JP2016196297A - ブレーキユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】車体側への振動の伝播を抑制できるブレーキユニットを提供すること。【解決手段】ブレーキユニットは、マスタシリンダユニットとポンプユニットを備える。マスタシリンダユニットは、ブレーキ操作に応じた液圧を発生するマスタシリンダを有し、車体に固定される。ポンプユニットは、モータ、及びモータによって駆動されるポンプを有する。モータは、マスタシリンダの作動軸方向に沿う方向に回転軸が配置される。ポンプユニットは、マスタシリンダユニットにブレーキ配管を介して接続されるとともに、弾性体を介してブラケットに取り付けられ、ブラケットによって固定される。【選択図】 図1

Description

本発明は、ブレーキユニットに関する。
従来、車両に搭載されるブレーキユニットが知られている(例えば特許文献1)。
特開2000−159094号公報
しかし、従来のブレーキユニットでは、振動が車体側に伝播するおそれがあった。本発明の目的とするところは、振動が車体側に伝播することを抑制することができるブレーキユニットを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態に係るブレーキユニットは、マスタシリンダユニットとポンプユニットを備え、ポンプユニットが弾性体を介してブラケットに取り付けられる。
よって、振動が車体側に伝播することを抑制することができる。
実施例1のブレーキユニットの斜視図である。 実施例1のブレーキユニットの側面図である。 実施例1のブレーキユニットの上面図である。 実施例1のブレーキユニットの正面図である。 実施例1のブレーキユニットの斜視図である。 実施例1のブレーキユニットの側面図である。 図4のポンプユニットを含む部分の拡大図である。 図7のA部分におけるブラケット取付け部品の分解斜視図である。 図7のA部分におけるブラケット取付け部品の部分断面図である。 図7のB部分におけるブラケット取付け部品の分解斜視図である。 図7のB部分におけるブラケット取付け部品の部分断面図である。 実施例1のブレーキユニットの車両への取付け状態を示す斜視図である。 比較例のブレーキユニットの車両への取付け状態を示す側面図である。 実施例2のブレーキユニットの斜視図である。 実施例2のブレーキユニットの側面図である。 実施例2のブレーキユニットの上面図である。 実施例2のブレーキユニットの正面図である。 実施例2のブレーキユニットの斜視図である。 実施例2のブレーキユニットの側面図である。 実施例3のブレーキユニットの斜視図である。 実施例3のブレーキユニットの側面図である。 実施例3のブレーキユニットの上面図である。 実施例3のブレーキユニットの正面図である。 実施例3のブレーキユニットの斜視図である。 実施例3のブレーキユニットの側面図である。 実施例4のブレーキユニットの斜視図である。 実施例4のブレーキユニットの側面図である。 実施例4のブレーキユニットの上面図である。 実施例4のブレーキユニットの正面図である。 実施例4のブレーキユニットの斜視図である。 実施例4のブレーキユニットの側面図である。
以下、本発明のブレーキユニットを実現する形態を、図面に基づき説明する。
[実施例1]
実施例1のブレーキユニット1は、ハイブリッド車両や電気自動車等の、電動機により回生制動力を発生可能な車両の制動系(ブレーキシステム)に適用される電子制御液圧ブレーキ装置のユニットである。本実施例のブレーキシステムは、運転者のブレーキ操作力を低減するための倍力装置(ブレーキブースタ)として、従来のエンジンの吸入負圧を用いて作動する形式のもの(ブレーキペダルとマスタシリンダとの間に介装されるマスターバック)を備えない。ブレーキシステムは、運転者のブレーキ操作の入力部材としてのブレーキペダルと、ブレーキ操作に応じた液圧(制動操作液圧)を発生するマスタシリンダ2bと、液圧源としてのポンプや電磁バルブ(電磁制御弁)2d等のアクチュエータを用いて運転者のブレーキ操作とは独立に制御液圧を発生可能な制動制御ユニットと、車両の各車輪に設けられ制動操作液圧(マスタシリンダ圧)や制御液圧の供給を受けてブレーキ作動液圧(ホイルシリンダ圧)を発生するホイルシリンダとを有している。制動制御ユニットは、マスタシリンダ圧又は制御液圧を各ホイルシリンダに個別に供給可能に設けられている。
制動制御ユニットのコントロールユニット2eは、ブレーキペダルの操作量を検出するペダルストロークセンサ及びポンプの吐出圧やマスタシリンダ圧を検出する液圧センサから送られる検出値、及び車両から送られる走行状態に関する情報が入力され、内蔵されるプログラムに基づき、各電磁バルブ2dの開閉やモータ31の回転数(ポンプの吐出量)を制御する。これにより、ブレーキ操作力を低減するための倍力制御や、制動による車輪のスリップを抑制するためのアンチロックブレーキ制御や、車両の運動制御(横滑り防止等の挙動制御)や、先行車追従制御等の自動ブレーキ制御や、回生ブレーキと協調して目標減速度(目標制動力)を達成するようにホイルシリンダ圧を制御する回生協調ブレーキ制御等を実現する。倍力制御では、ブレーキ操作に応じて発生するマスタシリンダ圧に対し、制動制御ユニットを駆動して(ポンプの吐出圧を用いて)形成するアシスト液圧を加圧することで、マスタシリンダ圧よりも高いホイルシリンダ圧を創生する。
ブレーキユニット1は、マスタシリンダ2bを備えて車体に固定されるマスタシリンダユニット2と、ポンプを備えたポンプユニット3とを有している。これらマスタシリンダユニット2とポンプユニット3は互いに別体に設けられると共に一体的に固定され、単一のブレーキユニット1を構成している。図1〜図6は、本実施例のブレーキユニット1の全体を各方向から示す。以下、説明の便宜上、直交座標系を設定する。マスタシリンダ2bが作動する軸方向にx軸を設け、マスタシリンダ2b(ブレーキユニット1)にブレーキペダルが接続される側を正方向とする。ブレーキユニット1が車両に設置される際、マスタシリンダ2bの軸方向は車両の前後方向と略平行になるため、x軸方向は、車両の前後方向でもある。車両後方側(ブレーキペダルが設置される車室側)をx軸正方向とし、車両前方側(ブレーキユニット1が設置されるエンジン室側)をx軸負方向とする。車両の上下方向(鉛直方向)にz軸を設け、マスタシリンダ2bに対してリザーバタンク2cが設置される側(鉛直上方)を正方向とする。また、車両の幅方向(水平方向)にy軸を設け、x軸正方向側(車室内側)から見て右側を正方向とする(コントロールユニット2eが設置される側を負方向とする)。図1はブレーキユニット1をx軸負方向側、y軸正方向側、及びz軸正方向側の斜め方向から見た斜視図、図2はブレーキユニット1をy軸正方向側から見た側面図、図3はブレーキユニット1をz軸正方向側から見た上面図、図4はブレーキユニット1をx軸負方向側から見た正面図、図5はブレーキユニット1をx軸負方向側、y軸負方向側、及びz軸正方向側の斜め方向から見た斜視図、図6はブレーキユニット1をy軸負方向側から見た側面図を示す。
マスタシリンダユニット2は、アルミ系金属材料等で形成された第1ハウジング20を備える。第1ハウジング20は、直方体の1辺の角部を切り欠いた形状であり、yz平面に対して略平行に広がる板状のフランジ部(取付け部)200をx軸正方向側に有すると共に、フランジ部200に対して略平行に広がるx軸負方向側の面201と、xz平面に対して略平行に広がるy軸正方向側の面202と、面202に対して略平行に広がるy軸負方向側の面203と、xy平面に対して略平行に広がるz軸正方向側の面204と、面204に対して略平行に広がるz軸負方向側の面205とを有する。第1ハウジング20は、y軸正方向側の面202とz軸負方向側の面205との間に、略直角に切り欠かれた形状の凹部(段差部)21を有する。凹部21は、xz平面に対して略平行に広がる面210と、xy平面に対して略平行に広がる面211を有する。フランジ部200はx軸方向から見て略長方形であり、その4隅にスタッド軸4が設けられている。第1ハウジング20は、4本のスタッド軸4によって車体のフロアパネル(ダッシュパネル)8(図12参照)にリジッドに(弾性体を介さずに)固定される。スタッド軸4のスペーサによりフランジ部200とフロアパネル8との間に若干のx軸方向隙間が形成されるよう、4つの留め点でフランジ部200(第1ハウジング20)がフロアパネル8に固定される。フロアパネル8は、マスタシリンダユニット2(ブレーキユニット1)が車両に取付けられるユニット取付け面を構成する。
