JP2016203908A - 副輪付き車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】副輪付き車両において、副輪の金属製部分と導電性が高い路面との間で火花放電が発生することを回避し、耳障りな放電音が生じないようにすること。
【解決手段】駆動装置に連結されるハブ部材81と、フリーローラ92を支持した円環部材82とを別部材とし、ハブ部81を電気絶縁材によって構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、副輪付き車両に関し、更に詳細には、主輪より小径の副輪を有する副輪付き車両に関する。
副輪付き車両として、主輪と、前記主輪に支持された車体フレームと、前記車体フレームに略上下方向に回動可能に取り付けられた副輪支持アームと、前記副輪支持アームに取り付けられ、前記主輪より小径の副輪とを有する副輪付き車両が知られている(例えば、特許文献1、2、3)。
特開2013−129414号公報 特開2013−237329号公報 特開2014−234036号公報
副輪付き車両では、電気絶縁性が高い路面を走行している時に、主輪と路面との間の摩擦によって静電気が生じ、この静電気が金属製の車体フレームに帯電することがある。
車体フレームに帯電した静電気は、多くの場合、自然に除電される。しかし、帯電した状態にある副輪付き車両が金属面等の導電性が高い路面を走行すると、副輪は非導電性のゴムローラ等によって路面と接触していることから、車体フレームと導電関係にあって路面に最も近い所に位置する副輪の金属製部分と路面との間の電位差によって絶縁破壊が生じ、火花放電(気中放電)が発生する虞がある。火花放電は、耳障りな放電音を伴い、搭乗者や周囲の人に不快感を与える。
本発明が解決しようとする課題は、副輪付き車両において、副輪の金属製部分と導電性が高い路面との間で火花放電が発生することを回避し、耳障りな放電音が生じないようにすることである。
本発明による副輪付き車両は、主輪(3)と、前記主輪(3)に支持された車体フレーム(2)と、前記車体フレーム(2)に取り付けられた副輪支持アーム(70)と、前記副輪支持アーム(70)に取り付けられ、前記主輪(3)より小径の副輪(5)とを有する副輪付き車両であって、前記副輪(5)は、前記副輪支持アーム(70)に接続されるハブ部(81)と、前記ハブ部(81)の外周にあって路面と接触する外輪部(82、90、93、95)を有し、前記外輪部(82、90、93)が前記副輪支持アーム(70)に対して電気的に絶縁されている。
この構成によれば、外輪部(82、90、93)が副輪支持アーム(70)に対して電気的に絶縁されるので、外輪部(82、90、93)の導電性部分と導電性が高い路面との間で火花放電が発生することが回避され、耳障りな放電音が生じない。
本発明による副輪付き車両は、好ましくは、前記ハブ部(81)が電気絶縁材によって構成されている。
この構成によれば、副輪支持アーム(70)に対する外輪部(82、90、93)の電気絶縁がハブ部(81)自体によって部品点数を増加することなく行われる。
本発明による副輪付き車両は、好ましくは、前記外輪部は、金属製の円環部材(82)と、前記円環部材(82)に周方向に間隔をおいて取り付けられ軸線方向に延出する複数の金属製のローラ支持アーム(90)と、前記ローラ支持アーム(90)の各々に取り付けられ、自身の配置部における前記円環部材(81)と同心の円周に対して略接線をなす方向に延在する軸線周りに転動可能な非導電性のフリーローラ(92)とを含み、前記フリーローラ(92)が接地する。
この構成によれば、副輪(5)がオムニホイールとして構成され、非導電性のゴム外周部(94)をもって路面に接触していて、路面に近い位置に位置する金属製のローラ支持アーム(90)と導電性が高い路面との間で火花放電が発生することがない。
本発明による副輪付き車両は、好ましくは、前記副輪支持アーム(70)に取り付けられて前記ハブ部(81)に連結され、前記副輪(5)を回転駆動する副輪駆動装置(75、78)を有し、副輪駆動装置(75、78)は前記副輪(5)の内側に位置する部分を含む金属製のアウタケース(79)を具備し、前記アウタケース(79)の外側には当該アウタケース(79)を被覆する電気絶縁材製のカバー(99)が取り付けられている。
