JP2016198060A - パン生地 - Google Patents
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Abstract
【課題】パン生地の吸水量、あるいは油脂や卵の配合量に制限されることなく、ソフトでしっとりした食感でありながら、歯切れが良好であり、ねちゃつきがないパンを製造することができるパン生地の提供。【解決手段】小麦粉類、水及びイーストを含む製パン原料を混捏した生地に、(1)糖類を固形分として20〜75質量%含有し、(2)比重が0.9未満である、可塑性油脂組成物を添加し、さらに混捏パン生地の製造方法、前記方法で製造されたパン生地及び該パン生地を焼成したパン。【選択図】なし
Description
本発明は、ソフトでしっとりした食感でありながら、歯切れが良好であり、ねちゃつきがないパンを製造することができるパン生地に関する。
パンの食感に対してさまざまな要求があるが、ソフトでしっとりした食感は最も多い要求である。
ソフトでしっとりした食感のあるパンを得るためには水の添加量(吸水量)を増加すればよい。
しかし、小麦粉類100質量部に対し吸水量が70質量部以上となると、得られるパン生地は保型性を失い流動状となり、各種の成形を行うことが困難となる。
そのため、このような吸水量の多いパン生地(多加水パン生地)を用いて得られるパンはチャバタ等の特殊なパンに限定されている。
ソフトでしっとりした食感のあるパンを得るためには水の添加量(吸水量)を増加すればよい。
しかし、小麦粉類100質量部に対し吸水量が70質量部以上となると、得られるパン生地は保型性を失い流動状となり、各種の成形を行うことが困難となる。
そのため、このような吸水量の多いパン生地(多加水パン生地)を用いて得られるパンはチャバタ等の特殊なパンに限定されている。
また、ソフトでしっとりとした食感のパンを得るための製造方法として、ベーシックスイートドウ方式というパン生地の製造方法が知られている。このベーシックスイートドウ方式とは、油脂、卵、糖類等の副原料をシュガーバッター法で起泡させ、ここに小麦粉類、イースト、水等の主原料を添加していく方式である。
このベーシックスイートドウ方式で得られたパンは、たしかにソフトでしっとりした食感を呈するが、その効果は大量の油脂と卵の添加によって、極めてリッチな配合の生地になっていることにより得られるものである。各種パンの中でもこのようなリッチな配合のものは少なく、この製造方法を適用することが可能なパンは極めて少ない。
このベーシックスイートドウ方式で得られたパンは、たしかにソフトでしっとりした食感を呈するが、その効果は大量の油脂と卵の添加によって、極めてリッチな配合の生地になっていることにより得られるものである。各種パンの中でもこのようなリッチな配合のものは少なく、この製造方法を適用することが可能なパンは極めて少ない。
そのため、吸水量、あるいは油脂や卵の配合量が少ない場合であっても、また特殊な配合や製法に拠らずとも、ソフトでしっとりした食感のパンを得る方法が各種検討され、開示されている。
たとえば、ゲル化剤や増粘多糖類を使用する方法(例えば特許文献1〜3参照)や、クリーミングした無糖の可塑性油脂を使用する方法(例えば特許文献4参照)が提案されている。
たとえば、ゲル化剤や増粘多糖類を使用する方法(例えば特許文献1〜3参照)や、クリーミングした無糖の可塑性油脂を使用する方法(例えば特許文献4参照)が提案されている。
しかし、ゲル化剤や増粘多糖類を使用する方法では得られるパンがねちゃつきやすいという問題があり、また、クリーミングした無糖の可塑性油脂を使用する方法ではしっとりした食感のパンが得られないという問題があった。
従って、本発明の目的は、パン生地の吸水量、あるいは油脂や卵の配合量に制限されることなく、ソフトでしっとりした食感でありながら、歯切れが良好であり、ねちゃつきがないパンを提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、通常の製パン練り込み用可塑性油脂組成物に比べて比重の軽い、糖類を多く含有する可塑性油脂組成物を使用することで、上記目的が達成可能であることを見出した。
すなわち本発明は、下記の(1)及び(2)の条件を満たす可塑性油脂組成物を添加したことを特徴とするパン生地を提供するものである。
(1)糖類を固形分として20〜75質量%含有する。
(2)比重が0.9未満である。
(1)糖類を固形分として20〜75質量%含有する。
(2)比重が0.9未満である。
本発明のパン生地を使用することにより、ソフトでしっとりした食感でありながら、歯切れが良好であり、ねちゃつきがないパンを製造することができる。
以下、本発明のパン生地について詳述する。
本発明でいうパン生地の種類としては、小麦粉類、水及びイーストを含む製パン原料を混捏した生地であれば特に制限されず、食パン生地、菓子パン生地、フランスパン生地、デニッシュ・ペストリー生地、スイートロール生地、イーストドーナツ生地などのパン生地をあげることができる。
