JP2016200842A - 偏光板の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】偏光フィルムの片面または両面に透明フィルムが貼合されてなる偏光板の製造方法であって、透明フィルムの片面または偏光フィルムの片面もしくは両面に、活性エネルギー線硬化型の接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、透明フィルムが偏光フィルムの片面または両面に前記接着剤を介して積層されてなる積層体に圧力を加えることで、透明フィルムと偏光フィルムとを貼合する貼合工程と、積層体を搬送方向に回転するロールに密着させた状態で搬送する間に、積層体に活性エネルギー線を照射して前記接着剤を硬化させる第1の活性エネルギー線照射工程とをこの順で備え、上記ロールの表面粗さの最大高さRyが0.4〜12Sである、偏光板の製造方法である。
【選択図】図1
Description
(偏光フィルム)
本発明の偏光板の製造方法に用いられる偏光フィルムは、具体的には、一軸延伸したポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものである。ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリビニル酢酸系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他に、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体)などが挙げられる。酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体としては、他に、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、85モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは98〜100モル%である。ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、通常1000〜10000、好ましくは1500〜5000である。これらのポリビニルアルコール系樹脂は、変性されていてもよく、たとえばアルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなども使用し得る。
本発明において、上述した偏光フィルムの片面または両面には透明フィルムが貼合される。透明フィルムを構成する材料としては、たとえば、シクロオレフィン系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリプロピレンなど、当分野において従来より広く用いられてきているフィルム材料を挙げることができる。偏光フィルムの両面に透明フィルムが貼合される場合、各々の透明フィルムは同じものであってもよく、異なる種類のフィルムであってもよい。
偏光フィルムと透明フィルムとは、活性エネルギー線硬化型の接着剤を介して貼合される。活性エネルギー線硬化型の接着剤としては、耐候性や屈折率、カチオン重合性などの観点から、活性エネルギー線の照射により硬化するエポキシ樹脂を含有するエポキシ系樹脂組成物からなる接着剤が挙げられる。ただし、これに限定されるものではなく、従来から偏光板の製造に使用されている各種の活性エネルギー線硬化型の接着剤(有機溶剤系接着剤、ホットメルト系接着剤、無溶剤型接着剤など)、たとえばアクリルアミド、アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどのアクリル系樹脂組成物からなる接着剤などが採用可能である。
(i)次式(IX)で示されるエポキシシクロペンチルエーテル類:
上記例示した脂環式エポキシ樹脂の中でも、次の脂環式エポキシ樹脂は、市販されているか、またはその類似物であって、入手が比較的容易である等の理由からより好ましく用いられる。
(B)4−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と(4−メチル−7−オキサ−ビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとのエステル化物[式(I)において、R1=4−CH3、R2=4−CH3の化合物]、
(C)7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボン酸と1,2−エタンジオールとのエステル化物[式(II)において、R3=R4=H、n=2の化合物]、
(D)(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとアジピン酸とのエステル化物[式(III)において、R5=R6=H、p=4の化合物]、
(E)(4−メチル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールとアジピン酸とのエステル化物[式(III)において、R5=4−CH3、R6=4−CH3、p=4の化合物]、
(F)(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)メタノールと1,2−エタンジオールとのエーテル化物[式(V)において、R9=R10=H、r=2の化合物]。
次に図面を参照しながら本発明の偏光板の製造装置および製造方法を説明する。図1は本発明の偏光板の製造方法に用いられる製造装置の一実施形態を示す概略図である。
透明フィルム2,3への接着剤の塗工方法は特に限定されないが、例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなど、種々の塗工方式が利用できる。このうち、薄膜塗工、パスラインの自由度、幅広への対応などを考慮すると、接着剤塗工装置11,12としてはグラビアロールが好ましい。
