JP6084431B2 - 水硬化性硬化体 - Google Patents
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Description
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水硬化性硬化体において、前記骨材は残コンクリートまたは戻りコンクリートから回収された再生骨材からなることを特徴とする水硬化性硬化体として構成される。
(1)スラリー化工程
残コンクリートまたは戻りコンクリートに水を加えてスラリー化し、セメント分が加えられた水に十分に溶け込むようにする。このようなスラリーには、アジテータトラックのミキサを洗浄した洗浄排水や、レディミクストコンクリート工場における洗浄排水が含まれていてもよい。
(2)分離工程
分離工程は、スラリー化工程で得られたスラリーから骨材等の固形分を除去する工程である。本実施の形態においては、分離工程は骨材分離工程と、微砂分除去工程とからなる。分離工程は、メッシュの大きさの異なる複数の振動篩によって実施され、スラリー化工程で得られたスラリーを順次処理して砂利、砂等の骨材を分離する。回収された骨材は、再利用に供するために粒径に応じて所定のビンに送られる。骨材が分離されて残った篩下は、セメント分が含まれているスラッジ水になっている。微砂分除去工程は、本実施の形態においては湿式サイクロンによって実施され、スラッジ水から微細な砂、つまり微砂分を除去する工程である。この工程によって微砂分が除去されたスラッジ水は、次の脱水工程で処理されてもよいし、あるいはスラリー化工程において他の残コンクリートや戻りコンクリートをスラリー化する水として再利用されてもよい。後者のようにするとスラッジ水はセメント分が濃縮される。すなわち濃縮スラッジ水になる。スラッジ水、あるいは濃縮スラッジ水は、本実施の形態においては含砂率が10質量%以下になるように、砂利、砂、微砂分が除去され、次の脱水工程に送られる。
(3)脱水工程
スラッジ水あるいは濃縮スラッジ水をフィルタプレスによって処理して脱水し、脱水ケーキを得る。本実施の形態においては脱水ケーキの含水率は、25〜45質量%になるようにする。
(4)破砕・乾燥工程
本実施の形態においては、この工程において横型の回転ドラムを使用する。回転ドラムは、その内周面に被処理物を掻き上げる翼、つまりリフターが複数枚設けられている。またその内部に回転ドラムの回転と独立して高速に回転する破砕攪拌翼が設けられている。そして回転ドラムには、熱風が吹き込まれるようになっている。従って回転ドラムを回転させ、破砕攪拌翼を回転させ、そして熱風を吹き込みながら、回転ドラムの一方の端部から脱水ケーキを連続的に投入する。そうすると脱水ケーキはリフターによって掻き上げられて落下し、破砕攪拌翼によって破砕され、熱風によって乾燥される。つまり破砕と乾燥が実質的に同時に実施される。これによって脱水ケーキは細分化されて表面積が大きくなって速やかに乾燥することができ、セメント分の水和反応が進行しないうちにセメント分を含んだ微粉末、つまりコンクリートスラッジ微粉末を製造することができる。コンクリートスラッジ微粉末は、回転ドラムの他方の端部から連続的に排出される。
残コンクリートや戻りコンクリートからコンクリートスラッジ微粉末を前記した回収工程によって製造するとき、残コンクリートや戻りコンクリートを練混ぜたときから脱水工程までの積算温度と、得られるコンクリートスラッジ微粉末の品質の関係を調べた。なお、積算温度は前記の「数1」で与え、コンクリートスラッジ微粉末の品質は、比表面積によって判断することにした。積算温度を色々変えたときに、それぞれにおいて製造されたコンクリートスラッジ微粉末の比表面積を以下の表に示す。
残コンクリートまたは戻りコンクリートが発生したときに、練混ぜから脱水工程開始までの積算時間が130℃・hを越えることが明らかな場合には、速やかに遅延剤を投入してセメント分の水和反応が進行するのを抑制することが好ましい。残コンクリートまたは戻りコンクリートが発生したタイミングで、グルコン酸ナトリウムを主成分とした遅延剤を添加して、その後回収工程を実施したときに得られるコンクリートスラッジ微粉末の品質を確認する実験を行った。結果を下記表に示す。なお、B1は遅延剤の添加がない場合の実験結果、B2、B3はそれぞれ遅延剤の添加濃度を変えた場合の実験結果である。
本発明の実施の形態に係る水硬化性硬化体の、各種の性能を調べる実験を行った。産業副産物としてフライアッシュを採用し、比表面積が異なるコンクリートスラッジ微粉末を使用して練混ぜてモルタル、つまり水硬化性硬化体を製造した。それぞれの水硬化性硬化体C1〜C4について、練混ぜに必要とした高性能AE減水剤添加量と、練混ぜに要した時間と、JIS R 5201により規定されている試験方法で測定したフロー値と、硬化後の材齢28日の圧縮強度について、以下の表に示す。
本発明の実施の形態に係る水硬化性硬化体の、中性化の進行について調べる実験を行った。産業副産物として高炉スラグ微粉末を使用し、比表面積が異なる2種類のコンクリートスラッジ微粉末を使用して、結合材に対する水の添加の割合を色々変えてD1〜D6の水硬化性硬化体を得た。これらを硬化させた後、JIS A 1153に従って、CO2濃度が5%の雰囲気において促進中性化試験を実施して中性化速度係数を得た。そしてこの結果に基づいて、CO2濃度が0.05%における中性化速度係数の推定値を得、65年経過時の中性化深さをそれぞれ得た。また比較例X1として、コンクリートスラッジ微粉末の代わりに普通ポルトランドセメントを使用して水硬化性硬化体を得、同様にCO2濃度が5%における中性化速度係数、CO2濃度が0.05%における中性化速度係数の推定値、65年経過時の中性化深さを得た。なお、比較例X1は、D1〜D6とCO2排出量が等しくなるようにした。すなわち、X1において使用した普通ポルトランドセメントは、D1〜D6におけるコンクリートスラッジ微粉末のCO2排出量と略同等の排出量になるように、その量を決定した。なお、コンクリートスラッジ微粉末のCO2排出量は普通ポルトランドセメントのCO2排出量の13%とする。実験結果を下記の表に示す。
Claims (2)
- 産業副産物と、コンクリートスラッジ微粉末と、骨材と、必要に応じて添加される混和剤と、必要に応じて配合されるポルトランドセメントと、からなる水硬化性硬化体であって、
前記コンクリートスラッジ微粉末は比表面積8000cm 2 /g以下であり、
前記水硬化性硬化体において、前記コンクリートスラッジ微粉末は前記産業副産物より多量に配合され、そして前記ポルトランドセメントが配合されるときは少なくとも前記コンクリートスラッジ微粉末より少量であることを特徴とする水硬化性硬化体。 - 請求項1に記載の水硬化性硬化体において、前記骨材は残コンクリートまたは戻りコンクリートから回収された再生骨材からなることを特徴とする水硬化性硬化体。
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