JPWO2012153741A1 - ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液 - Google Patents

ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液 Download PDF

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Abstract

ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物を高濃度に且つ長期間安定に含有させた,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液が開示されている。当該溶液は,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物を,界面活性剤と多価アルコール又はその誘導体と水とを含んでなる溶媒に溶解し,これに更に酸化性物質を加えることにより調製される。

Description

本発明は,細菌,酵母,カビ,ウイルス等の広範な微生物に対して優れた抗菌活性を有し,食品,化粧品,医薬等の製造工程での除菌や,サニテーション用の除菌などの幅広い用途に有用である,新規なヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液に関する。
一般に,食品,化粧品,医薬品などの製造工程では,微生物の混入による品質の劣化を防ぐ目的で,アルコール,次亜塩素酸ナトリウム,ヨードホール,四級アンモニウム塩,アルキルジアミノエチルグリシル塩酸塩,クロルヘキシジン,ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩などの種々の抗菌剤が使用されている。これらの抗菌剤は,比較的安全であるとされているが,それでも実用上は,安全性の確保,排水低負荷,環境汚染の排除など,種々の面に配慮する必要がある。例えば,次亜塩素酸ナトリウムは,効果を発揮した後には,無害な塩化ナトリウムに変化するため,食品の除菌洗浄,浴室等のカビ除去,洗濯機洗浄槽の除菌等の目的に広く用いられているが,酸性物質と混合すると有害な次亜塩素酸ガスを発生するという問題がある。また,酸性でも比較的安定な塩素系殺菌剤として,安定化二酸化塩素があるが,これは反応副生成物として有害な亜塩素酸を生成するという問題がある。
ヨウ素は,強い抗菌力と,細菌,酵母,カビ,ウイルス等の微生物に対して幅広い抗菌スペクトルを有し,かつ天然の抗菌剤として高い安全性を有することが知られている。しかも,塩素系殺菌剤のように,有害なガスを発生することもない。
しかしながら,ヨウ素は,水に難溶であること,常温では個体であって昇華性を有すること,特有の臭気を有することなどから,その使用は限られ,うがい薬等に使用されるのみであった。
このようなヨウ素の欠点に対応すべく,例えば,ヨウ素を,天然物であるβ−シクロデキストリンに包接し,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物(βCDI)とする方法が報告されている(特許文献1及び2)。
しかし,βCDIも,水に溶け難く,ヨウ素濃度として,せいぜい0.02wt%程度しか溶解しない。一方で,このような低濃度のβCDI水溶液では,ヨウ素の遊離が促進されるため,βCDI水溶液を安定した状態で保存することが難しいという問題があった(特許文献3)。
また,βCDIのプロピレングリコール溶液を,ヨウ化カリウムとクエン酸・1水和物とを溶解した弱アルカリ性台所用洗剤に添加し,pHを4.81に調整した洗剤組成物が知られているが,該組成物中のβCDIの濃度は,0.022wt%に過ぎないものであった(特許文献4)。
特開昭51−88625号公報 特開2002−193719号公報 特開2005−60652号公報 特開2004−315750号公報
上記のような状況の下,本発明の解決しようとする課題は,水を含む溶媒に,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物を高濃度に溶解させ,かつ,該溶液中において,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物を長期間安定化させることである。
上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねたところ,本発明者らは,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物が,界面活性剤と多価アルコール又はその誘導体と水とを含んでなる溶媒に,高濃度に溶解すること,及び,こうして得られる溶液に酸化性物質を加えることでヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物が安定化することを見出し,更に検討を重ねて,本発明を完成した。
即ち,本発明は,
[1]ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物を,界面活性剤と多価アルコール又はその誘導体と水とを含んでなる溶媒に溶解し,さらに酸化性物質を加えてなる,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液,
