JP2016194510A - 電流検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出電流を広範囲に渡って高精度で検知することができる電流検知装置を提供する。【解決手段】検出電流が流入し得る導線を囲む磁気コア3に、電気的に絶縁し磁気的に結合するように巻回した励磁コイル4と、矩形波電圧を印加して前記磁気コアを飽和状態又はその近傍の状態にする励磁電流を前記励磁コイルに供給する励磁部5と、励磁コイルに流れる励磁電流を、電圧に変換して出力する電流−電圧変換部6と、この電流−電圧変換部から出力される出力電圧の大きさが変化するタイミングに基づいて矩形波電圧に変換する二値化部8と、この二値化部から出力される矩形波電圧に基づいて前記検出電流の流入を検知する第1電流検知部9と、電流−電圧変換部から出力される電圧の全波整流値を出力する全波整流値形成部11と、この全波整流値形成部の全波整流値に基づいて前記検出電流の流入を検知する第2電流検知部12とを備えている。【選択図】図9

Description

本発明は、漏電検知等に用いる高透磁率材料の非線形な特性を利用する電流検知装置に関する。
この種の電流検知装置としては、種々の構成を有するものが提案され、実施されているが、構造的に簡単で微小電流の検知が可能なものとしてフラックスゲート型の電流センサが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
この特許文献1に記載された従来例では、図24(a)に示す構成を有する。すなわち、軟質磁性体製の同形、等大に構成された円環状をなすコア101及び102と、各コア101及び102に等しい回数巻回された励磁コイル103と、各コア101及び102にわたるよう一括して巻回された検出コイル104とを備えている。
励磁コイル103には図示しない交流電源が、また検出コイル104には図示しない検出回路が接続されている。そして、両コア101及び102の中心に電流を測定する対象物たる被測定導線105が挿通されている。
励磁コイル103はこれに通電したとき両コア101及び102に生じる磁場が逆相であって互いに打ち消し合うようコア101及び102に巻回されている。
そして、励磁コイル103に励磁電流iexを通電したとき、各コア101及び102に生じる磁束密度Bの経時変化は、図24(b)に示すようになる。軟質磁性体製のコア101及び102の磁気特性は磁場の大きさHが所定の範囲内では磁場の大きさHと磁束密度Bとは直線的な関係にある。しかしながら、磁場の大きさHが所定値を超えると、磁束密度Bが変化しない磁気飽和の状態となる関係にあることから、励磁コイル103に励磁電流iexを通電すると、各コア101及び102に発生する磁束密度Bは実線図示のように上下対称の台形波状に変化し、しかも相互に180°位相がずれた状態となる。
今、被測定導線105に矢印で示す如く下向きに直流電流値Iが通電しているものとすると、この直流分に相当する磁束密度が重畳される結果、磁束密度Bは図24(b)に破線で示す如く、台形波のうち、上方の台形波はその幅が拡大され、一方下方の台形波はその幅が縮小された状態となる。
ここで、両コア101及び102に生じた磁束密度Bの変化を正弦波(起電力に対応)で表現すると図24(c)に示すようになる。この図24(c)では、前述した図24(b)で実線図示の台形波に対応して実線図示のように180°位相がずれた周波数fの正弦波(起電力)が表れるが、これらは180°ずれているため互いに打ち消し合う。一方、図24(b)で破線図示の台形波に対応して図24(c)には破線図示のような2倍の周波数2fの2次高調波が表れる。この2次高調波は位相が180°ずれていないため、相互に重畳すると図24(c)の最下段に示すような正弦波信号となり、これが検出コイル104で検出される。
この検出コイル104で捉えられた検出信号は被測定導線105を流れる直流の電流値Iに対応しており、これを処理することで電流値Iを検出することができる。
また、特許文献2では、環状の磁性体コアと、磁性体コア上に巻回された励起コイルと、磁性体コア上に巻回された補助励磁コイルと、励起コイルに交流励起電圧を印加する第1の励起回路と、励起電圧の立ち上がり及び立ち下がりに同期し、補助励起コイルに励起コイルが発生する磁界の方向と同じ方向の磁界を発生させるパルス状の電圧を印加する第2の励起回路と、励起コイルに流れる電流を電圧に変換する電流/電圧変換回路と、磁性体コアの交流磁場が正及び負の方向に飽和するタイミングをそれぞれ検出する検出手段を有する電流センサが提案されている。この電流センサの検出手段は、電流/電圧変換回路の出力側に接続されたコンパレータと、このコンパレータの出力が供給された低域通過フィルタとこの低域通過フィルタの出力を増幅するアンプとを備えている。
特開2000−162244号公報 特開2011−17618号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、2つのコア101及び102を使用するため、実際にはコア101及び102の磁気特性を完全に一致させることは困難であるため、磁気特性の違いにより励磁電流iexによる電圧が完全に打ち消されることなく発生してしまう。これが2次高調波成分に対応した検出電圧のS/N比を悪化させ、微小電流の検知が難しいという未解決の課題がある。
また、検出コイル104から出力される電流値Iに対応した2次高調波は、電流値Iが大きくなりすぎると、台形波の形が歪んでしまうために、電流Iと2次高調波成分の関係が比例関係でなくなる。これにより、電流値Iの検知範囲が制限されてしまうために、広い範囲の電流を検出できないという未解決の課題もある。
上記特許文献2に記載された従来例にあっては、1つの磁気コアで電流検知を実現しているものの発振回路で磁気コアを励磁し、励磁電流を電圧に変換した直後にコンパレータで二値化する構成のため、インバータなどのノイズの多い負荷を接続した場合に測定電流にノイズが重畳し、励磁電流にも重畳したノイズはコンパレータを誤動作させることで、正確な電流測定ができないという未解決の課題がある。