この構成によれば、アウタケース(79)と外輪部の導電性部分(90)との間で火花放電することがない。
本発明による副輪付き車両は、好ましくは、前記アウタケース(79)は前記カバー(99)によって被覆されていない露呈部分を含み、前記カバー(99)には前記露呈部分と前記副輪(5)との間の沿面距離を拡長すべくリブ(99C)が形成されている。
この構成によれば、露呈部分と副輪(5)との間で沿面放電が生じることが抑制される。
本発明による副輪付き車両は、好ましくは、前記主輪(3)は、複数の回転自在なフリーローラ(54)を当該フリーローラ(54)の回転軸線が円環状をなすように組み合わされたオムニホイール式の車輪であり、前記フリーローラ(54)が接地し、更に、前記車体フレーム(2)に取り付けられ、前記主輪(3)を支持すると共に前記主輪(3)を円環中心周りに回転駆動及び/又は前記フリーローラ(54)を自身の回転軸線周りに回転駆動する主輪駆動装置(50、58、61)と、前記主輪駆動装置(50、58、61)による前記主輪(3)の円環中心周りの回転駆動および前記フリーローラ(54)の回転軸線周りの回転駆動によって全方向に移動可能である。
この構成によれば、全方向に移動可能な副輪付き車両が得られる。
本発明による、副輪付き車両によれば、導電性が高い路面を走行しても、火花放電が発生することがなく、耳障りな放電音が生じることがない。
本発明による副輪付き車両を全方向移動型車両に適用した一つの実施形態を示す側面図 本実施形態の全方向移動型車両の正面図 本実施形態の全方向移動型車両の要部の一部断面の拡大側面図 本実施形態の全方向移動型車両に用いられる副輪の斜視図 本実施形態の全方向移動型車両に用いられる副輪の分解斜視図 本実施形態の全方向移動型車両に用いられる副輪のハブ部材と円環部材との組立体の正面図 図6の線VII−VIIに沿った断面図
まず、図1および図2を参照して本実施形態による全方向移動型車両の全体構成について説明する。
全方向移動型車両1は、車体骨格をなす車体フレーム2と、主輪3を含む主輪ユニット4と、副輪5を含む副輪ユニット6と、主輪ユニット4を駆動する駆動ユニット7と、駆動ユニット7及び副輪ユニット6を制御する電装ユニット8と、電装ユニット8に電力を供給するバッテリパック9と、乗員が着座するためのサドルユニット11とを有する。
車体フレーム2は、上下に延びる左右一対のサイドポスト21と、左右に延び、左右のサイドポスト21を連結するアッパビーム22及びミドルビーム23とを有し、全体が金属パイプによって構成されている。
左右のサイドポスト21の下端部には金属製のマウントプレート26が取り付けられている。マウントプレート26は、車体の一部をなし、乗員の足裏を支持するためのフットステップ28が取り付けられている。
サドルユニット11は、左右のサイドポスト21の上部に取り付けられて乗員の臀部を支持するサドル30を有する。
アッパビーム22には左右一対の上側ブラケット37が前方に突出するように接合されている。ミドルビーム23には左右一対の下側ブラケット38が前方に突出するように接合されている。上側ブラケット37及び下側ブラケット38にはボルト締結によって駆動ユニット7が取り付けられている。これにより、駆動ユニット7は左右のサイドポスト21の上部前方に配置される。
アッパビーム22は上部後側にバッテリパック9を支持するためのバッテリケース41が取り付けられている。バッテリケース41は、後方に向けて開口する箱形に形成され、内部にバッテリパック9とのコネクタ(不図示)を有している。バッテリパック9は、後方からバッテリケース41に挿入されることによって、バッテリケース41内に収納されると共にコネクタに接続されている。
左右のサイドポスト21の上下方向における中間部には、ボルトボスである電装ユニット接合部43が設けられている。電装ユニット接合部43には、電装ユニット8の外殻をなす電装ケース44がボルト締結され、電装ケース44はバッテリケース41の直下、すなわちサイドポスト21の上部後方に配置されている。
