JP2016195539A - 振動型モータ及びそれを有するレンズ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 超音波モータにおいて、振動子の加圧力調節機構を用いなくても安定した被駆動体への加圧を実現すること。
【解決手段】 振動子と、被駆動体と、前記振動子を前記被駆動体に摩擦接触状態で加圧する加圧手段とを備え、前記振動子に発生させる楕円振動で前記被駆動体を駆動する超音波モータにおいて、前記加圧手段は、前記振動子と前記被駆動体の接触面と垂直な方向にのみ移動可能に保持された加圧部材とバネ部材を備え、前記加圧部材を介して前記バネ部材により前記振動子を前記被駆動体に対して加圧する構成とされている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、押圧された振動子に楕円振動を発生させることにより被駆動部を駆動する振動型モータと、その振動型モータを使用したレンズ装置に関する。
従来から、無音動作、低速から高速までの駆動が可能、高トルク出力などの特徴を活かして、例えば、カメラやレンズの駆動源として超音波モータが採用されている。特許文献1に開示された超音波モータは、回転軸を有する円環状の被駆動部と複数の振動子とから構成され、振動子は被駆動部に対し押圧された状態で接触している、所謂加圧接触状態となっており、円環状の被駆動部上に所定の間隔を隔てて配置されている。その加圧接触状態下で当該振動子に超音波振動が励起されると、振動子の被駆動部と接している部分に楕円運動が生じ、被駆動部が被駆動部の回転軸を中心に回転駆動される。当該振動子の被駆動部への加圧接触状態は、振動子の中央付近に設定された振動の節にあたる部分を板バネにより付勢することで得られる。そして、その押圧力の調節は、当該板バネの固定部近傍に設けられたビスと調節ワッシャーによってなされる。
特許第4652784号公報 特開2004−304887号公報
しかしながら、特許文献1に開示された超音波モータにおいては、振動子に付勢される押圧力の調節機構は構成部品が多く複雑であった。さらに、当該調節機能の板バネの形状は、円環内に収まることが可能な直線形状で形成されている。そのため、全長が短く、バネ定数が高くなっている。結果として、板バネに対するわずかな調整で押圧力が大きく変化してしまうため繊細な調整が必要であった。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、振動子に発生する楕円振動により被駆動部を駆動する振動型モータにおいて、当該振動子を当該被駆動部の接触面に加圧接触させる押圧力の調節機構を用いなくとも、良好な押圧力が得られ、それにより振動子と被駆動部間の良好な加圧接触状態が得られる振動型モータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の振動型モータは以下のような構成としている。
振動型モータは、第1の部材と接触する接触面を有し、圧電素子が固定された振動子であって、前記圧電素子によって励振されて振動可能な振動子と、加圧部材と、を有する振動型モータであって、前記加圧部材は、前記接触面に対し垂直な方向に移動可能となるように固定部によってガイドされ、前記加圧部材は、前記第1の部材に対して前記接触面を押圧するように、弾性部材による押圧力を前記振動子に付与することを特徴とする。
本発明によれば、振動子に発生する楕円振動により被駆動部を駆動する振動型モータにおいて、当該振動子を当該被駆動部の接触面に加圧接触させる際に使用される押圧力の調節機構を用いなくとも、良好な押圧力が得られ、それにより振動子と被駆動部間の良好な加圧接触状態が得られる振動型モータを提供することができる。
本発明の実施例1における超音波モータの分解斜視図である。 図1に示される各部材を組込んだ状態の斜視図である。 振動子と小基台の接合状態を示す拡大斜視図である。 (A)及び(B)は、実施例1における各部材を組込んだ状態を示す拡大断面図である。(C)は、(B)のA部の拡大詳細図であり、弾性部材の押圧力の成分ベクトルを示す。 ロータ及びリング基台がそれぞれ傾いた場合を示す拡大断面図である。 本発明の実施例2における超音波モータの分解斜視図である。 図6に示される各部材を組込んだ状態を示す拡大断面図である。
[実施例1]