[2]ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液におけるヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物の配合比率が,0.1〜1.3wt%である,上記[1]のヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液,
[3]ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液における,界面活性剤,多価アルコール又はその誘導体,水,及び酸化性物質の配合比率が,
界面活性剤:3〜25wt%,
多価アルコール又はその誘導体:3〜25wt%,
水:60~85wt%
酸化性物質:0.2〜2wt%
であって,
界面活性剤の配合比率:多価アルコール又はその誘導体の配合比率が,1:2〜3:1(但し,水の配合比率が70wt%未満であって,かつ,界面活性剤が非イオン性界面活性剤である場合,非イオン性界面活性剤の配合比率:多価アルコール又はその誘導体の配合比率は,1:2〜1:1)である,上記[1]又は[2]のヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液,
[4]界面活性剤が,非イオン性界面活性剤であるソルビタン脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル類,プロピレングリコール脂肪酸エステル類,硬化ひまし油誘導体,グリセリンアルキルエーテル,POE−ソルビタン脂肪酸,POE−グリセリン脂肪酸エステル類,POE−脂肪酸エステル類,POE−アルキルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー,POE・POP―アルキルエーテル類,エチレンジアミンテトラポリオキシエチレンポリオキシプロピレン,POE−ひまし油誘導体,アルカノールアミド,POE・POP−POE・POP−POE・POP−プロピレングリコール脂肪酸エステル,POE−アルキルアミン,POE−脂肪酸アミド,及びショ糖脂肪酸エステル,並びに,両性界面活性剤であるベタイン系界面活性剤,及びスルホベタイン系界面活性剤,並びに,陽イオン性界面活性剤であるアルキルトリメチルアンモニウム塩,アルキルピリジウム塩,塩化ジステアリルジメチルアンモニウム,ジアルキルジメチルアンモニウム塩,アルキル四級アンモニウム塩,アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩,ジアルキルモリホニウム塩,アルキルアミン塩,ポリアミン脂肪酸誘導体,アミノアルコール脂肪酸誘導体,塩化ベンザルコニウム,及び塩化ベンゼトニウム,並びに,陰イオン性界面活性剤である脂肪酸ナトリウム,モノアルキル硫酸塩,スルホコハク酸ジアルキルナトリム,及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる1又は2種以上である,上記[1]〜[3]のいずれかのヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液,
[5]多価アルコール又はその誘導体が,グリコール類,グリセリン及びジグリセリン並びにそれらのモノアルキルエーテルからなる群から選ばれる1又は2種以上である,上記[1]〜[4]のいずれかのヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液,
[6]酸化性物質が,ヨウ素の標準電極電位より高い標準電極電位を示すものである,上記[1]〜[5]のいずれかのヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液,
[7]酸化性物質が,マンガン酸塩,酸化銀(III)塩,第二鉄塩,第二錫塩,硝酸塩,酸化マンガン及び過酸化水素からなる群から選ばれる1又は2種以上である,上記[1]〜[5]いずれかのヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液,
[8]上記[1]〜[7]のいずれかのヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液を含んでなる抗菌剤,
[9]ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物を,界面活性剤と多価アルコール又はその誘導体と水とを含んでなる溶媒に溶解してなる溶液に,酸化性物質を加えることを特徴とする,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物の安定化方法,
に関する。
本発明のヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液(本発明のβCDI溶液)は,ヨウ素を有効成分とするため,強い抗菌力と幅広い抗菌スペクトルを有するものであり,加えて安全性が高いという特長をも併せ有する。
また,用時には,水で希釈して用いることもできるため,利便性に優れる。
さらに,本発明のβCDI溶液は,酸化性物質が存在することにより,ヨウ素が還元されて抗菌力を失うことが防止されるので,長期間保存後も,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物が安定に存在し,抗菌力が持続する。
したがって,本発明のβCDI溶液は,抗菌剤として,食品,化粧品および医薬品の製造工程の抗菌,除菌,殺菌,サニテーション用の抗菌,除菌,殺菌などの幅広い用途に有用である。
さらに,該本発明のβCDI溶液は,界面活性剤を含むため,洗浄剤としての効果も奏するので,抗菌洗浄剤としても有用である。