第1ハウジング20には、ロッド2aがフランジ部200からx軸正方向に突出するように設置される。ロッド2aのx軸負方向端は第1ハウジング20内に収容されたマスタシリンダ2bのピストンに当接すると共に、ロッド2aのx軸正方向端にはブレーキペダルが連結される。マスタシリンダ2bは、ロッド2aを介してブレーキペダルに連動する。マスタシリンダ2bは所謂タンデム型であって、2つのピストンとこれらにより画成される2つの液圧室を有している。マスタシリンダ2bのピストンは第1ハウジング20内でx軸方向に往復移動可能に収容され、それぞれ対応する液圧室にブレーキペダルによる操作力(ペダル踏力)相当の液圧(マスタシリンダ圧)を発生する。スタッド軸4は、上記ピストンが移動する方向、すなわちマスタシリンダ2bが作動する軸方向(x軸方向)に延びるように設けられている。マスタシリンダユニット2には、作動液としてのブレーキ液を貯留する液源としてのリザーバタンク2cが一体に設けられており、マスタシリンダ2bの各液圧室は、リザーバタンク2cからブレーキ液の補給を受ける。リザーバタンク2cは、第1ハウジング20のz軸正方向側の面204に取付けられる。第1ハウジング20内にはブレーキ液の流路が複数形成されており、これらの流路はマスタシリンダ2bの各液圧室に接続すると共に、図外の接続配管を介して各ホイルシリンダに接続される。
第1ハウジング20には複数(本実施例では4つ)の電磁バルブ2dが取付けられている。すなわち、マスタシリンダユニット2は、マスタシリンダ2bを内蔵したバルブユニットでもある。電磁バルブ2dは、第1ハウジング20内に収容されて往復動することで上記流路を切換える(連通・遮断する)弁体と、駆動電流が通電されることにより電磁力を発生して弁体を往復動させるソレノイド部とを有するソレノイドバルブである。ソレノイド部は、第1ハウジング20のx軸負方向側の面201からx軸負方向に突出するように取付けられる。すなわち、面201は、電磁バルブ2d(ソレノイド部)が取付けられるバルブ取付け面を構成する。複数の電磁バルブ2dは、面201のy軸負方向側においてz軸方向に1列に並んで配置される。第1ハウジング20には、電磁バルブ2dやモータ31(ポンプ)の作動を制御する電子制御ユニットECUであるコントロールユニット2eが一体的に固定されており、マスタシリンダユニット2は所謂機電一体型のユニットとなっている。コントロールユニット2eは、第1ハウジング20のy軸負方向側の面203に取付けられる。すなわち、面203は、コントロールユニット取付け面を構成する。
第1ハウジング20の面203と反対側のy軸正方向側の面202には、マスタシリンダユニット2とポンプユニット3とを接続するブレーキ配管である接続配管7(本実施例では2本の配管7a,7b)の一端が取付けられる配管取付け部206が、z軸負方向側であってx軸正方向側とx軸負方向側の2箇所に設けられている。すなわち、面202は、配管取付け面を構成する。第1ハウジング20の凹部21の面210には、ブラケット5(本実施例では2つのブラケット5a,5b)が取付けられるブラケット取付け部207が、z軸負方向側であってx軸正方向側とx軸負方向側の2箇所に設けられている。すなわち、面210は、ブラケット取付け面を構成する。x軸負方向側のブラケット取付け部207にはブラケット5aの一端がマウントを介さず(ボルト締結により)取付けられ、x軸正方向側のブラケット取付け部207にはブラケット5bの一端がマウントを介さず(ボルト締結により)取付けられる。
ポンプユニット3は、アルミ系金属材料等で形成された第2ハウジング30を備え、第2ハウジング30にポンプを内蔵する。ポンプは回転式であり、本実施例では静粛性に優れるギヤポンプ(歯車ポンプ)を用いる。例えば、外接式ギヤポンプを用いることができる。なお、これに限らず、内接式ギヤポンプであってもよい。また、回転式ポンプに限らず、プランジャポンプのような往復式ポンプを採用可能である。第2ハウジング30は、略円柱状であり、その外周部を円柱の中心軸を挟んで対向する2箇所で平面状に切り欠いた形状である。第2ハウジング30は、yz平面に対して略平行に広がるx軸正方向側の面300と、面300に対して略平行に広がるx軸負方向側の面301と、xz平面に対して略平行に(平面状に)広がるy軸正方向側の面302と、面302に対して略平行に(平面状に)広がるy軸負方向側の面303と、面302,303のz軸正方向側に凸曲面状に広がる面304と、面302,303のz軸負方向側に凸曲面状に広がる面305とを有する。
第2ハウジング30のy軸正方向側の面302には、接続配管7の他端が取付けられる配管取付け部306が、z軸正方向側とz軸負方向側の2箇所に設けられている。すなわち、面302は、配管取付け面を構成する。第2ハウジング30のy軸負方向側の面303には、ブラケット5aが取付けられるブラケット取付け部307が設けられている。すなわち、面303は、ブラケット取付け面を構成する。ブラケット取付け部307にはブラケット5aの中間部位がマウント6aを介して取付けられる。第2ハウジング30のz軸負方向側の面305には、ブラケット5aが取付けられるブラケット取付け部307が設けられている。すなわち、面305は、ブラケット取付け面を構成する。ブラケット取付け部307にはブラケット5aの他端がマウント6bを介して取付けられる。第2ハウジング30のx軸負方向側の面301には、ポンプカバー32が取付けられる。具体的には、ポンプカバー32のx軸正方向側のフランジ部が第2ハウジング30の面301に複数(例えば2本)のボルトで締結されることで、ポンプカバー32はポンプユニット3に一体的に固定されている。ポンプカバー32には、モータ31に駆動電流を供給する配線を接続するためのコネクタ320が設けられている。
モータ31はコントロールユニット2eにより制御され、ポンプの回転軸を回転駆動する。モータ31は、直流ブラシモータであるが、これに限られない。モータ31は第2ハウジング30のx軸正方向側の面300に取付けられる。具体的には、モータ31の有底円筒状のケースのx軸負方向側(開口部)のフランジ部が第2ハウジング30の面300に複数(例えば2本)のボルトで締結されることで、モータ31はポンプユニット3に一体的に固定されている。モータ31(ケース)の中心軸は、第2ハウジング30の中心軸と略同一直線上に設けられている。モータ31(ケース)のx軸正方向側の面310はyz平面に対して略平行に広がるように配置され、この面310の略中央(モータ31の中心軸上)には、ブラケット5bが取付けられるブラケット取付け部311が設けられている。すなわち、面310は、ブラケット取付け面を構成する。ブラケット取付け部311にはブラケット5bの他端がマウント6cを介して取付けられる。
第1ハウジング20と第2ハウジング30は、接続配管7を介して、ブレーキ液が流通可能に接続するように設けられている。接続配管7は鋼管ではなくフレキシブルな配管とする。ポンプは、モータ31によって駆動され、接続配管7を介して第1ハウジング20内の流路からブレーキ液を吸入すると共に、接続配管7を介して第1ハウジング20内の流路へ高圧のブレーキ液を吐出する。ブレーキユニット1は、この吐出圧を用いてホイルシリンダ圧を増圧可能に設けられている。
