JP2016204309A - 液状抗菌剤組成物及びその製造方法並びに抗菌処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全および安定で、レジオネラ菌に高い抗菌性を有する抗菌剤組成物を提供する。【解決手段】抗菌性ペプチドと銀化合物を含有する液状抗菌剤組成物の製造方法であって、抗菌性ペプチド水溶液のpHを7〜9に調整する工程と、銀化合物を抗菌性ペプチドのアミノ酸残基と銀化合物のモル比(アミノ酸残基/銀)が1〜15となるように添加し溶解する工程を含むことを特徴とする液状抗菌剤組成物の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、塩素イオンの存在下においてさえも広範な微生物に対して優れた抗菌性を有する液状抗菌剤組成物及びその製造方法並びに抗菌処理方法に関する。
レジオネラ菌は温泉施設や空調設備の冷却水に増殖し、人に感染してレジオネラ菌症を引き起こす。温泉施設でのレジオネラ菌の防除には、次亜塩素酸ナトリウム等の殺菌剤を使用することが義務付けられている。しかし、空調設備の冷却水においては、塩素は熱交換器の金属を腐食するために使用できない。従って、空調設備の冷却水におけるレジオレ菌の防除にはイソチアゾリン系の抗菌剤が用いられているが、この抗菌剤はレジオネラ菌に対する効果が十分でなく、皮膚に炎症を引き起こすことが問題になっている。
銀イオンは強い抗菌力を有し、また安全であることが知られている。しかし、銀イオンはカルボン酸や塩素イオンと不溶性の塩を形成すること、日光によって還元されて抗菌力を失うことが問題である。このため、銀を担持させたセラミックからなる殺菌材(特許文献1)、銀メッキ繊維からなる抗菌部材(特許文献2)、銀を吸着させたゼオライトと活性炭からなる濾過シート(特許文献3)を用いてレジオネラ菌を制御することが提案されている。しかし、金属銀の抗菌性は弱いので、これらの方法ではレジオネラ菌を完全に制御することは困難である。
近年、塩素イオンの存在下で銀イオンの抗菌活性を維持する方法として、クレアチニン銀錯体(特許文献4)が提案されている。しかし、これらの方法では銀イオンが有する問題は完全には解決されず、クレアチニン銀錯体は低濃度では塩素イオンと反応して白濁する。また、本発明者らもヒスチジン銀錯体とポリエチレンイミンやポリリジン等の水溶性含窒素高分子を用いる方法(特許文献5および6)を提案している。しかし、ヒスチジン銀錯体とポリエチレンイミンの混合物は長期安定性が悪く、保存中に銀が析出する。また、ヒスチジン銀錯体とポリリジンの混合物は希薄溶液では塩素イオンと僅かに反応する上に、保存中に赤く着色することが問題である。
特開2004−182703号 特開平10−296271号 実用新案 第3012037号 特開2013−155146号 特開2012−224563号 特開2012−224571号
本発明は、安全および安定で、レジオネラ菌に高い抗菌性を有する抗菌剤組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ、抗菌性ペプチド銀錯体溶液は一定の条件下で安定な溶液となり、低濃度でレジオネラ菌に対して著しい抗菌力有することを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成したものであり、以下の様態の液状抗菌剤組成物を提供する。
項1. 抗菌性ペプチドと銀化合物を含有する液状抗菌剤組成物の製造方法であって、抗菌性ペプチド水溶液のpHを7〜9に調整する工程と、銀化合物を抗菌性ペプチドのアミノ酸残基と銀化合物のモル比(アミノ酸残基/銀)が1〜15となるように添加し溶解する工程を含むことを特徴とする液状抗菌剤組成物の製造方法。
項2. 抗菌性ペプチドがε―ポリリジンであることを特徴とする項1に記載の液状抗菌剤組成物の製造方法。
項3. さらに、尿素、アルカノールアミン、アミノ酸から選ばれる1種以上のアミノ化合物を添加することを特徴とする項1又は2に記載の液状抗菌剤組成物の製造方法。
項4. 項1〜3に記載の方法によって製造された液状抗菌剤組成物。
項5. 抗菌性ペプチドと銀化合物を、抗菌性ペプチドのアミノ酸残基と銀化合物のモル比(アミノ酸残基/銀)が1〜15になるように、pH7〜9の水試料に添加する工程を含む、水試料の抗菌処理方法。
本発明で製造される液状抗菌剤組成物は、高温、光および塩素イオンといった環境下でも析出物等の発生なく液安定性が高い。また、薬剤が効き難いレジオネラ菌に対して、高い殺菌力を有する。
実施例2のポリリジン銀錯体の抗菌力。A:大腸菌、B:黄色ぶどう球菌、C:カンジダ・アルビカンス ●:銀イオンのみ、■:ポリリジンのみ、▲:ポリリジン銀錯体
