JP2016195289A - コモンモードフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】巻線タイプのコモンモードフィルタにおいて、コモンモードノイズの低減を図る。
【解決手段】コモンモードフィルタ1は、巻芯部11aを有するドラムコア11と、巻芯部11aに巻回された第1及び第2のワイヤW1,W2とを備えている。第1及び第2のワイヤW1,W2による巻線構造は、巻芯部11aの長手方向の一端側に設けられた第1の巻線ブロックBK1と、巻芯部の長手方向の他端側に設けられた第2の巻線ブロックBK2とを含み、第1の巻線ブロックBK1と第2の巻線ブロックBK2は、第1及び第2のワイヤW1,W2の位置関係を含めた巻線構造が実質的に対称である。第1の巻線ブロックBK1内及び第2の巻線ブロックBK2内における第1及び第2のワイヤW1,W2の位置関係はそれぞれ非対称である。第1の巻線ブロックBK1と第2の巻線ブロックBK2との間にはスペースが設けられている。
【選択図】図7

Description

本発明はコモンモードフィルタに関し、特にコモンモードフィルタの巻線構造に関する。
差動伝送方式の伝送路を構成する2本の信号線それぞれに設けられ、互いに磁気結合する2つのインダクタンスによって構成されるコモンモードフィルタが知られている。コモンモードフィルタを差動伝送方式の伝送路に挿入することで、コモンモードのノイズ電流だけを選択的に除去することが可能になる。
コモンモードフィルタの具体的な構造としては、トロイダルコアを用いるものと、ドラムコアを用いるものとが知られている。トロイダルコアを用いる場合、コア内部にギャップがなく、高い実効透磁率を有することから、高いノイズ除去性能を得ることができる一方、自動巻線が困難で手動巻線に頼らざるを得ないため、特性のバラつきが大きくなる。これに対し、ドラムコアを用いる場合、トロイダルコアほどの高いノイズ除去性能を得ることは困難である一方、自動巻線工法を用いることができるので、特性のバラつきを小さくできる。また、自動巻線工法が利用できることから、ドラムコアタイプのコモンモードフィルタは量産に適している。
特許文献1,2には、ドラムコアを用いて構成したコモンモードフィルタの例が開示されている。特許文献1の例では、それぞれインダクタンスを構成する2つのワイヤが、2層構造で巻回されている。一方、特許文献2の例では、それぞれインダクタンスを構成する2つのワイヤが、ペア線として同時に巻回されている。一般に、前者の巻き方はレイヤ巻きと呼ばれ、後者の巻き方はバイファイラ巻きと呼ばれる。また、特許文献3には、ドラムコアへのワイヤの巻回を行うために使用される自動巻線機の例が開示されている。
特許第4789076号公報 特許第3973028号公報 特許第4737268号公報
ところで近年、車載用LANにおけるイーサーネットの採用が進んでいる。車載用イーサーネットに用いられるコモンモードフィルタには、従来にもまして、安定した特性と高いノイズ低減性能が要求される。これに関し、ドラムコアタイプのコモンモードフィルタは、上述したように特性のバラつきを小さくできる点に特長を有している。したがって、ドラムコアタイプのコモンモードフィルタのノイズ低減性能を改善できれば、車載用イーサーネット用として最適なコモンモードフィルタを得ることが可能になる。
高いノイズ低減性能として具体的に求められるのは、コモンモードフィルタに入力されたディファレンシャル信号成分のうち、コモンモードノイズに変換されて出力される割合を示すモード変換特性(Scd)の低減である。そこで、これを解決すべく本発明の発明者が研究を進めた結果、コモンモードフィルタにおけるモード変換特性の低減には、異なるターン間に発生する容量(以下、「異ターン間容量」と称する)のバランスが大きく関わっていることが判明した。また、高いインダクタンス値も要求され、そのためにはコイルのターン数を多くすることが得策である。
したがって、本発明の目的のひとつは、一対のコイルの各々に発生する異ターン間容量のバランスを取ることによってモード変換特性の低減を実現しつつ、高いインダクタンスも実現できるドラムコアタイプのコモンモードフィルタを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるコモンモードフィルタは、長手方向の一端側に位置する第1の巻回エリア及び前記長手方向の他端側に位置する第2の巻回エリアを含む巻芯部と、前記巻芯部に巻回され、複数の第1の巻線パターン及び複数の第2の巻線パターンを含む第1のワイヤと、前記巻芯部に巻回され、複数の第3の巻線パターン及び複数の第4の巻線パターンを含む第2のワイヤとを備え、前記複数の第1及び第3の巻線パターンからなる第1の巻線ブロックは、前記巻芯部の前記第1の巻回エリアに巻回され、前記複数の第2及び第4の巻線パターンからなる第2の巻線ブロックは、前記巻芯部の前記第2の巻回エリアに巻回され、前記第1の巻線ブロックの巻線構造と前記第2の巻線ブロックの巻線構造は、前記第1及び第2の巻回エリアの境界に対して互いに対称形であり、前記第1の巻線ブロック内における前記第1の巻線パターンと前記第3の巻線パターンの前記長手方向の位置は互いに異なり、前記第2の巻線ブロック内における前記第2の巻線パターンと前記第4の巻線パターンの前記長手方向の位置は互いに異なることを特徴とする。
