JP2023012271A - 冷蔵庫 - Google Patents

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成彦 小池
Narihiko Koike
舞子 添田
Maiko Soeda
ちひろ 伊藤
Chihiro Ito
毅 内田
Takeshi Uchida
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Abstract

【課題】簡潔な構成で小分け可能な状態の食品を冷凍保存することができ、冷凍保存品質の向上を図ることが可能である冷蔵庫を提供する。【解決手段】冷蔵庫1は、食品を内部に収納する貯蔵室が設けられた冷蔵庫本体と、貯蔵室内を冷却する冷却手段と、冷却手段を制御する制御手段と、を備える。冷却手段は、貯蔵室内に収納された食品が過冷却状態になるように貯蔵室内を冷却する過冷却工程と、過冷却工程より後に、貯蔵室内の温度が、貯蔵室内に収納された食品の凍結濃縮ガラス転移温度以下になるように貯蔵室内を冷却するガラス化工程と、を実行する。【選択図】図5

Description

本開示は、冷蔵庫に関するものである。
食品を長期保存するためには、冷凍保存が有効である。食品の冷凍保存に関しては、食品を小分け可能な状態で冷凍保存することが可能な技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、冷蔵庫に真空容器を備え、この真空容器内の圧力を変動させることにより、食品をばらけやすい状態で凍結させることが記載されている。
特許第4821565号公報
しかしながら、特許文献1に示されるような技術においては、真空容器と、この真空容器内の圧力を変動させるための機構とが必要である。このため、冷蔵庫又は食品の保存に必要な機構が複雑化したり、冷蔵庫又は食品の保存に必要な装置が大型化したりしてしまう。
本開示は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、簡潔な構成で小分け可能な状態の食品を冷凍保存することができるとともに、冷凍保存品質の向上を図ることが可能である冷蔵庫を提供することにある。
本開示に係る冷蔵庫は、食品を内部に収納する貯蔵室が設けられた冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内を冷却する冷却手段と、前記冷却手段を制御する制御手段と、を備え、前記冷却手段は、前記貯蔵室内に収納された食品が過冷却状態になるように前記貯蔵室内を冷却する過冷却工程と、前記過冷却工程より後に、前記貯蔵室内の温度が、前記貯蔵室内に収納された食品の凍結濃縮ガラス転移温度以下になるように前記貯蔵室内を冷却するガラス化工程と、を実行する。
または、本開示に係る冷蔵庫は、食品を内部に収納する貯蔵室が設けられた冷蔵庫本体と、前記貯蔵室内を冷却する冷却手段と、前記冷却手段を制御する制御手段と、を備え、前記冷却手段は、前記貯蔵室内に収納された食品が過冷却状態になるように前記貯蔵室内を冷却する過冷却工程と、前記過冷却工程より後に、前記貯蔵室内に収納される食品をガラス化させるように前記貯蔵室内を冷却するガラス化工程と、を実行する。
本開示に係る冷蔵庫によれば、簡潔な構成で小分け可能な状態の食品を冷凍保存することができるとともに、冷凍保存品質の向上を図ることが可能であるという効果を奏する。
実施の形態1に係る冷蔵庫の構成を示す正面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の構成を示す縦断面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫が備える切替室の周辺の拡大断面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫における各種温度の経時変化の一例を示す図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の第1変形例における各種温度の経時変化の一例を示す図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の第2変形例における各種温度の経時変化の一例を示す図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫の第3変形例における各種温度の経時変化の一例を示す図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫が備える切替室の別例を示す斜視図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫が備える切替室の別例を示す断面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫が備える切替室の別例を示す断面図である。 実施の形態1に係る冷蔵庫が備える制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
本開示に係る冷蔵庫を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。なお、本開示は以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態の自由な組み合わせ、各実施の形態の任意の構成要素の変形、又は各実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
実施の形態1.
図1から図12を参照しながら、本開示の実施の形態1について説明する。図1は冷蔵庫の構成を示す正面図である。図2は冷蔵庫の構成を示す縦断面図である。図3は冷蔵庫が備える切替室の周辺の拡大断面図である。図4は冷蔵庫の制御系統の構成を示すブロック図である。図5は冷蔵庫における各種温度の経時変化の一例を示す図である。図6は冷蔵庫の第1変形例における各種温度の経時変化の一例を示す図である。図7は冷蔵庫の第2変形例における各種温度の経時変化の一例を示す図である。図8は冷蔵庫の第3変形例における各種温度の経時変化の一例を示す図である。図9は冷蔵庫が備える切替室の別例を示す斜視図である。図10及び図11は冷蔵庫が備える切替室の別例を示す断面図である。図12は冷蔵庫が備える制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
