転体10及び駆動軸2aとは独立に設けられ、例えばフレームFに固定されている。
コイルバネ9は、図3にも示すように、線材を巻回した螺旋状であって内径が拡縮可能なコイル部9cと、線材の一端を半径方向の外方へ突出させた第1端部9aと、線材の他端を半径方向の外方へ突出させた第2端部9bとを有する。第1端部9aと第2端部9bとは、周方向に異なる位置に配置されている。第1端部9aと第2端部9bとがコイル部9cの軸を中心とする離間角度を大きくする方向に離間するように相対移動することで、コイル部9cが拡径する。第1端部9aと第2端部9bとが前記離間角度を小さくする方向に近接するように相対移動することで、コイル部9cが縮径する。周方向とは、コイル部9cの巻回方向を示し、半径方向とは、巻回方向の一周を円と見なしたときの半径方向を示す。
コイルバネ9は、外力を加えない状態で、回転体10とコイルバネ9との間に摩擦力を生じるように設けられ、回転体10の外径よりコイル部9cの内径が小さくなるようにされている。コイルバネ9は、コイル部9cが拡径した状態で、コイル部9cの内面が回転体10の周面に沿うように配置され、外力が加わらないときに、コイル部9cは回転体10の周面を締め付ける。コイルバネ9の第1端部9aおよび第2端部9bと、位置規制部材3の各要素と可動部材7との配置関係については後述する。
駆動側の遊星ギヤ機構20は、太陽ギヤ21と、太陽ギヤ21の周囲を公転する複数の遊星ギヤ22と、複数の遊星ギヤ22を各々自転可能に支持して遊星ギヤ22の公転に伴い回転する遊星キャリア24と、複数の遊星ギヤ22を内包し内側にギヤ部23aを有する内歯ギヤ23と、を備える。複数の遊星ギヤ22は、太陽ギヤ21と内歯ギヤ23とに歯合している。遊星キャリア24は、複数の支軸24aにより複数の遊星ギヤ22をそれぞれ支持している。上記の自転とは、各遊星ギヤ22の各支軸24aを中心とする回転のことを意味し、公転とは、各遊星ギヤ22の太陽ギヤ21を中心とする回転を意味する。他の遊星ギヤ機構30、40においても同様である。図1において、太陽ギヤ21と、遊星ギヤ22と、内歯ギヤ33のギヤの歯の図示を省略している。
太陽ギヤ21は、連結軸11を介して回転体10と固定的に接続されている。遊星キャリア24は、連結軸24bを介して中央の遊星ギヤ機構30の太陽ギヤ31と駆動力を伝達可能に固定的に接続されている。
遊星ギヤ機構20の内歯ギヤ23には、可動部材7が設けられている。可動部材7は、内歯ギヤ23の回転軸方向のうち回転体10が配置される側に、当該回転軸と平行に突出している。可動部材7は、回転体10の周面よりも径方向に所定量離れて配置されている。回転体10の径方向とは、回転体10の回転軸を中心とした当該回転軸に垂直な放射方向を意味する。
内歯ギヤ23は、詳細は後述するが、所定角度だけ回転可能にされている。太陽ギヤ21が回転すると、複数の遊星ギヤ22が自転して内歯ギヤ23に回転が伝達される。内歯ギヤ23の回転が制止されて、太陽ギヤ21が回転すると、複数の遊星ギヤ22が公転して遊星キャリア24に所定の減速比で回転が伝達される。
中央の遊星ギヤ機構30は、太陽ギヤ31と、太陽ギヤ31の周囲を公転する複数の遊星ギヤ32と、複数の遊星ギヤ32を各々自転可能に支持して遊星ギヤ32の公転に伴い回転する遊星キャリア34と、複数の遊星ギヤ32を内包し内側にギヤ部33aを有する内歯ギヤ33と、を備える。複数の遊星ギヤ32は、太陽ギヤ31と内歯ギヤ33とに歯合している。遊星キャリア34は、複数の支軸34aにより複数の遊星ギヤ32をそれぞれ支持している。図1では、太陽ギヤ31と、遊星ギヤ32と、内歯ギヤ33のギヤの歯の図示を省略している。
太陽ギヤ31は、駆動側の遊星キャリア24と連結軸24bを介して駆動可能に接続されている。遊星キャリア34は、連結軸34bを介して出力側の遊星ギヤ機構40の太陽ギヤ41と固定的に接続され、例えば一体で回転するように接続されるなど、駆動力を伝達可能に接続されている。
遊星ギヤ機構30の内歯ギヤ33は、フレームFに固定されているので、太陽ギヤ31が回転すると、複数の遊星ギヤ32が公転して、遊星キャリア34に所定の減速比で回転が伝達される。
出力側の遊星ギヤ機構40は、太陽ギヤ41と、太陽ギヤ41の周囲を公転する複数の遊星ギヤ42と、複数の遊星ギヤ42を各々自転可能に支持して遊星ギヤ42の公転に伴い回転する遊星キャリア44と、複数の遊星ギヤ42を内包し内側にギヤ部43aを有する内歯ギヤ43と、を備える。複数の遊星ギヤ42は、太陽ギヤ41と内歯ギヤ43とに歯合している。遊星キャリア44は、複数の支軸44aにより複数の遊星ギヤ42をそれぞれ支持している。図1では、太陽ギヤ41と、遊星ギヤ42と、内歯ギヤ43のギヤの歯の図示を省略している。