第1及び第2のワイヤによる巻線構造がワイヤの位置関係を含めて左右対称となる場合には、異ターン間容量が第1及び第2のワイヤの両方に対して均一に発生するため、第1及び第2のワイヤのインピーダンスのアンバランスを抑えることができる。したがって、モード変換特性Scdを低減することができ、高品質なコモンモードフィルタを実現することができる。
本発明において、前記巻芯部は、前記第1の巻回エリアと前記第2の巻回エリアとの間に位置するスペースエリアをさらに含むことが好ましい。第1の巻回エリアと第2のエリアとの間にスペースエリアを設ける場合には、2つの巻回エリアの境界を基準にして左右対称な巻線構造を容易に実現でき、異ターン間容量の影響を十分に低減することができる。したがって、Scdを十分に低減することができ、高品質なコモンモードフィルタを実現することができる。
本発明において、前記第1のワイヤは前記巻芯部上の第1層に巻回され、前記第2のワイヤは前記第1層上の第2層に巻回されていることが好ましい。この構成によれば、いわゆるレイヤ巻きの巻線構造においてScdを低減することができ、高品質なコモンモードフィルタを実現することができる。
本発明によるコモンモードフィルタは、前第1乃至第4の巻線パターンのターン数をnターン(nは正の整数)とするとき、前記第1の巻回エリアには、前記第1層にnターンの前記第1の巻線パターンが巻回されるとともに1ターンの前記第3の巻線パターンが巻回され、前記第2層にn−1ターンの前記第3の巻線パターンが巻回され、前記第2の巻回エリアには、前記第1層にnターンの前記第2の巻線パターンが巻回されるとともに1ターンの前記第4の巻線パターンが巻回され、前記第2層にn−1ターンの前記第4の巻線パターンが巻回されていることが好ましい。この構成によれば、第2層の巻き崩れを予め考慮した現実的な巻線構造において左右対称を実現することができる。したがって、Scdの低減を図ることができ、高品質なコモンモードフィルタを実現することができる。
本発明において、前記第1の巻回エリアの前記第1層に巻回された前記第3の巻線パターンの前記1ターンは、前記第1の巻回エリアの前記第1層に巻回された前記複数の第1の巻線パターンのうち前記長手方向における前記一端に最も近いターンに隣接して設けられており、前記第2の巻回エリアの前記第1層に巻回された前記第4の巻線パターンの前記1ターンは、前記第2の巻回エリアの前記第1層に巻回された前記複数の第2の巻線パターンのうち前記長手方向における前記他端に最も近いターンに隣接して設けられていることが好ましい。この構成によれば、巻芯部11aの長手方向の両端部に第2のワイヤの2層目から1層目への落ち込み部分を設けることができる。したがって、Scdの低減を図ることができ、高品質なコモンモードフィルタを実現することができる。
本発明において、前記第1の巻回エリアの前記第1層に巻回された前記第3の巻線パターンの前記1ターンは、前記第1の巻回エリアの前記第1層に巻回された前記複数の第1の巻線パターンのうち前記長手方向における前記他端に最も近いターンに隣接して設けられており、前記第2の巻回エリアの前記第1層に巻回された前記第4の巻線パターンの前記1ターンは、前記第2の巻回エリアの前記第1層に巻回された前記複数の第2の巻線パターンのうち前記長手方向における前記一端に最も近いターンに隣接して設けられていることが好ましい。この構成によれば、巻芯部11aの長手方向の中央部に第2のワイヤの2層目から1層目への落ち込み部分を設けることができる。したがって、Scdの低減を図ることができ、高品質なコモンモードフィルタを実現することができる。
本発明において、第1及び第2のワイヤは、前記巻芯部上において前記長手方向に交互に巻回されていることが好ましい。この構成によれば、いわゆるバイファイラ巻きの巻線構造においてScdを低減することができ、高品質なコモンモードフィルタを実現することができる。
本発明において、前記巻芯部は、前記第1及び第2の巻回エリアとは異なる第3の巻回エリアをさらに含み、前記第1のワイヤは、前記第3の巻回エリアに巻回された第5の巻線パターンをさらに含み、前記第2のワイヤは、前記第3の巻回エリアに巻回された第6の巻線パターンをさらに含むことが好ましい。この場合において、前記第5の巻線パターンのターン数は、前記第1の巻線パターンのターン数の半分以下であり、前記第6の巻線パターンのターン数は、前記第3の巻線パターンのターン数の半分以下であることが好ましい。あるいは、前記第5及び第6の巻線パターンのターン数はそれぞれ2ターン以下であることが好ましい。
