JPH08168514A - 輸液バッグ - Google Patents

輸液バッグ

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JPH08168514A
JPH08168514A JP6298293A JP29829394A JPH08168514A JP H08168514 A JPH08168514 A JP H08168514A JP 6298293 A JP6298293 A JP 6298293A JP 29829394 A JP29829394 A JP 29829394A JP H08168514 A JPH08168514 A JP H08168514A
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bag
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infusion bag
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Tomohiko Ezaki
知彦 江崎
Takao Okubo
卓男 大久保
Nobuyuki Tanaka
信之 田中
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】輸液バッグ内に、混合用薬液を複数室に分けて
保存するための区画シール部における弱シール部の両端
部を強シール状態にした場合に、強シール部と弱シール
部の境界における破袋等が発生しやすい問題を解決す
る。 【構成】区画シール部の中央部を弱シール部とし、その
両側に続く部分に強シール部を連続的に形成するにあた
り、強シール部の形状を、輸液バッグ両端の折り目部分
を弦とする、曲率半径Rが10mm<R<35mm,高
さSが3mm<S<10の部分円形状とし、しかも弱シ
ール部の上下に対称になるように形成する。更に強シー
ル部表裏面に綾目又は平目模様を形成することにより、
効果は一層向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筒状熱可塑性合成樹脂
製フィルムによって形成された袋状容器を区画シール
し、得られた区画シール部に強シール部と弱シール部を
それぞれ形成せしめた輸液バッグに関する。より詳細に
は、上下複数室に区画されていて、それぞれの室内に収
容された薬液が輸液用に混合使用されるまでは、両液の
漏洩、混合のおそれはなく、輸液用に混合使用される時
には、上記区画シール部のうちの弱シール部のみが剥離
し、両薬液の混合も容易、完全且つ無菌的に行なうこと
ができ、しかも誤って落袋しても強シール部先端におけ
る破袋のおそれもない輸液バッグ及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】医療用輸液バッグが使用される一分野に
おいては、輸液する直前に、複数種の薬液を混合して輸
液する場合があり、該輸液用薬液の混合、調製作業時に
おける異物の混入、雑菌の侵入等の防止のできる衛生防
疫機能を備えた輸液バッグの出現が望まれてきたが、こ
の対策として筒状合成樹脂製フィルムによって形成され
た袋状容器内壁面を弱シールして複数室に区画し、各室
に混合用の薬液を予め充填して置き、輸液が必要な時に
該区画のシール部を剥離又は破壊し、輸液バッグを一室
とすることにより、複数種の薬液を無菌的環境下に混合
することができるようにした輸液バッグが知られてい
る。
【0003】このような形式の輸液バッグとしては、分
離されている薬液を混合して輸液を行うまでは、各混合
用薬液を確実に分離して置く必要性から、弱シール部は
輸液バッグに必要な通常の取扱工程、例えば洗浄、分
注、滅菌等の工程では簡単に剥離するようなものであっ
てはならないが、薬液を混合して輸液という本来の目的
のために使用しようとするときは、手によるバッグ内加
圧等適切な手段によって、輸液バッグ本体の強シール部
