JP2016204194A - 結合材にコンクリートスラッジ微粉末を含む水硬化性硬化体 - Google Patents

結合材にコンクリートスラッジ微粉末を含む水硬化性硬化体 Download PDF

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Abstract

【課題】 強度が十分な、コンクリートスラッジ微粉末と普通ポルトランドセメントとを結合材とする水硬化性硬化体を提供する。【解決手段】コンクリートスラッジ微粉末と、普通ポルトランドセメントと、骨材と、必要に応じて添加される混和剤とから練混ぜて得られる水硬化性硬化体として構成する。コンクリートスラッジ微粉末は、残コンクリートまたは戻りコンクリートに水を加えてスラリーにし、該スラリーから砂利、砂、微砂分を除去してスラッジ水を得、該スラッジ水を脱水して脱水ケーキを得、該脱水ケーキを破砕・乾燥して得る。次式の条件で配合する。DSP≦−0.02×S+23010≦DSP≦70ただし、DSP:結合材に対するコンクリートスラッジ微粉末の比率(%)S:コンクリートスラッジ微粉末の比表面積(cm2/g)【選択図】 図2

Description

本発明は、水硬化性硬化体の結合材に、残コンクリートや戻りクリートから回収されたセメント分を含むコンクリートスラッジ微粉末を含む水硬化性硬化体に関するものである。
建設現場等において打設されるコンクリート、モルタル等は、レディミクストコンクリート工場において製造され、アジテータトラックによって搬送される。建設現場においてはコンクリートは若干の余裕を持って発注されることがあり、この場合コンクリートの一部は打設されないで残る。また建設現場において受入検査で不合格になるコンクリートもある。このようなコンクリートは、いわゆる残コンクリート、あるいは戻りコンクリートとしてアジテータトラックで搬送されて工場に戻されるが、その割合は、工場において製造されるコンクリート全体の2〜3%に達すると報告されている。従来これらは産業廃棄物として処理されてきたが、コストが嵩むし環境負荷にもなるので、有効利用が求められてきた。
特許第4472776号公報 特開2009−215151号公報 特開2014−88279号公報
特許文献1には、残コンクリートや戻りコンクリートから、セメント分を含んだ微粉末、いわゆるコンクリートスラッジ微粉末を製造する方法が記載されている。この方法においては、残コンクリートや戻りコンクリートに所定の水を加えてスラリー状被処理物を得る。そしてスラリー状被処理物から砂利、砂等を分離してスラッジ水を得、さらに湿式サイクロンによってスラッジ水を処理して微砂分を除去し、濃縮スラッジ水を得る。この濃縮スラッジ水をフィルタプレスにかけて脱水ケーキを得、横型の回転ドラムの一方の端部から脱水ケーキを連続的に供給し、回転ドラムには同時に熱風を供給して、脱水ケーキの破砕と乾燥とを実質的に同時に実施し、そして他方の端部から連続的にコンクリートスラッジ微粉末を得るようになっている。従って、均一で高品質のコンクリートスラッジ微粉末を回収することができる。このようなコンクリートスラッジ微粉末の用途として、例えば地盤改良材をあげることができる。
特許文献2にも、詳しくは説明しないが、残コンクリートや戻りコンクリートからコンクリートスラッジ微粉末を回収する方法が記載されている。特許文献2においては、普通ポルトランドセメントと高炉スラグと無水せっこうとからなる所定の固化材に、コンクリートスラッジ微粉末を所定の割合で添加し、混練水と共に練混ぜて水硬化性硬化体を得る実施例が記載されている。つまりコンクリートスラッジ微粉末の利用方法として、このような水硬化性硬化体が提案されていると言える。ただし実施例においては、コンクリートスラッジ微粉末は固化材に対して3〜7%が補助的に添加されているに過ぎない。添加されている普通ポルトランドセメントに対する割合で考えると、コンクリートスラッジ微粉末は、普通ポルトランドセメントに対して5.5〜12.7%が添加されているだけである。そうすると、特許文献2において提案されている水硬化性硬化体において、硬化を発現させる主体はあくまでも普通ポルトランドセメントを含む固化剤であると言うことができる。水硬化性硬化体においてコンクリートスラッジ微粉末の利用は補助的な範囲に留まっていると言える。また、水硬化性硬化体においてコンクリートスラッジ微粉末の及ぼす作用も不明である。