本発明によれば、モード変換特性の低減を実現しつつ、高いインダクタンスを得ることが可能なコモンモードフィルタを提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による表面実装型のコモンモードフィルタ1の外観構造を示す略斜視図である。 図2は、コモンモードフィルタ1の基本的な電気回路図である。 図3は、図2に示したコモンモードフィルタ1のより詳細な等価回路図である。 図4は、一対のワイヤ間の分布容量について説明するための模式図である。 図5は、コモンモードフィルタの分布容量の発生モデルを示す等価回路図である。 図6は、コモンモードフィルタ1の詳細な構成を示す略平面図である。 図7は、図6に示すコモンモードフィルタ1の略断面図であり、(a)はA−A'線に沿った断面図、(b)はA−A'線に沿った断面図である。 図8は、本発明の第2の実施の形態によるコモンモードフィルタ2の構成を示す略断面図である。 図9は、本発明の第3の実施の形態によるコモンモードフィルタ3の構成を示す略断面図である。 図10は、本発明の第4の実施の形態によるコモンモードフィルタ4の構成を示す略平面図である。 図11は、図10に示すコモンモードフィルタ4の略断面図であり、(a)はA−A'線に沿った断面図、(b)はA−A'線に沿った断面図である。 図12は、本発明の第5の実施の形態によるコモンモードフィルタ5の構成を示す略平面図である。 図13は、図12に示すコモンモードフィルタ5の略断面図であり、(a)はA−A'線に沿った断面図、(b)はA−A'線に沿った断面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による表面実装型のコモンモードフィルタ1の外観構造を示す略斜視図である。なお、本実施の形態では、図1に示すように、後述する一対の鍔部11b,11cの対向方向をy方向、後述する上面11bs,11csの面内でy方向と垂直な方向をx方向、x方向とy方向の両方に垂直な方向をz方向と称する。
図1に示すように、コモンモードフィルタ1は、ドラムコア11と、ドラムコア11に取り付けられた板状コア12と、ドラムコア11に巻回されたワイヤW1,W2(第1及び第2のワイヤ)とを備えて構成される。ドラムコア11は、断面が矩形である棒状の巻芯部11aと、巻芯部11aの両端に設けられた鍔部11b,11cとを備え、これらが一体化された構造を有している。板状コア12は、鍔部11b,11cの下面(上面11bs,11csの反対側の面)と固着している。コモンモードフィルタ1は、ドラムコア11の鍔部11b,11cの上面11bs,11csを回路基板に対向させた状態で表面実装される。
ドラムコア11及び板状コア12は、比較的透磁率の高い磁性材料、例えばNi−Zn系フェライトやMn−Zn系フェライトの焼結体によって構成される。なお、Mn−Zn系フェライトなどの透磁率の高い磁性材料は、固有抵抗が低く導電性を有しているのが通常である。
鍔部11bの上面11bsには2つの端子電極E1,E2が形成されており、鍔部11cの上面11csには2つの端子電極E3,E4が形成されている。端子電極E1,E2は、x方向の一端側からこの順で配置される。同様に、端子電極E3,E4も、x方向の一端側からこの順で配置される。端子電極E1〜E4には、ワイヤW1,W2の各端部が熱圧着により継線される。
ワイヤW1,W2は被覆導線であり、巻芯部11aに互いに同一の巻回方向で巻回されてコイル導体を構成する。ワイヤW1,W2のターン数も互いに同一である。本実施の形態では、ワイヤW1,W2は2層構造のレイヤ巻きによって巻回される。また、巻芯部11aの中ほどに位置する隣接ターン間にスペースが設けられ、これによってスペースエリアS1が構成される。この点については、後ほど再度詳しく説明する。スペースエリアS1以外の部分は、隣接ターン同士が密着して巻回されている。ワイヤW1の一端(鍔部11b側の端部)W1a,他端(鍔部11c側の端部)W1bはそれぞれ端子電極E1,E3に継線される。また、ワイヤW2の一端(鍔部11b側の端部)W2a,他端(鍔部11c側の端部)W2bはそれぞれ端子電極E2,E4に継線される。
図2は、コモンモードフィルタ1の基本的な電気回路図である。
図2に示すように、コモンモードフィルタ1は、端子電極E1とE3の間に接続されるインダクタ10aと、端子電極E2とE4の間に接続されるインダクタ10bとが、互いに磁気結合した構成を有している。インダクタ10a,10bは、それぞれワイヤW1,W2によって構成される。この構成により、端子電極E1,E2を入力端、端子電極E3,E4を出力端とした場合、入力端から入力されたディファレンシャル信号は、コモンモードフィルタ1によってほとんど影響を受けず、出力端から出力される。一方、入力端から入力されたコモンモードノイズは、コモンモードフィルタ1によって大きく減衰し、出力端へはほとんど出力されないこととなる。
