実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るデジタル放送受信装置1の構成を概略的に示すブロック図である。デジタル放送受信装置1は、実施の形態1に係るデジタル放送受信方法を実施することができる装置である。図1に示されるように、デジタル放送受信装置1は、受信部11と、情報抽出部としてのデマルチプレクス部12と、情報取得部としての時刻関連情報取得部13と、基準現在時刻算出部14と、制御部15と、デジタル放送受信装置1の時間軸における現在時刻(計時部現在時刻)を示す現在時刻情報を生成する計時部16とを備える。
また、デジタル放送受信装置1は、操作入力部17を備えてもよい。時刻関連情報取得部13は、第1の記憶領域130を備えてもよい。第1の記憶領域130は、時刻関連情報取得部13の外部の記憶領域であってもよい。基準現在時刻算出部14は、第2の記憶領域140を備えてもよい。第2の記憶領域140は、基準現在時刻算出部14の外部の記憶領域であってもよい。制御部15は、第3の記憶領域150を備えてもよい。第3の記憶領域150は、制御部15の外部の記憶領域であってもよい。
デジタル放送受信装置1において、受信部11は、例えば、アンテナで受信された複数のデジタル放送信号を受け取る。受信部11は、制御部15から受け取る制御信号である選局制御信号に従って選局を行い、入力された複数のデジタル放送信号の内の、選局されたデジタル放送信号を出力する。
デマルチプレクス部12は、制御部15からの指示(制御信号)を受け、受信部11で選局されたデジタル放送信号を受け取り、このデジタル放送信号から所望の情報を抽出すると共に、抽出された所望の情報から、放送局の時間軸における時刻を示す情報である放送局時刻情報を取得する。デジタル放送信号から抽出される所望の情報は、放送規格に応じて決まる情報であり、例えば、番組特定情報及び番組配列情報である。番組特定情報は、例えば、TS(Transport Stream)におけるPSI(Program Specific Information)である。番組配列情報は、例えば、TSにおけるSI(Service Information)である。また、デマルチプレクス部12は、番組特定情報及び番組配列情報から、放送局時刻情報を取得して、これを時刻関連情報取得部13に与える。なお、放送局時刻情報としては、例えば、TSにおけるTOT(Time Offset Table)又はTDT(Time and Date Table)を用いることができる。
時刻関連情報取得部13は、例えば、デマルチプレクス部12で取得された放送局時刻情報(すなわち、放送局の時間軸で示される時刻)と、この放送局時刻情報を抽出した時点(タイミング)において計時部16が生成していた現在時刻情報が示す時刻情報取得時刻(デジタル放送受信装置の時間軸で示される時刻)と、制御部15が第3の記憶領域150に記憶されている現在選局中の放送局を特定する情報である放送局特定情報と、を含む時刻関連情報(例えば、後述する図2における30及び図3における40)とを、複数の放送局の各々について取得し、第1の記憶領域130に記憶させる。
基準現在時刻算出部14は、時刻関連情報取得部13で取得された複数の放送局の各々についての時刻関連情報を元に、デジタル放送受信装置1の現在時刻として設定すべき基準現在時刻を決定する。
制御部15は、受信部11による選局動作を含む、デジタル放送受信装置1全体の動作を制御する。計時部16は、デジタル放送受信装置1の時間軸における計時部現在時刻を示す現在時刻情報を生成する。また、計時部16は、制御部15による制御命令を受け、生成する現在時刻情報が示す現在時刻を、基準現在時刻算出部14で放送局時刻情報を元に算出された基準現在時刻に更新する。操作入力部17は、ユーザーから操作指令を入力するために使用される。操作入力部17は、入力された操作指令に応じた制御指令を制御部15に伝達する。
図2は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置1の時刻関連情報取得部13が第1の記憶領域130に記憶させる時刻関連情報30の一例を示す図である。時刻関連情報取得部13は、放送局特定情報31、放送局時刻情報32、及び時刻情報取得時刻33の情報を、互いに関連付けて時刻関連情報30として記憶する。図2においては、横に並ぶ1行の情報が、1つの時刻関連情報30である。図2の放送局特定情報31は、例えば、TS(Transport Stream)におけるNW_ID(Network ID)、TS_ID(Transport Stream ID Value)、及びService_ID(Service ID Value)等の組合せである。図2の放送局特定情報31は、例えば、TSにおけるSDT(Service Description Table:サービス記述テーブル)の中から、これらのパラメータを一意に特定できるパラメータであるサービス名等であってもよい。また、図2の放送局時刻情報32は、デマルチプレクス部12によってデジタル放送信号から抽出された放送局の時間軸における時刻を示す時刻情報である。また、図2の時刻情報取得時刻33は、デマルチプレクス部12によってデジタル放送信号から放送局時刻情報が抽出された時点において計時部16が生成する計時部現在時刻(デジタル放送受信装置1の時間軸における現在時刻)を示す現在時刻情報を用いることができる。
図3は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置1の時刻関連情報取得部13が第1の記憶領域130に記憶させる時刻関連情報40の他の例を示す図である。図3の例では、時刻関連情報取得部13は、第1の記憶領域130に、放送局特定情報41と、直近に抽出された放送局時刻情報42及びその抽出時の時刻情報取得時刻43と、直近の1回前に抽出された放送局時刻情報44及びその抽出時の時刻情報取得時刻45と、直近の2回前に抽出された放送局時刻情報46及びその抽出時の時刻情報取得時刻47とを、時刻関連情報40として放送局毎に記憶する。このように、図3の例では、時刻関連情報取得部13は、デジタル放送信号から抽出された放送局時刻情報(すなわち、放送局の時間軸における時刻を示す時刻情報)とその抽出時の現在時刻情報である時刻情報取得時刻(すなわち、デジタル放送受信装置の時間軸における時刻)との組を、過去数回分記憶する。なお、図3における放送局特定情報41は、図2における放送局特定情報31と同様の情報であり、図3における放送局時刻情報42,44,46は、図2における放送局時刻情報32と同様の情報であり、図3における時刻情報取得時刻43,45,47は、図2における時刻情報取得時刻33と同様の情報である。
また、計時部16が生成する計時部現在時刻が不連続になる場合、例えば、デジタル放送受信装置1の電源がオフになった後に電源がオンになった場合などには、第1の記憶領域130に記憶されている時刻情報取得時刻33の時間軸と、計時部16が生成する時刻情報の時間軸とにずれが生じる。このため、例えば、第1の記憶領域130に記憶されている時刻情報取得時刻33が「12:00(12時00分)」であり、計時部16が生成する計時部現在時刻が「13:00(13時00分)」であったとしても、実際に経過した時間が1時間であるとは限らない。このため、時刻関連情報取得部13は、計時部16が生成する計時部現在時刻が不連続である場合には、第1の記憶領域130に記憶されている時刻関連情報(例えば、図2における30又は図3における40)の一部又は全部を、信用できない値になっていると見なして、消去してもよい。
また、時刻関連情報取得部13は、計時部16が生成する計時部現在時刻が更新された際に、デジタル放送受信装置1の時間軸が変更になったと判断して、第1の記憶領域130に記憶されている時刻関連情報の更正処理を行う。デジタル放送受信装置1の時間軸における時刻は、図2においては時刻情報取得時刻33であり、図3においては時刻情報取得時刻43、45、及び47である。なお、この更新処理については、図5を用いて後述する。
基準現在時刻算出部14は、制御部15からの指示(制御信号)を受け、時刻関連情報取得部13の第1の記憶領域130に記憶されている放送局毎の時刻関連情報(図2における時刻関連情報30及び図4における時刻関連情報40等)を元に、基準現在時刻を算出する基準現在時刻の算出処理を実施し、この基準現在時刻の算出処理で算出された基準現在時刻を、計時部16に入力することで、計時部16に現在時刻情報の更新を要求する。なお、基準現在時刻の算出処理については、図6を用いて後述する。また、基準現在時刻算出部14は、第2の記憶領域140を有し、この基準現在時刻の算出処理の際に参照した時刻関連情報に関連付けられていた放送局特定情報を基準現在時刻の算出履歴として記憶する。