次に、マスタシリンダユニット2とポンプユニット3の取付け構造を説明する。第1ハウジング20と第2ハウジング30は、ブラケット5aによって一体化されている。言い換えると、第1ハウジング20と第2ハウジング30がブラケット5aを介して接続されることで、各ユニット2,3が互いに一体的に固定されている。図7は、図4のポンプユニット3を含む部分の拡大図である。ブラケット5aは、所定のx軸方向幅をもって帯状に延びると共に、x軸負方向側から見てy軸正方向側に膨らむように折り曲げられた形状を有する。ブラケット5aのx軸方向幅は、ポンプユニット3の第2ハウジング30のx軸方向幅(軸方向寸法)と略同じか、又は若干小さく設けられている。ブラケット5aは第2ハウジング30を囲繞するように設けられている。具体的には、ブラケット5aは、x軸負方向側から見て、第2ハウジング30のy軸負方向側の略半分を覆うように湾曲している。ブラケット5aにおいてxz平面に対して略平行に広がる部分が、第2ハウジング30のブラケット取付け面303に対向し、ブラケット取付け部307に取付けられる。ブラケット5aにおいてxy平面に対して略平行に広がる部分が、第2ハウジング30のブラケット取付け面305に対向し、ブラケット取付け部307に取付けられる。すなわち、ブラケット5aは、2つの異なる方向(y軸方向とz軸方向)で第2ハウジング30を支持する。
図8は、マウント6aを含むブラケット5aの取付け部品を分解して同軸上に並べた斜視図である。取付け部品は、マウント6aの他に、ボルト61aと支持部材62aを有する。ボルト61aは、ねじ部610と、六角状の頭部611と、フランジ部612とを有する。支持部材62aは、ボルト61aのねじ部610より若干大径の孔620が貫通形成された異径の中空円筒状部材であり、大径部621と小径部622とを同軸上に有する。マウント6aは、支持部材62aの小径部622と略同径の孔600が貫通形成された中空円筒状であり、ゴム等の弾性材料により形成された弾性体である。マウント6aの軸方向略中央部の外周面には、マウント6aの軸を中心とする環状の溝601が設けられている。マウント6aの軸方向寸法は、支持部材62aの小径部622の軸方向寸法と略同じか又は若干大きく設けられている。図9は、図7のA部分における、ブラケット5aのマウント6aを介した第2ハウジング30への取付け構造を示し、ブラケット5aの取付け部品の軸を含む平面で切った部分断面図である。ブラケット5aには、第2ハウジング30のブラケット取付け面303に対向する部分に、孔50が設けられている。マウント6aは、その溝601がブラケット5aの孔50の外周に嵌合することで、ブラケット5aを挟み込んで支持する。すなわち、溝601はブラケット支持溝である。マウント6aの内周側の孔600が支持部材62aの小径部622に嵌合した状態で、支持部材62aの内周側の孔620にボルト61aのねじ部610が挿通され、ねじ部610の先端側が第2ハウジング30のブラケット取付け部307に形成された雌ねじに螺合する。マウント6aは、支持部材62aの小径部622とボルト61aのフランジ部612との間に挟み込まれ、固定される。大径部621はマウント6aの高さを調整するスペーサとして機能する。
図10は、マウント6bを含むブラケット5aの取付け部品を分解して同軸上に並べた斜視図である。取付け部品は、マウント6bの他に、ボルト61bを有する。ボルト61bは、圧入部610と、圧入部610より大径の支持部611と、頭部611とを有する。マウント6bは、ボルト61bの支持部611と略同径の孔600が貫通形成された中空円筒状であり、ゴム等の弾性材料により形成された弾性体である。孔600の内周面には、軸方向に延びる複数の凹部602が切り欠かれている。マウント6bの軸方向一方側の外周面には、マウント6bの軸を中心とする環状の溝601が設けられている。マウント6bの軸方向寸法は、ボルト61bの支持部611の軸方向寸法と略同じか又は若干大きく設けられている。図11は、図7のB部分における、ブラケット5aのマウント6bを介した第2ハウジング30への取付け構造を示し、ブラケット5aの取付け部品の軸を含む平面で切った断面図である。ブラケット5aには、第2ハウジング30のブラケット取付け面305に対向する部分に、孔50が設けられている。マウント6bは、その溝601がブラケット5aの孔50の外周に嵌合することで、ブラケット5aを挟み込んで支持する。すなわち、溝601はブラケット支持溝である。マウント6bの内周側の孔600がボルト61bの支持部611に嵌合した状態で、ボルト61bの先端側の圧入部610が第2ハウジング30のブラケット取付け部307に形成された孔に圧入される。マウント6bは、第2ハウジング30のブラケット取付け面305とボルト61aの頭部611との間に挟み込まれ、固定される。
第1ハウジング20に対して、第2ハウジング30がブラケット5aを介して接続されると共に、モータ31がブラケット5bを介して接続されている。言い換えると、第1ハウジング20に対して、ポンプユニット3が、第2ハウジング30とモータ31の2点で固定されている。ブラケット2bは、所定の幅をもって帯状に延びる部材が、その延びる方向の周りで略90度捻られた形状を有する。言い換えると、ブラケット2bは、ブラケット5aと同様にxz平面に対して略平行に広がる部分(一端)と、ブラケット5aとは異なりyz平面に対して略平行に広がる部分(他端)とを有しており、前者の部分(一端)が第1ハウジング20のブラケット取付け部207に取付けられ、後者の部分(他端)がモータ31のx軸正方向側の面310に対向し、ブラケット取付け部311にマウント6cを介して取付けられる。このように、第2ハウジング30がx軸方向に広がるブラケット5aの面(第1の面)に対して固定される一方、モータ31はこの第1の面に直交するようにyz平面に対して略平行に広がるブラケット5bの部分(第2の面)に対して固定される。すなわち、ブラケット5a,5bは、2つの異なる方向(x軸方向とこれに直交する方向)でポンプユニット3を支持する。
マウント6cの構造はマウント6aと同様であり、ブラケット5bのマウント6cを介したモータ31への取付け構造は、ブラケット5aのマウント6aを介した第2ハウジング30への取付け構造と同様である。マウント6cを含む取付け部品(ボルト61aや支持部材62a)の軸は、x軸方向に延びるように、すなわちモータ31の軸に対して略平行に設けられている。具体的には、モータ31の軸と略同軸上に延びるように設けられている。円柱状の第2ハウジング30の中心軸はx軸方向に延びるように配置され、ポンプの回転軸に対して略平行である。マスタシリンダ2bが作動する軸(線)方向とポンプの回転軸の軸(線)方向は同じ方向(x軸方向)である。モータ31の回転軸が延びる方向はx軸方向であり、マスタシリンダユニット2が車両に取付けられるユニット取付け面(フロアパネル8)に向かう方向である。また、ポンプの回転軸の軸(線)方向はスタッド軸4の方向(x軸方向)に沿って延びている。
次に、マスタシリンダユニット2とポンプユニット3の配置について説明する。本実施例では、ポンプユニット3はマスタシリンダユニット2の下側に配置される。z軸方向で見ると、ポンプユニット3は、マスタシリンダユニット2が車両に取付けられたときにマスタシリンダユニット2の下面(z軸負方向側)となる第1ハウジング20の面205に対向するよう(すなわちマスタシリンダユニット2の下面側になるよう)、マスタシリンダユニット2に一体的に固定されている。y軸方向で見ると、第1ハウジング20のy軸正方向側の面202と第2ハウジング30のy軸正方向側の面302との間のy軸方向距離は可及的に小さくなるように(本実施例では略ゼロとなるように)配置される。第1ハウジング20のy軸負方向側の面203と第2ハウジング30のy軸負方向側の面303との間のy軸方向距離は可及的に小さくなるように(本実施例では略ゼロとなるように)配置される。言い換えると、第2ハウジング30は、そのy軸方向寸法が第1ハウジング20のy軸方向寸法と略等しくなるようにy軸両方向側の2箇所が平面状に切り欠かれ、この切り欠き部(面302,303)が第1ハウジング20の側面202,203と略同一平面を構成する(第2ハウジング30が第1ハウジング20の真下に位置する)ように、第1ハウジング20と一体化されている(図4)。x軸方向で見ると、モータ31(ケース)のx軸正方向側の面310は、第1ハウジング20のx軸正方向側の面(フランジ部200)よりもx軸負方向側に配置される。言い換えると、モータ31の面310と第1ハウジング20のフランジ部200との間には、所定のx軸方向隙間が設けられる。この隙間に、ブラケット5bが設置される。第1ハウジング20のx軸負方向側の面201と第2ハウジング30のx軸負方向側の面301との間のx軸方向距離は小さく、面301は面201よりも僅かにx軸正方向側に位置する。
