JP2016202467A - 袋状容器、医療用複室容器、金型および曲線帯状弱シール部の形成方法 - Google Patents

袋状容器、医療用複室容器、金型および曲線帯状弱シール部の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保護部材を用いずとも、落下などの衝撃により意図しない剥離が起こらず、かつ必要時には容易に開通させることのできる曲線帯状弱シール部を備える。
【解決手段】医療用複室容器1は、重なり合うフィルム11、11の周縁同士をシールすることにより形成され、複数の薬剤室12A、12Bと、複数の薬剤室12A、12Bを連通可能に区画する区画用弱シール部13と、薬剤室12A、12Bの1つに設けられた薬剤排出用のポート14と、区画用弱シール部13側に向かって突出してポート14を取り囲むように形成され、薬剤室12A、12Bに収容された薬剤のポート14への流入を一時的に阻止する流入阻止用弱シール部15と、を有し、流入阻止用弱シール部15の少なくとも一方の表面に、流入阻止用弱シール部15が連続する方向に沿って延びる溝が形成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、袋状容器、医療用複室容器、金型および曲線帯状弱シール部の形成方法に関する。
医療用複室容器等の複室の袋状容器においては、粉体と液体、または異なる複数種の液体をそれぞれ収容し、使用時に、粉体と液体、または複数種の液体を混合できるようにしたものがある。
例えば、医療分野で点滴治療用の薬剤を収容する医療用複室容器として、可撓性フィルムからなり、容器内に設けられた隔壁で区画された複数の薬剤室のそれぞれに、異なる種類の薬剤を収容したものが用いられている。複数の薬剤の組合せとしては、例えば、アミノ酸とブドウ糖輸液、抗生物質とその溶解液など、混合して保管すると時間経過とともに変質を生じるおそれのあるものがある。医療用複室容器の各薬剤室は、2枚の可撓性フィルムを各薬剤室の外周形状に沿って溶着等によってシールすることで形成されている。互いに隣接する薬剤室間に設けられる隔壁は、各薬剤室の外周形状に沿ったシール部に比較すると、シール強度が低い弱シール部とされている。これにより、隔壁の部分においては、医療用複室容器を形成する2枚の可撓性フィルム同士が剥離可能な状態でシールされている。
医療用複室容器を使用した点滴治療を行う際には、使用前に液体の薬剤が収容された一つの室を外部から押圧して薬剤に内圧を加える。すると、弱シール部において2枚の可撓性フィルム同士が剥離して隔壁を破壊し、隔壁を挟んで互いに隣接する薬剤室同士が連通する。これにより、それぞれの薬剤室に収容されていた複数の薬剤が医療用複室容器内で無菌的に混合される。混合された薬剤は、容器の排出ポートから点滴セットの針およびチューブを経由して排出され、患者に投与される。
このように複数の薬剤を混合して使用する医療用複室容器を用いた点滴治療の際に、医療用複室容器の隔壁を破壊することなく、混合されていない薬剤を誤って点滴してしまうおそれが指摘されている。
そこで、混合前の薬剤が投与されてしまうことを防止し、使用上の安全性を向上させるために、薬剤室と排出ポートとの連通を阻害する流入阻止用弱シール部を備えた医療用複室容器が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の医療用複室容器には、2つの弱シール部が設けられている。第1の弱シール部は、第1および第2の薬剤室を区画する隔壁として、区画用弱シール部が、容器本体を横切るように一定の幅で直線帯状に設けられている。第2の弱シール部は、混合される前の第1の薬剤室の薬液のみが排出ポートから流出することを防止する隔壁として、流入阻止用弱シール部が、排出ポートを取り囲むように一定の幅で直線及び曲線を組み合わせて帯状に設けられている。区画用弱シール部は、第1の薬剤室側に設けられた排出ポートと、第1の薬剤室との連通を阻害する流入阻止用弱シール部に相対している。この医療用複室容器を使用する際には、流入阻止用弱シール部が存在しない第2の薬剤室を外部から押圧して、第2の薬剤室内の液圧を高める。すると、区画用弱シール部が剥離し、第1の薬剤室と第2の薬剤室とが連通し、液圧が高められた第2の薬剤室内の薬剤が、区画用弱シール部において剥離した部分を通して第1の薬剤室に流入する。これにより、第1の薬剤室内の液圧も高まり、その液圧が、流入阻止用弱シール部に作用し、流入阻止用弱シール部が剥離する。これにより2つの薬剤が混合した薬剤が排出ポートから点滴投与できるようになる。
このように、第1の薬剤室と第2の薬剤室との連通操作と、流入阻止用弱シール部の剥離操作とを、一方の薬剤室を押圧するという単一の作業により行うことができる。
ところで、上記したような複室容器は、例えば運搬時等に誤って落下させると、落下時の衝撃等によって第1の薬剤室や第2の薬剤室に収容された薬剤の圧力が高まり、区画用弱シール部において剥離が生じ、第1の薬剤室と第2の薬剤室とが連通してしまうことがある。
そこで、特許文献2に記載されているように、複室容器は、複数の室同士を区画する第1の弱シール部である区画用弱シール部で折り畳んだ状態で、梱包箱に収納されて梱包される。複室容器を区画用弱シール部で折り畳むことで、梱包箱の落下の衝撃等によって、区画用弱シール部で剥離が生じ、意図しない開通が発生してしまうことを防止する。
しかし、特許文献2に開示された構成のように、複室容器を折り畳む方法では、部分的に曲線帯状の形状となっている第2の弱シール部である流入阻止用弱シール部を保護することができず、落下等の衝撃により、第2の薬剤室における薬剤の圧力が高まり、流入阻止用弱シール部において剥離が生じる可能性を排除できない。
そこで、特許文献3には、流入阻止用弱シール部における意図しない開通を防ぐため、流入阻止用弱シール部を保護する保護部材を、梱包箱内に備える構成が開示されている。
特開2006−43061号公報 特開2004−149124号公報 実用新案登録第3160045号公報
しかしながら、特許文献3に開示されたような構成にあっては、保護部材を使用することによって、梱包資材のコスト上昇を招くうえに、廃棄物も多くなってしまう。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みたものであって、保護部材を用いずとも、落下などの衝撃により意図しない剥離が起こらず、かつ必要時には容易に開通させることのできる曲線帯状弱シール部を備えた袋状容器、曲線帯状の流入阻止用弱シール部を備えた医療用複室容器、金型および曲線帯状弱シール部の形成方法を提供する。
上記の課題を解決するため、本発明の袋状容器は、重なり合うフィルムの周縁同士をシールすることにより形成され、物質を収容する室と、前記室を区画するように設けられた曲線帯状弱シール部と、を有し、前記曲線帯状弱シール部の少なくとも一方の表面に、前記曲線帯状弱シール部が連続する方向に沿って延びる線状シール部が形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、袋状容器に外部から力が加わって、室に収容された物品の圧力が高まると、その圧力は、曲線帯状弱シール部に対し、曲線帯状弱シール部が連続する方向に対して交差する方向に作用する。曲線帯状弱シール部には、曲線帯状弱シール部が連続する方向に沿って延びる線状シール部が形成されているので、作用した圧力が集中するのを防ぎ、曲線帯状弱シール部が不用意に剥離するのを抑えることができる。