本開示では、原則として、冷蔵庫1が使用可能な状態に設置されたときを基準として、各方向を定義する。また、図1及び図2によって示される冷蔵庫1を構成する各部材の寸法、位置関係及び形状等は、実際のものとは必ずしも完全に一致しない場合がある。冷蔵庫1の構成は、図1及び図2によって示されるものに限定されるものではない。
この実施の形態に係る冷蔵庫1は、断熱箱体8を有している。断熱箱体8は、外箱、内箱及び断熱材によって構成される。外箱は、例えば、鋼鉄製である。内箱は、例えば、樹脂製である。内箱は、外箱の内側に配置される。断熱材は、例えば、発泡ウレタン、真空断熱材等である。断熱材は、外箱と内箱との間の空間に充填されている。
断熱箱体8の正面は、開口している。断熱箱体8の内部には、貯蔵空間が形成されている。貯蔵空間は、食品等の被貯蔵物が収納される空間である。断熱箱体8の内部に形成された貯蔵空間は、1つ又は複数の仕切り部材によって、食品を収納保存するための複数の貯蔵室に区画されている。例えば、冷蔵庫1は、図1及び図2に示すように、複数の貯蔵室として、冷蔵室10、切替室20、製氷室30、冷凍室40及び野菜室50を備えている。上記の各貯蔵室は、断熱箱体8において、上下方向に4段構成となって配置されている。このように、冷蔵庫1は、食品を内部に収納する貯蔵室が設けられた冷蔵庫本体を備えている。
冷蔵室10は、断熱箱体8の最上段に配置されている。図2に示すように、冷蔵室10の内部には、例えば、複数の棚板が設けられている。冷蔵室10の内部は、これらの棚板によって、上下方向に複数の空間に仕切られている。
切替室20は冷蔵室10の下方における左右の一側に配置されている。切替室20内の温度帯は、複数の温度帯のうちのいずれかに選択的に切り替えることが可能である。切替室20内の温度帯として選択可能な複数の温度帯は、例えば、冷凍温度帯、ソフト冷凍温度帯、チルド温度帯、冷蔵温度帯、ガラス凍結温度帯等である。冷凍温度帯は、例えば、-18℃程度の温度帯である。ソフト冷凍温度帯は、例えば、-7℃程度の温度帯である。チルド温度帯は、例えば、0℃程度の温度帯である。冷蔵温度帯は、例えば、3℃程度の温度帯である。ガラス凍結温度帯については後述する。
製氷室30は、切替室20の側方に隣接して配置される。製氷室30は、切替室20と並列に配置される。すなわち、製氷室30は、冷蔵室10の下方における左右の他側に配置されている。冷凍室40は、切替室20及び製氷室30の下方に配置されている。冷凍室40は、被貯蔵物を比較的長期にわたって冷凍保存する際に用いられる。また、野菜室50は、冷凍室40の下方の配置されている。野菜室50は、断熱箱体8の最下段に配置されている。野菜室50には、例えば、野菜及び容量の大きなペットボトル等が収納される。
冷蔵室10の正面部には、当該冷蔵室10を開閉するための冷蔵室扉2が設けられている。冷蔵室扉2は、例えば、両開き式の回転式の扉である。両開き式の冷蔵室扉2は、冷蔵室右扉2a及び冷蔵室左扉2bにより構成されている。冷蔵室扉2の外側表面には、操作パネル3が設けられている。図示の構成例では、操作パネル3は、冷蔵室左扉2bに設けられている。操作パネル3は、各貯蔵室の保冷温度等の設定及び各貯蔵室の温度等の各種情報の表示のためのものである。
切替室20、製氷室30、冷凍室40及び野菜室50は、例えば、それぞれ、引出し式の扉によって開閉される。これらの引出し式の扉は、各貯蔵室の左右の内壁面に水平に形成されたレールに沿って冷蔵庫1の奥行方向にスライドできるようになっている。この実施の形態に係る冷蔵庫1の使用者は、引出し式の扉をスライドさせることで、切替室20、製氷室30、冷凍室40及び野菜室50を開閉する。
切替室20の内部及び冷凍室40の内部には、食品等を内部に収納できる切替室収納ケース21及び冷凍室収納ケース41が、それぞれ引き出し自在に格納されている。同様に、野菜室50内には、食品等を内部に収納できる野菜室収納ケース51が、引き出し自在に格納されている。
切替室収納ケース21は、切替室20を開閉する扉に設けられたフレームによって支持される。切替室収納ケース21は、切替室20を開閉する扉に連動して引き出される。冷凍室収納ケース41は、冷凍室40を開閉する扉に設けられたフレームによって支持される。冷凍室収納ケース41は、冷凍室40を開閉する扉に連動して引き出される。同様に、野菜室収納ケース51は、野菜室50を開閉する扉に設けられたフレームによって支持される。野菜室収納ケース51は、野菜室50を開閉する扉に連動して引き出される。
なお、冷蔵庫1に備えられた貯蔵室の数、貯蔵室の配置、貯蔵室を開閉するための扉の構成等は、以上で説明した例に限定されるものではない。例えば、冷蔵室10を開閉するための扉は、スライド式であってもよい。また、切替室20、製氷室30、冷凍室40及び野菜室50を開閉するための扉は、回転式であってもよい。切替室収納ケース21、冷凍室収納ケース41及び野菜室収納ケース51は、それぞれ、2つ以上設けられてもよい。
冷蔵庫1は、各貯蔵室へ供給する空気を冷却するための冷凍機構として、圧縮機4、冷却器5、送風ファン6及び風路9等を備えている。圧縮機4及び冷却器5は、図示を省略している凝縮器及び絞り装置等と、冷凍サイクル回路を構成している。圧縮機4は、冷凍サイクル回路内の冷媒を、圧縮して吐出する。凝縮器は、圧縮機4から吐出された冷媒を凝縮させる。絞り装置は、凝縮器から流出した冷媒を膨張させる。冷却器5は、絞り装置で膨張した冷媒によって、各貯蔵室へ供給する空気を冷却する。圧縮機4は、例えば、図2に示すように、冷蔵庫1の背面側の下部に配置される。
風路9は、冷凍サイクル回路によって冷却された空気を各貯蔵室へ供給するためのものである。風路9は、断熱箱体8の内部に形成されている。風路9は、例えば、冷蔵庫1の背面側に配置されている。冷凍サイクル回路を構成している冷却器5は、この風路9内に設置される。また、風路9内には、冷却器5で冷却された空気を各貯蔵室へ送るための送風ファン6も設置されている。
送風ファン6が動作すると、冷却器5で冷却された空気、すなわち冷気が、風路9を通って、冷凍室40、切替室20、製氷室30及び冷蔵室10へ送られる。これにより、各貯蔵室内が冷却される。また、野菜室50には、冷蔵室10から戻った冷気が図示しない風路を介して導入される。これにより、野菜室50内が冷却される。野菜室50を通過した空気は、冷却器5が設置されている風路9内へと戻される。風路9内へと戻された空気は、再び冷却器5によって冷却され、冷蔵庫1内を循環する。なお、ここで説明した空気の循環経路は一例であり、どのような経路であってもよい。
