JP2016194267A - エンジン始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの始動時において、無駄なスイングバック制御を防止するエンジン始動制御装置を提供する。【解決手段】吸気行程、圧縮行程、燃焼行程及び排気行程の4行程を繰り返し実行する4サイクルエンジンのエンジン始動制御装置であって、エンジンの角速度を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記エンジンの回転に同期した複数の位相を有する行程判別信号を生成する信号生成部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記エンジンの上記燃焼行程に対応した前記行程判別信号の前記位相を特定する行程決定部と、前記特定された前記行程判別信号の前記位相を基準として前記行程判別信号によって示される前記エンジンの行程が前記吸気行程又は前記圧縮行程であるか否か判別し、判別の結果に基づいて前記エンジンの始動形式を切り替える制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン始動制御装置に関するものである。
一般に、エンジンを始動する際に、エンジンのピストンの位置が圧縮行程にある場合、シリンダ内の空気が圧縮されているため、シリンダ内の空気圧に抗してピストンが圧縮行程を乗り越えられず、エンジンの始動が困難になる場合がある。
このようなエンジンの始動性を改善するための技術として所謂スイングバック制御が知られている。スイングバック制御によれば、エンジンを始動する際のエンジンのピストンの位置が圧縮行程にあるか否かに関わらず、ピストンを所定の位置(例えば、下死点)まで逆転駆動して、圧縮上死点までの助走距離を長くする。これにより、エンジン始動時にピストンが慣性力を利用して圧縮上死点を乗り越えることができ、エンジンの始動性を改善することができる。
特開2002−332938号公報
しかしながら、従来の方式では、ピストンの位置に無関係にスイングバック制御を実施するため、始動時のエンジンのピストンの位置がスイングバッグ制御を実施する必要がない行程にある場合でもスイングバック制御を実施してしまう。したがって、エンジンの始動に無駄な時間を要する場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、エンジンの始動時において、無駄なスイングバック制御を防止するエンジン始動制御装置を提供することである。
本発明の一態様は、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程及び排気行程の4行程を繰り返し実行する4サイクルエンジンのエンジン始動制御装置であって、エンジンの角速度を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記エンジンの回転に同期した複数の位相を有する行程判別信号を生成する信号生成部と、前記検出部の検出結果に基づいて前記エンジンの上記燃焼行程に対応した前記行程判別信号の前記位相を特定する行程決定部と、前記特定された前記行程判別信号の前記位相を基準として前記行程判別信号によって示される前記エンジンの行程が前記吸気行程又は前記圧縮行程であるか否か判別し、判別の結果に基づいて前記エンジンの始動形式を切り替える制御部と、を備えたエンジン始動制御装置である。
また、本発明の一態様は、上述のエンジン始動制御装置であって、前記行程決定部は、前記検出部の検出結果から求められる前記角速度が所定の閾値を超えたときの前記行程判別信号の前記位相を前記エンジンの燃焼行程に対応させ、前記燃焼行程に対応する前記行程判別信号の前記位相を基準として前記行程判別信号のそれぞれの前記位相と前記エンジンの行程との間の対応関係を決定する。
また、本発明の一態様は、上述のエンジン始動制御装置であって、前記エンジンの回転方向を検出する回転方向検出部を有し、前記行程決定部は、前記回転方向から前記エンジンが正転又は逆転しているか判定し、逆転していると判定した場合には、前記エンジンの正転時と比較して前記行程判別信号の位相を反転する。
また、本発明の一態様は、上述のエンジン始動制御装置であって、前記信号生成部に電源を供給する電源部と、前記電源部が接続されたことを検出した場合に前記制御部に第1制御信号を出力する電源検出部と、有し、前記行程決定部は、前記第1制御信号を取得した場合に前記エンジンの行程の判別を開始し、前記エンジンの行程の判別が終了すると前記電源検出部に第2制御信号を出力し、前記電源検出部は、前記第2制御信号を取得すると、前記第1制御信号の出力を停止する。
また、本発明の一態様は、上述のエンジン始動制御装置であって、前記制御部は、前記エンジンの行程の判別が終了した後、前記対応関係と現在の前記行程判別信号の前記位相とを比較することで現在の前記エンジンの行程を判別し、現在の前記エンジンの行程が前記吸気行程又は前記圧縮行程である場合には前記エンジンをスイングバック始動させ、現在の前記エンジンの行程が前記燃焼行程又は前記排気行程である場合には前記エンジンを正転始動させる。
また、本発明の一態様は、上述のエンジン始動制御装置であって、前記制御部は、現在の前記エンジンの行程が前記圧縮行程である場合、前記エンジンの冷却水の温度に基づいて、前記エンジンを前記正転始動させる。
以上説明したように、本発明によれば、エンジンの始動時において、無駄なスイングバック制御を防止するエンジン始動制御装置を提供することができる。