また、前記室を複数有し、前記複数の室を連通可能に区画する区画用弱シール部と、前記室の1つに設けられたポートと、を有し、前記曲線帯状弱シール部は、前記区画用弱シール部側に向かって突出して前記ポートを取り囲むように形成され、前記室に収容された物質の前記ポートへの流入を一時的に阻止する流入阻止用弱シール部であってもよい。
本発明によれば、袋状容器に外部から力が加わって、室に収容された物品の圧力が高まると、その圧力は、流入阻止用弱シール部に対し、流入阻止用弱シール部が連続する方向に対して交差する方向に作用する。流入阻止用弱シール部には、流入阻止用弱シール部が連続する方向に沿って延びる線状シール部が形成されているので、作用した圧力が集中するのを防ぎ、流入阻止用弱シール部が不用意に剥離するのを抑えることができる。
また、本発明の医療用複室容器は、重なり合うフィルムの周縁同士をシールすることにより形成され、複数の薬剤室と、前記複数の薬剤室を連通可能に区画する区画用弱シール部と、前記薬剤室の1つに設けられた薬剤排出用のポートと、前記区画用弱シール部側に向かって突出して前記ポートを取り囲むように形成された曲線帯状弱シール部と、を有する医療用複室容器であって、前記曲線帯状弱シール部は、前記薬剤室に収容された薬剤の前記ポートへの流入を一時的に阻止する流入阻止用弱シール部であり、前記流入阻止用弱シール部の少なくとも一方の表面に、前記流入阻止用弱シール部が連続する方向に沿って延びる線状シール部が形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、医療用複室容器に外部から力が加わって、薬剤室に収容された薬剤の圧力が高まると、その圧力は、流入阻止用弱シール部に対し、流入阻止用弱シール部が連続する方向に対して交差する方向に作用する。これに対し、流入阻止用弱シール部には、流入阻止用弱シール部が連続する方向に沿って延びる線状シール部が形成されているので、作用した圧力が集中するのを防ぎ、流入阻止用弱シール部が不用意に剥離するのを抑えることができる。
また、前記流入阻止用弱シール部の他方の表面に、前記流入阻止用弱シール部が連続する方向に沿って間隔を空けた複数の点状シール部が、前記線状シール部に対向するように形成されているようにしてもよい。
このようにして、線状シール部に対向して点状シール部を設けることで、落下などの衝撃により意図しない剥離が起こらず、かつ必要時には容易に開通させることのできる剥離強度のばらつきが少ない、安定した剥離強度を有する弱シール部とすることができる。
また、前記線状シール部は、前記流入阻止用弱シール部において、少なくとも前記区画用弱シール部側に突出した先端部に形成されているようにしてもよい。
薬剤室に収容された薬剤の圧力は、特に、流入阻止用弱シール部において区画用弱シール部側に突出した先端部に集中して作用する。したがって、この先端部に線状シール部を設けることで、流入阻止用弱シール部が不用意に剥離するのを、効果的に抑えることができる。
また、本発明の金型は、上記したような前記曲線帯状弱シール部を形成する金型であって、押圧面に、前記曲線帯状弱シール部が連続する方向に沿って延びる突条が形成されていることを特徴としている。
また、本発明の曲線帯状弱シール部の形成方法は、上記したような前記曲線帯状弱シール部の形成方法であって、押圧面に、前記曲線帯状弱シール部が連続する方向に沿って延びる突条が形成されている金型を加熱しつつ前記フィルムの表面に押圧し、前記突条により、前記曲線帯状弱シール部の表面に前記線状シール部を形成することを特徴としている。
このような金型を加熱しつつフィルムの表面に押圧することで、突条により、曲線帯状弱シール部の表面に線状シール部を形成することができる。
本発明によれば、曲線帯状弱シール部が不用意に剥離するのを抑えることができる。これにより、従来技術のように保護部材を用いずとも、落下などの衝撃により意図しない曲線帯状弱シール部の剥離が起こらず、かつ必要時には曲線帯状弱シール部を容易に開通させることができる。
本発明の一実施形態における医療用複室容器の構成を示す平面図である。 流入阻止用弱シール部の一部領域の拡大平面図である。 図2のA−A線に沿う斜視断面図である。 図2のB−B線に沿う斜視断面図である。 図2のC−C線に沿う断面図である。 溝を形成するための金型の押圧面を示す平面図である。 図6のD−D線に沿う断面図である。 凹部を形成するための金型の金型面を示す平面図である。 他の実施形態に係る医療用複室容器の構成を示す平面図である。 比較例のシールに用いる一方の金型の金型面を示す平面図である。 比較例のシールに用いる他方の金型の金型面を示す平面図である。 落下試験を行う際の医療用複室容器の収容状態を示す模式図である。
次に、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態における医療用複室容器の構成を示す平面図である。
図1に示すように、袋状容器の一種である医療用複室容器1は、複数(本実施形態では2つ)並んで設けられた薬剤室(請求項の「室」に相当。)12(12A、12B)と、ポート14と、を備えている。
ここで、以下の説明では、医療用複室容器1において、2つの薬剤室12A、12Bが並ぶ方向を上下方向Yとし、フィルム11の表面において上下方向Yに直交する方向を幅方向Xとする。
医療用複室容器1は、平面視で略矩形状に形成されており、2枚のフィルム11同士を重ね合わせ、周縁シール部17と、凹状シール部16と、区画用弱シール部13と、曲線帯状弱シール部である流入阻止用弱シール部15と、でシールすることにより形成されている。
薬剤室12A、12Bは、2枚のフィルム11の周縁に沿ってシールした周縁シール部17によって取り囲まれた空間を、区画用弱シール部13によって上下方向Yに2つに区画することによって形成されている。
周縁シール部17は、医療用複室容器1の幅方向Xの両端に形成され、上下方向Yに伸びる側方シール部17A、17Aと、医療用複室容器1の上下方向Yの両端に形成され、幅方向Xに伸びる上側シール部17B、下側シール部17Cと、を備えている。上側シール部17B、下側シール部17Cは、それぞれ、側方シール部17Aよりもシール幅が広く形成されている。
側方シール部17A、17Aの上下方向Yの中間部には、それぞれ、幅方向Xの中央部すなわち医療用複室容器1の内方に向かって略U字状に凹んだ凹状シール部16が形成されている。各凹状シール部16において、幅方向Xの最も中央部に向かって突出した先端部16aは、区画用弱シール部13の幅方向Xの端部に重なるように形成されている。
凹状シール部16において、幅方向Xで医療用複室容器1の内側へ向かって凹む程度を表す凹み高さHは、一対の凹状シール部16、16の凹み高さの合計2Hが、医療用複室容器1の全幅W(幅方向Xの長さ寸法)の10〜50%、好ましくは15〜45%とすることが好ましい。この凹み高さの合計2Hが10%以上であれば、区画用弱シール部13の長手方向端部に未開通部が残りにくく、医療用複室容器1が落下した場合にも未開通部の端付近からの破袋が生じにくくなる。また、この凹み高さの合計2Hが50%以下であれば、薬剤室12の内容物の収容量は充分に保つことができる。