図4(a)及び(b)は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置1の基準現在時刻算出部14の第2の記憶領域140に記憶される基準現在時刻の算出履歴の例を示す図である。デジタル放送受信装置1において、第2の記憶領域140に記憶される基準現在時刻の算出履歴は、基準現在時刻の算出処理の際に参照した時刻関連情報に関連付けられている放送局特定情報である。同一の放送局時刻情報を持つ放送局は、複数存在しうるため、第2の記憶領域140には、図4(a)に示されるように、複数の放送局特定情報が記憶される。この放送局特定情報の配列は、図4(b)に示されるように、基準現在時刻の算出履歴の配列を複数記憶するようにして、基準現在時刻の算出処理の直近、1回前、2回前、…のような過去数回分の情報を記憶するようにしてもよい。
デジタル放送受信装置1の制御部15は、選局する放送局を決定したうえで、選局に必要な制御信号を、受信部11、デマルチプレクス部12、時刻関連情報取得部13、基準現在時刻算出部14、及び計時部16に発行する。このとき制御部15が受信部11に対して発行する制御信号は、例えば、対象の放送局からのデジタル放送信号を受信できるように、受信部11内のチューナを制御する制御信号である。また、このとき制御部15がデマルチプレクス部12に対して発行する制御信号は、例えば、デジタル放送信号に重畳されている映像及び音声を構成するデータ、放送中の番組に関する情報、及び、放送局時刻情報等の各種情報を抽出させる制御信号である。また、このとき制御部15が時刻関連情報取得部13に対して発行する制御信号は、例えば、デマルチプレクス部12で抽出された放送局時刻情報を、選局している放送局の放送局特定情報と共に、第1の記憶領域130に書き込ませるための制御信号である。また、このとき制御部15が基準現在時刻算出部14に対して発行する制御信号は、例えば、第1の記憶領域130に記憶されている時刻関連情報を元に、計時部16に対して、更新を要求する基準現在時刻を算出させる制御信号である。また、このとき制御部15が計時部16に対して発行する制御信号は、計時部16によって生成されている計時部現在時刻を、基準現在時刻算出部14によって算出された基準現在時刻に更新(変更)させる制御信号である。これらの制御信号は、制御部15が各部に一斉に発行してもよいし、制御部15が各部の動作状態を監視した上で、各部が処理を受け付けられる状態になったときに、発行するようにしてもよい。
また、制御部15は、選局される放送局を特定する放送局特定情報を記憶するための第3の記憶領域150を有し、制御部15が選局指示を発行する際に、選局対象の放送局特定情報を第3の記憶領域150に記憶させると共に、選局対象の放送局特定情報を、発行する選局指示に重畳させて各部に伝達する。
なお、制御部15は、操作入力部17から受けたユーザーからの操作命令に応じた制御信号を発行してもよい。また、制御部15は、デジタル放送受信装置1の内部状態を元に、次に実施すべき処理を自発的に判断し、制御信号を発行してもよい。例えば、制御部15は、デジタル放送受信装置1がデジタル放送を受信していない状況であれば、受信可能な放送局を全周波数帯から見つけ出すための順次選局(放送チャンネル(周波数)をスキャンしながらの選局)の指示に相当する制御信号を発行してもよい。また、制御部15は、予め定められた周期が経過したか否かを判断し、受信可能な複数の放送局からそれぞれの放送局時刻情報を収集したうえで、デジタル放送受信装置1の現在時刻情報の更新を行う現在時刻スキャン処理を行うよう、制御信号を発行してもよい。
デジタル放送受信装置1の計時部16は、デジタル放送受信装置1の時間軸における現在時刻情報を生成し、時刻関連情報取得部13及び基準現在時刻算出部14に対して現在時刻を与える。また、制御部15からの指示(制御信号)を受けて、基準現在時刻算出部14が算出した信頼できる基準現在時刻が、デジタル放送受信装置1の時間軸における現在時刻になるよう、計時部現在時刻の更新処理を行う。なお、計時部16は、デジタル放送受信装置1が起動してから計時部現在時刻の更新処理を受け付けるまでは、デジタル放送受信装置1の時間軸は、正しい現在時刻とは異なるものになっているが、この場合は、デジタル放送受信装置1が起動した時点を基準として、デジタル放送受信装置1が起動し続けている経過時間を計時するようにしてもよい。
図5は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置1の時刻関連情報取得部13の時刻関連情報の更正処理を示すフローチャートである。図5に示されるように、時刻関連情報取得部13は、計時部16が生成する計時部現在時刻が基準更新時刻を用いて更新された際に、制御部15から発行された指示信号を時刻関連情報取得部13が受けることで、時刻情報取得時刻(図2における時刻33及び図3における時刻43,45,47等)の更正処理を開始する。
時刻情報取得時刻の更正処理を開始した時刻関連情報取得部13は、まず、計時部16から、計時部16が生成する計時部現在時刻の更新直前及び更新直後での時刻変化量t_chgを取得する(図5のステップS101)。この時刻変化量t_chgは、計時部16が生成する更新直前の計時部現在時刻t_oldと、計時部16が生成する更新直後の計時部現在時刻t_newとを用いて、以下の式(1)によって算出される。
t_chg = t_new − t_old 式(1)
式(1)は、時刻変化量t_chgが、更新直前の計時部現在時刻t_oldと更新直後の現在時刻t_newとの時刻差分であることを示している。
次に、時刻関連情報取得部13は、第1の記憶領域130に格納されている全ての時刻情報取得時刻の更正処理を完了しているか否かを確認し(図5のステップS102)、全ての時刻情報取得時刻の更正処理が完了している場合(図5のステップS102においてYES)は、時刻情報取得時刻の更正処理を完了する。一方、時刻関連情報取得部13は、未処理の時刻情報取得時刻がある場合(図5のステップS102においてNO)は、まず、第1の記憶領域130の中から更正対象の時刻情報取得時刻t_getを取得し(図5のステップS103)、ステップS103で取得された時刻情報取得時刻t_getに対して式(2)を用いて時刻情報取得時刻の更正処理を行い、時刻更正された時刻情報取得時刻t_get_newを算出する(図5のステップS104)。
t_get_new = t_get + t_chg 式(2)
式(2)は、時刻更正された時刻情報取得時刻t_get_newが、更正前の時刻情報取得時刻t_getに時刻変化量t_chgを加算した値であることを示している。
次に、時刻関連情報取得部13は、ステップS104で時刻更正された時刻情報取得時刻t_get_newを、第1の記憶領域130の中のステップS103で取得された時刻情報取得時刻t_getが記憶されていた領域に書き込み、すなわち、上書きし(図5のステップS105)、その後、処理をステップS102に戻す。
図6は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置1の基準現在時刻算出部14における、基準現在時刻の算出処理の一例を示すフローチャートである。以下に、基準現在時刻算出部14の基準現在時刻の算出処理について、図6を参照しながら説明する。
まず、基準現在時刻算出部14は、制御部15からの基準現在時刻の算出処理の開始の指示(制御信号)を受けると、制御部15から、受信部11が現在選局している放送局に関する放送局特定情報を取得する(図6のステップS201)。次に、基準現在時刻算出部14は、取得された選局中の放送局の放送局特定情報が第2の記憶領域140に記憶されているか否かを判断し(図6のステップS202)、選局中の放送局の放送局特定情報が第2の記憶領域140に記憶されている場合(図6のステップS202においてYES)は、処理をステップS203に進め、選局中の放送局の放送局特定情報が第2の記憶領域140に記憶されていない場合(図6のステップS202においてNO)は、処理をステップS205に進める。