これに対して特許文献3には、コンクリートスラッジ微粉末を積極的に利用した水硬化性硬化体が記載されている。特許文献3に記載の水硬化性硬化体においては、硬化時に要求される強度の基準が定められ、その強度を得るために必要なコンクリートスラッジ微粉末の条件が規定されている。文献によると、まず水硬化性硬化体に要求される強度は、建築構造物において一般的に用いられる設計基準強度である21または24N/mmを考慮して、気温等の各種補正値を加味したいわゆる呼び強度30N/mmが基準とされている。そして、このような強度が得られる条件として、結合材として使用するコンクリートスラッジ微粉末について、比表面積が8000cm/g以下であることが明らかにされている。特許文献3に記載の水硬化性硬化体においては、普通ポルトランドセメントを補助的に含んでいてもいいが、結合材の主体は所定の比表面積のコンクリートスラッジ微粉末であり、コンクリートスラッジ微粉末の用途として適切であり、資源の再利用という点で有望であると言える。
特許文献1、2に記載のように、従来産業廃棄物として処理されていた戻りコンクリートや残コンクリートからセメント分をコンクリートスラッジ微粉末として回収するようにすれば、資源を再利用できるだけでなく、廃棄に要するコストを削減できる。そしてコンクリートスラッジ微粉末には、水和反応が進行していないセメント分が十分残っていて利用価値が高く優れている。そして特許文献2、3に記載のように、コンクリートスラッジ微粉末を水硬化性硬化体の材料として使用すれば資源を再利用することができ、特に特許文献3に記載の水硬化性硬化体ではコンクリートスラッジ微粉末が結合材の主体であるので、資源の再利用が促進され好ましい。このように、戻りコンクリートや残コンクリートからコンクリートスラッジ微粉末を回収でき、回収したコンクリートスラッジ微粉末を水硬化性硬化体の材料として使用できるので、資源の再利用という点で優れてはいる。
しかしながら、コンクリートスラッジ微粉末の利用という点では、若干の検討すべき点も見受けられる。まず、特許文献2に記載の利用方法に関しては、水硬化性硬化体において結合材の主体は普通ポルトランドセメントであり、コンクリートスラッジ微粉末の使用は補助的であるに過ぎず、普通ポルトランドセメントに対して5.5〜12.7%が添加されているだけである。そうすると資源の再利用という観点から十分とは言えない。これに対して特許文献3に記載の水硬化性硬化体においては、結合材の主体がコンクリートスラッジ微粉末であるので、資源の再利用は促進されるはずである。しかしながら、特許文献3に記載の水硬化性硬化体においても2点の問題が見受けられる。まず第1の問題点は、特許文献3において規定された水硬化性硬化体に要求される強度が、設計基準強度を考慮して決定されてはいるが、通常使用されている普通ポルトランドセメントを結合材とするコンクリートの強度を基準とするときの比較の強度では無い点である。建築物を設計する、あるいは現場において打設する技術者は普通ポルトランドセメントを結合材とするコンクリートを使い慣れており、その強度を熟知している。このような技術者にとって、コンクリートスラッジ微粉末を結合材とする水硬化性硬化体を利用するとき、使い慣れた普通ポルトランドセメントを結合材とするコンクリートに比較して、どの程度の強度が得られるのかを知りたいはずである。しかしながら比較の強度が不明であるので、安心して使用できない。つまり安心して普通ポルトランドセメントを結合材とするコンクリートをコンクリートスラッジ微粉末を結合材とする水硬化性硬化体に代替できない。そうすると資源の再利用が促進されない。第2の問題点は、比表面積が8000cm/g以上のコンクリートスラッジ微粉末について利用されていない点である。コンクリートスラッジ微粉末は、残コンクリート、戻りコンクリートにおけるセメント分の水和反応の進行の度合いによって、得られる品質には若干のバラツキが生じるが、品質が若干劣るコンクリートスラッジ微粉末についても利用できないと、資源の再利用の点で十分とは言えない。
本発明は上記したような問題点を解決する、水硬化性硬化体を提供することを目的としている。つまり、コンクリートスラッジ微粉末の需要の受け皿となって資源の再利用を促進させると共に、十分な強度を有し、普通ポルトランドセメントを結合材とするコンクリートの代替品として技術者が安心して利用することができる水硬化性硬化体を提供することを目的としている。