また、風路9からそれぞれの貯蔵室へと通じる中途の箇所には、ダンパが設けられている。このダンパは、図1及び図2においては図示を省略する。各ダンパの開閉状態が変化することで、各貯蔵室へと供給される冷気の風量が調節される。貯蔵室へと供給される冷気の風量は、送風ファン6の運転が制御されることによっても調節される。また、各貯蔵室へと供給される空気の温度は、圧縮機4の運転が制御されることで調節される。
各貯蔵室には、内部の温度を検知するサーミスタが設置される。このサーミスタは、図1及び図2においては図示を省略する。上記のダンパ、送風ファン6及び圧縮機4は、サーミスタの検知結果に基づいて制御される。ダンパ、送風ファン6及び圧縮機4は、各貯蔵室内の温度が予め設定された設定温度になるように制御される。本実施の形態において、以上のように設けられた圧縮機4と冷却器5とを含む冷凍サイクル回路、送風ファン6、風路9及びダンパは、貯蔵室の内部を冷却する冷却手段の一例である。
この実施の形態に係る冷蔵庫1は、制御装置7を備えている。制御装置7は、例えば、図2に示すように、冷蔵庫1の背面側の上部に設けられる。制御装置7には、冷蔵庫1の動作を制御するための制御回路等が備えられている。制御装置7の各機能は、この制御回路によって実現される。制御装置7は、冷却手段を制御する制御手段の一例である。
図3は、実施の形態1の冷蔵庫1が備える切替室20の周辺の拡大断面図である。この実施の形態において、切替室20には、例えば、炊飯された米飯、ひき肉、カットされた野菜等の食品が収納される。炊飯された米飯、ひき肉、カットされた野菜は、常温において人間の手で小分け可能な食品の一例である。ここでいう「常温」とは、各食品の凍結温度よりも高い温度を意味している。換言すると、炊飯された米飯、ひき肉、カットされた野菜は、凍結温度よりも高い温度において人間の手で小分け可能な食品の一例である。凍結温度よりも高い温度において人間の手で小分け可能な食品には、複数の小片によって一群を形成する野菜及び茸類、また調理後の食品等も該当する。
この切替室20を開閉する扉を、図3及び以下の説明においては、符号を付して切替室扉26と称する。この実施の形態に係る冷蔵庫1は、図3に示すように、切替室扉26の開閉状態を検知するための扉開閉検知スイッチ61を備えている。扉開閉検知スイッチ61は、切替室扉26の開閉を検知する開閉検知手段の一例である。
また、切替室20内には、切替室サーミスタ27が設けられる。切替室サーミスタ27は、切替室20の温度を検知する温度検知手段の一例である。また、この実施の形態に係る冷蔵庫1は、図3に示すように、切替室ダンパ28を備えている。制御手段の一例である制御装置7は、切替室サーミスタ27の検知結果に基づいて切替室ダンパ28を制御する。これにより、切替室20内の温度が調節される。
図4は、実施の形態1の冷蔵庫1の制御系統の機能的な構成を示すブロック図である。制御装置7の制御回路には、例えば、プロセッサ7a及びメモリ7bが備えられている。制御装置7は、メモリ7bに記憶されたプログラムをプロセッサ7aが実行することによって予め設定された処理を実行し、冷蔵庫1を制御する。
プロセッサ7aは、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータあるいはDSPともいう。メモリ7bには、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM及びEEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、又は磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク及びDVD等が該当する。
なお、制御装置7の制御回路は、例えば、専用のハードウェアとして形成されてもよい。制御装置7の制御回路の一部が専用のハードウェアとして形成され、且つ、当該制御回路にプロセッサ7a及びメモリ7bが備えられていてもよい。一部が専用のハードウェアとして形成される制御回路には、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
制御装置7には、各貯蔵室の内部の温度を検知するサーミスタから信号が入力される。本実施の形態では、制御装置7には、切替室サーミスタ27から切替室20の温度情報を含む信号が入力される。制御装置7は、切替室サーミスタ27から入力された信号に基づいて、切替室20内の温度が設定温度に維持されるように、圧縮機4、送風ファン6及び切替室ダンパ28等を制御する。
また、この実施の形態の操作パネル3は、例えば、図4に示すように、操作部3a及び表示部3bを備えている。操作部3aは、各貯蔵室の設定温度及び冷蔵庫1の動作モードを設定するためのスイッチ等を備えている。表示部3bは、冷蔵庫1に関する各種の情報を表示する液晶ディスプレイ及びLEDの表示灯等を備えている。なお、操作パネル3は、操作部3aと表示部3bとを兼ねるタッチパネルを備えていてもよい。また、操作パネル3には、音声報知を行うスピーカ等が備えられていてもよい。また、操作パネル3は、切替室20に収容する食品の種類を選択できるようにしてもよい。操作パネル3で選択可能な食品の種類としては、例えば「肉・魚」、「ご飯」、「野菜」等が挙げられる。
操作パネル3は、各種情報を外部と通信する通信部を備えてもよい。これにより、スマートフォン等の携帯端末及びキッチン家電等を含む外部機器が冷蔵庫1の各種情報を得ることができる。また、反対に携帯端末及びキッチン家電等の外部機器から冷蔵庫1の設定操作を行うことも可能となる。ここで、キッチン家電とはキッチンに置かれる家電製品のことを指し、例えばIHクッキングヒータ、炊飯器、電子レンジ、自動調理器等である。
制御装置7には、操作パネル3の操作部3aからの信号が入力される。操作部3aは、使用者による当該操作部3aの操作に応じた信号を、制御装置7へ出力する。また、制御装置7には、扉開閉検知スイッチ61からの信号も入力される。制御装置7は、操作部3a及び扉開閉検知スイッチ61から入力された信号に基づいた処理を実行する。また、制御装置7は、操作パネル3の表示部3bの動作も制御する。
次に、以上のように構成された冷蔵庫1の機能及び動作の特徴について説明する。この実施の形態に係る冷蔵庫1は、切替室20に収納された食品を、小分け可能な状態で冷凍保存する機能を有している。図5は、食品を小分け可能な状態で冷凍保存する際の、切替室20の設定温度、切替室20の庫内温度及び切替室20に収納された食品の温度の経時変化の一例を示す図である。図5において、切替室20の設定温度、切替室20の庫内温度及び切替室20に収納された食品の温度は、それぞれ、破線、細実線及び太実線で示される。
