JP2016200369A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来より広範囲にわたる種類及び包装状態の食品の解凍状態を検出することができる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫において、内部に収容された食品を凍結点以上の温度環境に維持可能な貯蔵室である例えばチルド室3と、貯蔵室内に収容された食品の色を検出するカメラ15と、基準時点からの、カメラ15により検出された食品の色の変化量を検出する色変化量検出部21と、色変化量検出部21により検出された食品の色の変化量に基づいて、当該食品の解凍を検知する食品解凍検知部22と、を備えた構成とする。
【選択図】図2

Description

この発明は、冷蔵庫に関するものである。
従来における冷蔵庫においては、非接触で温度を検出するマトリクス状もしくはアレイ状に配された複数個の検出素子からなる温度分布検出手段を備え、この温度分布検出手段によって冷蔵室や冷凍室等の室内に収納された貯蔵物の表面温度を検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、貯蔵室内の食品の温度を接触又は非接触で検知する食品温度検知装置と、食品温度検知装置が検知した食品温度が、貯蔵室の設定温度より低い所定の低温度である場合に貯蔵室内ファンを動作させて貯蔵室内の空気を強制対流させる解凍運転を行うものも従来において知られている(例えば、特許文献2参照)。
あるいは、水分を含む水分含有物を冷却又は放熱する冷却放熱装置と、水分含有物に波長0.1mm〜100mmのミリ波を照射するミリ波照射装置と、水分含有物を透過したミリ波を検出するミリ波検出装置と、ミリ波の照射出力と検出出力から水分含有物の吸収量を演算し水分含有物の相変化状態を検出する相変化検出装置と、検出された相変化状態から冷却放熱装置を制御する冷解凍制御装置と、を備えた冷凍解凍装置も従来において知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−071252号公報 特開2012−042137号公報 特開2012−122680号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に示された従来における冷蔵庫においては、例えばトレイに入れられてラップがかけられた薄切り肉やタッパーに入った食品のように、解凍したい食品の包装と食品の間に空隙がある場合には、当該食品の解凍状態を正確に検知できない可能性がある。また、特許文献3に示された従来技術では、多様な物質の複合体である食品では氷結晶以外の含有物質により光の散乱又は吸収が起きるため、外乱要素が大きく水分含有量の大きな食品でなければ、当該食品の解凍状態を正確に検知できない可能性がある。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、従来より広範囲にわたる種類及び包装状態の食品の解凍状態を検出することができる冷蔵庫を得るものである。
この発明に係る冷蔵庫においては、内部に収容された食品を凍結点以上の温度環境に維持可能な貯蔵室と、前記貯蔵室内に収容された食品の色を検出する色検出手段と、基準時点からの、前記色検出手段により検出された食品の色の変化量を検出する色変化量検出手段と、前記色変化量検出手段により検出された食品の色の変化量に基づいて、当該食品の解凍を検知する食品解凍検知手段と、を備えた構成とする。
この発明に係る冷蔵庫においては、従来より広範囲にわたる種類及び包装状態の食品の解凍状態を検出することができるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係る家庭用冷蔵庫の側断面図である。 この発明の実施の形態1に係る家庭用冷蔵庫の機能的な構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る家庭用冷蔵庫の解凍制御の一例を示すフロー図である。 この発明の実施の形態1に係る家庭用冷蔵庫の解凍制御時のタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1に係る家庭用冷蔵庫の食品解凍時の色の変化量の一例を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る家庭用冷蔵庫の解凍制御の他の例を示すフロー図である。
この発明を添付の図面を参照しながら説明する。各図を通じて同符号は同一部分又は相当部分を示している。同符号の部分についての重複説明は適宜に簡略化あるいは省略する。
実施の形態1.