の剥離を起こすことなく、上記弱シール部のみは剥離又
は破壊できるという特性が要求される。
【0004】このような要求を満たすための輸液バッグ
としては種々のものが提案されている(例えば、特開昭
63−19149号公報、特開平1−240469号公
報、特開平2−4671号公報、特開平6−39018
号公報等)が、従来のものは、上記弱シール部の形成手
段として、相溶性の高くない2種類の合成樹脂を混合し
て成形した袋状容器を用い、該容器内面を通常の熱接着
させることにより高い接着強度までは得られない、イー
ジーピールタイプとしたものや、融着及び剥離の機能を
受け持つ層として輸液バッグ内面に別フィルムをラミネ
ートしたタイプのものが代表例として挙げられる。
【0005】従来輸液バッグは、薬液の輸液中における
易偏平化特性の他、高生産性等の要求から、主としてポ
リエチレンとかエチレン酢酸ビニールポリマー等の比較
的剛性の低い合成樹脂が使用されてきた。これらの合成
樹脂はインフレーション成形加工とか、フラットな帯状
フィルムの折り畳み及び熱接着加工により筒状フィルム
に成形され、これを所望の長さに切断し、上下両切断口
の少なくとも一方は、合成樹脂製薬液充填用又は取り出
し用口部材と共に、高い気密性、液密性、非剥離性の熱
接着が要求される。通常は高温、高圧の条件下、広幅の
強シール性熱接着帯域が形成されている。この熱接着に
当たっては、剛性の比較的低い上記合成樹脂の場合であ
っても、筒状フィルムの長さ方向に沿う両側端部の折り
畳み部分は、合成樹脂特有の弾性回復力があり、この折
り畳み部分は使用合成樹脂の融点をも考慮し、かなりの
高温、高圧、長加圧時間でもって熱融着をしなければ液
漏れが生ずる。
【0006】本発明にかかる輸液バッグは、上下端部間
の中間に少なくとも1個の区画シール部を有するもので
あるが、該区画シール部のうち両側端部分はフィルムの
折り畳み部の弾性回復特性に基づき、完全なシールをす
るためには可なり苛酷な条件が要求され、その結果、前
記袋状容器上下端部の強シール同様の強力なシール状態
にならざるを得ない。従って、区画シール部の中央部分
の弱シール部と同様の、輸液作業時に剥離させることの
できる弱シール状態にすることは困難である。従来にお
いても、区画シールの両側端は輸液作業前の薬液混合時
にも非剥離性の強シール部とし、該両側端の強シール部
に挟まれた中央部分のみは剥離性の弱シール部とする形
態が採られてきた。
【0007】しかし、従来のこの強シール部の形状は、
中央部分にある細幅で帯状の弱シール部が両側端の折り
目に向かって連続的に拡幅した形状、具体的には例え
ば、特開平6−39018号公報に開示されているよう
に、直線状弱シール部がその上下対称に、しかも輸液バ
ッグ内方に凹である曲線を描いて連続的に拡幅した形状
をとり、この拡幅した形状部分が強シール部に相当する
区画シール部となっていた。当然のことであるが、この
形状の強シール部の場合もまた両側端部の折り目部分を
含むため、中央部分の弱シール部に比べ、かなり厳しい
シール条件が採られているものと考えられ、例えば高温
加圧、複数回加圧、長時間加圧等の条件が考えられる。
【0008】上記従来例に見られる強シール部は弱シー
ル部の連続的延長線上にあるため、弱シール部分との境
界は尖鋭な突起形状になっており、薬液混合のために弱
シール部を剥離又は破壊した後、誤って落袋させると、
この突起形状の境界に瞬間的引張伸長応力が集中し易
く、当該部分に破壊とかピンホールが発生し易い欠点を
有する。また輸液時に前記強シール部分の凹状曲線部分
に薬液が溜り易く、輸液に支障を来し、問題視されてい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記した中央付近で区画された従来の輸液バッグの
問題点を解消しようとするものであり、より具体的に
は、区画シール部の弱シール部を剥離し、薬液混合後輸
液前に、輸液バッグの洗浄、分注、或は滅菌等の工程で
僅かの内圧が掛かったり、或いは誤って落袋して急激に