本発明のβCDI溶液は,βCDIを高濃度に含む溶液である。ここに,該βCDI溶液に対するβCDIの配合比率は,溶媒を構成する成分の種類や量により変動するが,下限値としては,通常,0.1wt%以上であり,好ましくは0.2wt%以上であり,より好ましくは0.3wt%以上であり,更により好ましくは0.4wt%以上であり,更により好ましくは0.5wt%以上である。また,βCDIの配合比率の上限値に関しては,通常,1.3wt%以下であり,場合によっては1.2wt%以下,若しくは1.1wt%以下,若しくは1.0wt%以下,若しくは0.8wt%以下,若しくは0.6wt%以下となることもあり得る。
本発明において,βCDIにおけるヨウ素含有量は,βCDIの重量に対して,通常,5〜35wt%,好ましくは10〜30wt%,より好ましくは15〜25wt%,最も好ましくは約20wt%である。
本発明において,βCDIの製造方法は,特に制限されるものではなく,公知の方法(例えば,特許文献1,特許文献2に記載の方法など)又はこれらの組合せを使用することができる。例えば,所定量のヨウ素と所定量のヨウ素溶解助剤(KIなど)を水に溶解し,これに所定量のβ−シクロデキストリンを添加して攪拌,放置し,沈殿物として得る方法などが挙げられる。また,本発明のβCDIとして,市販のものを使用することもできる。そのような市販のβCDIとしては,例えば,BCDI(株式会社ビジョン製)などが挙げられる。
原料としてのヨウ素及びβ−シクロデキストリンは,特に制限されるものではなく,いずれも,市販品をそのまま使用してもよいし,又は,公知の方法によって,合成してもよい。
本発明において,βCDIを溶解するための溶媒に配合される界面活性剤,多価アルコール又はその誘導体,及び水の配合比率について,以下説明する。これらの配合比率は,用いる界面活性剤あるいは多価アルコール若しくはその誘導体の種類,量により変動し得るが,界面活性剤については,例えば,3〜25wt%であり,好ましくは3〜20wt%であり,より好ましくは5〜15wt%であり,更により好ましくは7〜15wt%である。多価アルコール若しくはその誘導体の配合比率は,例えば,3〜25wt%であり,好ましくは5〜25wt%であり,より好ましくは7〜25wt%である。水の配合比率は,例えば,60〜85wt%であり,好ましくは65〜80wt%,より好ましくは70〜80wt%である。
界面活性剤の配合比率:多価アルコール若しくはその誘導体の配合比率は,例えば,1:2〜3:1であり,好ましくは1:2〜1:1である。但し,水の配合比率が70wt%未満であって,かつ,界面活性剤が非イオン性界面活性剤である場合には,非イオン性界面活性剤の配合比率:多価アルコール若しくはその誘導体の配合比率は,1:2〜1:1である。
本発明において用いる界面活性剤としては,非イオン性界面活性剤,両性界面活性剤,陽イオン性界面活性剤,陰イオン性界面活性剤のいずれのカテゴリーのものをも用いることができる。
非イオン性界面活性剤は特に限定されないが,例えば,ソルビタン脂肪酸エステル(例えば,ソルビタンモノオレエート,ソルビタンイソステアレート,ソルビタンモノラウレート,ソルビタンモノパルミテート,ソルビタンモノステアレート,ソルビタンセスキオレエート,ソルビタントリオレエート等),グリセリン脂肪酸エステル類(例えば,モノエルカ酸グリセリン,セスキオレイン酸グリセリン,モノステアリン酸グリセリン等),プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば,モノステアリン酸プロピレングリコール等),硬化ひまし油誘導体(例えば,POE−硬化ひまし油,POE−硬化ひまし油モノイソステアレート等),グリセリンアルキルエーテル(例えば,グリセロールモノステアレート,グリセロールモノオレート等),POE−ソルビタン脂肪酸(例えば,POE−ソルビタンモノラウレート,POE−ソルビタンモノオレエート,POE−ソルビタンモノステアレート,POE−ソルビタントリオレエート等),POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば,POE−グリセリンモノステアレート,POE−グリセリントリイソステアレート等),POE−脂肪酸エステル類(例えば,POE−ジステアレート,POE−モノオレエート等),POE−アルキルエーテル(例えば,POE−イソデシルエーテル,POE−オレイルセチルエーテル,POE−ラウリルエーテル,POE−オレイルエーテル,POE−ステアリルエーテル等),ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(例えば,プルロニック(登録商標)等),POE・POP―アルキルエーテル類(例えば,POE・POP―セチルエーエル,POE・POP―モノブチルエーテル,POE・POP―グリセリンエーテル等),エチレンジアミンテトラポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(例えば,テトロニック(登録商標)等),POE−ひまし油誘導体(例えば,POE−ひまし油等),アルカノールアミド(例えば,ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド,ラウリン酸モノエタノールアミド,脂肪酸イソプロパノールアミド等),POE・POP−POE・POP−POE・POP−プロピレングリコール脂肪酸エステル,POE−アルキルアミン(例えば,POE−ラウリルアミン,POE−ステアリルアミン等),POE−脂肪酸アミド(例えば,POE−ステアリン酸アミド等),ショ糖脂肪酸エステル(例えば,ショ糖オレイン酸エステル,ショ糖パルミチン酸エステル,ショ糖ラウリン酸エステル等)等が挙げられる。ここに,「POE」とは,ポリオキシエチレンを,「POP」とはポリオキシプロピレンを表す。