ここで、コモンモードフィルタは一般に、コモンモードフィルタの入力端に入力されたディファレンシャル信号の一部を、コモンモードノイズに変換して出力端から出力してしまう、という性質を有している。この性質はもちろん望ましいものではないので、コモンモードノイズに変換されるディファレンシャル信号の割合(上述したモード変換特性Scd)をある程度以下の値に抑えることが必要とされる。また、これとは別に、コモンモードフィルタには、できるだけ巻回数を多くすることが必要とされる。小さなサイズで必要なインダクタンスを得るためである。本実施の形態によるコモンモードフィルタ1では、ワイヤW1,W2の位置関係を含めた巻線構造を左右対称にして異ターン間容量の影響を低減することにより、上記課題を解決している。以下、詳しく説明する。
図3は、図2に示したコモンモードフィルタ1のより詳細な等価回路図である。
図3(a)に示すように、コモンモードフィルタ1は、本来のインダクタンスLのほか、インダクタンスLと並列な抵抗R0及びキャパシタンスC0を有している。さらに、ワイヤW1,W2による一対のインダクタンスL、L間にまたがって発生する分布容量C1を有している。図3(b)は、図3(a)のコモンモードフィルタ1を説明の便宜上2つのブロックに分割したものであり、分割されたインダクタンスはそれぞれL/2となる。また、並列抵抗はR0/2となり、並列キャパシタンスは2C0となる。
図4は、一対のワイヤ間の分布容量について説明するための模式図である。
図4(a)に示すように、例えばバイファイラ巻きされる一対のワイヤの同一ターン間には分布容量C1が発生しており、隣接ターン間の間隔dが広い場合にはそれらの間の分布容量は発生しない。一方、図4(b)に示すように、隣接ターン間の間隔dが狭い場合には隣接ターン間に跨って分布する分布容量(異ターン間容量)C2が発生する。すなわち、一対のワイヤ間には分布容量C1,C2の両方が発生する。
図5は、コモンモードフィルタの分布容量の発生モデルを示す等価回路図である。
図5(a)に示すように、通常のバイファイラ巻きが施された一対のワイヤW1,W2からなるコモンモードフィルタにおいて、一対のコイル(インダクタンスL)をその中間位置で2分割した場合、各コイルは2つのインダクタンスL/2の直列接続となる。そして一対のコイルには同一ターン間の分布容量C1と隣接ターン間の分布容量C2が発生する(図4参照)。ここで分布容量C2は、コイルの分割に合わせて、一方のブロックの分布容量C21と他方のブロックの分布容量C22とに分けることができ、これらの分布容量C21、C22は共にワイヤW2側のコイルと並列に発生し、これによりワイヤW2によるLC回路の共振点だけが変化し、その結果Scdも大きくなる。
一方、図5(b)に示すように、バイファイラ巻きが施された一対のワイヤW1,W2の巻き順を中間位置で逆転させて、ワイヤの位置関係を含めた巻線構造を左右対称とした場合、一方のブロックの分布容量C21はワイヤW1側のコイルと並列に発生し、他方のブロックの分布容量C22はワイヤW2側のコイルと並列に発生する。これにより、ワイヤW1によるLC回路の共振点とワイヤW2によるLC回路の共振点の両方が変化するが、2つの共振点のバランスは変化しない。したがって、Scdを低減することができる。また、隣接ターン間の間隔dを狭くできるので、ターン数を増やしてインダクタンスを高くすることもできる。隣接ターン間の間隔dを狭くして隣接ターン間の分布容量C2が発生しても、上記のようにScdを低減することができるからである。
なお、以上の説明は2つのワイヤがバイファイラ巻きである場合の説明であるが、レイヤ巻きの場合も同様である。次に、コモンモードフィルタ1の構造について詳細に説明する。
図6は、コモンモードフィルタ1の詳細な構成を示す略平面図である。また、図7は、図6に示すコモンモードフィルタ1の略断面図であり、(a)はA−A'線に沿った断面図、(b)はA−A'線に沿った断面図である。
図6及び図7に示すように、コモンモードフィルタ1は、ドラムコア11の巻芯部11aにいわゆるレイヤ巻きにより巻回された一対のワイヤW1,W2を備えている。第1のワイヤW1は、巻芯部11aの表面に直接巻回されて1層目の巻線層(第1層)を構成しており、第2のワイヤW2は、一部を除き、第1層の外側に重ねて巻回された2層目の巻線層(第2層)を構成している。第1のワイヤW1と第2のワイヤW2は実質的に同じターン数(ここでは12ターン)である。
一対のワイヤW1,W2による巻線構造は、巻芯部11aの長手方向の一端側に位置する第1の巻回エリアAR1に設けられた第1の巻線ブロックBK1と、巻芯部11aの長手方向の他端側に位置する第2の巻回エリアAR2に設けられた第2の巻線ブロックBK2を構成している。第1のワイヤW1の第1〜第6ターン(複数の第1の巻線パターン)並びに第2のワイヤW2の第1〜第6ターン(複数の第3の巻線パターン)は、第1の巻線ブロックBK1を構成しており、第1のワイヤW1の第7〜第12ターン(複数の第2の巻線パターン)並びに第2のワイヤW2の第7〜第12ターン(複数の第4の巻線パターン)は第2の巻線ブロックBK2を構成している。