太陽ギヤ41は、駆動側の遊星キャリア44と連結軸34bを介して固定的に接続されている。遊星キャリア44は、出力軸45と固定的に接続されている。
遊星ギヤ機構40の内歯ギヤ43の外周面にはノッチ機構50と係合する係合部としてのカム43b(図5参照、図1ではカムの形状を省略している)が形成されている。カム43bはノッチ機構50と係合することで、通常時、内歯ギヤ43の回転を制限している。内歯ギヤ43の回転が制限され、太陽ギヤ41が回転すると、複数の遊星ギヤ42が公転して、遊星キャリア44に所定の減速比で回転が伝達される。
ノッチ機構50は、押圧ノッチピン51と、バネ52とを有する。ノッチ機構50は、バネ52の付勢力により押圧ノッチピン51がカム43bを押圧した状態で、フレームFに固定されている。ノッチ機構50およびカム43bは、過負荷吸収機構の一例に相当する。
制御部15は、駆動回路16からモータ2へ駆動電圧を出力させ、モータ2を駆動する。制御部15は、モータ2から出力される回転パルスを計数して、駆動軸2aの回転量を検出する。
電流検出部17は、モータ2への出力電流を検出して、検出信号を制御部15へ出力する。
<コイルバネと位置規制部材と可動部材との関係>
図4は、停止状態(a)、時計回転状態(b)、反時計回転状態(c)の各状態において、コイルバネと位置規制部材と可動部材との関係を示す図である。図4は、各状態を図2の矢印A−A線の断面部分により示したものである。
図4(a)に示すように、第1規制部材4と、第2規制部材5と、第3規制部材6とは、回転体10の周方向において異なる位置に配置され、本実施形態においては、位置規制部材3から回転体10の軸と平行に延びる凸部として設けられている。第2規制部材5は、第1規制部材4から図4の時計方向に、回転体10の回転軸を中心とした第1角度だけ離間した位置に配置されている。第3規制部材6は、第1規制部材4から図4の反時計方向に、回転体10の回転軸を中心とした第2角度だけ離間した位置に配置されている。例えば、第1角度と第2角度とは等しく設定されてもよい。
また、第1規制部材4と、第2規制部材5と、第3規制部材6との回転体10の半径方向の位置は、次のように設定されている。すなわち、図4(a)に示すように、第1規制部材4は、回転体10の半径方向に第1規制部材4と可動部材7とが並んだときに、第1規制部材4と可動部材7とが離間する位置に配置されている。また、図4(b)と図4(c)とに示すように、第2規制部材5と第3規制部材6とは、可動部材7が回転体10の回転軸を中心とした回転移動をしたときに、可動部材7が当たる位置に配置されている。
コイルバネ9の第1端部9aは、可動部材7によって回転体10の回転軸を中心とした回動をしたときに、第1規制部材4と、第2規制部材5と、可動部材7とに、それぞれ当接する長さを有している。コイルバネ9の第2端部9bは、回動したときに、第1規制部材4と、第3規制部材6と、可動部材7とに、それぞれ当接する長さを有している。
コイルバネ9の第1端部9aは、回転体10の周方向において、第1規制部材4と第2規制部材5との間に配置されている。コイルバネ9の第2端部9bは、回転体10の周方向において、第1規制部材4と第3規制部材6との間に配置されている。
<動作説明1:停止状態>
駆動装置1が停止すると、図4(a)に示すように、コイル部9cの弾性力によって、コイルバネ9の第1端部9aと第2端部9bとが近づき、互いに近接した初期位置に位置する。第1端部9aと第2端部9bとが、この初期位置に位置するときには、コイル部9cは、回転体10の周面を締め付けて、回転体10の回転を抑制する摩擦力を発生させることとなる。可動部材7がコイルバネ9の第1端部9aまたは第2端部9bに押されたときには、回転体10の周方向に移動する。そして、可動部材7と第1規制部材4とが回転体10の半径方向に並んだ状態で停止する。また、コイル部9cは縮径し、コイル部9cの復元力により、コイル部9cは回転体10の周面を締め付ける。
このとき、可動部材7は、コイルバネ9の第1端部9aと第2端部9bとのいずれかを押す力が与えられないと回転方向に移動しない。また、回転体10は、コイル部9cの締め付けによる摩擦力に抗する力が生じないと回転しない。