以下、図を用いて本発明の実施例について説明する。なお、本実施例の振動型モータ(超音波モータ)は、デジタルカメラ用のレンズ鏡筒などの駆動用アクチュエータとしてユニット化した回転駆動型モータを例に説明するが、使用用途はこれに限られたものではない。
図1は、本発明の一実施例である超音波モータの分解斜視図である。なお、図において同一部材は同一記号で図示される。101は被駆動部であるロータで、後述する振動子109が押圧力を伴って加圧接触する接触面101aを備える。102は、接触面101aに押圧を伴う加圧接触状態で接触する振動板であり、103は、振動板102に接着剤などにより圧着されている圧電素子である。そして、振動板102に圧電素子103が圧着された状態で、圧電素子103に電圧を印加することにより超音波振動を発生させ、振動板102に楕円運動を発生させることができる。なお、振動子109は振動板102と圧電素子103により構成される。そして、本実施例では3か所の振動子109でロータ101を回転駆動する。104は、振動子109を保持するための保持部としての小基台である。105は、固定部としてのリング基台であり、小基台104と、後述する加圧部材106及び板バネ107を保持する。106は、リング基台105の貫通穴部105bに嵌合する加圧部材であり、ロータ101の接触面101aに対して概ね垂直な方向にのみ移動可能に保持され、後述する板バネ107からの押圧力により小基台104を介して振動子109をロータ101に加圧接触させる。107は、弾性部材であるところの板バネであり、両端部をビス108にてリング基台105へ固定され、そして板バネの押圧力により振動子と被駆動部を加圧接触させる。そして、この加圧部材106と板バネ107が、本発明の加圧手段となる。
以上のように、上述した各部材が組込まれ、超音波モータとしてユニット化される。
図2は、図1の各部材を組込んだ状態の斜視図である。なお、図2において、振動子109まわりの構成は3か所とも全て同一であり、図の煩雑さを防ぐため、図中の手前側にだけ番号を付している。図に示すようにリング基台105の3か所において、それぞれ2つのビス108で固定された板バネ107により、加圧部材106と小基台104を介して振動子109に押圧力が付勢され、その結果、振動子109とロータ101の接触面101aが加圧接触する。なお、実際のレンズ鏡筒などに組み込まれる際には、ロータ101をフォーカス機構やズーム機構に連結して駆動する。
次に、超音波モータの構成部材の詳細について説明する。図3は、図1及び図2における振動板102と小基台104の接続状態を説明するための拡大斜視図で、ロータ101側から見た図である。図において振動板102の中央の平板部102aには、2か所の突起部102bが形成されている。突起部の上端面、すなわち、ロータ101の接触面101aと当接する面は同一平面上に形成され、接触面との当接状態を良好にするため、製造工程時には研磨などにより均一な面に仕上げられる。
一方、図3に示す平板部102aの裏面側(2か所の突起部102bが形成されている面と反対の面側)には圧電素子103が接着剤などにより圧着されている。なお、平板部102aの裏面と圧電素子103の圧着は、圧着されればその方法は限定されない。この圧電素子103は複数の圧電素子膜を積層して一体化したものである。そして、この積層された圧電素子103に所望の交流電圧を印加することで励振させ、圧電素子103が圧着された振動板102に2つの振動モードを励起する。このとき2つの振動モードの振動位相が所望の位相差となるように設定することで、突起部102bには、図3の矢印で示すような楕円運動が発生する。この楕円運動を図1及び図2に示すような3か所の振動子109で発生させ、ロータ101の接触面101aに伝達することで、ロータ101を回転駆動させることが可能となる。なお、前述の圧電素子の積層構造や振動モードに関する詳細は、特許文献2に記載されている内容と同様であるため、それらの説明は省略する。
次に、振動板102の両端には、小基台104の両側に形成された一段高い上面部104aと接合するための2か所の接合部102cが形成されている。そして、振動板102は小基台104に、この接合部102cにおいて溶接や接着などにより接合されるが、振動板102と小基台104が接合されれば、その方法は限定されない。2か所の接合部102cと平板部102aとの間には2か所の腕部102dが形成され、この腕部102dを介して、振動板102と圧電素子103が小基台104に固定される。この腕部102dは、平板部102aに発生する振動を接合部102cに伝達しにくい構成とするため、図3に示すように平板部102aや接合部102cに対して細い形状となっている。逆に言い換えると、剛体である小基台104が平板部102aに発生する振動を阻害しないような連結の構成を、当該接合部102cによって実現している。また、小基台104の中央付近の平面部104bと、圧電素子103の平面部104bと対向する面(不図示)には所定の隙間203が形成されている。
