以下、本発明のロボットシステムおよびロボットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
《ロボットシステム》
<第1実施形態>
図1は、本発明のロボットシステムの第1実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示すロボットシステムの正面図である。図3は、図1に示すロボットシステムの背面図である。図4は、図1に示すロボットシステムの左側面図である。図5は、図1に示すロボットシステムの右側面図である。図6は、図1に示すロボットを示す図である。図7は、図6に示すロボットの概略図である。図8および図9は、それぞれ、図6に示すロボットの側面図である。図10は、図6に示すロボットの動作を説明するための図である。図11は、図6に示すロボットが有するロボットアームの先端部の移動経路を示す図である。図12は、図1に示す搬送ユニットの平面図である。図13は、図1に示す搬送ユニットの斜視図である。図14は、図13に示す位置決め部を示す図である。
なお、以下では、説明の都合上、図1〜図10、図14中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う(後述する図15、図16(a)、図17も同様)。また、図1〜図10中の基台側を「基端」または「上流」、その反対側(ハンド側)を「先端」または「下流」と言う(後述する図15、図17も同様)。また、図2〜図10中の上下方向を「鉛直方向」とし、左右方向を「水平方向」とする(後述する図15、図16(a)、図17も同様)。また、図1〜図5、図11〜図14では、説明の便宜上、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示している(後述する図15〜図20も同様)。また、以下では、X軸に平行な方向を「X軸方向」とも言い、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」とも言い、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」とも言う。また、以下では、図示された各矢印の先端側を「+(プラス)」、基端側を「−(マイナス)」という。
図1〜図5に示すロボットシステム100は、セル(第1セル)5およびロボット(第1ロボット)1とを有するロボットセル50と、搬送ユニット3と、位置決め部90と、撮像部36と、制御ユニット7と、表示操作部70と、気体供給部60とを有している。
このロボットシステム100は、例えば、腕時計のような精密機器等を製造する製造工程等で用いることができる。
以下、ロボットシステム100を構成する各部について順次説明する。
〈セル〉
図1〜図5に示すセル5は、ロボット1を囲む枠体であり、移設を容易に行えるようになっている。
セル5は、セル5全体を例えば地面(床)等の設置スペースに設置させる足部54と、足部54に支持された底部52と、底部52上に設けられた4つの支柱51と、4つの支柱51上に立設された天井部(取付部)53とを有している。また、セル5は、底部52と天井部53との間に設けられた4つの支柱51に取り付けられた作業部(第1部材)55を有している。
底部52は、平面視で(鉛直方向から見て)四角形の板状をなし、設置スペースに対向している。この底部52上には、制御ユニット7が設けられている。
足部54は、底部52の各角部に設けられた複数のキャスター541、アジャスター(足)542および固定具543を有している。セル5は、キャスター541によって移動可能になっている。また、セル5は、アジャスター542によって設置スペースにおける水平出しがなされる。また、セル5は、固定具543によって設置スペースに固定されている。
4つの支柱51は、それぞれ、その下端が底部52の角部に取り付けられている。また、4つの支柱51の長手方向での各中央部には、板状をなす作業部55が取り付けられている。
作業部55の上面は、天井部53に対向しており、ロボット1が部品の給材および除材等の作業を行うことができる作業面551となっている。また、作業部55上には、搬送ユニット3が設けられており、作業面551は、搬送ユニット3が載置される載置面としても機能している。
また、作業部55と各支柱51との間には、間隙56が設けられている。この間隙56には、図示はしないが、後述する制御ユニット7とロボット1とを繋ぐケーブル(配線)や配管等が挿通されている。また、支柱51には、支柱51の長手方向に沿って、ケーブルや配管等が挿通する配線ダクト59が取り付けられている。この配線ダクト59には、間隙56からのケーブルや配管等が挿通されている。このような間隙56や配線ダクト59が設けられていることにより、ケーブルや配管等が、搬送ユニット3およびロボット1の邪魔になるのを防止することができる。なお、間隙56および配線ダクト59の数や配置は、図示ものに限定されず、任意である。
天井部53は、平面視で四角形の枠状をなしており、その各角部に、支柱51に上端部が接続されている。この天井部53は、ロボット1を支持する部材であり、天井部53の上面が天井面(取付面)531となっている。この天井面531には、取付板57を介して後述するロボット1の基台11が支持されている。これにより、ロボット1は、吊り下げられるようにしてセル5に支持されている。
このようなセル5は、隣り合う2つの支柱51同士の間に設けられた4つの側面部を有している。なお、以下では、−X軸側の側面部を「第1側面部581」とし、−Y軸側の側面部を「第2側面部582」とし、+X軸側の側面部を「第3側面部583」とし、+Y軸側の側面部を「第4側面部584」とする。
また、セル5は、4つの側面部581、582、583、584、底部52および天井部53で囲まれた内部空間を有している。なお、以下では、内部空間の天井部53と作業部55との間の空間を「第1空間S1」とし、底部52と作業部55との間の空間を「第2空間S2」とする。
また、第1側面部581、第2側面部582、第3側面部583および第4側面部584のうち第1空間S1に臨む部分と、天井部53とには、図示はしないが、例えば作業者(人間)や粉じん等の異物が第1空間S1内に侵入しないようにするために安全板が設置されている。また、第1側面部581、第3側面部583および第4側面部584のうち第2空間S2に臨む部分には、図示はしないが、例えば制御ユニット7を保護するために安全板が設置されている。なお、上記安全板は、それぞれ必要に応じて省略してもよい。
また、セル5は、前述したように、キャスター541によって、移動可能になっているが、セル5は、例えば、フォークリフト(図示せず)等の搬送装置によって搬送することも可能である。また、セル5は、モーター等の駆動力によりセル5を移動させる移動機構(図示せず)や、移動機構の駆動を制御する移動制御部(図示せず)を有し、自走するよう構成されていてもよい。
また、前述の説明では、天井部53と取付板57とが別体で構成されているが、これら天井部53と取付板57とは一体であっても構わない。
〈ロボット〉
図1に示すロボット1は、精密機器やこれを構成する部品(対象物)の給材、除材、搬送および組立等の作業を行うことができる。
図6に示すように、ロボット1は、基台11と、ロボットアーム10とを有している。ロボットアーム10は、第1アーム(第nアーム)12、第2アーム(第(n+1)アーム)13、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17(6つのアーム)と、第1駆動源401、第2駆動源402、第3駆動源403、第4駆動源404、第5駆動源405および第6駆動源406(6つの駆動源)と、を備えている。なお、第6アーム17の先端には、例えば、精密機器、部品等を把持するハンド91等のエンドエフェクターを着脱可能に取り付けることができるようになっている。
このロボット1は、基台11と、第1アーム12と、第2アーム13と、第3アーム14と、第4アーム15と、第5アーム16と、第6アーム17とが基端側から先端側に向ってこの順に連結された垂直多関節(6軸)ロボットである。なお、以下では、第1アーム12、第2アーム13、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17をそれぞれ「アーム」とも言う。また、第1駆動源401、第2駆動源402、第3駆動源403、第4駆動源404、第5駆動源405および第6駆動源406をそれぞれ「駆動源(駆動部)」とも言う。