本発明は上記目的を解決するために、コンクリートスラッジ微粉末と、普通ポルトランドセメントと、骨材と、必要に応じて添加される混和剤とから練混ぜされて得られる水硬化性硬化体として構成する。そして水硬化性硬化体で使用されるコンクリートスラッジ微粉末は、残コンクリートまたは戻りコンクリートから所定の回収工程によって得られるものである。具体的には、回収工程は、残コンクリートまたは戻りコンクリートに水を加えてスラリーにするスラリー化工程と、該スラリーから砂利、砂、微砂分を除去してスラッジ水を得る分離工程と、該スラッジ水を脱水して脱水ケーキを得る脱水工程と、該脱水ケーキを破砕・乾燥する破砕・乾燥工程とから構成する。そして、水硬化性硬化体において、コンクリートスラッジ微粉末は、普通ポルトランドセメントとコンクリートスラッジ微粉末とからなる結合材の全量に対して所定の割合で混合するように構成する。
すなわち、請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、コンクリートスラッジ微粉末と、普通ポルトランドセメントと、骨材と、必要に応じて添加される混和剤とから練混ぜされて得られる水硬化性硬化体であって、前記コンクリートスラッジ微粉末は、残コンクリートまたは戻りコンクリートに水を加えてスラリーにするスラリー化工程と、該スラリーから砂利、砂、微砂分を除去してスラッジ水を得る分離工程と、該スラッジ水を脱水して脱水ケーキを得る脱水工程と、該脱水ケーキを破砕・乾燥する破砕・乾燥工程とからなる回収工程によって製造され、前記水硬化性硬化体において、前記コンクリートスラッジ微粉末は次の2式、
DSP≦−0.02×S+230 (1式)
10≦DSP≦75 (2式)
ただし、DSP:前記コンクリートスラッジ微粉末と前記普通ポルトランドセメントとからなる結合材に対する前記コンクリートスラッジ微粉末の比率(単位:%)
S:前記コンクリートスラッジ微粉末の比表面積(単位:cm/g)
を満たすように混合されていることを特徴とする水硬化性硬化体として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水硬化性硬化体において、前記破砕・乾燥工程は、熱風が吹き込まれると共に内部に高速に回転する破砕攪拌翼が設けられている所定の回転式のドラムによって実施され、前記脱水ケーキを実質的に同時に破砕すると共に乾燥するようになっていることを特徴とする水硬化性硬化体として構成される。
以上のように、本発明は、コンクリートスラッジ微粉末と、普通ポルトランドセメントと、骨材と、必要に応じて添加される混和剤とから練混ぜされて得られる水硬化性硬化体として構成される。そして本発明において水硬化性硬化体に使用されるコンクリートスラッジ微粉末は、残コンクリートまたは戻りコンクリートに水を加えてスラリーにするスラリー化工程と、該スラリーから砂利、砂、微砂分を除去してスラッジ水を得る分離工程と、該スラッジ水を脱水して脱水ケーキを得る脱水工程と、該脱水ケーキを破砕・乾燥する破砕・乾燥工程とからなる回収工程によって製造されている。つまり本来廃棄される残コンクリート、戻りコンクリートから回収されたセメント分であると言える。そして本発明によると、水硬化性硬化体において、コンクリートスラッジ微粉末は所定の式を満たすように混合されている。つまり普通ポルトランドセメントとコンクリートスラッジ微粉末からなる結合材の合計量に対して、コンクリートスラッジ微粉末の混合比率が規定されている。これによって後で説明するように、結合材が普通ポルトランドセメントのみからなる水硬化性硬化体つまりコンクリートの圧縮強度を基準として、本発明に係る水硬化性硬化体はその90%以上の圧縮強度を得ることが保証される。すなわち十分な強度が得られる。そしてこのように本発明に係る水硬化性硬化体の強度がコンクリートと比較して評価されているので、経験的にコンクリートの強度を熟知している設計や打設に携わる技術者は、安心して本発明に係る水硬化性硬化体を利用することができる。つまり資源の再利用が促進されることになる。また本発明によると、水硬化性硬化体に使用するコンクリートスラッジ微粉末の品質については格別に制限されていない。コンクリートスラッジ微粉末を結合材として使用するとき、比表面積が大きいと性能が低下するが、このようなコンクリートスラッジ微粉末であっても、所定の式を満たすように使用すれば水硬化性硬化体の材料として使用することができる。これによってさらに資源の再利用が促進されることになる。また他の発明によると、破砕・乾燥工程は、熱風が吹き込まれると共に内部に高速に回転する破砕攪拌翼が設けられている所定の回転式のドラムによって実施され、脱水ケーキを実質的に同時に破砕すると共に乾燥するようになっている。このようにコンクリートスラッジ微粉末を回収するので、コンクリートスラッジ微粉末の品質は高く、水硬化性硬化体は十分な強度が得られる。