第1のワイヤW1は、巻芯部11aの一端から他端に向かって順に巻回されている。特に、第1及び第2の巻回エリアAR1,AR2内において、第1のワイヤW1は線間に隙間なく密に巻回されている。一方、第1の巻回エリアAR1と第2の巻回エリアAR2との間に位置するスペースエリアS1において、第1の巻線ブロックBK1と第2の巻線ブロックBK1との間にはスペースが設けられている。すなわち、ワイヤW1の第1〜第6ターンは密に巻回され、第6ターンと第7ターンとの間にはスペースが設けられ、第7〜第12ターンは再び密に巻回される。
第2のワイヤW2もまた、巻芯部11aの一端から他端に向かって順に巻回されているが、第1のワイヤW1の線間に形成される谷間に嵌り込みながら巻回される。すなわち、第2のワイヤW2はそれと同一ターンの第1のワイヤW1の真上には配置されず、巻芯部11aの長手方向の位置は互いに一致していない。第2のワイヤW2の第1ターンは第1のワイヤW1の第1ターンと第2ターンの間の谷間に位置し、第5ターンまでは第1のワイヤW1による巻線層の上に重ねて巻回される。
第2のワイヤW2の第6ターンは第1の巻線ブロックBK1と第2の巻線ブロックBK2との間のスペースに落ち込んで巻芯部11aの表面に接しており、2層目ではなく1層目の一部をなしている。第7ターンも第6ターンと同様である。第2のワイヤW2の第6ターンと第7ターンは本来2層目に形成されることが理想であるが、第1のワイヤW1の第6ターンと第7ターンとの間にスペースを設けた場合、第2のワイヤW2を支持する第1のワイヤW1の2ターン分のうちの片方が欠けることになるため、2層目のポジションを維持することができない。そのため、現実的な構造として、第6及び第7ターンについては最初から巻き崩れた状態を採用している。
第2のワイヤW2の第8〜第12ターンは再び第1のワイヤW1の線間に形成される谷間に嵌り込みながら巻回される。第2のワイヤW2の第8ターンは第1のワイヤW1の第7ターンと第8ターンの間の谷間に位置し、第12ターンまで第1のワイヤW1による巻線層の上に重ねて巻回される。
以上は12ターンの場合であるが、これを一般化すると次のようになる。第1及び第2の巻回エリアAR1,AR2における第1及び第2のワイヤW1,W2のターン数をいずれもn(nは正の整数)とするとき、第1の巻回エリアAR1の第1層には、nターンの第1のワイヤW1(第1の巻線パターン)と1ターンの第2のワイヤW2(第3の巻線パターン)がそれぞれ巻回され、また第1の巻回エリアAR1の第2層には、n−1ターンの第2のワイヤ(第3の巻線パターン)が巻回される。同様に、第2の巻回エリアAR2の第1層には、nターンの第1のワイヤW1(第2の巻線パターン)と1ターンの第2のワイヤW2(第4の巻線パターン)がそれぞれ巻回され、また第2の巻回エリアAR2の第2層には、n−1ターンの第2のワイヤW2(第4の巻線パターン)が巻回される。
図示のように、第1の巻線ブロックBK1の巻線構造と第2の巻線ブロックBK2の巻線構造は境界線Bに対して互いに対称形(左右対称)である。特に、第1の巻線ブロックBK1内のワイヤW1,W2の位置関係と第2の巻線ブロックBK2内のワイヤW1,W2の位置関係は左右対称である。ただし、第1の巻線ブロックBK1内及び第2の巻線ブロックBK2内にける第1及び第2のワイヤW1,W2の位置関係は左右対称ではない。
例えば、第1の巻線ブロックBK1の第1のワイヤW1の第1〜第6ターンと対称関係にあるのは、第2の巻線ブロックBK2の第1のワイヤW1の第12〜第7ターンであり、ともに第1のワイヤW1である。また、第1の巻線ブロックBK1の第2のワイヤW2の第1〜第5ターンと対称関係にあるのは、第2の巻線ブロックBK2の第2のワイヤW2の第12〜第8ターンであり、ともに第2のワイヤW2である。さらに、第1の巻線ブロックBK1の第1のワイヤW1の第6ターンと対称関係にあるのは、第2の巻線ブロックBK2の第1のワイヤW1の第7ターンであり、ともに第1のワイヤW1である。なお、巻き始めや巻終わりの位置においては対称性がどうしても崩れるが、このようなわずかな対称性のずれは許容範囲である。
このように、第1及び第2のワイヤW1,W2による巻線構造がワイヤの位置関係を含めて左右対称となる場合には、異なるターン間に跨って発生する分布容量(異ターン間容量)がワイヤW1,W2の両方に均一に発生するため、ワイヤW1,W2のインピーダンスのアンバランスを抑えることができる。したがって、Scd(ディファレンシャル信号成分がコモンモードに変換されてしまうことによるノイズ)を低減することができ、高品質なコモンモードフィルタを実現することができる。
さらに、本実施の形態のように、第1のブロックと第2のブロックとの間にスペースを設ける場合には、左右対称な巻線構造を容易に実現でき、異ターン間容量の影響を十分に低減することができる。したがって、Scdを十分に低減することができ、高品質なコモンモードフィルタを実現することができる。
上記実施の形態においては、左右の対称性が完全である場合を挙げたが、必ずしも完全に対称である必要はなく、一部に非対称な部分が含まれていてもよい。
図8は、本発明の第2の実施の形態によるコモンモードフィルタ2の構成を示す略断面図である。