内圧が掛かっても、弱シールと接続していた場所の強シ
ール部に破袋的な応力集中が発生するおそれがなく、従
ってこの部分における破袋、ピンホールの発生を極力防
止でき、しかも輸液作業時に薬液が滞留することなく容
易に落下できる形状の区画シール形状、特にそれを構成
する強シール部の好ましい形状を見出すことにあり、更
にはそのような好ましい区画シール部を効率よく形成し
うる輸液バッグの製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明者らは鋭意研究をした結果、従来の区画シー
ル部における強シール部の形状を特定の円形状に形成す
ることにより解決することを見出し、本発明を完成する
に至った。即ち本発明の要旨は、以下の通りである。 (第1)両側端に折り目を有し、所望長さの偏平な筒状
合成樹脂製フィルムで構成され、長さ方向の少なくとも
片方の端部には、合成樹脂製薬液充填用又は取り出し用
の口部材が挟持され、液密に取り付けられた強シール部
が形成されてなる袋状容器であり、両端部間の中間部に
は袋状容器の巾方向に液密に区画シール部が形成されて
なり、該区画シール部は袋状容器両側端部分の強シール
部と、それに挟まれた中央部分の帯状の弱シール部とか
らなり、該強シール部は該弱シール部上下方向に対称に
形成された、前記側端を弦とする、10mm<曲率半径
R<35mm,3mm<高さS<10mmの部分円形状
である輸液バッグ。 (第2)区画シール部の強シール部は、一面には平目状
又は綾目状凹溝が、他面には綾目状凸条が形成されてな
り、該一面の平行な凹溝は該他面の平行な凸部と互いに
背中合わせに形成されている上記第1記載の輸液バッ
グ。 (第3)区画シール部の強シール部の凹溝の深さ及び凸
条の高さは、袋状容器の両側端に向かって順次大に形成
されてなる上記第2記載の輸液バッグ。 (第4)両側端に折り目を有する偏平な筒状合成樹脂製
フィルムを所望の長さに切断し、得られた上下両端部の
少なくとも片方は合成樹脂製薬液充填用又は取り出し用
の口部材を挟持させると共に、液密の強シール部を形成
して袋状容器を成形し、次に前記両端部間の中間部にお
いて袋状容器の巾方向全長にわたる区画シール部を形成
する輸液バッグの製造方法であって、区画シール部は、
袋状容器の巾方向両側端部分の各強シール部と、それら
に挟まれた中央部分の弱シール部とをこの順に、又は逆
順に形成して得られ、該弱シール部は2本の帯状シール
バーで圧接して形成し、強シール部は袋状容器の両側端
の折り目を跨いで、それぞれ2枚の10mm<曲率半径
R<35mmの円形状又は部分円形状シール盤で圧接
し、折り目を弦とし、袋状容器内方に3mm<高さS<
10mmを有し、しかも上記弱シール部の上下に対称に
伸びる部分円形状に形成する輸液バッグの製造方法。 (第5)相対する2個のシール盤の一方の内面を平目状
又は綾目状凸条に形成し、他方の内面を綾目状凹溝に形
成し、両シール盤の凹溝及び凸条を互いに相対する位置
に調節して区画シール部のうちの強シール部を形成する
上記第4記載の輸液バッグの製造方法。 (第6)シール盤の一方の内面の平目状又は綾目状凸条
の高さ及び他方の内面の綾目状凹溝の深さを、それぞれ
両側端に向かって順次大にしたシール盤を使用する上記
第5記載の輸液バッグの製造方法。
【0011】以下、本発明の内容を図面を用いて詳細に
説明する。図1は第一の発明に係るポリエチレン製輸液
バッグの一例の平面図であるが、このポリエチレン製輸
液バッグは単一のポリエチレンフィルムの他、2種類以
上のポリエチレンフィルムのラミネートフィルム又はポ
リエチレンと他の種類の合成樹脂フィルムのラミネート
フィルムから構成されてもよい。
【0012】輸液バッグ1の成形前の筒状フィルム(図
示せず)の長さ方向A−Aに沿う両側端2,2には折り
目が形成され、A−A方向上下両端はそれぞれの切断口
に薬液充填用口部材7及び同取り出し用口部材8を挟持
させ、筒状フィルムと共に液密に接着された強シール部
分5及び6が形成された袋状容器が得られる。該袋状容