本発明の実施の形態に係る水硬化性硬化体に使用されるコンクリートスラッジ微粉末の回収工程を示すブロック図である。 比表面積が異なる色々なコンクリートスラッジ微粉末を使用し、これと普通ポルトランドセメントとを結合材として色々な配合で製造された水硬化性硬化体について、所望の圧縮強度が得られたものと得られなかったもののそれぞれについてプロットしたグラフである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態に係る水硬化性硬化体は、結合材として普通ポルトランドセメントと、いわゆるコンクリートスラッジ微粉末とを所定の割合で使用する。コンクリートスラッジ微粉末は、残コンクリートまたは戻りコンクリートから回収したセメント分を多く含む微粉末である。まず、コンクリートスラッジ微粉末の回収方法、つまり製造方法を説明する。
コンクリートを打設する建設現場では、必要なコンクリートをレディミクストコンクリート工場に発注する。レディミクストコンクリート工場において、普通ポルトランドセメントと、砂利、砂等の骨材と、水と、混和剤とを強制練りミキサによって練混ぜてコンクリートを製造する。製造されたコンクリートはアジテータトラックによって建設現場に搬送する。このように搬送されたコンクリートは、使用されないで一部が残ったり、受け入れ検査で不合格になったりする場合がある。このようなコンクリートは、残コンクリートあるいは戻りコンクリートとして、アジテータトラックによってレディミクストコンクリート工場に戻され、あるいは他の処理設備に送られる。残コンクリートまたは戻りコンクリートは、所定の回収設備によって、図1に示されているように、所定の回収工程によって処理される。
回収工程は、スラリー化工程、分離工程、脱水工程、破砕・乾燥工程からなるが、これらについて説明する。
(1)スラリー化工程
残コンクリートまたは戻りコンクリートに水を加えてスラリー化し、セメント分が加えられた水に十分に溶け込むようにする。このようなスラリーには、アジテータトラックのミキサを洗浄した洗浄排水や、レディミクストコンクリート工場における洗浄排水が含まれていてもよい。
(2)分離工程
分離工程は、スラリー化工程で得られたスラリーから骨材等の固形分を除去する工程である。本実施の形態においては、分離工程は骨材分離工程と、微砂分除去工程とからなる。分離工程は、メッシュの大きさの異なる複数の振動篩によって実施され、スラリー化工程で得られたスラリーを順次処理して砂利、砂等の骨材を分離する。回収された骨材は、再利用に供するために粒径に応じて所定のビンに送られる。骨材が分離されて残った篩下は、セメント分が含まれているスラッジ水になっている。微砂分除去工程は、本実施の形態においては湿式サイクロンによって実施され、スラッジ水から微細な砂、つまり微砂分を除去する工程である。この工程によって微砂分が除去されたスラッジ水は、次の脱水工程で処理されてもよいし、あるいはスラリー化工程において他の残コンクリートや戻りコンクリートをスラリー化する水として再利用されてもよい。後者のようにするとスラッジ水はセメント分が濃縮される。すなわち濃縮スラッジ水になる。スラッジ水、あるいは濃縮スラッジ水は、本実施の形態においては含砂率が10質量%以下になるように、砂利、砂、微砂分が除去され、次の脱水工程に送られる。
(3)脱水工程
スラッジ水あるいは濃縮スラッジ水をフィルタプレスによって処理して脱水し、脱水ケーキを得る。本実施の形態においては脱水ケーキの含水率は、25〜45質量%になるようにする。
(4)破砕・乾燥工程