両性界面活性剤としては,例えば,ベタイン系界面活性剤(例えば,2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル―N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン,ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン,ラウリン酸アミドプロピルベタイン,ヤシ油脂肪酸アミドオロピルベタイン,オクタン酸アミドプロピルベタイン,ラウリルジメチルアミンオキサイド等),スルホベタイン系界面活性剤(例えば,ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン等)が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤としては,例えば,アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば,塩化ステアリルトリメチルアンモニウム,塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等),アルキルピリジウム塩(例えば,塩化セチルピリジニウム等),塩化ジステアリルジメチルアンモニウム,ジアルキルジメチルアンモニウム塩(例えば,ジデシルジメチルアンモニウムクロライド等),アルキル四級アンモニウム塩(例えば,ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド,ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド,セチルトリメチルアンモニウムクロライド等),アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩(例えば,ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等),ジアルキルモリホニウム塩,アルキルアミン塩(例えば,ココナットアミンアセテート,ステアリルアミンアセテート等),ポリアミン脂肪酸誘導体,アミノアルコール脂肪酸誘導体,塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては,例えば,脂肪酸ナトリウム(例えば,ドデカン酸ナトリウム等),モノアルキル硫酸塩(例えば,ドデシル硫酸ナトリム,テトラデシル硫酸ナトリウム等),スルホコハク酸ジアルキルナトリム(例えば,スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等),ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム(例えば,ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム等)等が挙げられる。
これら界面活性剤のうち,本発明のβCDI溶液の安定性の観点から,非イオン性界面活性剤,両性界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤が好ましい。あるいは,洗浄性の観点からは,非イオン性界面活性剤,両性界面活性剤及び陰イオン性界面活性剤が好ましく,陰イオン性界面活性剤がより好ましい。あるいは,抗菌性の観点からは,陽イオン性界面活性剤,両性界面活性剤が好ましく,陽イオン性界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤としては,上記したものから選択される1種又は2種以上を使用することができる。この場合において,同じカテゴリー(即ち,「非イオン性界面活性剤」,「両性界面活性剤」,「陽イオン性界面活性剤」,又は「陰イオン性界面活性剤」)から2種以上を選択することも差し支えない。
本発明において用いる多価アルコールもしくはその誘導体としては,極性が高く水と可溶の液体であれば特に限定されない。そのような多価アルコールとしては,例えば,グリコール類(例えば,エチレングリコール,プロピレングリコール,ブチレングリコール,ペンチレングリコール,ヘキシレングリコール,ジエチレングリコール,ジプロピレングリコール,トリエチレングリコール),グリセリン,ジグリセリンなどが挙げられ,多価アルコールの誘導体としては,これら多価アルコールのモノアルキルエーテルが挙げられる。ここに,「アルキル」とは,炭素数1〜6のアルキルを意味し,好ましくは炭素数1〜4のアルキルである。多価アルコールもしくはその誘導体の具体例としては,ジプロピレングリコール,ブチレングリコール,ペンチレングリコール,ヘキシレングリコール,トリエチレングリコール,エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノプロピルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル,プロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテル,プロピレングリコールモノプロピルエーテル,プロピレングリコールモノブチルエーテル,グリセリンモノメチルエーテル,グリセリンモノエチルエーテル,グリセリンモノプロピルエーテル,グリセリンモノブチルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチレングリコールモノノブチルエーテル,ジプロピレングリコールモノメチルエーテル,ジプロピレングリコールモノエチルエーテル,ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル,ジグリセリンモノメチルエーテル,ジグリセリンモノエチルエーテル,ジグリセリンモノプロピルエーテル,ジグリセリンモノブチルエーテル,トリエチレングリコールモノメチルエーテル,トリエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールもしくはその誘導体としては,上記したものから選択される1種又は2種以上を使用することができる。