なお、本発明のパン生地で用いる小麦粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉、胚芽等が挙げられ、特に強力粉のみまたは、強力粉と薄力粉の併用が好ましい。
本発明でいうパン生地の種類としては、小麦粉類、水及びイーストを含む製パン原料を混捏した生地であれば特に制限されず、食パン生地、菓子パン生地、フランスパン生地、デニッシュ・ペストリー生地、スイートロール生地、イーストドーナツ生地などのパン生地をあげることができる。
なお、本発明のパン生地で用いる小麦粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉、胚芽等が挙げられ、特に強力粉のみまたは、強力粉と薄力粉の併用が好ましい。
次に本発明で使用する可塑性油脂組成物について説明する。
上記の可塑性油脂組成物で用いることができる油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、落花生油、カポック油、胡麻油、月見草油、カカオ脂、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。本発明はこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記の可塑性油脂組成物で用いることができる油脂としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、落花生油、カポック油、胡麻油、月見草油、カカオ脂、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、牛脂、乳脂、豚脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。本発明はこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記の油脂の含有量は、上記の可塑性油脂組成物中、好ましくは25〜75質量%、より好ましくは35〜70質量%、さらに好ましくは35〜55質量%である。
上記の可塑性油脂組成物は糖類を固形分として20〜75質量%、好ましくは25〜75質量%、より好ましくは25〜65質量%、最も好ましくは30〜50質量%である。上記範囲内で糖類を含有することで、ソフトでしっとりした食感のパンを得ることができる。
上記糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、液糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、転化糖液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖、ポリデキストロース、還元乳糖、還元水飴、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、はちみつ等の中から選ばれた1種又は2種以上を使用することができるが、良好な甘味のしっとりしたねちゃつきのない食感のパンを得られる点で、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、液糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、転化糖液糖、蔗糖結合水飴のうちの一種又は2種以上を含有することが好ましい。
さらに上記の可塑性油脂組成物は必要により、その他の材料として、コーンスターチ・タピオカ澱粉・馬鈴薯澱粉・小麦澱粉・米澱粉・モチ米澱粉などの澱粉や加工澱粉、キサンタンガム・アルギン酸ナトリウム・グアガム・ローカストビーンガム・カラギーナンなどの増粘安定剤、卵類、天然水や水道水などの水、β―カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリーム・乳清ミネラルなどの乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズなどのチーズ類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、無機塩類、食塩、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物及び動物エキス、食品添加物などを用いることができる。その他の材料は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、好ましくは、上記可塑性油脂組成物中、30質量%以下である。
上記の可塑性油脂組成物は油相を連続相とするものであれば、ショートニングに代表される無水タイプ、また、ファットスプレッドやマーガリンに代表される含水タイプのどちらであってもよいが、生地への練り込まれやすさに優れることから水相を含有する可塑性油中水型乳化油脂組成物であることが好ましい。なお、上記油中水型乳化は油中水中油型や油中油型などの多重乳化を含むものとする。