第1の実施形態におけるエンジン始動制御装置1を適用した車両の動力発生システム100の全体構成を示す図である。 第1の実施形態における検出部7の取り付け位置を示す図である。 第1の実施形態におけるエンジン始動制御装置1の概略構成図である。 第1の実施形態における信号生成部112が生成する行程判別信号を説明する図である。 第1の実施形態における行程決定部124の行程判別処理を説明する図である。 第1の実施形態におけるエンジン始動制御装置1の行程判定処理のフローチャートを示す図である。 第1の実施形態におけるエンジン始動制御装置1の始動処理のフローチャートを示す図である。 第2の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Aを適用した車両の動力発生システム100Aの全体構成を示す図である。 第2の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Aの概略構成図である。 第2の実施形態における行程決定部124Aの行程判別処理を説明する図である。 第2の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Aの行程判定処理のフローチャートを示す図である。 第2の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Aの始動処理のフローチャートを示す図である。 第3の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Bを適用した車両の動力発生システム100Bの全体構成を示す図である。 第3の実施形態における検出部7Bの取り付け位置を示す図である。 第3の実施形態における検出部7Bの取り付け位置の他の例を示す図である。 第3の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Bの概略構成図である。 第3の実施形態における信号生成部112Bが生成する行程判別信号を説明する図である。 第3の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Bの行程判定処理のフローチャートを示す図である。 第4の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Cを適用した車両の動力発生システム100Cの全体構成を示す図である。 第4の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Cの概略構成図である。 第4の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Cの行程判定処理のフローチャートを示す図である。 第4の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Cの始動処理のフローチャートを示す図である。
本発明の実施形態におけるエンジン始動制御装置は、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程及び排気行程の4行程を繰り替し実行する4サイクルエンジンの始動制御装置である。本実施形態におけるエンジン始動制御装置は、検出部、信号生成部、行程決定部及び制御部を備える。検出部は、エンジンの角速度を検出する。信号生成部は、検出部の検出結果に基づいてエンジンの回転に同期した複数の位相を有する信号を生成する。行程決定部は、検出部の検出結果に基づいてエンジンの燃焼行程に対応した信号の位相を特定する。制御部は、特定された信号の位相を基準として信号によって示されるエンジンの行程が吸気行程又は圧縮行程であるかを判別し、判別の結果に基づいてエンジンの始動形式を切り替える。ただし、エンジンの燃焼行程に対応した信号の位相を特定していない場合には、エンジン始動制御装置1は、スイングバック制御による始動(スイングバック始動)を実施しエンジンの燃焼行程に対応した信号の位相を特定する。そして、エンジンの燃焼行程に対応した信号の位相の特定が完了している場合には、エンジン始動制御装置1は、特定された信号の位相を基準として信号によって示されるエンジンの行程が吸気行程又は圧縮行程であるかを判別し、判別の結果に基づいてスイングバック始動又は正転始動を実施する。
以下、本発明の実施形態におけるエンジン始動制御装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施形態におけるエンジン始動制御装置は、始動制御するエンジンが搭載される動力発生システムには限定されないが、以下に示す実施形態では例として自動二輪に搭載されるエンジンのエンジン始動制御装置について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるエンジン始動制御装置1を適用した車両の動力発生システム100の全体構成を示す図である。
車両の動力発生システム100は、エンジン始動制御装置1、イグニッションスイッチ2、セルスタータスイッチ3、モータ4、エンジン5、クランクシャフト6、検出部7及び電源部8を備えている。
エンジン始動制御装置1は、例えば三相交流電動機であるモータ4を用いてエンジン5を始動する。エンジン5は、例えば4サイクル単気筒型の内燃機関であり、図示しない動力システム(例えば自動二輪車)に搭載されることで、動力発生システムの動力源として機能する。
イグニッションスイッチ2は、一端が電源部8の+側に接続され、他端がエンジン始動制御装置1に接続されている。イグニッションスイッチ2は、エンジン始動制御装置1に電源部8の電力を供給するためのスイッチである。例えば、イグニッションスイッチ2は、乗員により操作されるとオン状態となる。イグニッションスイッチ2がオン状態となると、エンジン始動制御装置1の制御部20(後述)は電源部8の電力が供給され作動する。
セルスタータスイッチ3は、エンジン5を始動させるためのスイッチである。例えば、乗員によりセルスタータスイッチ3が操作されると、セルスタータスイッチ3は、エンジン始動制御装置1にセルスイッチ信号を出力する。エンジン始動制御装置1は、セルスイッチ信号に基づいてモータ4を駆動することでエンジン5を始動する。
モータ4は、エンジン5の始動時においてはスタータモータとして機能する。モータ4には、エンジン5のクランクシャフト6が連結されている。モータ4は、エンジン始動制御装置1の駆動信号に基づいて回転する。回転することで発生するモータ4の回転トルクは、エンジン5のクランクシャフト6に与えられことで、エンジン5が駆動される。