本発明の酸化性物質は,ヨウ素の標準電極電位(0.5346V)より高い標準電極電位を示す物質である。ここで,「ヨウ素の標準電極電位より高い標準電極電位を示す」とは,水溶液中で,酸化性物質そのものがヨウ素の標準電極電位より高い標準電極電位を示すものである場合の他,酸化性物質が塩の場合には,水溶液中で解離した該塩を構成するイオンが,ヨウ素の標準電極電位より高い標準電極電位を示すものである場合も含む意味である。
このような酸化性物質であれば,特に限定なく,いずれも本発明に使用することができるが,ヨウ素の還元等を効果的に防止し,かつ,溶液を安定に保つとの観点からは,その標準電極電位が0.6〜1.0Vであることが好ましい。酸化性物質の標準電極電位がヨウ素の標準電極電位とあまり差がない程度であれば,該酸化性物質の添加量にもよるが,ヨウ素の還元を効果的に防止できないおそれがある一方,酸化性物質の標準電極電位があまりに高すぎれば,ヨウ素をヨウ素酸イオンに酸化したり,あるいは,溶液組成物中の他の有機物を酸化分解すること等の懸念があるためである。
本発明の酸化性物質の具体例としては,例えば,マンガン酸塩,酸化銀(III)塩,第二鉄塩,第二錫塩などの金属塩,硝酸塩,酸化マンガン,過酸化水素などが挙げられる。ここで,金属塩としては,金属のハロゲン化物,金属と強酸(例えば,硫酸,硝酸,塩酸など)との塩,金属と弱酸(例えば,酢酸,プロピオン酸,クエン酸,乳酸,コハク酸,低級脂肪酸など)との塩などが挙げられる。また,硝酸塩としては,硝酸と第二鉄,第二錫,銅(II),亜鉛(II)等との塩が挙げられる。酸化性物質の好ましい具体例としては,経済性や安定性などの実用面から,塩化第二鉄,硝酸第二鉄,硫酸第二鉄等の第二鉄塩;塩化第二錫,硝酸第二錫,硫酸第二錫等の第二錫塩;硝酸第二鉄,硝酸第二錫,硝酸銅,硝酸亜鉛等の硝酸塩;過酸化水素などが挙げられる。但し,塩のカチオン成分として,アルカリ金属又はアルカリ土類金属を用いると,これらカチオンが溶液中でヨウ素のイオン化を促進するので好ましくない。なお,酸化性物質は,単独で用いてもよいし,2種以上を混合して用いてもよい。
これらの酸化性物質の配合比率添加量は,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物の濃度や,配合する酸化性物質の標準電極電位の値によっても異なるが,通常,βCDI溶液の全量に対して,0.2〜2wt%,好ましくは0.5〜1wt%である。酸化性物質の添加量を,ヨウ素の還元防止効果が十分でなくなるほど過少とするのは好ましくない。一方,酸化性物質の添加量を,βCDI溶液のpHが使用時に希釈してもなお低いままとなる程過剰とするのも好ましくない。
本発明において,酸化性物質として金属塩を配合する場合,かかる金属塩は,強酸との金属塩や弱酸との金属塩などいずれの金属塩としても配合することができるが,例えば弱酸との金属塩が難溶性の場合には,強酸を添加してpHを調節することにより,該金属塩を溶解することができる。本発明のβCDI溶液のpHは,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物の濃度によっても異なるが,通常,pH1〜4,好ましくはpH1.5〜3,更に好ましくは1.5〜2.5である。
本発明のヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液は,βCDIと,界面活性剤と,多価アルコール又はその誘導体と,水と,酸化性物質とを混合し,各成分が均一になるまで攪拌することにより,調製することができる。
こうして得られる本発明のβCDI溶液には,所望により,この分野で通常使用する添加剤を加えてもよい。そのような添加剤としては,例えば,洗浄力を増強する洗浄剤ビルダーとしてのキレート剤や,増粘剤,香料などが挙げられる。
キレート剤としては,例えば,エチレンジアミンテトラ酢酸,ニトリロトリ酢酸,1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸,1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩,エチレンジアミン四酢酸二ナトリム,エチレンジアミン四酢酸三ナトリム,エチレンジアミン四酢酸四ナトリム,クエン酸ナトリム,ポリリン酸ナトリウム,ヘキサメタリン酸ナトリム,アスコルビン酸,グルコン酸,クエン酸,コハク酸,アジピン酸,スベリン酸,ソルビトールやキシリトールなどの糖アルコール等を挙げることができる。これらのうち,エチレンジアミンテトラ酢酸,ポリリン酸ナトリム,ヘキサメタリン酸ナトリム,クエン酸,コハク酸,ソルビトールやキシリトールなどの糖アルコールが好ましい。添加されるキレート剤の濃度は,特に限定されないが,通常,0.1mM〜20mM,好ましくは1mM〜10mMである。