ここで、例えば、従動部材に加わる重力など、出力軸45または出力軸45に接続された従動部材に力が加わっても停止状態で保持したいと想定される最大の力を、回転体10のトルクに換算したものを「途中保持トルク」と呼ぶ。従動部材から回転体10までには、減速比を有する動力伝達部材が介在するので、想定される最大の力を、これらの減速比により増減してトルクに換算した値が「途中保持トルク」となる。
また、コイル部9cの締め付けに抗して回転体10を回転可能な最小のトルクを、「ブレーキスプリングトルク」と呼ぶ。途中保持トルクとブレーキスプリングトルクとの関係は、次式(1)のように設定される。
ブレーキスプリングトルク > 途中保持トルク ・・・(1)
このような設定により、コイルバネ9により回転体10の回転が制限され、可動部材7を有する内歯ギヤ23の回転も制限されていると、遊星ギヤ機構20は回転せず、他の遊星ギヤ機構30、40も同様に回転しない。この状態により、出力軸45の回転が制限されたロック状態が達成される。この状態では、出力軸45および/または出力軸45に接続された従動部材に力が加えられることで回転体10に途中保持トルクに対応する力が加えられても、コイルバネ9が回転体10を締め付ける力の方が大きくなるので、出力軸45は回転しない。ここで、途中保持トルクに対応する力とは、従動部材に対して途中保持トルクを発生させることができる回転体10の回転によって生じる力を意味する。
なお、出力軸45の回転は、複数の遊星ギヤ機構20、30、40の減速比により回転速度を増して回転体10または内歯ギヤ23に伝達される。よって、途中保持トルクがブレーキスプリングトルクより小さくても、途中保持トルクに対応する出力軸45のトルクはブレーキスプリングトルクと比較しても非常に大きなトルクとなる。途中保持トルクに対応する出力軸45のトルクとは、回転体10に途中保持トルクを生じさせる出力軸45のトルクを意味する。よって、ブレーキスプリングトルクが小さくても、出力軸45または出力軸45に接続される従動部材を途中の位置で保持する力は大きくなる。
<動作説明2:モータ駆動>
ここで、モータ2により駆動軸2aに生じる駆動トルクを「モータトルク」と呼ぶ。
モータトルクは、次式(2)のような関係に設定される。
モータトルク > ブレーキスプリングトルク > 途中保持トルク ・・・(2)
このような設定により、モータ2が駆動されると、図4(a)に示すように、コイルバネ9が回転体10を締め付けている状態で、コイル部9cと回転体10とが摺動して、回転体10が回転する。
モータ2の駆動の開始時、駆動軸2aには回転体10とコイル部9cとの摺動抵抗が発生し、駆動軸2aの回転速度は低くなる。よって、制御部15は、モータ2に出力される電流を監視しながら、駆動軸2aの回転角度に応じてモータ2への出力を調整する制御を行うことができる。この制御により、電力効率を上げて、回転体10の回転始動を行うことができる。制御部15は、電流の代わりに電圧を監視しながら、出力の調整を行ってもよい。
モータ2が時計方向に回転すると、上述のように、回転体10の回転運動が、遊星ギヤ機構20に伝わって、内歯ギヤ23が図4に示すような反時計方向に回転する。これにより、可動部材7がコイルバネ9の第2端部9bを、第3規制部材6のところまで移動させる。また、第1端部9aは、第1規制部材4によって移動が規制されている。これにより、コイルバネ9の第1端部9aと第2端部9bとの間隔が大きく開いて、コイル部9cが拡径する。コイル部9cが拡径すると、コイルバネ9による回転体10の締め付けが解除され、出力軸45のロックが解除される。これにより、先行技術のような揺動部材に当接した状態で出力軸が回転する場合に比べて、従動部材の作動中における軸やモータへの負荷が低く、出力軸と揺動部材とを離間させて、その離間の間隔の精度が要求されることもない。
図4(b)の状態では、可動部材7が第3規制部材6により移動が制限されるので、内歯ギヤ23は、それ以上、反時計方向に回転しない。すると、回転体10の回転が太陽ギヤ21から複数の遊星ギヤ22に伝達されて、遊星ギヤ22の公転が生じ、遊星キャリア24の回転運動が発生する。
モータ2が駆動して遊星キャリア24が回転している間には、内歯ギヤ23に反時計方向の力が加えられているので、コイルバネ9と可動部材7との配置は、図4(b)の位置を維持する。
従って、図4(b)の状態になった後、モータ2の時計方向の回転が続く間、コイルバネ9による回転体10の抵抗が略ゼロに抑制され、且つ、モータ2の駆動力が、遊星ギヤ機構20、30、40に伝達されて、出力軸45に出力される。