エンジン5は、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程及び排気行程の4行程を繰り返し実行する4サイクルエンジンである。クランクシャフト6が2回転する間に、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程及び排気行程の4行程が行われる。すなわち、クランクシャフト6が1回転する間に吸気行程及び圧縮行程(以下、「第1の行程」という。)が実行され、次のクランクシャフト6の1回転で燃焼行程及び排気行程(以下、「第2の行程」という。)が実行される。
図2は、第1の実施形態における検出部7の取り付け位置を示す図である。図2(a)は、第1の実施形態におけるクランクシャフト6の断面図を示す。図2(b)は、第1の実施形態におけるクランクシャフト6の側面図を示す。
クランクシャフト6には、マグネット60が側壁外周に固着されている。マグネット60は、N極のマグネット61とS極のマグネット62とを備える。例えば、図2に示すようにN極のマグネット61とS極のマグネット62とがクランクシャフト6の側壁外周に固着されている。具体的には、クランクシャフト6の側壁外周の面を2等分に区画し、一方の区画された側壁外周の面にはN極のマグネット61が固着され、他方の区画された側壁外周の面にはS極のマグネット62が固着されている。すなわち、クランクシャフト6の回転角度180°毎にマグネット61のN極面とマグネット62のS極面とが交互に切り替わるようにマグネット60がクランクシャフト6の側壁外周に固着されている。
検出部7は、エンジン5の角速度を検出する。例えば、検出部7は、クランクシャフト6に固着されたマグネット60の磁界の切り替わりを検出することによりクランクシャフト6の回転角度(クランク角)を検出する。検出部7は、クランクシャフト6のクランク角を検出することにより、エンジン5の角速度を検出する。
検出部7は、クランクシャフト6の回転の軸方向から見たときに、クランクシャフト6のクランク角にして互いに90°ずれた位置に配置される2個のホール素子である第1検出部7−1及び第2検出部7−2を備えている。
第1検出部7−1及び第2検出部7−2は、クランクシャフト6の外周面に対向配置され、マグネット60の磁束の切り替わりを検出する。第1検出部7−1は、マグネット60の磁束の切り替わりを検出すると、A相パルス信号である電気信号を出力する。第2検出部7−2は、マグネット60の磁束の切り替わりを検出すると、B相パルス信号である電気信号を出力する。このように、第1検出部7−1及び第2検出部7−2は、マグネット60が直前を通過するように配置されている。したがって、モータ4によってクランクシャフト6が回転すると、第1検出部7−1又は第2検出部7−2は、クランクシャフト6の回転に伴ってマグネット60の切り替わり部分が前面を通過する毎にパルス信号(A相パルス信号又はB相パルス信号)を出力する。なお、マグネット60の切り替わり部分とは、N極のマグネット61とS極のマグネット62との接合部分である。
電源部8は、エンジン始動制御装置1に電力を供給する。例えば、電源部8はバッテリである。
図3は、第1の実施形態におけるエンジン始動制御装置1の概略構成図である。エンジン始動制御装置1は、行程判別部10及び制御部20を備える。
行程判別部10は、電源検出部110、回転方向検出部111、信号生成部112、第1判定部121、出力部122、角速度判定部123及び行程決定部124を備える。
電源検出部110は、電源部8が行程判別部10に接続されたことを検出する。電源検出部110は、電源部8が接続されたことを検出した場合に、第1判定部121に第1制御信号を出力する。例えば、第1制御信号はロウレベルの信号である。電源検出部110は、出力部122から供給される第2制御信号を取得した場合、第1制御信号の出力を停止し、第1判定部121に第3制御信号を出力する。例えば、第3制御信号は、ハイレベルの信号である。第1制御信号は、行程判別部10によるエンジン5の行程判別処理が完了していないことを示す信号である。第2制御信号は、行程判別部10によるエンジン5の行程判別処理が完了している場合に、出力部122から電源検出部110に出力される信号である。したがって、第1制御信号の出力が停止され第1判定部121に第3制御信号が出力されることは、行程判別部10によるエンジン5の行程判別処理が完了していることを示す。行程判別部10によるエンジン5の行程判別処理とは、エンジン5の行程が第1の行程又は第2の行程のいずれかの行程であるかを判別する処理である。なお、行程判別処理の判別結果はエンジン始動制御装置1の不揮発性メモリに記憶される。したがって、行程判別部10と電源部8との接続が解除されると、判定処理動作(後述する)が停止するため、不揮発メモリに記憶されている上記判別結果は無効となる。このため、電源検出部110は、電源部8が接続されたことを検出した場合に、第1判定部121に第1制御信号を出力する。エンジン始動制御装置1は、電源部8が接続されてから最初のエンジン5の始動では、スイングバック始動を実施し行程判別処理を行う。行程判別処理が完了した後、電源部8が行程判別部10に接続されていれば、行程判別部10は、行程判別処理の判別結果に基づいて、現在のエンジン5の行程が第1の行程であるのか否かを判定する判定処理を一定周期毎に実行する。エンジン始動制御装置1は、行程判別処理が完了してからのエンジン5の始動(電源部8が接続されてから2回目以降のエンジン5の始動)では、行程判別処理の判別結果に基づいてスイングバック始動又は正転始動を実施する。
回転方向検出部111は、第1検出部7−1からA相パルス信号を取得する。回転方向検出部111は、第2検出部7−2からB相パルス信号を取得する。回転方向検出部111は、A相パルス信号の位相及びB相パルス信号の位相に基づいてエンジン5の回転方向を検出する。回転方向検出部111は、判定した回転方向を示す信号を信号生成部112に出力する。なお、回転方向検出部111は、エンジン5の回転方向が正転方向である場合、ロウレベルの回転方向を示す信号を信号生成部112に出力する。一方、回転方向検出部111は、エンジン5の回転方向が逆転方向である場合、ハイレベルの回転方向を示す信号を信号生成部112に出力する。