凹状シール部16は、幅方向Xの内方に向かって突出した先端部16aの曲率半径を15mm〜30mmとすることが好ましい。この曲率半径が15mm以上であれば、落下した場合にも破袋が生じにくくなる。また、この曲率半径が30mm以下であれば薬剤室12の内容物の収容量は充分に保つことができる。
また、図1に示す凹状シール部16、16は、本実施の形態では幅方向Xにおいて左右対称としているが、これに限定されず非対称であってもよい。
上側シール部17Bには、幅方向Xの左右両側に、重なり合うフィルム11、11同士が接着されていない部分(第1未接着部11a)が形成されている。また、上側シール部17Bには、幅方向Xの左右両側の第1未接着部11a、11aの間であって、幅方向Xの中心に、懸垂孔18が形成されている。懸垂孔18は、2枚のフィルム11、11を貫通して形成されている。この懸垂孔18は、医療用複室容器1を吊り下げて使用する際等に用いられる孔である。
下側シール部17Cには、幅方向Xの左右方向一方の側に、重なり合うフィルム11、11同士が接着されていない部分(第2未接着部11b)が形成されている。また、幅方向Xの左右方向の他方の側には、およそ矩形の医療用複室容器1の外形から外方に突出した薬剤室12Bへの充填口として用いられる予定の充填口予定部が形成されている。充填口予定部は、前記矩形のどの辺に設けられていてもよく、また、複数設けられていてもよい。なお、図1では薬剤室12Aへの充填口は省略している。
ポート14は、一方の薬剤室12(ここでは薬剤室12B)において区画用弱シール部13とは反対側に設けられている。ポート14は、下側シール部17Cにおいて、幅方向Xの中心に設けられている。ポート14は、下側シール部17Cにおいて2枚のフィルム11間に挟持されて固定されている。このポート14は、薬剤の注入や排出に用いられ、容器外から容器内へのアクセスを可能にする通路である。ポート14は、医療用複室容器1を懸垂孔18で吊り下げた状態で、ポート14によって形成される通路の中心軸線が鉛直方向に一致するよう設けられている。ポート14は熱可塑性樹脂の射出成形品からなり、針の挿入を可能とするために、突き刺し可能な図示しないゴムなどの弾性体により開口部が封止されている。なお、ポート14に代えてチューブであってもよい。
区画用弱シール部13は、左右一対の凹状シール部16、16の先端部16a、16a同士を接続するように幅方向Xに沿って直線帯状に形成されている。区画用弱シール部13は、薬剤室12B内に設けられた流入阻止用弱シール部15に相対する位置に設けられている。区画用弱シール部13の幅寸法D1は、とくに限定されるものではないが、例えば5mm〜20mm程度に決定される。
なお、区画用弱シール部13は、左右一対の凹状シール部16、16の先端部16a、16aを貫通し側方シール部17A、17Aに到達するまで長いものとすることも好ましい。この理由は、区画用弱シール部13を製造するための直線帯状の加熱部を有する弱シール用金型において、直線帯状の加熱部の長尺方向中央部が安定して一定温度に保たれているのに比較して、同端部は金型の端になるため外部の影響を受け安定した一定温度を保つことが難しく、これに伴い剥離強度のばらつきが大きくなることがあるが、弱シール用金型を区画用弱シール部13の側方シール部17A、17Aに到達する、または到達する以上に長くすれば一定温度に安定した長尺方向中央部のみを使用した区画用弱シール部13の製造が可能となるからである。これにより、容易に落下などの衝撃により意図しない剥離が起こらず、かつ必要時には容易に開通させることのできる強度を発現する区画用弱シール部13とすることができる。
区画用弱シール部13は、重なり合う2枚のフィルム11、11同士が剥離可能にシールされており、2つの薬剤室12A、12Bを連通可能に隔離している。この区画用弱シール部13は、使用前の状態において薬剤室12A、12Bを隔離し、双方の連通を遮断している。区画用弱シール部13は、使用する際に隣接する薬剤室12Aまたは12Bを外部から押圧してその内圧を上昇させることによって剥離させることができる。区画用弱シール部13が剥離することで、薬剤室12A、12Bは連通する。
区画用弱シール部13は、JIS K6854−3に準拠して引張速度300mm/分で測定したT形剥離強度を、1〜8N/10mm幅とすることが好ましく、さらに1.5〜5N/10mm幅とすることがより好ましい。また薬剤室12Aまたは薬剤室12Bを外部から押圧して区画用弱シール部13が剥離して連通する際の連通強度は、200N〜800Nとすることが好ましく、300N〜700Nとすることがより好ましい。このような範囲とすることで、使用時に過大な力を必要とせず、また医療用複室容器1を破壊させることなく区画用弱シール部13を剥離させることができる利点がある。
また、区画用弱シール部13の剥離強度は、医療用複室容器1の幅方向Xにおいて一定であってもよいが、医療用複室容器1の幅方向Xで変化させることも好ましい態様である。例えば、区画用弱シール部13の幅方向Xにおける中央部13aの剥離強度を高くして、幅方向Xの両端部13b、13cの剥離強度を中央部13aより低くすることも好ましい。具体的には、両端部13b、13cの剥離強度を、中央部13aの剥離強度の20〜80%とすることが好ましい。
このようにすることで、連通後に両端部13b、13cの未剥離の部分が残存することを極小化または無くすことができる。未剥離の部分が残存すると、残存した区画用弱シール部13の端部が医療用複室容器1の落下時の応力集中部となり、医療用複室容器1が破袋し易くなる。区画用弱シール部13において幅方向Xの両端部13b、13cの剥離強度を低くすると、未剥離の部分が残存し難くなり、仮に残存したとしても、幅方向Xの中央部13aの剥離強度より低い剥離強度であって剥離可能な区画用弱シール部13のうちさらに剥離しやすい弱シール部となる。これにより、区画用弱シール部13が破袋につながるような応力集中部となることを可能な限り防止することができる。これにより医療用複室容器1が破袋することを防止することができる。
区画用弱シール部13において、幅方向Xの中央部13aの剥離強度を大きく、幅方向Xの両端部13b、13cの剥離強度を小さくするには、区画用弱シール部13の製造時におけるヒートシール温度を中央部13aが高く、両端部13b、13cが低くなるように設定する方法、シール部製造時のシール金型の形状により中央部13aのシール圧を高く、両端部13b、13cのシール圧を低く調整する方法、シール金型のシール模様により中央部13aが受ける単位時間あたりの熱量を大とし、両端部13b、13cが受ける単位時間あたりの熱量を小さくする方法等が挙げられる。
なお、薬剤室12Aを外部から押圧して薬剤室12Aの内圧を上昇させることによって区画用弱シール部13を剥離させた際に、連続して流入阻止用弱シール部15を容易に剥離させようとする場合には、区画用弱シール部13の中央部13aの剥離強度を、両端部13b、13cの剥離強度より低くすることが好ましい。
このようにすることで、区画用弱シール部13の中央部13aが剥離した際、薬剤室12Aの薬剤が中央部13aに集中して薬剤室12Bの上下方向Yの一方の側から、薬剤室12Bの幅方向Xの中央部に流入しやすくなる。薬剤室12Bに流入した薬剤の圧力は、後述するように、薬剤室12Bの上下方向Yの他方の側において幅方向Xの中央部に位置する流入阻止用弱シール部15に作用するため、流入阻止用弱シール部15の剥離が容易になる。
このように、区画用弱シール部13において、幅方向Xの中央部13aの剥離強度を小さく、幅方向Xの両端部13b、13cの剥離強度を高くするには、区画用弱シール部13の製造時におけるヒートシール温度を中央部13aが低く、両端部13b、13cが高くなるように設定する方法、シール部製造時のシール金型の形状により中央部13aのシール圧を低く、両端部13b、13cのシール圧を高く調整する方法、シール金型のシール模様により中央部13aが受ける単位時間あたりの熱量を小とし、両端部13b、13cが受ける単位時間あたりの熱量を大きくする方法等が挙げられる。
流入阻止用弱シール部15は、ポート14が設けられた薬剤室12Bに、ポート14を取り囲むように形成されている。流入阻止用弱シール部15は、ポート14への薬剤の流入を一時的に阻止することにより混合前の薬剤が患者に投与されることを防止する。
流入阻止用弱シール部15は、直線シール部15a、15aと、曲線シール部(請求項の「先端部」に相当。)15bと、を備えている。
直線シール部15a、15aは、幅方向Xの中心に対して左右対称に形成されている。各直線シール部15aは、下側シール部17Cにおいて、ポート14から幅方向Xに離れた位置から、上方に向かって漸次幅方向Xの中心側に接近するよう、斜めに直線状に延びて形成されている。
曲線シール部15bは、直線シール部15a、15aの上端部の間に連続して形成されている。曲線シール部15bは、上方に向かって凸となるよう形成されている。曲線シール部15bの曲率半径は、20mm〜40mm程度とするのが好ましく、25mm〜35mm程度とするのがさらに好ましい。曲線シール部15bは、曲率半径が小さくなると流入阻止用弱シール部15が剥離しやすくなり、容器移送時に剥離し易くなる傾向にある。また、曲線シール部15bは、曲率半径が大きくなると流入阻止用弱シール部15と下側シール部17Cに囲まれた領域が大きくなり、薬剤室12Bに充填できる薬液量が少なくなる。
流入阻止用弱シール部15の形状は、上記した形状に限定されず、半円形状、半楕円形や多角形の一部形状等、任意の曲線状の形状とすることができる。流入阻止用弱シール部15において、上方に向かって凸となる部分の個数は1つまたは複数いずれでも構わない。なお、図1に示すように、凸となる曲線シール部15bが1つの場合には、流入阻止用弱シール部15において、最も区画用弱シール部13に近い位置に曲線シール部15bが位置するようにする。凸となる曲線シール部15bは、区画用弱シール部13が剥離して薬剤室12Aから薬剤室12Bに流入した薬液が最初に到達し、応力が集中する部位であり、流入阻止用弱シール部15の剥離開始を容易にするため好ましい。また、流入阻止用弱シール部15の形状はポートの長尺方向の軸線を対象の軸とした左右対称な形状とすることが好ましい。
帯状の流入阻止用弱シール部15を構成する直線シール部15a、曲線シール部15bのシール幅寸法は、特に限定されるものではないが、例えば5mm〜20mm程度とするのが好ましい。また、直線シール部15a、曲線シール部15bは、全てを同一の一定の幅とする他、例えば、流入阻止用弱シール部15において下側シール部17Cに近い部分を部分的に狭幅にするなどして、頂部に比べて剥離し難い部分を剥離しやすくするようにしてもよい。
図2は、図1において破線で囲まれた流入阻止用弱シール部の一部領域Rの拡大平面図である。図2には実線で示す一方の外表面の模様と、破線で示す他方の外表面の模様とが図示されている。図3は、図2のA−A線に沿う斜視断面図である。図4は、図2のB−B線に沿う斜視断面図である。図5は、図2のC−C線に沿う断面図である。
図2から図5に示すように、流入阻止用弱シール部15には、2枚のフィルム11、11のうち、一方のフィルム11の外表面11fに、流入阻止用弱シール部15が連続する方向に沿って、複数本の溝(請求項の「線状シール部」に相当。)21が形成されている。これら複数本の溝21は、流入阻止用弱シール部15の幅方向に間隔を空けて形成されている。各溝21は、所定の幅を有した溝底面21aを有している。また、各溝21は、フィルム11の外表面11f側から溝底面21aに向かって溝幅寸法が漸次小さくなるよう形成されている。
また、図2、図3および図5に示すように、流入阻止用弱シール部15には、2枚のフィルム11、11のうち、他方のフィルム11の外表面11gに、複数の凹部(請求項の「点状シール部」に相当。)22が形成されている。これらの凹部22は、流入阻止用弱シール部15の幅方向に間隔を空けて複数列に設けられている。各列において、凹部22は、流入阻止用弱シール部15が連続する方向に沿って間隔を空けて複数設けられている。また、各列の凹部22は、前記溝21と対向する位置に形成されている。各凹部22は、所定の幅を有した凹部底面22aを有している。また、各凹部22は、フィルム11の外表面11g側から凹部底面22aに向かって凹部底面22aと平行な面に沿った凹部断面積が漸次小さくなるよう形成されている。また、各列の凹部22は、前記溝21と対向する位置に形成されていることに加えて、図2および図3から理解されるように、溝底面21aと凹部底面22aも対向する位置に形成されていることが好ましい。溝底面21aと凹部底面22aとが対向することで、落下などの衝撃により意図しない剥離が起こらず、かつ必要時には容易に開通させることのできる剥離強度のばらつきが少ない、安定した剥離強度を有する流入阻止用弱シール部15とすることが容易となる。
図6は、溝を形成するための金型の押圧面を示す平面図である。図7は、図6のD−D線に沿う断面図である。図8は、凹部を形成するための金型の金型面を示す平面図である。
上記したような流入阻止用弱シール部15は、互いに重ね合わせた2枚のフィルム11、11の一方の側に金型30A(図6、図7参照)を配し、他方の側に金型30B(図8参照)を配し、これら金型30A、30Bを加熱しながら押圧することで形成される。
図6および図7に示すように、金型30Aは、その押圧面30fに、形成すべき流入阻止用弱シール部15の輪郭に沿って連続する突条31が、幅方向に間隔を空けて複数本形成されている。各突条31は、断面台形状で、この金型30Aの押圧面30fをフィルム11の外表面11fに加熱して押圧することで、溝21が形成される。ここで、突条31は、幅が例えば1mmで形成され、突条31の天面である押圧面30fの幅は0.4mmで形成され、さらには互いに隣接する突条31,31の天面の端と隣り合う天面の端との間隔が例えば0.6mmに設定され、各突条31の基部が密着して設けられている。これを言い換えれば、金型30Aは、その金型面に、形成すべき流入阻止用弱シール部15の輪郭に沿って連続する幅0.6mmの断面逆三角形の溝が、溝の最深部が1mm間隔となるように幅方向に複数本形成されている。