基準現在時刻算出部14は、ステップS203では、時刻関連情報取得部13から選局中の放送局の放送局時刻情報が示す時刻t_signal(例えば、図2における放送局時刻情報32)及び時刻情報取得時刻t_get(例えば、図2における時刻情報取得時刻33)と、計時部16が生成する計時部現在時刻tを取得し、これらを用いることで選局中の放送局の時間軸における放送局現在時刻t_nowの算出を行う。この放送局現在時刻t_nowの算出においては、基準現在時刻算出部14は、例えば、まず、式(3)を用いて、放送局時刻情報32がデジタル放送信号から抽出された時点(図2に時刻情報取得時刻33として記憶されている時刻情報取得時刻t_get)から計時部現在時刻tまでの経過時間t_lapseを算出する。
t_lapse = t − t_get 式(3)
式(3)は、経過時間t_lapseが、時刻情報取得時刻t_getから計時部現在時刻tまでの時間であることを示している。
その後、基準現在時刻算出部14は、式(4)を用いて、放送局時刻情報が示す時刻t_signal(図2における放送局時刻情報32)に対してこの経過時間t_lapseを反映させることで、当該放送局の時間軸における放送局現在時刻t_nowを算出する。
t_now = t_signal + t_lapse 式(4)
式(4)は、放送局現在時刻t_nowは、放送局時刻情報が示す時刻t_signalに経過時間t_lapseを加算した時刻であることを示している。
また、この放送局現在時刻t_nowの他の算出法においては、基準現在時刻算出部14は、まず、式(5)を用いて、放送局時刻情報32がデジタル放送信号から抽出された時点を示す時刻情報取得時刻t_getと、選局中の放送局の放送局時刻情報が示す時刻t_signalとの差分である、時間軸差分t_subを算出する。
t_sub = t_signal − t_get 式(5)
式(6)は、時間軸差分t_subが、放送局の時間軸における時刻である放送局時刻情報が示す時刻t_signalから、時刻情報取得時刻(デジタル放送受信装置の時間軸における時刻)t_getを減算した時間(2つの時間軸のずれ)であることを示している。
次に、基準現在時刻算出部14は、式(6)を用いて当該放送局の時間軸における放送局現在時刻t_nowを算出する。
t_now = t + t_sub 式(6)
式(6)は、放送局現在時刻t_nowが、計時部現在時刻tに時間軸差分t_subを加算した時間であることを示している。
なお、時刻関連情報取得部13が、図3に示されるように、第1の記憶領域130に、複数回受信した時刻関連情報を記憶している場合は、例えば、放送局時刻情報が示す時刻と時刻情報取得時刻との時刻差分をそれぞれ求め、この時刻差分同士の差分が予め定められた範囲内である場合は、各々の時刻情報が整合性をとれていると判断し、これらの放送局時刻情報の中で最新の情報を、放送局毎の放送局時刻情報が示す時刻t_signal及び時刻情報取得時刻t_getとして用いて、上記の現在時刻の算出処理を実施すればよい。
次に、基準現在時刻算出部14は、ステップS203で算出した放送局現在時刻t_nowを計時部16へ入力し、計時部16が生成する計時部現在時刻を更新するよう要求し(図6のステップS204)、基準現在時刻の算出処理を終了させる。
一方、基準現在時刻算出部14は、ステップS202において、ステップS201で取得した選局中の放送局の放送局特定情報が、第2の記憶領域140に記憶されていないと判断した場合(図6のステップS202においてNO)は、時刻関連情報取得部13に記憶されている放送局時刻情報に対応する放送局の数が予め定められた数よりも多いか否かを判断し(図6のステップS205)、時刻関連情報取得部13に記憶されている放送局時刻情報に対応する放送局の数が予め定められた数よりも少ない場合(図6のステップS205においてNO)は、基準現在時刻の算出処理を終了させる。また、基準現在時刻算出部14は、時刻関連情報取得部13に記憶されている放送局時刻情報に対応する放送局の数が予め定められた数よりも多い場合(図6のステップS205においてYES)は、基準現在時刻算出部14は、時刻関連情報取得部13に記憶されている放送局時刻情報を元に、放送局毎の時間軸による放送局現在時刻t_nowを算出する(図6のステップS206)。この処理は、上述のステップS203と同様の処理を時刻関連情報取得部13が記憶している全ての放送局時刻情報に対して行うことで算出する。
次に、基準現在時刻算出部14は、ステップS206で算出した放送局毎の時間軸による放送局現在時刻t_now同士を比較し、この比較の結果に基づいて計時部16に対して更新を求めるべき現在時刻情報を決定する処理を行う(図6のステップS207)。この放送局毎の放送局時刻情報が示す時刻同士を比較する処理は、複数の放送局の時間軸において同一の現在時刻を示しているものを選び出す多数決処理(すなわち、最も個数の多い現在時刻を基準現在時刻とする処理)であってもよい。また、放送局毎の放送局時刻情報が示す時刻同士を比較する処理は、時刻関連情報取得部13で取得された放送局時刻情報32が示す複数の時刻の内の、同じ時刻を示す時刻の個数が、予め定められた個数よりも多い時刻を、基準現在時刻として算出する処理であってもよい。さらに、また、この放送局毎の放送局時刻情報が示す時刻同士を比較する処理は、それぞれの放送局の時間軸における放送局現在時刻t_nowを過去から未来、又は、未来から過去の順に整列した上で、時刻順の内の中央に最も近い順番の時刻を用いる処理を採用してもよい。
その後、基準現在時刻算出部14は、ステップS207で決定した現在時刻を基準現在時刻として計時部16へ入力し、計時部16が生成する計時部現在時刻を基準現在時刻に更新するよう要求し(図6のステップS208)、ステップS207で決定した基準現在時刻に対応する放送局特定情報を第2の記憶領域140に書き込み(図6のステップS209)、基準現在時刻の算出処理を終了させる。
図7は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置1における現在時刻スキャン処理の一例を示すフローチャートである。以下に、図1及び図7を参照して、デジタル放送受信装置1における現在時刻スキャン処理を説明する。現在時刻スキャン処理は、チャンネルスキャン処理として広く知られているように、デジタル放送の全周波数帯域の中で選局する周波数を順次切り替え、受信可能なデジタル放送信号を検出する処理と類似の処理を含む。現在時刻スキャン処理は、デジタル放送の全周波数帯域の中で選局する周波数を順次切り替え、受信できたデジタル放送信号から放送局時刻情報を取得し、取得された複数の放送局時刻情報を比較し、この比較の結果に基づいて、当該デジタル放送受信装置1の計時部16が生成する計時部現在時刻を更新させる処理である。
まず、制御部15がデジタル放送受信装置1の内部状態を元に自発的に現在時刻スキャン処理を開始すると判断した場合、又は、操作入力部17を通して入力されたユーザーからの操作指令に応じて現在時刻スキャン処理を開始すると判断した場合に、制御部15は、図7で示す現在時刻スキャン処理を開始する。
現在時刻スキャン処理を開始すると、まず、制御部15は、受信可能な放送信号のスキャン処理において受信可能な放送局を全て選局したかどうかを判断する(図7のステップS301)。制御部15は、全ての放送局を選局済みと判断した場合(図7のステップS301においてYES)は、現在時刻スキャン処理を終了させる。また、制御部15は、未選局の放送局が残っていると判断した場合(図7のステップS301においてNO)は、未選局の放送局の中から次に選局する対象放送局を決定し(図7のステップS302)、ステップS302で決定した放送局への選局指示信号を受信部11に対して発行する(図7のステップS303)。
次に、制御部15は、デマルチプレクス部12に対して、受信部11から入力されたデジタル放送信号に重畳されている放送局時刻情報を抽出させるよう指示信号を発行する(図7のステップS304)。次に、制御部15は、時刻関連情報取得部13に対して、選局している放送局の情報を入力すると共に、デマルチプレクス部12から入力された放送局時刻情報とを対応付けて第1の記憶領域130に記憶させるよう指示信号を発行する(図7のステップS305)。その後、制御部15は、基準現在時刻算出部14に対して、基準現在時刻の算出処理を実行するよう指示信号を発行する(図7のステップS306)。