図8に示すように、コモンモードフィルタ2の特徴は、第1及び第2のワイヤW1,W2のターン数が13ターン(奇数ターン)であり、巻線構造の対称性が巻芯部11aの長手方向の一方の端部で崩れている点にある。第1〜第12ターンまでは第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、第12ターンに続いて第13ターンが設けられており、ワイヤW1の第13ターン(第5の巻線パターン)並びに第2のワイヤW2の第13ターン(第6の巻線パターン)は、第3の巻回エリアAR3に設けられた第3の巻線ブロックBK3を構成している。
第2及び第3の巻線ブロックBK2,BK3を一つの巻線ブロックBK4として見た場合、第1の巻線ブロックBK1と第4の巻線ブロックBK4との間に厳密な対称性は存在しない。第1及び第2のワイヤW1,W2を13ターンとする場合には、均等に分けることができない。しかし、本実施の形態では、左側6ターンと右側7ターンとに分けて、右側の7ターンのうちの6ターンと左側の6ターンとが左右対称な関係を有している。第1の巻線ブロックBK1内の第1〜第6ターンと第2の巻線ブロックBK2の第7〜第12ターンとの間で対称性が確保されており、非対称部分である第3の巻線ブロックBK3のターン数が比較的少ないので、非対称部分の影響を大きく受けることなく、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
第1及び第2のワイヤW1,W2による巻線構造が第1及び第2の巻線ブロックに対して非対称な第3の巻線ブロックをさらに含む場合、第3の巻線ブロックBK3における第1及び第2のワイヤW1,W2(第5,第6の巻線パターン)のターン数はそれぞれ、第1及び第2の巻線ブロックBK1,BK2の各々における第1及び第2のワイヤW1,W2のターン数の半分以下であることが好ましい。例えば図示のように、第1及び第2の巻線ブロックBK1,BK2におけるワイヤW1,W2のターン数がともに6ターンである場合、第3の巻線ブロックBK3におけるワイヤW1,W2のターン数はそれぞれ3ターン以下であることが好ましい。非対称部分のターン数が対称部分のターン数の半分を超える場合には、その影響を無視することが出来なくなり、ノイズ低減効果が不十分となるが、半分以下である場合には両方の巻線のインピーダンスのアンバランスが比較的小さく、実用上問題ないからである。
第3の巻線ブロックBK3における第1及び第2のワイヤW1,W2のターン数は共に、第1及び第2の巻線ブロックBK1,BK2内のワイヤのターン数によらず、2ターン以下であることが特に好ましい。意図的に非対称にしようとしなければ、ほとんどの場合、非対称部分のターン数を2ターン以内に収めることができると考えられ、この範囲内であればインピーダンスのアンバランスの影響が非常に小さく、非対称部分がない場合とほとんど変わらないからである。
図9は、本発明の第3の実施の形態によるコモンモードフィルタ3の構成を示す略断面図である。
図9に示すように、コモンモードフィルタ3の特徴は、第1及び第2のワイヤW1,W2のターン数が13ターン(奇数ターン)であり、巻線構造の対称性が巻芯部11aの長手方向の中央部で崩れている点にある。第1及び第2のワイヤW1,W2の第1〜第6ターンは第1の実施の形態と同じである。第2のワイヤW2の第6ターンの隣には第1のワイヤW1の第7ターン(第5の巻線パターン)が巻回されており、第1のワイヤW1の第7ターンの隣には第2のワイヤW2の第7ターン(第6の巻線パターン)が巻回されている。第1及び第2のワイヤW1,W2の第7ターンは共に1層目に設けられており、第3の巻回エリアAR3に設けられた第3の巻線ブロックBK3を構成している。その後、第1及び第2のワイヤW1,W2の第8〜第13ターンは、第1の実施の形態における第7〜第12ターンと同様に巻回される。
第1の巻線ブロックBK1と第3の巻線ブロックBK3の第1のワイヤW1の第7ターンとを一つの巻線ブロックBK4とし、第2の巻線ブロックBK2と第3の巻線ブロックBK3の第2のワイヤW2の第7ターンとをもう一つの巻線ブロックBK5として見た場合、第4の巻線ブロックBK4と第5の巻線ブロックBK5との間に厳密な対称性は存在しない。しかし、第1の巻線ブロックBK1内の第1〜第6ターンと第2の巻線ブロックBK2の第7〜第12ターンとの間で対称性が確保されており、非対称部分である第3の巻線ブロックBK3のターン数が比較的少ないので、第2の実施の形態と同様、非対称部分の影響を大きく受けることなく、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施の形態では、第1の巻線ブロックBK1と第2の巻線ブロックBK2との間にスペースを設けていないが、第1の実施の形態のようにスペースを設けることも可能である。第1の巻線ブロックBK1と第2の巻線ブロックBK2との間にスペースを設ける場合には、左右対称な巻線構造を容易に実現でき、異ターン間容量の影響を十分に低減することができる。したがって、Scdを十分に低減することができ、高品質なコモンモードフィルタを実現することができる。