また、基台11は、取付板57に固定される部分(取り付けられる部材)である。なお、本実施形態では、基台11の下部に設けられた板状のフランジ111が取付板57の裏面(鉛直下方側の面)に固定されているが、取付板57に固定される部分は、これに限定されず、例えば、基台11の上面であってもよい。また、この固定方法としては、特に限定されず、例えば、複数本のボルトによる固定方法等を採用することができる。
ロボットアーム10は、基台11に対して回動可能に支持されており、アーム12〜17は、それぞれ、基台11に対し独立して変位可能に支持されている。
第1アーム12は、屈曲した形状をなしている。第1アーム12は、基台11に接続され、基台11から鉛直方向下方に延出した第1部分121と、第1部分121の下端から水平方向に延出した第2部分122と、第2部分122の第1部分121とは反対の端部に設けられ、鉛直方向に延出した第3部分123と、第3部分123の先端から水平方向に延出した第4部分124とを有している。なお、これら第1部分121、第2部分122、第3部分123および第4部分124は、一体で形成されている。また、第2部分122と第3部分123とは、図6の紙面手前から見て(後述する第1回動軸O1および第2回動軸O2の双方と直交する正面視で)、ほぼ直交(交差)している。
第2アーム13は、長手形状をなし、第1アーム12の先端部(第4部分124の第3部分123とは反対の端部)に接続されている。
第3アーム14は、長手形状をなし、第2アーム13の第1アーム12が接続されている端部とは反対の端部に接続されている。
第4アーム15は、第3アーム14の第2アーム13が接続されている端部とは反対の端部に接続されている。第4アーム15は、互いに対向する1対の支持部151、152を有している。支持部151、152は、第5アーム16との接続に用いられる。
第5アーム16は、支持部151、152の間に位置し、支持部151、152に接続されることで第4アーム15と連結している。なお、第4アーム15は、この構造に限らず、例えば、支持部が1つ(片持ち)であってもよい。
第6アーム17は、平板状をなし、第5アーム16の先端部に接続されている。また、第6アーム17の先端部(第5アーム16と反対側の端部)には、ハンド91が着脱可能に装着される。ハンド91としては、特に限定されず、例えば、複数本の指部(フィンガー)を有する構成のものが挙げられる。
なお、前述した各アーム12〜17の外装は、それぞれ、1つの部材で構成されていてもよいし、複数の部材で構成されていてもよい。
次に、図6および図7を参照しつつ、これらアーム12〜17の駆動とともに駆動源401〜406について説明する。なお、図7は、ロボット1の概略図を示しており、図6の右側から見た状態を示す。また、図7では、図6に示す状態からアーム13〜17を回動させた状態を示している。
図7に示すように、基台11と第1アーム12とは、関節(接続部分)171を介して連結されている。なお、関節171は、基台11に含まれていてもよく、また、含まれていなくてもよい。関節171は、基台11に連結された第1アーム12を基台11に対し回動可能に支持する機構を有している。これにより、第1アーム12は、基台11に対し、鉛直方向と平行な第1回動軸(第n回動軸)O1を中心に(第1回動軸O1周りに)回動可能となっている。また、第1回動軸O1は、ロボット1の最も上流側にある回動軸である。この第1回動軸O1周りの回動は、モーター401Mを有する第1駆動源401の駆動によりなされる。また、第1駆動源401はモーター401Mとケーブル(図示せず)によって駆動され、このモーター401Mは電気的に接続されたモータードライバー301を介して制御ユニット7(制御装置71)により制御される。なお、第1駆動源401はモーター401Mとともに設けた減速機(図示せず)によってモーター401Mからの駆動力を伝達するように構成してもよく、また、減速機が省略されていてもよい。
また、第1アーム12と第2アーム13とは、関節(接続部分)172を介して連結されている。関節172は、互いに連結された第1アーム12と第2アーム13のうちの一方を他方に対し回動可能に支持する機構を有している。これにより、第2アーム13は、第1アーム12に対し、水平方向と平行な第2回動軸(第(n+1)回動軸)O2を中心に(第2回動軸O2周りに)回動可能となっている。第2回動軸O2は、第1回動軸O1と直交している。この第2回動軸O2周りの回動は、モーター402Mを有する第2駆動源402の駆動によりなされる。また、第2駆動源402はモーター402Mとケーブル(図示せず)によって駆動され、このモーター402Mは電気的に接続されたモータードライバー302を介して制御ユニット7(制御装置71)により制御される。なお、第2駆動源402はモーター402Mとともに設けた減速機(図示せず)によってモーター402Mからの駆動力を伝達するように構成してもよく、また、減速機が省略されていてもよい。また、第2回動軸O2は、第1回動軸O1に直交する軸と平行であってもよく、また、第2回動軸O2は、第1回動軸O1と直交していなくても、軸方向が互いに異なっていればよい。
また、第2アーム13と第3アーム14とは、関節(接続部分)173を介して連結されている。関節173は、互いに連結された第2アーム13と第3アーム14のうちの一方を他方に対し回動可能に支持する機構を有している。これにより、第3アーム14は、第2アーム13に対して、水平方向と平行な第3回動軸O3を中心に(第3回動軸O3周りに)回動可能となっている。第3回動軸O3は、第2回動軸O2と平行である。この第3回動軸O3周りの回動は、第3駆動源403の駆動によりなされる。また、第3駆動源403は、モーター403Mとケーブル(図示せず)によって駆動され、このモーター403Mは電気的に接続されたモータードライバー303を介して制御ユニット7(制御装置71)により制御される。なお、第3駆動源403はモーター403Mとともに設けた減速機(図示せず)によってモーター403Mからの駆動力を伝達するように構成してもよく、また、減速機が省略されていてもよい。
また、第3アーム14と第4アーム15とは、関節(接続部分)174を介して連結されている。関節174は、互いに連結された第3アーム14と第4アーム15のうちの一方を他方に対し回動可能に支持する機構を有している。これにより、第4アーム15は、第3アーム14に対し、第3アーム14の中心軸方向と平行な第4回動軸O4を中心に(第4回動軸O4周りに)回動可能となっている。第4回動軸O4は、第3回動軸O3と直交している。この第4回動軸O4周りの回動は、第4駆動源404の駆動によりなされる。また、第4駆動源404は、モーター404Mとケーブル(図示せず)によって駆動され、このモーター404Mは電気的に接続されたモータードライバー304を介して制御ユニット7(制御装置71)により制御される。なお、第4駆動源404はモーター404Mとともに設けた減速機(図示せず)によってモーター404Mからの駆動力を伝達するように構成してもよく、また、減速機が省略されていてもよい。また、第4回動軸O4は、第3回動軸O3に直交する軸と平行であってもよく、また、第4回動軸O4は、第3回動軸O3と直交していなくても、軸方向が互いに異なっていればよい。
また、第4アーム15と第5アーム16とは、関節(接続部分)175を介して連結されている。関節175は、互いに連結された第4アーム15と第5アーム16の一方を他方に対し回動可能に支持する機構を有している。これにより、第5アーム16は、第4アーム15に対し、第4アーム15の中心軸方向と直交する第5回動軸O5を中心に(第5回動軸O5周りに)回動可能となっている。第5回動軸O5は、第4回動軸O4と直交している。この第5回動軸O5周りの回動は、第5駆動源405の駆動によりなされる。また、第5駆動源405は、モーター405Mとケーブル(図示せず)によって駆動され、このモーター405Mは電気的に接続されたモータードライバー305を介して制御ユニット7(制御装置71)により制御される。なお、第5駆動源405はモーター405Mとともに設けた減速機(図示せず)によってモーター405Mからの駆動力を伝達するように構成してもよく、また、減速機が省略されていてもよい。また、第5回動軸O5は、第4回動軸O4に直交する軸と平行であってもよく、また、第5回動軸O5は、第4回動軸O4と直交していなくても、軸方向が互いに異なっていればよい。
