JP2016202032A - アレルギー型薬物性肝障害の評価方法 - Google Patents

アレルギー型薬物性肝障害の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アレルギー型薬物性肝障害の免疫反応を正確に再現する系を提供すること。【解決手段】検査対象薬物を含有する培地中で、被検者由来の免疫細胞を、細胞は透過しないが薬物及びその代謝物は透過する膜を隔てた状態で、薬物代謝酵素を発現した肝細胞と共培養する工程、および前記工程後の免疫細胞を解析する工程、を含む、アレルギー型薬物性肝障害の評価方法。【選択図】図1

Description

本発明はアレルギー型薬物性肝障害の免疫動態を再現し、アレルギー型薬物性肝障害を正確に評価するための方法に関し、医薬及び医療の分野で有用な方法である。
薬物性肝障害(DILI)は、薬物療法を継続する過程において発現する副作用である。薬剤の使用頻度や、薬剤の種類が増加する近年、本疾患は増加してきており、時には劇症肝炎に至ることもある。薬物性肝障害はアレルギー性と中毒性の2つの発生機序に分けられる。中毒性肝障害は肝臓の代謝能力を上回る量の薬を服用することで起きるのに対し、アレルギー型薬物性肝障害は、薬物が肝臓で代謝された後の分子が、自分の体内にはない異物と認識されて抗原となり、アレルギー反応を引き起こす。しかし、実際にアレルギー反応が起こるかどうかは遺伝的要因等もあり個々の患者で異なるため、薬物投与前に患者ごとにアレルギー型薬物性肝障害の発症を予測することが求められる。このように、薬物性肝障害の診断は適切な投薬治療のために重要であるが、その原因の特定や診断はしばしば困難である。
薬物性肝障害をはじめとする薬物性遅延型アレルギー反応の検査方法としてリンパ球刺激試験(DLST)が存在する(非特許文献1)。この方法は薬剤に感作されたリンパ球が幼若化されるという現象をもとに開発された方法である。この方法では薬物の代謝産物やハプテンとして働く際のキャリア蛋白質が存在しないため、偽陰性が多く、陽性率約33%と低率である。これは薬物中間代謝産物によるアレルギー反応を検出できていないためと考えられている。
また、CYP3A4のsupersomesを用いて代謝産物に反応できる系が報告されている(非特許文献2)が、肝臓で代謝された際に放出される様々な液性因子との反応は観察出来なかった。
北見啓之 他:肝臓30:439-443,1989 Drug Metab. Phamacokinet. 27 (6):621-630(2012)
これまで、薬物性代謝産物や肝細胞から放出される様々な液性因子によるアレルギー反応を解析する方法が確立されていなかったため、薬物性肝障害を引き起こした際の免疫反応解析は非常に難渋していた。そこで、本発明は、薬物代謝産物とそのキャリアとなる蛋白質が同時に存在し、また肝細胞より放出される様々な蛋白質が存在するような薬物性肝障害の免疫反応を正確に再現できる系を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を行った。その結果、非常に小さな穴の空いた膜で隔てた上層に患者末梢血より分離した末梢血単核球を、下層に薬物代謝酵素を発現した肝細胞を培養し、そこへ原因薬物候補を加えることにより起こる免疫反応を評価する方法を確立し、これに基づいて、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)検査対象薬物を含有する培地中で、被検者由来の免疫細胞を、細胞は透過しないが薬物及びその代謝物は透過する膜を隔てた状態で、薬物代謝酵素を発現した肝細胞と共培養する工程、および
前記工程後の免疫細胞を解析する工程、を含む、アレルギー型薬物性肝障害の評価方法。(2)共培養工程が、液体培地を入れて底面に肝細胞を接着培養した第1の培養容器内に、底面に透過性膜を有する第2の培養容器を、肝細胞に接触せず、かつ液体培地が内部に収容される状態で設置し、当該第2の培養容器内で免疫細胞を入れて培養する工程である、(1)に記載のアレルギー型薬物性肝障害の評価方法。
(3)膜の孔サイズが直径0.20μm〜1.0μmである、(1)または(2)に記載のアレルギー型薬物性肝障害の評価方法。
(4)薬物代謝酵素がシトクロムP450である、(1)〜(3)のいずれかに記載のアレルギー型薬物性肝障害の評価方法。