こうして得られる本発明のβCDI溶液は,使用時に希釈して,抗菌剤や抗菌洗浄剤として使用することができる。希釈の倍率は,該βCDI溶液の組成等により変動するが,通常は,例えば,5〜1000倍,又は10〜100倍,又は15〜50倍,又は約20倍程度である。希釈に用いる溶媒としては種々のものが考えられ,特に限定はないが,例えば,水;多価アルコール若しくはその誘導体;水と界面活性剤とを含んでなる溶媒;多価アルコール若しくはその誘導体と界面活性剤とを含んでなる溶媒;及び水と多価アルコール若しくはその誘導体と界面活性剤とを含んでなる溶媒などが挙げられる。好ましい溶媒としては,利便性の観点から,水が挙げられる。本発明のβCDI溶液を希釈した場合において,該希釈液のpHの好ましい範囲としては,2.5〜4.5,更に好ましくは3〜4である。
以下,実施例を参照して本発明を更に詳細に説明するが,本発明がこれら実施例に限定されることは意図しない。
<βCDI溶液の安定化>
表1の組成に従い,ヨウ素−シクロデキストリン包接化合物溶液を調製した(実施例1〜3及び比較例1)。ヨウ素−シクロデキストリン包接化合物としては,株式会社ビジョン製のもの(ヨウ素含有率:20wt%)を使用した(以下,特にことわりのない限り,同じβCDIを使用した)。
それぞれの溶液を,40℃の恒温槽に30日間保存した。ヨウ素がヨウ素イオンに還元されると,退色し,抗菌効果も消失する。したがって,ヨウ素の色調の変化を,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物の安定性の指標とした。
Figure 2012153741
表1から明らかなとおり,第二鉄イオンの添加により,溶液状態にあるβCDIが安定化された。但し,塩化第二鉄として0.1重量%しか添加しなかった比較例1においては,βCDIの安定化が達成できなかった。
<殺カビ活性>
上記βCDI溶液の安定化の試験において,試験開始時と30日目に,実施例1と比較例1の溶液各々1mlを採取し,黒麹黴(Asperilus niger JCM16264)の胞子約100/mlを含有する滅菌蒸留水20mlに添加した。該液の1mlを,添加直後,1分後,5分後にそれぞれ採取し,メンブランフィルター(アドバンテック製,直径47mm,孔径0.45μm)を装着したろ過器でろ過することにより,胞子をメンブランフィルターに捕捉した。こうして得られたメンブランフィルターを,滅菌水50mlで洗浄した後,ろ過器から取り出し,ポテトデキストロース寒天培地(シグマ−アルドリッチ社製)の上に置いて,30℃で培養した。2日後,フィルター上に形成したコロニー数を計測した。結果を表2に示す。
Figure 2012153741
表2から明らかなとおり,実施例1の溶液は,30日保存後においても,保存前のものと同等の殺カビ活性を示した。一方,比較例1の溶液は,保存前のものは実施例1の溶液と同等の殺カビ活性を示したが,30日保存後のものは,殺カビ活性を確認することができなかった。このことから,実施例1の溶液は,第二鉄イオンの添加により,溶液状態にあるβCDIが安定化し,それにより,30日保存後においても,殺カビ活性が維持されたことがわかる。

(製造例)
本発明のヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液において,酸化性物質を加える前の該溶液,すなわち,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物を単に高濃度に含有する溶液(かかる溶液を「高濃度βCDI溶液」という。)」の製造例を,以下に記載する。
表3−1に記載の組成に従い,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物,非イオン性界面活性剤(ポリキシエチレンイソデシルエーテル,ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル,又はポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート),多価アルコール誘導体(エチレングリコールモノブチルエーテル),および水を混合したものをそれぞれ調製し,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物の溶解性を検討した。
一方,参考例として,表3−2に記載の組成に従い,各混合液をそれぞれ調製し,同様に溶解性を検討した。
結果を表3−1および表3−2に示す(数値はいずれも,wt%で表されたものである。以下同様。)。0.5wt%βCDIは,非イオン性界面活性剤,多価アルコール誘導体,及び水の混液に溶解した。一方,非イオン性界面活性剤及び/又は多価アルコール誘導体を混液から除いた場合,すなわち,非イオン性界面活性剤と水との混液,多価アルコール誘導体と水との混液,又は水に対しては,0.5wt%βCDIは溶解しなかった。
Figure 2012153741
Figure 2012153741
表4に記載の組成に従い,ヨウ素―βシクロデキストリン包接化合物,界面活性剤(陽イオン性界面活性剤:ジデシルジメチルアンモニウムクロライド,両性界面活性剤:ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン,又は陰イオン性界面活性剤:スルホコハク酸ジオクチルナトリウム),多価アルコール誘導体(エチレングリコールモノブチルエーエル),および水を混合したものをそれぞれ調製し,ヨウ素―βシクロデキストリン包接合化合物の溶解性を検討した。
結果を表4に示す。0.5wt%βCDIは,いずれの場合においても,均一に溶解した。
Figure 2012153741