図8に示すように、金型30Bは、その金型面30gに、形成すべき流入阻止用弱シール部15(図1参照)の輪郭に沿って連続する断面逆三角形の溝32が、幅方向に間隔を空けて複数本形成されている。また、金型面30gには、溝32に対して交差する方向に延びる複数本の断面逆三角形の溝33が、互いに平行に複数本形成されている。これら溝32および溝33により、互いに間隔を空けた複数のおよそ四角錐台の突起34が形成されている。
ここで、溝32は、幅が例えば0.6mmで形成され、互いに隣接する溝32、32の最深部の間隔は例えば1mmに設定されている。また、溝32に交差する溝33は、幅が例えば0.6mmで形成され、互いに隣接する溝32、32の最深部の間隔は例えば1mmに設定されている。そして、各突起34は、その天面が例えば0.4mm角程度の外形寸法で形成され、先端部の曲線シール部を形成する部分ではおよそ正方形に近く、先端部以外の直線シール部を形成する部分では平行四辺形となっている。これを言い換えれば、金型30Bは、底面が1辺約1mm、天面が1辺約0.4mmの正方形乃至平行四辺形に近い四角錐台が底面を密着して形成されている。
ここで、流入阻止用弱シール部15を製造する金型において、薬剤室12B側の周縁部に位置する突条31、突起34の外形形状は、流入阻止用弱シール部15の輪郭形状に平行に形成するのが好ましいが、平行から例えば10°程度迄の範囲内に傾斜して形成してもよい。
流入阻止用弱シール部15は、上記したような金型30A、30Bの間に、2枚のフィルム11、11を重ね合わせた状態で挟み込み、例えば、120℃〜150℃、圧力0.05〜2MPa、時間0.5〜10secで加熱押圧することで形成するのが好ましい。より具体的には、例えばフィルム11、11がポリエチレン樹脂の場合、120℃〜135℃、圧力0.1〜1MPaで、金型30A、30Bによる加熱押圧を行って流入阻止用弱シール部15を形成するのが好ましい。
また、使用時において、薬剤室12Bの薬剤、または薬剤室12A、12Bの薬剤同士が混合した薬剤の液圧によって、流入阻止用弱シール部15が剥離する際の剥離強度は、JIS K6854−3に準拠して引張速度300mm/分で測定したT形剥離強度を、4〜20N/10mm幅とすることが好ましく、さらに7〜12N/10mm幅とすることがより好ましい。また、区画用弱シール部13の剥離強度よりも流入阻止用弱シール部15の剥離強度は高い方が好ましい。また、区画用弱シール部13および流入阻止用弱シール部15の剥離強度は、周縁シール部17の剥離強度よりも低く設定されている。
このようにすることで、ポート14が設けられた薬剤室12Bを外から押圧した場合に、区画用弱シール部13が流入阻止用弱シール部15より後に剥離することが無く、流入阻止用弱シール部15だけが剥離して未混合の薬剤がポート14から流出することが無い。このようにして、流入阻止用弱シール部15は、未混合の薬剤がポート14へ流入することを一時的に阻止する機能を有している。また、薬剤室12Bを外部から押圧して流入阻止用弱シール部15が剥離して連通する際の連通強度は、500N〜2000N、好ましくは、600N〜1500Nであると、流入阻止用弱シール部15を容易に開通させることができる。
このように、突条31および突起34によって、フィルム11、11の外表面11f、11gに線状の溝21および点状の凹部22を形成することによって、流入阻止用弱シール部15を形成すると、フィルム11、11を面状にシールする場合と比較して、フィルム11、11を、限られた面積で、より高い圧力で押圧し、確実にシールすることができる。また、突条31の天面と突起34の天面とが対向しうるように金型30Aおよび金型30Bを製造し、これらの金型30A,30Bを用いて突条31の天面と突起34の天面とが対向するようにフィルム11、11をシールすることが好ましい。これにより、落下などの衝撃により意図しない剥離が起こらず、かつ必要時には容易に開通させることのできる剥離強度のばらつきが少ない、安定した剥離強度を有する流入阻止用弱シール部15とすることが容易となる。
なお、上記のような突条31、突起34によって、フィルム11、11の外表面11f、11gに線状の溝21、点状の凹部22を形成する領域は、流入阻止用弱シール部15の全域、すなわち直線シール部15aおよび曲線シール部15bの全域としてもよいが、これに限らない。少なくとも、流入阻止用弱シール部15において区画用弱シール部13側に向かって凸となる曲線シール部15bの頂部において、線状の溝21および点状の凹部22を形成してフィルム11、11をシールしてもよい。さらには、曲線シール部15bの幅方向の薬剤室12B側のみに、線状の溝21および点状の凹部22を形成してフィルム11、11をシールしてもよい。より具体的には、薬液の充填量によっても異なるが、曲線シール部15bの幅方向の薬剤室12B側に、曲線シール部15bの幅の1/3程度に形成してシールしてもよい。
すなわち、曲線シール部15bよりも衝撃で剥離しがたい直線シール部15aについては、溝21、凹部22からなるシール構造に限らず、例えば面状にシールする等、他のシール構造としてもよい。また、線状の溝21及び凹部22は、曲線シール部15bの幅方向に間隔を空けて等間隔に設けられているが、等間隔以外の間隔でもよい。また、凹部22についても、流入阻止用弱シール部15が連続する方向に間隔を空けて等間隔に設けられているが、等間隔以外の間隔でもよい。
また、流入阻止用弱シール部15は、突条31を有した金型30Aまたは突起34を有した金型30Bと、平面状の金型(図示無し)とを組み合わせて形成してもよい。さらに、平面状の金型は、その金型表面を例えばガラス繊維強化フッ素樹脂フィルムで覆うようにしてもよい。
なお、流入阻止用弱シール部15とポート14との間の空間には、高温にした際に前記空間を滅菌できるだけの少量、例えば0.01mL〜1mLの生理用食塩水や蒸留水が存在していることが好ましい。また、本発明の要旨に反せず落袋衝撃強度に影響を与えない範囲で、滅菌できるだけの量の液体が薬剤室12から流入できるだけのスリット状の未シール部を流入阻止用弱シール部15に設けてもよい。
本実施の形態の医療用複室容器1を構成するフィルム11およびポート14の材質は、それぞれ熱可塑性樹脂からなるものが採用される。
熱可塑性樹脂としては、医療分野で用いられるものであれば特に限定されず使用可能であり、塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルサルホン、環状ポリオレフィン、環状ポリオレフィン共重合体、エチレン系エラストマー、スチレン系エラストマー、これらの樹脂の混合物、が挙げられる。
また、これら熱可塑性樹脂は耐熱性向上等の目的で一部架橋されていたり、積極的にブロッキングさせるために、超低密度ポリエチレン、エチレン系エラストマー、スチレン系エラストマーなどの低融点成分を混合したりしてもよい。