上記の可塑性油脂組成物の比重は0.9未満、好ましくは0.5〜0.85、さら好ましくは0.6〜0.8、最も好ましくは0.60〜0.75である。上記の可塑性油脂組成物の比重が0.9以上だと得られたパンがねちゃつくので好ましくない。また比重が0.5未満であるとパン生地への混合性が悪化し、均質に練り込むことが困難になってしまう。
次に上記の可塑性油脂組成物の製造方法について説明する。
上記可塑性油脂組成物を得る方法としては、ショートニング、ファットスプレッド、マーガリン等の油脂を連続相とする油脂組成物をクリーミングする過程で糖や糖液を添加する方法、あるいは油脂を連続相とする加糖可塑性油脂組成物の製造過程で含気泡させる方法などを挙げることができる。
上記可塑性油脂組成物を得る方法としては、ショートニング、ファットスプレッド、マーガリン等の油脂を連続相とする油脂組成物をクリーミングする過程で糖や糖液を添加する方法、あるいは油脂を連続相とする加糖可塑性油脂組成物の製造過程で含気泡させる方法などを挙げることができる。
ショートニング、ファットスプレッド、マーガリン等の油脂を連続相とする油脂組成物をクリーミングする過程で糖や糖液を添加する方法の場合は、固形の糖を使用する場合はクリーミング前に添加することが好ましく、液状の糖液を使用する場合はクリーミング後に添加し、比重が落ちないようにさっくりと混合することが好ましい。
一方、加糖可塑性油脂組成物の製造過程で含気泡させる方法の場合は、加糖可塑性油脂組成物の製造の急冷可塑化後に窒素や空気などの気体を注入する方法によることが好ましい。
さらに、本発明のパン生地について述べる。
本発明のパン生地は上記の可塑性油脂組成物を添加使用して得られるものである。
すなわち、ベーシックスイートドウ法などのように、可塑性油脂組成物に小麦粉を添加して得るのではなく、通常の製パン法同様に、小麦粉類、水及びイーストを含む製パン原料を混捏した生地に添加することで得られるものである。
本発明のパン生地は上記の可塑性油脂組成物を添加使用して得られるものである。
すなわち、ベーシックスイートドウ法などのように、可塑性油脂組成物に小麦粉を添加して得るのではなく、通常の製パン法同様に、小麦粉類、水及びイーストを含む製パン原料を混捏した生地に添加することで得られるものである。
その添加量は通常のパン生地製造時の添加量ととくに変わることなくパン生地の種類に応じて適宜決定することができるが、パン生地で使用する小麦粉類100質量部に対し、好ましくは3〜30質量部、さらに好ましくは5〜20質量部、最も好ましくは8〜15質量部である。ここで添加量が3質量部よりも少ないと本発明の効果が得られがたく、30質量部よりも多いとパン生地がべたつきやすい。
本発明のパン生地の水分含量は、パン生地で使用する小麦粉100質量部に対し、好ましくは30〜150質量部、さらに好ましくは50〜100質量部である。
上記の水としては、天然水や水道水の他に、パン生地で用いる水分を含む材料中の水分も含むものとする。水分を含む材料としては、牛乳、濃縮乳、クリームなどの乳や乳製品、全卵、生卵黄、生卵白、殺菌全卵、殺菌卵黄、殺菌卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などの卵類、液糖などが挙げられる。また乳化物を使用する場合には、上記水の含有量とは、該乳化物に含まれる水分をも含む。
本発明のパン生地で用いるイーストとしては、ドライイースト、生イースト、冷蔵パン用イースト、冷凍パン用イースト等が挙げられる。本発明ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のパン生地は必要によりその他の材料として以下のものを用いることができる。例えば、アルギン酸、アルギン酸塩、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、寒天、グルコマンナンなどの食物繊維、上記の可塑性油脂組成物以外の油脂組成物、糖類や甘味料、でんぷん、増粘安定剤、β−カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリームなどの乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズなどのチーズ類、全卵、生卵黄、生卵白、殺菌全卵、殺菌卵黄、殺菌卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄などの卵類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、グリセリン脂肪酸エステル・グリセリン酢酸脂肪酸エステル・グリセリン乳酸脂肪酸エステル・グリセリンコハク酸脂肪酸エステル・グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル・ソルビタン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル・ショ糖酢酸イソ酪酸エステル・ポリグリセリン脂肪酸エステル・ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル・プロピレングリコール脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ステアロイル乳酸ナトリウム・ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド・レシチンなどの乳化剤、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、生地改良剤、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物及び動物エキス、食品添加物などを挙げることができる。その他の材料は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、好ましくは、上記小麦粉100質量部に対して合計で200質量部以下となる範囲で用いることができる。
上記の可塑性油脂組成物以外の油脂組成物として、例えば、比重が0.9以上の可塑性油脂組成物、糖類含量が20質量%未満の可塑性油脂組成物、水中油型乳化脂、サラダ油・流動ショートニング・溶かしバターなどの流動状油脂組成物、また、粉末油脂組成物などが挙げられる。
上記の可塑性油脂組成物以外の油脂組成物の添加量は、本発明のパン生地で使用する小麦粉類100質量部に対して、好ましくは0〜10質量部、さらに好ましくは0〜5質量部である。
上記の糖類や甘味料としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、乳糖、液糖、酵素糖化水飴、還元澱粉糖化物、異性化液糖、転化糖液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、還元水飴、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、はちみつ、スクラロース、ステビア、アスパルテーム、ソーマチン、サッカリン、ネオテーム、アセスルファムカリウム、甘草などが挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記の糖類や甘味料の添加量は、本発明のパン生地で使用する小麦粉類100質量部に対し、固形分換算で好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量部以下であることが好ましい。なお、この含有量は上記可塑性油脂組成物中の糖類含量は含まない。
さらに本発明のパン生地の製造方法について説明する。
本発明のパン生地の製造方法は、小麦粉類、水及びイーストを含む製パン原料を混捏した生地に、下記の(1)及び(2)の条件を満たす可塑性油脂組成物を添加し、さらに混捏することを特徴とする。
(1)糖類を固形分として20〜75質量%含有する。
(2)比重が0.9未満である。
本発明のパン生地の製造方法は、小麦粉類、水及びイーストを含む製パン原料を混捏した生地に、下記の(1)及び(2)の条件を満たす可塑性油脂組成物を添加し、さらに混捏することを特徴とする。
(1)糖類を固形分として20〜75質量%含有する。
(2)比重が0.9未満である。
ここでなぜ本発明のパン生地の製造方法に拠るとソフトでしっとりした食感でありながら、歯切れが良好であり、ねちゃつきがないパンが得られるのかについては定かではないが、おそらく以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、混捏により良質のグルテン構造が形成された生地に、生地分散性の高い低比重の加糖可塑性油脂組成物を添加することで、グルテン構造を破壊することなく糖類を均質に生地中に分散させることができ、そのため得られたパン生地も保水性が高くまた非常に伸展性が高いためではないかと考えられる。
なお、本発明のパン生地の製造方法においては速成法、ストレート法、中種法、液種法、サワー種法、酒種法、ホップ種法、中麺法、チョリーウッド法、連続製パン法、冷蔵生地法、冷凍生地法等の製パン法を適宜選択して製造することができる。上記冷凍生地法は、混涅直後に冷凍する板生地冷凍法、分割丸め後に生地を冷凍する玉生地冷凍法、成型後に生地を冷凍する成型冷凍法、最終発酵(ホイロ)後に生地を冷凍するホイロ済み冷凍法等の種々の方法が採用できる。
なお、得られた本発明のパン生地は、通常のパンと同様に、フロアータイム、分割、ベンチタイム、成形、ホイロ後に、焼成などの加熱工程を経ることにより、パンを得ることができる。