以上の各方向での配置により、図3に示すように、ブレーキユニット1をz軸正方向側から見たとき、(モータ31を含む)ポンプユニット3の第2ハウジング30は、マスタシリンダユニット2の第1ハウジング20の陰になって見えない。また、第1ハウジング20の面201から突出する電磁バルブ2d(ソレノイド部)のx軸負方向端、及び、第2ハウジング30の面301から突出するポンプカバー32のx軸負方向端は、略同じx軸方向位置にあり、ともにリザーバタンク2cのx軸負方向端よりもx軸正方向側に配置される。ブレーキユニット1をz軸正方向側から見たとき、ポンプカバー32は、(第1ハウジング20のx軸負方向側から突出する)リザーバタンク2cによって大部分が覆われる。また、第2ハウジング30のy軸負方向側のブラケット取付け面303にブラケット5aを取付けるためのボルト61aの頭部611は、コントロールユニット2eのy軸負方向端面よりもy軸正方向側に位置する。よって、ブレーキユニット1をz軸正方向側から見たとき、ブラケット5aは、コントロールユニット2eの陰になって見えない。また、第1ハウジング20の配管取付け面202と第2ハウジング30の配管取付け面302は、同じy軸正方向側に設けられている。また、ブレーキユニット1の全体を直方体として見たとき、第1ハウジング20のバルブ取付け面203及びポンプカバー32のコネクタ320は、(xz平面に対して略平行に広がる)第1ハウジング20のコントロールユニット取付け面203に対して、y軸方向で反対側に位置する(対向する)面202や面302ではなく、隣接する(yz平面に対して略平行に広がる)面201や面301に設けられている。
[実施例1の作用]
次に、ブレーキユニット1の作用を説明する。従来、運転者のブレーキ操作とは独立にポンプを用いて制御液圧を発生可能な制動制御ユニットを備えたブレーキ装置が知られている。本実施例では、この制動制御ユニットをマスタシリンダ2bと一体化して1つのブレーキユニット1としたため、取り扱いが容易となり、車両への搭載性を向上することができる。すなわち、ブレーキシステムの要部全体を一纏めにしたブレーキユニット1としたことで、車両搭載性が良い。特に、制動制御ユニットがマスタシリンダ圧よりも高いホイルシリンダ圧を発生してブレーキ操作力を低減する倍力制御を実行可能としたため、従来のブレーキ倍力装置(マスターバック)と容易に置き換えることができる。図4の破線の円VBは従来のマスターバックの設置領域の一例を示す。すなわち、マスターバックの設置に必要であったスペースVBにブレーキユニット1を設置することができると共に、制動制御ユニットを別途設置するためのスペースが不要となる。よって、ブレーキシステム全体を簡素化することができ、車両への適用性が高いと共に、車両の省スペース化を図ることができる。
一方、ポンプ(ポンプ駆動用のモータを含む。以下、同様)の作動時には振動や騒音(以下、音振)が発生し、これが制動制御ユニットの主な音振発生源となるところ、上記のような倍力制御を実行することとした場合には、ブレーキ操作に応じてポンプを作動させる頻度が高い。また、制動制御ユニットをマスタシリンダと一体化することで、ブレーキペダルに連動するマスタシリンダの近傍に制動制御ユニット(ポンプ)を設置することとなるため、ポンプの音振がブレーキペダルや車室内に伝播しやすくなる。特に、本実施例のようにマスターバックを備えずマスタシリンダのハウジングが車体のフロアパネルに直接固定される場合、マスタシリンダのハウジングからも車室内に振動が伝播しやすくなる。また、本実施例のようにエンジンを備えない車両にあっては音振が運転者に与える影響が比較的大きくなる。よって、高い静粛性を実現することが課題となる。
これに対し、本実施例では、ポンプとして、プランジャポンプ等に比べて静粛性に優れるギヤポンプを用いる。よって、静粛性を向上することができる。また、マスタシリンダユニット2とポンプユニット3を別体に設けた。具体的には、車体に固定される第1ハウジング20内にマスタシリンダ2bを備えたマスタシリンダユニット2と、モータ31によって駆動され、ホイルシリンダ圧を増圧するためのポンプを内蔵した第2ハウジング30を備えたポンプユニット3とを備えた。よって、主な音振発生源であるポンプを運転者(ブレーキペダル)から振動的に遠ざけることが可能となる。具体的には、マスタシリンダユニット2とポンプユニット3は、防振部材(インシュレータ)によって、互いに弾性的に一体化されている。防振部材は、振動を発するポンプユニット3を弾性的に支持する制振材であり、本実施例では、ゴム等の弾性体により構成されたマウント6である。なお、弾性体として、金属ばね等であってもよい。このように、マスタシリンダユニット2とポンプユニット3とを、柔軟なマウント6を介して一体的に固定したことで、ポンプ作動時に発生する振動をマウント6で吸収し、ポンプユニット3からマスタシリンダユニット2(すなわちブレーキペダルや車室内)への振動の伝達を抑制することができる。
具体的には、図1と同様の斜視図である図12に示すように、ブレーキユニット1は車両のエンジン室内に設置される。エンジン室と車室とは車体のフロアパネル8により画される。マスタシリンダユニット2の第1ハウジング20がスタッド軸4によりフロアパネル8に固定され、第1ハウジング20(マスタシリンダ2b)からx軸正方向側に延びるロッド2aが車室内に設置されてブレーキペダルと連結される。ブレーキペダル(ロッド2a)に入力される運転者のブレーキ操作力(踏力)に対して反力を発生すべく(すなわちマスタシリンダ2bのピストンにブレーキ操作力を適切に伝達してブレーキ操作力に応じたマスタシリンダ圧を発生すべく)、第1ハウジング20はフロアパネル8にリジッドに(弾性体を介さずに)固定される。一方、ポンプユニット3の第2ハウジング30を車体側、例えばフロアパネル8に直接固定した場合、ポンプの振動がフロアパネル8を経由して車室内に伝播するおそれがある。ポンプユニット3(第2ハウジング30)をマスタシリンダユニット2(第1ハウジング20)にリジッドに固定した場合も、同様である。これに対し、本実施例では、ポンプユニット3の第2ハウジング30は車体側に直接固定されず、マウント6a,6bを介してマスタシリンダユニット2(第1ハウジング20)に固定される。よって、ポンプ作動時の車体側(ブレーキペダルや車室内)への振動の伝播を抑制できる。同様に、モータ31を車体側に直接固定するのではなく、マウント6cを介してマスタシリンダユニット2に固定したことで、車体側へのモータ31の振動の伝播を抑制できる。
また、マスタシリンダユニット2とポンプユニット3を別体に設けたことに伴い、両ユニット2,3を接続するブレーキ配管(接続配管7)が必要になる。仮に、接続配管7を鋼管とした場合には、ポンプの脈圧(脈動)や振動が接続配管7を介してマスタシリンダユニット2(第1ハウジング20)に伝播しやすくなる。よって、本実施例では、フレキシブルな材質(材料)により接続配管7を形成した。これにより、レイアウト性を向上することができるだけでなく、ポンプユニット3からマスタシリンダユニット2への振動の伝達を抑制することができる。なお、マスタシリンダユニット2(第1ハウジング20)の配管取付け面202とポンプユニット3(第2ハウジング30)の配管取付け面302を、同じy軸正方向側に設けたことで、接続配管7を短縮しつつ、接続配管7の接続作業性や取り回し性を向上することができる。
なお、マスタシリンダユニット2(第1ハウジング20)とポンプユニット3(第2ハウジング30やモータ31)を、ブラケット5を介さずマウント6のみを介して一体化する(言い換えるとマウント6を接続部材として用いる)こととしてもよい。この場合、例えば、ポンプユニット3又はマスタシリンダユニット2にマウント6を直接係合できる形状とする。本実施例では、第1ハウジング20と第2ハウジング30はブラケット5によって一体化されている(一体に配置されている)。すなわち、第1ハウジング20と第2ハウジング30(及びモータ31)がブラケット5を介して接続されることで各ユニット3,4が一体的に固定されている。このようにブラケット5を用いることで、各ユニット2,3を一体化する際のレイアウトの自由度を向上することができる。また、モータ31は第2ハウジング30に取付けられている。第1ハウジング20に対して、第2ハウジング30とモータ31がブラケット5a,5bを介して接続されている。このように、第1ハウジング20に対してポンプユニット3を第2ハウジング30とモータ31の2点で固定することで、固定強度を向上することができる。