また、第5アーム16と第6アーム17とは、関節(接続部分)176を介して連結されている。関節176は、互いに連結された第5アーム16と第6アーム17の一方を他方に対し回動可能に支持する機構を有している。これにより、第6アーム17は、第5アーム16に対し、第6回動軸O6を中心に(第6回動軸O6周りに)回動可能となっている。第6回動軸O6は、第5回動軸O5と直交している。この第6回動軸O6周りの回動は、第6駆動源406の駆動によりなされる。また、第6駆動源406の駆動は、モーター406Mとケーブル(図示せず)によって駆動され、このモーター406Mは電気的に接続されたモータードライバー306を介して制御ユニット7(制御装置71)により制御される。なお、第6駆動源406はモーター406Mとともに設けた減速機(図示せず)によってモーター406Mからの駆動力を伝達するように構成してもよく、また、減速機が省略されていてもよい。また、第5回動軸O5は、第4回動軸O4に直交する軸と平行であってもよく、また、第6回動軸O6は、第5回動軸O5に直交する軸と平行であってもよく、また、第6回動軸O6は、第5回動軸O5と直交していなくても、軸方向が互いに異なっていればよい。
そして、このような駆動をするロボット1は、第6アーム17の先端部に接続されたハンド91で精密機器、部品等を把持したまま、アーム12〜17等の動作を制御することにより、当該精密機器、部品を搬送すること等の各作業を行うことができる。なお、ハンド91の駆動は、制御ユニット7(制御装置71)により制御される。
このようなロボット1は、6つのアームを有する垂直多関節(6軸)ロボットであるため、駆動範囲が広く、高い作業性を備える。
また、このロボット1は、前述したように、取付板57を介して天井部53に吊り下げられており、基台11と第1アーム12との接続部分である関節171が、第1アーム12と第2アーム13との接続部分である関節172より鉛直上方に位置している。このため、ロボット1よりも鉛直下方に位置する作業面551上におけるロボット1の作業範囲をより広くすることができる。それゆえ、例えば、作業面551にロボット1が取り付けられている場合に比べて、作業面551を有効に使用することができる。
また、モータードライバー301〜306は、図示の構成では、基台11に配置されているが、これに限らず、例えば、ロボット制御装置に配置されていてもよい。
以上、ロボット1の構成について簡単に説明した。
次に、図8、図9および図10を参照しつつ、アーム12〜17との関係について説明するが、表現等を変え、種々の視点から説明する。また、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17については、これらを真っ直ぐに伸ばした状態、換言すれば、図8および図9に示すように、第4回動軸O4と第6回動軸O6とが一致しているか、または平行である状態で考えることとする。
まず、図8に示すように、第1アーム12の長さL1は、第2アーム13の長さL2よりも長く設定されている。
ここで、第1アーム12の長さL1とは、第2回動軸O2の軸方向から見て、第2回動軸O2と、第1アーム12を回動可能に支持する軸受部61(関節171が有する部材)の図8中の左右方向に延びる中心線611との間の距離である。また、第2アーム13の長さL2とは、第2回動軸O2の軸方向から見て、第2回動軸O2と、第3回動軸O3との間の距離である。
また、図9に示すように、ロボット1は、第2回動軸O2の軸方向から見て、第1アーム12と第2アーム13とのなす角度θを0°にすることが可能なように構成されている。すなわち、ロボット1は、第2回動軸O2の軸方向から見て、第1アーム12と第2アーム13とが重なることが可能なように構成されている。そして、第2アーム13は、角度θが0°の場合、すなわち、第2回動軸O2の軸方向から見て、第1アーム12と第2アーム13とが重なった場合、第2アーム13が第1アーム12の第2部分122、天井部53に干渉しないように構成されている。
ここで、前記第1アーム12と第2アーム13とのなす角度θとは、第2回動軸O2の軸方向から見て、第2回動軸O2と第3回動軸O3とを通る直線(第2回動軸O2の軸方向から見た場合の第2アーム13の中心軸)621と、第1回動軸O1とのなす角度である(図8参照)。
また、図9に示すように、ロボット1は、第2回動軸O2の軸方向から見て、第2アーム13と、第3アーム14とが重なることが可能なように構成されている。すなわち、ロボット1は、第2回動軸O2の軸方向から見て、第1アーム12と、第2アーム13と、第3アーム14とが同時に重なることが可能なように構成されている。
また、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17の合計の長さL3は、第2アーム13の長さL2よりも長く設定されている。これにより、第2回動軸O2の軸方向から見て、第2アーム13と第3アーム14とを重ねたとき、第2アーム13からロボットアーム10の先端、すなわち、第6アーム17の先端を突出させることができる。これによって、ハンド91が、第1アーム12および第2アーム13と干渉することを防止することができる。
ここで、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17の合計の長さL3とは、第2回動軸O2の軸方向から見て、第3回動軸O3と、第6アーム17の先端との間の距離である(図9参照)。この場合、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17は、図9に示すような第4回動軸O4と第6回動軸O6とが一致しているか、または平行である状態である。
このようなロボット1は、図10(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示すように、第1アーム12を回動させず、第2アーム13を回動させることにより、第2回動軸O2の軸方向から見て角度θが0°となる状態を経て、第2アーム13の先端を第1回動軸O1周りに180°異なる位置に移動させることが可能である。このため、ロボットアーム10の先端(第6アーム17の先端)を図10(a)に示す位置(第1位置)から、図10(c)に示すように第1アーム12と第2アーム13とが重なった状態を経て、ロボットアーム10の先端を図10(a)に示す位置とは第1回動軸O1周りに180°異なる図10(e)に示す位置(第2位置)に移動させることができる。なお、この移動の際、第3アーム14、第4アーム15、第5アーム16および第6アーム17は、それぞれ、必要に応じて回動させる。
上記のようなロボットアーム10の駆動により、ロボット1は、図11に示すように、ハンド91を矢印67、68で示すように移動させる動作を行わずに、ハンド91を矢印66で示すように移動させる動作を行うことで、ハンド91を第1回動軸O1周りに180°異なる位置に移動させることができる。すなわち、ロボット1は、第1回動軸O1の軸方向から見て、ハンド91(ロボットアーム10の先端)を直線上に移動させる動作を行うことで、ハンド91を第1回動軸O1周りに180°異なる位置に移動させることができる。これにより、ロボット1が干渉しないようにするための空間を小さくすることができるため、セル5の小型化を図ることができる。このため、セル5を設置するための設置スペースの面積(設置面積)、すなわち、セル5の鉛直方向から見た平面視における面積Sを、従来よりも小さくすることができる。
具体的には、面積Sは、637,500mm2未満であるのが好ましく、500,000mm2以下であるのがより好ましく、400,000mm2以下であるのがさらに好ましく、360,000mm2以下であるのが特に好ましい。前述したようにロボット1が上記動作を行うことができるため、上記のような面積Sであっても、ロボットアーム10をセル5に干渉しないように駆動させることができる。