信号生成部112は、第1検出部7−1からA相パルス信号を取得する。信号生成部112は、第1検出部7−1の検出結果に基づいてエンジン5の回転に同期した行程判別信号を生成する。図4は、本実施形態における信号生成部112が生成する行程判別信号を説明する図である。
図4に示すように、例えば信号生成部112は、回転方向を示す信号がロウレベルである場合、A相パルス信号の立ち上がりエッジに基づいてハイレベルの行程判別信号を生成する。そして、信号生成部112は、次のA相パルス信号の立ち上がりエッジに基づいてロウレベルの行程判別信号を生成する。このように、信号生成部112は、A相パルス信号の立ち上がりエッジを取得する毎にハイレベルとロウレベルとの行程判別信号を交互に出力する。
一方、信号生成部112は、回転方向を示す信号がハイレベルである場合、A相パルス信号の立ち下がりエッジに基づいて行程判別信号の位相を反転させる。例えば、信号生成部112は、回転方向を示す信号がハイレベルである場合、A相パルス信号の立ち下がりエッジに基づいてハイレベルである行程判別信号をロウレベルにする。そして、信号生成部112は、次のA相パルス信号の立ち下がりエッジに基づいてハイレベルの行程判別信号を生成する。信号生成部112は、生成した行程判別信号を行程決定部124に出力する。
第1判定部121は、電源検出部110から供給される第1制御信号を取得すると、エンジン5の行程判別処理を実施していないことを示す第1判別処理信号を出力部122及び制御部20に出力する。一方、第1判定部121は、電源検出部110から第3制御信号を取得すると、エンジン5の行程判別処理が実施済みであることを示す第2判別処理信号を出力部122及び制御部20に出力する。
出力部122は、第1判定部121から供給された第1判別処理信号を取得した場合、行程判別処理を実施させる行程判別処理信号を行程決定部124に出力する。出力部122は、第1判定部121又は行程決定部124から第2判別処理信号を取得した場合、電源検出部110に第2制御信号を出力する。
角速度判定部123は、第1検出部7−1からA相パルス信号を取得する。角速度判定部123は、第2検出部7−2からB相パルス信号を取得する。角速度判定部123は、A相パルス信号及びB相パルス信号に基づいて角速度を算出する。角速度判定部123は、算出した角速度が所定の閾値を超えた場合、行程決定部124に第4制御信号を出力する。燃焼行程のときの角速度は、他の3行程(吸気行程、圧縮行程及び排気行程)のときの角速度よりも高い。上記閾値は、燃焼行程のとき角速度未満であり、吸気行程、圧縮行程又は排気行程の角速度よりも高い値である。したがって、角速度が上記閾値を超えた時点のエンジンの行程は、燃焼行程となる。
行程決定部124は、出力部122から行程判別処理信号を取得し、且つモータ4がスイングバック始動した場合、上記行程判別処理を実施する。
行程決定部124は、信号生成部112から供給される行程判別信号を取得する。行程決定部124は、角速度判定部123から供給される第4制御信号を取得する。行程決定部124は、行程判別信号及び第4制御信号に基づいてエンジン5の行程を決定する。具体的には、行程決定部124は、第4制御信号を取得した際の行程判別信号の位相をエンジン5の燃焼行程に対応させる。行程決定部124は、エンジン5の燃焼行程に対応させた行程判別信号の位相を基準として、行程判別信号の位相とエンジン5の行程との間の関係を決定する。図5は、本実施形態における行程決定部124の行程判別処理を説明する図である。行程決定部124は、第4制御信号を取得したときの行程判別信号の電圧レベルとエンジン5の第2の行程とを対応させる。したがって、図5に示すように、行程決定部124は、行程判別信号がハイレベルのときが燃焼行程を含む第2の行程であり、行程判別信号がロウレベルのときが第1の行程であると決定する。行程決定部124は、決定した行程判別信号の電圧レベルと第1の行程又は第2の行程との対応関係を制御部20の記憶部211(後述する)に記憶する。行程決定部124は、上記対応関係を記憶部211に記憶させると、出力部122に第2判別処理信号を出力する。
また、行程判別部10は、行程判別処理が完了した後、電源部8が行程判別部10に接続されていれば、行程判別処理の判別結果に基づいて、現在のエンジン5の行程が第1の行程であるのか否かを判定する判定処理を一定周期毎に実行する。これにより、行程判別部10は、行程判別処理が完了した後、エンジン5が停止している自動二輪を乗車者が手押しでバックさせる等動かした場合でも、現在のエンジン5の行程を常に判定することができる。
図3に戻り、制御部20は、第2判定部210、記憶部211及び駆動制御部212を備える。
第2判定部210は、第1判定部121から供給される第1判別処理信号を取得した場合、駆動制御部212に第1駆動信号を出力する。第1駆動信号は、モータ4に対してスイングバック制御をさせることを指示する信号である。
第2判定部210は、第1判定部121から供給される現在の第2判別処理信号を取得した場合、行程決定部124から行程判別信号を取得する。第2判定部210は、行程判別処理で決定した行程判別信号の電圧レベルと第1の行程又は第2の行程との対応関係を記憶部211から読み出す。第2判定部210は、読み出した対応関係と行程決定部124からリアルタイムで取得した行程判別信号とに基づいて、現在のエンジン5の行程が第1の行程であるか第2の行程であるかを判定する。例えば、第2判定部210は、リアルタイムで取得した行程判別信号がハイレベルであった場合、現在のエンジン5の行程が第2の行程であると判定する。一方、第2判定部210は、リアルタイムで取得した行程判別信号がロウレベルであった場合、現在のエンジン5の行程が第1の行程であると判定する。