図1から図6は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1は家庭用冷蔵庫の側断面図、図2は家庭用冷蔵庫の機能的な構成を示すブロック図、図3は家庭用冷蔵庫の解凍制御の一例を示すフロー図、図4は家庭用冷蔵庫の解凍制御時のタイミングチャート、図5は家庭用冷蔵庫の食品解凍時の色の変化量の一例を示す図、図6は家庭用冷蔵庫の解凍制御の他の例を示すフロー図である。
図1に示すように、この発明の実施の形態1に係る家庭用の冷蔵庫本体1は、複数の異なる温度帯の貯蔵室を備えている。これらの複数の貯蔵室は、発泡ウレタン等の断熱部材からなる断熱筐体内において仕切られて設けられている。これらの貯蔵室は、具体的にここでは、冷蔵室2、チルド室3、切替室4、製氷室5、冷凍室6及び野菜室7である。貯蔵室は、冷蔵庫本体1において上下方向に4段構成となって配置されている。
冷蔵室2及びチルド室3は、冷蔵庫本体1の最上段に配置されている。冷蔵室2の前面部には扉が開閉自在に設けられている。冷蔵室2の内部の最下段は仕切られており、チルド室3が設けられている。チルド室3には、引出し式の容器が備えられている。チルド室3は、冷蔵室2の内部に設けられているが、冷蔵室2より低い温度を保つことができる貯蔵室である。
冷蔵室2の1つ下段、すなわち、冷蔵庫本体1の上から2段目には、切替室4及び製氷室5が配置されている。これらの切替室4及び製氷室5は、冷蔵庫本体1の上から2段目において左右に並べて配置されている。このため、図1においては、これらの切替室4及び製氷室5が図面に向かって奥行き方向に重なっている。切替室4は、使用者が操作パネル8を操作することにより、予め定められた複数の設定温度のうちから所望の温度を選択し、室内の温度を切り替えることができる。
切替室4及び製氷室の1つ下段、すなわち、冷蔵庫本体1の上から3段目には、野菜室7が配置されている。野菜室7は、主に野菜や容量の大きな(例えば2L等)の大型ペットボトル等を収納するためのものである。野菜室7の1つ下段、すなわち、冷蔵庫本体1の最下段には、冷凍室6が配置されている。冷凍室6は、主に貯蔵対象を比較的長期にわたって冷凍保存する際に用いるためのものである。
切替室4、製氷室5、冷凍室6及び野菜室7の各貯蔵室は、引出し状に構成されている。すなわち、これらの貯蔵室は、冷蔵庫本体1内に収容された状態から、それぞれの前面に設けられた前板部を持って手前側へと引き出すことができるようになっている。また、冷蔵庫本体1内に収容した際には、前板部により密閉され、内部の冷気が外部へと漏出することがないようになっている。
冷蔵室2の扉の前面には、操作パネル8が設けられている。この操作パネル8を使用者が操作することで、各貯蔵室の温度調整等を指定することができる。また、操作パネル8に現在の運転状況等の各種情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示装置を設けるようにしてもよい。
冷蔵庫本体1は、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する冷凍サイクル回路を備えている。冷凍サイクル回路は、圧縮機9、凝縮器(図示せず)、絞り装置(図示せず)及び冷却器10等によって構成されている。圧縮機9は、冷凍サイクル回路内の冷媒を圧縮し吐出する。凝縮器は、圧縮機9から吐出された冷媒を凝縮させる。絞り装置は、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる。冷却器10は、絞り装置で膨張した冷媒によって各貯蔵室へ供給する空気を冷却する。圧縮機9は、例えば、冷蔵庫本体1の背面側の下部に配置される。
冷蔵庫本体1には、冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するための風路11が形成されている。この風路11は、主に冷蔵庫本体1内の背面側に配置されている。冷凍サイクル回路の冷却器10は、この風路11内に設置される。また、風路11内には、冷却器10で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための送風機12も設置されている。
送風機12が動作すると、冷却器10で冷却された空気(冷気)が風路11を通って各貯蔵室へと送られる。風路11は、各貯蔵室に設けられた冷気吹き出し口に通じている。風路11内の冷気は、冷気吹き出し口を通って各貯蔵室内へと供給される。各貯蔵室内に送られた冷気は、それぞれの貯蔵室内の収容物を冷却した後、図示しない戻り風路を通って冷却器10のある風路11内へと戻される。そして、冷却器10によって再度冷却されて、冷蔵庫本体1内を冷気が循環される。