さらに、特許文献1及び2に記載された従来例にあっては、何れも検出電流による出力電流変化に基づいて電流検知を行っているので、磁気コアが飽和状態を継続する電流を検出することはできないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、検出電流を広範囲に渡って高精度で検知することができる電流検知装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一の形態に係る電流検知装置は、検出電流が流入し得る導線を囲む磁気コアに、電気的に絶縁し磁気的に結合するように巻回した励磁コイルと、矩形波電圧を印加して磁気コアを飽和状態又はその近傍の状態にする励磁電流を励磁コイルに供給する励磁部と、励磁コイルに流れる励磁電流を、電圧に変換して出力する電流−電圧変換部と、この電流−電圧変換部から出力される出力電圧の大きさが変化するタイミングに基づいて矩形波電圧に変換する二値化部と、この二値化部から出力される矩形波電圧に基づいて検出電流の流入を検知する第1電流検知部と、電流−電圧変換部から出力される電圧の全波整流値を出力する全波整流値形成部と、この全波整流値形成部の全波整流値に基づいて前記検出電流の流入を検知する第2電流検知部とを備えている。
本発明の一態様によれば、電流検知装置を1つの磁気コアを用いて構成することができ、磁気コアの材料特性の違いによりS/N比が低下することがなく、微小電流から過大電流まで広範囲の検出電流を高精度で検知することができる。
本発明の一態様である電流検知装置の第1の実施形態を示すブロック図である。 第1の実施形態に適用し得る励磁部の一例を示す回路図である。 磁気コアの磁界の強さと磁束密度の関係を示す特性線図及び磁気コアのインダクタンス特性を示す特性線図である。 励磁回路の出力電圧波形と励磁コイルの電流波形とを示す模式図である。 第1の実施形態に適用し得る電流−電圧変換部の具体的構成を示す回路図である。 第1の実施形態に適用し得るフィルタ部の具体的構成を示す回路図である。 第1の実施形態に適用し得る二値化部の具体的構成を示す回路図である。 第1の実施形態に適用し得る第1電流検知部の具体的構成を示す回路図である。 本発明の一態様である電流検知装置の第2の実施形態を示すブロック図である。 第2の実施形態に適用し得る第1電流検知部の具体的構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に適用し得る全波整流値形成部の具体的構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に適用し得る第2電流検知部の具体的構成を示す回路図である。 第2の実施形態に適用し得る論理和回路の具体的構成を示す回路図である。 本発明の一態様である電流検知装置の第3の実施形態を示すブロック図である。 第3の実施形態に適用し得る励磁部の具体的構成を示す回路図である。 第3の実施形態に適用し得る温度補正部の具体的構成を示す回路図である。 電流検出時の発振回路の出力電圧と電流検知回路の電流検出電圧との関係を示す図である。 周囲温度変化を生じたときの発振回路の出力電圧と電流検知回路の電流検出電圧との関係を示す図である。 周囲温度変化対策を行ったときの発振回路の出力電圧と電流検知回路の電流検出電圧との関係を示す図である。 本発明の一態様である電流検知装置の第4の実施形態に適用し得る励磁部の具体的構成を示す回路図である。 本発明の一態様である電流検知装置の第5の実施形態を示すブロック図である。 第5の実施形態に適用し得る温度補正部の具体的構成を示す回路図である。 第5の実施形態に適用し得る温度補正部の具体的構成を示す他の回路図である。 従来例を示す説明図であって、(a)センサ部の構成図、(b)は励磁コイルに励磁電流を通電したときの各磁気コアの磁束密度を示す図、(c)は各磁気コアの磁束密度を正弦波で表現した図である。
次に、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。
本発明の一態様である電流検知装置1は、図1に示すように、微小な検出電流(例えば数十mA〜数百mA)が流入し得る導線2の回りにリング状の磁気コア3が配設されている。つまり、磁気コア3内に導線2が挿通されている。
磁気コア3には、電気的に絶縁し磁気的に結合するように励磁コイル4が所定巻数で巻回されている。この励磁コイル4の一端には、励磁部としての励磁回路5が接続されており、この励磁回路5から励磁コイル4に矩形波電圧Vaを印加して磁気コア3を飽和状態又はその近傍の状態にする励磁電流を供給する。
この励磁回路5は、図2に示すように、無安定マルチバイブレータの構成を有し、所定周波数の矩形波電圧Vaを励磁コイル4に印加して励磁電流を供給する。すなわち、励磁回路5は、コンパレータとして動作するオペアンプ5aを備えている。このオペアンプ5aの出力側及び反転入力側間に帰還抵抗5bが接続されている。また、オペアンプ5aの出力側とグランドとの間に分圧抵抗5c及び5dが直列に接続され、これら分圧抵抗5c及び5dの接続点がオペアンプ5aの非反転入力側に接続されている。さらに、オペアンプ5aの反転入力側とグランドとの間にコンデンサ5eが接続されている。
この励磁回路5では、帰還抵抗5bの抵抗値をR、分圧抵抗5cの抵抗値をR、分圧抵抗5dの抵抗値をRとし、コンデンサ5eの容量値をCとしたとき、下記(1)式で表される周波数fの矩形波電圧Vaを出力する。
=1/(2・C・R・ln(1+2・R/R)) …………(1)
ここで、オペアンプ5aで励磁コイル4に励磁電流を十分に供給できない場合には、必要に応じて図示しない電流ブースターをオペアンプ5aの出力側に接続することで励磁電流を増加させることが可能である。