次に、制御部15は、基準現在時刻が算出できたかどうかを判断し(図7のステップS307)、基準現在時刻の算出ができなかった場合(図7のステップS307においてNO)は、処理をステップS301に戻し、他の放送局のデジタル放送信号から放送局時刻情報を抽出するよう試みる。また、制御部15は、基準現在時刻の算出ができた場合(図7のステップS307においてYES)は、基準現在時刻算出部14に対して、算出された基準現在時刻を計時部16に入力するよう要求すると共に、計時部16に対して算出された基準現在時刻を元に、生成する計時部現在時刻を更新するよう要求する(図7のステップS308)。また、制御部15は、図5で示した放送局時刻情報の更正処理を実施することで、時刻関連情報取得部13が第1の記憶領域130に記憶している放送局時刻情報を更新直後の現在時刻の時間軸になるように、放送局時刻情報を更正する処理を要求する(図7のステップS309)。その後、制御部15は、現在時刻スキャン処理を完了させる。
図8は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置1における現在時刻スキャン処理の他の例を示すフローチャートである。以下に、図8を用いて、デジタル放送受信装置1における現在時刻スキャン処理を説明する。
まず、制御部15が受信部11に対して選局を要求した後に、制御部15が当該デジタル放送受信装置1の内部状態、又は、操作入力部17を通して入力されたユーザーからの操作指令内容を元に、選局時に行う計時部現在時刻の更新処理を行う必要があると判断した場合に、図8で示す選局時に行う計時部現在時刻の更新処理を開始する。
制御部15は、選局時に行う計時部現在時刻の更新処理を開始すると、まず、計時部現在時刻の更新処理が必要か否かを判断する(図8のステップS401)。ここで、制御部15は、計時部現在時刻の更新処理が不要であると判断した場合(図8のステップS401においてNO)は、そのまま処理を終了させ、また、計時部現在時刻の更新処理が必要であると判断した場合(図8のステップS401においてYES)は、処理をステップS402に進める。
次に、制御部15は、受信しているデジタル放送信号から放送局時刻情報を抽出するよう、デマルチプレクス部12に対して指示信号を発行し(図8のステップS402)、ステップS402で取得した放送局時刻情報を記憶するよう時刻関連情報取得部13に指示信号を発行し(図8のステップS403)、その後、基準現在時刻の算出処理を実行するよう基準現在時刻算出部14に対して指示信号を発行する(図8のステップS404)。制御部15は、ステップS404において現在時刻情報が算出できたかどうかを判断し(図8のステップS405)、基準現在時刻が算出できなかったと判断した場合(図8のステップS405においてNO)は、処理をステップS406に進め、基準現在時刻が算出できたと判断した場合(図8のステップS405においてYES)は、処理をステップS401に進める。なお、図8におけるステップS402の処理は、図7におけるステップS304の処理と同様であり、図8におけるステップS403の処理は、図7におけるステップS305の処理と同様であり、図8におけるステップS404の処理は、図7におけるステップS306の処理と同様であり、図8におけるステップS405の処理は、図7におけるステップS307の処理と同様である。
ステップS404において基準現在時刻が算出できなかったと判断した場合(図8のステップS405においてNO)は、制御部15は、計時部16に対して計時部現在時刻が既に設定済みか否かを確認し(図8のステップS406)、計時部現在時刻が設定済みである場合(図8のステップS406においてYES)は、そのまま現在時刻スキャン処理を終了させる。制御部15は、計時部現在時刻を設定済みではない場合(図8のステップS406においてNO)は、計時部16に対して、ステップS402で取得した放送局時刻情報が示す時刻を計時部現在時刻として更新するよう要求する(図8のステップS407)。次に、制御部15は、時刻関連情報取得部13が記憶している時刻情報取得時刻を更新直後の現在時刻の時間軸になるよう放送局時刻情報を更新する放送局時刻情報の更正処理を要求し(図8のステップS408)、その後、現在時刻スキャン処理を終了させる。なお、ステップS408の処理は、図7におけるステップS309の処理と同様である。
なお、ステップS406において、現在時刻が設定済みではないと判断する場合(図8のステップS406においてNO)とは、計時部16に対して現在時刻更新が要求されなかったために、計時部16で生成する計時部現在時刻が不定である場合であり、当該デジタル放送受信装置1の電源がオフからオンになった直後等の状態である。
一方、ステップS404において基準現在時刻が算出できたと判断した場合(図8のステップS405においてYES)は、制御部15は、基準現在時刻算出部14に対して算出された基準現在時刻を計時部16に入力するよう要求すると共に、計時部16に対して算出された基準現在時刻を元に、計時部現在時刻を更新するよう要求する(図8のステップS409)。次に、制御部15は、時刻関連情報取得部13が記憶している時刻情報取得時刻を更新直後の現在時刻の時間軸になるよう放送局時刻情報を更新する放送局時刻情報の更正処理を要求し(図8のステップS410)、その後、計時部現在時刻の更新処理を終了させる。なお、図8におけるステップS409の処理は、図7におけるステップS308の処理と同様であり、図8におけるステップS410は、図7におけるステップS309の処理と同様である。
図9は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置1の現在時刻スキャン処理の具体例を示す図である。図9の例では、図6で示したデジタル放送受信装置1の基準現在時刻の算出処理において、基準現在時刻を算出するために必要な放送局の数を4つに決定している(すなわち、図6のステップS205で、4つ以上の放送局の放送局時刻情報を時刻関連情報取得部13が記憶している場合に、YESの判定が行われる)。図9の例では、時刻T11に、現在時刻スキャン処理を開始し、このときに受信可能な放送局は、サービスBとサービスCのみであり、時刻T12においてサービスBのデジタル放送信号とサービスCのデジタル放送信号から放送局時刻情報を抽出することができる。また、図9の例では、時刻T13に再び現在時刻スキャン処理を開始し、このときに受信可能な放送局は、サービスAとサービスDであり、時刻T14においてサービスAのデジタル放送信号とサービスDのデジタル放送信号から放送局時刻情報を抽出することができる。図9の例では、基準現在時刻算出部14が第2の記憶領域140に記憶させる基準現在時刻の算出履歴には、これらの放送局とは別の放送局であるサービスKの放送局特定情報が記録されている。この場合における計時部現在時刻の更新処理について、図6及び図7を参照しながら説明する。
まず、デジタル放送受信装置1の電源オン後の時刻T11(計時部16における時刻「12:00」)において、制御部15は、装置の各構成を制御して、現在時刻スキャン処理を開始し、図7に示される処理を開始する。時刻T11では、制御部15は、全ての放送局のスキャンを完了していないため、図7のステップS301で、処理は判定NOに進む。その後、制御部15は、時刻T12では、まず、サービスBを選局対象として決定し(図7のステップS302)、時刻関連情報取得部13がサービスBに関する放送局時刻情報を記憶し(図7のステップS303からS305)、その後、処理をステップS306の基準現在時刻の算出処理(図6)に進める。
基準現在時刻算出部14は、選局中の放送局であるサービスBに関する放送局特定情報を制御部15から取得し(図6のステップS201)、基準現在時刻算出部14が記憶する基準現在時刻の算出履歴と比較する(図6のステップS202)。ここでは、上述の通り、基準現在時刻の算出履歴には、サービスKの情報が記憶されているため、基準現在時刻算出部14は、ステップS202では、処理をNOに進める。その後、基準現在時刻算出部14は、ステップS205において現在時刻算出に必要な数の放送局分の放送局時刻情報が、第1の記憶領域130に記憶されているかどうかを確認する(図6のステップS205)。ここでは、上述の通り必要な放送局数が4つ以上としているのに対して、第1の記憶領域130に記憶されているものは、サービスBのみであるため、基準現在時刻算出部14は、ステップS205で処理をNOに進めて基準現在時刻の算出処理を完了させる。
制御部15は、基準現在時刻の算出処理(図6及び図7のステップS306)において、基準現在時刻の算出を行わずに処理を完了したため、ステップS307では、処理をNOに進め、処理をステップS301に戻す。その後、同様の流れでサービスCに対しての処理を行うが、制御部15は、ステップS306で再び基準現在時刻を算出できずに処理を完了させて、処理をステップS301に戻す。その後、制御部15は、受信可能な放送局は、全て処理を完了したときに(図7のステップS301でYES)、現在時刻スキャン処理を完了させる。