本発明の液状抗菌剤組成物は、抗菌性ペプチドのpHを7〜9に調整する工程と、銀化合物を抗菌性ペプチドのアミノ酸残基と銀化合物のモル比(アミノ酸残基/銀)が1〜15となるように添加し溶解する工程を含む。この2つの工程の順序は問わないが、好ましくは抗菌性ペプチドのpHを7〜9に調整する工程を先に行い、その溶液に銀化合物を添加する。
本発明において用いられる抗菌性ペプチドは、抗菌性を有するポリペプチドであり、ε―ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、プロタミン、ナイシン等が挙げられる。中でも、ε―ポリリジンは、性能面または経済性の面から、本発明に用いるのに適している。抗菌性ペプチドは1種のみ用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。抗菌性ペプチドのアミノ酸の数は、5〜70程度、好ましくは10〜60程度、より好ましくは15〜50程度、さらに好ましくは20〜45程度である。抗菌性ペプチドは、塩基性のものが好ましい。
本発明において銀は抗菌性ペプチドと錯体を形成し、ペプチドの二次構造の中に取り込まれることにより安定化する。抗菌性ペプチドを構成するアミノ酸残基と銀のモル比(アミノ酸残基/銀)は、抗菌性ペプチドの種類によって異なるので限定できないが、例えば1〜15、好ましくは6〜15である。また、銀に対する抗菌性ペプチドの質量比は2〜30、好ましくは12〜30である。この比よりも抗菌性ペプチドの量が少ない場合には錯体の形成が不十分であり、遊離の銀イオンが還元されて着色する。また、抗菌性ペプチドの濃度を高くすると抗菌活性が高くなるが、この比以上では効果が飽和し、経済的に不利である。
本発明で製造される液状抗菌剤組成物におけるε―ポリリジンの濃度は特に限定されないが、0.00001〜20質量%、好ましくは0.005〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量%である。20質量%を超えるε―ポリリジン溶液を調製することは困難であり、ポリリジン0.00001質量%未満では性能が不十分である。また、使用時のε―ポリリジンの濃度は、0.01〜200ppm、好ましくは0.05〜100ppm、更に好ましくは0.1〜50ppmである。
本発明において銀化合物添加前の液状抗菌剤組成物はpH調整剤を用いてpHが7〜9、好ましくは8〜9にしておくことが好ましい。7より低いpH域では後の工程で添加する銀錯体の安定性が悪く、液が白濁する可能性がある。また、9より高いpH域では高温または長期保存により著しく着色する。pH調整剤としては、各種の酸、塩基が用いられるが、酸(有機酸もしくは無機酸)が好ましく、無機酸がより好ましい。pHの調整に用いられる無機酸としては、硝酸、炭酸、硫酸、リン酸、ホウ酸等が挙げられ、中でも硝酸は、銀が還元されて金属銀になることを防止する効果があるので好適である。
本発明の液状抗菌剤組成物の製造方法の好ましい実施形態において、抗菌性ペプチド水溶液のpHを調整した後、銀化合物を添加し溶解させる。
本発明に用いられる銀塩、銀酸化物などの銀化合物は特に限定されず、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、リン酸銀、酢酸銀、酸化銀、等が挙げられる。銀化合物は1種のみ用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
液状抗菌剤組成物における銀濃度は、0.001〜2質量%、好ましくは0.005〜1質量%、更に好ましくは0.01〜0.2質量%である。この濃度範囲内で、安定で高い性能を有する配合物を調製することが出来る。また、希釈液における銀の濃度は0.01〜10ppm、好ましくは0.05〜5ppm、更に好ましくは0.1〜1ppmである。銀濃度が0.01ppm以下では抗菌効果が弱く、10ppmを超えると経済的に不利である。
本発明の液状抗菌剤組成物は、抗菌性ペプチドの溶液にさらにアミノ化合物を添加することでより安定化する。アミノ化合物としては、尿素、アルカノールアミン、アミノ酸が挙げられる。アルカノールアミンとしては、例えばトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等を挙げることができる。アミノ酸としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、セリン、トレオニン、メチオニン、グルタミン、アルパラギン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、リジン、ヒスチジン、アルギニン、オルニチン等を挙げることができる。