磁気コア3は、図3(a)に示すように角型比の大きな磁束密度Bと磁界の強さHとの関係を表すB−H特性を有し、高透磁率材料の非線形な特性を有する。このB−H特性を有する磁気コア3のインダクタンスは、図3(b)に示すように飽和電流付近で急激に消失する。磁気コア3を貫通する導線2に任意の電流Cを通電すると、図3(a)のB−H特性は、電流Cに応じて磁界の強さがH方向にシフトしてインダクタンスが消失するタイミングが変化する。
図3に示すB−H特性を有する磁気コア3を用いて、励磁コイル4に図4(a)に示すパルス状の矩形波電圧Vaを印加し、磁気コア3が十分に飽和する電流で励磁した場合の励磁コイル4に流れる電流は、図4(b)に示すように、模式的に表すことができる。
すなわち、励磁コイル4にパルス状の矩形波電圧Vaを印加すると、最初に磁気コア3のインダクタンスで決まる電流が流れ、磁気コア3のインダクタンスが飽和すると(図4(b)中のF点)、励磁コイル4の抵抗で決まる励磁電流Iexが流れる。
磁気コア3を貫通する導線2に任意の検出電流Iが流入すると、図3(b)に示すように、電流Cに応じてインダクタンスが消失するタイミングが変化する。したがって、図4(b)に示す励磁電流もインダクタンスが消失するタイミングが点Fから点Hに変化する。すなわち、励磁コイル4を流れる電流のデューティ比が変化することになる。
したがって、励磁コイル4の励磁電流Iexの、インダクタンスが消失することによるデューティ比変化を検出することにより、導線2に流入する検出電流Cの検知が可能となる。
このため、励磁コイル4の他端に、励磁電流を電圧に変換する電流−電圧変換部としての電流−電圧変換回路6、変換した電圧から不要なノイズ成分を除去するフィルタ部としてのフィルタ回路7、フィルタ出力に基づいて励磁電流に比例した電圧のインダクタンスが消失するタイミングでパルス状の矩形波電圧を発生する二値化部としての二値化回路8及びその矩形波電圧のデューティ比を検出する第1電流検知部としての第1電流検知回路9が接続されている。
電流−電圧変換回路6は、図5に示すように、励磁コイル4とグランドとの間に接続されたシャント抵抗6aで構成され、このシャント抵抗6aの励磁コイル4側から励磁電圧Vbが出力される。
この励磁電圧Vbは、シャント抵抗6aの抵抗値をRSHとすると、下記(2)式のように抵抗値RSHと励磁電流Iexとの積で表される。
Vb=Iex・RSH …………(2)
フィルタ回路7は、除去したいノイズ成分の周波数に応じて設計されるが、一例として低域通過フィルタで構成することができる。
このフィルタ回路7は、図6に示すように、正帰還形とされた二次の低域通過フィルタ7aで構成されている。この低域通過フィルタ7aは、電流−電圧変換回路6から出力される励磁電圧Vbが抵抗7b及び7cを介して非反転入力側に入力されるとともに、出力側と反転入力側とが直接接続されたオペアンプ7dと、抵抗7cとオペアンプ7dの非反転入力側の接続点とグランド間に接続されたコンデンサ7eと、抵抗7b及び7cの接続点とオペアンプ7dの反転入力側との間に接続されたコンデンサ7fとを備えている。
このフィルタ回路7のカットオフ周波数fcは、抵抗7b及び7cの抵抗値を等しい抵抗値Rfとし、コンデンサ7e及び7fの容量を互いに等しいCfとすると、下記(3)式で表される。
fc=1/(2・π・Rf・Cf) …………(3)
ここで、抵抗値Rf及び容量Cfを除去したいノイズ成分の下限周波数に応じて設定することにより、高周波のノイズ成分を確実に除去することができる。しかも、二次の低域通過フィルタを適用しているので、急峻な遮断特性を得ることができる。
二値化回路8は、図7に示すように、ヒステリシス付コンパレータ8aで構成されている。このヒステリシス付コンパレータ8aは、フィルタ回路7から出力されたフィルタ出力Vfが反転入力側に入力されるオペアンプ8bと、オペアンプ8bの出力側とグランド間に接続した抵抗8c及び8dとを有し、抵抗8c及び8dの接続点がオペアンプ8bの非反転入力側に接続されている。
このヒステリシス付コンパレータ8aのヒステリシス幅Vhyは、ヒステリシス付コンパレータ8aから出力される矩形波電圧をVcとし、抵抗8c及び8dの抵抗値をそれぞれR8c及びR8dとしたときに、下記(4)式で表される。
Vhy=Vc・(R8c+R8d)/R8c …………(4)
このように、二値化回路8をヒステリシス付コンパレータ8aで構成することにより、フィルタ回路7から出力されるフィルタ出力にノイズが残留している場合でも、ヒステリシス幅Vhyの範囲内でのノイズの影響を除去した矩形波電圧Vcを出力することができる。
第1電流検知回路9は、図8に示すように、二値化回路8から出力される矩形波電圧Vcが入力されて積分して平滑化する低域通過フィルタ9aと、この低域通過フィルタ9aの出力を絶対値化して測定電流値に対応した測定電圧Vdを出力する絶対値回路9bとを備えている。
このように、上記第1の実施形態によると、励磁部としての励磁回路5から所定周波数の矩形波電圧Vaを磁気コア3に巻装した励磁コイル4に印加して磁気コア3を飽和状態又はその近傍の状態にするための励磁電流Iexを供給する。この励磁電流Iexが磁気コア3を挿通する導線2に流入する検出電流によって、インダクタンスが消失するタイミングが、図4に示すように変化することにより、励磁電流Iexのデューティ比が変化する。
この励磁電流Iexを電流−電圧変換回路6で電圧に変換し、変換した電圧をフィルタ回路7に供給することにより、このフィルタ回路7で入力される電圧に重畳している高周波のノイズ成分を除去し、次いで二値化回路8で二値化することにより、矩形波電圧Vcを形成する。この矩形波電圧Vcを第1電流検知回路9に供給することにより、矩形波電圧Vcのデューティ比に応じた測定電流の電流値を表す直流電圧を出力する。