第2判定部210は、現在のエンジン5の行程が第1の行程であると判定した場合、駆動制御部212に第1駆動信号を出力しモータ4をスイングバック始動させる。第2判定部210は、現在のエンジン5の行程が第2の行程であると判定した場合、駆動制御部212に第2駆動信号を出力しモータ4を正転始動させる。第2駆動信号は、モータ4に対して正転始動させることを指示する信号である。
駆動制御部212は、第1駆動信号を取得した場合、モータ4をスイングバック始動する。駆動制御部212は、第2駆動信号を取得した場合、モータ4を正転始動する。なお、実際には、セルスタータスイッチ3がオン状態になった場合(すなわちセルスイッチ信号を取得した場合)に、駆動制御部212は、第1駆動信号又は第2駆動信号に基づいてモータ4をスイングバック始動又は正転始動させる。
以下に、第1の実施形態におけるエンジン始動制御装置1の行程判定処理について説明する。図6は、第1の実施形態におけるエンジン始動制御装置1の行程判定処理のフローチャートを示す図である。
ステップS101において、エンジン始動制御装置1は、イグニッションスイッチ2がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1は、イグニッションスイッチ2がオン状態である場合、ステップS102の処理に移行する。エンジン始動制御装置1は、イグニッションスイッチ2がオン状態でない場合、再度ステップS101の処理を実行する。
ステップS102において、第1判定部121は、電源検出部110から供給される第1制御信号を取得したか否を判定する。第1判定部121は、電源検出部110から供給される第1制御信号を取得すると、第1判別処理信号を出力部122及び制御部20に出力しステップS103の処理に移行する。一方、第1判定部121は、電源検出部110から供給される第1制御信号を取得しない、すなわち第3制御信号を取得した場合、第2判別処理信号を出力部122及び制御部20に出力する。そして、エンジン始動制御装置1は行程判定処理を終了する。
ステップS103において、エンジン始動制御装置1は、セルスタータスイッチ3がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1は、セルスタータスイッチ3がオン状態である場合、ステップS104の処理に移行する。エンジン始動制御装置1は、セルスタータスイッチ3がオン状態でない場合、再度ステップS103の処理を実行する。
ステップS104において、第2判定部210は、第1判定部121から供給される第1判別処理信号を取得すると、駆動制御部212に第1駆動信号を出力する。駆動制御部212は、第1駆動信号を取得した場合、モータ4をスイングバック始動する。
ステップS105において、信号生成部112は、第1検出部7−1からA相パルス信号を取得する。信号生成部112は、第2検出部7−2からB相パルス信号を取得する。信号生成部112は、検出部7の検出結果に基づいてエンジン5の回転に同期した行程判別信号を生成する。信号生成部112は、生成した行程判別信号を行程決定部124に出力する。
ステップS106において、角速度判定部123は、第1検出部7−1からA相パルス信号を取得する。角速度判定部123は、第2検出部7−2からB相パルス信号を取得する。角速度判定部123は、A相パルス信号及びB相パルス信号に基づいて角速度を算出する。角速度判定部123は、算出した角速度が所定の閾値を超えた場合、行程決定部124に第4制御信号を出力する。角速度判定部123は、算出した角速度が所定の閾値以下である場合、ステップS105の処理に移行する。
ステップS107において、行程決定部124は、信号生成部112から供給される行程判別信号を取得する。行程決定部124は、角速度判定部123から供給される第4制御信号を取得する。行程決定部124は、第4制御信号を取得した際の行程判別信号の位相をエンジン5の燃焼行程に対応させる。行程決定部124は、エンジン5の燃焼行程に対応させた行程判別信号の位相を基準として、行程判別信号の位相とエンジン5の第1の行程又は第2の行程との間の関係を決定する。行程決定部124は、決定した行程判別信号の位相と第1の行程又は第2の行程との対応関係を記憶部211に記憶する。
ステップS108において、出力部122は、記憶部211に行程判別信号の位相と第1の行程又は第2の行程との対応関係が記憶されると、電源検出部110に第2制御信号を出力する。
上記行程判別処理を終了すると、行程判別部10は、電源部8が行程判別部10に接続されていれば、イグニッションスイッチ2又はセルスタータスイッチ3がON状態か否かにかかわらず、一定周期毎に判定処理を実行する。すなわち、行程判別部10は、行程判別処理で決定した行程判別信号の位相(例えば、電圧レベル)と第1の行程又は第2の行程との対応関係を記憶部211から読み出す。行程判別部10は、読み出した対応関係と行程決定部124からリアルタイムで取得した行程判別信号とに基づいて、現在のエンジン5の行程を判定する。
以下に、第1の実施形態におけるエンジン始動制御装置1の始動処理について説明する。図7は、第1の実施形態におけるエンジン始動制御装置1の始動処理のフローチャートを示す図である。なお、以下に示すエンジン始動制御装置1の始動処理のフローは、行程判別処理が終了している場合における始動処理である。
ステップS201において、エンジン始動制御装置1は、イグニッションスイッチ2がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1は、イグニッションスイッチ2がオン状態である場合、ステップS202の処理に移行する。エンジン始動制御装置1は、イグニッションスイッチ2がオン状態でない場合、再度ステップS201の処理を実行する。
ステップS202において、エンジン始動制御装置1は、セルスタータスイッチ3がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1は、セルスタータスイッチ3がオン状態である場合、ステップS203の処理に移行する。エンジン始動制御装置1は、セルスタータスイッチ3がオン状態でない場合、再度ステップS202の処理を実行する。