(5)免疫細胞がヒト末梢血単核細胞である、(1)〜(4)のいずれかに記載のアレルギー型薬物性肝障害の評価方法。
(6)免疫細胞の解析が、免疫細胞の表面マーカーに対する抗体を使用したフローサイトメトリーで行われる、(1)〜(5)のいずれかに記載のアレルギー型薬物性肝障害の評価方法。
本発明の方法を用いることにより、薬物代謝産物や薬物投与により放出される肝細胞からの液性因子により引き起こされる免疫反応を正確に、また再現性よく検出することが可能となる。これにより、薬物性肝障害の免疫病態を正確に分析し、予測することが可能になるので、投薬方針の決定などに非常に有用である。
PBMCと肝細胞の薬剤存在下での共培養の模式図。 アデノウイルスベクターで導入した薬物代謝酵素の活性を示す図。縦軸は任意ユニットを示す。
本発明のアレルギー型薬物性肝障害の評価方法は、検査対象薬物を含有する培地中で、被検者由来の免疫細胞を、細胞は透過しないが薬物及びその代謝物は透過する膜を隔てた状態で、薬物代謝酵素を発現した肝細胞と共培養する工程、および前記工程後の免疫細胞を解析する工程、を含む。
薬物代謝酵素としては、ヒト由来のものが好ましく、その種類としては、シトクロムP450、ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、アルデヒド脱水素酵素、モノアミンオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼなどの酸化還元酵素、UDP−グルクロン酸転移酵素、UDP−スルフォン酸転移酵素、糖転移酵素、グルタチオンレダクターゼなどの抱合酵素あるいは加水分解酵素が例示されるが、その中ではシトクロムP450が好ましい。
ヒトシトクロムP450は、例えば、CYP1A1、CYP1A2、CYP1B1、CYP2A6、CYP2A13、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP2J2、CYP3A4、CYP3A5、CYP3A7、CYP4B1、CYP5A1、CYP8A1、CYP21等が挙げられる。
これらの薬物代謝酵素は公知の配列を有するものを使用することができるが、例えば、以下のGenBank Accession番号で登録された塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を有する酵素が挙げられる。ただし、配列は人種や個体差にもよって異なるのでこれらの配列には限定されず、これらのバリアント(例えば、アミノ酸配列の同一性90%以上の
配列を有するタンパク質)も当然使用可能である。
・CYP1A1:2.6 kbp, NM_000499
・CYP1A2:3.1 kbp, NM_000761
・CYP2C9:1.9 kbp, NM_000771
・CYP2C19:1.5 kbp, NM_000769
・CYP2D6:1.7 kbp, NM_000106
・CYP2E1:1.7 kbp, NM_000773
・CYP3A4:2.8 kbp, NM_017460
薬物代謝酵素を発現する肝細胞としては、ヒト肝臓から単離された細胞(初代培養細胞)でもよいが、哺乳動物由来の株化肝細胞、好ましくはヒト由来の株化肝細胞が挙げられ、具体的には、HuH-7細胞、HLE細胞、HepG2細胞、Hepa1-6細胞などが例示される。これらの株化肝細胞に目的の薬物代謝酵素をコードする遺伝子を一種類以上導入した細胞が特に好適に使用できる。
薬物代謝酵素をコードする遺伝子を細胞に導入するためには、例えば、薬物代謝酵素をコードする遺伝子を含む発現ベクターを使用することができる。発現ベクターの種類は特に制限されないが、哺乳動物細胞への遺伝子導入に好適なベクターとしては、プラスミドベクター;レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス等のウイルスベクターが挙げられる。このうち、アデノウイルスベクターは、遺伝子導入効率が極めて高く、非分裂細胞にも導入可能である等の利点を有する。