主輪ユニット4は、左右のマウントプレート26間及び左右のサイドポスト21間に配置されている。主輪ユニット4は、両端を左右のマウントプレート26に固定されて車幅方向(左右方向)に水平に延在する金属製のディスク支持軸25と、ディスク支持軸25の外周に互いに独立して回転可能に支持された左右の金属製のドライブディスク50と、左右のドライブディスク50間に配置された円環状の主輪3と、左右のドライブディスク50の各々に接合されたコグベルト用の左右の金属製のドリブンプーリ51とを有する。
主輪3は、複数の回転自在なフリーローラ54を当該フリーローラ54の回転軸線が円環状をなすように組み合わされたオムニホイール式の車輪であり、金属製の円環部材53と、円環部材53の外周に取り付けられた導電ゴム製の複数個のフリーローラ54とにより構成され、フリーローラ54が接地する。フリーローラ54は、円環部材53の環方向(円周方向)に複数個設けられ、各々自身の配置位置における円環部材53の接線方向に延在する軸線周りに、個々に転動(自転)可能になっている。
左右のドライブディスク50は、円環部材53の中心半径より小さい外径の円盤形をなし、その外周部は略円錐台形をなす。ドライブディスク50の外周部には、周方向に等間隔をおいて金属製の複数のドライブローラ58が回転可能に支持されている。左側のドライブディスク50のドライブローラ58と右側のドライブディスク50のドライブローラ58とは、左右対称形をなすように配置され、各ドライブローラ58の回転中心はドライブディスク50の回転中心に対してねじれの関係となるように配置されている。これにより、左右のドライブローラ58は、左右対称形をなし、はすば歯車の歯すじに似た傾斜配置となっている。
ドライブディスク50のドライブローラ58の外周面は、主輪3のフリーローラ54の外周面に押し付けられた状態で接触している。左右のドライブディスク50のドライブローラ58が左右両側からフリーローラ54を挟むことにより、主輪3は、左右のドライブディスク50の間に車幅方向(左右方向)に略水平に延在する中心軸線(公転軸線)をもって無軸状態で支持され、左右のドライブディスク50と共に自身の中心を回転中心として回転(公転)可能である。
駆動ユニット7は、左右一対の電動モータ61と、減速装置62と、左右一対のコグベルト用のドライブプーリ63とを有する。減速装置62は、金属製の1つのギヤケース64と、ギヤケース64内に支持された左側の電動モータ61用のギヤ列(不図示)と、ギヤケース64内に支持された右側の電動モータ61用のギヤ列(不図示)とを有する。左右の電動モータ61は、ギヤケース64の左右の側部に、ギヤケース64を挟んで互いにロータ軸(不図示)が同軸となるように接合されている。減速装置62における2つのギヤ列の各出力軸67は、互いに同軸にギヤケース64の左右の側部から突出している。各ギヤ列の出力軸67は、左右の電動モータ61のロータ軸と平行に配置されており、左側の電動モータ61に対応したギヤ列の出力軸67は左方に突出し、右側の電動モータ61に対応したギヤ列の出力軸67は右方に突出している。左右の出力軸67には各々金属製のドライブプーリ63が取り付けられている。
左右において対応するドライブプーリ63及びドリブンプーリ51には無端のコグベルト66が掛け渡されている。ドライブプーリ63は、ドリブンプーリ51に対して直径が小さく、かつ歯数が少なく設定されている。これにより、左側の電動モータ61の回転力は、減速装置62の左側のギヤ列、左側のドリブンプーリ51、コグベルト66、左側のドリブンプーリ51を介して左側のドライブディスク50に減速して伝達される。同様に、右側の電動モータ61の回転力は、減速装置62の右側のギヤ列、右側のドリブンプーリ51、コグベルト66、右側のドリブンプーリ51を介して右側のドライブディスク50に減速して伝達される。
上述したように、ドライブディスク50およびドライブローラ58は、主輪3を支持し、駆動ユニット7と共に主輪3を円環中心周りに回転駆動及び/又はフリーローラ54を自身の回転軸線周りに回転駆動する主輪駆動装置をなす。全方向移動型車両1は、この主輪駆動装置による主輪3の円環中心周りの回転駆動およびフリーローラ54の回転軸線周りの回転駆動によって全方向に移動可能である。