この実施の形態において、冷却手段の一例である圧縮機4、送風ファン6及び切替室ダンパ28は、食品を小分け可能な状態で冷凍保存する際、過冷却工程とガラス化工程を実行する。過冷却工程及びガラス化工程は、図5に示すように、順に実行される。制御手段の一例である制御装置7は、過冷却工程の終了とともにガラス化工程が開始されるように、冷却手段の一例である圧縮機4、送風ファン6及び切替室ダンパ28を制御する。すなわち、この例では、過冷却工程の直後にガラス化工程が実行される。ただし、ガラス化工程は、過冷却工程より後に実行されれば、過冷却工程の直後でなくともよい。
食品は、凍結する過程で、食品中の水分と物質が分離し、物質の方の濃度が高まる現象が起こる。この現象のことを凍結濃縮と呼ぶ。この時、濃縮された物質(凍結濃縮相)は、凍結はしておらず、粘度が高い状態、いわゆるラバー状態となっている。この状態にある食品の温度をさらに低下させると、ある時、凍結濃縮相はガラス状態と呼ばれる、硬くて脆い状態に転移する。この時、凍結濃縮相の成分の分子運動は見かけ上停止し、安定した状態つまり長期保存に向いた状態となる。また、凍結濃縮相がラバー状態からガラス状態に転移する温度を、凍結濃縮ガラス転移温度Tg’と呼ぶ。以降の説明においては、凍結濃縮ガラス転移温度Tg’のことを単にTg’という場合がある。
Tg’は食品ごとに異なり、その値はおおよそ次の通りであることが知られている。たんぱく質:-9~-15℃、魚肉:-7~-14℃(もしくは、-63~-87℃)、牛肉:-12℃(もしくは、-73~-103℃)、澱粉:-6℃。ただし、Tg’は食品ごとのバラつきが大きく、必ずしも上記値がTg’とは限らない。このため、上記の値は、あくまでも参考値として取り扱うことが望ましい。
図5を参照しながら、過冷却工程及びガラス化工程についてより詳細に説明する。過冷却工程は、切替室20内に収納された食品が過冷却状態になるように、冷却手段により切替室20内を冷却する工程である。ガラス化工程は、切替室20内の温度が、切替室20内に収納された食品の凍結濃縮ガラス転移温度Tg’以下になるように、冷却手段により切替室20内を冷却する工程である。換言すれば、ガラス化工程は、切替室20内に収納される食品をガラス化させるように切替室20内を冷却する工程である。ガラス化工程において、食品塊の温度は、凍結濃縮ガラス転移温度Tg’以下に維持される。
切替室20等の貯蔵室内の温度は、例えばオンオフ制御のような場合、一定温度ではなく、設定温度を中心に上下にハンチングする。また、例えばPI(比例積分)制御のような場合であっても、冷蔵庫1の周囲の温度変化、他の貯蔵室の温度変化等の外乱によって、切替室20内の温度が上下する可能性がある。そのため、ガラス化工程において切替室20の設定温度を凍結濃縮ガラス転移温度Tg’よりも低い温度に設定するとよい。このようにすることで、ガラス化工程における切替室20内及び食品塊の温度を、凍結濃縮ガラス転移温度Tg’以下に維持できる。
切替室20内に収納される食品の種類を予め定めておく場合、ガラス化工程における切替室20の設定温度は、切替室20内に収納される食品の種類に応じて、当該食品の凍結濃縮ガラス転移温度Tg’を参考にして予め設定される。また、前述したように、操作パネル3により、切替室20に収容する食品の種類を選択できるようにした場合、制御装置7は、選択された食品の種類に応じて、ガラス化工程における切替室20の設定温度を変更する。
この実施の形態1に係る冷蔵庫1は、ガラス化工程により食品をTg’以下で保存することで、食品の凍結濃縮相をガラス状態に転移させ、時間経過による氷結晶の粗大化を抑制でき、保存品質を向上することが可能である。加えて、ガラス状態で保存することで、冷凍保存時のたんぱく質変性を抑制できるため、肉類、魚類等の食品であれば、通常の冷凍保存よりもさらに保存品質を向上することが可能である。また、ガラス化した食品を使うときは、塊の状態となっている食品を凍結した状態のまま、手で力を加えて容易にばらけさせることができる。具体的には、折り曲げるようにしたり、手で叩いたりすることで、ガラスが砕けて割れるのと同様に、塊状であった食品に四方に亀裂が入り、食品をみじん切り状に細かく分割された状態にすることが可能である。そして、この実施の形態1に係る冷蔵庫1は、ガラス化工程の前に過冷却工程を行うことにより、氷結晶を微細化し、時間経過による氷結晶の粗大化をさらに抑制できる。したがって、簡潔な構成で小分け可能な状態の食品を冷凍保存することができるとともに、冷凍保存品質の向上を図ることが可能である。
ガラス化の対象とする食品を切替室20内に投入する際、すでに切替室20内に食品が入っており、庫内の温度は低い温度であったり、Tg’以下の温度であったりする場合がある。この時、過冷却工程において過冷却を導入するために切替室20内の温度を比較的高い温度に上昇させてしまうと、すでに保存されている食品に悪影響を及ぼしてしまう。したがって、過冷却導入のための温度上昇はなるべく小さい方が望ましい。そこで、例えば、0~-5℃の温度に上昇させ、そこを起点にして過冷却を導入する。すなわち、冷却手段は、過冷却工程の開始時において切替室20内の温度を-5℃以上0℃以下とする。このようにすることで、すでに庫内に入っている食品への影響を最小限に抑えつつ、過冷却を正確に導入することができ、投入したガラス化対象の食品と、すでに保存している食品の両方の保存品質を向上することができる。
食品の過冷却状態が解除された後、ガラス化工程において切替室20内の温度を最終温度に変化させる際は、なるべくゆっくり温度を変化させた方がよい。冷却速度が速いとTg’が低下してガラス化が遅れたり、ガラス化しなかったりする可能性があるためである。ただし、冷却速度が遅すぎると、今度は食品内部の氷結晶が大きく成長してしまう。そこで、特に肉・魚等のタンパク質が多い食品をガラス化させる場合、冷却速度は1時間あたり1K以上5K未満とするとよい。すなわち、この場合、冷却手段は、ガラス化工程において、切替室20内の温度が切替室20内に収納された食品の凍結濃縮ガラス転移温度Tg’となるまでの冷却速度を、1時間あたり1K以上5K未満とする。
一方で、野菜のようなたんぱく質が少なく、成分のほとんどが水分であるような食品の場合は、なるべく速く温度を変化させた方がよい。ゆっくり温度を低下させると、成分の大多数を占める水分からなる氷結晶が粗大化し、細胞が破壊されてしまう。そして、細胞が破壊されることで、たとえ凍結濃縮相がガラス化していても、保存品質が悪化してしまう。そこで、特に野菜等のタンパク質が少なく水分が多い食品をガラス化させる場合、冷却速度は1時間あたり5K以上とするとよい。すなわち、この場合、冷却手段は、ガラス化工程において、切替室20内の温度が切替室20内に収納された食品の凍結濃縮ガラス転移温度Tg’となるまでの冷却速度を、1時間あたり5K以上とする。