このように、第1の実施形態では、励磁コイル4に流れる励磁電流Iexを電流−電圧変換回路6で電圧に変換し、変換した電圧をフィルタ回路7に供給して、電圧に重畳するノイズ成分を除去してから二値化回路8で矩形波電圧Vcに変換し、変換した矩形波電圧Vcを第1電流検知回路9で矩形波電圧Vcの測定電流に応じたデューティ比を表す電圧を形成する。このため、磁気コア3の近傍にインバータ回路等の高周波ノイズ源となる負荷が存在することにより、励磁コイル4に流れる励磁電流Iexに高周波ノイズが重畳される場合であっても、フィルタ回路7でノイズ除去を確実に行ってから二値化回路8で矩形波電圧Vcに変換するので、矩形波電圧Vcにノイズ成分が影響することを確実に防止することができる。
しかも、上述したように、二値化回路8をヒステリシス付コンパレータ8aで構成することにより、フィルタ回路7から出力されるフィルタ出力にノイズ成分が残留する場合でも、ヒステリシス機能によってノイズ成分の影響を確実に除去した矩形波電圧Vcを形成することができる。
このように、第1の実施形態によると、励磁コイル4に矩形波電圧Vaを印加することにより、励磁コイル4に、測定電流に応じてインダクタンスが消失することによるデューティ比変化を生じさせる励磁電流Iexを供給し、この励磁電流Iexのデューティ比の変化を、電流−電圧変換回路6、フィルタ回路7、二値化回路8及び第1電流検知回路9を設けるだけの簡易な構成で、磁気コア3を貫通する導線2に流入する微小検出電流を広範囲に確実に検知することができ、低コスト化を図ることができる。このとき、磁気コア3は1つ設けるだけでよいので、特許文献1に記載された従来例のように磁気コアを2つ設ける必要がなく、磁気コアの材料特性の違いによりS/N比が低下することがなく、微小検出電流を高精度で検知することができる。また、電流検知装置を1つの磁気コアと1つの励磁コイルとで構成できるので、小型、低コスト化が可能となる。さらに磁気センサ等を使用しないので、堅牢で、周囲環境条件により影響を受けることが少ない電流検知装置を提供することができる。
また、励磁コイル4の励磁電流Iexの、インダクタンスが消失することによるデューティ比変化を検出することにより、導線2に流入する検出電流Cの検知を行うために必要な、二値化回路8による励磁電圧から矩形波電圧を発生する際に、フィルタ回路7により不要なノイズ成分を除去した信号を二値化している。
このため、特許文献2に記載された従来例のように電流−電圧変換回路の出力電圧を直接コンパレータに供給した場合にはコンパレータが高周波ノイズによって誤動作することになるが、本実施形態では、電流−電圧変換回路6の出力電圧をフィルタ回路7に供給して高周波ノイズを除去することができる。そのため誤動作を確実に防止して、高精度な電流検知を行うことができる。
しかも、励磁コイル4に印加する矩形波電圧の周波数を選択可能に構成することにより、検出電流に応じた周波数を選択することが可能となり、広い電流範囲の電流検知が可能となる。この場合には、図2に示す励磁回路5を構成するコンデンサ5eと並列に異なる容量のコンデンサをスイッチで選択可能に接続することでコンデンサの容量を選択することにより発振周波数が選択可能となる。コンデンサの容量を変更する場合に代えて分圧抵抗5c及び5dの少なくとも何れか一方と並列に抵抗値の異なる抵抗を同様にスイッチで選択可能に接続するようにしてもよく、さらにはコンデンサの容量及び抵抗の抵抗値の双方を変更するようにしてもよい。
なお、上記第1の実施形態においては、励磁回路5として無安定マルチバイブレータを構成する発振回路を適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、励磁コイル4に矩形波電圧を印加可能な発振回路であれば、任意の発振回路を適用することができる。
次に、本発明の一態様である電流検知装置1の第2の実施形態について図9〜図13を伴って説明する。
この第2の実施形態では、導線2に過大電流が流入した場合に、この過大電流を検知する回路構成を付加したものである。
すなわち、第2の実施形態では、前述した第1の実施形態における第1電流検知回路9が、図10に示すように、絶対値回路9bから出力される測定電圧Vdを比較回路9cに供給して電流検知閾値Vref1と比較し、測定電圧Vdが電流検知閾値Vref1以上であるときにハイレベルとなる電流検知信号Saを出力するように構成されている。
また、図9に示すように、電流検知装置1は、電流−電圧変換回路6から出力される励磁電圧Vbが入力される過大電流検知部10を備えている。この過大電流検知部10は、励磁電圧Vbを全波整流した全波整流値を形成する全波整流値形成回路11と、この全波整流値形成回路11から出力される全波整流値が入力されて過大電流を検知する第2電流検知部としての第2電流検知回路12とを備えている。
全波整流値形成回路11は、図11に示すように、電流−電圧変換回路6から出力される励磁電圧Vbが入力されてこの励磁電圧Vbを絶対値化する絶対値回路11aと、この絶対値回路11aから出力される絶対値電圧を積分して平均化し全波整流電圧Veとして出力する積分回路11bとを備えている。
第2電流検知回路12は、図12に示すように、全波整流値形成回路11の積分回路11bから出力される全波整流電圧Veが入力される比較器12aで構成されている。この比較器12aは、例えばオペアンプで構成され、全波整流値形成回路11から出力される全波整流電圧Veが非反転入力側に入力され、反転入力側に分圧抵抗12b及び12cによって分圧された過大電流閾値Vref2が入力され、全波整流電圧Veが過大電流閾値Vref2以上となったときに、ハイレベルの過大電流検知信号Sbを出力する。
そして、第1電流検知回路9から出力される電流検知信号Sa及び第2電流検知回路12から出力される過大電流検知信号Sbが論理和回路13に供給される。この論理和回路13は、図13に示すように、第1電流検知回路9から出力される電流検知信号Saが入力されるダイオード13aと、第2電流検知回路12から出力される過大電流検知信号Sbが入力されるダイオード13bとを有する。両ダイオード13a及び13bのカソードは互いに接続され、その接続点とグランドとの間に抵抗13cが接続され、この抵抗13cの端子電圧が電流検知信号Scとして出力される。