副輪ユニット6は金属製の副輪支持アーム70を有する。副輪支持アーム70は、一端をディスク支持軸25と同軸上にマウントプレート26に略上下方向に回動可能に取り付けられており、この枢支部より下部後方に延在している。副輪支持アーム70の後端には水平な支持軸73によって金属製の副輪支持部材72が略上下方向に回動可能に取り付けられている。副輪支持部材72は捩りコイルばね74によって下方に向けてばね付勢されている。
なお、副輪支持アーム70および副輪支持部材72は、ディスク支持軸25および支持軸73を介して車体フレーム2と導電関係にある。
図3に示されているように、副輪支持部材72には前側から順に電動モータ75と中間連結部材77と減速装置78とが取り付けられており、これらが副輪5を回転駆動する副輪駆動装置をなす。電動モータ75のアウタケース76や中間連結部材77は金属製である。電動モータ75の前部には電動モータ75の回転角を検出する回転角センサ89が取り付けられている。減速装置78は、アウタケース79、アウタケース79に収容された減速歯車装置(不図示)および出力軸80が金属製である。
出力軸80はアウタケース79より後方に突出した後端を有し、当該後端に主輪3より小径の副輪5が取り付けられている。副輪5は、出力軸80と同心で前後方向に略水平に延在する中心軸線(公転軸線)を有し、副輪ユニット6の自重および捩りコイルばね74のばね力によって主輪3の接地点より後方に離れた位置にて路面に接触し、電動モータ75によって公転軸線周りに回転駆動される。
つぎに、副輪5の詳細を、図3〜図7を参照して説明する。
副輪5は、PPS樹脂等の樹脂成形品によるハブ部材81と、ハブ部材81の外周部に取り付けられて外輪部の一部をなす金属のプレス成形品による円環部材82とを有し、ハブ部材81を複数個のボルト83によって出力軸80の後端に固定されている。
ハブ部材81は互いに同心の大径部81Aと小径部81Bとを前後方向(軸線方向)に隣り合わせに有する(図3、図7参照)。円環部材82は、主面部82Aと、主面部82Aの中心に形成された略円形の貫通孔82Bと、主面部82Aの周方向に等間隔に形成され複数の切欠部82Cと、隣り合う切欠部82C間において主面部82Aより後方に突出した複数の突出部82Dとを有する。
突出部82Dは、平面視でV形〜U形をしていて、円環部材82の中心を中心として放射状に形成されている。突出部82Dの径方向内方の端部82Eは円環部材82と同心の一つ円を描く位置にあり、端部82Eがハブ部材81の大径部81Aに嵌合することにより、ハブ部材81に対する円環部材82の同心性が確保される。貫通孔82Bは小径部81Bに比較的小さい隙間をあけて嵌合している。この隙間に接着剤84が充填されることにより、ハブ部材81と円環部材82とが接着される。小径部81Bと貫通孔82Bとには互いに係合する平面カット部85(図5、図6参照)があり、平面カット形状部85によってハブ部材81と円環部材82との間のトルク伝達が行われる。
切欠部82Cは、平面視でU形をしていて、円環部材82の中心を中心として放射状に形成されて円環部材82の外縁に開口している。切欠部82Cにはローラ支持アーム90が取り付けられている。ローラ支持アーム90は、アルミニウムや鉄等による鍛造品あるいは鋳造品であり、両側面より各々の取付位置において円環部材82の円周に対して接線をなす方向に突出したローラ支持軸部91(図5参照)を一体に有する。円環部材82およびローラ支持アーム90は所要の機械的強度を得るために金属製である。
ローラ支持軸部91にはフリーローラ92が回転可能に取り付けられている。各ローラ支持アーム90は、フリーローラ92をローラ支持軸部91によって2個ずつ、各フリーローラ92の自身の配置部における円環部材82の円周に対して接線をなす方向に延在する軸線周りに転動可能に片持ち支持する。