これら熱可塑性樹脂のうち、安価でもあり、透明性、柔軟性に優れるためポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンとしては、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、エチレン−ブタジエンランダム共重合体等のオレフィン系エラストマー、ポリプロピレン、エチレンまたはα−オレフィンとプロピレンからなるプロピレンランダム共重合体、エチレンプロピレン共重合体エラストマーを含有するポリプロピレンブロック共重合体系樹脂が挙げられる。さらに、これらポリオレフィン樹脂のうち、ポリエチレン系樹脂が添加剤含まず衛生性にすぐれるため好ましい。
医療用複室容器1を構成するフィルム11は、一種類のフィルムからなる単層フィルムであっても、複数の種類のフィルムが積層した形態の多層フィルムであってもよい。単層フィルムの場合には、透明性、柔軟性に優れることから直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンプロピレンランダム共重合体、エチレンプロピレンブロック共重合体、ポリプロピレン系樹脂とスチレン系エラストマーとの混合物などのフィルムが好ましい。
また、フィルム11は、多層フィルムである場合には、上述の単層フィルムに用いられるフィルムを多層フィルムに使用し、最も厚み割合の高い主要な層とした多層フィルムが好ましい。さらに、この主要な層を医療用複室容器1の内層側に使用し、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルサルホンなどからなる内層よりも、軟化温度や融点の高い耐熱性が高い外層を設けた多層フィルムとするようにしてもよい。これにより、フィルム11を加熱溶融させて医療用複室容器1を製造する際の短時間化を図ることができ、生産性が高くなるため好ましい。フィルム11の内層とその外側の層とを、接着剤で接着するようにしてもよい。また、フィルム11の内層には、薬剤室12A、12Bにおいて接液面となる側に、内層表面の性状を改善するためにフィルム11の全層厚に対して10%以下の内層表面層を設けることも好ましい。
さらに、フィルム11は、耐熱性を有する外層を備え、内層を前記主要な層とした多層フィルムとし、フィルム11の全層厚に対して外層が10%以下、内層を70%以上とすることが好ましい。
これらのフィルム11は、Tダイ成形、水冷または空冷インフレーション成形、ラミネート成形、多層共押出成形などによる製造方法により製造されるものである。なお、透明性、衛生性の観点から水冷インフレーション成形で製造されたフィルム11が好ましい。そして、フィルム11の厚みは、5〜1000μm、好ましくは50〜500μm程度のものが使用される。
ここで、上述した医療用複室容器1の製造方法について説明する。流入阻止用弱シール部15の形成については上述したとおりである。他の部分について、重ね合わせたフィルム11を目的とする形状にシールして医療用複室容器1を作成する。シール方法としては、加熱板に圧力をかけてフィルム11を押さえるヒートシールやインパルスシールによる方法を採用することができる。また、ポート14とフィルム11とのシールには、熱金型を用いることができる。なお、医療用複室容器1の容量を100mL〜5L程度とした場合に、凹状シール部16および側方シール部17Aのシール幅D2は、3mm〜15mmの範囲であり、好ましくは4mm〜10mmである。
また、薬剤の組み合わせとしては、アミノ酸輸液とブドウ糖輸液との組み合わせや、抗生物質とその溶解液などが挙げられる。
次に、上述のように構成される本実施の形態の医療用複室容器1の作用について、図面に基づいて説明する。
図1に示す本実施の形態の医療用複室容器1を用いてポート14から混合した薬剤を注出させて患者に投与するには、まず、流入阻止用弱シール部15を有しない上側の薬剤室12Aを外部から押圧する。すると、薬剤室12Aの内圧が高まり、区画用弱シール部13が剥離する。これによって、剥離した区画用弱シール部13から流入阻止用弱シール部15を有する下側の薬剤室12Bに薬剤が流入する。薬剤の流入により、薬剤室12B内の薬剤が、区画用弱シール部13に相対する流入阻止用弱シール部15に衝突するとともに、薬剤室12Bの内圧も上昇して流入阻止用弱シール部15が剥離する。これにより2つの薬剤室12A、12B内の薬剤同士が混合され、その混合した薬剤をポート14から点滴投与することができる。したがって、上下の薬剤室12A、12B同士を連通させる操作と、流入阻止用弱シール部15が剥離する操作を、薬剤室12Aを外部から押圧するという一連の作業によって行うことができる。
このとき、ポート14への薬剤流入を一時的に阻止する流入阻止用弱シール部15が設けられているので、区画用弱シール部13で区画されている上下の薬剤室12A、12B内の薬剤が混合される前にその薬剤が投与されてしまうことを防止することができる。
また、薬剤室12Bを外部から押圧した場合、区画用弱シール部13が流入阻止用弱シール部15より先に剥離し、薬剤室12Aの薬剤と薬剤室12Bの薬剤とが混合する。この状態で、流入阻止用弱シール部15が剥離していないためポート14から薬剤が流出することが無い。そこで、改めて、区画用弱シール部13が剥離した薬剤室12Aと薬剤室12Bとからなる室を外部から押圧すると、流入阻止用弱シール部15が剥離し、混合済みの薬液をポート14から流出させることができる。
以上のとおり、薬剤室12Aまたは薬剤室12Bのいずれの薬剤室を押圧した場合でも、未混合の薬剤が投与されてしまうことを防止できる。
また、輸送の際など不測の押圧力が加わった場合にも、曲線帯状の流入阻止用弱シール部15が剥離することなく、確実に混合前の薬剤が投与されることを防止する。
上述したような構成によれば、区画用弱シール部13側に向かって突出してポート14を取り囲むように形成され、薬剤室12A、12Bに収容された薬剤のポート14への流入を一時的に阻止する流入阻止用弱シール部15の表面に、流入阻止用弱シール部15が連続する方向に沿って延びる溝21が形成されている。このような構成によれば、例えば医療用複室容器1に外部から力が加わって、薬剤室12A、12Bに収容された薬剤の圧力が高まると、その圧力は、流入阻止用弱シール部15に対し、流入阻止用弱シール部15が連続する方向に対して交差する方向に作用する。これに対し、流入阻止用弱シール部15には、流入阻止用弱シール部15が連続する方向に沿って延びる溝21が形成されているので、作用した圧力が集中するのを防ぐことができる。
さらに、溝21は、流入阻止用弱シール部15において、少なくとも区画用弱シール部13側に突出した曲線シール部15bに形成されている。薬剤室12A、12Bに収容された薬剤の圧力は、特に、流入阻止用弱シール部15において区画用弱シール部13側に突出した曲線シール部15bに集中して作用する。したがって、この曲線シール部15bに溝21を設けることで、流入阻止用弱シール部15が不用意に剥離するのを、効果的に抑えることができる。
また、流入阻止用弱シール部15の他方の表面に、流入阻止用弱シール部15が連続する方向に沿って間隔を空けた複数の凹部22が、溝21に対向するように形成されている。これにより、流入阻止用弱シール部15が不用意に剥離するのを、より確実に抑えることができる。