風路11からそれぞれの貯蔵室へと通じる中途の箇所には、図示しないダンパが設けられている。各ダンパは、風路11の各貯蔵室へと通じる箇所を開閉する。ダンパの開閉状態を変化させることで、各貯蔵室へと供給する冷気の送風量を調節することができる。また、冷気の温度は圧縮機9の運転を制御することに調節することができる。
冷蔵庫本体1の例えば背面側の上部には、制御基板13が収容されている。制御基板13には、冷蔵庫本体1の動作に必要な各種の制御を実施するための制御回路等が搭載されている。制御基板13に搭載される制御回路として、例えば、各貯蔵室内の温度及び操作パネル8に入力された情報等に基づいて圧縮機9及び送風機12の動作並びにダンパの開閉を制御するための回路が挙げられる。
また、他の例として、外部機器との通信を行うための回路も挙げられる。冷蔵庫本体1と通信する外部機器としては、例えば、スマートフォン等の携帯端末がある。使用者は携帯端末で専用アプリケーションを実行することで、例えば、当該携帯端末を操作して設定温度の変更を指示したり、庫内状況を確認したりすることができるようにすることが考えられる。
冷蔵室2の扉の開閉部には扉開閉検知センサ14が取り付けられている。扉開閉検知センサ14は、冷蔵室2の扉の開閉状態に応じて開閉検知信号を出力する。扉開閉検知センサ14から出力された開閉検知信号は、制御基板13に入力される。制御基板13は、扉開閉検知センサ14の開閉検知信号に基づいて、例えば、圧縮機9、送風機12及びダンパの少なくともいずれかを制御したり、扉の開状態又は閉状態の時間を計測したりする。計測した扉の開状態又は閉状態の時間は、操作パネル8の表示装置等を用いて使用者に知らせてもよい。
また、扉開閉検知センサ14により扉が開状態であることが一定時間以上継続して検知された場合には、例えばブザー音等を鳴らして使用者の注意を喚起するようにしてもよい。なお、ここでは、扉開閉検知センサ14は、冷蔵室2の扉についてのみ図示しているが、その他の貯蔵室の扉についても同様に扉の開閉を検知するセンサ(図示省略)が設けられている。
以上のように構成された冷蔵庫本体1は、内部に収容された食品を凍結点以上の温度環境に維持可能な貯蔵室を備えている。ここでは、例えばチルド室3がこのような貯蔵室であるとして説明する。他に例えば、操作パネル8等で設定することにより、切替室4をこのような貯蔵室として用いることも可能である。
内部に収容された食品を凍結点以上の温度環境に維持可能な貯蔵室であるチルド室3内には、カメラ15及び温度センサ16が設置されている。カメラ15は、内部に収容された食品を凍結点以上の温度環境に維持可能な貯蔵室であるチルド室3内に収容された食品の画像を撮影する。カメラ15により撮影された画像には、チルド室3内に収容された食品の色に関する情報が含まれている。すなわち、カメラ15はチルド室3内に収容された食品の色を検出可能なセンサであり、この意味で、カメラ15はチルド室3内に収容された食品の色を検出する色検出手段を構成している。
カメラ15は、ここでは、チルド室3内の背面と上面との隅角部に取り付けられている。また、カメラ15は、チルド室3内を照らす光源と一体化されている。温度センサ16は、チルド室3内の温度を検出するためのものである。
以上のように構成された冷蔵庫本体1の制御機能について、図2を参照しながら説明する。なお、これから説明する制御機能は、主に制御基板13に搭載された制御回路により実現されている。前述したように、カメラ15は色検出手段を構成しており、カメラ15により撮影された画像にはチルド室3内の食品の色に関する情報が含まれている。
色変化量検出部21は、カメラ15により撮影された画像に基づいて、基準時点からの、色検出手段すなわちカメラ15により検出された食品の色の変化量を検出する。この基準時点としては、例えば、チルド室3内に当該食品が収容された時点とする。なお、チルド室3内に食品が収容されたか否かは、例えば、カメラ15により撮影された画像から判断することができる。
色変化量検出部21が検出する色の変化量としては、色に関する種々の指標値を用いることができる。具体的に例えば、可視光領域における強度分布(分光スペクトル)の変化、あるいは、可視光領域中の1以上の特定の波長(周波数)の強度変化を利用して色の変化を定量化することができる。
また、色彩を相対的な数値の組として表現するための各表色系で用いられる各属性値を利用することで、色の変化を定量化することもできる。ここでは、色の変化量として、L(CIELAB)表色系におけるb値の変化量を用いる。すなわち、色変化量検出部21は、L表色系におけるb値の変化量を食品の色の変化量として検出するものとする。
なお、L表色系におけるb値は、当該色の青と黄色との間の位置を示すものである。bの値が正で絶対値が大きくなるほど黄色成分が強くなる。また、bの値が0に近いほど無彩色に近くなる。なお、bの値が負で絶対値が大きくなるほど青成分が強くなる。
