JP2016195651A - マイクロニードルシート - Google Patents

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Shinya Yamada
真也 山田
宏之 永井
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Abstract

【課題】マイクロニードルシートの表面積を大きくすることで溶解速度を上げ、マイクロニードルシートの貼り付け時間を短縮し、使用者のストレスを低減できるようにすることを目的とする。【解決手段】本発明のマイクロニードルシートは、シート状基材上に微小針が形成されたマイクロニードルシートであって、微小針および/またはシート状基材の表面には、同心円状の溝または畝が複数形成されているように構成した。【選択図】図8

Description

本発明は、皮膚内へ目的物質を投与するマイクロニードルシートに関し、特にマイクロニードルシートを構成する微小針および/またはシート状基材の表面に同心円状の溝または畝が形成されたマイクロニードルシートに関する。
マイクロニードルシートは、シート状基材上に複数の微小針が配列されたものである。微小針は皮膚に刺しても痛みをほとんど感じない形状である。マイクロニードルシートを皮膚に貼ることで微小針が皮膚に刺さり、広範な薬剤などの投与が可能となる。
人体内で微小針が溶解する溶解性マイクロニードルシートは、投与する目的物質と、たとえば、デキストラン、ヒアルロン酸などの皮膚内の水分や皮膚から放散される水分によって溶解する水溶性の材料から構成される。このようなマイクロニードルシートを皮膚に刺すと、皮膚から吸収した水分によって目的物質を含む微小針が膨潤して溶解し、皮膚内へ目的物質が届けられる(たとえば、特許文献1参照)。
特開2009−138010号公報
しかし、特許文献1に開示されているマイクロニードルシートは、目的物質を含む微小針を皮膚に刺した時に、微小針の外面が皮膚内の組織と接触している面積に限りがあった。したがって、微小針が溶解して目的物質が皮膚内へ拡散されるまでには時間がかかるため、長時間マイクロニードルシートを皮膚に貼り付けておく必要があり、使用者にストレスを与えていた。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、マイクロニードルシートの表面積を大きくすることで溶解速度を上げ、マイクロニードルシートの貼り付け時間を短縮し、使用者のストレスを低減できるようにすることを目的とする。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これらの態様は、必要に応じて任意に組み合わせることができる。
本発明のマイクロニードルシートは、シート状基材上に微小針が形成されたマイクロニードルシートであって、微小針の表面には、微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝が複数形成されていることを特徴とするものである。
本発明のマイクロニードルシートは、シート状基材と微小針とを有するマイクロニードルシートであって、シート状基材の表面には、微小針を中心とする同心円状の溝または畝が複数形成されていることを特徴とするものである。
本発明のマイクロニードルシートは、シート状基材と微小針とを有するマイクロニードルシートであって、微小針の表面には、微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝が複数形成され、シート状基材の表面には、微小針を中心とする同心円状の溝または畝が複数形成されていることを特徴とするものである。
好ましい態様においては、溝または畝の幅は5〜10μmであり、溝の深さまたは畝の高さは0.01〜1μmである。
好ましい態様においては、溝または畝は隣接しているものである。
本発明によれば、微小針および/またはシート状基材の表面積が増えるため、微小針および/またはシート状基材の溶解速度を上げることができる。すなわち、皮膚内へ目的物質を投与する速度を上げることができる。したがって、マイクロニードルシートの貼り付け時間を短縮し、使用者のストレスを低減することができる。
本発明の一実施形態に係るマイクロニードルシートを示す斜視図である。 微小針の表面に形成された溝または畝を示す斜視図である。 微小針およびシート状基材を拡大した模式的な側面図である。 本発明の他の実施形態に係るマイクロニードルシートを示す斜視図である。 シート状基材の表面に形成された溝または畝を示す斜視図である。 微小針の水平断面の形状と,シート状基材の溝または畝の形状を示す模式的な断面図である。 本発明のマイクロニードルシートの製造方法の例を示す模式的な断面図である。 本発明の他の実施形態に係るマイクロニードルシートを示す斜視図である。