ブラケット5a,5bは(モータ31を含む)ポンプユニット3を囲繞するように設けられている。第2ハウジング30は、x軸方向に広がるブラケット5aの面(第1の面)に対して固定され、モータ31はこの第1の面に直交するようにyz平面に対して略平行に広がるブラケット5bの部分(第2の面)に対して固定されている。このように、2つの異なる方向(x軸方向とこれに直交する方向)で(モータ31を含む)ポンプユニット3を支持することで、ポンプユニット3とマスタシリンダユニット2とをより強固に固定でき、固定強度を向上することができる。また、ブラケット5aは第2ハウジング30を囲繞するように設けられ、第2ハウジング30は、ブラケット5aにおいてxz平面に対して略平行に広がる部分に対して固定されると共に、ブラケット5aにおいてxy平面に対して略平行に広がる部分に対して固定される。このように、2つの異なる方向(y軸方向とz軸方向)で第2ハウジング30を支持することで、ポンプユニット3とマスタシリンダユニット2との固定強度を向上することができる。
なお、ポンプユニット3とブラケット5aをリジッドに固定し、ブラケット5aとマスタシリンダユニット2とをマウントを介して取付けてもよい。このようにマウントを第1ハウジング20とブラケット5aとの接続部に設けた場合も、マウント6a,6bを第2ハウジング30とブラケット5aとの接続部に設けた本実施例と同様、マウントの振動吸収効果により、ポンプユニット3(第2ハウジング30)からマスタシリンダユニット2(第1ハウジング20)への振動の伝達を抑制することができる。本実施例では、マウント6a,6bは、第1ハウジング20とブラケット5aの間ではなく、第2ハウジング30とブラケット5aの間に介在して設けられている。このようにポンプユニット3から見てブラケット5aの手前、すなわち振動源であるポンプ(第2ハウジング30)により近い位置にマウント6a,6bを設けたため、マスタシリンダユニット2への振動の伝達抑制効果を向上することができる。モータ31を第1ハウジング20に接続するブラケット5bに設けるマウント6cの配置についても、上記と同様である。
モータ31の回転軸(の軸方向)は、マスタシリンダユニット2が車両に取付けられる取付け面(フロアパネル8)に向かう方向(x軸方向)である。このため、モータ31の作動による音振が車体側に伝達されることを抑制することができる。以下、図12及び図13を参照して説明する。図13は、モータ31の回転軸がx軸と直交するように(y軸方向に)設けた比較例の側面を示す。モータ31(のロータ)の回転動作に応じて、モータ31の回転軸を支持するモータケース等には回転反力が作用し(図12,13の矢印α)、この回転反力はブラケット5a,5bを介してマスタシリンダユニット2の第1ハウジング20に伝達され、さらに第1ハウジング20のフランジ部200(スタッド軸4による第1ハウジング20の4つの留め点)を介してフロアパネル8に伝達される。回転反力が第1ハウジング20(フロアパネル8)に作用する方向は、モータ31の回転軸の周り方向であり、この回転軸周り方向はモータ31の振動方向でもある。ここで、マスタシリンダ2bの軸とモータ31の回転軸とが角度をもって配置されている場合、モータ31の回転反力がマスタシリンダユニット2(フロアパネル8)に作用する方向は、フロアパネル8に対して角度を有することとなる。このうち、フロアパネル8に対して直交する方向の力の成分(図12,13の矢印β)がフロアパネル8を太鼓のように叩くことで、モータ31の振動がフロアパネル8に伝達され、フロアパネル8が膜のように振動する。このフロアパネル8の振動に伴い、フロアパネル8に取付けられたマスタシリンダユニット2もフロアパネル8に対して直交する方向(マスタシリンダ2bの軸方向)に振動し、ロッド2aを介してブレーキペダルを振動させる。例えば図13の比較例に示すように、マスタシリンダ2bの軸とモータ31の回転軸とが直交するように設けた場合には、フロアパネル8に対する回転反力の作用方向は、フロアパネル8に対して直交する。すなわち、マスタシリンダユニット2の取付け面においてフロアパネル8を叩く(揺らす)力βの大きさが最大となる。よって、モータ31の振動がフロアパネル8やブレーキペダルに最も伝達されやすくなる。
これに対し、本実施例では、モータ31の回転軸を、マスタシリンダ2bの軸に対して略平行な方向、言い換えるとマスタシリンダユニット2の取付け面(フロアパネル8)に向かう方向(スタッド軸4の方向)に設けた。これにより、図12に示すように、モータ31の回転反力がフロアパネル8(マスタシリンダユニット2の取付け面)に作用する方向はフロアパネル8に対して略平行となり、フロアパネル8に対してなす角度が最小となる。よって、フロアパネル8を叩く力の成分βが最小となり、モータ31の振動が車体側に最も伝わりにくくなる。このように、モータ31の振動方向を考慮し、モータ31の振動が車体側に伝播しにくい向きにモータ31を取付けることで、音振の抑制効果を向上することができる。さらに、フランジ部200とフロアパネル8との間に若干のx軸方向隙間が形成されるよう、スタッド軸4により(スペーサを介して)第1ハウジング20をフロアパネル8に固定したことで、フランジ部200をフロアパネル8に面接触させて固定した場合に比べ、振動の伝播をより効果的に抑制することができる。
マスタシリンダユニット2の第1ハウジング20には電磁バルブ2dが取付けられるバルブ取付け面201を備え、ポンプユニット3は、第1ハウジング20のバルブ取付け面201以外の面205に対向して一体的に固定されている。よって、ポンプユニット3と、バルブ取付け面201から突出する電磁バルブ2d(ソレノイド部)との干渉を回避することができ、これによりレイアウト性を向上することができる。すなわち、電磁バルブ2dへの配線接続や配線の取り回しを容易として作業性を向上できる。また、両ユニット2,3を一体的に固定する際の作業性を向上できる。なお、ポンプユニット3を、第1ハウジング20におけるバルブ取付け面に対向する側面(バルブ取付け面の反対側の面)に対向して(面して)、一体的に固定することとしてもよい。この場合、上記干渉をより確実に回避することができる。バルブ取付け面203及びポンプカバー32のコネクタ320は、コントロールユニット取付け面203に対して隣接する面201や面301に設けられているため、コントロールユニット2eと電磁バルブ2dやモータ31との接続配線を短縮しつつ、配線の接続や取り回しを容易として作業性を向上できる。
マスタシリンダ2bが作動する軸方向とポンプの回転軸の軸方向は同じx軸方向(互いに略平行)となるように設けられている。このように、マスタシリンダ2b(マスタシリンダユニット2)の軸方向とポンプ(ポンプユニット3)の軸方向とを揃えることで、ブレーキユニット1の大型化を抑制することができる。言い換えると、マスタシリンダユニット2の長手方向とポンプユニット3の長手方向とを揃えることで、両ユニットの軸(マスタシリンダ2bの軸とポンプの回転軸)を含む平面に対して垂直方向におけるブレーキユニット1全体の寸法を(両ユニットのうち軸直方向寸法が大きい方のユニットの軸直方向寸法内に)抑制することができる。具体的には、両ユニット2,3の軸直方向寸法のうち、(リザーバタンク2cやコントロールユニット2eを含む)マスタシリンダユニット2の寸法の方が(モータ31を含む)ポンプユニット3の寸法よりも大きい。本実施例では、マスタシリンダ2bの軸とポンプの回転軸を含むxz平面に対して垂直方向であるy軸方向におけるブレーキユニット1全体の寸法は、マスタシリンダユニット2のy軸方向寸法内に抑制されている。さらに、両ユニット2,3の長手方向が互いに重なる(x軸に対し直交する方向から見て両ユニット2,3が重なる)ように配置すれば、ブレーキユニット1全体の長手方向における寸法も抑制することができる。本実施例では、両ユニット2,3が長手方向において略完全に重なるように配置されているため、ブレーキユニット1の同方向における寸法を、(長手方向寸法が大きい方の)マスタシリンダユニット2の長手方向寸法内に抑制することができる。