ステップS203において、第2判定部210は、行程決定部124から行程判別信号を取得する。第2判定部210は、行程判別処理で決定した行程判別信号の電圧レベルと第1の行程又は第2の行程との対応関係を記憶部211から読み出す。第2判定部210は、読み出した対応関係と行程決定部124からリアルタイムで取得した行程判別信号とに基づいて、現在のエンジン5の行程が第2の行程であるか否かを判定する。例えば、第2判定部210は、リアルタイムで取得した行程判別信号がハイレベルであった場合、現在のエンジン5の行程が第2の行程であると判定する。一方、第2判定部210は、リアルタイムで取得した行程判別信号がロウレベルであった場合、現在のエンジン5の行程が第1の行程であると判定する。
第2判定部210は、現在のエンジン5の行程が第2の行程であると判定した場合、駆動制御部212に第2駆動信号を出力しステップS204の処理に移行する。第2判定部210は、現在のエンジン5の行程が第2の行程ではないと判定した場合、駆動制御部212に第1駆動信号を出力しステップS205の処理に移行する。
ステップS204において、駆動制御部212は、第2駆動信号を取得した場合、モータ4を正転始動する。
ステップS205において、駆動制御部212は、第1駆動信号を取得した場合、モータ4をスイングバック始動する。
上述したように、本実施形態のエンジン始動制御装置1は、検出部7、信号生成部112、行程決定部124及び制御部20を備える。検出部7は、エンジン5の角速度を検出する。信号生成部112は、検出部7の検出結果に基づいてエンジン5の回転に同期した行程判別信号を生成する。行程決定部124は、検出部7の検出結果に基づいてエンジン5の燃焼行程に対応した行程判別信号の位相を特定する。これにより、エンジン始動制御装置1は、特定された行程判別信号の位相を基準として行程判別信号によって示されるエンジン5の行程を判別することができる。具体的には、行程決定部124は、検出部7の検出結果から求められる角速度が所定の閾値を超えたときの行程判別信号の位相をエンジンの燃焼行程に対応させ、燃焼行程に対応する行程判別信号の位相を基準として、行程判別信号のそれぞれの位相とエンジン5の第1の行程又は第2の行程との間の対応関係を決定する。制御部20は、決定した対応関係に基づいて、現在のエンジンの行程が第2の行程か否かを判定し、第2の行程である場合にはエンジン5を正転始動する。一方、制御部20は、現在のエンジン5の行程が第1の行程である場合にはエンジン5をスイングバック始動する。これにより、エンジン始動制御装置1は、スイングバッグ制御を実施する必要がない第2の行程である燃焼行程又は排気行程にある場合にエンジン5をスイングバック始動せずに正転始動する。したがって、エンジン5の始動時において、無駄なスイングバック制御を防止することができる。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Aを適用した車両の動力発生システム100Aの全体構成を示す図である。
車両の動力発生システム100Aは、エンジン始動制御装置1A、イグニッションスイッチ2、セルスタータスイッチ3、モータ4、エンジン5、クランクシャフト6、検出部7、電源部8及び冷却水温度センサ9を備えている。なお、以下の実施形態において、上述の実施形態と同じ部分については同一符号を付することにより詳細な説明を省略する。
エンジン始動制御装置1Aは、例えば三相交流電動機であるモータ4を用いてエンジン5を始動する。エンジン5は、例えば4サイクル単気筒型の内燃機関であり、図示しない動力システム(例えば自動二輪車)に搭載されることで、動力発生システムの動力源として機能する。
冷却水温度センサ9は、エンジン5の冷却水の温度Tを測定する。冷却水温度センサ9は、測定したエンジン5の冷却水の温度Tをエンジン始動制御装置1Aに出力する。
図9は、第2の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Aの概略構成図である。エンジン始動制御装置1Aは、行程判別部10A及び制御部20Aを備える。
行程判別部10Aは、電源検出部110、回転方向検出部111、信号生成部112、第1判定部121、出力部122、角速度判定部123及び行程決定部124Aを備える。
行程決定部124Aは、出力部122から行程判別処理信号を取得し、且つモータ4が始動した場合、上記行程判別処理を実施する。
行程決定部124Aは、信号生成部112から供給される行程判別信号を取得する。行程決定部124Aは、第1検出部7−1からA相パルス信号を取得する。行程決定部124Aは、第2検出部7−2からB相パルス信号を取得する。行程決定部124Aは、角速度判定部123から供給される第4制御信号を取得する。
行程決定部124Aは、行程判別信号、A相パルス信号、B相パルス信号及び第4制御信号に基づいてエンジン5の行程を決定する。具体的には、行程決定部124Aは、第4制御信号を取得した際の行程判別信号の位相とA相パルス信号の位相とB相パルス信号の位相とをエンジン5の燃焼行程の前半部分に対応させる。行程決定部124Aは、エンジン5の燃焼行程の前半部分に対応させた行程判別信号の位相とA相パルス信号の位相とB相パルス信号の位相とを基準として、行程判別信号とA相パルス信号とB相パルス信号とのそれぞれの位相とエンジン5の行程との関係を決定する。図10は、第2の実施形態における行程決定部124Aの行程判別処理を説明する図である。行程決定部124Aは、第4制御信号を取得したときの行程判別信号の電圧レベルとA相パルス信号の電圧レベルとB相パルスの電圧レベルとエンジン5の燃焼行程の前半部分とを対応させる。したがって、図10に示すように、行程決定部124Aは、行程判別信号がロウレベル、A相パルス信号がハイレベル、B相レベル信号がロウレベルのときが燃焼行程の前半部分であると決定する。したがって、行程判別信号とA相パルス信号とB相パルス信号との各々の電圧レベルの組み合わせ(8パターン)より、行程決定部124Aは、吸気、圧縮、燃焼及び吸気行程の4行程、且つその4行程の各々の前半部分及び後半部分を判別することができる。