なお、得られた本発明のパン生地は、通常のパンと同様に、フロアータイム、分割、ベンチタイム、成形、ホイロ後に、焼成などの加熱工程を経ることにより、パンを得ることができる。
最後に本発明のパンについて説明する。
本発明のパンは、本発明のパン生地を焼成することによって得ることができ、ソフトでしっとりした食感でありながら、歯切れが良好であり、ねちゃつきがないという特徴を有する。
なお、焼成温度や時間などの各種条件は通常のパン同様、適宜選択可能である。
また、上記焼成は蒸し焼きを含むものである。
本発明のパンは、本発明のパン生地を焼成することによって得ることができ、ソフトでしっとりした食感でありながら、歯切れが良好であり、ねちゃつきがないという特徴を有する。
なお、焼成温度や時間などの各種条件は通常のパン同様、適宜選択可能である。
また、上記焼成は蒸し焼きを含むものである。
以下に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明を具体的に説明する。
<可塑性油中水型乳化油脂組成物の製造>
〔製造例1〕
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂とコーン油を60:40の質量比で混合した混合油脂40質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部、レシチン0.5質量部及び色素液0.1質量部からなる油相と、転化糖液糖(糖の固形分の含有量は70質量%)40質量部、水18.4質量部及び食塩0.5質量部からなる水相とを、55℃の温度で混合乳化して油中水型乳化物とし、殺菌し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、急冷可塑化後に窒素ガスを分散することで比重0.75の可塑性油中水型乳化油脂組成物Aを得た。
<可塑性油中水型乳化油脂組成物の製造>
〔製造例1〕
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂とコーン油を60:40の質量比で混合した混合油脂40質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部、レシチン0.5質量部及び色素液0.1質量部からなる油相と、転化糖液糖(糖の固形分の含有量は70質量%)40質量部、水18.4質量部及び食塩0.5質量部からなる水相とを、55℃の温度で混合乳化して油中水型乳化物とし、殺菌し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、急冷可塑化後に窒素ガスを分散することで比重0.75の可塑性油中水型乳化油脂組成物Aを得た。
〔製造例2〕
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂とコーン油を60:40の質量比で混合した混合油脂70質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部、レシチン0.5質量部及び色素液0.1質量部からなる油相と、水28.9質量部からなる水相とを、55℃の温度で混合乳化して油中水型乳化物を得た。この油中水型乳化物を急冷可塑化して比重0.95の可塑性油中水型乳化物であるマーガリンAを得た。このマーガリンA100質量部に対し上白糖80質量部を添加し、たて型ミキサーでビーターを使用して比重が0.75になるまでクリーミングし、比重0.75の可塑性油中水型乳化油脂組成物Bを得た。
パーム核油とパーム極度硬化油を70:30で混合した配合油のランダムエステル交換油脂とコーン油を60:40の質量比で混合した混合油脂70質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル0.5質量部、レシチン0.5質量部及び色素液0.1質量部からなる油相と、水28.9質量部からなる水相とを、55℃の温度で混合乳化して油中水型乳化物を得た。この油中水型乳化物を急冷可塑化して比重0.95の可塑性油中水型乳化物であるマーガリンAを得た。このマーガリンA100質量部に対し上白糖80質量部を添加し、たて型ミキサーでビーターを使用して比重が0.75になるまでクリーミングし、比重0.75の可塑性油中水型乳化油脂組成物Bを得た。
〔製造例3〕
上記マーガリンA100質量部、及び、転化糖液糖(糖の固形分の含有量は70質量%)70質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーでビーターを使用して比重が0.75になるまでクリーミングし、比重0.75の可塑性油中水型乳化油脂組成物Cを得た。
上記マーガリンA100質量部、及び、転化糖液糖(糖の固形分の含有量は70質量%)70質量部をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーでビーターを使用して比重が0.75になるまでクリーミングし、比重0.75の可塑性油中水型乳化油脂組成物Cを得た。