本実施の形態においては、この工程において所定のドラムを使用する。ドラムは、内部において高速に回転する破砕攪拌翼が設けられていると共に熱風が吹き込まれるようになっている。従って脱水ケーキをドラム内に入れてドラムを閉鎖する。破砕攪拌翼を回転させると共に熱風を吹き込むと破砕攪拌翼によって破砕され、熱風によって乾燥される。つまり破砕と乾燥が実質的に同時に実施される。これによって脱水ケーキは細分化されて表面積が大きくなって速やかに乾燥することができ、セメント分の水和反応が進行しないうちにセメント分を含んだ微粉末、つまりコンクリートスラッジ微粉末を製造することができる。なお、この破砕・乾燥工程はバッチ的に実施してもよいが、連続的に実施してもよい。すなわち特許文献1(特許第4472776号公報)に記載されている回転ドラムのような、一方の端部に脱水ケーキの投入部が、他方の端部にコンクリートスラッジ微粉末の回収部が設けられている、横型の回転ドラムを使用してもよい。回転ドラムは内周面にリフターが設けられている。従って回転ドラムが回転すると内部の脱水ケーキが所定の高さまで持ち上げられて落下するようになっている。このようにして落下する脱水ケーキが、回転ドラム内に設けられて高速で回転するようになっている破砕攪拌翼によって破砕され、そして供給される熱風によって乾燥されるようになっている。この横型の回転ドラムにおいて投入部から連続的に脱水ケーキを投入し、回転ドラム内で脱水ケーキの破砕と乾燥とを同時に実施すると、他方の端部からコンクリートスラッジ微粉末を連続的に回収できる。
本発明においては、このように製造されたコンクリートスラッジ微粉末と、普通ポルトランドセメントとを結合材として使用して水硬化性硬化体を得る。コンクリートスラッジ微粉末は、主としてセメント分からなるが、セメント分の水和反応の進み具合にはバラツキがある。換言するとコンクリートスラッジ微粉末の品質にはバラツキがある。コンクリートスラッジ微粉末の品質を評価する指標は色々あるが、本発明者等は比表面積に着目した。後で説明する実験によって、コンクリートスラッジ微粉末を結合材として含む水硬化性硬化体の硬化時の強度と、比表面積とが相関していることが判明したからである。そこで本発明においては、硬化時における水硬化性硬化体が必要な強度が得られるように、使用するコンクリートスラッジ微粉末の比表面積に応じて、結合材に混合するコンクリートスラッジ微粉末の割合を規定する。具体的には、結合材中のコンクリートスラッジ微粉末の割合は次の2式で与える。
DSP≦−0.02×S+230 (1式)
10≦DSP≦70 (2式)
ただし、DSP:前記コンクリートスラッジ微粉末と前記普通ポルトランドセメントとからなる結合材に対する前記コンクリートスラッジ微粉末の比率(単位:%)
S:前記コンクリートスラッジ微粉末の比表面積(単位:cm/g)
これら1、2式を共に満たすように、コンクリートスラッジ微粉末と普通ポルトランドセメントとを結合材として配合し、これらと骨材と混練水とから、そして必要に応じて混和剤を添加して本実施の形態に係る水硬化性硬化体を得る。このような水硬化性硬化体は、結合材が普通ポルトランドセメントのみからなる水硬化性硬化体つまりコンクリートの圧縮強度を基準として、その硬化時の圧縮強度は90%以上になる。従って、本実施の形態に係る水硬化性硬化体は、コンクリートの代替品として安心して利用が可能である。
上の2式においてはDSP、つまり結合材に対するコンクリートスラッジ微粉末の比率の下限が10%であるように規定している理由を説明する。コンクリートスラッジ微粉末は、例えば結合材における比率が10%未満であっても発現する強度はさらに大きくなり、コンクリートの強度に近づく。つまり十分な強度を得るという目的から考える限りDSPに下限を設ける理由はない。しかしながら資源の再利用の促進を考えると、コンクリートスラッジ微粉末は可能な限り使用したい。そこで資源の再利用の促進を目的として、本発明においてはDSPは10%以上と規定した。なお、さらなる資源の再利用の促進を図る場合には、DSPは15%以上が好ましく、20%以上がさらに好ましい。一方、上の2式においてDSPの上限は70%であるように規定している。これは次に説明する実験において強度が確認された数値であり、この上限については格別に問題はない。しかしながら、建築物の設計や打設に携わる技術者は、本発明の実施の形態に係る水硬化性硬化体が実験において強度が十分であることが証明されていたとしても、JISにおいて配合が規定されていて使い慣れているコンクリートに対して、その材料が大きく異なるものは利用しづらいことも想定される。コンクリートの結合材は普通ポルトランドセメントのみであることを考慮し、本発明の実施の形態に係る水硬化性硬化体の結合材も、その主体が普通ポルトランドセメントであれば、利用し易い。そこで実用上はDSPの上限は50%としてもよい。