本発明のマイクロニードルシートは、シート状基材上に微小針が形成されたマイクロニードルシートであって、微小針の表面には、微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝が複数形成されているものである。以下、本発明のマイクロニードルシートについて実施形態の一例を説明する。
<第一実施形態>
まず、本発明のマイクロニードルシートに係る第一実施形態について、図を用いて説明する。第一実施形態におけるマイクロニードルシート10は、シート状基材12と複数の微小針11とから構成され、微小針11の表面には微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝が複数形成されている(図1参照)。
微小針11は、たとえば円錐形または角錐形であってよく、別の形状でもよい。大きさは、たとえば、高さが10μmから1mmで、底面の最大幅が10μmから1mmで、アスペクト比が0.5から4の範囲で設定する。
(微小針の原材料)
微小針11の原材料は人体に無害な高分子物質であり、たとえば、人体に無害な樹脂、人体に無害な多糖類および人体に無害なタンパク質ならびにそれらに由来する生物活性物質を含む。
微小針11の原材料としての人体に無害な高分子物質は、生体内溶解性および生体内分解性のうちの少なくとも一方の性質を有することが好ましい。ここで、生体内溶解性とは生体内で溶解する性質であり、生体内分解性とは生体内で分解する性質である。両性質のうちの少なくとも一方を有する高分子物質で微小針11を形成することにより、皮膚内に侵入した微小針11は、生体内で溶解および分解のうちの少なくとも一方の作用を受けて時間の経過とともに徐々に変化するため、固体のままで皮膚内に長期間残留することがない。
また微小針11を形成する生体内溶解性および/または生体内分解性の高分子物質は水溶性であることが好ましい。水溶性高分子物質であれば皮膚内の水分で微小針11が溶解するため、微小針11を用いて目的物質を皮膚内にスムーズに導入しやすくなる。
水溶性かつ生体内溶解性および生体内分解性のうちの少なくとも一方の性質を有する人体に無害な多糖類およびそれに由来する人体に無害な化合物としては、たとえば、マルトース、デキストラン、水溶性キトサン、プルラン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムおよびグリコーゲンが挙げられる。水溶性かつ生体内溶解性および生体内分解性のうちの少なくとも一方の性質を有する人体に無害なタンパク質およびそれに由来する人体に無害な化合物としては、たとえば、血清アルブミンおよび血清α酸性糖タンパク質が挙げられる。水溶性かつ生体内溶解性および生体内分解性のうちの少なくとも一方の性質を有する人体に無害な樹脂およびそれに由来する人体に無害な化合物としてはたとえば、水溶性の人体に無害な生分解性ポリマーおよびそれに由来する化合物が挙げられる。水溶性の人体に無害な生分解性ポリマーおよびそれに由来する人体に無害な化合物としては、たとえば、カルボキシビニルポリマーおよび、水溶性で生体適合可能なポリマーであるポリエチレングリコール(PEG)と乳酸・グリコール酸−共重合体(PLGA)、ポリカプロラクトン(PCL)またはポリ乳酸(PLA)とをブロック共重合させた水溶性と生分解性とを有するブロックポリマーが挙げられる。
また、非水溶性かつ生体内溶解性および生体内分解性のうちの少なくとも一方の性質を有する人体に無害な樹脂およびそれに由来する人体に無害な化合物としては、たとえば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびポリジオキサノンが挙げられる。
なお、微小針は上記の少なくとも1つの原材料から形成するとよい。また、少なくとも2つの異なる原材料を層状に形成してもよく、少なくとも2つの異なる原材料を混合して形成してもよい。また、それぞれの微小針を互いに異なる1つの原材料を用いて形成し、シート状基材上の複数の微小針に用いられる原材料は少なくとも2つであってもよい。
上記の原材料は目的物質としても使用でき、微小針11は目的物質のみから形成してもよい。たとえば、ヒアルロン酸ナトリウムのみから微小針11を形成してもよい。
(微小針の溝または畝)
本発明のマイクロニードルシートは、シート状基材上に微小針が形成されたマイクロニードルシートであって、微小針の表面には、微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝が複数形成されているものである。溝または畝は、図2(b)に示すように螺旋ではなく、図2(a)に示すように微小針の周方向に一周し、溝または畝どうしが平行になるように形成する。したがって、微小針の表面の溝または畝は、同心円状に形成する。なお、本発明の「同心円状」には「同心円」と「同心円に似た形状」を含む。したがって、図2(c)に示すように、溝または畝は微小針の底面に対して特定の角度を持たせて形成してもよい。この場合、溝または畝の形状は楕円となる。