特に、400,000mm2以下の面積Sは、人間(作業者)が作業する作業領域の大きさとほぼ同等または同等以下である。このため、面積Sが上記上限値未満であると、例えば、人間とロボットセル50との交換を容易に行うことができる。なお、上記と逆の変更、すなわち、ロボットセル50を人間に変更することも簡単に行うことができる。そのため、例えば、人間とロボットセル50とを交換して、製造ラインを変更する場合に、その変更を容易に行うことができる。また、上記と逆の変更、すなわち、ロボットセル50を人間に変更することも簡単に行うことができる。また、面積Sは10,000mm2以上であるのが好ましい。これにより、ロボットセル50内部のメンテナンスを容易にすることができる。
また、面積Sを小さくすることができることで、図11に示すように、セル5のY軸方向における幅W1を従来の幅WXより小さく、具体的には、例えば、従来の幅WXの80%以下にすることができる。
具体的には、幅W1は、850mm未満であるのが好ましく、750mm未満であるのがより好ましく、650mm以下であるのがさらに好ましい(図11参照)。これにより、上述した効果と同様の効果を十分に発揮することができる。なお、幅W1は、セル5の平均幅である。なお、幅W1は100mm以上であるのが好ましい。これにより、ロボットセル50内部のメンテナンスを容易にすることができる。
なお、本実施形態では、平面視で、セル5が正方形をなしている。このため、本実施形態では、Y軸方向(図11中の上下方向)におけるセル5の幅(奥行き)W1と、X軸方向(図11中の左右方向)におけるセル5の幅(横幅)W2とが同じである。なお、これら幅W1および幅W2は異なっていてもよい。
また、図10に示すように、ロボット1は、第1アーム12を回動させずに第2アーム13の先端を第1回動軸O1周りに180°異なる位置に移動させる動作が可能であるため、ロボットアーム10の先端の高さ(鉛直方向の位置)をほぼ変化させずに(ほぼ一定のままで)ハンド91を移動させることができる。このため、セル5の高さ(鉛直方向の長さ)Lを、従来の高さより低くすることができる(図2参照)。具体的には、セル5の高さLを、例えば従来の高さの80%以下にすることができる。これにより、天井面531を低くすることができ、よって、ロボット1の重心の位置を低くすることができる。このため、ロボット1の動作により発生する振動を低減することができる。
具体的には、高さLは、1,700mm以下であるのが好ましく、1,000mm以上1,650mm以下であるのがより好ましい。前記上限値以下であると、セル5内でロボット1が動作した際の振動の影響をより一層抑制することができる。また、前記下限値以上であると、ロボット1が例えば作業面551に干渉するのを回避することができる。なお、上記の高さLとは、セル5(足部54を含む)の平均高さである。
また、上述したようなロボット1のハンド91(ロボットアーム10の先端)を第1回動軸O1周りに180°異なる位置に移動させる動作を、従来のロボットのように単純に第1アーム12を第1回動軸O1周りに回動させて実行しようとすると、ロボット1がセル5や周辺装置に干渉する虞があるので、その干渉を回避するための退避点をロボット1に教示する必要がある。例えば、第1アーム12のみを第1回動軸O1周りに90°回転させるとロボット1がセル5の支柱51等に干渉する場合は、他のアームも回動させることで、支柱51等に干渉しないように退避点を教示する必要がある。同様に、ロボット1が周辺装置にも干渉する場合は、周辺装置に干渉しないようにさらに退避点をロボット1に教示する必要がある。このように従来のロボットでは、多数の退避点を教示することが必要であり、特に、小型のセルの場合は、膨大な数の退避点が必要になり、教示に多くの手間および長い時間を要する。
これに対し、ロボット1では、ハンド91を第1回動軸O1周りに180°異なる位置に移動させる動作を実行する場合、干渉する虞がある領域や部分が非常に少なくなるため、教示する退避点の数を低減することができ、教示に要する手間および時間を低減することができる。すなわち、ロボット1では、教示する退避点の数は、例えば、従来のロボットの1/3程度になり、飛躍的に教示が容易になる。
また、上記のような構成のロボット1では、第3アーム14および第4アーム15の図6中の右側の二点鎖線で囲まれた領域(部分)105は、ロボット1がロボット1自身および他の部材と干渉しないか、または干渉し難い領域(部分)である。このため、前記領域105に、所定の部材を搭載した場合、その部材は、ロボット1および周辺装置等に干渉し難い。このため、ロボット1では、領域105に、所定の部材を搭載することが可能である。特に、領域105のうち、第3アーム14の図6中の右側の領域に前記所定の部材を搭載する場合は、その部材が作業部55上に配置された周辺装置(図示せず)と干渉する確率はさらに低くなるので、より効果的である。
前記領域105に搭載可能なものとしては、例えば、ハンド、ハンドアイカメラ等のセンサーの駆動を制御する制御装置、吸着機構の電磁弁等が挙げられる。
具体例としては、例えば、ハンドに吸着機構を設ける場合、領域105に電磁弁等を設置すると、ロボット1が駆動する際に前記電磁弁が邪魔にならない。このように、領域105は、利便性が高い。
〈搬送ユニット〉
図1〜図5、図12、図13および図14に示すように、搬送ユニット3は、X軸方向に延在している第1搬送部(搬送部)31と、第1搬送部31が延在している方向と直交する方向であるY軸方向に延出している第2搬送部(搬送部)32と、第2搬送部32の上方に設けられている第3搬送部(搬送部)33と、部品供給部34と、搬送部31、32、33を駆動させる駆動部35とを有している。なお、図1〜図5、図12、図13および図14では、搬送ユニット3が有する各部を概略的に図示しており、第1搬送部31、第2搬送部32および第3搬送部33を各々作業部55に対して支持する支持脚等の図示は省略している。なお、図12および図13では、駆動部35の図示は省略している。
図12に示すように、第1搬送部31は、平面視で、ロボット1の基台11よりも第4側面部584側に設けられている。また、第1搬送部31は、第1側面部581および第3側面部583を貫通するように設けられている。すなわち、第1搬送部31の一部は、セル5の内部(第1空間S1)に位置し、第1搬送部31の残部は、セル5の外部に位置している。
また、第1搬送部31は、ベルトコンベアー等の搬送装置で構成されており、平行な2本のベルト311および2つのローラー312、313を有している(図3、図12参照)。そして、図13に示すように、ベルト311上部には、部品41を載置する治具371を配置可能であり、ベルト311が駆動(走行)することにより、第1搬送部31は治具371を図13中の矢印A1で示す+X軸方向に搬送することができる。
また、第1搬送部31の第2搬送部32近傍には、治具371をX−Y平面において90°回転させる回転支持具315が設けられている。この回転支持具315は、第1搬送部31上の治具371を第2搬送部32へと搬送する際に用いられる。
図12に示すように、第2搬送部32は、平面視で、ロボット1の基台11よりも第3側面部583側に設けられている。また、第2搬送部32は、第2側面部582を貫通するように設けられている。すなわち、第2搬送部32の一端部は、セル5の内部(第1空間S1)に位置し、第2搬送部32の他端部は、セル5の外部に位置している。また、第2搬送部32は、そのセル5内に位置している一端部が第1搬送部31に接近して設けられている。
また、第2搬送部32は、ベルトコンベアー等の搬送装置で構成されており、平行な2本のベルト321および2つのローラー322、323を有している(図4、図5および図12参照)。そして、図13に示すように、ベルト321上部には、第1搬送部31からの治具371を配置可能であり、ベルト321が駆動(走行)することにより、治具371が図13中の矢印A2で示す−Y軸方向(セル5の内部からセル5の外部に向う方向)に搬送される。
また、図14(b)に示すように、第2搬送部32の作業面551に対する設置高さL32は、第1搬送部31の作業面551に対する設置高さL31よりも高くなっている。
また、図12および図13に示すように、第2搬送部32の第1搬送部31側の一端部には、X軸方向に延びている部分を有するバー325が設けられている。バー325のX軸方向に延びている部分は、Y軸方向に移動可能になっており、第1搬送部31上の部品41を第2搬送部32に引き込むために用いられる。
図12に示すように、第3搬送部33は、第2搬送部32が延在している方向と同方向であるY軸方向に延在している。この第3搬送部33の延在している方向の長さ(Y軸方向の長さ)は、第2搬送部32の延在している方向の長さよりも短くなっている。また、第2搬送部32は、セル5の内部(第1空間S1)に位置している。