モータ2が反時計方向に回転する場合は、図4(c)に示すように、回転体10の回転方向が反時計方向になり、可動部材7の移動方向が時計方向になるというように、回転方向が逆になるだけで、その他の作用は、上述したモータ2が時計方向に回転する場合と同様である。そして、出力軸45が所定の回転をした場合に、コイルバネ9の端部9a、9bによる付勢力及び従動部材に加わる力によって、図4(a)に示す状態のロック状態となり、従動部材の途中保持がなされる。
<動作説明3:外力による回転>
ここで、従動部材を所定の方向に移動させて従動部材の途中保持状態を解除する際に、従動部材に力が加わった場合に停止状態を解除したときの従動部材の移動を生じさせた力の最小の力を、太陽ギヤ21が固定で内歯ギヤ23に生じるトルクとして換算したものを「ロック解除トルク」と呼ぶ。また、コイルバネ9の端部9a、9bが可動部材7を抑える力を、内歯ギヤ23のトルクとして換算したものを「スプリング端部トルク」と呼ぶ。
ロック解除トルクは、次式(3)のような関係に設定することができる。
ロック解除トルク > スプリング端部トルク ・・・(3)
駆動装置1の停止状態において、出力軸45または出力軸45に接続された従動部材に、スプリング端部トルクに対応する力より小さい外力が加わった場合、出力軸45も回転体10も回転しない。
一方、駆動装置1の停止状態において、出力軸45または出力軸45に接続された従動部材に、ロック解除トルクに対応する力が加わった場合、この力が遊星ギヤ機構20に伝達されて、駆動側の遊星ギヤ機構20の遊星キャリア24に回転力が生じる。遊星キャリア24の回転力は、遊星ギヤ22を公転させようとする力として複数の遊星ギヤ22に力が働き、遊星ギヤ22の公転により、内歯ギヤ23は回転することとなる。遊星キャリア24の回転力については、太陽ギヤ21を回転させる力と、複数の遊星ギヤを自転および公転させる力と、内歯ギヤ23を回転させる力とに分散されている。そして、内歯ギヤ23を回転させる力が、コイルバネ9の第1端部9aと第2端部9bとが可動部材7を制止している力を上回り、可動部材7が移動する。
可動部材7が移動すると、上述した動作説明2の場合と同様に、図4(b)または図4(c)に示したように、可動部材7が、コイルバネ9の回転体10に対する締め付けを解除する。これにより、出力軸45のロックが解除される。
その後、出力軸45または出力軸45に接続された従動部材に力が加わっていれば、遊星ギヤ機構20、30、40および回転体10と連動して出力軸45が回転する。
<動作説明4:過負荷発生時>
ここで、モータ2が駆動して出力軸45が回転している正常運転時における内歯ギヤ43に生じるトルクを「モータ正常使用トルク」と呼ぶ。また、外力により出力軸45を回転させている正常操作時における内歯ギヤ43に生じるトルクを「ドア操作正常発生トルク」と呼ぶ。また、押圧ノッチピン51の押圧に抗して、内歯ギヤ43が回転するトルクを「トルクリミッター設定トルク」と呼ぶ。
モータ正常使用トルクと、ドア操作正常発生トルクと、トルクリミッター設定トルクとの関係は、次式(4)と(5)のように設定される。
トルクリミッター設定トルク > モータ正常使用トルク ・・・(4)
トルクリミッター設定トルク > ドア操作正常発生トルク ・・・(5)
図5は、停止状態(a)、通常負荷状態(b)、過負荷状態(c)の各状態において、実施の形態1の押圧ノッチピンと回転カムとの関係を示す図である。
出力側の遊星ギヤ機構40の内歯ギヤ43の外周面には、周方向に沿って凹凸が形成されたカム43bが形成されている。図5(a)に示すように、駆動装置1の停止状態において、押圧ノッチピン51は、カム43bの凹部を押圧した状態で内歯ギヤ43の回転が停止している。
モータ2が駆動して出力軸45が回転する正常運転時、或いは、外力により出力軸45が回転している正常操作時においては、内歯ギヤ43には、モータ正常使用トルク、または、ドア操作正常発生トルクが生じる。しかし、図5(b)に示すように、このトルクでは、押圧ノッチピン51のカム43bの凹部への押圧により、内歯ギヤ43は回転しない。
一方、従動部材に大きな力が加えられた状態でモータ2が駆動するなど、異常時には、モータ2から出力軸45の間の動力伝達経路に過負荷が生じる。そして、過負荷がトルクリミッター設定トルクを超えると、図5(c)に示すように、押圧ノッチピン51がカム43bの凸部を超えて、内歯ギヤ43が回転する。これにより、過負荷が逃げて、トルクリミッター設定トルク以上の過負荷が遊星ギヤ機構に生じないようになっている。
<バックドア開閉装置>