器A−A方向中間部には、その幅方向B−Bに沿って区
画シール部9が形成され、区画シール部は弱シール部1
0と強シール部11とから構成されている。なおこの区
画シール部9の形成により、袋状容器は第1薬液室3と
第2薬液室4に分割された輸液バッグとなり、両室に充
填された薬液は、輸液作業まで混合されることなく隔離
状態におかれる。
【0013】本発明にいう弱シールとは輸液作業を行う
までの輸液バッグの種々の取扱時には簡単には剥離せ
ず、区画された各室内に封入された混合用薬液はそのま
ま保存することができるシールであり、輸液作業時に入
る直前の薬液混合時に、区画室の内圧を意図的に所定の
値以上に手圧等により上げれば、輸液バッグ内壁面にお
いて該弱シール部分全体にわたり均一且つ安定した剥離
をさせ得るシールであり、輸液バッグの外周辺の強シー
ル部5及び6のごとく輸液バッグ自体の形成に必要で、
しかも剥離することは許されないシール部分の剥離強度
に比較してかなり低い融着強度しか有しないシールを意
味するものであり、その具体的シール強度又はその範囲
は、輸液バッグの形状、大きさ、混合用薬液量等により
適宜設定される。
【0014】輸液バッグ1は筒状フィルムを偏平に折り
畳んで製造されるものであり、その両側端2,2は筒状
フィルムの折り目があるが、該折り目は合成樹脂特有の
弾性回復性を有し、折り目部分以外の部分と同様の条件
でヒートシールをしても同じ密封状態は得難い。即ち、
折り目部分は可なり高温、高圧、長時間の条件下でシー
ルしなければ液密なシールはできない。これに対して、
折り目以外の部分はこれよりも弱い条件でも液密にシー
ルすることができる。しかも、この区画シール部には輸
液作業時に剥離又は破壊可能な弱シール性を有する部分
が必要がある。本発明はこの区画シール部9を、両側端
の折り目部分に薬液混合時に剥離等を起こさない特定の
強シール部11を形成し、該両端の強シール部に挟まれ
た部分を弱シール部10とし、しかも該弱シール部を剥
離又は破壊して開口した場合に、弱シール部10と相接
していた部分の強シール部11に破袋又はピンホールを
発生させない要求を満たそうとするものである。
【0015】区画シール部を強シール部と弱シール部で
構成すること自体は既に公知であり、図7は従来公知の
輸液バッグにおける区画シール部9周辺の一部切り欠き
拡大図である。同図に示すごとく薬液室3,4を形成す
る区画シール部9は弱シール部10と強シール部16か
らなるが、強シール部16は輸液バッグ内方、即ち薬液
室側に凹の曲線を有し、しかも弱シール部側は尖鋭な突
起11を形成している。従来の輸液バッグは薬液混合作
業後に誤って落下させた場合等に、この強シール部先端
部分に破袋又はピンホールが発生し易いが、この原因は
上記強シール部先端に破袋の応力が急激に集中しやすい
ためではないかと考えられる。また、上記のごとき袋内
方に凹の曲線であるため、輸液時における薬液の滞留が
起こりやすく、全薬液の完全輸液が期待できない問題点
を有する。
【0016】本発明においては、区画シール部9周辺の
一部切り欠き状態を示す図3,4,5及び6から分かる
如く、強シール部11は弱シール部の両端部分に、上下
対称に位置する部分円形状になっている。即ち輸液バッ
グ内方(薬液室3,4側)に凸の曲線からなる部分円形
状であることに第1の特徴を有するものであるが、この
円形状とは真円、長円、楕円等の形状を含む概念であ
り、部分円形状とは、上記円形状について折り目2を弦
としたものであり、しかも該円形状の中心は含まない、
高さの低い部分円形状を意味する。図1,3〜5は部分
円の例であり、図6は長径に平行な弦を持つ部分楕円の
例である。
【0017】本発明の第2の特徴は、強シール部11の
部分円形状部分の曲率半径Rが10mm<R<35mm
なる範囲の値が要求されることである。Rが10mm以
下の場合は、曲線部分12が短いためか、輸液バッグを
誤って落下させた場合に、強シール部の弱シール部側に
破袋又はピンホール発生の応力が集中し易く、破袋等を
