JP2016195651A - マイクロニードルシート - Google Patents
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まず、本発明のマイクロニードルシートに係る第一実施形態について、図を用いて説明する。第一実施形態におけるマイクロニードルシート10は、シート状基材12と複数の微小針11とから構成され、微小針11の表面には微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝が複数形成されている(図1参照)。
微小針11の原材料は人体に無害な高分子物質であり、たとえば、人体に無害な樹脂、人体に無害な多糖類および人体に無害なタンパク質ならびにそれらに由来する生物活性物質を含む。
本発明のマイクロニードルシートは、シート状基材上に微小針が形成されたマイクロニードルシートであって、微小針の表面には、微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝が複数形成されているものである。溝または畝は、図2(b)に示すように螺旋ではなく、図2(a)に示すように微小針の周方向に一周し、溝または畝どうしが平行になるように形成する。したがって、微小針の表面の溝または畝は、同心円状に形成する。なお、本発明の「同心円状」には「同心円」と「同心円に似た形状」を含む。したがって、図2(c)に示すように、溝または畝は微小針の底面に対して特定の角度を持たせて形成してもよい。この場合、溝または畝の形状は楕円となる。
シート状基材12は微小針を保持するものであり、微小針を保持できるものであれば、形状および構造は特に限定されない。シート状基材12の厚みはマイクロニードルシート10の使用用途に応じて適宜決定すればよく、マイクロニードルシートとして機能できるような厚さに設定すればよい。
次に、第一実施形態におけるマイクロニードルシートの製造方法について説明するが、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、これらの製造方法に限定されるものではない。
同心円状の溝が形成された微小針11を有するマイクロニードルシート10の場合、まず、微小針11と同形状の凸部を有する原版をフライス加工などによって削り出し、次に原版の形状を反転した反転版を作製する。反転版に微小針の原料を流し込み、シート状基材と一体化し、乾燥させて反転版から剥離する。
同心円状の畝が形成された微小針を有するマイクロニードルシートの場合は、まず、フライス加工などによって微小針と同形状の凹部を有する原版を作製する。原版に微小針の原料を流し込み、シート状基材と一体化し、乾燥させて原版から剥離する。
微小針と同形状の凸部を有する原版および微小針と同形状の凹部を有する原版は、たとえばエンドミルで金属材料をフライス加工して作製する。加工にはNC加工機などを使用するとよい。微小針11部を加工する際は、エンドミル先端の曲率半径、エンドミルの送り量および切込み量を適切に設定することで、溝の幅wと深さdまたは畝の幅wと高さhを上述した範囲内に収めることができる。この時、微小針11の外周面を1周加工した後に送り量の分だけエンドミルが移動し、異なる高さの外周面を加工することになるため、螺旋状ではなく、微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝を形成することができる。
フライス加工などによって削り出した微小針と同形状の凸部を有する原版の形状を反転した反転版の作製方法は、原版の微小針部における溝が正確に再現されれば、特に限定されるものではない。たとえば、原版に電鋳加工を施して原版の形状を反転する方法、原版を樹脂などの基材に押し当てて形状を反転する方法、原版に反転版の原料を塗布して硬化させた後に剥離する方法などが挙げられる。
反転版または微小針と同形状の凹部を有する原版に微小針11の原材料を流し込み、シート状基材12と一体化させて乾燥し、反転版または微小針と同形状の凹部を有する原版から剥離することでマイクロニードルシート10を完成することができる。
次に、第二実施形態について説明する。本発明の第二実施形態に係るマイクロニードルシートは、シート状基材と微小針とを有するマイクロニードルシートであって、シート状基材の表面には、微小針を中心とする同心円状の溝または畝が複数形成されているものである。したがって、第二実施形態では、微小針11ではなくシート状基材12の表面に同心円状の溝または畝が形成されている点で第一実施形態とは異なる。
シート状基材12の溝または畝は、シート状基材12の表面全体に形成されることが好ましい(図4参照)。また、溝または畝は平坦部11cを挟んで形成してもよいが、畝どうしが隣接するように形成することが好ましい(図3(b)および図3(e)参照)。このようにすると、シート状基材12の表面積が増える。したがって、たとえばシート状基材を上述の微小針と同じ原材料で形成し、マイクロニードルシート10を皮膚に貼り付けると、シート状基材が皮膚から放散される水分をより多く吸収して溶解することで、目的物質を皮膚内へ投与する速度を大きくすることができる。
同心円状の溝が形成されたシート状基材12を有するマイクロニードルシート10を製造する場合は、まず、微小針11と同形状の凸部とその周囲に同心円状の溝を有する原版をフライス加工などによって削り出し、次に原版の形状を反転した反転版を作製する。反転版に微小針およびシート状基材の原材料を流し込み、乾燥させて反転版から剥離する。
微小針と同形状の凸部とその周囲に同心円状の溝を有する原版、および微小針と同形状の凹部とその周囲に同心円状の溝を有する原版は、第一実施形態と同様、たとえばNC加工機などを使用して、エンドミルで金属材料をフライス加工して作成する。
微小針と同形状の凸部とその周囲に同心円状の溝を有する原版の形状を反転した反転版、または微小針と同形状の凹部とその周囲に同心円状の溝を有する原版を作製した場合は、第一実施形態と同様の方法でマイクロニードルシートを作製することができる。シート状基材12部のみの反転版または原版を作製した場合は、反転版または原版にシート状基材12の原材料を流し込んだ後に乾燥させ、剥離することで溝が形成されたシート状基材12が完成する。次いで、シート状基材12の上に微小針の原材料110を滴下し、プレート20などを用いて原材料を徐々に引き上げることで、溝または畝のない微小針11が形成される(図7参照)。
次に、第三実施形態について説明する。本発明の第三実施形態に係るマイクロニードルシートは、シート状基材と微小針とを有するマイクロニードルシートであって、微小針の表面には、微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝が複数形成され、シート状基材の表面には、微小針を中心とする同心円状の溝または畝が複数形成されているものである。したがって第三実施形態は、第一実施形態と第二実施形態とを組み合わせた実施形態となる(図8参照)。製造方法についても、第一実施形態と第二実施形態とを組み合わせた方法となる。
11 :微小針
110:微小針の原材料
11a:溝
11b:畝
11c:平坦部
12 :シート状基材
20 :プレート
Claims (5)
- シート状基材上に微小針が形成されたマイクロニードルシートであって、
前記微小針の表面には、前記微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝が複数形成されていることを特徴とするマイクロニードルシート。 - シート状基材と微小針とを有するマイクロニードルシートであって、
前記シート状基材の表面には、前記微小針を中心とする同心円状の溝または畝が複数形成されていることを特徴とするマイクロニードルシート。 - シート状基材と微小針とを有するマイクロニードルシートであって、
前記微小針の表面には、前記微小針の周方向に沿って伸びる同心円状の溝または畝が複数形成され、
前記シート状基材の表面には、前記微小針を中心とする同心円状の溝または畝が複数形成されていることを特徴とするマイクロニードルシート。 - 前記溝または畝の幅は5〜10μmであり、前記溝の深さまたは前記畝の高さは0.01〜1μmである請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロニードルシート。
- 前記溝または畝は隣接しているものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロニードルシート。
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JP2015076264A JP2016195651A (ja) | 2015-04-02 | 2015-04-02 | マイクロニードルシート |
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-
2015
- 2015-04-02 JP JP2015076264A patent/JP2016195651A/ja active Pending
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