図4(A)、(B)は、各部材を組込んだ状態を示す拡大断面図で、図2における3か所の振動子109のうち1か所の周囲のみを拡大している。なお、残りの2か所に関しては同様の構成を有するため説明を省略する。
図4(A)は、ロータ101を上側とした図になっており、振動板102の2つの突起部102bにおいて、ロータ101の接触面101aと接触する面である上端面のそれぞれの重心と、当該それぞれの重心を起点とするそれぞれの上端面の法線を含む面を切断面としている。
図4(B)は、図3における振動板102の突起部102bにおいて、接触面101aと接触する全上端面の重心と接触面101aの法線を含み、且つ図4(A)に直交する面を切断面としている。ただし、全上端面とは、2つの上端面の全てを含むものとする。
図4(A)、(B)の201は、振動板102の突起部102bにおいて、接触面101aと接触する全上端面の重心を通過し、当該接触面101aの法線を含む中心線である。
突起部102bの上端面はロータ101の接触面101aと当接し、加圧接触状態にある。また、振動板102は、両端の接合部102cが2か所の上面部104aで小基台104と接合されている。そして、圧電素子103と小基台104の平面部104bの間には所定の隙間203が形成されている。
小基台104の下面側には穴部104cと長穴部104dが設けられ、リング基台105に形成された2か所の軸部105aが嵌合している。小基台104の下側中央には当接部104eが設けられている。この当接部104eは、図4(A)で示されるような円弧形状が、紙面奥行方向(図4(B)においては左右方向)に延在する半円筒形状となっている。そして、この当接部104eには加圧部材106の上端面106aが接している。この上端面106aは平面で形成されているため、当接部104eとの接触は、図4(A)の紙面奥行方向(図4(B)においては左右方向)に長さを有する線接触となっている。なお、本実施例では当接部104eが前述のように円弧形状を有する半円筒形状としたが、当接部104eと加圧部材106の上端面106aが直線の線接触を保てれば、その形状は限定されない。
リング基台105は、図1に示されるような板バネと対向する面に貫通穴部105bを有し、加圧部材106は、当該貫通穴部105bに嵌合して板バネと接触することで、板バネ107と協働することができる。なお、貫通穴部105b及び加圧部材106の中心軸は、中心線201、すなわち接触面101aに対して垂直な軸方向と概ね一致している。そして、図4(A)、(B)の加圧部材106の下側の球面部106bには、板バネ107が変形して、その弾性力により加圧部材106を小基台104方向に付勢した状態で接触している。
板バネ107は、変形量の変化による押圧力のばらつきを低減するため、ある程度バネ定数を小さくする必要がある。従って、板バネは極力厚みを薄くし、長さもできるだけ長い方がよい。本実施例の板バネ107は薄板を用い、長さについては、円環状の超音波モータ内でできるだけ長いバネ長とするため、円弧形状で形成されている。そうすることで、加圧部材106の押圧方向の変位量に多少の変化が生じても押圧力のばらつきを小さく抑えることができる。したがって、従来例のような押圧力に対する押圧力の調節機構が不要となる。以上のような構成で、ロータ101に対して振動子109は、小基台104と加圧部材106を介して板バネ107により押圧されている。
次に、図4(A)、(B)、(C)を参照し、板バネ107による押圧力の伝達構成について説明する。以下の説明において、押圧力ベクトルとは、各図の断面において押圧力の方向及び大きさを含む力のベクトルである。