ポンプユニット3は、マスタシリンダユニット2が車両に取付けられたときにマスタシリンダユニット2の下面側になるよう(具体的には、下面となる第1ハウジング20の面205に対向するよう)一体的に固定されている。よって、上方からのブレーキユニット1の投影面積を低減することができる。これにより、上方から見たときにエンジン室内でブレーキユニット1が占める領域を低減し、エンジン室内の省スペース化を図ることができると共に、エンジン室内へブレーキユニット1を設置する際の作業性を向上することができる。なお、上下方向に投影したとき部分的に重なる範囲があればよいが、半分以上重なるようにすることが好ましい。本実施例では、ポンプユニット3をマスタシリンダユニット2の真下に配置して両ユニット2,3が上下方向で完全に重なるようにし、上下方向の投影面積を最小にしたことで、上記効果を高めることができる。
ポンプの吐出側の流路にポンプへのブレーキ液の逆流を抑制する吐出弁(逆止弁)を設ける場合、この吐出弁をポンプユニット3側(第2ハウジング30内)ではなくマスタシリンダユニット2側(第1ハウジング20内)に設けることが好ましい。これにより、仮に接続配管7が外れた場合でも、マスタシリンダユニット2から(ポンプの吐出側に接続する流路を介して)ブレーキ液が漏出することを抑制することができる。よって、マスタシリンダ圧によってホイルシリンダ圧を発生する通常ブレーキ機能を維持することができる。すなわち、フェールセーフ性を向上することができる。
[実施例1の効果]
以下、実施例1から把握される発明とその効果を列挙する。
(1)ブレーキユニット1は、車体に固定され第1ハウジング20内にブレーキペダルに連動するマスタシリンダ2bを備えたマスタシリンダユニット2と、モータ31によって駆動され、ホイルシリンダ圧を増圧するためのポンプを内蔵した第2ハウジング30を備えたポンプユニット3と、を備え、マスタシリンダユニット2とポンプユニット3は弾性体(マウント6)を介して一体的に固定されている。
よって、ポンプ作動時の車体側への振動の伝播を抑制できる。
(2)(1)に記載のブレーキユニット1において、第1ハウジング20と第2ハウジング30がブラケット5を介して接続されることで各ユニット2,3が一体的に固定されている。
このようにブラケット5を用いることで、一体化のレイアウトの自由度を向上できる。
(3)(2)に記載のブレーキユニット1において、弾性体(マウント6a,6b)は第2ハウジング30とブラケット5aの間に設けられている。
このようにブラケット5の手前の振動源に近い位置に弾性体を設けたため、振動抑制効果が高い。
(4)(1)に記載のブレーキユニット1において、モータ31の回転軸はマスタシリンダユニット2が車両に取付けられる取付け面(フロアパネル8)に向かう方向(x軸方向)である。
このようにモータ31の回転軸の配置がモータ31の回転により取付け面を叩く方向ではないため、音振を抑制できる。
(5)(4)に記載のブレーキユニット1において、マスタシリンダ2bが作動する軸方向とポンプの回転軸の軸方向は同じ方向(x軸方向)である。
このように軸方向を揃えることで、ブレーキユニット1の大型化を抑制できる。
(6)(1)に記載のブレーキユニット1において、モータ31は第2ハウジング30に取付けられていて、第1ハウジング20に対して第2ハウジング30とモータ31がブラケット5a,5bを介して接続されている。
よって、第1ハウジング20に対してポンプユニット3を第2ハウジング30とモータ31の2点で固定できるため、強固に固定できる。
(7)(6)に記載のブレーキユニット1において、ブラケット5a,5bはポンプユニット3を囲繞するように設けられ、第2ハウジング30はブラケット5の第1の面(ブラケット5aのx軸方向に広がる面)に対して固定され、モータ31は第1の面に直交する第2の面(yz平面に対して略平行に広がるブラケット5bの部分)に対して固定されている。
このように2つの異なる方向でポンプユニット3を支持することで、強固に固定できる。
(8)(1)に記載のブレーキユニット1において、マスタシリンダユニット2の第1ハウジング20にはブレーキ液の流路を切換えるための電磁バルブ2dが取付けられたバルブ取付け面201を備え、ポンプユニット3は第1ハウジング20のバルブ取付け面201以外の面205に対向して一体的に固定されている。
よって、レイアウト性を向上できる。
(9)(8)に記載のブレーキユニット1において、第1ハウジング20はバルブ取付け面に対向する側面を備え、ポンプユニット3は前記側面に対向して一体的に固定されている。
よって、レイアウト性を向上できる。
(10)(8)に記載のブレーキユニット1において、ポンプユニット3はマスタシリンダユニット2が車両に取付けられたときにマスタシリンダユニット2の下面となる第1ハウジング20の面205に対向するよう一体的に固定されている。
よって、上方からのブレーキユニット1の投影面積を低減できる。
(11)(1)に記載のブレーキユニット1において、ポンプはギヤポンプである。
よって、静粛性を向上できる。
(12)ブレーキユニット1は、第1ハウジング20内にマスタシリンダ2bを備えたマスタシリンダユニット2と、ホイルシリンダ圧を増圧するためのポンプを内蔵した第2ハウジング30を備えたポンプユニット3と、ポンプユニット3からマスタシリンダユニット2への振動の伝達を抑制する防振部材(マウント6)と、を備え、ポンプユニット3とマスタシリンダユニット2は防振部材によって互いに弾性的に一体化されている。
よって、ポンプ作動時の車体側への振動の伝播を抑制できる。
(13)(12)に記載のブレーキユニット1において、第1ハウジング20と第2ハウジング30がブラケット5によって一体化されている。
このようにブラケット5を用いることで、一体化のレイアウトの自由度を向上できる。
(14)(13)に記載のブレーキユニット1において、防振部材(マウント6)は第2ハウジング30とブラケット5の間に介在している。
このようにブラケット5の手前の振動源に近い位置に弾性体を設けたため、振動抑制効果が高い。
(15)(12)に記載のブレーキユニット1において、マスタシリンダ2bが作動する軸方向とポンプの回転軸の軸方向は同じ方向(x軸方向)である。
このように軸方向をそろえることで、ブレーキユニット1の大型化を抑制できる。
(16)(12)に記載のブレーキユニット1において、ポンプユニット3はマスタシリンダユニット2が車両に取付けられた時にマスタシリンダユニット2の下面となる第1ハウジング20の面205に対向するよう一体的に固定されている。
よって、上方からのブレーキユニット1の投影面積を低減できる。
(17)(12)に記載のブレーキユニット1において、マスタシリンダユニット2の第1ハウジング20にはブレーキ液の流路を切換えるための電磁バルブ2dが取付けられたバルブ取付け面201を備え、ポンプユニット3は第1ハウジング20のバルブ取付け面201以外の面205に対向して一体的に固定されている。
よって、レイアウト性を向上できる。
(18)ブレーキユニット1は、第1ハウジング20内にマスタシリンダ2bを備えたマスタシリンダユニット2と、第1ハウジング20の所定の面201に取付けられブレーキ液の流路を切換えるための電磁バルブ2dと、ホイルシリンダ圧を増圧するためのポンプを内蔵した第2ハウジング30を備えたポンプユニット3と、ポンプユニット3からマスタシリンダユニット2への振動の伝達を抑制する防振部材(マウント6)と、を備え、ポンプユニット3は防振部材を介して第1ハウジング20の所定の面201を除いた他面205に面して一体的に固定されている。
よって、ポンプ作動時の車体側への振動の伝播を抑制できる。
(19)(18)に記載のブレーキユニット1において、ポンプユニット3はマスタシリンダユニット2が車両に取付けられた時にマスタシリンダユニット2の下面側になるよう一体的に固定されている。