また、第3搬送部33は、ベルトコンベアー等の搬送装置で構成されており、平行な2本のベルト331および2つのローラー332、333を有している(図4、図5および図12参照)。そして、ベルト331上部には治具371を配置可能であり、ベルト331が駆動(走行)することにより、治具371が図13中の矢印A3で示す+Y軸方向(セル5の外部からセル5の内部に向う方向)に搬送される。
また、図14(b)に示すように、第3搬送部33の作業面551に対する設置高さL33は、第2搬送部32の作業面551に対する設置高さL32よりも高くなっている。したがって、本実施形態では、第1搬送部31、第2搬送部32および第3搬送部33は、設置高さL31<設置高さL32<設置高さL33の関係を満足している。
図12に示すように、部品供給部34は、平面視で、ロボット1の基台11よりも第1側面部581側に設けられている。この部品供給部34は、例えば、部品41に組み込む部品42等を載置することができる。
図1に示すように、駆動部35は、セル5の第3側面部583側の外部に設けられている。駆動部35は、例えばモーター等の駆動源351と、駆動源351の動力を搬送部31、32、33に伝達する動力伝達機構352とを有している。なお、駆動部35は、制御ユニット7(制御装置71)によってその駆動が制御されている。
図1および図3に示すように、動力伝達機構352は、駆動源351により軸周り(Y軸回り)に回転するシャフト353と、シャフト353に接続された第1動力伝達部354および第2動力伝達部355とを有している。
図3に示す第1動力伝達部354は、シャフト353に伝達された動力を第1搬送部31に伝達し、第1搬送部31のベルト311をシャフト353の回転方向と同方向に駆動させる。また、図1に示す第2動力伝達部355は、シャフト353に伝達された動力を第2搬送部32および第3搬送部33に伝達する。この第2動力伝達部355は、シャフト353の軸に対して90°回転軸を変換し、第2搬送部32のベルト321および第3搬送部33のベルト331を駆動させる。
このような1つの駆動部35によって、3つの搬送部31、32、33を駆動することができる。そのため、搬送部31、32、33ごとに駆動部を設けた場合に比べ、駆動部の数を少なくすることができるため、ロボットシステム100を設置するスペースをより小さくすることができる。
また、上記のような搬送ユニット3では、前述したように、搬送部31、32、33が、それぞれ、セル5の内部に設置されている部分を有する。そのため、搬送部31、32、33がセル5の外部に設けられている場合に比べ、ロボットシステム100を設置するスペースをより小さくすることができる。
また、図12に示すように、第1搬送部31の延在方向に沿った中心線A31とロボット1の第1回動軸O1との平面視における離間距離D31と、セル5の幅W1とは、0.1≦D31/W1<0.5の関係を満足することが好ましく、0.15≦D31/W1≦0.4の関係を満足することがより好ましく、0.2≦D31/W1≦0.3の関係を満足することがさらに好ましい。これにより、第1搬送部31のほとんどの部分をセル5内に収めることができるとともに、セル5内に第1搬送部31以外の第2搬送部32および第3搬送部33を設置するスペースを十分に確保することができる。
具体的には、離間距離D31は、0mm以上300mm以下であるのが好ましく、100mm以上200mm以下であるがより好ましい。これにより、前述した効果を顕著に発揮することができる。
〈位置決め部〉
図12および図13に示すように、位置決め部90は、第1搬送部31のX軸方向の中央部に設けられている。この位置決め部90は、ロボット1に対する治具371(部品41)の位置を定めるために用いられる。
図14に示すように、位置決め部90は、作業面551に固定された台座901と、台座901上に設けられた平板状の支持部902と、支持部902に設けられた2つの位置決めピン903とを有している。
図14(a)に示すように、支持部902は、平面視で、第1搬送部31の2本のベルト311の間に位置するように設けられている。また、2つの位置決めピン903は、互いに離間して、X軸方向に並んで設けられている。この2つの位置決めピン903は、後述する制御ユニット7(制御装置71)によって、鉛直上方に突出したり、反対に、鉛直下方に退避(支持部902内に退避)したりするように構成されている。一方、治具371には、位置決めピン903に対応する鉛直方向に貫通した孔372が形成されている。そして、図14(b)に示すように、位置決め部90は、第1搬送部31によって治具371が位置決め部90上に搬送されると、制御ユニット7(制御装置71)の指令により、第1搬送部31の搬送が停止し、治具371が有する孔372に挿通するように位置決めピン903が突出する。これにより、治具371は位置決め部90上で止まり、ロボット1に対する位置決めがなされる。
なお、位置決めピン903とともに、支持部902が鉛直上方(+Z軸方向)に移動するよう構成されていてもよく、支持部902が鉛直上方に移動することにより、第1搬送部31の上方に治具371が持ち上がるように構成されていてもよい。
ここで、例えば、位置決め部90が、セル5の外部に設けられている場合、位置決め部90に対して適切な位置にロボット1が位置するようセル5を設置する作業を要する。これに対して、本実施形態では、位置決め部90が、セル5の内部に設けられていることで、位置決め部90とロボット1との相対的な位置が固定されているため、上記作業を省略することができる。このため、セル5の移設を容易に行うことができる。
また、位置決め部90がセル5の内部に設けられているため、位置決め部90がセル5の外部に設けられている場合に比べて、ロボットシステム100をより小さくすることができる。
〈撮像部〉
図13に示すように、2つの撮像部36は、作業面551上に設けられている。撮像部36は、平面視で、位置決め部90の+Y軸側と−Y軸側とに設けられている。また、2つの撮像部36は、第1搬送部31の搬送方向に対してずれて設けられている。
2つの撮像部36は、それぞれ、電子カメラ361と、プリズム362とを有している。電子カメラ361は、上方に向けて配置されている。この電子カメラ361の上方には、プリズム362が配置されている。また、プリズム362は、部品42からの反射光を屈折させ、反射光を電子カメラ361の方へ向ける。
ここで、被写体である部品41と撮像部36との間には、所定の長さの光路長を確保する必要があるが、上記のような構成の撮像部36であれば、Y軸方向における長さが小さい場合であっても、撮像部36を設置することができる。
このような撮像部36は、位置決め部90上に載置された治具371上の部品41に部品42が正確に組み込まれているか否かを確認(検査)するために用いる。また、撮像部36は、位置決め部90に対する治具371の位置を検出し、その検出結果に基づき、制御装置71によって位置決め部90の駆動を制御するためにも用いられる。また、位置決め部90に対するハンド91の位置を検出し、その検出結果に基づき、制御装置71によってハンド91の位置を制御するためにも用いられる。
また、2つの撮像部36を位置決め部90の近傍に設けているため、第1搬送部31によって部品41を搬送している間に、前記検査を行うことができる。このため、タクトタイムをより短くすることができる。
なお、本実施形態では、撮像部36の数は2つであるが、撮像部の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
〈制御ユニット〉
図2〜図5に示すように、制御ユニット7は、ロボットシステム100が有する各部を制御する制御装置71と、セル5内に設けられた照明(図示せず)に電源を供給する2つの照明用電源装置74と、前記照明を除くロボットシステム100の各部に電源を供給する電源装置72と、無停電電源装置(UPS)73と、制御装置71に指令を出すコンピューター75と、制御ユニット7の各装置に接続された配線ユニット(電装装置)76とを有している。