この第2の実施形態によると、第1電流検知回路9では、前述した第1の実施形態と同様に、絶対値回路9bから導線2に流入する検出電流に応じた測定電圧Vdが出力され、この測定電圧Vdが電流検知閾値Vref1以上となると比較回路9cからハイレベルの電流検知信号Saが出力され、これが論理和回路13を通じて電流検知信号Scとして出力される。この電流検知信号Scによって導線2に設定値(例えば20mA)以上の検出電流が流入していることを検知することができる。
この第1電流検知回路9で励磁電流Iexの急激な変化によるデューティ比に基づく電流検知を行っている状態では、電流−電圧変換回路6から出力される励磁電圧Vbが全波整流値形成回路11にも供給される。この状態では、励磁電流Iexが図4に示すように、測定電流値に応じてデューティ比が変化し、正負でパルス状に変化しながら繰り返す波形となるので、全波整流値形成回路11の絶対値回路11aで絶対値化したときの1周期分のパルス幅の合計値はデューティ比の変化にかかわらず一定値となるので、積分回路11bで積分して平均化したときに、正方向のパルス波高値の略半分の値となる。この積分回路11bから出力される全波整流電圧Veが第2電流検知回路12に供給されて比較器12aで過大電流閾値Vref2と比較されたときに、Ve<Vref2となり、比較器12aの出力はローレベルを維持する。
ところが、第1電流検知回路9では、磁気コア3のインダクタンスの飽和状態と消失状態との変化による励磁電流のデューティ比変化によって検出電流を検知するようにしているが、導線2に地絡時のように過大電流(例えば3A以上)が流入する状態となると磁気コア3が矩形波電圧の印加にかかわらず飽和状態となり、励磁電流変化が生じない状態となって第1電流検知回路9での電流検知が行えない状態となる。
この導線に過大電流が流入する状態では、励磁電流Iexが過大電流に比例する正値又は負値となり、電流−電圧変換回路6から出力される励磁電圧Vbも正値又は負値となる。
このため、全波整流値形成回路11の絶対値回路11aで絶対値化し、これを積分回路11bで積分したときに、積分回路11bの積分出力電圧は時間の経過とともに増加することになる。この積分出力電圧が第2電流検知回路12を構成する比較器12aに供給されるので、積分出力電圧が過大電流閾値Vref2以上となったときに比較器12aからハイレベルの過大電流検知信号Sbが出力される。この過大電流検知信号Sbが論理和回路13に供給されるので、この論理和回路13からハイレベルとなる電流検知信号Scが出力される。
このように、上記第2の実施形態によると、導線2に流入する検出電流が微小電流範囲であるときには、第1電流検知回路9の絶対値回路9bで励磁コイル4に流れる励磁電流Iexのデューティ比に応じた電流検知処理を行って電流検知閾値以上の検出電流を検知したときにハイレベルとなる電流検知信号Saが論理和回路13を介して出力される。
一方、導線2に流入する検出電流が過大電流であるときには、第2電流検知回路12によって過大電流閾値Vref2以上の過大電流を検知したときにハイレベルとなる過大電流検知信号Sbが論理和回路13を介して出力される。
したがって、第2の実施形態によれば、前述した第1の実施形態の構成に、全波整流値形成回路11、第2電流検知回路12及び論理和回路13を加えるだけで微小電流領域から過大電流領域までの広範囲の電流検知を行うことができる。
しかも、第1電流検知回路9及び第2電流検知回路12の出力側に比較器を配置して、設定電流値以上の検出電流が流入したときにハイレベルの電流検知信号を出力するようにしたので、簡易な構成で電流検知を正確に行うことができる。
なお、上記第2の実施形態においては、第1電流検知回路9及び第2電流検知回路12に比較器を設け、これら比較器の出力を論理和回路13に供給する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第1電流検知回路9の絶対値回路9bの測定電圧Vd及び過大電流検知部10の全波整流値形成回路11の全波整流電圧VeをA/D変換してマイクロコンピュータ等の演算処理装置に入力して検出電流値を表示するようにしてもよい。
次に、本発明の第3の実施形態について図14〜図19を伴って説明する。
この第3実施形態では、第1電流検知回路9に対する周囲環境の影響による測定値変動を抑制するようにしたものである。
すなわち、第3の実施形態では、図14に示すように、励磁回路5の出力側に電圧制限部としての電圧制限回路15を接続するとともに、第1電流検知回路9に温度変化による測定値変化を補正する温度補正部としての第1補正回路9dを設けるようにしている。
電圧制限回路15は、図15に示すように、前述した第1の実施形態における励磁回路5のオペアンプ5aの出力側とグランドとの間に接続されている。この電圧制限回路15は、通電方向が互いに逆方向となるようにアノード同士が互いに接続されたそれぞれツェナーダイオードで構成される第1定電圧ダイオード16及び第2定電圧ダイオード17で構成されている。ここで、第1定電圧ダイオード16及び第2定電圧ダイオード17は、第1定電圧ダイオード16のアノードが第2定電圧ダイオード17のアノードに接続されている。また、第1定電圧ダイオード16のカソードがオペアンプ5aの出力側に接続され、第2定電圧ダイオード17のカソードがグランドに接続されている。
この電圧制限回路15では、オペアンプ5aから出力される正負の矩形波電圧Vaの正側電圧及び負側電圧の振幅を正側リミット電圧及び負側リミット電圧間の振幅範囲に制限する正負リミッタ回路を構成している。ここで、正側リミット電圧及び負側リミット電圧は、励磁回路5の周囲温度の変化によって矩形波電圧に振幅変化が生じたときに、この振幅変化が出力端子toから出力される矩形波電圧Vaに影響を与えない値に設定されている。