行程決定部124Aは、行程判別信号の電圧レベルとA相パルス信号の電圧レベルとB相パルスの電圧レベルとエンジン5の各行程との対応関係を制御部20Aの記憶部211Aに記憶させる。行程決定部124Aは、出力部122に第2判別処理信号を出力する。
また、行程判別部10Aは、行程判別処理が完了した後、電源部8が行程判別部10Aに接続されていれば、行程判別処理の判別結果に基づいて、現在のエンジン5の行程を判定する判定処理を実行する。すなわち、行程判別部10Aは、現在のエンジン5の行程が吸気、圧縮、燃焼及び吸気行程の4行程、且つその4行程の各々の前半部分及び後半部分かを判定する判定処理を実行する。これにより、行程判別部10Aは、行程判別処理が完了した後、エンジン5が停止している自動二輪を乗車者が手押しでバックさせる等動かした場合でも、現在のエンジン5の行程を常に判定することができる。
図9に戻り、制御部20Aは、第2判定部210A、記憶部211A、駆動制御部212、第3判定部213A及び第4判定部214Aを備える。
第2判定部210Aは、第1判定部121から供給される第1判別処理信号を取得した場合、駆動制御部212に第1駆動信号を出力する。第2判定部210Aは、第1判定部121から供給される第2判別処理信号を取得した場合、行程決定部124Aから行程判別信号を取得する。第2判定部210Aは、行程判別処理で決定した行程判別信号の電圧レベル及びエンジン5の行程の対応関係を記憶部211Aから読み出す。第2判定部210Aは、読み出した対応関係とリアルタイムで取得した行程判別信号とに基づいて、エンジン5の行程が第1の行程であるか第2の行程であるかを判定する。すなわち、第2判定部210Aは、リアルタイムで取得した行程判別信号がロウレベルであった場合、現在のエンジン5の行程が第2の行程であると判定する。一方、第2判定部210Aは、リアルタイムで取得した行程判別信号がハイレベルであった場合、現在のエンジン5の行程が第1の行程であると判定する。
第2判定部210Aは、現在のエンジン5の行程が第2の行程であると判定した場合、駆動制御部212に第2駆動信号を出力しモータ4を正転始動させる。第2判定部210Aは、現在のエンジン5の行程が第1の行程であると判定した場合、第3判定部213Aに制御信号を出力する。
第3判定部213Aは、第2判定部210Aから供給された制御信号を取得すると、冷却水温度センサ9が測定したエンジン5の冷却水の温度Tを取得する。第3判定部213Aは、エンジン5の冷却水の温度Tが予め設定された閾値Twを超えるか否かを判定する。第3判定部213Aは、エンジン5の冷却水の温度Tが閾値Twを超える場合、制御信号を第4判定部に出力する。第3判定部213Aは、エンジン5の冷却水の温度Tが閾値Tw未満である場合、駆動制御部212に第1駆動信号を出力する。
第4判定部214Aは、第3判定部213Aから供給される制御信号を取得すると、行程判別処理で決定した行程判別信号とA相パルス信号とB相パルス信号の各々の電圧レベルとエンジン5の行程との対応関係を記憶部211Aから読み出す。第4判定部214Aは、読み出した対応関係と、リアルタイムで取得した行程判別信号とA相パルス信号とB相パルス信号と、に基づいて、現在のエンジン5の行程が圧縮行程の前半部分か否かを判定する。第4判定部214Aは、現在のエンジン5の行程が圧縮行程の前半部分である場合、駆動制御部212に第2駆動信号を出力する。第4判定部214Aは、現在のエンジン5の行程が圧縮行程の前半部分でない場合、駆動制御部212に第1駆動信号を出力する。従来のエンジン始動装置は、エンジンを始動する際に、エンジンの行程が圧縮行程である場合、クランク軸が圧縮上死点を乗り越えられないためスイングバック始動する。しかしながら、エンジンの行程が圧縮行程であっても、エンジンの冷却水の温度Tが高ければ、エンジンを回転させることができる。したがって、本実施形態では、閾値Twは、エンジン5の行程が圧縮行程の前半部分である場合にクランク軸が圧縮上死点を越えるときのエンジン5の冷却水の温度に設定されている。
以下に、第2の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Aの行程判定処理について説明する。図11は、第2の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Aの行程判定処理のフローチャートを示す図である。
ステップS301において、エンジン始動制御装置1Aは、イグニッションスイッチ2がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1Aは、イグニッションスイッチ2がオン状態である場合、ステップS302の処理に移行する。エンジン始動制御装置1Aは、イグニッションスイッチ2がオン状態でない場合、再度ステップS301の処理を実行する。
ステップS302において、第1判定部121は、電源検出部110から供給される第1制御信号を取得したか否を判定する。第1判定部121は、電源検出部110から供給される第1制御信号を取得すると、第1判別処理信号を出力部122及び制御部20Aに出力しステップS303の処理に移行する。一方、第1判定部121は、電源検出部110から供給される第1制御信号を取得しない場合、第2判別処理信号を出力部122及び制御部20Aに出力する。そして、エンジン始動制御装置1Aは行程判定処理を終了する。
ステップS303において、エンジン始動制御装置1Aは、セルスタータスイッチ3がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1Aは、セルスタータスイッチ3がオン状態である場合、ステップS304の処理に移行する。エンジン始動制御装置1Aは、セルスタータスイッチ3がオン状態でない場合、再度ステップS303の処理を実行する。
ステップS304において、第2判定部210Aは、第1判定部121から供給される第1判別処理信号を取得すると、駆動制御部212に第1駆動信号を出力する。駆動制御部212は、第1駆動信号を取得した場合、モータ4をスイングバック始動する。