図10は、本発明の第4の実施の形態によるコモンモードフィルタ4の構成を示す略平面図である。また、図11は、図10に示すコモンモードフィルタ4の略断面図であり、(a)はA−A'線に沿った断面図、(b)はA−A'線に沿った断面図である。
図10及び図11に示すように、コモンモードフィルタ4の特徴は、第2のワイヤW2の2層目から1層目への落ち込み部分が、巻芯部11aの長手方向の中央部ではなく両端部に設けられている点にある。
第1のワイヤW1は、巻芯部11aの一端から他端に向かって順に巻回されている。特に、第1のワイヤW1の第1〜第12ターンは線間に隙間なく密に巻回されており、第6ターンと第7ターンとの間のスペースは設けられていない。すなわち、第1の巻線ブロックBK1と第2の巻線ブロックBK2との間において線間のスペースは設けられていない。
第2のワイヤW2もまた、巻芯部11aの一端から他端に向かって順に巻回されているが、第1のワイヤW1の線間に形成される谷間に嵌り込みながら巻回される。第2のワイヤW2の第1ターンと第12ターンは1層目に落ち込んで巻芯部11aの表面に接しており、2層目ではなく1層目の一部をなしている。
第2のワイヤW2の第2ターンは第1のワイヤW1の第1ターンと第2ターンとの間の谷間に位置し、第6ターンまでは第1のワイヤW1による巻線層の上に重ねて密に巻回される。第6ターンは第1のワイヤの第5ターンと第6ターンと間の谷間に位置する。
第7ターンは次の巻回位置(谷間)を1つ飛ばして配置され、第1のワイヤW1の第7ターンと第8ターンとの間の谷間に位置し、第11ターンまでは第1のワイヤW1の線間に形成される谷間に嵌り込みながら巻回される。最終ターンである第12ターンは、第1ターンと同様、1層目に落ち込んで巻芯部11aの表面に接しており、2層目ではなく1層目の一部をなしている。
図示のように、第1の巻線ブロックBK1の巻線構造と第2の巻線ブロックBK2の巻線構造は境界線Bに対して互いに対称形(左右対称)である。特に、第1の巻線ブロックBK1内のワイヤW1,W2の位置関係と第2の巻線ブロックBK2内のワイヤW1,W2の位置関係は左右対称である。ただし、第1の巻線ブロックBK1内及び第2の巻線ブロックBK2内における第1及び第2のワイヤW1,W2の位置関係は左右対称ではない
例えば、第1の巻線ブロックBK1の第2のワイヤW2の第1ターンと対称関係にあるのは、第2の巻線ブロックBK2の第2のワイヤW2の第12ターンであり、ともに第2のワイヤW2である。また、第1の巻線ブロックBK1の第1のワイヤW1の第1〜第6ターンと対称関係にあるのは、第2の巻線ブロックBK2の第1のワイヤW1の第12〜第7ターンであり、ともに第1のワイヤW1である。さらに、第1の巻線ブロックBK1の第2のワイヤW2の第2〜6ターンと対称関係にあるのは、第2の巻線ブロックBK2の第2のワイヤW2の第11〜7ターンであり、ともに第2のワイヤW2である。なお、巻き始めや巻終わりの位置においては対称性がどうしても崩れるが、このようなわずかな対称性のずれは許容範囲である。
このように、第1及び第2のワイヤW1,W2による巻線構造がワイヤの位置関係を含めて左右対称となる場合には、異ターン間容量がワイヤW1,W2の両方に均一に発生するため、ワイヤW1,W2のインピーダンスのアンバランスを抑えることができる。したがって、第1の実施の形態と同様、Scdを低減することができ、高品質なコモンモードフィルタを実現することができる。
図12は、本発明の第5の実施の形態によるコモンモードフィルタ5の構成を示す略平面図である。また、図13は、図12に示すコモンモードフィルタ5の略断面図であり、(a)はA−A'線に沿った断面図、(b)はA−A'線に沿った断面図である。
図12及び図13に示すように、コモンモードフィルタ5の特徴は、一対の巻線がいわゆるバイファイラ巻きにより巻回されている点にある。バイファイラ巻きとは、第1及び第2のワイヤW1,W2を1本ずつ交互に配置する巻き方のことであり、1次・2次の密な結合が必要な場合に好ましく用いられる。第1のワイヤW1と第2のワイヤW2は互いに平行な状態のまま巻芯部11aの長手方向に巻回されて1層目の巻線層を構成している。第1のワイヤW1と第2のワイヤW2は実質的に同じターン数(ここでは6ターン)である。
一対のワイヤW1,W2による巻線構造は、巻芯部11aの長手方向の一端側に設けられた第1の巻線ブロックBK1と、巻芯部11aの長手方向の他端側に設けられた第2の巻線ブロックBK2を有している。第1及び第2のワイヤW1,W2の第1〜第3ターンは第1の巻線ブロックBK1を構成しており、第1及び第2のワイヤW1,W2の第4〜第6ターンは第2の巻線ブロックBK2を構成している。
第1ブロック(第1〜第3ターン)においては、第1のワイヤW1が左側、第2のワイヤW2が右側に位置し、この順で線間に隙間なく密に巻回されているが、第2ブロック(第4〜第6ターン)においては位置関係が逆転し、第2のワイヤW2が左側、第1のワイヤW1が右側に位置し、この順で線間に隙間なく密に巻回されている。