起こし好ましくない。逆に35mm以上の場合は、輸液
実施におえるバッグ吊り下げ時にバッグ両側端付近にし
わが発生して、輸液用薬液の排出状態が悪くなり、問題
がある。
【0018】本発明の第3の特徴は、強シール部11の
円形状部分の高さS、即ち図1及び図6に示すように側
端2とそれに平行な、円形状部分の接線X−X線及びY
−Yとの距離S1 及びS2 が3mm<S1 <10mm及
び3mm<S2 <10mmの範囲の値である必要がある
ことである。S1 及びS2 が3mm以下では輸液バッグ
製造時における両側端の強シール部11を左右均等に形
成することが困難になる。これはシール面積が小になり
過ぎて、安定したシール作業が困難になるためと考えら
れる。また、逆に10mm以上になると誤って落袋した
ときに破袋し易い欠点を有し好ましくない。これは輸液
バッグ中央部分に剛性の高い強シール部が広く形成され
るためではないかと考えられる。
【0019】強シール部は、そのシール強度において弱
シール部と大きい差がなければならないが、そのため強
シール部は表裏に綾目形状又は平目形状の凹凸を互いに
背中合わせに形成したシール方式をとることが好まし
い。具体的には、図4に示すごとく、強シール部11表
面に綾目(または平目)模様を凹状溝13で形成し、図
5に示すごとく、強シール部11裏面に綾目模様を凸条
14で形成し、前記表面の綾目模様の平行な一組の凹状
溝又は平目模様を凹状溝と、前記裏面に綾目模様の平行
な一組の凸条を背中合わせに形成することによりより強
力なシール強度が得られる。このシール面の構造模様
は、熱接着盤の一方の内面に綾目または平目模様を凸条
を、他方の内面に綾目模様の凹条溝を設け、前者の綾目
模様の平行な一組の凸条又は平目模様の凸条と、後者の
綾目模様の平行な一組の凹条溝が嵌合的に重なるように
調製することにより容易に形成することができる。
【0020】次に、本発明にかかる輸液バッグにおける
区画シール部の形成方法について説明する。図2は輸液
バッグのA−A方向中央部において、両側端2,2近辺
を残して弱シール部10を設けた状態を示すが、このシ
ール部は、輸液バッグの表裏から帯状シール板で加圧す
ることにより容易に形成し得る。この弱シール部の剥離
強度は、本願発明にかかる輸液バッグ内に収納された複
数種の薬液を適切に混合できるように所望の範囲に管理
されたものでなければならないが、その非剥離状態を保
つには、輸液バッグの長さ、幅、薬液量により決まる値
の範囲であり、具体的な特定値としては表すことはでき
ないが、輸液バッグ内圧が0.02〜0.15Kgf/cm
2 に昇圧されたときに剥離し始める耐圧強度が好まし
い。
【0021】弱シール部10が形成された後、その両側
に、且つ折り目のある両側端部2,2を弦とする部分円
形状の強シール部11,11が形成される。この部分円
形状の強シール部の形成には、これと同じ大きさ、形状
のシール盤を使用すれば両側端部の折り目部分の完全シ
ールの管理が困難であるので折り目部分を跨ぐ、より大
きいシール盤を使用するとが好ましい。弱シール部10
と強シール部11とは、図3〜図6に示すごとく、十分
重なって形成される必要があり、弱シール部10の幅の
一部のみしか強シール部と重なっていない場合は、結果
として弱シール部の幅が小となり、期待される区画シー
ル部の機能が果たせないことになる。なお、上記説明に
おいては、先に弱シール部を形成し、続いて強シール部
を形成する方法について説明したが、本発明にかかる機
能を有する区画シール部形成のためにはこの順序を逆に
してもよいことは当然である。
【0022】上記説明における強シール部の表裏面の構
造は、平面でもよいが、弱シール部に対比してより剥離
強度を上げるためには、相対するヒートシール盤の内面
を互いに噛み合う構造、最も好ましくは、一方の内面を
綾目模様又は平目模様の凸条を形成し、他方の内面はこ
の凸条が嵌合する凹溝で形成された綾目模様にした熱シ
ール機器が使用される。なお、ヒートシール盤の構造と
して、上記一方の内面を平目模様とし、他方の内面も同