発現ベクターは宿主細胞で機能し得るプロモーターを含むことが好ましく、プロモーターとして具体的には、SV40由来初期プロモーター、サイトメガロウイルスLTR等のウイルス由来プロモーター、β−アクチン遺伝子プロモーター等の哺乳動物の構成蛋白質遺伝子プロモーター、並びにtRNAプロモーター等のRNAプロモーター等が挙げられる。発現ベクターは、さらに、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、SV40複製オリジン、転写終結シグナル、選択マーカー遺伝子(テトラサイクリン、アンピシリン、カナマイシン等の薬剤に対する抵抗性を付与する遺伝子等)等をさらに含有することもできる。なお、薬物代謝酵素遺伝子導入細胞は一過性に薬物代謝酵素遺伝子を発現するものでもよいし、恒常的に薬物代謝酵素遺伝子を発現するものでもよい。
また、薬物代謝酵素を発現する肝細胞は、ヒト多能性幹細胞から分化誘導された肝細胞であってもよい。ヒト多能性幹細胞としてはヒト人工多能性幹細胞やヒト胚性幹細胞などが挙げられるが、ヒト人工多能性幹細胞が好ましい。ヒト人工多能性幹細胞はヒト体細胞に所定の初期化因子を導入することで得られ、これに、肝細胞分化刺激を加えて培養することで、ヒト人工多能性幹細胞から分化誘導された肝細胞を得ることができる。ヒト人工多能性幹細胞から肝細胞への分化誘導法としては、例えば、再表2011/052504などに記載された方法が挙げられるがこれには限定されない。患者自身の体細胞から得られたヒト人工多能性幹細胞から分化誘導された肝細胞を評価に使用することで、患者に投与したときのアレルギー型薬物性肝障害の病態や発症の有無をより効率よく評価および予測することができる。
本発明の方法において、評価に供される薬剤の種類はヒトに投与され、肝臓で代謝されうる薬剤であれば特に制限されないが、例えば、抗菌薬、循環器薬、抗がん薬、消化器薬、免疫調整薬、精神神経薬、鎮痛薬などが挙げられる。評価系に添加する薬剤の濃度は適宜調節できるが、例えば、薬剤の血中濃度と同程度にすればよい。
肝細胞は好ましくは接着培養される。肝細胞の濃度(密度)は適宜調節できるが、例えば、50〜100%コンフルエントとすることができる。肝細胞の培養は、通常の哺乳動物の培養に使用される培地および培養条件を採用することができる。例えば、RPMI1640、
Ham's F12、DMEM、MEM又はこれらの混合培地等の基本培地を使用し、血清やアミノ酸やビタミン等、必要な栄養素を添加した培地を使用することができる。培養条件としては、例えば、pHは約6〜約8であり、培養温度は約30〜約40℃であり、O2濃度は約5〜20%であり、CO2濃度は約5%である。
このようにして培養された肝細胞に、評価対象薬物を含む培地(好ましくは無血清培地)を加え、さらに、同一培地中で、被検者由来の免疫細胞を、薬物およびその代謝物並びに肝細胞から放出される液性因子(サイトカインなどのタンパク質)が透過できる膜で肝細胞と隔てた状態で共培養する。このような膜の孔サイズは、細胞は透過せず、薬物およびその代謝物などの低分子化合物並びにタンパク質は透過するサイズであるが、例えば、直径0.20μm〜1.0μmであり、好ましくは直径0.30〜0.80μmである。膜の素材はこのような孔サイズを達成でき細胞培養を阻害しないものであれば特に制限されないが、例えば、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
共培養の態様は、薬物代謝酵素を発現する肝細胞と、被検者由来の免疫細胞が上記のような膜で隔てられた状態で、薬物を含む液体培地内で培養される態様であれば特に制限されないが、例えば、図1に示すように、薬物を含む液体培地を入れて底面に肝細胞を接着培養した第1の培養容器内に、底面に透過性膜を有する第2の培養容器を、肝細胞に接触せず、かつ液体培地が内部に収容される状態で設置し、当該第2の培養容器内で免疫細胞を入れて培養する態様が挙げられる。これにより、薬物に接触した薬物代謝酵素を発現する肝細胞が薬物を代謝し、また、液性因子を放出し、この代謝物や液性因子が膜を透過し、免疫細胞に作用することで、薬物代謝産物や肝細胞からの液性因子により引き起こされる免疫反応を正確に再現することができる。
なお、このような共培養の態様は、例えば、コーニング社のトランスウェルを使用して実施することができる。
肝細胞と共培養される、被検者由来の免疫細胞としては、被検者から単離されたリンパ球、単球、顆粒球、および/または樹状細胞などの免疫細胞を含む試料が使用できるが、末梢血単核細胞(PBMC)が好ましい。
共培養の培養時間は薬物の影響を評価するのに十分な時間であればよいが、例えば、1〜96時間である。共培養の際の培地や培養条件も上記の肝細胞の培養と同様とすることができる。