また、冷却手段は、ガラス化工程において、切替室20内の温度が最大氷結晶生成帯にあるときの冷却速度を、1時間あたり5K以上としてもよい。最大氷結晶生成帯とは、氷結晶が大きく成長しやすい-1℃から-5℃の温度範囲である。このようにすることで食品中の氷結晶の粗大化を防ぎ、食品の保存品質を向上できるとともに、正確に食品をガラス化させることができる。
ここで、冷却手段による冷却速度を変更するために、例えば、圧縮機4の運転を変化させることで冷気温度を変化させてもよいし、送風ファン6の回転数を変化させて風量を変化させてもよい。また、切替室ダンパ28の開度を変化させることで風量を変化させてもよいし、切替室ダンパ28の開閉時間を変更してもよい。さらに、これらの方法を組み合わせてもよい。
また、過冷却工程において、制御装置7は切替室20の設定温度を段階的に変化させてもよい。このようにすることで、切替室20内の急激な温度変化を抑制し、切替室20内の温度を正確に変化させることができる。
次に、図6を参照しながら、この実施の形態に係る冷蔵庫1の第1変形例について説明する。この第1変形例においては、冷却手段は、過冷却工程、過冷却解除工程及びガラス化工程を、この順序で実行する。過冷却解除工程は、切替室20内の温度が、切替室20内に収納された食品の凍結濃縮ガラス転移温度Tg’とは異なる温度となるように切替室20内を冷却することで、当該食品の過冷却状態を強制的に解除させる工程である。過冷却解除工程においては、冷却手段は、例えば、切替室20内を急冷することで、切替室20内の食品の過冷却状態を強制的に解除させる。過冷却解除工程における急冷温度は、Tg’より高い温度でも低い温度でもよい。また、Tg’は前述のように食品により異なることから、急冷温度を例えば-20℃等の温度に固定してもよい。
次に、図7を参照しながら、この実施の形態に係る冷蔵庫1の第2変形例について説明する。この第2変形例においては、制御装置7は、切替室サーミスタ27の検出結果を用いて、切替室20内への食品の投入を検知する。切替室20内に新たに食品が投入されると切替室20内の温度が上昇する。そこで、制御装置7は、切替室サーミスタ27により検出された切替室20内の温度変化に基づいて、切替室20内への食品の投入を検知する。この場合、切替室サーミスタ27及び制御装置7は、貯蔵室である切替室20内への食品の投入を検知する食品投入検知手段を構成している。そして、制御装置7は、切替室20内に新たに食品が投入されたことを検知すると、冷却手段に過冷却工程を開始させる。したがって、冷却手段は、切替室20内に食品が投入されたら過冷却工程を開始する。このようにすることで、新たに投入された食品を、より短時間で冷却してガラス化させることができる。
なお、食品投入検知手段は、以上で説明したものに限られない。他に例えば、食品投入検知手段は、切替室20内を撮影するカメラを備えてもよい。また、食品投入検知手段は、切替室20内に収納された食品の重量を検出する重量センサを備えてもよい。あるいは、使用者が操作パネル3を操作して、切替室20内に新たに食品を投入したことを入力できるようにしてもよい。
次に、図8を参照しながら、この実施の形態に係る冷蔵庫1の第3変形例について説明する。この第3変形例においては、使用者は、操作パネル3を操作して切替室20内に収納されているガラス化対象の取出予定時刻を入力できる。取出予定時刻は、使用者が、ガラス化が完了した食品を切替室20から取り出して使用する予定時刻である。制御装置7は、操作パネル3に入力された取出予定時刻を取得する。この場合、操作パネル3及び制御装置7は、ガラス化の対象となる食品を切替室20内から取り出す取出予定時刻を取得する取出予定時刻取得手段を構成している。なお、前述したように操作パネル3とスマートフォン等の外部機器とが通信可能である場合、使用者が外部機器を操作して取出予定時刻を入力できるようにしてもよい。また、外部機器と制御装置7とが直接に通信可能に接続されていてもよい。
この第3変形例においては、制御装置7は、取得した取出予定時刻に応じて、冷却手段にガラス化工程を開始させる時刻を変更する。すなわち、冷却手段は、取出予定時刻に応じてガラス化工程を開始させる時刻を変更する。例えば、冷却手段は、取出予定時刻よりも30分以上前にガラス化工程を開始させる。このようにすることで、無駄な冷却を抑制するとともに、取出予定時刻には対象食品を確実にガラス化させることができる。
食品が細かく分割されるのは、調理に使用する際であることが多いため、制御装置7は、日々の調理時間に合わせて自動的に取出予定時刻を設定してもよい。炊飯器、IHクッキングヒータ等の調理家電の電源がONになった時刻をもとに、取出予定時刻を予測してもよい。なお、過冷却解消工程が終了してからガラス化工程が開始するまでの間、冷却手段は温度維持工程を実行する。温度維持工程は、過冷却工程における切替室20内の温度以下で、かつ、食品の凍結濃縮ガラス転移温度Tg’より高い一定温度で切替室20内の温度が維持されるようにする工程である。温度維持工程における切替室20内の温度は、例えば前述したソフト冷凍温度帯である-7℃程度に設定される。
次に、図9から図11を参照しながら、この実施の形態に係る冷蔵庫1の切替室20の別例について説明する。切替室20内の背面部には、冷気吹出口29が形成されている。冷気吹出口29は、風路9に通じている。冷却器5で空気が冷却されて生成された冷気は、冷気吹出口29から切替室20内に吹き出される。図示の構成例では、切替室20内の切替室収納ケース21の内側の空間に、下ごしらえエリア23と、通常保存エリア24とが形成されている。下ごしらえエリア23は、ガラス化の対象となる食品を収納する第1領域である。通常保存エリア24は、ガラス化の対象でない食品を収納する第2領域である。このような下ごしらえエリア23及び通常保存エリア24を設けることで、ガラス化して細かく分割したい食品と、そうでない食品を分けることができ、利便性と食材保存品質を向上できる。
第1領域である下ごしらえエリア23は、第2領域である通常保存エリア24よりも冷気吹出口29に近い位置に配置されている。多くの場合、Tg’は通常保存する温度よりも低い温度である。そこで、下ごしらえエリア23を冷気吹出口29に近い位置に配置することで、下ごしらえエリア23内の温度を、通常保存エリア24内の温度よりも容易に低くできる。