次に、図9の時刻T13において、再び現在時刻スキャン処理を開始したため、図7の処理を開始する。この時点では、全ての放送局のスキャンを完了していないため、制御部15は、図7のステップS301では処理をNOに進める。その後、時刻T12になり、ステップS302において、まず、サービスAを選局対象として決定し、ステップS303からS305までの処理を実施して、時刻関連情報取得部13がサービスAに関する放送局時刻情報を記憶し、その後、ステップS306の基準現在時刻の算出処理、すなわち図6の処理に進む。
図6においては、ステップS201において選局中の放送局であるサービスAに関する放送局特定情報を制御部15から取得し、ステップS202において基準現在時刻算出部14が記憶する基準現在時刻の算出履歴と比較する。ここでは、上述の通り、基準現在時刻の算出履歴には、サービスKの情報が記憶されているため、ステップS202では、処理はNOに進む。その後、ステップS205において現在時刻算出に必要な数の放送局分の放送局時刻情報が、第1の記憶領域130に記憶されているかどうかを確認する。ここでは、上述の通り必要な放送局数が4つ以上としているのに対して、第1の記憶領域130に記憶されているものは、サービスA、B、Cとなるため、ステップS205は、NOに進んで処理を完了させる。
制御部15は、基準現在時刻の算出処理(図6及び図7のステップS306)において、基準現在時刻の算出を行わずに処理を完了したため、ステップS307では、NOに進んでステップS301の処理に戻り、同様の流れでサービスDに対しての処理を行う。ここで、第1の記憶領域130には、図10の(a)ようにサービスA、B、C、Dの放送局時刻情報が記録されているため、図6のステップS205の判定処理においては、必要な4つ以上の放送局の放送局時刻情報が格納されていることになるため、図6のステップS205では、処理はYESに進む。なお、図10(a)、(b)、及び(c)は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置1の現在時刻スキャン処理の具体例における基準現在時刻の算出処理を示す図である。
図6のステップS205で処理がYESに進んだ後は、基準現在時刻算出部14は、ステップS206において、第1の記憶領域130に記憶されている放送局時刻情報を元に、放送局毎の時間軸での放送局現在時刻t_nowの算出を行う。ここでは、図6のステップS206を実行する時点T15が「17:00」であったとすると、算出する放送局毎の時間軸での放送局現在時刻t_nowは、図10の(b)のようになる。これらに対して、図6のステップS207において比較処理を行って多数決を実施して更新すべき現在時刻を「15:00」であると判断し(図10の(c))、ステップS208において計時部16が生成する計時部現在時刻を「17:00」から「15:00」に更新させる。なお、ステップS207において多数決ではなく中央値を用いるようにしても同様である。
その後、図6のステップS209において、現在時刻の更新結果を、第1の記憶領域130に記憶されている各放送局時刻情報へ反映させる。ここでは、上述の通り、図6のステップS208において現在時刻が2時間早まったので、第1の記憶領域130に記憶されている時刻情報取得時刻も図11に示すように2時間早めるよう時刻の更正を行う。
図9の例においては、図6の放送局は、基本的には、正しい現在時刻をデジタル放送信号に重畳しているが、一部の放送局のみがデジタル放送信号に重畳する放送局時刻情報が間違っている場合における例である。このようなケースにおいては、特許文献1に記載のデジタル放送受信装置では、サービスA、サービスB、及び、サービスDを選局しているときには、実施の形態1と同様に正しい現在時刻への更新が可能であるが、サービスCを選局している場合は、誤った現在時刻への更新を行う。これに対し、実施の形態1においては、この放送局時刻情報が誤っている一部の放送局の放送局時刻情報の影響を受けることなく、大部分の放送局が現在時刻としてほぼ同一の放送局時刻情報をデジタル放送信号に重畳しているものを決定することができるようになるため、このようなケースにおいても誤った現在時刻への更新を行わなくなる。
図12は、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置1が選局を行ったときに行われる現在時刻の更新処理の具体例を示す図である。図12では、過去に実施した基準現在時刻の算出処理によって正しい現在時刻として判定された放送局時刻情報を、デジタル放送信号に重畳している放送局として、基準現在時刻算出部14が記憶する基準現在時刻の算出履歴に、サービスBの放送局特定情報が記録されている場合を説明する。この場合には、デジタル放送受信装置1の電源がオフの状態からオンの状態に変化した上で、サービスBへの選局を実施する。以下の説明では、図6及び図8をも参照する。
まず、図12において、1回目の放送局時刻情報をデジタル放送信号から抽出した時点T21において、制御部15は、計時部現在時刻の更新処理が必要かどうかを判定する(図8のステップS401)。このとき、デジタル放送受信装置1は、電源オフから電源オンになった直後であり、計時部16が生成する計時部現在時刻は、不定な値になっているため、制御部15は、計時部現在時刻の更新処理が必要であると判断する(図8のステップS401においてYES)。その後、時刻関連情報取得部13は、サービスBがデジタル放送信号に重畳する放送局時刻情報を記憶し(図8のステップS402及びS403)、その後、基準現在時刻算出部14が、基準現在時刻の算出処理を行う(図8のステップS404)。図8のステップS404の処理を、図6に基づいて説明する。
基準現在時刻算出部14は、制御部15から選局情報としてサービスBの放送局特定情報を取得し(図6のステップS201)、サービスBの放送局特定情報を基準現在時刻の算出履歴と比較して、サービスBの放送局特定情報が基準現在時刻の算出履歴として、既に記憶されているか否かを判定する(図6のステップS202)。ここでは、基準現在時刻の算出履歴にサービスBの放送局特定情報が記録されているので、制御部15は、処理を、図6のステップS203に進める。基準現在時刻算出部14は、既に取得済みの放送局時刻情報を元に基準現在時刻を算出し(図6のステップS203)、計時部16に現在時刻更新を要求する(図6のステップS204)。このケースでは、ステップS203で算出された基準現在時刻は、図8のステップS403で時刻関連情報取得部13が第2の記憶領域140に記憶させた放送局時刻情報そのものである。
以上に説明した図12の例は、過去の基準現在時刻の算出処理で正しい放送局時刻情報をデジタル放送信号に重畳していると判断されたサービスBを再度選局する場合の例である。特許文献1においては、図12における1回目の放送局時刻情報をデジタル放送信号から抽出した時点T21においては、現在時刻情報を確定することができず、複数の放送局時刻情報を取得できた時点、例えば、図12における時点T22になるまで現在時刻が不定な期間が続く。これに対し、実施の形態1においては、基準現在時刻算出部14は、図12における1回目の放送局時刻情報をデジタル放送信号から抽出した時点T21において、サービスBは正しい放送局時刻情報をデジタル放送信号に重畳していると判断して、この時点で即座に計時部16に計時部現在時刻の更新処理を要求することができる。
以上説明したように、実施の形態1によれば、まず、複数の放送局のデジタル放送信号から抽出した複数の放送局時刻情報を互いに比較することで、一部の放送局が誤った時間軸での放送局時刻情報を重畳していたとしても、その影響を受けることなく、正しい現在時刻を設定できるという効果が得られる。
また、過去に実施の形態1における基準現在時刻の算出処理を行うことで現在時刻を設定できていた場合に、その根拠となった放送局時刻情報を送出している放送局の放送局特定情報を記憶しておくことで、後の選局処理において当該放送局のデジタル放送信号から放送局時刻情報が抽出できた場合にも、この情報は、信頼できると判断して無条件で現在時刻として設定できるようになる。このため、デジタル放送受信装置1の電源がオンになった直後など、計時部16が生成する計時部現在時刻が不定である期間を短縮できるという効果が得られる。
実施の形態2.