フリーローラ92は、金属製のボールベアリング93と、ボールベアリング93のアウタレースの外周部に接着されたウレタンゴム等による非導電性のゴム外周部94とを有し、ボールベアリング93のインナレースをローラ支持軸部91の外周に圧入等によって固定されている。フリーローラ92は、ゴム外周部94の外周面が路面に接触する。
図4に示されているように、円環部材82の後面には突出部82Dにおいて複数個のボルト96により保持金具95が取り付けられている。保持金具95は、円環板状のプレス成形品であり、各ローラ支持アーム90に対応する周方向位置に舌片状のばね片部97を有する。ばね片部97は、保持金具95の外縁部に折曲形成されていて、弾性変形状態でローラ支持アーム90の傾斜面90Bに当接し、ローラ支持アーム90を円環部材82の中心側に押さえている。これにより、ローラ支持アーム90は、差込み部90Aが切欠部82Cより円環部材82の径方向に離脱しないように、円環部材82に固定される。
これにより、ローラ支持アーム90は円環部材82に対する周方向位置と径方向位置と軸線方向位置のすべてを位置決めされて円環部材82に取り付けられる。
保持金具95には内縁部より径方向に突出した舌片状の抑え片部98が形成されている。抑え片部98は、ハブ部材81の後面に当接することにより、円環部材82の主面部82Aを大径部81Aと小径部81Bとの肩部81Cに押し付ける。これにより、ハブ部材81に対する円環部材82の軸線方向位置が決まる(図3参照)。
このようにして、円環部材82とローラ支持アーム90とフリーローラ92と保持金具95との組立体が副輪5の外輪部をなし、オムニホイール式の副輪5が構成される。
複数個のフリーローラ92は正面から見て円環状に配置されており、図3に示されているように、その内側に軸線方向で見て中間連結部材77の一部および減速装置78の略全体が配置されている。中間連結部材77および減速装置78のアウタケース79には、これらを被覆するABS樹脂等の電気絶縁材製の絶縁カバー99が取り付けられている。絶縁カバー99は中間連結部材77およびアウタケース79と副輪5の金属製部分とを電気的に遮断する電気絶縁体をなす。
絶縁カバー99の後端壁99Aには出力軸80とハブ部材81との連結部が通る開口99Bが形成されている。後端壁99Aには開口99Bより径方向外方において後端壁99Aより後方に突出した円環状のリブ99Cが形成されている。リブ99Cは、アウタケース79が絶縁カバー99によって被覆されていない露呈部分や出力軸80と副輪5の金属製部分との間の沿面距離を拡長する。また、ハブ部材81の前面には、リブ99Cとの干渉を避けると共に同様に沿面距離を拡長する円環状の凹溝81Eが形成されている。
モータ搭載部71の下底部にはABS樹脂等の電気絶縁材製の絶縁カバー100が取り付けられている。
電装ユニット8は、電装ケース44に収容されたPDU(不図示)と、電装ケース44の底面に取り付けられたジャイロセンサ45とを有している。PDUは駆動ユニット7および副輪ユニット6を制御するためのパワードライブユニットである。
つぎに、全方向移動型車両1の走行動作について説明する。PDUは、ジャイロセンサ45により計測される車体フレーム2の前後左右の傾斜角及び角速度の変化よりサドルユニット11に着座した乗員を含む全方向移動型車両1全体の重心位置を随時演算する。
PDUは、乗員を含む全方向移動型車両1全体の重心がニュートラル位置(例えば、ディスク支持軸25の上方)にある時には、倒立振子制御則に従った制御処理に基づいて駆動ユニット7の電動モータ61を駆動し、車体フレーム2を直立姿勢に維持する。
このとき、PDUは、旋回制御則に従った制御処理に基づいて副輪ユニット6の電動モータ75を停止状態に維持する。これにより、副輪5は回転しない。
乗員を含む全方向移動型車両1全体の重心がニュートラル位置より前側に移動すると、PDUが倒立振子制御則に従った制御処理のもとに、駆動ユニット7の電動モータ61をそれぞれ正転方向に同一速度で駆動する。電動モータ61の駆動によって、左右のドライブディスク50が同一速度で前転し、主輪3が自身の輪中心を回転軸として正転、つまり、前進方向に公転する。このとき、左右のドライブディスク50に回転速度差が生じないため、ドライブディスク50のドライブローラ58及び主輪3のフリーローラ54が自転せず、全方向移動型車両1は真っ直ぐに前進する。