〔製造例4〕
可塑性油中水型乳化油脂組成物Aにおいて比重を0.95としたほかは、製造例1と同様の配合と製法により、可塑性油中水型乳化油脂組成物Dを得た。
可塑性油中水型乳化油脂組成物Aにおいて比重を0.95としたほかは、製造例1と同様の配合と製法により、可塑性油中水型乳化油脂組成物Dを得た。
<パンの製造>
〔実施例1〕
可塑性油中水型乳化油脂組成物Aを用い、下記の配合と製法によりブリオッシュ風ロールパンを製造した。
〔実施例1〕
可塑性油中水型乳化油脂組成物Aを用い、下記の配合と製法によりブリオッシュ風ロールパンを製造した。
(配合)
中種配合
強力粉70質量部、イースト3質量部、イーストフード0.1質量部、水40質量部、
本捏配合
強力粉 30質量部、脱脂粉乳5質量部、卵黄8質量部、食塩1質量部、水8質量部、可塑性油中水型乳化油脂組成物A40質量部
中種配合
強力粉70質量部、イースト3質量部、イーストフード0.1質量部、水40質量部、
本捏配合
強力粉 30質量部、脱脂粉乳5質量部、卵黄8質量部、食塩1質量部、水8質量部、可塑性油中水型乳化油脂組成物A40質量部
(製法)
上記の中種配合の全原料をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーにセットしフックを使用して、低速3分、中速2分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度=24℃)を得た。この中種生地を28℃、相対湿度80%にて2時間の発酵を行った。
上記の発酵を行った中種生地に、本捏配合の可塑性油中水型乳化油脂組成物A以外の材料を添加し、たて型ミキサーでフックを使用して、低速1分、中速3分、高速6分ミキシングした後、本捏配合の可塑性油中水型乳化油脂組成物Aを添加して、低速3分、中速4分、高速5分ミキシングし、本発明のパン生地(捏ね上げ温度=26℃)を得た。得られたパン生地は、30分フロアタイムをとり、分割(80g)、丸めし、30分ベンチタイムを取った後、ロール成形し、38℃、相対湿度75%、45分のホイロを取った後、180℃のオーブンで12分焼成してブリオッシュ風ロールパンAを得た。
上記の中種配合の全原料をミキサーボウルに投入し、たて型ミキサーにセットしフックを使用して、低速3分、中速2分ミキシングし、中種生地(捏ね上げ温度=24℃)を得た。この中種生地を28℃、相対湿度80%にて2時間の発酵を行った。
上記の発酵を行った中種生地に、本捏配合の可塑性油中水型乳化油脂組成物A以外の材料を添加し、たて型ミキサーでフックを使用して、低速1分、中速3分、高速6分ミキシングした後、本捏配合の可塑性油中水型乳化油脂組成物Aを添加して、低速3分、中速4分、高速5分ミキシングし、本発明のパン生地(捏ね上げ温度=26℃)を得た。得られたパン生地は、30分フロアタイムをとり、分割(80g)、丸めし、30分ベンチタイムを取った後、ロール成形し、38℃、相対湿度75%、45分のホイロを取った後、180℃のオーブンで12分焼成してブリオッシュ風ロールパンAを得た。
〔実施例2〕
可塑性油中水型乳化油脂組成物Aに代えて可塑性油中水型乳化油脂組成物Bを用いた以外は実施例1と同様の配合・製法にしたがって、ブリオッシュ風ロールパンBを製造した。
可塑性油中水型乳化油脂組成物Aに代えて可塑性油中水型乳化油脂組成物Bを用いた以外は実施例1と同様の配合・製法にしたがって、ブリオッシュ風ロールパンBを製造した。
〔実施例3〕
可塑性油中水型乳化油脂組成物Aに代えて可塑性油中水型乳化油脂組成物Cを用いた以外は実施例1と同様の配合・製法にしたがって、ブリオッシュ風ロールパンCを製造した。
可塑性油中水型乳化油脂組成物Aに代えて可塑性油中水型乳化油脂組成物Cを用いた以外は実施例1と同様の配合・製法にしたがって、ブリオッシュ風ロールパンCを製造した。
〔実施例4〕
可塑性油中水型乳化油脂組成物Aに代えて可塑性油中水型乳化油脂組成物Bを用い、また、可塑性油中水型乳化油脂組成物Bを本捏ミキシングの最初から添加し、ミキシング時間を、低速3分、中速4分、高速5分に変更した以外は実施例1と同様と同様の配合と製法によりブリオッシュ風ロールパンDを製造した。
可塑性油中水型乳化油脂組成物Aに代えて可塑性油中水型乳化油脂組成物Bを用い、また、可塑性油中水型乳化油脂組成物Bを本捏ミキシングの最初から添加し、ミキシング時間を、低速3分、中速4分、高速5分に変更した以外は実施例1と同様と同様の配合と製法によりブリオッシュ風ロールパンDを製造した。
〔比較例1〕
可塑性油中水型乳化油脂組成物Aに代えて可塑性油中水型乳化油脂組成物Dを用いた以外は実施例1と同様の配合・製法にしたがって、ブリオッシュ風ロールパンEを製造した。
可塑性油中水型乳化油脂組成物Aに代えて可塑性油中水型乳化油脂組成物Dを用いた以外は実施例1と同様の配合・製法にしたがって、ブリオッシュ風ロールパンEを製造した。
<評価方法及び評価基準>