また、下ごしらえエリア23と通常保存エリア24との境界には、仕切り部材22が設けられている。このような仕切り部材22を設けることで、使用者が下ごしらえエリア23と通常保存エリア24とを容易に区別できるため、食品の整理等がしやすくなり利便性を向上できる。この場合、仕切り部材22を移動可能に設けてもよい。仕切り部材22を移動させることで、下ごしらえエリア23と通常保存エリア24の大きさを変更でき、利便性を向上できる。
仕切り部材22の高さは、切替室20内の高さの半分以下にするとよい。このようにすることで、冷気吹出口29から吹き出された冷気を下ごしらえエリア23に留めつつ、仕切り部材22の上側から通常保存エリア24へも冷気が流れるため、下ごしらえエリア23と通常保存エリア24の両方を冷却できる。また、仕切り部材22の少なくとも一部を、例えば格子状、メッシュ状等にすることで、冷気吹出口29から吹き出された冷気が通過可能にしてもよい。
図11に示すように、切替室20内に切替室内送風ファン25を設けてもよい。切替室内送風ファン25は、第1領域である下ごしらえエリア23に向けて送風する送風ファンである。食品をガラス化させるための下ごしらえエリア23は、通常の保存温度よりも低い温度であることが多く、通常保存エリア24と下ごしらえエリア23の温度差が非常に大きくなる場合がある。例えば、肉、魚のようなたんぱく質が多い食材の場合、Tg’は約-15℃である。一方、切替室20の通常保存温度は0℃~-7℃程度であり、この場合の下ごしらえエリア23と通常保存エリア24との差は、最大で15K以上となる。したがって、通常保存エリア24に合わせた風量では、下ごしらえエリア23の風量が足りずTg’以下の温度に到達できない。逆に、下ごしらえエリア23に合わせた風量では、通常保存エリア24が冷えすぎてしまう。そこで、下ごしらえエリア23専用の切替室内送風ファン25を備えることで、両者のエリアの温度差を保ったまま、下ごしらえエリア23の温度をTg’以下まで到達させることができる。
これまで、切替室20内を下ごしらえエリア23と通常保存エリア24の2つのエリアに分けることについて述べたが、切替室20内を複数の下ごしらえエリアに区画してもよい。前述したように、食品の種類によってTg’は異なる。そこで、切替室20内を複数の下ごしらえエリアに区画することで、Tg’が異なる複数種類の食品を同時にガラス化させることができる。また、前述したように、ガラス化工程中における最適な冷却速度は、食品の種類によって異なる。切替室20内を複数の下ごしらえエリアに区画することで、複数種類の食品について、同時に最適な冷却速度でガラス化させることができる。例えば、切替室内送風ファン25により送風することで、一方のエリアの冷却速度を他方のエリアの冷却速度よりも大きくできる。
この実施の形態に係る冷蔵庫1は、切替室20内に収納されている食品の種類を検出する食品種類検出手段を備えてもよい。この場合、例えば、食品種類検出手段は、切替室20内を撮影するカメラ(図示せず)を備えている。そして、制御装置7は、カメラにより撮影された画像を解析し、切替室20内に収納されている食品の種類を検出する。制御装置7は、切替室20内に収納されている食品の種類の検出結果を用い、当該食品の種類のTg’に応じて、ガラス化工程における切替室20内の温度を設定する。したがって、冷却手段は、ガラス化工程において、切替室20内に収納されている食品の種類に応じて切替室20内の温度を変更する。このようすることで、様々な種類の食品を精度よくガラス状態にでき、利便性をさらに向上できる。
この実施の形態に係る冷蔵庫1においては、制御装置7は、冷却手段にガラス化工程を実行させてから予め設定された時間が経過した場合に、例えば、操作パネル3の表示部3bに食品がガラス状に凍結したことを使用者に知らせるメッセージを表示させたり、表示灯を点灯させたりしてもよい。すなわち、冷蔵庫1は、冷却手段がガラス化工程を開始してから予め設定された時間が経過した場合に、食品がガラス化したことを使用者に報知する報知手段を備えてもよい。このような報知手段を備えることで、使用者は食品がガラス化したことを知ることができる。前述したように、冷蔵庫1とスマートフォン、キッチン家電等の外部機器とが通信可能である場合、報知手段は、これらの外部機器により報知を行ってもよい。
また、冷蔵庫1は、切替室20内に食品温度センサとして赤外線センサ(図示せず)を備えてもよい。食品温度センサは、切替室20内の食品の温度を検出するセンサである。そして、報知手段は、ガラス化工程において切替室20内の食品の温度が当該食品のTg’に達した場合に、食品がガラス状に凍結したことを使用者に報知してもよい。このような報知を行うことで、使用者は食品のガラス化が完了したことを把握することができ、利便性を向上できる。
報知手段によるガラス化工程の報知が完了した後、予め設定された一定時間が経過しても食品が切替室20内から取り出されない場合、冷却手段はガラス化工程を終了してもよい。ここで、一定時間は、例えば1時間である。切替室20内から食品が取り出されたかどうかは、例えば、前述した食品投入検知手段の検知結果、又は、食品種類検出手段の検出結果等を利用して判定できる。ガラス化工程の終了後は、冷却手段は、例えば、切替室20内の温度が通常の冷凍保存温度になるように切替室20内を冷却する。
長時間にわたって切替室20内の温度がTg’以下の状態を保ってしまうと、いつでも使用者がガラス状態の食品を使用できる一方で、切替室20内のガラス化したくない食品の温度も低下して保存品質が低下してしまう可能性がある。また、前述したように、下ごしらえエリア23と通常保存エリア24とを設けている場合、通常保存エリア24内の温度が徐々に変化し、通常保存エリア24内の食品を保存品質が低下してしまう可能性がある。そこで、報知手段によるが完了した後、予め設定された一定時間が経過しても食品が切替室20内から取り出されない場合には、使用者にガラス状態の食品を使用する意思がないと判断して、ガラス化工程を終了するとよい。
また、ガラス化工程の実行中における外部機器の動作状況に応じて、ガラス化工程を終了してもよい。この場合、例えば、外部機器であるIHクッキングヒータの電源がOFFになった旨の信号が冷蔵庫1の制御装置7に入力された場合、制御装置7は、調理が終了した判断して、ガラス化工程を終了してもよい。また、自動調理器で調理中のレシピに合わせて、ガラス状態で保存されている食品を使用する調理工程が終了した場合に、ガラス化工程を終了してもよい。なお、ガラス化工程の実行中に切替室20内から取り出された場合に、ガラス化工程を終了してもよい。