まず、図4(A)において、小基台104は、当接部104eで加圧部材106と接触している。また小基台104は、2か所の突起部102bでロータ101に接触しており、各接触面の重心は、中心線201からロータの駆動方向において等しい距離にある。一方、板バネ107と加圧部材106の接触に関し、本実施例では板バネが円弧形状で形成されているため、板バネ107の両端の支持部と、押圧力の入力点(板バネ107と加圧部材106の接触点)が一直線上に存在しない。従って、押圧力を発生させる際の板バネの断面は、図4(B)で示されるような、傾きを持つ状態となる。結果として、板バネ107によって加圧部材106に入力される押圧力のベクトルは矢印206aとして図示することができる。加圧部材106と板バネ107の接触点は、中心線201上には存在せず、図4(B)においては中心線201の右側の点205にずれてしまう。
図4(C)に、図4(B)のA部の点205まわりの拡大詳細図を示す。板バネ107が加圧部材106に付与する押圧力はベクトル206aで表され、中心線201に対して傾いている。従って、当該押圧力ベクトル206aは、中心線201と平行な方向の成分ベクトル206bと、中心線201と垂直な方向の成分ベクトル206cに分解することができる。
加圧部材106は、図4(A)、(B)に示されるように、中心線201と概ね平行な方向にのみ自由度を持ってリング基台105に保持されている。すなわち、加圧部材106は、突起部102bとロータ101の接触面101aとが接触する面に対し概ね垂直な方向に移動可能である。一方、当該接触する面に平行な方向への移動が規制されているため、板バネ107が加圧部材106を押圧する押圧力ベクトル206aは、中心線201方向の成分ベクトル206bに対応する力(ベクトル204a)で小基台104に伝達される。
一方、小基台104に伝達された押圧力(ベクトル204a)は、2つの突起部102bによって接触面101aに伝達され、それぞれの突起部102bが接触面を押圧する力は押圧力ベクトル204aの半分の大きさの押圧力(ベクトル204b)となる。従って、2か所の突起部102bにおける押圧力を均等に保つことが可能となる。
なお、突起部102bと接触面101aとの接触は面接触であるため、実際にはその面内で均一に分布した押圧力を呈するが、理解を容易にするため、面内の重心位置に働く力のベクトルとして表現している。また、加圧部材106と小基台104の当接部104eの接触は線接触であるため、実際にはその直線上で均一に分布した押圧力ベクトルとなるが、これも直線上の重心位置に働く力のベクトルとして表現している。以後、面接触や線接触の場合も重心位置における力のベクトルで表現する。
また、加圧部材106にはその側面部において、板バネ107によって、加圧部材106に入力される押圧力ベクトル206aの中心線201と垂直な方向の成分ベクトル206cによる摩擦力が発生する。一方、軸部105aでの嵌合においても摩擦力が発生する。これらの摩擦力は押圧力に対して十分に小さいため無視している。実際、この側面の仕上げをある程度滑らかにすれば、摩擦力の影響は無視できる程度に小さくできる。
本実施例では前述のように、加圧部材106がリング基台105に対して、概して、中心線201方向のみ自由度を有した状態で保持される構成となっている。従って、加圧部材106が小基台104へ与える押圧力ベクトル204aは、中心線201と概ね一致させることができる。このとき、押圧力ベクトル204aの大きさは、板バネによる押圧力ベクトル206aの中心線201と平行な方向の成分ベクトル206bと等しくなる。これは、押圧力ベクトル206aの成分ベクトル206bのみが押圧力ベクトル204aとなるためである。押圧力ベクトル206a中心線201と垂直な方向の成分ベクトル206cは、加圧部材106の側面部における摩擦力に影響する。なお、加圧部材106の側面と貫通穴部105bの内面は、滑らかに仕上げることで、生じる摩擦力は押圧力に比べて十分小さく、加圧部材106のスムーズな進退を阻害することもない。最後に、1か所の突起部102bが接触面101aに与える押圧力ベクトルは204bとなり、その大きさは押圧力ベクトル204aの半分となる。これは、図4(A)に示されるように突起部102bが2か所存在するためである。このように、図4(A)、(B)の断面図を参照することにより、入力される押圧力ベクトル206aの力点は中心線201からずれてしまい、またその方向は中心線201と平行ではないが、押圧力ベクトル204aと204bは良好な押圧を保つことが可能となる。