じような平目模様とした場合も考えられるが、直線同士
の噛み合わせは、完全な液密シールになり難く好ましく
ない。
【0023】なお、弱シール部についても一面を綾目模
様又は平目模様とし、他面を綾目模様にし、前記のよう
な内圧管理に利用することができる。しかし、弱シール
部は凹凸の噛み合わせが深過ぎると、薬液混合時の剥離
が困難になるので、ヒートシールバーの一方の凸条の先
端を切断し、断面が台形の凸条とすることにより、両盤
の噛み合わせ程度が弱くなり、強シール部よりは低い剥
離強度に調節することができる。
【0024】次に実施例及び比較例で本発明を説明す
る。 (実施例1〜8,比較例1〜9)本実施例は、前記図面
を用いた説明部分で説明した図面について具体的数値を
当てはめた場合のものである。輸液バッグをフィルム厚
み250μm,折径(偏平に折り畳んだ輸液バッグの
幅)190mmの線状低密度ポリエチレン製筒状フィル
ムを900mmの長さに切断し、図1に示したように上
下開口部を口部材7及び8と共に液密に熱シールして袋
状容器を作成した。該袋状容器の長さ方向中央部に、区
画シール部を形成するため、各種ヒートシールバーを使
用し、温度123℃,押圧力4Kg,押圧時間4sec
で押圧し、幅10mm×長さ180mmの長方形の弱シ
ール部10を形成した。更にその両側に、且つ弱シール
部に充分重ねて各種円形状のヒートシール盤をあてがっ
て強シール部を形成した。この場合のヒートシール条件
は、ヒートシール盤の温度145℃,押圧力4Kg,押
圧時間1.5secであった。次に、上下2室に合計90
0ミリリットルの水を充填し、各口部材を封じて115
℃×30min.のレトルト処理をした後、弱シール部
を剥離し、バッグ内の水温を5℃とし、1.5mの高さか
ら落袋させ、弱シール部と強シール部の境界における破
袋状況を目視観察し、評価結果は○(破袋、液漏れ無
し)、×(破袋、液漏れ有り)で表現し評価した。ま
た、輸液バッグを実情に合わせて吊るし、その表面のし
わ発生状況(輸液時の液流れを左右するほか、液面位置
観察、管理のし易さに影響)を目視観察し、評価結果
は、良(しわ無し)、悪(しわ有り)で表現し評価し
た。結果は第1表にまとめた。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】輸液バッグを、中央部に弱シール部を有
する区画シール部で複数室に分割し、各室に薬液を充填
し、弱シール部を剥離し各薬液を混合した場合、弱シー
ル部の両側に続く強シール部を、バッグ両側端部を弦と
し、特定の曲率半径と高さを有する部分円形状に形成し
ておけば、誤って落袋しても区画シール部における強シ
ール部と弱シール部の境界に於ける破袋又はピンホール
発生防止に非常に効果的であることが分かった。強シー
ル部表面及び裏面に綾目又は平目模様及び綾目模様を形
成した場合は、強シール部の剥離強度が更に上がった
が、上記強シール部と弱シール部の境界に於ける破袋等
の状況には影響はなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の輸液バッグの一実施例の平面図を示
す。
【図2】区画シール部の弱シール部を形成した状態を示
す。
【図3】弱シール部両端に重ね、輸液バッグ両側端に、
表面平滑な部分円からなる強シール部を形成した状態を
示す。
【図4】図3の強シール部の一方の表面に綾目模様を凹
溝で形成した状態を示す。
【図5】図4の強シール部の他方の表面に綾目模様を凸
条で形成した状態を示す。
【図6】図3の部分円に代えて、部分楕円として強シー
ル部を形成した状態を示す。
【図7】区画シール部における従来の形状の強シール部
と弱シール部とからなる区画シール部を示す。
【符号の説明】
1:輸液バッグ 2:側端 3:第1薬液室 4:第2薬液室 5:輸液バッグ上端の強シール部 6:輸液バッグ下端の強シール部 7:薬液充填又は取り出し口部材 8:薬液充填又は取り出し口部材 9:区画シール部 10:弱シール部 11:区画シール部の強シール部 13:綾目模様の凹状溝 14:綾目模様の凸条 16:従来の強シール部 17:従来の強シール部の先端部 S1 :強シール部の部分円の高さ S2 :強シール部の部分楕円の高さ