上記の1式および2式の導出に至った実験について説明する。コンクリートスラッジ微粉末と普通ポルトランドセメントとを結合材として使用して水硬化性硬化体を得るとき、必要な強度を得るための、コンクリートスラッジ微粉末の比表面積や配合の条件を調べる実験を行った。
実験1:強度の基準を得るため、普通ポルトランドセメントのみを結合材とし、細骨材、粗骨材、水を配合してコンクリートCを製造した。各材料の配合は、表1のNo.Cに示されている。製造したコンクリートについて圧縮強度試験を実施し、材齢7日における圧縮強度として42.7N/mmを得た。この強度を基準とし、本発明の実施の形態に係る水硬化性強度は、基準の強度の90%以上の圧縮強度、つまり38.4N/mm以上得られることを条件と定めた。
実験2:コンクリートスラッジ微粉末と普通ポルトランドセメントとを結合材として使用し、細骨材、粗骨材、水を配合して表1のように、水硬化性硬化体A1〜A9を得た。水/結合材比は、コンクリートCと同じ50%とした。水硬化性硬化体A1〜A9においては、比表面積の異なる3種類のコンクリートスラッジ微粉末を使用し、比表面積はブレーン空気透過法によって測定した。また結合材に対するコンクリートスラッジ微粉末の配合の比率も変えた。例えば、水硬化性硬化体A3は、比表面積6000cm/gのコンクリートスラッジ微粉末を、結合材において70%となるように配合したものである。得られた水硬化性硬化体A1〜A9について、圧縮強度試験を実施し、材齢7日における圧縮強度を表1のように得た。
Figure 2016204194
基準の強度の90%以上の圧縮強度が得られたのは、水硬化性硬化体A1〜A7であり、必要な強度が得られなかったのは水硬化性硬化体A8、A9であった。横軸にコンクリートスラッジ微粉末の比表面積を、縦軸に結合材におけるコンクリートスラッジ微粉末の割合をそれぞれ取り、前者の水硬化性硬化体A1〜A7については○印によって、後者の水硬化性硬化体A8、A9については×印によってプロットし、図2のグラフを得た。グラフG1とグラフG2で囲まれた範囲が、必要な強度が得られる条件である。グラフG1から前述の2式を得、グラフG2から1式を得た。
G1、G2 グラフ

Claims (2)

  1. コンクリートスラッジ微粉末と、普通ポルトランドセメントと、骨材と、必要に応じて添加される混和剤とから練混ぜされて得られる水硬化性硬化体であって、
    前記コンクリートスラッジ微粉末は、残コンクリートまたは戻りコンクリートに水を加えてスラリーにするスラリー化工程と、該スラリーから砂利、砂、微砂分を除去してスラッジ水を得る分離工程と、該スラッジ水を脱水して脱水ケーキを得る脱水工程と、該脱水ケーキを破砕・乾燥する破砕・乾燥工程とからなる回収工程によって製造され、
    前記水硬化性硬化体において、前記コンクリートスラッジ微粉末は次の2式、
    DSP≦−0.02×S+230 (1式)
    10≦DSP≦70 (2式)
    ただし、DSP:前記コンクリートスラッジ微粉末と前記普通ポルトランドセメントとからなる結合材に対する前記コンクリートスラッジ微粉末の比率(単位:%)
    S:前記コンクリートスラッジ微粉末の比表面積(単位:cm/g)
    を満たすように混合されていることを特徴とする水硬化性硬化体。
  2. 請求項1に記載の水硬化性硬化体において、前記破砕・乾燥工程は、熱風が吹き込まれると共に内部に高速に回転する破砕攪拌翼が設けられている所定の回転式のドラムによって実施され、前記脱水ケーキを実質的に同時に破砕すると共に乾燥するようになっていることを特徴とする水硬化性硬化体。
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JP7364177B1 (ja) 2023-06-23 2023-10-18 三和石産株式会社 結合材として高炉スラグ微粉末を含む水硬化性硬化体の製造方法

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