このようにして、流入阻止用弱シール部15が不用意に剥離するのを抑え、輸送時など取り扱い上の振動や落下などによる流入阻止用弱シール部15の耐衝撃性を向上させることができる。したがって、従来技術のように保護部材を用いずとも、落下などの衝撃により意図しない流入阻止用弱シール部15の剥離が起こらず、かつ必要時には流入阻止用弱シール部15を容易に開通させることができる。
また、溝21と凹部22とは、互いに対向するように形成することで、溝21と凹部22とがずれた位置にある場合に比較し、温度などのシール条件の変化した際の剥離強度の変化が少なく、安定した流入阻止用弱シール部15が得られるため好ましい。
以上、本発明による医療用複室容器の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述の実施形態では、流入阻止用弱シール部15に、線状シール部として溝21を形成し、点状シール部として凹部22を形成するようにした。しかし、医療用複室容器1を形成するフィルム11、11が硬質な材料である場合、金型30A、30Bによって流入阻止用弱シール部15を、熱溶着や超音波溶着等によってシールした状態で、溝21や凹部22が形成されないこともある。
また、上述の実施形態では、上下2つの薬剤室12A,12Bを設けた医療用複室容器1としているが、3つ以上の薬剤室が区画用弱シール部13によって区画されて設けられていてもよい。
図9は、他の実施形態に係る医療用複室容器の構成を示す平面図である。
また、上述の実施の形態では、袋状容器の例として、医療用複室容器を例示したが、1つの薬剤室を有する医療用容器でもよく、剥離可能な曲線帯状弱シール部を有する袋状容器であるかぎり、これに制限されること無く、調味液と食材の組み合わせ等の食品用、2液混合型接着剤等の工業用などの他の用途に使用できる。例えば、図9に示す他の実施形態に係る医療用複室容器110Aのように、曲線帯状弱シール部115は、直線シール部115a、115aと、曲線シール部115bとにより、室112を区画するように設けられていてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
次に、上述した実施の形態による医療用複室容器の効果を裏付けるための実施例について、以下説明する。
[実施例]
図1に示す医療用複室容器を以下のようにして作成した。フィルムの外形寸方は縦横40cm×30cmである。
(多層フィルムの製造)
多層共押出水冷インフレーション法により作成した以下の構成の多層フィルムを用いて、図1に示した容器の構成を有し、流入阻止弱シール部の剥離強度、連通強度を測定すると共に、容器の梱包落下試験を行い、容器の機能を確認した。
フィルムは、外層/接着層/内層/内層表面層からなり、それぞれの層の厚み15μm/20μm/200μm/15μmからなる、以下の樹脂からなる多層フィルムである。なお以下の樹脂の説明においてポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレイト(以下「MFR」という。)は、JIS K 7210に準拠し、温度190℃、荷重21.18Nで測定した値である。無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレンのMFRは、温度を230℃とした他はポリエチレン系樹脂の場合と同様にして測定した値である。
外層:ポリアミド11、Rilsan B BESV O A FDA、アルケマ株式会社製
接着層:無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、MFR2.8g/10分
内層:直鎖状低密度ポリエチレン、密度917kg/m、MFR1.1g/10分
内層表面層:高密度ポリエチレン、密度955kg/m、MFR1.8g/10分
(流入阻止用弱シール部の製造)
流入阻止用弱シール部は、以下の2つ一組の金型を用い、ポートを薬剤室側で取り囲むように、2枚のフィルムを狭持して加熱押圧してヒートシールした。流入阻止用弱シール部のシール幅は一定幅12mm、曲線シール部の曲率半径は28mm、流入阻止用弱シール部の上下の高さ方向は44mm、左右の幅方向は95mmである。
ここで2つ一組の金型の一方は、図6、図7に示す構成のものとし、流入阻止用弱シール部が連続する方向に沿って延在する天面が0.4mm幅の突条を隣り合う天面同士の隙間が0.6mmとなるように設けた。
2つ一組の金型の他方は、図8に示す構成のものとし、流入阻止用弱シール部が連続する方向に沿って延在する天面が0.4mm幅の突条を隣り合う天面同士の隙間が0.6mmとなるように設けるのに加え、上下方向に延びる天面が0.4mm幅の突条を隣り合う天面同士の隙間が0.6mmとなるように設けた。
これら2つ一組の金型を用い、金型温度126〜132℃、圧力0.3〜0.5MPaおよび加圧保持時間2〜8秒、冷却時間4〜12秒の条件でヒートシールを行い、剥離強度7.5N/10mm幅(実施例1)、10.5N/10mm幅(実施例2)となる流入阻止用弱シール部を形成した。
区画用弱シール部を、ポートのある側から長尺方向に18cmの位置において、幅1cmで両側部にわたって直線帯状に位置するように設けた。フィルム加熱温度123〜129℃、圧力0.4MPaおよびシール時間5秒、冷却時間4秒の条件でヒートシールを行ない、剥離強度3.0N/10mm幅(実施例1)、3.2N/10mm幅(実施例2)となる区画用弱シール部を形成した。
(外形シール、ポートシール)
金型温度180℃、圧力0.4MPaおよび加圧保持時間4秒、冷却時間4秒の条件で、ヒートシールにて医療用複室容器の周縁部、すなわちフィルムの下方、上方および側方の外形をシールした。また、ポートをポートシール用金型で熱シールして、医療用複室容器を製造した。
容器の一部を2箇所切断してできた開口部から一方の薬剤室に1400ml、他方の薬剤室に600mlの精製水をそれぞれ充填し、開口部を前記外形シールと同じ条件でヒートシールにより封滅した。106℃、25分間、シャワー式高圧蒸気滅菌機で加熱後、冷却して評価用の医療用複室容器を得た。
[比較例]
図10は、比較例のシールに用いる一方の金型の金型面を示す平面図であり、図11は、比較例のシールに用いる他方の金型の金型面を示す平面図である。
比較例として、実施例1および実施例2とは金型の表面形状が異なる以下の2つ一組の金型を用い、区画用弱シール部、流入阻止用弱シール部をシールし、医療用複室容器を形成した。
ここで、図10に示すように、比較例で用いた2つ一組の一方の金型130Aは、シール後の容器表面に容器の幅方向に延在する直線状のシール部が形成されるよう、幅方向に延びる0.6mm幅の直線の断面逆三角形の溝131が、上下方向に溝の最深部が1mmの等間隔となるように形成されている。
また、図11に示すように、2つ一組の他方の金型130Bは、幅方向に延在する0.6mm幅の直線の断面逆三角形の溝132が、溝の最深部が1mmの等間隔となるように形成されるのに加え、上下方向に延びる0.6mm幅の溝133を、幅方向に溝の最深部が1mm間隔となるように設けた。