食品解凍検知部22は、色変化量検出部21により検出された食品の色の変化量に基づいて、チルド室3内の食品の解凍を検知する。前述したように、ここでは、色変化量検出部21により検出される食品の色の変化量は、b値の変化量である。したがって、ここでは、食品解凍検知部22は、b値の変化量が予め定められた基準値以上である場合に、当該食品が解凍したことを検知する。
報知部23は、食品解凍検知部22がチルド室3内の食品が解凍したことを検知した場合に、チルド室3内の食品が解凍した旨を使用者に報知する。報知部23は、食品が解凍したことを、例えば、操作パネル8に設けられたLEDを用いて使用者に報知する。LEDを用いた報知方法の具体例としては、解凍中は「解凍」のLEDを点灯させ、解凍が終了したら「解凍」のLEDを点滅させる等が考えられる。あるいは、操作パネル8の表示装置を用いたり、使用者が所持する携帯端末(スマートフォン等)を用いたり、ブザー音又はチャイム音を鳴らしたりして使用者に報知してもよい。
温度センサ16は、前述したようにチルド室3内の温度を検出する貯蔵室温度検出手段である。そして、食品解凍制御部24は、貯蔵室温度検出手段である温度センサ16が検出したチルド室3内の温度に基づいて、食品が収容されているチルド室3内の温度環境を制御して当該食品を解凍する解凍制御を行う。チルド室3内の温度環境の制御は、前述したように、圧縮機9及び送風機12の動作並びにダンパの開閉を制御することで行うことができる。
食品解凍制御部24は、食品解凍検知部22によりチルド室3内の食品が凍結していることが検知されると、当該食品を解凍する解凍制御を開始する。この解凍制御においては、チルド室3内の温度が当該食品の凍結点以上となるように維持される。この際、ダンパの開閉、冷蔵室2等での温度変動がある場合には、高温側への温度変動時間を延長するようにしてもよい。そして、食品解凍検知部22が当該食品の解凍を検知すると、食品解凍制御部24は当該食品の解凍制御を終了する。
食品種類検出部26は、カメラ15により撮影された画像に基づいて、チルド室3内に収容された食品の種類を検出する。食品の種類としては、具体的に例えば、肉、魚、野菜及びその他加工食品等が考えられる。なお、食品の種類の判別に、後述する食品容積検出部30、特に食品面積検出部32の検出結果を利用するようにしてもよい。そして、食品解凍検知部22は、食品種類検出部26により検出された食品の種類に応じて、食品が解凍したことを検知するb値の変化量の基準値を設定する。
また、食品解凍制御部24は、食品種類検出部26により検出された食品の種類に応じて、解凍制御の内容を変更するようにしてもよい。具体的に例えば、一般的に魚は肉よりも組織が軟弱で壊れやすい。そこで、食品種類検出部26により検出された解凍対象の食品の種類が魚である場合には、食品解凍制御部24は、肉よりも時間をかけて緩慢な温度変動で解凍するようにしてもよい。
食品容積検出部30は、カメラ15により撮影された画像に基づいて、前記貯蔵室内に収容された食品の容積を検出する。食品容積検出部30は、食品高さ検出部31と、食品面積検出部32とを備えている。食品高さ検出部31は、カメラ15により撮影された画像に基づいて、チルド室3内に収容された食品の高さを検出する。
この食品高さ検出部31による食品の高さの検出方法の一例を次に説明する。まず、チルド室3内の例えば側面等に図示しない高さ基準マークを設けておく。この高さ基準マークの高さ寸法は予め設定されたものであり既知である。そして、食品高さ検出部31は、カメラ15により撮影された画像における高さ基準マークと食品とを比較する。前述したように高さ基準マークの高さ寸法は既知であるから、カメラ15により撮影された画像内における高さ基準マークと食品の高さとの比から、当該食品の高さを求めることができる。なお、高さ基準マークに目盛りを設けておき、この目盛りを用いて食品の高さを求めるようにしてもよい。
また、食品面積検出部32は、カメラ15により撮影された画像に基づいて、チルド室3内に収容された食品の底面積を検出する。この食品面積検出部32による食品の底面積の検出も、先程の食品の高さの検出と同様に、カメラ15により撮影された画像内において何らかの面積の基準となるものと比較することにより行うことができる。ここで、解凍のためにチルド室3内に入れられた食品はチルド室3内の下面上に置かれる場合がほとんどであると考えられるため、特にマークを設けなくともチルド室3の下面を基準として当該食品の底面積を求めることが可能である。
食品容積検出部30は、以上のようにして食品高さ検出部31により検出されたチルド室3内に収容された食品の高さと食品面積検出部32により検出された当該食品の底面積とを乗じることで、当該食品の容積の推測値を求める。このようにして、食品の高さと底面積と検出した上で当該食品の容積を求めるようにすることで、食品容積検出部30は、チルド室3内の食品の容積をより正確に検出することができる。