また、第1補正回路9dは、図16に示すように、第1電流検知回路9の低域通過フィルタ9aと絶対値回路9bとの間に接続されている。この第1補正回路9dは、低域通過フィルタ9aのフィルタ出力が抵抗9eを介して反転入力側に供給されるオペアンプ9fと、このオペアンプ9fの出力側と反転入力側との間に接続された帰還抵抗9gと、オペアンプ9fの非反転入力側とグランドとの間に接続されたバイアス電流の影響を避ける抵抗9hと、抵抗9eと並列に接続された温度補償部としてのサーミスタ9iとで反転増幅器を構成している。
ここで、サーミスタ9iは、前述した励磁回路5に設けた電圧制限回路15を構成する第1定電圧ダイオード16及び第2定電圧ダイオード17が正の温度特性を有するので、これら第1定電圧ダイオード16及び第2定電圧ダイオード17の正の温度特性を補償するために負の特性すなわち温度の上昇に応じて抵抗値が減少する特性に設定されている。したがって、第1補正回路9dでは、抵抗9eと並列にサーミスタ9iが接続されているので、温度の上昇によってサーミスタ9iの抵抗が低下することにより、抵抗9e及びサーミスタ9iの合成抵抗Rsが減少し、増幅率が増加することにより、増幅出力である測定電圧Vdの低下を補償する。
この第3の実施形態によると、前述した第2の実施形態と同様に、第1電流検知回路9で微小電流領域の検出電流を検知し、第2電流検知回路12で過大電流領域の検出電流を検知することができる。
ところで、励磁回路5は、温度依存特性を有し、周囲温度が変化することで、矩形波電圧Vaが、図18(a)で点線図示のように、正側の電圧減少幅に比較して負側の電圧減少幅が大きくなる場合が生じる。このように、矩形波電圧Vaの正側及び負側で電圧減少幅が異なる場合には、第1電流検知回路9の低域通過フィルタ9aで平均化したときに、導線2に測定電流を生じた場合と同等の0より大きなフィルタ出力Vfが出力される。このフィルタ出力Vfを第1補正回路9dで反転増幅することにより、図18(b)に示すように、図17(a)に示す導線2に微小な検出電流Cが生じた場合の図17(b)に示す測定電圧Vdと同等の測定電圧Vdが出力されることになり、周囲温度変化による誤検知が発生してしまう。
しかしながら、本実施形態では、励磁回路5のオペアンプ5aの出力端子部とグランドとの間に電圧制限回路15が接続されている。この電圧制限回路15によって、励磁回路5の矩形波電圧Vaの正側及び負側の電圧が温度変化による変動幅分を除くように制限される。したがって、図18(a)に示すように、周囲温度の変化によってオペアンプ5aから出力される矩形波電圧Vaが振幅変動したとしても、その振幅変動分が矩形波電圧Vaに影響を与えない範囲で電圧制限が行われることになる。
このように、この電圧制限回路15の正負の制限電圧を小さく制限することにより、周囲温度の変化による電圧変動(振幅変動)分を除去することができるが、電圧制限回路15の制限電圧を小さくし過ぎると、導線2に流れる微小電流による励磁電圧Vbのデューティ比の変化による第1電流検知回路9の低域通過フィルタ9aのフィルタ出力の変化分が小さくなることから電流検出精度が低下することになる。
このため、電圧制限回路15の制限電圧は使用する周囲温度の範囲内の最大電圧変動幅の影響を受けないぎりぎりの電圧に設定することが好ましい。
しかしながら、電圧制限回路15を構成するツェナーダイオードで構成される第1定電圧ダイオード16及び第2定電圧ダイオード17自体も温度の上昇に伴って順方向電圧が上昇する温度依存特性を有することから、周囲温度が高くなるにつれて制限電圧も高くなり、周囲温度の上昇による電圧変動が矩形波電圧Vaに影響することになる。この矩形波電圧Vaの変動が第1電流検知回路9で測定電圧Vdの変動として現れ、誤検出の要因となる。
これに対して、本実施形態では、第1電流検知回路9の第1補正回路9dに温度の上昇に対して抵抗値が減少する負の抵抗特性を有するサーミスタ9iが抵抗9eと並列に介挿されている。周囲温度の上昇に応じてサーミスタ9iの抵抗値が減少することで、抵抗9eの抵抗値R5及びサーミスタ9iの抵抗値Rtの合成抵抗Rsが減少する。抵抗9hの抵抗値をR6としたときのオペアンプ9fの増幅率−R6/Rsが増加することになる。
したがって、第1補正回路9dで、電圧制限回路15を構成する第1定電圧ダイオード16及び第2定電圧ダイオード17の温度依存性による第1補正回路9dから出力される測定電圧Vdの減少を補償することができ、図19(b)に示すように正確な測定電圧Vdを得ることができる。
なお、上記第3の実施形態においては、第1補正回路9dとして反転増幅器を適用して励磁回路5から出力される矩形波電圧Vaのデューティ比の増加に対して測定電圧Vdが減少する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、反転増幅器の出力側に同様の反転増幅器を接続することにより、励磁回路5の矩形波電圧Vaのデューティ比の増加に応じて増加する測定電圧Vdを得ることができる。さらには、第1補正回路9dを非反転増幅器で構成することによっても、励磁回路5の矩形波電圧Vaのデューティ比の増加に応じて増加する測定電圧Vdを得ることができる。
また、上記第3の実施形態においては、電圧制限回路15として第1定電圧ダイオード16及び第2定電圧ダイオード17のアノード同士を接続した場合について説明したが、これに限定されるものではなくカソード同士を接続するようにしてもよい。
次に、本発明の第4の実施形態について図20を伴って説明する。
この第4実施形態では、励磁回路5で発生する矩形波電圧の、周囲環境の影響による変動を抑制するようにしたものである。
すなわち、第4の実施形態では、図20に示すように、第1の実施形態における励磁回路5において、さらに電流増幅部としての電流増幅回路5fを設けるようにしている。電流増幅回路5fは、オペアンプ5aの出力側に設けられ、オペアンプ5aの出力を増幅し矩形波電圧Vaとして出力する。つまり、オペアンプ5a、帰還抵抗5b、分圧抵抗5c及び5d、コンデンサ5eからなる矩形波電圧を発生する発振回路5oscの出力を、電流増幅回路5fで増幅するようにしている。