図示のように、第1の巻線ブロックBK1の巻線構造と第2の巻線ブロックBK2の巻線構造は境界線Bに対して互いに対称形(左右対称)である。特に、第1の巻線ブロックBK1内のワイヤW1,W2の位置関係と第2の巻線ブロックBK2内のワイヤW1,W2の位置関係は左右対称である。ただし、第1の巻線ブロックBK1内及び第2の巻線ブロックBK2内における第1及び第2のワイヤW1,W2の位置関係は左右対称ではない。
例えば、第1の巻線ブロックBK1の第1のワイヤW1の第1、第2、及び第3ターンと対称関係にあるのは、第2の巻線ブロックBK2の第1のワイヤW1の第6、第5、及び第4ターンであり、ともに第1のワイヤW1である。また、第1の巻線ブロックBK1の第2のワイヤW2の第1、第2、及び第3ターンと対称関係にあるのは、第2の巻線ブロックBK2の第2のワイヤW2の第6、第5、及び第4ターンであり、ともに第2のワイヤW2である。なお、巻き始めや巻終わりの位置においては対称性がどうしても崩れるが、このようなわずかな対称性のずれは許容範囲である。
このように、第1及び第2のワイヤW1,W2による巻線構造がワイヤの位置関係を含めて左右対称となる場合には、異ターン間容量がワイヤW1,W2の両方に対して均一に発生するため、ワイヤW1,W2のインピーダンスのアンバランスを抑えることができる。したがって、Scdを低減することができ、高品質なコモンモードフィルタを実現することができる。
さらに、本実施の形態のように、第1のブロックと第2のブロックとの間にスペースが設けられている場合には、左右対称構造による効果をより大きくすることができ、Scdを十分に低減することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能であり、それらも本発明に包含されるものであることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態においては、一対のワイヤが巻回されるコアとしてドラムコアを用いているが、本発明におけるコアはドラムコアに限定されず、一対のワイヤに対する巻芯部を有するものであればどのような形状のコアであってもかまわない。また、各ワイヤのターン数(巻回数)は上記実施の形態よりも多くてもかまわない。例えば、レイヤ巻きで30〜50ターンとし、インダクタンスが200〜400μH程度となるようにしてもよいし、バイファイラ巻きで15〜25ターンとし、インダクタンスが100〜200μHとなるようにしてもよい。
1〜5 コモンモードフィルタ
10a,10b インダクタ(コイル)
11 ドラムコア
11a 巻芯部
11b,11c 鍔部
11bs,11cs 鍔部の上面
12 板状コア
AR1,AR2,AR3 巻回エリア
B 境界線
BK1〜BK5 巻線ブロック
C0,C1,C2,C21,C22 キャパシタンス
E1〜E4 端子電極
I1,I2 インダクタ
S1 スペースエリア
W1,W2 ワイヤ

Claims (5)

  1. 長手方向における一方及び他方の端部を有する巻芯部と、
    前記巻芯部に巻回された第1及び第2のワイヤと、を備え、
    前記第1及び第2のワイヤは、前記巻芯部上においてクロスし、
    前記第1及び第2のワイヤのうち、前記クロスする部分から数えて前記一方の端部側に向かう第iターンの巻線構造と、前記クロスする部分から数えて前記他方の端部側に向かう前記第iターンの巻線構造は、前記クロスする部分に対して左右対称であることを特徴とするコモンモードフィルタ。
  2. 前記第1及び第2のワイヤはレイヤ巻きされていることを特徴とする請求項1に記載のコモンモードフィルタ。
  3. 前記第1及び第2のワイヤは、前記クロスする部分から見て前記一方の端部側及び前記他方の端部側のいずれにおいても、前記第1のワイヤ上に前記第2のワイヤが巻回されていることを特徴とする請求項2に記載のコモンモードフィルタ。
  4. 前記第1及び第2のワイヤはバイファイラ巻きされていることを特徴とする請求項1に記載のコモンモードフィルタ。
  5. 前記巻芯部の軸方向における一端側に設けられた第1の鍔部と、
    前記巻芯部の前記軸方向における他端側に設けられた第2の鍔部と、
    前記第1の鍔部の上面に設けられた第1及び第2の端子電極と、
    前記第2の鍔部の上面に設けられた第3及び第4の端子電極と、をさらに備え、
    前記第1及び第2のワイヤの一端は、前記第1及び第2の端子電極にそれぞれ接続され、
    前記第1及び第2のワイヤの他端は、前記第3及び第4の端子電極にそれぞれ接続され、
    前記巻芯部は、前記第1及び第2の鍔部の前記上面と同方向を向く上面を有し、
    前記前1のワイヤと前記第2のワイヤは、前記巻芯部の前記上面でクロスすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコモンモードフィルタ。
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