溝11aまたは畝11bの幅wは1〜20μmとすることができ、好ましくは5〜10μmであり、溝11aの深さdまたは畝11bの高さhは0.01〜1μmであることが好ましい(図3(a)および図3(d)参照)。微小針が高さ200μmの円錐形であれば、溝または畝の幅wが1〜20μmの場合はおよそ10〜200個、5〜10μmの場合はおよそ20〜40個の溝または畝が形成される。溝または畝によって微小針の表面積が増え、皮膚に含まれる水分が多く吸収できるため、微小針の溶解速度が上がる。したがって、皮膚内へ目的物質を投与する速度を大きくすることができる。
溝を形成する場合は、図3(c)のように溝と溝との間に平坦部11dを有するように形成してもよいが、溝を隣接して形成することが好ましい(図3(a)参照)。このようにすると、微小針の外面が皮膚内の組織と接触する面積が減少するため、微小針を皮膚内に挿入する際、微小針の外面と皮膚内の組織との間で生じる摩擦力を低減することができる。したがって、使用者が感じる痛みを低減することができる。
溝または畝の幅wと、溝の深さdまたは畝の高さhは微小針どうしで揃っていることが好ましい。このようにすると、微小針の溶解速度が微小針によってばらつくことを抑えることができる。
(シート状基材)
シート状基材12は微小針を保持するものであり、微小針を保持できるものであれば、形状および構造は特に限定されない。シート状基材12の厚みはマイクロニードルシート10の使用用途に応じて適宜決定すればよく、マイクロニードルシートとして機能できるような厚さに設定すればよい。
シート状基材12の原材料は、微小針を保持でき、微小針が皮膚へ刺さることを可能にするものであれば特に限定されるものではなく、微小針11に用いられる上述の原材料と同じであってもよく、異なる原材料であってもよい。
(マイクロニードルシートの製造方法)
次に、第一実施形態におけるマイクロニードルシートの製造方法について説明するが、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、これらの製造方法に限定されるものではない。
(製造方法の概要)
同心円状の溝が形成された微小針11を有するマイクロニードルシート10の場合、まず、微小針11と同形状の凸部を有する原版をフライス加工などによって削り出し、次に原版の形状を反転した反転版を作製する。反転版に微小針の原料を流し込み、シート状基材と一体化し、乾燥させて反転版から剥離する。
同心円状の畝が形成された微小針を有するマイクロニードルシートの場合は、まず、フライス加工などによって微小針と同形状の凹部を有する原版を作製する。原版に微小針の原料を流し込み、シート状基材と一体化し、乾燥させて原版から剥離する。
(原版の作製)
微小針と同形状の凸部を有する原版および微小針と同形状の凹部を有する原版は、たとえばエンドミルで金属材料をフライス加工して作製する。加工にはNC加工機などを使用するとよい。微小針11部を加工する際は、エンドミル先端の曲率半径、エンドミルの送り量および切込み量を適切に設定することで、溝の幅wと深さdまたは畝の幅wと高さhを上述した範囲内に収めることができる。この時、微小針11の外周面を1周加工した後に送り量の分だけエンドミルが移動し、異なる高さの外周面を加工することになるため、螺旋状ではなく、微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝を形成することができる。
微小針と同形状の凸部を有する原版の場合、シート状基材12部に相当する部分には、エンドミルで微小針部を加工した際の切削痕が残っているため、シート状基材部に相当する部分に仕上げ加工を施すことで同心円状の溝が形成されていないシート状基材12部を加工することができる。
(反転版の作製)
フライス加工などによって削り出した微小針と同形状の凸部を有する原版の形状を反転した反転版の作製方法は、原版の微小針部における溝が正確に再現されれば、特に限定されるものではない。たとえば、原版に電鋳加工を施して原版の形状を反転する方法、原版を樹脂などの基材に押し当てて形状を反転する方法、原版に反転版の原料を塗布して硬化させた後に剥離する方法などが挙げられる。
反転版の材質は、たとえばポリプロピレン、ポリエチレンなどの人体に影響を与えないプラスチックを主として用いることが好ましい。
(マイクロニードルシートの形成)
反転版または微小針と同形状の凹部を有する原版に微小針11の原材料を流し込み、シート状基材12と一体化させて乾燥し、反転版または微小針と同形状の凹部を有する原版から剥離することでマイクロニードルシート10を完成することができる。