液状抗菌剤組成物における銀イオンに対するアミノ化合物の濃度は、銀化合物1質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部である。0.1質量部以下ではポリペプチド銀錯体を安定化する効果が不十分であり、10質量部以上にアミノ化合物を添加しても効果が増強することはない。
使用時のアミノ化合物濃度は、0.001〜100ppm、好ましくは0.005〜50ppm、更に好ましくは0.01〜10ppmである。アミノ化合物濃度が0.001ppm以下では銀錯体を安定化する効果が弱く、100ppm以上では効果が飽和する。
本発明の液状抗菌剤組成物の使用用途及び態様は、微生物に対する抗菌作用を目的とするものであれば特に限定されないが、水試料、例えば、空調設備などの冷却水に添加してレジオネラ菌の防除に用いられる。水試料は、循環或いは繰り返し使用される水のようにレジオネラ菌などが繁殖しやすいものが例示される。水試料のpHが7〜9の場合には、抗菌性ペプチドと銀化合物を加えることにより、抗菌処理が可能であり、レジオネラ菌などの繁殖が抑制される。抗菌性ペプチドと銀化合物は別々に加えてもよく、本発明の製造方法で得られる液状抗菌剤組成物を添加してもよい。水試料のpHが7未満或いは9を超える場合、水試料のpHを7〜9に調製し、その後に抗菌性ペプチドと銀化合物を別々に添加するか、本発明の製造方法で得られる液状抗菌剤組成物を添加すればよい。また、塗料、インキ、水溶性切削油剤等の工業製品、食品・化粧品・医薬品の製造工程用洗浄料、食器用殺菌洗浄用、口腔用洗浄料、手指用洗浄料、抗菌紙および抗菌繊維、消臭・抗菌スプレー、製紙工程のスライムコントロール剤等に配合して使用することが挙げられる。
本発明の液状抗菌剤組成物には、適宜、界面活性剤、キレート剤、保湿剤、増粘剤等を添加することができる。本発明に用いられる界面活性剤は特に限定されないが、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸(例えば、ラウリル酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等)、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム等)、リン酸エステル塩(例えば、POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等)、スルホコハク酸塩(例えば、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等)、高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等)、N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等)、硫酸化油(例えば、ロート油等)、POE−アルキルエーテルカルボン酸、POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸、α―オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等)、グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノスレアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ひまし油誘導体、グリセリンアルキレート、POE−ソルビタンエステル類(例えば、POE−ソルビットラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート等)、POE−脂肪酸エステル類、POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル等)、プルロニック類、POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−モノセチルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−グリセリンエーテル等)、テトロニック類、POE−ひまし油誘導体(例えば、POE−ひまし油、POE−硬化ひまし油、POE−硬化ひまし油モノイソステアレート等)、アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等)、POE−プロピレングリコールエステル、POE−アルキルアミン、POE−脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等)、アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等)、塩化ジステアリルジメチルジアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ジアルキルモルホニウム塩、POE−アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミノアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アミドベタイン、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン等)等が挙げられる。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、アスコルビン酸、グルコン酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、等を挙げることができる。
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、キシリトール、ソルビトール、マルチトール等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、アラビアゴム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、ポリアクリル酸ナトリウム、グアーガム、タマリントガム、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ラポナイト等が挙げられる。
本発明の液状抗菌剤組成物は、以上に列挙した添加剤の1種以上と適宜併用することで、各目的により適した抗菌剤組成物とすることが出来る。
以下、本発明を実施例によってさらに説明するが、本発明はこれらの実施例に示す内容に限定されるものではない。
表1に示す配合品を調製し、配合品の状態、液安定性、希釈液の安定性、抗菌性、レジオネラ菌に対する殺菌性を評価した。
実施例1
サンキーパーNo.381(三栄源株式会社製、ε―ポリリジン50%含有品)2gを蒸留水約80gに溶解し、硝酸を添加してpHを8.5に調整した。この溶液に酸化銀0.11gを添加してスターラーで撹拌し、酸化銀が完全に溶解した後、蒸留水を加えて総質量を100gとした。この溶液中のリジン残基/銀(モル比)は理論上6.4であった。
実施例2
4gのサンキーパーNo.381を蒸留水約80gに溶解し、硝酸を添加してpHを8.5に調整した。この溶液に酸化銀0.11gを添加してスターラーで撹拌し、酸化銀が完全に溶解した後、蒸留水を加えて総質量を100gとした。この溶液中のリジン残基/銀(モル比)は理論上12.7であった。
実施例3
4gのサンキーパーNo.381を蒸留水約80gに溶解し、硫酸を添加してpHを8.5に調整した。この溶液に酸化銀0.11gを添加してスターラーで撹拌し、酸化銀が完全に溶解した後、蒸留水を加えて総質量を100gとした。この溶液中のリジン残基/銀(モル比)は理論上12.7であった。
実施例4
2gのサンキーパーNo.381を蒸留水約80gに溶解し、硝酸を添加してpHを8.5に調整した。この溶液に酸化銀0.11gを添加してスターラーで撹拌し、酸化銀が完全に溶解した後、L−ヒスチジン0.1gを添加し、更に蒸留水を加えて総質量を100gとした。この溶液中のリジン残基/銀(モル比)は理論上6.4であった。
実施例5
4gのサンキーパーNo.381を蒸留水約80gに溶解し、硝酸を添加してpHを8.5に調整した。この溶液に酸化銀0.11gを添加してスターラーで撹拌し、酸化銀が完全に溶解した後、尿素0.1gを添加し、更に蒸留水を加えて総質量を100gとした。この溶液中のリジン残基/銀(モル比)は理論上12.7であった。
比較例1
0.2gのサンキーパーNo.1を蒸留水約80gに溶解し、硝酸を添加してpHを8.5に調整した。この溶液に酸化銀0.11gと蒸留水を加えて総質量を100gとし、スターラーで撹拌した。この溶液中のリジン残基/銀(モル比)は理論上0.6であった。
比較例2
4gのサンキーパーNo.1を蒸留水約80gに溶解し、硝酸を添加してpHを6.5に調整した。この溶液に酸化銀0.11gと蒸留水を加えて総質量を100gとし、スターラーで撹拌した。この溶液中のリジン残基/銀(モル比)は理論上12.7であった。
比較例3