制御装置71は、底部52上に設けられており、第2空間S2の第1側面部581側に位置している。電源装置72は、底部52上に設けられており、第2空間S2のうちの第3側面部583側に位置している。無停電電源装置73は、底部52上に設けられており、制御装置71と電源装置72との間に設けられている。2つの照明用電源装置74は、無停電電源装置73上に設けられている。コンピューター75は、制御装置71および照明用電源装置74の上方に設けられている。また、コンピューター75は、作業部55の裏面から吊り下げられた箱状の支持部80内に収まるように設置されている。また、支持部80は、第2側面部582側が開放しており、この解放している第2側面部582側から、コンピューター75を出し入れすることができる。
また、配線ユニット76は、作業部55の裏面に取り付けられている。制御ユニット7の各装置は、この配線ユニット76に電気的に接続されており、配線ユニット76から、間隙56および配線ダクト59に挿通されているケーブル(配線)に接続されている。
このような制御ユニット7は、作業部55よりも鉛直下方である第2空間S2内に設けられている。このため、セル5の重心を低くすることができるため、セル5が倒れるおそれを低減することができる。これにより、セル5の姿勢を安定させることができるため、ロボット1の駆動を安定させることができる。なお、本実施形態では、制御ユニット7が有する各装置は、セル5の内部に収められているが、各装置の少なくとも一部がセル5の外部に設けられていてもよい。ただし、各装置は、セル5の内部に収められていることで、前述した効果をより顕著に発揮することができる。
この制御ユニット7に対し、ロボット1は、作業面551よりも鉛直上方である第1空間S1に設けられている。上記のように、制御ユニット7が作業部55よりも鉛直下方に設けられていることでセル5を低重心にすることができるため、作業部55よりも鉛直上方に設けられたロボット1をより安定して駆動させることができる。
上記のような制御ユニット7では、制御装置71にて、ロボット1の制御の他に、搬送部31、32、33、位置決め部90、駆動部35および2つの撮像部36の各駆動を制御している。このため、これら各部を制御する装置を個別に設ける場合に比べて、ロボットシステム100全体の小型化を図ることができる。
ここで、前述したように、第1側面部581、第3側面部583および第4側面部584のうち第2空間S2に臨む部分に、安全板が設置されているのに対し、第2側面部582のうち第2空間S2に臨む部分には、安全板が設けられていない。このため、制御装置71、電源装置72、無停電電源装置73および2つの照明用電源装置74は、それぞれ、セル5の第2側面部582側から出し入れすることができる。このように、第1搬送部31が貫通している第1側面部581および第3側面部583とは異なる第2側面部582から各装置の出し入れをすることができるため、例えば、各装置をメンテナンスする際、第1搬送部31が障害となることなく、各装置をより容易に出し入れすることができる。このため、より容易にかつより迅速にメンテナンスすることができる。
なお、制御ユニット7が備える各装置の数は、図示の数に限定されず、任意である。例えば、本実施形態では照明用電源装置74を2つ備えているが、照明用電源装置は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、各装置の配置も図示の配置に限定されない。また、各装置とロボット1とを接続する配線等の配置も上述した説明の構成には限定されず、任意である。
〈表示操作部〉
図1に示すように、セル5の第2側面部582の上部には、表示操作部70が設けられている。表示操作部70は、フレキシブルアーム702を介してセル5に取り付けられている。この表示操作部70は、モニター701を有しており、このモニター701にて、ロボットシステム100が有する各部の駆動状態等を確認することができる。また、モニター701は、タッチパネルになっており、作業者(人間)は表示操作部70を介して制御ユニット7に対して指示を行うことができる。
なお、表示操作部70は、図示以外の箇所に設けられていてもよい。また、本実施形態では、表示操作部70は1つであるが、表示操作部の数はこれに限定されず、複数であってもよい。また、表示操作部は、例えば、各部の駆動状態等を確認するモニター、および、モニターに表示された画面を操作するマウス等で構成されていてもよい。
〈気体供給部〉
図1に示すように、気体供給部60は、天井部53の上部に設けられている。また、ロボットシステム100は、ロボットセル50とは別に設けられた図示しない気体供給装置と、図3に示す空圧配管65と、気体供給装置と空圧配管65とを接続する配管(図示せず)と、空圧配管65から間隙56および配線ダクト59に挿通され、気体供給部60と接続している配管(図示せず)とを有している。
気体供給部60は、供給された気体中から粉じん等を取り除き、清浄度(クリーン度)の高い気体(清浄な気体)にするエアフィルター62と、エアフィルター62の上流に設けられたファン63とを有している。
この気体供給部60では、気体供給装置から空圧配管65を介して供給された気体がファン63により送風され、ファン63により送風された気体がエアフィルター62を通過することで、清浄度の高い気体となる。また、気体供給部60は、天井部53に設けられており、気体供給部60から清浄度の高い気体を鉛直下方に送風するように構成されている。そのため、第1空間S1内の空気中の埃等が排出部(図示せず)を通じて外部へと効率よく排出することができるので、第1空間S1内の清浄度をより高めることができる。
なお、第1空間S1内の清浄度として、特に限定されないが、米国連邦規格(FED−STD−209)で規定されたクラス10000よりも清浄度が高いことが好ましい。
なお、前述した説明では、気体供給部60は天井部53の上部に設けられているが、気体供給部の配置はこれに限定されず、例えば、第1空間S1内に設けられていてもよい。
以上、ロボットシステム100を構成する各部について説明した。
次に、図13を参照しつつ、ロボットシステム100における作業の一例について説明する。
ここでは、ロボット1によって部品41に部品42を組み込み、その組み込みが正確になされているか否かを確認(検査)した後、組み込まれていない場合に、再度、部品42の組み込みを行う作業について説明する。
まず、第1搬送部31は、治具371上に載置された部品41を図13中の矢印A1方向(+X軸方向)に搬送し、位置決め部90上に載置する。
次に、ロボット1は、ロボットアーム10を回動させて、ハンド91によって部品供給部34上に載置された部品42を把持し、その把持した部品42を部品41に搬送し、配置する。
次に、撮像部36によって、部品41に部品42が正確に組み込まれているか否かを検査する。次いで、正確に組み込まれていない(不良である)と判断した場合、第1搬送部31は、治具371を位置決め部90から回転支持具315に搬送する。その後、回転支持具315は治具371をX−Y平面内で90°回転する。次いで、バー325は、第1搬送部31から第2搬送部32へと治具371を引き込む。これにより、部品41が第2搬送部32に搬送される。なお、部品42が部品41に正確に組み込まれている(良品である)場合には、第1搬送部31は、部品41を図13中の矢印A1方向に搬送し、セル5の外部へと搬送する。
次に、第2搬送部32は、不良である部品41を図13中の矢印A2方向(−Y軸方向)に搬送し、セル5の外部へと排出する。このように、第2搬送部32は、不良な部品41を排出する搬送部として活用することができる。
次に、排出された部品41に対して、例えば作業者(人間)は、再度、部品42を組み込む。その後、作業者は、良品となった部品41を第3搬送部33に載置する。このように、第3搬送部は、良品となった部品41を搬送する搬送部として活用することができる。
次に、第3搬送部33は、部品41を図13中の矢印A3方向(+Y軸方向)に搬送し、第3搬送部33の第1搬送部31側に搬送する。次いで、ロボット1は、ロボットアーム10を回動させて、ハンド91によって第3搬送部33上に載置された部品41を把持し、その把持した部品41を第1搬送部31に搬送し、配置する。そして、第1搬送部31は、部品41を図13中の矢印A1方向に搬送し、セル5の外部へと搬送する。
以上、ロボットシステム100を用いた作業の一例について説明した。
ここで、前述したように、ロボットシステム100は、ロボット1に加え、搬送部31、32、33を有している。そのため、前記作業では、搬送部31、32、33にて部品を搬送している最中に、ロボット1は他の作業をすることができる。これにより、搬送部31、32、33を有していない場合に比べ、ロボットシステム100全体でのタクトタイムを短くすることができる。