乗員を含む全方向移動型車両1全体の重心がニュートラル位置より後側に移動すると、PDUが倒立振子制御則に従った制御処理のもとに、左右の駆動ユニット7の電動モータ61をそれぞれ逆転方向に同一速度で駆動する。電動モータ61の駆動によって、左右のドライブディスク50が同一速度で逆転し、主輪3が自身の輪中心を回転軸として逆転、つまり、後進方向に公転する。このとき、左右のドライブディスク50に回転速度差が生じないため、ドライブディスク50のドライブローラ58及び主輪3のフリーローラ54が自転せず、全方向移動型車両1は真っ直ぐに後進する。
前進時及び後進時には、PDUは、旋回制御則に従った制御処理のもとに、副輪ユニット6の電動モータ75の停止状態が維持され、副輪5は公転しない。このとき、全方向移動型車両1の前進に伴って後述する副輪5のフリーローラ92が自転する。
乗員を含む全方向移動型車両1全体の重心がニュートラル位置より左側あるいは右側に移動すると、PDUが、倒立振子制御則に従った制御処理のもとに、駆動ユニット7の電動モータ61を、互いに異なった回転方向及び又は回転速度に駆動する。電動モータ61の駆動によって、左右のドライブディスク50間に回転速度差が生じ、左右のドライブディスク50の回転力による円周(接線)方向の力に対し、この力に直交する向きの分力が左右のドライブローラ58と主輪3のフリーローラ54との接触面に作用する。この分力によってフリーローラ54が自身の中心軸線回りに回転(自転)することになる。
フリーローラ54の回転は、左右のドライブディスク50の回転速度差によって定まる。例えば、左右のドライブディスク50を互いに同一速度で逆向きに回転させると、主輪3は全く公転せず、フリーローラ54の自転だけが生じる。これにより、主輪3には左右方向の走行力が加わることになり、全方向移動型車両1は、左右方向に移動(真横移動)する。また、左右のドライブディスク50を同一方向に相違した速度で回転させると、主輪3の公転と共にフリーローラ54の自転が生じる。これにより、全方向移動型車両1は、斜め前方や斜め後方に移動する。
このとき、PDUは、旋回制御則に従った制御処理のもとに、副輪ユニット6の電動モータ75を駆動し、副輪5を回転(公転)させる。主輪3のフリーローラ54の回転による移動量と、副輪5の回転による移動量とに差が生じることによって全方向移動型車両1は旋回する。
上述したように、ハブ部材81が電気絶縁材によって構成されていることにより、フリーローラ92を取り付けられる円環部材82は出力軸80、ついては副輪支持アーム70に対して電気的に絶縁されるから、走行によって車体フレーム2が帯電し、副輪5が非導電性のゴム外周部94をもって路面に接触している状態で、全方向移動型車両1が金属面等の導電性が高い路面を走行しても、路面に近い所に位置する金属製のローラ支持アーム90やボールベアリング93と路面との間で気中放電(火花放電)が生じることがない。
本実施形態では、ボールベアリング93が最も路面に近い所にあるから、上述の電気的な絶縁がなされていないと、ボールベアリング93と路面との間で気中放電が生じるが、上述のように電気的な絶縁がなされていることにより、ボールベアリング93と路面との間で気中放電が生じることがない。
これにより、耳障りな放電音が生じることがなく、搭乗者や周囲の人に不快感を与えることがない。なお、主輪3のフリーローラ54は導電ゴム製であり、車体フレーム2と導電関係にあるから、主輪3において放電が生じることはなく、フリーローラ54と路面との摩擦で、車体フレーム2が帯電する。
ハブ部材81が電気絶縁材によって構成されていることにより、副輪支持アーム70に対する円環部材82の電気絶縁がハブ部材81自体によって行われ、当該電気絶縁部品点数を増加することなく行われる。
絶縁カバー99によって中間連結部材77および減速装置78のアウタケース79とローラ支持アーム90およびボールベアリング93との間の電気絶縁が行われているので、これらの間で気中放電が生じることがない。また、リブ99Cにより、アウタケース79が絶縁カバー99によって被覆されていない露呈部分や出力軸80と副輪5の金属製部分との間の沿面距離が拡長されているので、露呈部分や出力軸80とローラ支持アーム90やボールベアリング93との間で沿面放電を生じることもない。
また、絶縁カバー100が設けられていることにより、副輪支持アーム70と導電性を有する路面との間で気中放電を生じることもない。これらのことによっても、耳障りな放電音が生じることが回避され、搭乗者や周囲の人に不快感を与えることがない。
以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
たとえば、ハブ部材81と円環部材82との電気絶縁は、ハブ部材81と円環部材82とが電気絶縁材によって連結される構造によって行うこともできる。車体フレーム2は、金属以外に、炭素繊維強化プラスチックのような導電性を有する材料によって構成されていてもよい。
また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
1 全方向移動型車両
2 車体フレーム
3 主輪
4 主輪ユニット
5 副輪
6 副輪ユニット
7 駆動ユニット
8 電装ユニット
11 サドルユニット
25 ディスク支持軸
26 マウントプレート
28 フットステップ
30 サドル
50 ドライブディスク
54 フリーローラ
58 ドライブローラ
61 電動モータ
70 副輪支持アーム
72 副輪支持部材
73 支持軸
75 電動モータ
76 アウタケース
78 減速装置
79 アウタケース
80 出力軸
81 ハブ部材
82 円環部材
90 ローラ支持アーム
92 フリーローラ
93 ボールベアリング
94 ゴム外周部
95 保持金具
99 絶縁カバー
99C リブ
100 絶縁カバー

Claims (6)

  1. 主輪と、
    前記主輪に支持された車体フレームと、
    前記車体フレームに取り付けられた副輪支持アームと、
    前記副輪支持アームに取り付けられた副輪とを有する副輪付き車両であって、
    前記副輪は、前記副輪支持アームに接続されるハブ部と、前記ハブ部の外周にあって路面と接触する外輪部を有し、前記外輪部が前記副輪支持アームに対して電気的に絶縁されている副輪付き車両。
  2. 前記ハブ部が電気絶縁材によって構成されている請求項1に記載の副輪付き車両。
  3. 前記外輪部は、金属製の円環部材と、前記円環部材に周方向に間隔をおいて取り付けられ軸線方向に延出する複数の金属製のローラ支持アームと、前記ローラ支持アームの各々に取り付けられ、自身の配置部における前記円環部材と同心の円周に対して略接線をなす方向に延在する軸線周りに転動可能な非導電性のフリーローラとを含み、前記フリーローラが接地する請求項2に記載の副輪付き車両。
  4. 前記副輪支持アームに取り付けられて前記ハブ部に連結され、前記副輪を回転駆動する副輪駆動装置を有し、
    前記副輪駆動装置は前記副輪の内側に位置する部分を含む金属製のアウタケースを具備し、前記アウタケースの外側には当該アウタケースを被覆する電気絶縁材製のカバーが取り付けられている請求項1から3の何れか一項に記載の副輪付き車両。
  5. 前記アウタケースは前記カバーによって被覆されていない露呈部分を含み、前記カバーには前記露呈部分と前記副輪との間の沿面距離を拡長すべくリブが形成されている請求項4に記載の副輪付き車両。
  6. 前記主輪は、複数の回転自在なフリーローラを当該フリーローラの回転軸線が円環状をなすように組み合わされたオムニホイール式の車輪であり、前記フリーローラが接地し、
    更に、前記車体フレームに取り付けられ、前記主輪を支持すると共に前記主輪を円環中心周りに回転駆動及び/又は前記フリーローラを自身の回転軸線周りに回転駆動する主輪駆動装置と、
    前記主輪駆動装置による前記主輪の円環中心周りの回転駆動および前記フリーローラの回転軸線周りの回転駆動によって全方向に移動可能である請求項1から5の何れか一項に記載の副輪付き車両。
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