以上のように本実施例では、小基台104を直接板バネ107で押圧するのではなく、接触面101aに対し垂直な方向、すなわち接触面101aの面ベクトルの方向にのみ概ね自由度を持って保持される加圧部材106を介して押圧する構成とした。これにより、押圧時の板バネ107の変形形状に左右されずに接触面101aに対して垂直な方向へ、押圧方向の変位量に対して板バネによる付勢力の変動が小さい押圧を実現することができる。従って、板バネ107も円弧状とし、円環状の超音波モータ内で設置可能な、できるだけ長い長さを確保することができ、バネ定数を小さくすることができる。その結果、板バネ107の押圧時の変形量を大きくすることができるため、変形量の変化による押圧力のばらつきを小さくすることができ、従来例のような押圧力に対する押圧力の調節機構が不要となる。
ところで、小基台104は当接部104eの直線状の接触部を介して押圧される構成となっている。従って、図4(A)における断面においては、小基台104が傾き可能な構成となっており、仮に製造時の寸法誤差や外乱による部材の傾きが生じても、良好な加圧接触状態を保つことができる。
図5は、図4(A)が示すのと同じ部材の同断面における断面図であり、図4(A)の状態と比較してロータ101とリング基台105に、小基台104の当接部104eを回転中心として相対的な傾きが生じた場合を示している。図5においても、振動板102の突起部102bは、ロータ101の接触面101aに追従し、良好な加圧接触状態を保っている。なお、小基台104とリング基台105は、穴部104c及び長穴部104dと軸部105dで嵌合しているが、嵌合ガタ、すなわち嵌合隙間が設けられているため傾くことができる。よって、仮にロータ101やリング基台105に製造時の寸法誤差で傾きが生じた場合や、駆動時の振動や外乱により傾きが生じた場合でも、2か所の突起部102bにおける接触面101bへの良好な押圧が可能となる。
つまり、図4(A)の断面において、図5に示すような傾きが部材間に生じた場合であっても、図4(A)における小基台104の当接部104eと加圧部材106の接触を一点の点接触とし、傾きに対する接触面間の追従性を保つことで問題の解決を図っている。一方、図4(B)に示す断面では、小基台104の当接部104eと加圧部材106の接触を一直線の線接触とすることで、図4(B)の左右方向へ小基台104と加圧部材が互いに傾かない構成とした。
以上のように、本実施例では、振動板102が両端で接合された小基台104を介してロータ101に押圧することで、圧電素子103により振動板102へ与える振動を阻害されることなく加圧接触に使用できる。また、小基台104への押圧は、接触面101aに対し垂直な方向にのみ自由度を持つように保持された加圧部材106を介して、板バネ107により付勢する構成としたので、板バネ107の変形状態に依存せず、良好な押圧が可能となる。さらに、小基台104に当接部104eを設け押圧する構成としたので、製造時の寸法誤差や外乱による部材の傾きに影響されず、良好な加圧接触状態を保つことが可能となる。
なお、本実施例では、振動子を小基台104により保持し、小基台104を介して押圧する構成としたが、従来例のように振動の節が振動子の中央にある場合は、小基台104を介さず、この中央付近を直接押圧する構成としてもよい。
[実施例2]
実施例2は、実施例1の変形例であり、3か所の加圧部材106に対応した3か所板バネ107を一体化している。これにより、板バネ107やビス108を削減することが可能となり、コストダウンの効果がある。
図6は、本発明の実施例2における超音波モータの分解斜視図である。なお、図において同一部材は同一記号で図示され、実施例1と同一部材についても同一記号で図示される。301は、実施例2におけるリング基台で、小基台104を位置決めする軸部105aと、加圧部材106と嵌合する貫通穴部105bのみを備える。302は、3か所の加圧部材106に当接するワッシャーである。303は、ワッシャー302を押圧するためのウェーブワッシャーである。このウェーブワッシャー303上部には固定部材(不図示)などが設けられ、この固定部材とワッシャー302の間にウェーブワッシャー303を挟み込み、ウェーブワッシャー303の波形形状を所定量だけ押しつぶすことで押圧力を発生させる。
図7は、実施例2における各部材を組込んだ状態を示す拡大断面図である。図において、ウェーブワッシャー303が所定量つぶされ、ワッシャー302を介して、加圧部材106に押圧力が伝わる。なお、以降の押圧力の伝達構成については、実施例1と同様である。