解凍時間予測部25は、食品容積検出部30により検出された食品の容積に基づいて、当該食品の解凍時間を予測する。一般に食品の容積及び重量が大きいほど、解凍に必要な時間は長くなる。解凍時間予測部25は、例えば、食品の容積から予測解凍時間を算出する式を予め記憶しておき、この式を用いて予測解凍時間を算出する。あるいは、具体的な食品の容積の値に対する予測解凍時間をテーブル形式で予め記憶しておいてもよい。
解凍時間予測部25は、予測した当該食品の解凍時間を食品種類検出部26により検出された食品の種類に基づいて補正するようにしてもよい。この補正は、式を用いて解凍時間を算出する場合には、例えば、当該式中に食品の種類に応じて変化するパラメータを含むようにすることで行うことができる。また、解凍時間テーブルを用いる場合には、例えば、解凍時間テーブルから求めた解凍時間に補正用の係数を乗じる等の補正操作を行うことで補正することができる。あるいは、食品の種類毎に解凍時間テーブルを持つようにしても補正を行うことができる。
また、解凍中に冷蔵室2の扉が開閉されたり、他の貯蔵室の状態も含めた冷蔵庫本体1の運転状況によってもチルド室3内の食品の解凍に必要な時間が変化する可能性がある。そこで、解凍時間予測部25は、予測した当該食品の解凍時間を食品解凍検知部22により検知される当該食品の解凍状態によって補正するようにしてもよい。
この際、食品解凍検知部22により検知される食品の解凍状態としては、解凍されたか否かという点だけでなく、どの程度解凍されたのかという解凍の進み具合を反映したものであることが好ましい。そこで、例えば、色変化量検出部21により検出された食品の色の変化量と、食品解凍検知部22が当該食品が解凍されたと判断する前記基準値との比で食品の解凍状態を定量化し、解凍時間予測部25は、この定量化された食品の解凍状態を用いて食品の予測解凍時間を補正するようにすることが考えられる。
このように、解凍時間予測部25は、食品の予測解凍時間を当該食品の種類及び解凍状態の一方又は両方によって補正するようにすることで、より正確に当該食品の解凍に必要な時間を予測することができる。
報知部23は、解凍時間予測部25により予測されたチルド室3内の食品の解凍時間を使用者に報知する。この報知は、例えば、操作パネル8の表示装置あるいは使用者が所持するスマートフォン等の携帯端末を用いて行うことができる。具体的な報知内容としては、例えば、「あと○時間程度で解凍終了します」等のメッセージが考えられる。また、他に例えば、解凍までに必要な残り時間をLED等により表示することも考えられる。このように、食品の予測解凍時間を使用者に知らせることで、使用者は当該食品が解凍されるまであとどのくらいの時間が必要であるかの目安を知ることができ、利便性を向上することができる。
なお、色検出手段としては、以上で説明したカメラ15の他、光源及び光学センサを用いることもできる。この場合、光学センサは、色変化量検出部21が食品の色の変化量として用いる指標値を検出可能なものが用いられる。すなわち、以上で説明した例においては、カメラ15に代えて、b値を検出可能な光学センサと光源とを設けるようにしてもよい。また、例えば、特定波長の強度変化を利用して色の変化を定量化する場合には、当該特定波長の分光反射率を測定可能な光学センサと光源とを用いればよい。
次に、以上のように構成された冷蔵庫本体1において食品の解凍を行う際の動作の流れについて図3を参照しながら説明する。まず、冷蔵室2の扉が開きチルド室3の容器が引き出されてチルド室3内に凍結した食品が新たに入れられる。すると、図3のステップS1で、カメラ15の撮影画像により、チルド室3内に食品が投入されたことを検出する。
続いて、冷蔵室2の扉が閉じられると、ステップS2で、扉開閉検知センサ14により冷蔵室2の扉が閉じられたことを検知する。ここで、図1に示す構成上、冷蔵室2の扉が閉じられると、冷蔵室2の扉にチルド室3の容器が押されて、チルド室3も閉じられることになる。したがって、扉開閉検知センサ14により冷蔵室2の扉が閉じられたことを検知した場合、すなわち、チルド室3も閉じられたと判断することができる。
次に、ステップS3へと進み、チルド室3内に入れられた食品の形状を測定する。ここでは、特に食品面積検出部32により、当該食品の底面積を検出することで、当該食品の形状を測定する。
そして、ステップS4へと進み、チルド室3に入れられた食品の初期の色F_c_iniを測定する。この測定は具体的には、次のようにして行われる。すなわち、色変化量検出部21は、カメラ15により撮影された画像に基づいて、当該食品のb値を検出する。そして、検出したb値を、食品投入時点すなわち基準時点における当該食品の色F_c_iniとして記憶する。