電流増幅回路5fは、直列に接続されて電源及びグランド間に接続されるnチャネルMOSFET51及びpチャネルMOSFET52から構成され、nチャネルMOSFET51のソースとpチャネルMOSFET52のソースとが接続される。nチャネルMOSFET51のゲート及びpチャネルMOSFET52のゲートには、オペアンプ5aの出力側が接続される。また、nチャネルMOSFET51とpチャネルMOSFET52との接続点が励磁コイル4の一端に接続される。
なお、電流増幅部5fから出力される矩形波電圧Vaは、前記(1)式で表される、発振回路5oscの出力の発振周波数fと同一であり、電流増幅部5fは、発振周波数は同一で、励磁コイル4に対して、より大きな励磁電流を供給し得る矩形波電圧Vaを出力することができる。
この第4の実施形態によると、オペアンプ5aから出力される矩形波電圧は、電流増幅回路5fに入力され、nチャネルMOSFET51及びpチャネルMOSFET52のゲートに供給され、正負の矩形波電圧に応じてnチャネルMOSFET51及びpチャネルMOSFET52が交互にオンオフし、オンオフ動作に応じて正負に切り替わるパルス電圧が矩形波電圧Vaとして励磁コイル4の一端に供給される。
このように、励磁回路5では、発振回路5oscの出力は、nチャネルMOSFET51及びpチャネルMOSFET52のゲート信号として用いられ、電流増幅回路5fの出力が矩形波電圧Vaとして励磁コイル4に供給される。そのため、温度環境の変化等の影響により、発振回路5oscの出力に電圧変動等が生じたとしても、発振回路5oscの出力は電流増幅回路5fにより電圧変動等による影響分が除去された後、矩形波電圧Vaとして励磁コイル4に供給される。したがって、電流増幅回路5fを設けることにより、温度による電圧変動等の不安定要因を低減することができ、すなわち周囲環境の影響を受けることを回避し、より高精度な電流測定を行うことができる。
また、電流増幅回路5fを設けることで、所望の励磁電流が得られるように調整することができるため、励磁電流の制約を少なくすることができる。そのため、磁気コア3の巻数選定の自由度を高めることができる。
なお、上記第4の実施形態においては、nチャネルMOSFET51とpチャネルMOSFET52とを用いて電流増幅回路5fを構成した場合について説明したが、これに限るものではない。例えばバイポーラトランジスタを用いて電流増幅回路5fを構成することも可能である。
また、上記第4の実施形態では、第1の実施形態において、さらに電流増幅回路5fを設けた場合について説明したが、第2の実施形態、また、第3の実施形態において、電流増幅回路5fを設けることも可能である。
次に、本発明の第5の実施形態について、図21〜図23を伴って説明する。
この第5実施形態では、第4実施形態において、二値化回路8から出力される矩形波電圧Vcの、周囲環境の影響による変動を抑制するようにしたものである。
第5の実施形態では、図21に示すように、第1電流検知回路9は、低域通過フィルタ9aと、絶対値回路9bとの間に、周囲環境の影響による低域通過フィルタ9aの出力である矩形波電圧Vcの変化を補正する第2補正回路9jを設けるようにしている。
第2補正回路9jは、図22に示すように、分圧抵抗61及び62と、分圧抵抗61と分圧抵抗62との間に設けられたダイオード63と、差動回路64と、を備える。
ダイオード63は、例えばツェナーダイオードで構成され、ダイオード63のアノードが高電位側の分圧抵抗61に接続され、カソードが分圧抵抗62に接続される。
差動回路64は、低域通過フィルタ9aの出力側とグランドとの間に設けられる分圧抵抗65及び66と、分圧抵抗65及び66の接続点が非反転入力側に入力されるオペアンプ67と、オペアンプ67の出力側とダイオード63及び抵抗62の接続点との間に直列に接続した抵抗68及び69を備える。抵抗68と69の接続点がオペアンプ67の反転入力側に接続される。
つまり、第2補正回路9jは、差動回路64によって、低域通過フィルタ9aの出力である矩形波電圧Vcと周囲環境の変化に伴うダイオード63の出力特性の変動分との差分をとることにより、矩形波電圧Vcから周囲環境の変化に伴う変動成分を除去し、これを絶対値回路9bに出力する。
この第5実施形態では、前述した第4実施形態と同様に、周囲温度が変化した場合でも、矩形波電圧Vaの変動を抑制することができる。さらに、第5実施形態では、第1電流検知回路9の低域通過フィルタ9aの出力側に第2補正回路9jを設け、周囲環境の変化による矩形波電圧Vcの変化を抑制するため、周囲環境の影響を受けることなく微小電流検知を行うことができ、すなわち高精度な電流測定を行うことができる。
また、抵抗65、66、68、69と、オペアンプ67からなる差動回路64と、抵抗61、62及びダイオード63とを備えた簡易な構成で、第2補正回路9jを実現することができる。
なお、上記第5の実施形態においては、図22に示すように、ダイオード63を用いて矩形波電圧Vcを補正する場合について説明したが、これに限るものではなく、例えば、図23に示すように、サーミスタ70を用いて矩形波電圧Vcを補正するようにしてもよい。つまり、図22において、直列に接続された分圧抵抗61、ダイオード63及び分圧抵抗62に変えて、サーミスタ70を高電位側として、直列に接続されたサーミスタ70と抵抗71とを電源及びグランド間に接続し、サーミスタ70と抵抗71との接続点と、差動回路64の抵抗68の一端とを接続する。
図23に示す構成とした場合であっても、ダイオード63を用いた第2補正回路9jと同等の作用効果を得ることができる。
なお、上記第1〜第5の実施形態においては、電流−電圧変換回路6の出力側に接続したフィルタ回路7を二次の低域通過フィルタで構成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、一次の低域通過フィルタで構成したり、必要な信号成分のみを通過させる帯域通過フィルタで構成したりしてもよい。