なお、反転版または微小針と同形状の凹部を有する原版を金属で作製した場合は、それを金型として用いて、射出成形法によって微小針11とシート状基材12を一体成形することもできる。たとえば、同心円状の溝が形成された微小針を有するマイクロニードルシートを作製する場合は、微小針と同形状の凹部を有する反転版を射出成形機の可動側に設置し、固定側にはシート状基材部に相当する箇所が平坦な金型を用意して設置し、射出成形によりマイクロニードルシートを成形することができる。また、同心円状の畝が形成された微小針を有するマイクロニードルシートを作製する場合は、微小針と同形状の凹部を有する原版を射出成形機の可動側に設置し、固定側には、シート状基材部に相当する箇所が平坦な金型を用意して設置し、射出成形によりマイクロニードルシートを成形することができる。
<第二実施形態>
次に、第二実施形態について説明する。本発明の第二実施形態に係るマイクロニードルシートは、シート状基材と微小針とを有するマイクロニードルシートであって、シート状基材の表面には、微小針を中心とする同心円状の溝または畝が複数形成されているものである。したがって、第二実施形態では、微小針11ではなくシート状基材12の表面に同心円状の溝または畝が形成されている点で第一実施形態とは異なる。
(シート状基材の溝または畝)
シート状基材12の溝または畝は、シート状基材12の表面全体に形成されることが好ましい(図4参照)。また、溝または畝は平坦部11cを挟んで形成してもよいが、畝どうしが隣接するように形成することが好ましい(図3(b)および図3(e)参照)。このようにすると、シート状基材12の表面積が増える。したがって、たとえばシート状基材を上述の微小針と同じ原材料で形成し、マイクロニードルシート10を皮膚に貼り付けると、シート状基材が皮膚から放散される水分をより多く吸収して溶解することで、目的物質を皮膚内へ投与する速度を大きくすることができる。
シート状基材上に形成される溝または畝は、直線と曲線が組み合わせられた形状であってよい(図5参照)。また、溝または畝は微小針の水平断面の形状と同じ形状でもよく、異なる形状であってもよい。たとえば、微小針の水平断面が円形で、溝または畝が三角形に形成されてもよい(図6参照)。
(製造方法の概要)
同心円状の溝が形成されたシート状基材12を有するマイクロニードルシート10を製造する場合は、まず、微小針11と同形状の凸部とその周囲に同心円状の溝を有する原版をフライス加工などによって削り出し、次に原版の形状を反転した反転版を作製する。反転版に微小針およびシート状基材の原材料を流し込み、乾燥させて反転版から剥離する。
同心円状の畝が形成されたシート状基材12を有するマイクロニードルシート10を製造する場合は、まず、微小針11と同形状の凹部とその周囲に同心円状の溝を有する原版をフライス加工などによって作製する。次に、原版に微小針およびシート状基材の原材料を流し込み、乾燥させて原版から剥離する。
(原版の作製)
微小針と同形状の凸部とその周囲に同心円状の溝を有する原版、および微小針と同形状の凹部とその周囲に同心円状の溝を有する原版は、第一実施形態と同様、たとえばNC加工機などを使用して、エンドミルで金属材料をフライス加工して作成する。
シート状基材12部に相当する部分の加工を行う際は、エンドミル先端の曲率半径、エンドミルの送り量および切込みを適切に設定することで溝または畝の幅wを1〜20μm、好ましくは5〜10μmにし、溝の深さdまたは畝の高さhを0.01〜1μmにすることができる(図3(b)および図3(e)参照)。微小針11部には、エンドミルで加工した際の切削痕が残っているため、微小針部分に仕上げ加工を施すことで、同心円状の溝または畝が形成されていない微小針11部を加工することができる。
なお、微小針11部を形成せずに、シート状基材12部のみの原版を、たとえばエンドミルで加工して作製してもよい。反転版は、第一実施形態と同様の方法で作製することができる。
(マイクロニードルシートの作製)
微小針と同形状の凸部とその周囲に同心円状の溝を有する原版の形状を反転した反転版、または微小針と同形状の凹部とその周囲に同心円状の溝を有する原版を作製した場合は、第一実施形態と同様の方法でマイクロニードルシートを作製することができる。シート状基材12部のみの反転版または原版を作製した場合は、反転版または原版にシート状基材12の原材料を流し込んだ後に乾燥させ、剥離することで溝が形成されたシート状基材12が完成する。次いで、シート状基材12の上に微小針の原材料110を滴下し、プレート20などを用いて原材料を徐々に引き上げることで、溝または畝のない微小針11が形成される(図7参照)。