次に、ステップS5へと進み、食品種類検出部26は、カメラ15により撮影された画像に基づいて、チルド室3内に収容された食品の種類を検出する。この食品の種類の検出においては、ステップS3で測定された当該食品の面積も活用される。また、ステップS5においては、食品解凍検知部22は、色変化量検出部21により検出された当該食品の色F_c_iniに基づいて、当該食品が凍結状態であるか非凍結状態であるかを推定する。ステップS5の後はステップS6へと進む。
このステップS6においては、ステップS5で検出、推定した食品の状態に応じて、食品解凍制御部24による制御内容を選定する。具体的には、食品が凍結状態でない場合には、現状のチルド状態を維持する制御内容を選定する。また、食品が凍結状態である場合には制御内容として解凍制御を選定する。すなわち、チルド室3内の温度を当該食品の凍結点以上にする制御内容を選定する。さらに、この際、解凍制御の具体的な内容が当該食品の種類に応じて選定される。
こうして制御内容が選定されると、この選定された内容での制御が開始される。以降においては、食品が凍結状態であり、食品解凍制御部24により解凍制御が行われた場合について説明する。食品解凍制御部24による解凍制御が開始されると、ステップS7において、色変化量検出部21は、カメラ15により撮影された画像に基づいて食品のb値を検出する。そして、検出したb値を、現時点すなわち解凍中における当該食品の色F_cとする。
次に、ステップS8へと進み、色変化量検出部21は、食品の色の変化量Δb、すなわち、ステップS7で検出した解凍中の色F_cとステップS4で検出した初期の色F_c_iniとの差(F_c−F_c_ini)を算出する。そして、食品解凍検知部22は、Δb(=F_c−F_c_ini)が、予め設定された基準値F_limit以上であるか否かを判定する。Δb(=F_c−F_c_ini)がF_limit以上でない場合、当該食品はまだ解凍されていないと判断し、ステップS7へと戻る。
一方、ステップS8において、Δb(=F_c−F_c_ini)がF_limit以上である場合、食品解凍検知部22は、当該食品が解凍されたことを検知する。食品解凍検知部22が当該食品の解凍を検知するとステップS9へと進む。ステップS9においては、報知部23は、当該食品の解凍が終了したことを使用者に報知する。そして、一連の動作フローは終了となる。
次に、以上のような図3のフローに従って動作した際の、冷蔵庫本体1の各部の動作等について図4を参照しながら説明する。まず、図3のステップS1からS6の間は、まだ食品解凍制御部24による解凍制御は実施されていない。したがって、各部の動作は通常通りである。すなわち、圧縮機9及び送風機12は、一定周期で断続的にON/OFFが繰り返される。また、チルド室3の設定温度は相対的に低い状態に保たれ、チルド室3のダンパは相対的に短い周期で開閉が繰り返される。また、この際における食品の色は基準時点のF_c_iniであり、報知部23による解凍報知はOFFである。
これが図3のステップS7及びS8となると、食品解凍制御部24による解凍制御が実施される。この状態では、チルド室3のダンパは相対的に長い周期で開閉が繰り返され、チルド室3の設定温度は相対的に高い状態に保たれる。そして、食品の解凍が進むにつれ、食品の色F_cが変化してΔb(=F_c−F_c_ini)がF_limitへと近づいていく。なお、ここでは、解凍制御中であっても圧縮機9及び送風機12の動作は解凍制御前と変化しない。
そして、Δb(=F_c−F_c_ini)がF_limitになると、食品の解凍が終了したと判断し、図3のステップS9へと進む。食品の解凍が終了したと判断すると、食品解凍制御部24による解凍制御は終了となる。このため、チルド室3のダンパは相対的に短い周期で開閉が繰り返され、チルド室3の設定温度は相対的に低く保たれた状態へと戻る。また、報知部23による解凍報知がONとなる。
図5に示すのは、冷凍室6で凍結した牛ステーキ肉をチルド室3で解凍した場合において、一定の時間間隔でカメラ15により撮影した画像に基づいて検出したbの変化量Δbと、解凍品(牛ステーキ肉)の温度との関係である。この図5から分かるように、解凍品(牛ステーキ肉)の温度が上昇して解凍が進むほど、Δbの値が大きくなる。そして、実験では凍結した牛ステーキ肉が包丁で切断できるようになるΔbが3.5以上になると牛ステーキ肉が包丁で切断可能にまで解凍された。
なお、L表色系においては、bの他にもL及びaの属性値があるが、食品の解凍時においてbが最も顕著に変化した。また、肉眼では図5中のどの時点においても、生肉より赤黒い凍結した肉の色をしており、肉眼で牛ステーキ肉が包丁により切断可能にまで解凍された状態であることを判別することは困難であった。