この実施の形態に係る冷蔵庫1においては、使用者は、例えば操作パネル3を操作して、取り出した食品がガラス化されており細かい状態に分割できたかどうかを入力できるようにしてもよい。この場合、使用者は、例えば、取り出した食品の種類と、その食品の分割のしやすさを評価して入力する。冷蔵庫1の制御装置7は、入力された評価と、冷却速度、保存期間、季節等の情報を対応付けて記憶し、学習する。
この場合、制御装置7は、図12に示すように、データ取得部71、モデル生成部72及び記憶部73を備えている。データ取得部71は、学習用データを取得する。学習用データには、過冷却工程及びガラス化工程の一方又は両方における冷却手段の制御内容と、ガラス化された食品についての評価結果と、当該食品の種類とが含まれている。データ取得部71が取得した学習用データは、記憶部73に記憶される。
なお、食品投入検知手段が切替室20内を撮影するカメラを備えている場合、当該カメラにより撮影された画像を解析して得られる食品の状態についての情報を学習用データはさらに含んでもよい。また、食品投入検知手段が切替室20内に収納された食品の重量を検出する重量センサを備えている場合、当該重量センサにより検出された食品の重量を学習用データはさらに含んでもよい。また、切替室20内に食品温度センサ(赤外線センサ)を備えている場合、当該食品温度センサにより検出された食品の温度を学習用データはさらに含んでもよい。
モデル生成部72は、記憶部73に記憶されている学習用データを用いて、ガラス化された食品についての評価結果を向上させるための過冷却工程及びガラス化工程の一方又は両方における冷却手段の制御内容を推論するための学習済みモデルを生成する。この際の学習済みモデルの生成は、例えば教師あり学習、強化学習等の公知のアルゴリズムを用いることができる。生成された学習済みモデルは、記憶部73に記憶される。
そして、制御装置7は、記憶部73に記憶されている学習済みモデルを用いて、ガラス化された食品についての評価結果を向上させるための過冷却工程及びガラス化工程の一方又は両方における冷却手段の制御内容を推論し、推論された制御内容により冷却手段を制御する。このようなデータ取得部71及びモデル生成部72を備えることで、使用者のフィードバックに合わせて、制御を最適化することが可能となり、利便性が向上する。
冷蔵庫1から取り出した食品を、包丁を使わず手で分割する際、その分割サイズは、使用する調理内容によって変化できた方が好ましい。そこで、この実施の形態に係る冷蔵庫1においては、使用者が、例えば操作パネル3を操作して、ガラス化させる食品について、希望する分割サイズ(例えば、大、中、小等)を設定できるようにしてもよい。そして、制御装置7は、設定された分割サイズに応じて、過冷却工程及びガラス化工程の一方又は両方における冷却手段の制御内容を変更してもよい。
例えば、ガラス化工程における最終温度をTg’よりも低くすればするほど、食品は強固に凍結し、硬く脆い状態となる。この場合、分割するのに力が必要となり、みじん切りのような細かい状態までは分割できず、分割サイズが大きくなる。逆に、最終温度をTg’に近くすれば、小さい力で食品を分割することができ、分割サイズは小さくなる。また、凍結時間が長いほど、氷結晶が大きくなり、たとえガラス状態であったとしても、氷結晶が邪魔をするため、分割するために必要な力が大きくなり、分割サイズは大きくなる。一方で、過冷却度が深いと、凍結時間が長くても氷結晶が粗大化しにくく、小さい力で食品を分割することができ、分割サイズは小さくなる。
そこで、希望する分割サイズが大きい場合、制御装置7は、ガラス化工程における最終温度を低くし、あるいは、凍結時間が長くなるように各工程を制御する。また、希望する分割サイズが小さい場合、制御装置7は、ガラス化工程における最終温度を高くし、あるいは、過冷却工程における過冷却度を深くし、あるいは、凍結時間が短くなるように冷却手段を制御する。このように、最終温度、凍結時間、過冷却度等を変化させることで、食品の分割サイズを変化させることができ、使用者に合わせた使い勝手を提供することが可能となる。
なお、食品の分割サイズの制御は、食品が未凍結生の状態から冷凍保存を開始した場合には比較的容易に行うことができる。しかし、長期間にわたって冷凍保存した食品等は、分割サイズの制御が困難である。そこで、既に冷凍済みの食品については、制御装置7は、これまでの冷凍保存状態に基づいて分割可能なサイズを推定してもよい。そして、その推定結果を報知手段により使用者に通知し、使用者がその情報を基に調理への使用方法を決定できるようにするとよい。このようにすることで、分割できるサイズを基に、使用者はその食品の使い方を事前に決定することができ、調理の利便性が向上する。
また、冷蔵庫1は、設定された食品の分割サイズに関する情報、又は、分割可能なサイズの推定結果を自動調理器等のキッチン家電すなわち冷蔵庫1の外部に送信する送信手段を備えてもよい。さらに、冷蔵庫1から、ガラス化工程における最終温度、食品の種類等の情報を自動調理器等のキッチン家電に送信してもよい。このようにすることで、例えば、自動調理器であれば、分割可能なサイズの推定結果、最終的な冷凍保存温度、食品の種類等に応じて、調理動作を変更し、例えば調理時間、加熱の強さ等を変更できる。したがって、冷蔵庫1から食品の調理に有益な情報を提供することが可能である。
なお、ガラス状態の食品をみじん切り状にまで細かく分割した場合、人の手で包丁を用いてみじん切りにした場合よりも、食品が細かくなる。このため、食品によっては調理によりアクが多量に発生する場合がある。このような食品の場合、冷蔵庫1の報知手段により、アクが発生しやすいこと、発生したことを使用者に通知し、取り除くよう提案してもよい。このようにすることでも、冷蔵庫1から食品の調理に有益な情報を提供することが可能である。
1 冷蔵庫
2 冷蔵室扉
2a 冷蔵室右扉
2b 冷蔵室左扉
3 操作パネル
3a 操作部
3b 表示部
4 圧縮機
5 冷却器
6 送風ファン
7 制御装置
7a プロセッサ
7b メモリ
8 断熱箱体
9 風路
10 冷蔵室
11 チルド室
20 切替室
21 切替室収納ケース
22 仕切り部材
23 下ごしらえエリア
24 通常保存エリア
25 切替室内送風ファン
26 切替室扉
27 切替室サーミスタ
28 切替室ダンパ
29 冷気吹出口
30 製氷室
40 冷凍室
41 冷凍室収納ケース
50 野菜室
51 野菜室収納ケース
61 扉開閉検知スイッチ