図13は、本発明の実施の形態2に係るデジタル放送受信装置2の構成を概略的に示すブロック図である。デジタル放送受信装置2は、実施の形態2に係るデジタル放送受信方法を実施することができる装置である。図13において、図1に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図1に示される符号と同じ符号を付す。実施の形態2に係るデジタル放送受信装置2は、図1に示される時刻関連情報取得部13及び第1の記憶領域130の代わりに、時刻関連情報取得部23及び第1の記憶領域230を備える点、並びに、図1に示される基準現在時刻算出部14及び第2の記憶領域140の代わりに、基準現在時刻算出部24及び第2の記憶領域240を備える点において、実施の形態1に係るデジタル放送受信装置1と相違する。
図14は、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置2の時刻関連情報取得部23が第1の記憶領域230に記憶させる時刻関連情報50の一例を示す図である。時刻関連情報取得部23は、放送局特定情報51と放送局時刻情報52と時刻情報取得時刻53と時間軸差分54とを含む情報を、時刻関連情報50として記憶する。ここで、時刻関連情報取得部23は、放送局特定情報51、放送局時刻情報52、及び、時刻情報取得時刻53を、実施の形態1における放送局特定情報31、放送局時刻情報32、及び、時刻情報取得時刻33と同様に、取得する。時間軸差分54は、デジタル放送信号の中から抽出された放送局時刻情報52と、デジタル放送信号の中から放送局時刻情報52を抽出したときに計時部16が生成していた計時部現在時刻である時刻情報取得時刻53との時刻差分であり、式(7)を用いて算出することができる。式(7)において、t_sub2は、時間軸差分54であり、t_signal2は、デジタル放送信号から抽出された放送局時刻情報52が示す時刻であり、t_get2は、放送局時刻情報52が抽出されたときに計時部16が生成していた計時部現在時刻である時刻情報取得時刻53である。
t_sub2 = t_signal2 − t_get2 式(7)
なお、式(7)は、実施の形態1における式(5)と同様の式である。
また、計時部16が生成する計時部現在時刻が不連続になる場合、例えば、デジタル放送受信装置2の電源がオフになった後(このとき、計時部16が内蔵電池を備えていない場合には、計時部16の電源もオフになる)に電源がオンになった場合(このとき、計時部16は初期値から時間をカウントする)などには、第1の記憶領域230に記憶されている放送局時刻情報52の時間軸と計時部16が生成する計時部現在時刻の時間軸とが、ずれることになる。例えば、時刻情報取得時刻53が「12:00」であり、計時部16が生成する計時部現在時刻が「13:00」であったとしても、実際に経過した時間が1時間であるとは限らない。このため、計時部16が生成する計時部現在時刻が不連続になる場合には、デジタル放送受信装置2の時刻関連情報取得部23は、時刻情報取得時刻を消去する。また、時刻関連情報取得部23は、時刻情報取得時刻を消去するため、これに対応付けて記憶されている放送局時刻情報もあわせて消去する。一方、デジタル放送受信装置2の電源がオフになっている間においても、それぞれの放送局の時刻は、同じ速さで進み、また実際の現在時刻も同様である。このため、時刻関連情報取得部23は、時間軸差分については、変化が無いものとして、消去せずに記憶し続ける。
また、デジタル放送受信装置2の時刻関連情報取得部23は、計時部16が生成する計時部現在時刻が更新された際には、デジタル放送受信装置2の時間軸が変更になったと判断して、第1の記憶領域230に記憶されている放送局時刻情報の更正を行う。この放送局時刻情報の更正処理においては、デジタル放送受信装置2の時間軸で表現されている情報である時刻情報取得時刻53と、放送局の時間軸とデジタル放送受信装置2の時間軸との差分である時間軸差分54とが更正対象となる。なお、この放送局時刻情報の更正処理については、図15を用いて後述する。
なお、図14では、デジタル放送信号から抽出された放送局時刻情報52の中で直近のもののみを記憶する場合を説明した。しかし、デジタル放送受信装置2の時刻関連情報取得部23が、実施の形態1に係る時刻関連情報取得部13が記憶する放送局時刻情報の一例である図3と同様に、デジタル放送信号から抽出した放送局時刻情報を過去数回分にわたって記憶するようにしてもよい。
基準現在時刻算出部24は、制御部15からの指示(制御信号)を受け、時刻関連情報取得部23が第1の記憶領域230に記憶されている放送局毎の放送局時刻情報を元に基準現在時刻を算出する基準現在時刻の算出処理を実施する。基準現在時刻算出部24は、この基準現在時刻の算出処理で算出された基準現在時刻を計時部16に入力することで計時部現在時刻の更新処理を要求する。なお、基準現在時刻の算出処理については、図16を用いて後述する。また、基準現在時刻算出部24は、第2の記憶領域240を有し、この基準現在時刻の算出処理の際に参照した放送局時刻情報に関連付けられていた放送局特定情報を基準現在時刻の算出履歴として記憶する。なお、第2の記憶領域240は、実施の形態1に係る基準現在時刻算出部14が有している第2の記憶領域140と同様であり、第2の記憶領域240に記憶される基準現在時刻の算出履歴の例は、図4(a)及び(b)に示される。
図15は、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置2の時刻関連情報取得部23における放送局時刻情報の更正処理を示すフローチャートである。以下に、図15を用いて、時刻関連情報取得部23における放送局時刻情報の更正処理について説明する。なお、時刻関連情報取得部23は、計時部16が生成する計時部現在時刻が更新された際に制御部15が時刻関連情報取得部23に発行する指示信号を受けることで、放送局時刻情報の更正処理を開始する。
まず、放送局時刻情報の更新処理を開始した時刻関連情報取得部23は、計時部16から、更新直前の計時部現在時刻と更新直後の計時部現在時刻とを受け取り、時刻変化量を取得する(図15のステップS501)。この処理は、実施の形態1における図5のステップS101の処理と同様に、上述した式(1)を用いて、時刻変化量t_chgを求める処理である。
次に、時刻関連情報取得部23は、第1の記憶領域230に格納されている放送局時刻情報の全てに対して、放送局時刻情報の更正処理を完了しているか否かを確認し(図15のステップS502)、未処理のものがない場合(図15のステップS502においてYES)は、当該放送局時刻情報の更正処理を完了させる。一方、未処理のものがある場合(図15のステップS502においてNO)は、時刻関連情報取得部23は、まず、第1の記憶領域230の中から更正対象の時刻情報取得時刻t_getを取得し(図15のステップS503)、ステップS503で取得した時刻情報取得時刻t_getに対して時刻更正した時刻情報取得時刻t_get_newを算出する(図15のステップS504)。なお、ステップS502からS504の処理は、実施の形態1における図5のステップS102からS104の処理と同様であり、ステップS504における時刻情報取得時刻t_get_newの算出処理は、上述した式(2)を用いて行う。