よって、上方からのブレーキユニット1の投影面積を低減できる。
[実施例2]
実施例2のブレーキユニット1は、ポンプユニット3をマスタシリンダユニット2の横側に設置したものである。まず、構成を説明する。以下、実施例1と共通する構成については同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図14〜図19は、実施例2のブレーキユニット1の全体を、図1〜図6と同様の各方向から示す。第1ハウジング20のx軸負方向側の面201には、電磁バルブ2dだけでなく、接続配管7の一端が取付けられる配管取付け部206が、面201のy軸正方向側への突出部におけるz軸正方向側とz軸負方向側の2箇所に設けられている。すなわち、面202は、バルブ取付け面及び配管取付け面を構成する。第1ハウジング20のy軸正方向側の面202には、ブラケット5が取付けられるブラケット取付け部207が、z軸正方向側であってx軸正方向側の箇所と、z軸方向略中間位置であってx軸負方向側の箇所との、合計2箇所に設けられている。すなわち、面202は、ブラケット取付け面を構成する。第1ハウジング20の凹部21の面210には、ブラケット取付け部207が設けられていない。第2ハウジング30のz軸負方向側の面305には、ブラケット5が取付けられるブラケット取付け部307が、第2ハウジング30の軸を挟んでy軸正方向側とy軸負方向側の2箇所に設けられている。すなわち、面305は、ブラケット取付け面を構成する。第2ハウジング30のy軸負方向側の面303にはブラケット取付け部307が設けられていない。
第1ハウジング20と第2ハウジング30は、ブラケット5によって一体化されている。第1ハウジング20に対して、第2ハウジング30がブラケット5を介して接続されると共に、モータ31がブラケット5を介して接続されている。言い換えると、第1ハウジング20に対して、ポンプユニット3が、第2ハウジング30とモータ31の2点で固定されている。ブラケット5は、1枚の板が略直角に折り曲げられた形状であり、xz平面に対して略平行に広がる部分51と、この部分51のz軸負方向端からy軸正方向側に延び、xy平面に対して略平行に広がる部分52と、この部分52のx軸正方向端からz軸正方向側に延び、yz平面に対して略平行に広がると共に、そのy軸負方向端が部分51のx軸正方向端に固定される部分53とを有している。マウント6aの構成は、マウント6bの構成と同様である。
ブラケット5は(モータ31を含む)ポンプユニット3を囲繞するように設けられている。具体的には、部分51が、第2ハウジング30のy軸負方向側の面303に対向し、第1ハウジング20のブラケット取付け部207にマウントを介さず取付けられる。部分52が、第2ハウジング30のブラケット取付け面305に対向し、ブラケット取付け部307にマウント6a,6bを介して取付けられる。また、部分53が、モータ31のx軸正方向側の面310に対向し、ブラケット取付け部311にマウント6cを介して取付けられる。図15に示すように、y軸方向から見て、部分52,53は、(モータ31を含む)ポンプユニット3のx軸負方向側及びz軸負方向側を取り囲んでいる。このように、第2ハウジング30がxy平面に対して略平行に広がるブラケット5の第1の面(部分52)に対して固定される一方、モータ31はこの第1の面に直交するようにyz平面に対して略平行に広がるブラケット5の部分53(第2の面)に対して固定される。すなわち、ブラケット5は、2つの異なる方向(x軸方向とこれに直交する方向)でポンプユニット3を支持する。
本実施例では、ポンプユニット3はマスタシリンダユニット2の横側に配置される。y軸方向で見ると、ポンプユニット3は、マスタシリンダユニット2が車両に取付けられたときにマスタシリンダユニット2の横方向側面(y軸正方向側)となる第1ハウジング20の面202に対向するよう(すなわちマスタシリンダユニット2の横方向側面側になるよう)、マスタシリンダユニット2に一体的に固定されている。z軸方向で見ると、第1ハウジング20のz軸正方向側の面204と第2ハウジング30のz軸正方向側の面304(の頂点)との間のz軸方向距離は可及的に小さくなるように(本実施例では略ゼロとなるように)配置される。第2ハウジング30のz軸負方向側の面305(の頂点)は、第1ハウジング20のz軸負方向側の面205よりもz軸正方向側に配置される。x軸方向で見ると、モータ31(ケース)のx軸正方向側の面310は、第1ハウジング20のx軸正方向側の面(フランジ部200)よりもx軸負方向側に配置される。第2ハウジング30のx軸負方向側の面301は、第1ハウジング20のx軸負方向側の面201よりもx軸正方向側に配置される。以上の各方向での配置により、図15や図19に示すように、ブレーキユニット1をy軸方向側から見たとき、(モータ31を含む)ポンプユニット3の第2ハウジング30は、マスタシリンダユニット2の第1ハウジング20の輪郭内に収まる。また、第2ハウジング30の面301から突出するポンプカバー32のx軸負方向端は、第1ハウジング20の面201から突出する電磁バルブ2d(ソレノイド部)のx軸負方向端よりもx軸正方向側に配置されており、このポンプカバー32のx軸負方向側を迂回するように配置される接続配管7は、リザーバタンク2cのx軸負方向端よりもx軸正方向側に配置可能である。また、第2ハウジング30のz軸負方向側のブラケット取付け面305にブラケット5を取付けるためのボルト61bの頭部611と、第1ハウジング20のz負方向側の面205との間のz軸方向距離は可及的に小さくなるように(本実施例では略ゼロとなるように)配置される。よって、ブレーキユニット1をy軸方向側から見たとき、ボルト61bの頭部611は第1ハウジング20によって大部分が覆われる。
次に、作用を説明する。図17に示すように、ブレーキユニット1はマスターバックの設置スペースVB内に略収まるように設置可能である。よって、ブレーキユニット1を設置するためのスペースを別途設けることが不要である。第2ハウジング30を第1ハウジング20に接続するブラケットと、モータ31を第1ハウジング20に接続するブラケットとを、ブラケット5として一体化したため、各ユニット2,3を強固に固定できる。ポンプユニット3は、マスタシリンダユニット2が車両に取付けられたときにマスタシリンダユニット2の横方向側面側になるよう(具体的には、横方向側面となる第1ハウジング20の面202に対向するよう)一体的に固定されている。よって、横方向からのブレーキユニット1の投影面積を低減することができる。これにより、横方向から見たときにエンジン室内でブレーキユニット1が占める領域を低減し、エンジン室内の省スペース化を図ることができる。言い換えると、ブレーキユニット1の上下方向寸法を低く抑えることができる。このため、例えば小型車への適用が容易である。なお、横方向に投影したとき部分的に重なる範囲があればよいが、半分以上重なるようにすることが好ましい。本実施例では、ポンプユニット3をマスタシリンダユニット2の真横に配置して両ユニット2,3が横方向で完全に重なるようにし、横方向の投影面積を最小にしたことで、上記効果を高めることができる。その他、実施例1と同様の構成により、実施例1と同様の作用効果を得る。
[実施例3]
実施例3のブレーキユニット1は、ポンプユニット3をマスタシリンダユニット2の凹部21に設置したものである。まず、構成を説明する。以下、実施例1と共通する構成については同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図20〜図25は、実施例3のブレーキユニット1の全体を、図1〜図6と同様の各方向から示す。第2ハウジング30のz軸負方向側の面305には、実施例2と同様のブラケット取付け部307が2箇所に設けられている。第1ハウジング20と第2ハウジング30とモータ31は、実施例2と同様の取付け構造(ブラケット5とマウント6)によって一体化されている。ブラケット5の部分51は、第2ハウジング30のy軸負方向側の面303に対向し、第1ハウジング20の凹部21のブラケット取付け部207にマウントを介さず取付けられる。本実施例では、モータ31を含むポンプユニット3はマスタシリンダユニット2の凹部21に配置される。ポンプユニット3は、マスタシリンダユニット2が車両に取付けられたときに、凹部21の(xz平面に対して略平行に広がる)面210に対向するよう、マスタシリンダユニット2に一体的に固定されている。すなわち、モータ31及びポンプユニット3(のz軸正方向側のほぼ半分)は、z軸方向で凹部21と重なる。また、ポンプユニット3は、凹部21の(xy平面に対して略平行に広がる)面211に対向するよう、マスタシリンダユニット2に一体的に固定されている。すなわち、モータ31及びポンプユニット3(のy軸負方向側の一部)は、y軸方向で凹部21と重なる