このような実験結果に基づいて、基準値F_limitの具体的な値を決定することができる。すなわち、例えば、この実験で用いた大きめのステーキ肉のように切断したいが加熱調理するので完全解凍の必要がない場合は、Δbの基準値F_limitを3.5にすればよい。基準値F_limitを3.5とすると、凍ってはいるが包丁で切断できる状態で解凍を終了することができる。
また、例えば、マグロのサクのように、ほぼ生になるまで解凍したい場合はΔbの基準値F_limitを大きめの10にすればよい。基準値F_limitを10とすると、ほぼ完全に生の状態に戻ったところで解凍を終了することができる。
なお、このような基準値F_limitの設定は、前述したように食品種類検出部26により検出された食品の種類に応じて自動的に行われるようにしてもよい。また、使用者が操作パネル8を操作することで、どの程度まで解凍したところで解凍を終了したいかを使用者自ら選択して設定することができるようにしてもよい。
以上で説明した図3のフロー図は、解凍時間予測部25による解凍時間の予測を行わずに解凍のみを実施する場合のものであった。これに対し、解凍時間予測部25による解凍時間の予測を行いつつ解凍のみを実施する場合の動作について図6のフロー図を参照しながら説明する。なお、図6において図3のステップ番号と同一のステップは、同一の内容であるため、その説明は適宜に省略する。
まず、ステップS1及びS2でチルド室3内に食品が投入されて扉が閉じられると、ステップS10へと進む。ステップS10においては、チルド室3内に入れられた食品の形状を測定する。ここでは、食品高さ検出部31による当該食品の高さの検出と、食品面積検出部32による当該食品の底面積の検出の両方が行われる。そして、食品容積検出部30は、検出した当該食品の高さと底面積とから、当該食品の容積を求める。
ステップS10の後は、ステップS4からS6が実行される。そして、ステップS6の後はステップS11へと進む。ステップS11においては、解凍時間予測部25は、ステップS10で求めた食品の容積、ステップS5で求めた当該食品の種類及び凍結状態に基づいて、当該食品の解凍時間time_meltを算出する。算出した解凍時間time_meltは、報知部23により使用者に報知される。
ステップS11の後は、ステップS7及びS8が実行される。そして、ステップS8でΔb(=F_c−F_c_ini)がF_limit以上である場合、食品が解凍されたと判断してステップS9へと進み、報知部23は当該食品の解凍が終了したことを使用者に報知する。
一方、Δb(=F_c−F_c_ini)がF_limit以上でない場合は、ステップS12へと進む。ステップS12においては、解凍時間予測部25は、使用者からの解凍進捗状況の報知要求があるか否かを確認する。なお、解凍進捗状況の報知要求は、例えば、使用者が操作パネル8又は携帯端末を操作することにより行うことができる。解凍進捗状況の報知要求がない場合、ステップS7へと戻る。
一方、解凍進捗状況の報知要求がある場合には、ステップS13へと進む。ステップS13においては、解凍時間予測部25は、現時点での最新の解凍時間time_meltを算出して更新する。この最新の解凍時間time_meltの算出は、例えば、次の(1)式により行う。
time_melt(n)=time_melt(n−1)×f(F_limit) ・・・ (1)
この(1)式において、time_melt(n−1)は前回算出した解凍時間であり、time_melt(n)は最新の解凍時間である。f(F_limit)は、基準値F_limitの関数であり、予め定められている。このように、前回の解凍時間time_meltに色変化F_limitを変数とした関数fの値を乗じることで補正し、解凍時間time_meltを最新のものに更新する。ステップS13の後は、ステップS14へと進み、ステップS13で更新後の解凍時間time_meltを報知部23により使用者に報知する。そして、ステップS7へと戻る。
以上のように構成された冷蔵庫は、内部に収容された食品を凍結点以上の温度環境に維持可能な貯蔵室である例えばチルド室3と、貯蔵室内に収容された食品の色を検出するカメラ15と、基準時点からの、カメラ15により検出された食品の色の変化量を検出する色変化量検出部21と、色変化量検出部21により検出された食品の色の変化量に基づいて、当該食品の解凍を検知する食品解凍検知部22と、を備えている。
このため、ラップがかけられたトレイ又はタッパー等の可視光を透過させる包装又は容器に入れられた食品であれば、包装又は容器と当該食品との間に空隙があっても、当該食品の解凍を検知することができる。また、水分含有量が少ない食品であっても、水分含有量の影響を受けることなく、当該食品の解凍を検知することができる。したがって、従来より広範囲にわたる種類及び包装状態の食品の解凍状態を検出することが可能である。