本工程では、ロール状に巻回された状態から連続的に繰り出された偏光フィルム1の両面に、上記工程により接着剤が塗布された透明フィルム11,12が接着剤を介して積層される。この積層体を、搬送方向に回転する一対の貼合ロール51,52の間に挟んだ状態で、例えば貼合ロール51を貼合ロール52の方向に押圧することで、偏光フィルム1と透明フィルム2,3とが貼合され、積層体4が形成される。この際、貼合ロールの押圧方向に垂直な面に対して±3°の範囲内の角度をなすように、好ましくは±1°の範囲内の角度をなすように、特に好ましくは押圧方向に垂直な面と重なるようにして偏光フィルムを貼合ロール間に搬送することが好ましい。このようにすることで、偏光フィルムと透明フィルムが貼合ロールの手前で接触して気泡が発生してしまうことがない。
ロール13は、外周面が所定の表面粗さを有する凸曲面を構成しており、その表面に積層体4を密着させながら搬送し、その過程で活性エネルギー線照射装置31,32により接着剤を重合硬化させる。接着剤を重合硬化させ、積層体4を充分に密着させる上で、ロール13の直径は特に限定されない。ロール13は、ライン速度に応じた回転速度で回転駆動されるが、上記貼合ゴムロールの回転速度を100とすると100.1以上かつ102.0以下であることが好ましい。また、ロール13は、活性エネルギー線の照射による重合硬化時に、積層体4に生じる熱を放熱させるための冷却ロールとして作用させてもよい。その場合、冷却ロールの表面温度は、4〜30℃に設定されることが好ましい。
活性エネルギー線照射装置31,32による活性エネルギー線の積算光量が不十分な場合は、さらに第2以降の活性エネルギー線照射装置16〜18を設け、活性エネルギー線を追加照射させ、積層体4の接着剤の硬化を促進することが好ましい。第1の活性エネルギー線照射工程とあわせた全工程における積算光量が10mJ/cm2以上、好ましくは10〜5,000mJ/cm2となるように設定されることが好ましい。上記接着剤への積算光量が10mJ/cm2未満であると、開始剤由来の活性種の発生が十分でなく、接着剤の硬化が不十分となる。一方でその積算光量が5,000mJ/cm2を超えると、照射時間が非常に長くなり、生産性向上には不利なものとなる。この際、使用するフィルムや接着剤種の組み合わせなどによって、どの波長領域(UVA(320〜390nm)やUVB(280〜320nm)など)での積算光量が必要かは異なる。
積層体(偏光板)4を巻き取る張力を30N/cm2〜150N/cm2とする。好ましくは、30N/cm2〜120N/cm2である。30N/cm2未満では長尺のロール巻きを移送する際、巻きズレが起きるため好ましくない。150N/cm2より大きい場合は、巻き締まりが強く、タルミが発生し易い。
(偏光フィルムの作製)
ポリビニルアルコールの原反フィルムとしては、重合度2400、ケン化度99.9モル%、厚み75μm、幅3000mmの長尺のポリビニルアルコールフィルム「OPLフィルム M−7500(日本合成製)」を用いた。延伸は、処理槽前後の駆動ニップロールに周速差をつけて行った。
透明フィルムとして、厚さ60μmおよび50μmのシクロオレフィン系樹脂フィルム「ゼオノア(ZEONOR)」(日本ゼオン(株)製)を準備した。
cm)から照射される紫外線中を通過させて第2の活性エネルギー線照射工程を行ない偏光板を作製した。
実施例1の偏光板の表面を目視にて評価したところ、波板状うねりは観察されなかった。結果を表1に示す。
本実施例において、冷却ロールの外周面の表面粗さを表面粗さ測定器(商品名:ハンディサーフ E-35B、東京精密社製)で測定したところ、表面粗さの最大高さRyは4.0Sであった。それ以外は、実施例1と同様にして実施例2の偏光板を作製した。
実施例2の偏光板の表面を目視にて評価したところ、波板状うねりは観察されなかった。結果を表1に示す。
本実施例において、冷却ロールの外周面の表面粗さを表面粗さ測定器(商品名:ハンディサーフ E-35B、東京精密社製)で測定したところ、表面粗さの最大高さRyは10.
0Sであった。それ以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。
この偏光板の表面を目視にて評価したところ、波板状うねりは観察されなかった。結果を表1に示す。
本比較例において、冷却ロールの外周面の表面粗さを表面粗さ測定器(商品名:ハンディサーフ E-35B、東京精密社製)で測定したところ、表面粗さの最大高さRyは0.2Sであった。それ以外は、実施例1と同様にして比較例1の偏光板を作製した。
比較例1の偏光板の表面を目視にて評価したところ、波板状うねりが観察された。結果を表1に示す。
Claims (5)
- 偏光フィルムの片面または両面に透明フィルムが貼合されてなる偏光板の製造装置であって、
前記偏光フィルムと前記透明フィルムとが活性エネルギー線硬化型の接着剤を介して積層されてなる積層体を、搬送方向に回転するロールに密着させた状態で搬送する間に、前記積層体に活性エネルギー線を照射して前記接着剤を硬化させる第1の活性エネルギー線照射部を備え、
前記ロールの表面粗さの最大高さRyが0.4〜12Sである、偏光板の製造装置。 - 前記第1の活性エネルギー線照射部の前に、前記積層体に圧力を加える貼合部を備える、請求項1に記載の偏光板の製造装置。
- 前記貼合部は、前記積層体を挟んだ状態でこれに圧力を加える、金属ロールとゴムロールとからなる一対の貼合ロールを備え、
前記第1の活性エネルギー線照射部における前記ロールの回転速度は、前記貼合部の前記ゴムロールの回転速度を100とすると100.1以上かつ102.0以下である、請求項2に記載の偏光板の製造装置。 - 前記第1の活性エネルギー線照射部における前記ロールは冷却ロールである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板の製造装置。
- 前記透明フィルムは厚さが200μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板の製造装置。
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