共培養後に、免疫細胞の解析を行う。免疫細胞の解析は、免疫細胞の数の解析、細胞形態の解析、細胞増殖率の解析などでもよいが、各種免疫細胞に発現するマーカー分子の解析が好ましい。マーカー分子の解析はRT-PCRやハイブリダイゼーションアッセイなどのmRNAの発現量の解析でもよいが、各マーカー分子に対する抗体を用いた免疫学的アッセイが好ましい。免疫学的アッセイとしては、ELISAや免疫染色でもよいが、マーカーが膜タンパク質である場合は、各マーカー分子に対する抗体を用いたフローサイトメトリーがより好ましい。
樹状細胞(DC)としては、骨髄系樹状細胞(MDC)1、骨髄系樹状細胞(MDC)2、形質細胞様樹状細胞 (pDC)などが含まれ、DC系の細胞表面マーカーとしては、CD14, CD16, CD33, CD116, CD274, HLA-DR などが例示される。本発明者らの検討により、アレルギー型薬物性肝障害患者群では、それ以外の急性肝炎群と比較してMDC1の数が有意に低下することが確認できているので、共培養後にMDC1マーカーの解析を行うことにより、薬物がアレルギー型薬物性肝障害を起こし得るかを評価することができる。
T細胞としては、CD4+T細胞、CD8+T細胞、制御性T細胞(Treg)などが含まれ、T細胞系
の細胞表面マーカーとしては、CD3, CD4, CD8a, CD25, CD127, CD279, PD-1などが挙げられる。本発明者らの検討により、アレルギー型薬物性肝障害患者群では、それ以外の急性肝炎群と比較してTregの数が有意に低下することが確認できているので、共培養後にTregマーカーの解析を行うことにより、薬物がアレルギー型薬物性肝障害を起こし得るかを評価することができる。
ナチュラルキラー(NK)細胞やナチュラルキラーT(NKT)細胞の細胞表面マーカーとしては、CD3, CD16, CD56, CD314, NKG2Dなどが例示される。本発明者らの検討により、アレルギー型薬物性肝障害患者群では、健常者群と比較してNKT細胞の数が有意に低下することが確認できているので、共培養後にNKT細胞マーカーの解析を行うことにより、薬物がアレルギー型薬物性肝障害を起こし得るかを評価することができる。
単球系細胞としては、骨髄由来抑制細胞(MDSC)、顆粒球、単球、マクロファージなどが含まれ、単球系細胞の細胞表面マーカーとしては、CD11b, CD14, CD16, CD33, PD-L1, HLA-DRなどが例示される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の態様に限定されない。
<試薬>
・培養培地A
D-MEM (High Glucose) (Wako:043-30085) 500ml
MEM-NEAA (Gibco: 11140-050) 5ml
ウシ胎児血清 (Japan Bioserum:S1560) 50ml
・D-PBS(-) (Wako:045-29795)
・CYP3A4発現増殖欠失型アデノウイルスベクター(Ad-CYP3A4)はpAd/CMV/V5-DEST(Invtrogen)にCYP3A4遺伝子(GenBank Accession NO. NM_017460)を導入することにより作製された(東北薬科大学環境衛生学教室より譲渡)。このベクターをHEK293細胞に導入して増殖欠失型アデノウイルスを産生させ、HepG2への感染に使用した。
・CYP3A4の活性は、P450-Glo-CYP3A4 Assay System(Promega)とLuciferin-IPA(Promega: V9002)およびLuciferin Detection Reagent(LDR:Promega)を用いて測定した。
・共培養は、24well plateに、Cell culture insert (0.4μm pore size) (FALCON:35-3095)を装着し、以下の2つの培地を等量混合した無血清培地を使用して行う。
Macrophage-SFM(1×) (gibco:12065-074)
Hepato ZYME-SFM(1×)(gibco:17705-021)
培養は、下記6日間の工程で行う。
〈DAY1〉HepG2細胞の播種
HepG2細胞を培養培地Aに溶解し、24well plate(Falcon:353504)に1.0×105cells/1000μl/wellで播種し、37℃、5%CO2条件で培養する。