実施例1〜4、比較例1で得られたブリオッシュ風ロールパンA〜Eを以下の基準にて評価した。
(食感)
焼成1日後のブリオッシュ風ロールパンについて、ソフト性、しっとり感、及び歯切れを、パネラー19名にて下記の基準にて評価し、その一番多かった評価を表1に記載した。なお同数の場合は一段上の評価とした。
(ソフト性)
×:硬い
△:やや硬い
○:ややソフト
○+:ソフト
◎:非常ソフト
(しっとり感)
×:ぱさついている
△:ややパサつき感がある
○:やや良好
○+:良好
◎:非常に良好
(歯切れ)
×:非常に歯切れが悪く、非常にねちゃつく
△:歯切れが悪く、ねちゃつく
○:やや歯切れが悪い
○+:やや歯切れがよい
◎:歯切れがよい
実施例1〜4、比較例1で得られたブリオッシュ風ロールパンA〜Eを以下の基準にて評価した。
(食感)
焼成1日後のブリオッシュ風ロールパンについて、ソフト性、しっとり感、及び歯切れを、パネラー19名にて下記の基準にて評価し、その一番多かった評価を表1に記載した。なお同数の場合は一段上の評価とした。
(ソフト性)
×:硬い
△:やや硬い
○:ややソフト
○+:ソフト
◎:非常ソフト
(しっとり感)
×:ぱさついている
△:ややパサつき感がある
○:やや良好
○+:良好
◎:非常に良好
(歯切れ)
×:非常に歯切れが悪く、非常にねちゃつく
△:歯切れが悪く、ねちゃつく
○:やや歯切れが悪い
○+:やや歯切れがよい
◎:歯切れがよい
Claims (3)
- 下記の(1)及び(2)の条件を満たす可塑性油脂組成物を添加したことを特徴とするパン生地。
(1)糖類を固形分として20〜75質量%含有する。
(2)比重が0.9未満である。 - 請求項1記載のパン生地を焼成したパン。
- 小麦粉類、水及びイーストを含む製パン原料を混捏した生地に、下記の(1)及び(2)の条件を満たす可塑性油脂組成物を添加し、さらに混捏することを特徴とするパン生地の製造方法。
(1)糖類を固形分として20〜75質量%含有する。
(2)比重が0.9未満である。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015081580A JP2016198060A (ja) | 2015-04-13 | 2015-04-13 | パン生地 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015081580A JP2016198060A (ja) | 2015-04-13 | 2015-04-13 | パン生地 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2016198060A true JP2016198060A (ja) | 2016-12-01 |
Family
ID=57422038
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2015081580A Pending JP2016198060A (ja) | 2015-04-13 | 2015-04-13 | パン生地 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2016198060A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2022142416A (ja) * | 2021-03-16 | 2022-09-30 | 株式会社Adeka | 製パン練込用油脂組成物 |
| JP2022175885A (ja) * | 2021-05-14 | 2022-11-25 | 株式会社Adeka | 製パン練り込み用油脂組成物 |
| JP2023104797A (ja) * | 2022-01-18 | 2023-07-28 | 株式会社Adeka | 製パン練込用油中水型乳化油脂組成物 |
-
2015
- 2015-04-13 JP JP2015081580A patent/JP2016198060A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2022142416A (ja) * | 2021-03-16 | 2022-09-30 | 株式会社Adeka | 製パン練込用油脂組成物 |
| JP7822670B2 (ja) | 2021-03-16 | 2026-03-03 | 株式会社Adeka | 製パン練込用油脂組成物 |
| JP2022175885A (ja) * | 2021-05-14 | 2022-11-25 | 株式会社Adeka | 製パン練り込み用油脂組成物 |
| JP2023104797A (ja) * | 2022-01-18 | 2023-07-28 | 株式会社Adeka | 製パン練込用油中水型乳化油脂組成物 |
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