また、第1搬送部31とは搬送方向が異なる第2搬送部32および第3搬送部33を有していることで、不良である部品41を、良品である部品41とは別の方向へ搬送することができる。このため、不良である部品41が生じた場合に、第1搬送部31の駆動を止めることなく、随時、次の部品41を搬送し続けることができる。そのため、ロボットシステム100全体でのタクトタイムをより短くすることができる。
また、前述したように、搬送部31、32、33は、設置高さL31<設置高さL32<設置高さL33の関係を満足している。このため、第1搬送部31から第2搬送部32へと部品41をより容易に搬送することができる。また、ロボット1により、第3搬送部33から第1搬送部31へと部品41をより容易に搬送することができる。このため、タクトタイムをより短くすることができる。
なお、前述したロボットシステム100の作業は、一例であり、ロボットシステム100は上述した作業以外の種々の作業を行うことができる。また、例えば、前述の説明では、排出された部品41に対して、作業者が、再度、部品42を組み込み、部品42が組み込まれた部品41を第3搬送部33に載置する作業をしたが、この作業は作業者を介さずにロボット1が行ってもよい。すなわち、例えばロボット1が第3搬送部33にて、不良である部品41に部品42を再度組み込み、良品となった部品41を第1搬送部31に搬送してもよい。また、その後、再び良品となった部品41の検査を位置決め部90にて行ってもよい。
<第2実施形態>
図15は、本発明のロボットシステムの第2実施形態を示す図である。なお、図15では、気体供給部および表示操作部の図示を省略している。
以下、この図を参照して第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態のロボットシステムでは、変更機構を有することが前述した第1実施形態と異なる。
図15に示すロボットシステム100は、セル5に対するロボット1の設置高さを変更する変更機構40を有している。変更機構40は、セル5の天井部53と取付板57との間に設けられた2つのスペーサー411を有している。このスペーサー411を取り付けることで、基台11とセル5との離間距離D40を変更することができる。これにより、例えば、各搬送部31、32、33の高さを変更したい場合には、その変更した高さに応じたスペーサー411を取り付けることで対応できる。そのため、セル5全体の構成を設計し直さなくてよい。
なお、スペーサー411の天井部53への取り付け方法は、特に限定されず、例えば、複数本のボルトによる取り付け方法等を採用することができる。また、スペーサー411の数、配置、形状は、図示のものに限定されない。例えば、スペーサー411の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、例えば、スペーサー411は、鉛直方向に沿って、複数積み重ねられていてもよい。また、スペーサー411は、例えば、平面視で四角形状をなす枠体であってもよい。また、例えば、変更機構40は、スペーサー411を有する構成に限定されず、例えば、取付板57を支持する支持具(図示せず)と、支持具を鉛直方向に移動させる移動機構(図示せず)とを備えた構成であってもよい。
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第3実施形態>
図16は、本発明のロボットシステムの第3実施形態を示す図である。なお、図16(a)は、正面図であり、図16(b)は、下面図である。
以下、この図を参照して第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態のロボットシステムでは、錘を備えることが可能なように構成されていることが、前述した第1実施形態と異なっている。
図16(a)に示すロボットシステム100では、セル5の底部52の下方に、底部52の裏面から吊り下げられた箱状の支持部22が取り付けられている。また、この支持部22は、第2側面部582側が開放している。そして、この支持部22の解放している第2側面部582側から、支持部22内に錘20を出し入れできるようになっている。
このように錘20を底部52の下方に設けることが可能であることで、錘20を設けた場合には、セル5の重心をさらに低くすることができる。このため、セル5が倒れるおそれをさらに低減することができる。特に、例えばロボット1が高速度で駆動する場合には、セル5の上部がより振動し易くなるため、錘20を設けることが好ましい。一方、例えばロボット1が低速度で駆動する場合には、支持部22内に錘20を設けない方が、セル5全体を軽くすることができるので、セル5を移動させ易くなる。
なお、錘20は、支持部22によって、底部52の下方に取り付けられていなくてもよく、例えば、底部52の裏面に直接取り付けられていてもよい。また、錘20を設ける領域は、図16(b)の二点鎖線で示す領域であればよい。
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第4実施形態>
図17は、本発明のロボットシステムの第4実施形態を示す図である。図18は、図17に示すロボットシステムが有する連結板(連結部)を示す図である。図19は、図17に示すロボットシステムが有する2つの第1搬送部の接続を説明するための図である。図20は、図19に示す2つの第1搬送部の接続の他の例を示す図である。なお、図18では、気体供給部の図示を省略している。
以下、これら図を参照して第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態のロボットシステムでは、主に、2つのロボットセルを有することが前述した第1実施形態と異なる。
図17に示すロボットシステム100は、ロボット(第1ロボット)1a、および、ロボット1aが設けられ、移動可能なセル(第1セル)5aを有するロボットセル50aと、ロボット(第2ロボット)1b、および、ロボット1bが設けられ、移動可能なセル(第2セル)5bを有するロボットセル50bとを有している。なお、ロボットセル50aは、第1実施形態におけるロボットセル50と同様の構成である。また、ロボットセル50bは、駆動源を有していないこと以外は、第1実施形態におけるロボットセル50と同様の構成である。また、ロボットセル50a、50bには、それぞれ、第1実施形態におけるロボットセル50と同様に、搬送ユニット3と、位置決め部90と、撮像部36と、制御ユニット7と、表示操作部70と、気体供給部60とが設けられている。
また、図18に示すように、セル5aとセル5bとは、連結板(連結部)83によって連結されている。連結板83は、セル5aの天井部53の上面と、セル5bの天井部53の上面とを連結している。なお、セル5a、5bに対する連結板83の取り付け方法としては、特に限定されず、例えば、複数本のボルトによる取り付け方法等を採用することができる。
ここで、ロボットセル50a、50bをそれぞれ単独に設置すると、セル5aの上部およびセル5aの上部が振動し易い。そこで、前述したように、セル5aおよびセル5bを連結板83によって連結することで、セル5aおよびセル5bを一体化する。これにより、セル5aおよびセル5bの総設置面積、すなわち、セル5aおよびセル5bの平面視での面積が大きくなる。このため、セル5aおよびセル5bの各高さ(Z軸方向の長さ)に対する総設置面積(アスペクト比)を小さくすることができる。そのため、セル5aおよびセル5bをより安定して設置することができるので、ロボット1aおよびロボット1bの各々をより安定して駆動させることができる。
また、図19(a)および図19(b)に示すように、セル5aの第1搬送部31が有するローラー313と、セル5bの第1搬送部31が有するローラー312とは、連結ベルト(連結機構)85を介して接続されている。これにより、2つの第1搬送部31が連結されている。また、連結ベルト85には、テンションプーリー86が圧接している。
また、セル5bには駆動源が設けられておらず、セル5bの第1搬送部31は、連結ベルト85を介して、セル5aに設けられた駆動源351によって駆動されている。また、セル5bには、第1実施形態と同様に動力伝達機構352(図1参照)が設けられており、第1搬送部31に伝達された動力が、動力伝達機構352によって、第2搬送部32および第3搬送部33に伝達される。したがって、セル5aに設けられた駆動源351によって、セル5bに設けられた第2搬送部32および第3搬送部33も駆動されている。