図6は、実施の形態1に係る駆動装置を適用したバックドア開閉装置の一例を示す斜視図である。
実施の形態1のバックドア開閉装置は、車両100のバックドア101と、バックドア101のヒンジ部102に出力軸45が接続された駆動装置1とを備えている。
駆動装置1は、図1に示したように、モータ2の駆動軸2aの方向に長く、長さに比べて縦幅および横幅の小さい長尺形状に構成される。また、モータ2の駆動軸2aと、出力軸45とが同軸上に配置される一方、駆動軸2aと出力軸45との間に大きな減速比を設定することができる。
駆動装置1は、バックドア101のヒンジ部102の回動軸の方向に、長手方向を向けた配置で、バックドア101のヒンジ部102に出力軸45が接続されている。さらに、駆動装置1は、車体カバーの中に配置されている。
このような構成により、駆動装置1のモータ2が駆動することで、バックドア101のヒンジ部102が回動して、バックドア101が開閉される。また、その途中でモータ2の駆動が停止して、バックドア101が停止したら、駆動装置1の出力軸45にロックがかかり、バックドア101の停止が保持される。さらに、停止が保持された状態から、駆動装置1のモータ2が駆動するか、或いは、所定以上の力がバックドア101に加えられることで、駆動装置1のロックが解除されて、駆動装置1の出力軸45が回転し、バックドア101が開閉する。
従来のロック機構とモータとを有する駆動装置では、ロックがかかっている状態で、外力により回転を許容する場合に、クラッチ等を用いてロックしている回転体と出力軸とを切断する構成が採用されている。この構成では、クラッチの接続を切断したときに出力軸45とモータ2の駆動軸2aとの接続が解除されるので出力軸の回転量とモータの駆動軸との回転量とが対応しなくなるため、モータの駆動軸回転による電気パルスの検出では、ドアの開閉位置を検出することができず、別途、回転量検出センサを設けてドアの開閉位置を検出する必要が生じる。
一方、実施の形態1の構成では、出力軸45とモータ2の駆動軸2aとの接続が維持されているので、バックドア101の開閉時、駆動装置1の制御部15は、モータ2の駆動軸2aの回転により生じる電気パルス(回転パルスと呼ぶ)を計数し、この計数値により、バックドア101の開閉位置を検出することができる。よって、別途回転量検出センサを設けずに、バックドア101の開閉位置を検出することができる。
なお、バックドア101のヒンジ部102の回動軸方向に対する駆動装置1の向きは、どのようにも変更可能である。例えば、出力軸45とヒンジ部102との間に傘歯車を介在させることで、駆動装置1の向きを90°変更できる。また、駆動装置1の動力を出力する部分は、バックドア101のヒンジ部102に限られず、例えば、バックドア101を回転方向に押し引きする構造を付加し、この構造に駆動装置1の動力が出力されて、バックドア101が開閉するようにしてもよい。
以上のように、実施の形態1の駆動装置1およびバックドア開閉装置によれば、モータ2の駆動により動力を伝達して出力軸45を回転し、バックドア101を開閉することができる。さらに、出力軸45を途中で停止し、バックドア101を開閉の途中で停止させることで、ロックがかかり、出力軸45の停止とバックドア101の停止とを保持することができる。さらに、停止が保持された状態で、モータ2が駆動するか、外部から所定以上の力が加えられることで、出力軸45およびバックドア101のロックが解除されて、出力軸45が回転し、バックドア101を開閉することが可能になっている。
また、実施の形態1の駆動装置1によれば、コイルバネ9が駆動軸2aに固定された回転体10を締め付ける構成なので、コイルバネ9の締め付け力が小さくても、遊星ギヤ機構20、30、40の減速比により、出力軸45または従動部材をロックする力を容易に大きくすることができる。コイルバネ9の締め付け力が小さくてよいことから、位置規制部材3の大きさと強度とを小さく設定でき、部品コストの低減を図れる。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る駆動装置を示す構成図である。
実施の形態2の駆動装置1Aは、回転体10を、駆動側の遊星ギヤ機構20と、中央の遊星ギヤ機構30との間に配置し、可動部材7を中間の遊星ギヤ機構30の内歯ギヤ33に固定している。また、回転体10の位置に対応させて、位置規制部材3の配置も変更している。さらに、駆動側の遊星ギヤ機構20の内歯ギヤ23がフレームFに固定され、中央の遊星ギヤ機構30の内歯ギヤ33が回転可能に支持されている。その他の構成は、実施の形態1と同様であり、同様の部分の詳細な説明は省略する。