反転版または原版を金属で作製した場合は、それを金型として用いて射出成形法によってマイクロニードルシートを成形することができる。たとえば、微小針と同形状の凹部とその周囲に同心円状の溝を有する原版を射出成形機の可動側に設置し、固定側にはシート状基材部に相当する箇所が平坦な金型を用意して設置し、射出成形により同心円状の溝または畝がシート状基材にマイクロニードルシートを成形することができる。
また、シート状基材のみの反転版または原版を作製した場合は、反転版または原版を射出成形機の固定側に設置し、可動側には微小針部と同形状の凹部を有する金型を用意して設置し、射出成形により同心円状の溝または畝がシート状基材に形成されたマイクロニードルシートを成形することができる。
<第三実施形態>
次に、第三実施形態について説明する。本発明の第三実施形態に係るマイクロニードルシートは、シート状基材と微小針とを有するマイクロニードルシートであって、微小針の表面には、微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝が複数形成され、シート状基材の表面には、微小針を中心とする同心円状の溝または畝が複数形成されているものである。したがって第三実施形態は、第一実施形態と第二実施形態とを組み合わせた実施形態となる(図8参照)。製造方法についても、第一実施形態と第二実施形態とを組み合わせた方法となる。
微小針に溝を形成する場合は、溝を隣接して形成することが好ましい(図3(a)参照)。このようにすると、微小針の外面が皮膚内の組織と接触する面積が減少するため、微小針を皮膚内に挿入する際、微小針と皮膚内の組織との間で生じる摩擦力を低減することができる。したがって、使用者の痛みを低減することができる。また、溝または畝の幅wと、溝の深さdまたは畝の高さhは微小針どうしで揃っていることが好ましい。このようにすると、微小針の溶解速度が微小針によってばらつくことを抑えることができる。
シート状基材12の溝または畝は、シート状基材12の表面全体に形成されることが好ましい(図8参照)。このようにすると、シート状基材12の表面積が増え、たとえばシート状基材を微小針と同じ原材料で形成した場合は、シート状基材が皮膚から放散される水分をより多く吸収して溶解することで、シート状基材に含まれる目的物質を皮膚内へ投与する速度を大きくすることができる。なお、畝は平坦部11cを挟んで形成してもよいが、畝どうしが隣接するように形成することが好ましい(図3(d)および図3(e)参照)。平坦部を挟んで形成した場合には、マイクロニードルシートを皮膚に貼った際、畝が皮膚に間欠的に接触し、線のように接触させることになるため使用者に不快感を与えてしまう。それに対し、畝を隣接するように形成した場合は、畝が皮膚に連続的に接触することができ、面のように接触させることができる。したがって、マイクロニードルシートを皮膚に貼った際の使用者の不快感を低減することができる。
第三実施形態では、上記のように微小針11およびシート状基材12のそれぞれの表面積が増える。したがって、マイクロニードルシート10が第一実施形態および第二実施形態のときよりも多くの水分を吸収でき、微小針11およびシート状基材12に含まれる目的物質を皮膚内へ投与する速度を大きくすることができる。
10 :マイクロニードルシート
11 :微小針
110:微小針の原材料
11a:溝
11b:畝
11c:平坦部
12 :シート状基材
20 :プレート

Claims (5)

  1. シート状基材上に微小針が形成されたマイクロニードルシートであって、
    前記微小針の表面には、前記微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝が複数形成されていることを特徴とするマイクロニードルシート。
  2. シート状基材と微小針とを有するマイクロニードルシートであって、
    前記シート状基材の表面には、前記微小針を中心とする同心円状の溝または畝が複数形成されていることを特徴とするマイクロニードルシート。
  3. シート状基材と微小針とを有するマイクロニードルシートであって、
    前記微小針の表面には、前記微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝が複数形成され、
    前記シート状基材の表面には、前記微小針を中心とする同心円状の溝または畝が複数形成されていることを特徴とするマイクロニードルシート。
  4. 前記溝または畝の幅は5〜10μmであり、前記溝の深さまたは前記畝の高さは0.01〜1μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロニードルシート。
  5. 前記溝または畝は隣接しているものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロニードルシート。
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