次に、時刻関連情報取得部23は、ステップS504で算出した時刻更正した時刻情報取得時刻t_get_newを、第1の記憶領域230の中のステップS503で取得した時刻情報取得時刻t_getが記憶されていた領域に書き込むことで、上書きする(図15のステップS505)。
次に、時刻関連情報取得部23は、第1の記憶領域230の中から更正対象の時刻情報取得時刻t_get_newを取得し(図15のステップS506)、ステップS506で取得した時間軸差分t_subに対して式(8)を用いることで、時刻更正した時間軸差分t_sub_newを算出する(図15のステップS507)。
t_sub_new = t_sub − t_chg 式(8)
次に、時刻関連情報取得部23は、ステップS507で算出した時刻更正した時間軸差分t_sub_newを、第1の記憶領域230の中のステップS506で取得した時間軸差分t_subが記憶されていた領域に書き込み(図15のステップS508)、その後、処理をステップS502に戻す。
図16は、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置2の基準現在時刻算出部24における、基準現在時刻の算出処理の一例を示すフローチャートである。以下に、基準現在時刻算出部24の基準現在時刻の算出処理について、図16を用いて説明する。
まず、基準現在時刻算出部24は、制御部15からの基準現在時刻の算出処理の開始の指示(制御信号)を受けると、制御部15から受信部11が現在選局している放送局に関する放送局特定情報を取得する(図16のステップS601)。この処理は、実施の形態1における図6のステップS201の処理と同様である。
次に、基準現在時刻算出部24は、ステップS601で取得した選局中の放送局の放送局特定情報が第2の記憶領域240に記憶されているか否かを判断し(図16のステップS602)、第2の記憶領域240に記憶されている場合(図16のステップS602においてYES)は、処理をステップS603に進め、第2の記憶領域240に記憶されていない場合(図16のステップS602においてNO)は、処理をステップS605に進める。
基準現在時刻算出部24は、ステップS603では、時刻関連情報取得部23から選局中の放送局の放送局特定情報に対応する放送局時刻情報が示す時刻t_signalと、時刻情報取得時刻t_getと、計時部16が生成する計時部現在時刻tとを取得し、これらを用いることで、選局中の放送局の時間軸における放送局現在時刻t_nowの算出を行う。この処理は、実施の形態1における図6におけるステップS203の処理と同様であり、選局中の放送局の時間軸における放送局現在時刻t_nowは、上述の式(3)及び式(4)、又は、式(5)及び式(6)を用いて算出することができる。
次に、基準現在時刻算出部24は、ステップS603で算出された基準現在時刻を計時部16へ与えて、計時部16が生成する計時部現在時刻を更新するよう要求し(図16のステップS604)、基準現在時刻の算出処理を終了させる。
一方、ステップS602において、ステップS601で取得した選局中の放送局の放送局特定情報が、第2の記憶領域240に記憶されていないと判断した場合(図16のステップS602においてNO)は、時刻関連情報取得部23が記憶している放送局時刻情報の中に、選局中の放送局に関する情報について、時間軸差分が記憶されているかどうかを確認する(図16のステップS605)。
ステップS605において、基準現在時刻算出部24は、選局中の放送局の時間軸差分が時刻関連情報取得部23に記憶されていると判断した場合(図16のステップS605においてYES)は、まず、上述したステップS603と同様に、選局中の放送局の時間軸による放送局現在時刻t_nowを算出する(図16のステップS606)。その後、基準現在時刻算出部24は、ステップS605で確認した、選局中の放送局に関する時間軸差分p_subを用いて、式(9)を適用することで、第2の記憶領域240に記憶されている放送局の時間軸における放送局現在時刻t_now′へ変換を行う(図16のステップS607)。
t_now′ = t_now − p_sub 式(9)
基準現在時刻算出部24は、ステップS607で算出された基準現在時刻を計時部16へ入力し、計時部16が生成する計時部現在時刻を更新するよう要求し(図16のステップS608)、基準現在時刻の算出処理を終了させる。
一方、基準現在時刻算出部24は、ステップS605において、選局中の放送局の時間軸差分が時刻関連情報取得部23に記憶されていないと判断した場合(図16のステップS605においてNO)は、時刻関連情報取得部23に記憶されている放送局時刻情報に対応する放送局の数が予め定められた数よりも多いか否かを判断する(図16のステップS609)。基準現在時刻算出部24は、時刻関連情報取得部23に記憶されている放送局時刻情報に対応する放送局の数が予め定められた数よりも少ない場合(図16のステップS609においてNO)は、基準現在時刻の算出処理を終了させる。また、基準現在時刻算出部24は、時刻関連情報取得部23に記憶されている放送局時刻情報に対応する放送局の数が予め定められた数よりも多い場合(図16のステップS609においてYES)は、処理をステップS610以降に進める。なお、ステップS610からS613の処理は、実施の形態1における図6のステップS206からS209の処理と同様である。
図17は、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置2における現在時刻スキャン処理を示すフローチャートである。以下に、デジタル放送受信装置2における現在時刻スキャン処理について、図17を用いて説明する。
まず、制御部15がデジタル放送受信装置2の内部状態を元に自発的に現在時刻スキャン処理を開始すると判断した場合又は操作入力部17を通して入力されたユーザーからの操作指令に応じて現在時刻スキャン処理を開始すると判断した場合に、制御部15は、図17に示される現在時刻スキャン処理を開始する。
現在時刻スキャン処理を開始すると、制御部15は、まず、処理をステップS701に進めるが、図17のステップS701からS708については、図7で示した実施の形態1における計時部現在時刻の更新処理の一例である、現在時刻スキャン処理を示すステップS301からS308と同様である。
ステップS709では、制御部15は、図15で示した時刻情報更正処理を実行するよう、時刻関連情報取得部23に要求を行い、処理を完了させる。
以上のような処理を行うことで、実施の形態2における現在時刻スキャン処理は、基準現在時刻の算出処理は、同様であるが、制御部15が時刻関連情報取得部23に対して放送局時刻情報の更正処理を要求するため、時刻情報取得時刻だけでなく、時間軸差分の更正も行うようになる点が、図7で示した実施の形態1における現在時刻スキャン処理と異なる。
図18は、実施の形態2に係るデジタル放送受信装置2における計時部現在時刻の更新処理の他の例を示すフローチャートである。以下に、デジタル放送受信装置2が選局時に行う計時部現在時刻の更新処理を、図18を用いて説明する。
まず、制御部15が受信部11に対して選局を要求した後に、制御部15がデジタル放送受信装置2の内部状態又は操作入力部17を通して入力されたユーザーからの操作指令の内容等を元に、選局時に行う計時部現在時刻の更新処理を行う必要があると判断した場合に、計時部現在時刻の更新処理を開始する。