実施の形態2では、複数の遊星ギヤ機構20、30、40のうち、可動部材7が接続されている中央の遊星ギヤ機構30が第1遊星ギヤ機構の一例に相当する。
実施の形態2の駆動装置1Aでは、モータ2の駆動力が遊星ギヤ機構20を介して減速されて回転体10に伝わる。回転体10に対するコイルバネ9の締め付けとその解除は、中央の遊星ギヤ機構30の内歯ギヤ33が回転して可動部材7が移動することで行われる。
実施の形態1と実施の形態2とから分かるように、可動部材7が内歯ギヤに設けられる遊星ギヤ機構は、駆動側の遊星ギヤ機構20としてもよいし、中央の遊星ギヤ機構30とすることもできる。さらに、ノッチ機構50を省略するのであれば、可動部材7が内歯ギヤに設けられる遊星ギヤ機構は、出力側の遊星ギヤ機構40としてもよい。
また、実施の形態2では、モータ2の駆動軸2aと、回転体10との間に、動力伝達機構として遊星ギヤ機構20を設けているが、この間の動力伝達機構は、遊星ギヤ機構に限られず、他の伝達機構を適用してもよい。また、実施の形態2では、可動部材7が内歯ギヤに設けられる遊星ギヤ機構30と、出力軸45との間に、動力伝達機構として遊星ギヤ機構40を設けているが、この間の動力電圧機構は、遊星ギヤ機構に限られず、他の伝達機構を適用してもよい。
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3に係る駆動装置を示す構成図である。図9は、本発明の実施の形態3に係る駆動装置を示す側面図である。
実施の形態3の駆動装置1Bは、コイルバネ9のコイル部9cの内側に配置される回転体として、遊星キャリア24を採用している。つまり、遊星キャリア24である回転体は、駆動部側に遊星ギヤ機構20の遊星ギヤ22の回転軸(支軸24a)と接続されている。モータ2の駆動軸2aは、駆動側の遊星ギヤ機構20の太陽ギヤ21に固定的に接続されている。
また実施の形態3では、回転体として遊星キャリア24を採用したのに伴い、可動部材7が、内歯ギヤ23の径方向に所定量離れ、第1端部9aと第2端部9bとの当接可能な長さとして、遊星キャリア24のある側に突出するように内歯ギヤ23に設けられている。実施の形態3において、可動部材7が設けられる遊星ギヤ機構20が、第1遊星ギヤ機構の一例に相当する。
また実施の形態3では、回転体として遊星キャリア24を採用したのに伴い、位置規制部材3の第1規制部材4は、コイルバネ9の第1端部9aと第2端部9bと接触するように、回転軸方向の遊星キャリア24のある位置まで張り出すように位置規制部材3に設けられている。
さらに実施の形態3では、位置規制部材3の第2規制部材5と第3規制部材6とは、可動部材7が回動したときに可動部材7と接触する位置に設けられている。第2規制部材5と第3規制部材6とは、可動部材7の移動範囲を制限することで、コイルバネ9の第1端部9aの移動範囲を制限し、また、コイルバネ9の第2端部9bの移動範囲を制限する。
また実施の形態3では、実施の形態1のノッチ機構50を省略する代わりに、出力側の遊星ギヤ機構40の内歯ギヤ43がフレームFに固定されている(図9の固定部f4を参照)。
実施の形態3のその他の構成は、実施の形態1と同様であり、同様な部分の詳細な説明は省略する。
<動作説明>
図10は、停止状態(a)、時計回転状態(b)、反時計回転状態(c)の各状態において、コイルバネと位置規制部材と可動部材との関係を示す図である。図10は、各状態を図9の矢印B−B線の断面部分により示したものである。
<動作説明1:停止状態>
駆動装置1が停止すると、図10(a)に示すように、コイル部9cの復元力によって、コイルバネ9の第1端部9aと第2端部9bとが第1規制部材4に近づく。これにより、可動部材7がコイルバネ9の第1端部9aまたは第2端部9bに押されて、遊星キャリア24の周方向に移動する。そして、可動部材7と第1規制部材4とが遊星キャリア24の半径方向に並んだ状態で停止する。また、コイル部9cは縮径し、コイル部9cの復元力により、コイル部9cは遊星キャリア24の周面を締め付ける。
このとき、可動部材7は、コイルバネ9の第1端部9aと第2端部9bとが押す力に抗する力が可動部材7に生じないと回転方向に移動しない。また、遊星キャリア24は、コイル部9cの締め付けによる摩擦力に抗する力が生じないと回転しない。