〈DAY2〉CYP3A4導入(アデノウイルス感染)
24well plateの各wellから培養培地Aを吸引し、1ウェルあたり、Ad-CYP3A4 1.0×105 PFU/μlを40μlとDMEM960μlを添加する(20MOI)。同様にnegative controlとして、1ウェルあたり、Ad-LacZ 1.0×105 PFU/μlを40μl/wellとDMEM960μlを添加する(20MOI)。
〈DAY4〉CYP3A4活性測定
24well plateの各wellをPBS 300μlで洗浄した後、Luciferin-IPA含有培地を300μl/well添加し、5%CO2 incubatorで60分培養する。培養後、Luciferin-IPA含有培地40μlとLDR40μl をwhite plateに入れ、遮光の上、室温で20分間反応させ、その後Luminoscan Asent(Thermo Scientific)で測定しCYP3A4の活性を測定する。結果を図2に示す。
(PBMCとの共培養)
24well plateからウイルス含有培養上清を吸引後、PBS 300μl/wellで洗浄し、その後評価薬物を混ぜた上記無血清培地 1000μlを24well plateに入れる。Cell culture insertを各wellに載せ、その中に患者末梢血単核球(PBMC)を1.0×106 cells/1000μl/wellを入れ、5% CO2 incubatorで48時間共培養する。
〈DAY6〉
上層(Cell culture insert内)よりPBMCを含む培養液を回収し、それを3000rpm,5minでspin downし、上清を廃棄する。その後、PBMCを含むペレットをPBS100μl/系統で溶解し、100μlずつ分け、各種細胞表面マーカーに対する抗体と、FACSCantoII(BD Biosciences)を用いて免疫細胞頻度を測定する。
シングルステインに用いる抗体は下記のものが挙げられる。
(1)FITC anti-human:CD3(5μl/tube) (BioLegend, #317306)
(2)PE anti-human:CD4(5μl/tube) (BioLegend, #317410)
(3)APC anti-human:CD8a(2μl/tube)(BioLegend, #301014)
(4)PE/Cy7 anti-human:CD8a(2μl/tube) (BioLegend, #300914)
(5)PerCP/Cy5.5 anti-human:CD279(2μl/tube)(BioLegend, #329914)
(6)APC/Cy7 anti-human:CD25(2μl/tube) (BioLegend, #302614)
(7)Pacific Blue anti-human:CD56(2μl/tube)(BioLegend, #318326)
(8)Unstain
(9)Isotype (下記それぞれ5μl/tube)
Percp/Cy5.5 Mouse IgG1 k (BioLegend, #400149)
PE/Cy7 Mouse IgG2a k (BioLegend, #400231)
APC Mouse IgG1 k (BioLegend, #400120)
APC/Cy7 Mouse IgG2a k (BioLegend, #400229)
PE Mouse IgG2b k (BioLegend, #400313)
(10)死細胞染色:Amician(1μl/tube) (BioLegend , Zonbie AquaTM #423102)
DC系
(1)CD1c:APC/Cy7 anti-human 5μl/test (BioLegend, #331520)
(2)CD303:PerCP/Cy5.5 anti-human 5μl/test (BioLegend, #354210)
(3)CD304:PE/Cy7 anti-human 5μl/test (BioLegend, #354508)
(4)CD274:PE anti-human 5μl/test (BioLegend, #329706)
(5)CD14:FITC anti-human 5μl/test (BioLegend, #325604)
(6)CD19:FITC anti-human 5μl/test (BioLegend, #302206)