選局時に行う計時部現在時刻の更新処理を開始すると、制御部15は、まず、処理をステップS801に進める。図18のステップS801からS803の処理は、図8のステップS401からS403の処理と同様である。
ステップS804においては、制御部15は、基準現在時刻算出部24に対して、ステップS803で時刻関連情報取得部23が記憶した選局中の放送局のデジタル放送信号から抽出した放送局時刻情報を含む放送局時刻情報を用いて、図16で示した基準現在時刻の算出処理を実行するよう要求し、処理をステップS805に進める。なお、図18のステップS805からS809は、図8のステップS405からS409と同様である。
ステップS810においては、制御部15は、図15で示した時刻情報の更正処理を実行するよう、時刻関連情報取得部23に要求を行い、処理を完了させる。
以上のような処理を行うことで、実施の形態2における選局時に行う計時部現在時刻の更新処理は、基準現在時刻算出部24に対して基準現在時刻の算出処理を要求することで、第2の記憶領域240に記憶されていない放送局を選局中であっても、時刻関連情報取得部23が記憶している時間軸差分を用いることで、第2の記憶領域240に記憶されている放送局の時間軸による放送局現在時刻t_nowを推測する点、及び、基準現在時刻の算出処理において基準現在時刻が算出できた場合に、時刻関連情報取得部23に放送局時刻情報の更正処理を要求することで、時刻情報取得時刻だけでなく、時間軸差分の更正も行うようになる点において、図8で示した実施の形態1における選局時に行う計時部現在時刻の更新処理と異なる。
また、実施の形態2における選局時に行う計時部現在時刻の更新処理は、基準現在時刻算出部24による基準現在時刻の算出処理で基準現在時刻が算出できず、また、計時部16が生成する計時部現在時刻が不定である場合には、選局中の放送局から送信されたデジタル放送信号から抽出した放送局時刻情報を現在時刻として設定する点、及び、その後、時刻関連情報取得部23に対して放送局時刻情報の更正処理を要求することで、時刻情報取得時刻のみを更正する点は、図8で示した実施の形態1における選局時に行う計時部現在時刻の更新処理と同様である。
以上に記載した実施の形態2について、デジタル放送受信装置2は、図14に示される第1の記憶領域230に記憶されている放送局時刻情報の例を記憶しているものとした具体例について、以下に説明する。なお、この場合、計時部16が生成する計時部現在時刻は、サービスA、サービスB、及びサービスDから送信されたデジタル放送信号から抽出した放送局時刻情報を元に算出したものとなっているため、図14で示されるサービスCにおける時間軸差分は、サービスCにおける時間軸と、サービスA、サービスB、及びサービスDにおける時間軸との間の差分を示すことになる。言い換えれば、サービスCから送信されたデジタル放送信号から抽出した放送局時刻情報に対して、図14で示されるサービスCにおける時間軸差分情報を反映することで、サービスA、サービスB、及びサービスDの時間軸における時刻に変換されることになる。
まず、基準現在時刻算出部24は、選局中の放送局がサービスAであり、第2の記憶領域240には、サービスAの放送局特定情報が記憶されているケースにおいては、図16のステップS602においてYESと判断し、処理をステップS603に進める。このとき、基準現在時刻算出部24は、計時部16が生成する計時部現在時刻が「5:00」であったとすると、式(3)及び式(4)、又は、式(5)及び式(6)を適用することで、サービスAの時間軸における現在時刻は、「15:00」であると算出し(図16のステップS603)、その後、計時部16の生成する計時部現在時刻を「15:00」に更新するよう要求する(図16のステップS604)。
また、基準現在時刻算出部24は、選局中の放送局がサービスCであり、第2の記憶領域240に、サービスAの放送局特定情報が格納されているケースにおいては、図16のステップS602においてNOと判断され、処理をステップS605に進める。ここで、第1の記憶領域230には、選局中の放送局であるサービスCに関する時間軸差分が記憶されているため、ステップS605では、処理はYESに進む。
次に、基準現在時刻算出部24は、サービスCの時間軸における基準現在時刻を算出する(図16のステップS606)。このとき計時部16が生成する計時部現在時刻が「5:00」であったとすると、式(3)及び式(4)、又は、式(5)及び式(6)を適用することで、サービスCの時間軸における現在時刻は、「14:00」であると算出される。
次に、基準現在時刻算出部24は、サービスCの時間軸から、第2の記憶領域240に放送局特定情報が記憶されているサービスAの時間軸への変換を行う(図16のステップS607)。ここでは、第1の記憶領域230に記録されているサービスCに関する時間軸差分が「−1:00」であるため、これを式(9)に適用することで、サービスAの時間軸での現在時刻が「15:00」であると算出される。
その後、計時部16の生成する計時部現在時刻を、ステップS607で算出された基準現在時刻である「15:00」に更新するよう要求する(図16のステップS608)。
また、選局中の放送局がサービスDであり、第2の記憶領域240には、サービスAの放送局特定情報が格納されているケースにおいては、図16のステップS602においてNOと判断され、処理をステップS605に進め、さらに、第1の記憶領域230には、選局中の放送局であるサービスDに関する時間軸差分が記憶されているため、ステップS605では判定NOになり、処理はステップS609に進む。ステップS609以降の処理は、図6で説明した実施の形態1に係るデジタル放送受信装置1における基準現在時刻の算出処理のステップS206からS209の処理と同様である。
以上に記載した実施の形態2によれば、第2の記憶領域240に記録されていない放送局を選局していたとしても、時刻関連情報取得部23に時間軸差分が記憶されている場合、当該放送局からのデジタル放送信号から放送局時刻情報を抽出した時点で、第2の記憶領域240に記録されている、正しい現在時刻を推測することが可能になる。このため、デジタル放送受信装置2の電源がオンになった直後など、計時部16が生成する計時部現在時刻が不定である場合に、正しい現在時刻を即座に設定できる放送局を増加させる効果が得られる。したがって、計時部16が生成する計時部現在時刻が不定である期間が、平均的に短くなる効果が得られる。
変形例.
図19は、実施の形態1及び2に係るデジタル放送受信装置の変形例の構成を示すハードウェア構成図である。実施の形態1及び2に係るデジタル放送受信装置は、ソフトウェアとしてのプログラムを格納する記憶装置としてのメモリ91と、メモリ91に格納されたプログラムを実行する情報処理部としてのプロセッサ92とを用いて(例えば、コンピュータにより)実現することができる。この場合には、図1における第1から第3の記憶領域130,140,150を、図19におけるメモリ91によって実現し、図1におけるデマルチプレクス部12、時刻関連情報取得部13、基準現在時刻算出部14、計時部16、及び制御部15の全部又は一部を、プログラムを実行するプロセッサ92によって実現することができる。また、図13における第1から第3の記憶領域230,240,150を、図19におけるメモリ91によって実現し、図13におけるデマルチプレクス部12、時刻関連情報取得部23、基準現在時刻算出部24、計時部16、制御部15の全部又は一部を、プログラムを実行するプロセッサ92によって実現することができる。