ところで、実施例1では、板バネ107がリング基台105に固定されているため、図4(A)、(B)の中心線201方向におけるリング基台105の絶対位置は、板バネ107の変形量に依存して位置決めされていた。しかしながら、実施例2では、リング基台301は、小基台104及び加圧部材106を保持するためだけの役割であり、ウェーブワッシャーは固定されておらず、よって、中心線201方向の位置決めはされない。従って、実施例2の超音波モータをレンズ鏡筒などに組み込む際には、このリング基台301を鏡筒内の固定筒に対して所望の絶対位置となるように固定し、不用意に動かないようにすればよい。または、構成によっては固定筒と一体化することもできる。
従って、実施例2では3か所の加圧部材106に対して、押圧する弾性部材を1つのウェーブワッシャー303で兼用する構成としたので、板バネやビスを用いないため、コストダウンが可能である。
[実施例3]
フォーカスレンズやズームレンズ等を駆動するための駆動手段として実施例1又は2の超音波モータを有するレンズ装置を構成することによって、本発明の効果を享受することができるレンズ装置を実現することができる。
以上のように、振動子に発生する楕円振動により被駆動部を駆動する超音波モータにおいて、振動子と被駆動部の接触面に対して垂直な方向に移動可能な加圧部材を介し、弾性部材からの押圧力を振動子に伝達させることで、従来技術で使用されていた押圧力の調節機構を用いなくとも、当該接触面で良好な加圧接触状態が得られることが可能である。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
101 ロータ(被駆動部)
101a 接触面
102 振動板
103 圧電素子
104 小基台(保持部)
105 リング基台(固定部)
106 加圧部材
107 板バネ(弾性部材)
109 振動子
301 リング基台
302 ワッシャー
303 ウェーブワッシャー(弾性部材)

Claims (10)

  1. 第1の部材と接触する接触面を有し、圧電素子が固定された振動子であって、前記圧電素子によって励振されて振動可能な振動子と、
    加圧部材と、
    を有する振動型モータであって、
    前記加圧部材は、前記接触面に対し垂直な方向に移動可能となるように固定部によってガイドされ、
    前記加圧部材は、前記第1の部材に対して前記接触面を押圧するように、弾性部材による押圧力を前記振動子に付与することを特徴とする振動型モータ。
  2. 前記固定部は、前記接触面に対し平行な方向への前記加圧部材の移動を規制することを特徴とする、請求項1に記載の振動型モータ。
  3. 前記振動子を保持する第2の部材を更に備え、前記第2の部材は前記固定部に対して傾くことが可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の振動型モータ。
  4. 前記加圧部材は貫通穴部に嵌合して保持され、前記第2の部材は前記固定部に対して搖動可能であることを特徴とする、請求項3に記載の振動型モータ。
  5. 前記加圧部材は、前記弾性部材と点接触する当接部を有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動型モータ。
  6. 前記第2の部材は、前記接触面に対し垂直な方向に対し、かつ前記第1の部材と前記第2の部材との相対駆動方向に対して垂直な方向において前記加圧部材と線接触する当接部を有することを特徴とする、請求項3又は4に記載の振動型モータ。
  7. 前記当接部は半円筒形状の断面を有することを特徴とする、請求項6に記載の振動型モータ。
  8. 前記弾性部材は円弧形状の板バネであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動型モータ。
  9. 前記振動型モータは、前記圧電素子によって励振される前記振動が超音波振動である超音波モータであることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の振動型モータ。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の振動型モータを備えることを特徴とする、レンズ装置。
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