71 データ取得部
72 モデル生成部
73 記憶部

Claims (22)

  1. 食品を内部に収納する貯蔵室が設けられた冷蔵庫本体と、
    前記貯蔵室内を冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記冷却手段は、
    前記貯蔵室内に収納された食品が過冷却状態になるように前記貯蔵室内を冷却する過冷却工程と、
    前記過冷却工程より後に、前記貯蔵室内の温度が、前記貯蔵室内に収納された食品の凍結濃縮ガラス転移温度以下になるように前記貯蔵室内を冷却するガラス化工程と、を実行する冷蔵庫。
  2. 前記冷却手段は、
    前記過冷却工程より後に、前記貯蔵室内の温度が、前記貯蔵室内に収納された食品の凍結濃縮ガラス転移温度とは異なる温度となるように前記貯蔵室内を冷却する過冷却解除工程を実行し、
    前記過冷却解除工程より後に、前記ガラス化工程を実行する請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 食品を内部に収納する貯蔵室が設けられた冷蔵庫本体と、
    前記貯蔵室内を冷却する冷却手段と、
    前記冷却手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記冷却手段は、
    前記貯蔵室内に収納された食品が過冷却状態になるように前記貯蔵室内を冷却する過冷却工程と、
    前記過冷却工程より後に、前記貯蔵室内に収納される食品をガラス化させるように前記貯蔵室内を冷却するガラス化工程と、を実行する冷蔵庫。
  4. 前記貯蔵室内への食品の投入を検知する食品投入検知手段をさらに備え、
    前記冷却手段は、前記貯蔵室内に食品が投入されたら、前記過冷却工程を開始する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記冷却手段は、前記過冷却工程の開始時において、前記貯蔵室内の温度を-5℃以上0℃以下とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記冷却手段は、前記ガラス化工程において、前記貯蔵室内の温度が前記貯蔵室内に収納された食品の凍結濃縮ガラス転移温度となるまでの冷却速度を、1時間あたり1K以上5K未満とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  7. 前記冷却手段は、前記ガラス化工程において、前記貯蔵室内の温度が前記貯蔵室内に収納された食品の凍結濃縮ガラス転移温度となるまでの冷却速度を、1時間あたり5K以上とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  8. 前記冷却手段は、前記ガラス化工程において、前記貯蔵室内の温度が最大氷結晶生成帯にあるときの冷却速度を、1時間あたり5K以上とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  9. ガラス化の対象となる食品を前記貯蔵室内から取り出す取出予定時刻を取得する取出予定時刻取得手段をさらに備え、
    前記冷却手段は、前記取出予定時刻に応じて前記ガラス化工程を開始する時刻を変更する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  10. 前記冷却手段は、前記取出予定時刻よりも30分以上前に前記ガラス化工程を開始する請求項9に記載の冷蔵庫。
  11. 前記貯蔵室内には、ガラス化の対象となる食品を収納する第1領域と、ガラス化の対象でない食品を収納する第2領域とが形成された請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  12. 前記第1領域は、前記第2領域よりも前記貯蔵室内の冷気吹出口に近い位置に配置される請求項11に記載の冷蔵庫。
  13. 前記第1領域と前記第2領域とを仕切る仕切り部材をさらに備えた請求項11又は請求項12に記載の冷蔵庫。
  14. 前記仕切り部材は、移動可能に設けられる請求項13に記載の冷蔵庫。
  15. 前記仕切り部材の少なくとも一部は、前記貯蔵室内の冷気吹出口から吹き出された冷気が通過可能である請求項13又は請求項14に記載の冷蔵庫。
  16. 前記貯蔵室内に設けられ、前記第1領域に向けて送風する送風ファンをさらに備えた請求項11から請求項15のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  17. 前記貯蔵室内に収納されている食品の種類を検出する食品種類検出手段をさらに備え、
    前記冷却手段は、前記ガラス化工程において、前記貯蔵室内に収納されている食品の種類に応じて前記貯蔵室内の温度を変更する請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  18. 前記冷却手段が前記ガラス化工程を開始してから予め設定された時間が経過した場合に、使用者に報知する報知手段をさらに備えた請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  19. 前記冷却手段は、前記報知手段が報知してから予め設定された時間が経過した場合に、前記ガラス化工程を終了する請求項18に記載の冷蔵庫。
  20. 前記過冷却工程及び前記ガラス化工程の一方又は両方における前記冷却手段の制御内容と、ガラス化された食品についての評価結果と、当該食品の種類とを含む学習用データを取得するデータ取得部と、
    前記学習用データを用いて、ガラス化された食品についての評価結果を向上させるための前記過冷却工程及び前記ガラス化工程の一方又は両方における前記冷却手段の制御内容を推論するための学習済みモデルを生成するモデル生成部と、をさらに備えた請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  21. 前記制御手段は、設定された食品の分割サイズに応じて、前記過冷却工程及び前記ガラス化工程の一方又は両方における前記冷却手段の制御内容を変更する請求項1から請求項20のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  22. 食品の前記分割サイズに関する情報を外部に送信する送信手段をさらに備えた請求項21に記載の冷蔵庫。
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