表5に記載の組成に従い,ヨウ素―βシクロデキストリン包接化合物,非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンイソデシルエーテル),多価アルコール又はその誘導体(ジプロピレングリコール,ヘキシレングリコール,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,又はプロピレングリコールモノエチルエーテル)および水を混合したものを調製し,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物の溶解性を検討した。参考例としては,多価アルコール又はその誘導体に代えて,エタノールを使用した。
結果を表5に示す。0.5wt%βCDIは,非イオン性界面活性剤,多価アルコール又は多価アルコール誘導体,及び水の混液に,均一に溶解した。一方,多価アルコール又はその誘導体に代えてエタノールを使用した場合には,不溶解物が残り,溶解しなかった。
Figure 2012153741
表6に記載の組成に従い,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物,非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンイソデシルエーテル),多価アルコール又は多価アルコール誘導体(ジプロピレングリコール,ヘキシレングリコール,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングルコールモノエチルエーテル,又はプロピレングリコールモノエチルエーテル)および水を混合したものを調製し,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接合化合物の溶解性を検討した。参考例としては,多価アルコール又はその誘導体に代えて,エタノールを使用した。
結果を表6に示す。1wt%βCDIは,非イオン性界面活性剤,多価アルコール又はその誘導体,及び水の混液に,均一に溶解した。一方,多価アルコール又はその誘導体に代えてエタノールを使用した場合には,不溶解物が残り,溶解しなかった。
Figure 2012153741
表7に記載の組成に従い,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物,非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンイソデシルエーテル),多価アルコール誘導体(エチレングリコルモノブチルエーエル),および水を混合したものを調製し,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物の溶解性を検討した。
結果を表7に示す。各製造例において,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物は,0.5wt%又は1.0wt%の配合比率で溶解した。
Figure 2012153741
表8の記載に従い,ヨウ素―βシクロデキストリン包接化合物,2種類の界面活性剤(第1:非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンイソデシルエーテル),第2:陽イオン性界面活性剤(ジデシルジメチルアンモニウムクロライド),両性界面活性剤(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン),又は陰イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム)),多価アルコール誘導体(エチレングリコルモノブチルエーエル),および水を混合したものを調製し,ヨウ素―βシクロデキストリン包接合化合物の溶解性を検討した。
結果を表8に示す。いずれの製造例においても,0.5%βCDIが均一に溶解した。
Figure 2012153741
<製造例の評価>
1.殺カビ活性
ろ過器にセルロースアセテート膜のメンブランフィルター(ADVANTEC製,径:47mm,孔径:0.45μm)をセットし,黒麹黴(Aspergillus niger JCM )の胞子(170個/ml)を分散させた滅菌水1mlをろ過することにより,胞子をメンブランフィルターに捕捉した。製造例1の高濃度βCDI溶液を20倍に希釈した。該希釈液の適量を,ろ過器に注ぎ,1分間,3分間または5分間,胞子を希釈液に接触させた。希釈液を吸引除去し,メンブランフィルターを滅菌水50mlで洗浄した後,ろ過器から取り出し,ポテトデクストロース寒天培地(シグマ−アルドリッチ社製)上に置いた。該培地を,30℃で2日間培養し,メンブランフフィルター上の黒麹黴について,増殖したコロニーの数をカウントした。比較のため,製造例1の高濃度βCDI溶液において,βCDIを含まない以外は同じ組成のもの(参考液)を調製し,同様の操作を行った。
結果を,表9に示す。同表中,「++」は,多数のコロニーが生育してカウントできなかったことを意味する。製造例1の高濃度βCDI溶液は,優れた殺カビ性を示した。尚,表9において,「被検液の接触時間0分」のものとは,上記操作において,βCDIの希釈液を接触させなかったこと以外は,同様に処理したものである。
Figure 2012153741