次に、作用を説明する。ポンプユニット3をマスタシリンダユニット2の凹部21に入り込むように配置したことで、ポンプユニット3(ポンプ)の軸とマスタシリンダユニット2(マスタシリンダ2b)の軸との間の距離を可及的に小さくできる。よって、図23に示すように、(マスタシリンダ2bの軸と略同軸上に設けられる)従来のマスターバックの設置スペースVB内にブレーキユニット1を収めることが容易である。言い換えると、マスタシリンダユニット2の第1ハウジング20内におけるマスタシリンダ2bや電磁バルブ2dの配置を本実施例のように(例えばマスタシリンダ2bと電磁バルブ2dの軸方向が略平行になるように)設けることで第1ハウジング20を可及的に小型化する。その結果として生じる凹部21を利用してポンプユニット3を設置することで、ブレーキユニット1全体の軸直方向寸法を抑制することができる。言い換えると、両ユニットが上下方向にも横方向にもある程度重なるようにすることで、ブレーキユニット1の両方向の寸法をある程度抑制することができる。よって、上記のようにブレーキユニット1の車両搭載性を向上することができる。その他、実施例1と同様の構成により、実施例1と同様の作用効果を得る。
[実施例4]
実施例4のブレーキユニット1は、ポンプユニット3とマスタシリンダユニット2のハウジングを一体化したものである。まず、構成を説明する。以下、実施例1と共通する構成については同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図26〜図31は、実施例3のブレーキユニット1の全体を、図1〜図6と同様の各方向から示す。マスタシリンダユニット2とポンプユニット3は一体化されており、同一のハウジング20内にマスタシリンダ2b及びポンプが内蔵されている。よって、実施例1のようなユニット2,3やモータ31の取付け構造(ブラケット5とマウント6)、及び接続配管7は存在しない。ハウジング20は略直方体であり、実施例1の第1ハウジング20のような凹部21を有していない。複数の電磁バルブ2dは、ハウジング20のy軸正方向側の面202のz軸正方向側においてx軸方向に1列に並んで配置される。すなわち、面202は、バルブ取付け面を構成する。モータ31はハウジング20のx軸負方向側の面201のz軸負方向側に固定されている。すなわち、面201は、モータ取付け面を構成する。モータ31の回転軸が延びる方向はx軸方向であり、マスタシリンダユニット2が車両に取付けられるユニット取付け面(フロアパネル8)に向かう方向である。また、ポンプの回転軸の軸(線)方向はスタッド軸4の方向(x軸方向)に沿って延びている。モータ31のx軸負方向端は、リザーバタンク2cのx軸負方向端よりもx軸正方向側に配置される。よって、ブレーキユニット1をz軸正方向側から見たとき、モータ31は、リザーバタンク2cによって大部分が覆われる。
次に、作用を説明する。マスタシリンダユニット2のハウジングとポンプユニット3のハウジングを一体化したことで、ブレーキユニット1全体をより小型化して車両搭載性を向上することができる。ブラケット5や接続配管7が不要となるため、構成を簡素化して取付け作業性を向上しつつフェールセーフ性を向上できる。モータ31をハウジング20の軸方向端面に設置したため、ブレーキユニット1の軸直方向寸法(横方向寸法及び上下方向寸法)を抑制し、車両搭載性を向上することができる。上方から見たとき、ハウジング20の上面204からブレーキユニット1の軸方向(x軸負方向)に突出するリザーバタンク2cの部分に隠されるようにモータ31を配置したため、ブレーキユニット1の軸方向(x軸方向)寸法の増大を抑制することができる。モータ31の回転軸がスタッド軸4の方向(x軸方向)、すなわちユニット取付け面(フロアパネル8)に向かう方向に設けられているため、実施例1と同様、モータ31の振動が車体側に伝播することを抑制することができる。その他、実施例1と同様の構成により、実施例1と同様の作用効果を得る。
[効果]
(20)ブレーキユニット1は、スタッド軸4によって車体のフロアパネル8に固定され内部にブレーキペダルに連動するマスタシリンダ2b及びモータ31によって回転軸が回転駆動されホイルシリンダ圧を増圧するためのポンプを内蔵したハウジング20を備え、前記回転軸の軸線方向はスタッド軸4の方向(x軸方向)に沿って延びている。
よって、ハウジングを一体化したブレーキユニット1においてフロアパネル8への振動伝播を抑制できる。
[他の実施例]
以上、本発明を実現するための形態を、実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。例えば、実施例のブレーキユニット1は、マスターバックを備えない車両や回生制動力を発生可能な車両に好適であるが、これら以外の車両にも適用可能である。実施例に示すブラケット5の形状や各ユニット2,3のブラケット取付け部207,307,311の位置は一例であり、他の形状や位置を採用可能である。また、接続配管7の形状や配管取付け部206,306の位置も一例であり、他の形状や位置を採用可能である。
1 ブレーキユニット
2 マスタシリンダユニット
2b マスタシリンダ
20 第1ハウジング
3 ポンプユニット
30 第2ハウジング
31 モータ
4 スタッド軸
5 ブラケット
6 マウント(弾性体)
8 フロアパネル(取付け面)

Claims (4)

  1. ブレーキ操作に応じた液圧を発生するマスタシリンダを有し、車体に固定されるマスタシリンダユニットと、
    前記マスタシリンダの作動軸方向に沿う方向に回転軸が配置されたモータ及び前記モータによって駆動されるポンプを有し、前記マスタシリンダユニットにブレーキ配管を介して接続されるとともに、弾性体を介してブラケットに取り付けられ、前記ブラケットによって固定されるポンプユニットと、
    を備えたことを特徴とするブレーキユニット。
  2. ブレーキ操作に応じた液圧を発生するマスタシリンダを有し、車体に固定されるマスタシリンダユニットと、
    前記マスタシリンダユニットが前記車体に取り付けられる取り付け面に向かう方向に回転軸が配置されたモータ及び前記モータによって駆動されるポンプを有し、前記マスタシリンダユニットにブレーキ配管を介して接続されるとともに、弾性体を介してブラケットに取り付けられ、前記ブラケットによって固定されるポンプユニットと、
    を備えたことを特徴とするブレーキユニット。
  3. ブレーキ操作に応じた液圧を発生するマスタシリンダを有し、車体に固定されるマスタシリンダユニットと、
    前記マスタシリンダの作動軸方向に沿う方向に回転軸が配置されたモータ及び前記モータによって駆動されるポンプを有し、弾性体を介してブラケットに取り付けられ、前記ブラケットを介して前記マスタシリンダユニットに接続されるポンプユニットと、
    を備えたことを特徴とするブレーキユニット。
  4. ブレーキ操作に応じた液圧を発生するマスタシリンダを有し、車体に固定されるマスタシリンダユニットと、
    前記マスタシリンダユニットが前記車体に取り付けられる取り付け面に向かう方向に回転軸が配置されたモータ及び前記モータによって駆動されるポンプを有し、弾性体を介してブラケットに取り付けられ、前記ブラケットを介して前記マスタシリンダユニットに接続されるポンプユニットと、
    を備えたことを特徴とするブレーキユニット。
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