(7)CD86:Pacific Blue anti-human 5μl/test (BioLegend, #305423)
(8)CD141:APC anti-human 5μl/test (BioLegend, #344106)
Treg系
(1)CD8a:PE/Cy7 anti-human 5μl/test (BioLegend, #300914)
(2)CD25:APC/Cy7 anti-human 5μl/test (BioLegend, #302614)
(3)CD127:Pacific Blue anti-human 5μl/test (BioLegend, #351306)
(4)CD279:PerCP/Cy5.5 anti-human 5μl/test (BioLegend, #329914)
(5)CD3:FITC anti-human 5μl/test (BioLegend, #317306)
(6)CD4:PE anti-human 5μl/test (BioLegend, #317410)
NK/NKT系
(1)CD56:Pacific Blue anti-human 2μl/test (BioLegend, #318326)
(2)CD16:PE/Cy7 anti-human 5μl/test (BioLegend, #302016)
(3)CD3:FITC anti-human 5μl/test (BioLegend, #317306)
(4)CD314:APC anti-human 5μl/test (BioLegend, #320808)
MDSCs系
(1)CD274:PE anti-human 5μl/test (BioLegend, #329706)
(2)CD33 :APC anti-human 5μl/test (BioLegend, #303408)
(3)CD116:PerCP/Cy5.5 anti-human 5μl/test (BioLegend, #301328)
(4)CD14 :APC/Cy7 anti-human 5μl/test (BioLegend, #325620)
(5)CD16 :Pacific Blue anti-human 5μl/test (BioLegend, #302032)(6)HLA-DR:PE/Cy7 anti-human 5μl/test (BioLegend, #307616)
それぞれの抗体を混ぜ、マスターmixを作成し、添加する。氷冷下で15分反応させた後
PBS1mlを入れ、3000rpm 5minで遠心し、上清を廃棄し、PBS(+1〜2%PFA)300μlを入れて溶解し、FACS tubeへ入れ、FACS canto IIで測定する。

Claims (6)

  1. 検査対象薬物を含有する培地中で、被検者由来の免疫細胞を、細胞は透過しないが薬物及びその代謝物は透過する膜を隔てた状態で、薬物代謝酵素を発現した肝細胞と共培養する工程、および
    前記工程後の免疫細胞を解析する工程、を含む、アレルギー型薬物性肝障害の評価方法。
  2. 共培養工程が、液体培地を入れて底面に肝細胞を接着培養した第1の培養容器内に、底面に透過性膜を有する第2の培養容器を、肝細胞に接触せず、かつ液体培地が内部に収容される状態で設置し、当該第2の培養容器内で免疫細胞を入れて培養する工程である、請求項1に記載のアレルギー型薬物性肝障害の評価方法。
  3. 膜の孔サイズが直径0.20μm〜1.0μmである、請求項1または2に記載のアレルギー型薬物性肝障害の評価方法。
  4. 薬物代謝酵素がシトクロムP450である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアレルギー型薬物性肝障害の評価方法。
  5. 免疫細胞がヒト末梢血単核細胞である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアレルギー型薬物性肝障害の評価方法。
  6. 免疫細胞の解析が、免疫細胞の表面マーカーに対する抗体を使用したフローサイトメトリーで行われる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアレルギー型薬物性肝障害の評価方法。
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