また、上記第1〜第5の実施形態においては、磁気コア3内に1本の導線2を挿通して導線2に流れる電流を検知する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、磁気コア3内に互いに微小な差電流を生じる2本の導線を挿通して微小な差電流を検出することもできる。
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例又は実施形態も網羅すると解すべきである。
1…電流検知装置、2…導線、3…磁気コア、4…励磁コイル、5…励磁回路、6…電流−電圧変換回路、7…フィルタ回路、8…二値化回路、9…第1電流検知回路、10…過大電流検知部、11…全波整流値形成回路、12…第2電流検知回路、15…電圧制限回路

Claims (19)

  1. 検出電流が流入し得る導線を囲む磁気コアに、電気的に絶縁し磁気的に結合するように巻回した励磁コイルと、
    矩形波電圧を印加して前記磁気コアを飽和状態又はその近傍の状態にする励磁電流を前記励磁コイルに供給する励磁部と、
    前記励磁コイルに流れる励磁電流を、電圧に変換して出力する電流−電圧変換部と、
    該電流−電圧変換部から出力される出力電圧の大きさが変化するタイミングに基づいて矩形波電圧に変換する二値化部と、
    該二値化部から出力される矩形波電圧に基づいて前記検出電流の流入を検知する第1電流検知部と、
    前記電流−電圧変換部から出力される電圧の全波整流値を出力する全波整流値形成部と、
    該全波整流値形成部の全波整流値に基づいて前記検出電流の流入を検知する第2電流検知部と
    を備えたことを特徴とする電流検知装置。
  2. 前記第1電流検知部及び前記第2電流検知部からそれぞれ前記検出電流の流入を検知した際に出力される第1電流検知信号及び第2電流検知信号が入力され、当該第1電流検知信号及び第2電流検知信号の論理和信号を出力する論理和回路をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の電流検知装置。
  3. 前記全波整流値形成部は、前記電流−電圧変換部から出力される電圧を絶対値化する絶対値回路と、該絶対値回路の絶対値出力を積分する積分回路とで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電流検知装置。
  4. 検出電流が流入し得る導線を囲む磁気コアに、電気的に絶縁し磁気的に結合するように巻回した励磁コイルと、
    矩形波電圧を印加して前記磁気コアを飽和状態又はその近傍の状態にする励磁電流を前記励磁コイルに供給する励磁部と、
    前記励磁コイルに流れる励磁電流を、電圧に変換して出力する電流−電圧変換部と、
    該電流−電圧変換部から出力される電圧に重畳するノイズ成分を除去するフィルタ部と、
    該フィルタ部から出力される出力電圧の大きさが変化するタイミングに基づいて矩形波電圧に変換する二値化部と、
    該二値化部から出力される矩形波電圧に基づいて前記検出電流の流入を検知する第1電流検知部と
    を備えたことを特徴とする電流検知装置。
  5. 前記フィルタ部は、ノイズ周波数成分を遮断する低域通過フィルタで構成されていることを特徴とする請求項4に記載の電流検知装置。
  6. 前記励磁部は、前記矩形波電圧を発生する発振回路で構成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の電流検知装置。
  7. 前記励磁部は、前記発振回路で発生する矩形波電圧の振幅を制限する電圧制限部を備えていることを特徴とする請求項6に記載の電流検知装置。
  8. 前記電圧制限部は、前記発振回路の出力側とグランドとの間に接続された定電圧ダイオードで構成されていることを特徴とする請求項7に記載の電流検知装置。
  9. 前記励磁部から出力される前記矩形波電圧を入力し前記励磁コイルに供給する前記励磁電流を増幅する電流増幅部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の電流検知装置。
  10. 前記電流増幅部は、スイッチング素子を含むことを特徴とする請求項9に記載の電流検知装置。
  11. 前記スイッチング素子は、MOSFETであることを特徴とする請求項10に記載の電流検知装置。
  12. 前記電流−電圧変換部は、シャント抵抗で構成されていることを特徴とする請求項1から11の何れか1項に記載の電流検知装置。
  13. 前記二値化部は、閾値電圧が入力された比較器で構成されていることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の電流検知装置。
  14. 前記第1電流検知部は、前記矩形波電圧のデューティ比を検知して前記検出電流に応じた検知信号を出力することを特徴とする請求項1から13の何れか1項に記載の電流検知装置。
  15. 前記第1電流検知部は、前記二値化部から出力される矩形波電圧の温度補正を行う温度補正部を備えていることを特徴とする請求項1から14の何れか1項に記載の電流検知装置。
  16. 前記温度補正部は、周囲温度によって抵抗値が変化するサーミスタを備えていることを特徴とする請求項15に記載の電流検知装置。
  17. 前記温度補正部は、ダイオードと差動回路とを備えることを特徴とする請求項15に記載の電流検知装置。
  18. 前記温度補正部は、前記サーミスタを含む反転増幅器で構成されていることを特徴とする請求項16に記載の電流検知装置。
  19. 前記温度補正部は、前記サーミスタと差動回路とを備えることを特徴とする請求項16に記載の電流検知装置。
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