コイルバネ9により遊星キャリア24の回転が制限され、可動部材7を有する内歯ギヤ23の回転も制限されていると、遊星ギヤ機構20は回転せず、他の遊星ギヤ機構30、40も同様に回転しない。この状態により、出力軸45の回転が制限されたロック状態が達成される。この状態では、出力軸45または出力軸45に接続された従動部材に停止状態を保持したい大きさの力が加えられても、コイルバネ9が遊星キャリア24を締め付ける力の方が大きくなり、出力軸45は回転しない。
<動作説明2:モータ駆動>
駆動装置1の停止状態において、モータ2が駆動すると、駆動側の遊星ギヤ機構20に動力が伝達されて、太陽ギヤ21と遊星ギヤ22と内歯ギヤ23とが回転する。
内歯ギヤ23と可動部材7とが、図10(b)の反時計方向に回転すると、コイルバネ9の第2端部9bを、第3規制部材6のところまで移動させる。これにより、コイルバネ9の第1端部9aと第2端部9bとの間隔が大きく開いて、コイル部9cが拡径する。コイル部9cが拡径すると、コイルバネ9による遊星キャリア24の締め付けが解除される。これにより、出力軸45のロックが解除される。
また、内歯ギヤ23と可動部材7とが、図10(c)の時計方向に回転すると、コイルバネ9の第2端部9bを、第2規制部材6のところまで移動させる。これにより、コイルバネ9の第1端部9aと第2端部9bとの間隔が大きく開いて、コイル部9cが拡径する。コイル部9cが拡径すると、コイルバネ9による遊星キャリア24の締め付けが解除される。これにより、出力軸45のロックが解除される。
図10(b)または図10(c)の状態では、可動部材7が第3規制部材6または第2規制部材5により移動が制限されるので、内歯ギヤ23は、それ以上、回転しない。すると、太陽ギヤ21の回転により遊星ギヤ22が公転して、遊星キャリア24が回転する。そして、この動力が中央の遊星ギヤ機構30と出力側の遊星ギヤ機構40とに伝達して、出力軸45が回転する。
モータ2が駆動して遊星キャリア24が回転している間には、内歯ギヤ23に遊星キャリア24の回転と反対方向の力が加えられる。このため、コイルバネ9と可動部材7との配置は、図10(b)または図10(c)の位置を維持する。
従って、ロックが解除された後、モータ2の回転が続く間、コイルバネ9による遊星キャリア24の抵抗が略ゼロに抑制され、且つ、モータ2の駆動力が、遊星ギヤ機構20、30、40に伝達されて、出力軸45に出力される。
<動作説明3:外力による回転>
駆動装置1の停止状態において、出力軸45または出力軸45に接続された従動部材に所定以上の力が加えられると、この力が伝達されて、遊星キャリア24に回転力が生じる。そして、この回転力が、コイルバネ9が遊星キャリア24を締め付ける力を上回ると、コイル部9cと遊星キャリア24とが摺動して、遊星キャリア24が回転する。
遊星キャリア24が回転すると、この運動は内歯ギヤ23に伝達されて、可動部材7を移動させる。可動部材7が移動すると、上述した動作説明2の場合と同様に、図10(b)または図10(c)に示したように、可動部材7が、コイルバネ9の遊星キャリア24に対する締め付けを解除する。これにより、ロックが解除される。
その後、出力軸45または出力軸45に接続された従動部材に力が加わっていれば、遊星ギヤ機構20、30、40、駆動軸2aが連動して回転し、出力軸45の回転または従動部材の移動が許容される。
実施の形態3によれば、遊星キャリア24とコイルバネ9とが摺動してロック解除される動作は、外力による回転が行われるときに生じ、モータ2の駆動によるときには生じない。よって、ロック解除がモータ2の駆動により多く発生する使用態様の場合に、遊星キャリア24とコイルバネ9との摺動の発生頻度が少なくなって、遊星キャリア24とコイルバネ9との耐久性を向上できる。
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
なお、上記実施の形態では、駆動部としてモータを例示したが、本発明の駆動部は、動力を発生できれば、どのような構成でもよく、例えば、手動で動力を加えられる構成を採用してもよい。また、上記実施の形態では、駆動部(モータ2)から従動部材が接続される出力軸まで動力を伝達する伝達部材に、複数の遊星ギヤ機構を採用した構成を例示した。しかしながら、本発明においては、1つの遊星ギヤ機構があれば、その前後の伝達部材の種類は制限されるものではない。
また、上記実施の形態では、位置規制部材が、第1規制部材、第2規制部材、第3規制部材を一体的に保持する構成を示したが、第1規制部材、第2規制部材、第3規制部材は、別々に固定されていてもよい。その他、実施の形態で具体的に説明した細部構造は、発明の趣旨に逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明は、駆部の動力を従動部材に伝達する駆動装置、ならびに、車両のバックドアを開閉する開閉装置に利用できる。
2 モータ
3 位置規制部材
4 第1規制部材
5 第2規制部材
6 第3規制部材
7 可動部材
9 コイルバネ
9a 第1端部
9b 第2端部
9c コイル部
10 回転体
15 制御部
16 駆動回路
17 電流検出部
20、30、40 遊星ギヤ機構
21、31、41 太陽ギヤ
22、32、42 遊星ギヤ
23、33、43 内歯ギヤ
24、34、44 遊星キャリア
43b カム
45 出力軸
50 ノッチ機構
51 押圧ノッチピン
101 バックドア

Claims (6)

  1. 従動部材と、
    駆動軸を有し、動力を発生する駆動部と、
    前記駆動軸と前記従動部材との間の動力伝達経路における前記駆動軸側に接続される太陽ギヤと、前記太陽ギヤと歯合する遊星ギヤと、前記遊星ギヤと歯合する内歯ギヤとを備えた第1遊星ギヤ機構と、
    前記駆動軸と前記従動部材との間の動力伝達経路で、前記駆動部の動力を前記第1遊星ギヤ機構から前記従動部材に伝達する伝達部材と、
    前記駆動軸と前記従動部材との間に介在し、前記駆動部の動力により回転する回転体と、
    線材が螺旋状に巻回され、前記回転体の周面に沿って配置されたコイル部、および、前記コイル部より前記回転体の周面より外方に突出する前記線材の第1端部と第2端部とを有し、径の縮拡によって前記回転体の締付と締付解除とが可能なコイルバネと、
    前記回転体の周方向における前記コイルバネの前記第1端部と前記第2端部との間に存在して、前記第1端部と前記第2端部とが前記周方向で交差しないように、前記第1端部と前記第2端部との移動を規制する第1規制部材と、
    前記第1端部が前記第1規制部材から離間する方向の移動可能範囲を制限する第2規制部材と、
    前記第2端部が前記第1規制部材から離間する方向の移動可能範囲を制限する第3規制部材と、
    前記伝達部材または前記駆動軸の回転により移動して、前記第1端部を前記周方向へ移動させることが可能、且つ、前記第2端部を前記周方向へ移動させることが可能な可動部材と、
    を有し、
    前記第1端部が前記周方向における前記第1規制部材と前記第2規制部材との間に配置され、前記第2端部が前記周方向における前記第1規制部材と前記第3規制部材との間に配置され、
    前記可動部材は、前記第1遊星ギヤ機構の前記内歯ギヤに接続され、前記周方向における前記第1端部と前記第2端部との間に配置され、
    前記伝達部材または前記駆動軸の回転により、前記可動部材が前記第1端部または前記第2端部を移動させて前記回転体の前記締付解除を行う、
    駆動装置。
  2. 前記駆動軸の回転または前記伝達部材の回転のうち、一方が生じた場合に、この回転が前記第1遊星ギヤ機構に伝達されて前記内歯ギヤを回転させ、前記可動部材が前記第1端部または前記第2端部を移動させて前記回転体の前記締付解除を行い、
    前記駆動軸の回転または前記伝達部材の回転のうち、他方が生じた場合に、この回転が、前記回転体と前記コイルバネとの摺動により、前記回転体から前記第1遊星ギヤ機構へ伝達され、前記可動部材が前記第1端部または前記第2端部を移動させて前記回転体の前記締付解除を行う、
    請求項1記載の駆動装置。
  3. 前記回転体は、前記第1遊星ギヤ機構の前記遊星ギヤと独立して、前記駆動軸に接続されている、
    請求項1記載の駆動装置。
  4. 前記回転体は、前記第1遊星ギヤ機構の前記遊星ギヤの軸と接続されている、
    請求項1記載の駆動装置。
  5. 前記駆動軸と前記従動部材との間の動力伝達経路に設けられ、太陽ギヤと、前記太陽ギヤと歯合する遊星ギヤと、前記遊星ギヤと歯合する内歯ギヤとを備えた第2遊星ギヤ機構と、
    係合部材が前記第2遊星ギヤ機構の内歯ギヤの外面に係合する過負荷吸収機構と、
    をさらに備える、
    請求項1記載の駆動装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の駆動装置と、
    前記従動部材として車両のバックドアと、
    を備える、
    バックドア開閉装置。
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