このように、連結ベルト85は、セル5aに設けられた駆動源351の動力をセル5bの搬送部31、32、33に伝達する動力伝達部として機能する。このため、セル5bが駆動源を有していなくても、セル5bに設けられた搬送部31、32、33を駆動させることができるため、ロボットシステム100全体での駆動源の数を減らすことができる。そのため、ロボットシステム100全体をより小型にすることができる。
なお、本実施形態では、図19に示すように、各第1搬送部31が連結ベルト85を介して接続されているが、例えば、図20(a)および図20(b)に示す連結機構87により2つの第1搬送部31が連結されていてもよい。図20に示すように、連結機構87は、セル5aの第1搬送部31が有するローラー313に取り付けられた歯車871と、セル5bの第1搬送部31が有するローラー312に取り付けられた歯車872と、2つの歯車871、872に噛合する歯車873とを有している。この連結機構87によって、2つの第1搬送部31は連結されている。また、この連結機構87は、前述したようなセル5aに設けられた駆動源351の動力をセル5bの搬送部31、32、33に伝達する動力伝達部としても機能する。
また、2つの第1搬送部31が連結されていることで、例えば、セル5aからセル5bに部品を搬送することができる。また、逆に、セル5bからセル5aに部品を搬送することもできる。このように、各第1搬送部31によって部品を搬送することができるため、その搬送最中において、ロボット1aおよびロボット1bはそれぞれ他の作業を行うことができる。そのため、タクトタイムを短くすることができる。
また、ロボット1aは、セル5a内で動作し、かつ、ロボット1bは、セル5b内で動作する。ここで、例えば、ロボット1aがセル5b内に移動可能であると、セル5b内で不具合が生じてメンテナンスする際にロボット1aおよびロボット1bを停止する必要がある。これに対し、ロボット1aは、セル5a内で動作し、かつ、ロボット1bは、セル5b内で動作することが可能であることで、ロボット1aの駆動を停止させずに、セル5b内のメンテナンスをすることができる。このため、ロボットシステム100全体の生産能力の低下を低減することができる。
なお、本実施形態では、前述したように、ロボット1aは、セル5a内で動作するが、ロボットアーム10の先端をセル5aの外部へと移動させるようにしてもよい。これにより、例えば、ロボット1aは、ロボットアーム10の先端をセル5b内へと移動させることで、ハンド91によって部品をセル5b内へと搬送することができる。このように、ロボット1aが有するロボットアーム10の先端をセル5aの外部へと移動させることができるため、ロボット1aの作業範囲が広くなり、ロボット1aにてより多くの作業をすることができる。なお、ロボット1bも、同様に、ロボットアーム10の先端をセル5bの外部へと移動させ、ハンド91によって部品をセル5a内へと搬送するようにしてもよい。
また、図示はしないが、セル5aに隣接するように作業台を設けることで、ロボット1aは、作業台上の部品を把持してセル5a内へと搬送することもできる。なお、ロボット1bについても同様である。このように、ロボット1a、1bの各作業範囲を拡げたい場合には、セル5a、5bに隣接するように作業台等を設ければよい。
また、本実施形態では、セル5aとセル5bとは、互いに当接しているが、これらは、当接せずに離間した状態で連結されていてもよい。その場合に、例えば、セル5aとセル5bとの間に作業台(図示せず)を設けてもよい。
また、本実施形態では、ロボットセル50bは、駆動源を有していないが、ロボットセル50bは駆動源を有していてもよい。この場合であっても、2つの第1搬送部31を連結し、セル5aに設けられた駆動源351によって、セル5a、5b内の各搬送部31、32、33を駆動させてもよい。このように、ロボットセル50bが駆動源を有していても、2つの第1搬送部31を連結することにより、連結による制振効果を高めることができる。
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明のロボットシステムおよびロボットを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記実施形態では、ロボットが有するロボットアームの回動軸の数は、6つであるが、本発明では、これに限定されず、ロボットアームの回動軸の数は、例えば、2つ、3つ、4つ、5つまたは7つ以上でもよい。また、前記実施形態では、ロボットが有するアームの数は、6つであるが、本発明では、これに限定されず、ロボットが有するアームの数は、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または、7つ以上でもよい。
また、前記実施形態では、ロボットが有するロボットアームの数は、1つであるが、本発明では、これに限定されず、ロボットが有するロボットアームの数は、例えば、2つ以上でもよい。すなわち、ロボットは、例えば、双腕ロボット等の複数腕ロボットであってもよい。
また、前記実施形態では、1つのセル内に1つのロボットを有する形態について説明したが、1つのセル内に配置するロボットの数は、これに限定されず、2つ以上であってもよい。
また、前記実施形態では、ロボットの基台を固定する箇所である取付面として、上枠の上面である天井面を挙げたが、取付面は、これに限定されない。取付面は、例えば、上枠の下面、枠体、柱部、作業面等であってもよい。
また、前記実施形態では、セルは、足を有していたが、足を有していなくてもよい。その場合には、作業台の下端に位置する底板が、直接、設置スペースに設置されていてもよい。
また、前記実施形態では、第1搬送部によって部品(対象物)を位置決め部に搬送したが、例えば、ロボットが位置決め部に部品(対象物)を搬送してもよい。
また、前記実施形態では、第n回動軸、第nアーム、第(n+1)回動軸、第(n+1)アームの条件(関係)について、nが1の場合、すなわち、第1回動軸、第1アーム、第2回動軸、第2アームにおいて、その条件を満たす場合について説明したが、本発明では、これに限らず、nは、1以上の整数であり、nが1以上の任意の整数において、前記nが1の場合と同様の条件を満たしていればよい。したがって、例えば、nが2の場合、すなわち、第2回動軸、第2アーム、第3回動軸、第3アームにおいて、前記nが1の場合と同様の条件を満たしていてもよく、また、nが3の場合、すなわち、第3回動軸、第3アーム、第4回動軸、第4アームにおいて前記nが1の場合と同様の条件を満たしていてもよく、また、nが4の場合、すなわち、第4回動軸、第4アーム、第5回動軸、第5アームにおいて前記nが1の場合と同様の条件を満たしていてもよく、また、nが5の場合、すなわち、第5回動軸、第5アーム、第6回動軸、第6アームにおいて前記nが1の場合と同様の条件を満たしていてもよい。
また、前記実施形態では、垂直多関節ロボットを例に説明したが、本発明のロボットシステムが有するロボットは、これに限定されず、例えば、水平多関節ロボット等いかなる構成のロボット(第1ロボット)であってもよい。水平多関節ロボットとしては、例えば、基台と、基台に接続され、水平方向に延びている第1アーム(第nアーム)と、第1アームに接続され、水平方向に延びる部分を有する第2アーム(第(n+1)アーム)とを有する構成が挙げられる。このような水平多関節ロボットは、小型であるため、ロボットを配置する領域をより小さくすることができるため好ましい。
また、前記実施形態では、第1搬送部(搬送部)と、第2搬送部(搬送部)と、第3搬送部(搬送部)33とが、それぞれ、2つのローラーと2つのベルトとを有するベルトコンベアーで構成されていたが、各搬送部の構成はこれに限定されない。例えば、ベルトの数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、例えば、単軸モジュールであってもよい。
また、前記実施形態では、位置決め部の一例として、ピンを備える構成を挙げたが、位置決め部の構成はこれに限定されない。例えば、位置決め部は、チャック機構を備え、チャック機構で治具や部品等を両側から把持する構成等であってもよい。