フロントページの続き (72)発明者 田中 信之 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両側端に折り目を有し、所望長さの偏平な
    筒状合成樹脂製フィルムで構成され、長さ方向の少なく
    とも片方の端部には、合成樹脂製薬液充填用又は取り出
    し用の口部材が挟持され、液密に取り付けられた強シー
    ル部が形成されてなる袋状容器であり、両端部間の中間
    部には袋状容器の巾方向に液密に区画シール部が形成さ
    れてなり、該区画シール部は袋状容器両側端部分の強シ
    ール部と、それに挟まれた中央部分の帯状の弱シール部
    とからなり、該強シール部は該弱シール部上下方向に対
    称に形成された、前記側端を弦とする、10mm<曲率
    半径R<35mm,3mm<高さS<10mmの部分円
    形状であることを特徴とする輸液バッグ。
  2. 【請求項2】区画シール部の強シール部は、一面には平
    目状又は綾目状凹溝が、他面には綾目状凸条が形成され
    てなり、該一面の平行な凹溝は該他面の平行な凸部と互
    いに背中合わせに形成されている請求項1記載の輸液バ
    ッグ。
  3. 【請求項3】区画シール部の強シール部の凹溝の深さ及
    び凸条の高さは、袋状容器の両側端に向かって順次大に
    形成されてなる請求項2記載の輸液バッグ。
  4. 【請求項4】両側端に折り目を有する偏平な筒状合成樹
    脂製フィルムを所望の長さに切断し、得られた上下両端
    部の少なくとも片方は合成樹脂製薬液充填用又は取り出
    し用の口部材を挟持させると共に、液密の強シール部を
    形成して袋状容器を成形し、次に前記両端部間の中間部
    において袋状容器の巾方向全長にわたる区画シール部を
    形成する輸液バッグの製造方法であって、区画シール部
    は、袋状容器の巾方向両側端部分の各強シール部と、そ
    れらに挟まれた中央部分の弱シール部とをこの順に、又
    は逆順に形成して得られ、該弱シール部は2本の帯状シ
    ールバーで圧接して形成し、強シール部は袋状容器の両
    側端の折り目を跨いで、それぞれ2枚の10mm<曲率
    半径R<35mmの円形状又は部分円形状シール盤で圧
    接し、折り目を弦とし、袋状容器内方に3mm<高さS
    <10mmを有し、しかも上記弱シール部の上下に対称
    に伸びる部分円形状に形成することを特徴とする輸液バ
    ッグの製造方法。
  5. 【請求項5】相対する2個のシール盤の一方の内面を平
    目状又は綾目状凸条に形成し、他方の内面を綾目状凹溝
    に形成し、両シール盤の凹溝及び凸条を互いに相対する
    位置に調節して区画シール部のうちの強シール部を形成
    する請求項4記載の輸液バッグの製造方法。
  6. 【請求項6】シール盤の一方の内面の平目状又は綾目状
    凸条の高さ及び他方の内面の綾目状凹溝の深さを、それ
    ぞれ両側端に向かって順次大にしたシール盤を使用する
    請求項5記載の輸液バッグの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10314272A (ja) * 1997-05-19 1998-12-02 Otsuka Pharmaceut Factory Inc 輸液バッグ
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JP2012020059A (ja) * 2010-07-16 2012-02-02 Terumo Corp 薬液充填済み医療用容器
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