本発明のヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液は,細菌,酵母,カビ,ウイルス等の広範な微生物に対して優れた殺菌活性を示すと共に,酸化性物質が存在することにより,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物が長期間安定に存在し抗菌力が持続するので,抗菌剤として,又は,抗菌洗浄剤として,食品,化粧品,医薬等の製造工程での抗菌,除菌,殺菌,サニテーション用の抗菌,除菌,殺菌などの幅広い用途に有用である。

Claims (9)

  1. ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物を,界面活性剤と多価アルコール又はその誘導体と水とを含んでなる溶媒に溶解し,さらに酸化性物質を加えてなる,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液。
  2. ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液におけるヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物の配合比率が,0.1〜1.3wt%である,請求項1のヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液。
  3. ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液における,界面活性剤,多価アルコール又はその誘導体,水,及び酸化性物質の配合比率が,
    界面活性剤:3〜25wt%,
    多価アルコール又はその誘導体:3〜25wt%,
    水:60~85wt%,
    酸化性物質:0.2〜2wt%
    であって,
    界面活性剤の配合比率:多価アルコール又はその誘導体の配合比率が,1:2〜3:1(但し,水の配合比率が70wt%未満であって,かつ,界面活性剤が非イオン性界面活性剤である場合,非イオン性界面活性剤の配合比率:多価アルコール又はその誘導体の配合比率は,1:2〜1:1)である,請求項1又は2のヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液。
  4. 界面活性剤が,非イオン性界面活性剤であるソルビタン脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル類,プロピレングリコール脂肪酸エステル類,硬化ひまし油誘導体,グリセリンアルキルエーテル,POE−ソルビタン脂肪酸,POE−グリセリン脂肪酸エステル類,POE−脂肪酸エステル類,POE−アルキルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー,POE・POP―アルキルエーテル類,エチレンジアミンテトラポリオキシエチレンポリオキシプロピレン,POE−ひまし油誘導体,アルカノールアミド,POE・POP−POE・POP−POE・POP−プロピレングリコール脂肪酸エステル,POE−アルキルアミン,POE−脂肪酸アミド,及びショ糖脂肪酸エステル,並びに,両性界面活性剤であるベタイン系界面活性剤,及びスルホベタイン系界面活性剤,並びに,陽イオン性界面活性剤であるアルキルトリメチルアンモニウム塩,アルキルピリジウム塩,塩化ジステアリルジメチルアンモニウム,ジアルキルジメチルアンモニウム塩,アルキル四級アンモニウム塩,アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩,ジアルキルモリホニウム塩,アルキルアミン塩,ポリアミン脂肪酸誘導体,アミノアルコール脂肪酸誘導体,塩化ベンザルコニウム,及び塩化ベンゼトニウム,並びに,陰イオン性界面活性剤である脂肪酸ナトリウム,モノアルキル硫酸塩,スルホコハク酸ジアルキルナトリム,及びポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウムからなる群から選ばれる1又は2種以上である,請求項1〜3のいずれかのヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液。
  5. 多価アルコール又はその誘導体が,グリコール類,グリセリン及びジグリセリン並びにそれらのモノアルキルエーテルからなる群から選ばれる1又は2種以上である,請求項1〜4のいずれかのヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液。
  6. 酸化性物質が,ヨウ素の標準電極電位より高い標準電極電位を示すものである,請求項1〜5のいずれかのヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液。
  7. 酸化性物質が,マンガン酸塩,酸化銀(III)塩,第二鉄塩,第二錫塩,硝酸塩,酸化マンガン及び過酸化水素からなる群から選ばれる1又は2種以上である,請求項1〜5のいずれかのヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液。
  8. 請求項1〜7のいずれかのヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物溶液を含んでなる抗菌剤。
  9. ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物を,界面活性剤と多価アルコール又はその誘導体と水とを含んでなる溶媒に溶解してなる溶液に,酸化性物質を加えることを特徴とする,ヨウ素−β−シクロデキストリン包接化合物の安定化方法。
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