そして、これら2つ一組の金型を用い、実施例と同様、金型温度126〜132℃、圧力0.3〜0.5MPaおよび加圧保持時間2〜8秒、冷却時間4〜12秒の条件でヒートシールを行い、剥離強度7.6N/10mm幅(比較例1)、10.4N/10mm幅(比較例2)となる流入阻止用弱シール部を形成した。
また、区画用弱シール部を、ポートのある側から長尺方向に18cmの位置から幅1cmで両側部に渡って直線帯状に位置するように設けた。フィルム加熱温度123〜129℃、圧力0.4MPaおよびシール時間5秒、冷却時間4秒の条件でヒートシールを行ない、剥離強度3.0N/10mm幅(比較例1)、3.3N/10mm幅(比較例2)となる区画用弱シール部を形成した。
(物性評価)
流入阻止用弱シール部の剥離強度、区画用弱シール部の剥離強度、連通強度および落下強度の試験を行い評価した。
(流入阻止用弱シール部の剥離強度)
流入阻止用弱シール部において、容器からポートの延長線上の部分から幅10mm×長さ70mmの長方形の試験片を、流入阻止用弱シール部を横断するように切り出して剥離強度試験用の試験片を得た。得られた試験片は、引張速度300mm/分でJIS K6854−3に準拠してT型剥離強度を測定した。
(区画用弱シール部の剥離強度)
医療用複室容器から帯状の区画用弱シール部と90度の向きで幅10mm×長さ70mmの長方形を区画用弱シール部の帯幅以上に切り出して剥離強度試験用の試験片を得た。この区画用弱シール部の試験片について、流入阻止用弱シール部と同様にして剥離強度を測定した。
(連通強度)
連通強度は、区画用弱シール部を連通しないようにヒートシールして、100mm×300mmの板によりポート側の薬剤室を500mm/分で押圧し、流入阻止用弱シールが剥離し、連通するときの強度を測定した。
(落下強度)
図12は、落下試験を行う際の医療用複室容器の収容状態を示す模式図である。
区画用弱シール部13で二つ折りしたときのサイズが20cm×30cmの医薬用複室容器1を、40cm×30cmの四方シール袋からなる外袋(不図示)に封入した。
さらに、図12に示すように、30cm×30cm×20cmサイズの段ボール箱100に、二つ折りした厚みのある平面形状の外袋入りの医療用複室容器1を、段ボール箱の30cm×20cmの面と平行な向きで、上下に5袋積み重ねて梱包した。
外袋入り医療用複室容器1が上下に5袋が積み重なる向きで、段ボール箱を80cmの高さから2回落下させた。5袋の外袋入り医療用複室容器1のうち、最も底面側にある1つの医療用複室容器1は、他の4つの医療用複室容器1の荷重も加わるため最も大きな力がかかり、最も流入阻止用弱シール部15および区画用弱シール部13が剥離しやすい容器となる。
落下実験後、最も底面側にあった医療用複室容器1を1つ取り出し、流入阻止用弱シール部15および区画用弱シール部13の連通の有無を評価した。
流入阻止用弱シール部15については、流入阻止用弱シール部15と下側シール部17Cとで囲まれた領域中の水の有無を目視観察し、水の存在が確認できた場合を×、水の存在が確認できない場合を○として、評価した。区画用弱シール部13については、目視観察により一部に剥離が観察された場合を×、剥離が観察されない場合を○として評価した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2016202467
表1に示すように、実施例1および実施例2においては、区画用弱シール部における連通強度は、比較例1および比較例2よりも僅かに高いものの、ほぼ同等の易開通性が得られた。一方、落下強度は、比較例1および比較例2においては、流入阻止用弱シール部における剥離が生じたものの、実施例1および実施例2では、流入阻止用弱シール部における剥離が認められなかった。
1 医療用複室容器(袋状容器)
11 フィルム
11f 外表面(表面)
11g 外表面(表面)
12、12A,12B 薬剤室(室)
112 室
13 区画用弱シール部
14 ポート
15 流入阻止用弱シール部(曲線帯状弱シール部)
15b 曲線シール部(先端部)
21 溝(線状シール部)
22 凹部(点状シール部)
30A 金型
30B 金型
30f 押圧面
31 突条

Claims (7)

  1. 重なり合うフィルムの周縁同士をシールすることにより形成され、
    物質を収容する室と、
    前記室を区画するように設けられた曲線帯状弱シール部と、
    を有し、
    前記曲線帯状弱シール部の少なくとも一方の表面に、前記曲線帯状弱シール部が連続する方向に沿って延びる線状シール部が形成されていることを特徴とする袋状容器。
  2. 前記室を複数有し、
    前記複数の室を連通可能に区画する区画用弱シール部と、
    前記室の1つに設けられたポートと、
    を有し、
    前記曲線帯状弱シール部は、前記区画用弱シール部側に向かって突出して前記ポートを取り囲むように形成され、前記室に収容された物質の前記ポートへの流入を一時的に阻止する流入阻止用弱シール部であることを特徴とする請求項1に記載の袋状容器。
  3. 重なり合うフィルムの周縁同士をシールすることにより形成され、
    複数の薬剤室と、
    前記複数の薬剤室を連通可能に区画する区画用弱シール部と、
    前記薬剤室の1つに設けられた薬剤排出用のポートと、
    前記区画用弱シール部側に向かって突出して前記ポートを取り囲むように形成された曲線帯状弱シール部と、
    を有する医療用複室容器であって、
    前記曲線帯状弱シール部は、前記薬剤室に収容された薬剤の前記ポートへの流入を一時的に阻止する流入阻止用弱シール部であり、
    前記流入阻止用弱シール部の少なくとも一方の表面に、前記流入阻止用弱シール部が連続する方向に沿って延びる線状シール部が形成されていることを特徴とする医療用複室容器。
  4. 前記流入阻止用弱シール部の他方の表面に、前記流入阻止用弱シール部が連続する方向に沿って間隔を空けた複数の点状シール部が、前記線状シール部に対向するように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の医療用複室容器。
  5. 前記線状シール部は、前記流入阻止用弱シール部において、少なくとも前記区画用弱シール部側に突出した先端部に形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の医療用複室容器。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の前記曲線帯状弱シール部を形成する金型であって、
    押圧面に、前記曲線帯状弱シール部が連続する方向に沿って延びる突条が形成されていることを特徴とする金型。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載の前記曲線帯状弱シール部の形成方法であって、
    押圧面に、前記曲線帯状弱シール部が連続する方向に沿って延びる突条が形成されている金型を加熱しつつ前記フィルムの表面に押圧し、前記突条により、前記曲線帯状弱シール部の表面に前記線状シール部を形成することを特徴とする曲線帯状弱シール部の形成方法。
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