4gのサンキーパーNo.1を蒸留水約80gに溶解した。この溶液に酸化銀0.11gと蒸留水を加えて総質量を100gとし、スターラーで撹拌した。この溶液のpHは9.4であった。また、この溶液中のリジン残基/銀(モル比)は理論上12.7であった。
(配合直後の液状態)
配合品を目視し、液の状態を下の基準により液の状態を評価した。
〇:酸化銀が完全に溶解し、透明な液である。
×:不溶解物または濁りが認められる。
(液安定性の評価)
配合品を50℃に1週間保存し、肉眼で液の状態を下記の基準で評価した。
◎:液の性状は全く変わらない。
〇:少し黄色強くなる。
×:液が著しい赤着色している。又は、析出物がある。
(希釈液の評価)
水道水、またはモデル冷却水(カルシウム硬度:600mg/L、マグネシウム硬度:200mg/L、塩素イオン濃度:426mg/L)と、配合品1gを混合して10分間放置し、下の基準に従って液の外観を評価した。
〇:透明である。
×:白濁している。
(抗菌性の評価)
SCDブイヨン培地に実施例2の配合品、硝酸銀、またはポリリジンを溶解した。これらの培地を、等量のSCDブイヨン培地と混合することにより、殺菌剤濃度が半減した培地を調製した。この操作を繰り返すことにより、実施例2の配合品を用いた場合には銀イオン濃度0〜10ppmおよびポリリジン濃度0〜200ppmを含有する培地を、硝酸銀を用いた場合には銀イオン濃度が0〜50ppmを含有する培地を、また、ポリリジン0〜1000ppmを含有する培地を調製した。
これらの培地に、大腸菌(Escheishia coli IFO3301 JCM7571)、黄色ぶどう球菌(Staphylococcus aureus JCM20624)またはカンジダ・アルビカンス(Candida albicans JCM1542)を菌数が約104cfu/mlとなるように接種し、30℃で3日間培養した。菌株の増殖が認められなかった培地の銀イオン濃度を、最少増殖阻害濃度(MIC)とした。これらMICの値から、下式により銀とポリリジンの併用効果率を求め、効果率が1より小さい場合を相乗効果有りと評価した。結果を図1に示した。
Figure 2016204309
(レジオネラ菌に対する殺菌性の評価)
水道水で実施例2の配合品を希釈し、0〜1000ppm(銀イオン濃度:0〜10ppm)の溶液を調製した。また、2−メチル−4−イソチアゾロン―3−オン(MIT)と5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾロン―3−オン(CMIT)を含有する市販品を水道水で希釈し、0〜5000ppm溶液を調製した。これらの溶液10mlにレジオネラ菌(Legionella pneumophila JCM7571)を菌数が約105cfu/mlとなるように接種し、25℃、120rpmにて1時間振盪した。1時間後、6時間後、および24時間後に、培養液0.1mlを採取し、レジオネラGVPC寒天培地に接種した。30℃にて48時間培養し、寒天培地上にコロニーの形成が認められなかった最少濃度を最少殺菌濃度(MBC)とした。結果を表2に示した。
表1〜2および図1に示すように、本発明の抗菌剤組成物は高温でも安定であり、高い耐塩性を示し、高い抗菌力を有し、特に防除が困難なレジオネラ菌に対しても強い殺菌力を有していた。一方、リジン(アミノ酸)残基/銀のモル比が1より小さい場合には酸化銀が溶解せず、pHが7以下の場合には液が白濁した。また、pHが9以上の配合品は安定性が悪かった。
Figure 2016204309
Figure 2016204309

Claims (5)

  1. 抗菌性ペプチドと銀化合物を含有する液状抗菌剤組成物の製造方法であって、抗菌性ペプチド水溶液のpHを7〜9に調整する工程と、銀化合物を抗菌性ペプチドのアミノ酸残基と銀化合物のモル比(アミノ酸残基/銀)が1〜15となるように添加し溶解する工程を含むことを特徴とする液状抗菌剤組成物の製造方法。
  2. 抗菌性ペプチドがε―ポリリジンであることを特徴とする請求項1に記載の液状抗菌剤組成物の製造方法。
  3. さらに、尿素、アルカノールアミン、アミノ酸から選ばれる1種以上のアミノ化合物を添加することを特徴とする請求項1又は2に記載の液状抗菌剤組成物の製造方法。
  4. 請求項1〜3に記載の方法によって製造された液状抗菌剤組成物。
  5. 抗菌性ペプチドと銀化合物を、抗菌性ペプチドのアミノ酸残基と銀化合物のモル比(アミノ酸残基/銀)が1〜15になるように、pH7〜9の水試料に添加する工程を含む、水試料の抗菌処理方法。
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