また、食品解凍制御部24は、食品解凍検知部22が当該食品の解凍を検知すると、当該食品の解凍制御を終了するようにすることで、より適切なタイミングで当該食品の解凍を終了し、当該食品を使用者の望む状態で提供することが可能となる。
さらに、カメラ15により撮影された画像に基づいて、貯蔵室(チルド室3)内に収容された食品の種類を検出する食品種類検出部26を備え、食品解凍検知部22は、食品種類検出部26により検出された食品の種類に応じて、当該食品の解凍を検知する色の変化量の基準値を設定することで、食品の種類に応じてより正確な解凍状態の検出を行うことができ、ひいては、食品解凍制御部24がより適切な解凍制御を行うことが可能となる。
1 冷蔵庫本体、 2 冷蔵室、 3 チルド室、 4 切替室、 5 製氷室、 6 冷凍室、 7 野菜室、 8 操作パネル、 9 圧縮機、 10 冷却器、 11 風路、 12 送風機、 13 制御基板、 14 扉開閉検知センサ、 15 カメラ、 16 温度センサ、 21 色変化量検出部、 22 食品解凍検知部、 23 報知部、 24 食品解凍制御部、 25 解凍時間予測部、 26 食品種類検出部、 30 食品容積検出部、 31 食品高さ検出部、 32 食品面積検出部

Claims (10)

  1. 内部に収容された食品を凍結点以上の温度環境に維持可能な貯蔵室と、
    前記貯蔵室内に収容された食品の色を検出する色検出手段と、
    基準時点からの、前記色検出手段により検出された食品の色の変化量を検出する色変化量検出手段と、
    前記色変化量検出手段により検出された食品の色の変化量に基づいて、当該食品の解凍を検知する食品解凍検知手段と、を備えた冷蔵庫。
  2. 前記色変化量検出手段は、L表色系におけるb値の変化量を食品の色の変化量として検出し、
    前記食品解凍検知手段は、b値の変化量が予め定められた基準値以上である場合に、当該食品が解凍したことを検知する請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記色検出手段は、前記貯蔵室内に収容された食品の画像を撮影するカメラを備えた請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記カメラにより撮影された画像に基づいて、前記貯蔵室内に収容された食品の種類を検出する食品種類検出手段を備え、
    前記食品解凍検知手段は、前記食品種類検出手段により検出された食品の種類に応じて、前記基準値を設定する請求項3に記載の冷蔵庫。
  5. 前記カメラにより撮影された画像に基づいて、前記貯蔵室内に収容された食品の容積を検出する食品容積検出手段と、
    前記食品容積検出手段により検出された食品の容積に基づいて、当該食品の解凍時間を予測する解凍時間予測手段と、
    前記解凍時間予測手段により予測された当該食品の解凍時間を使用者に報知する報知手段と、を備えた請求項4に記載の冷蔵庫。
  6. 前記解凍時間予測手段は、予測した当該食品の解凍時間を前記食品種類検出手段により検出された食品の種類に基づいて補正する請求項5に記載の冷蔵庫。
  7. 前記食品容積検出手段は、
    前記カメラにより撮影された画像に基づいて、前記貯蔵室内に収容された食品の高さを検出する高さ検出手段と、
    前記カメラにより撮影された画像に基づいて、前記貯蔵室内に収容された食品の底面積を検出する底面積検出手段と、を備え、
    前記高さ検出手段により検出された前記貯蔵室内に収容された食品の高さと前記底面積検出手段により検出された当該食品の底面積とを用いて当該食品の容積を求める請求項5又は請求項6に記載の冷蔵庫。
  8. 前記貯蔵室内に予め設定された高さ寸法を持つ高さ基準マークが設けられ、
    前記高さ検出手段は、前記カメラにより撮影された画像における前記高さ基準マークと食品との比較により、当該食品の高さを検出する請求項7に記載の冷蔵庫。
  9. 前記貯蔵室内の温度を検出する貯蔵室温度検出手段と
    貯蔵室温度検出手段により検出された前記貯蔵室内の温度に基づいて、食品が収容されている前記貯蔵室内の温度環境を制御して当該食品を解凍する解凍制御を行う解凍制御手段と、を備え、
    前記解凍制御手段は、前記食品解凍検知手段が当該食品の解凍を検知すると、当該食品の解凍制御を終了する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  10. 前記貯蔵室は、チルド室である請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
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