ステップS305において、信号生成部112は、第1検出部7−1からA相パルス信号を取得する。信号生成部112は、検出部7の検出結果に基づいてエンジン5の回転に同期した行程判別信号を生成する。信号生成部112は、生成した行程判別信号を行程決定部124Aに出力する。
ステップS306において、角速度判定部123は、第1検出部7−1からA相パルス信号を取得する。角速度判定部123は、第2検出部7−2からB相パルス信号を取得する。角速度判定部123は、A相パルス信号及びB相パルス信号に基づいて角速度を算出する。角速度判定部123は、算出した角速度が所定の閾値を超えた場合、行程決定部124Aに第4制御信号を出力する。角速度判定部123は、算出した角速度が所定の閾値以下である場合、ステップS305の処理に移行する。
ステップS307において、行程決定部124Aは、行程判別信号、A相パルス信号、B相パルス信号及び第4制御信号に基づいてエンジン5の行程を決定する。
行程決定部124Aは、第4制御信号を取得した際の行程判別信号の位相とA相パルス信号の位相とB相パルス信号の位相とをエンジン5の燃焼行程の前半部分に対応させる。行程決定部124Aは、エンジン5の燃焼行程の前半部分に対応させた行程判別信号の位相とA相パルス信号の位相とB相パルス信号の位相とを基準として、行程判別信号の位相とA相パルス信号の位相とB相パルス信号の位相とエンジン5の行程との間の関係を決定する。行程決定部124Aは、決定した上記対応関係を記憶部211Aに記憶する。
ステップS308において、出力部122は、電源検出部110に第2制御信号を出力する。
上記行程判別処理を終了すると、電源部8が行程判別部10Aに接続されていれば、イグニッションスイッチ2又はセルスタータスイッチ3がON状態か否かにかかわらず、行程判別部10Aは、一定周期毎に判定処理を実行する。すなわち、行程判別部10Aは、行程決定部124Aは、決定した上記対応関係を記憶部211Aから読み出す。行程判別部10Aは、読み出した対応関係とリアルタイムで取得した行程判別信号とに基づいて、現在のエンジン5の行程を判定する。
以下に、第2の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Aの始動処理について説明する。図12は、第2の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Aの始動処理のフローチャートを示す図である。なお、以下に示すエンジン始動制御装置1Aの始動処理のフローは、行程判別処理が終了している場合における始動処理である。
ステップS401において、エンジン始動制御装置1Aは、イグニッションスイッチ2がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1Aは、イグニッションスイッチ2がオン状態である場合、ステップS402の処理に移行する。エンジン始動制御装置1Aは、イグニッションスイッチ2がオン状態でない場合、再度ステップS401の処理を実行する。
ステップS402において、エンジン始動制御装置1Aは、セルスタータスイッチ3がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1Aは、セルスタータスイッチ3がオン状態である場合、ステップS403の処理に移行する。エンジン始動制御装置1Aは、セルスタータスイッチ3がオン状態でない場合、再度ステップS402の処理を実行する。
ステップS403において、第2判定部210Aは、行程決定部124Aから行程判別信号を取得する。第2判定部210Aは、行程判別処理で決定した行程判別信号の電圧レベルと第1の行程又は第2の行程との対応関係を記憶部211Aから読み出す。第2判定部210Aは、読み出した対応関係と行程決定部124Aからリアルタイムで取得した行程判別信号とに基づいて、現在のエンジン5の行程が第2の行程であるか否かを判定する。例えば、第2判定部210Aは、リアルタイムで取得した行程判別信号がロウレベルであった場合、現在のエンジン5の行程が第2の行程であると判定する。一方、第2判定部210Aは、リアルタイムで取得した行程判別信号がハイレベルであった場合、現在のエンジン5の行程が第1の行程であると判定する。
第2判定部210Aは、現在のエンジン5の行程が第2の行程であると判定した場合、駆動制御部212に第2駆動信号を出力しステップS404の処理に移行する。第2判定部210Aは、現在のエンジン5の行程が第2の行程ではないと判定した場合、第3判定部213Aに制御信号を出力する。
ステップS404において、駆動制御部212は、第2駆動信号を取得した場合、モータ4を正転始動する。
ステップS405において、第3判定部213Aは、第2判定部210Aから供給された制御信号を取得すると、冷却水温度センサ9が測定したエンジン5の冷却水の温度Tを取得する。第3判定部213Aは、エンジン5の冷却水の温度Tが閾値Twを超える場合、制御信号を第4判定部に出力しステップS406の処理に移行する。第3判定部213Aは、エンジン5の冷却水の温度Tが閾値Tw未満である場合、駆動制御部212に第1駆動信号を出力しステップS407の処理に移行する。
ステップS406において、第4判定部214Aは、第3判定部213Aから供給される制御信号を取得すると、行程判別処理で決定した行程判別信号とA相パルス信号とB相パルス信号の各々の電圧レベルとエンジン5の行程との対応関係を記憶部211Aから読み出す。第4判定部214Aは、読み出した対応関係と、リアルタイムで取得した行程判別信号とA相パルス信号とB相パルス信号と、に基づいて、現在のエンジン5の行程が圧縮行程の前半部分か否かを判定する。第4判定部214Aは、現在のエンジン5の行程が圧縮行程の前半部分である場合、駆動制御部212に第2駆動信号を出力しステップS404の処理に移行する。第4判定部214Aは、現在のエンジン5の行程が圧縮行程の前半部分でない場合、駆動制御部212に第1駆動信号を出力しステップS407の処理に移行する。
ステップS407において、駆動制御部212は、第1駆動信号を取得した場合、モータ4をスイングバック始動する。
上述したように、本実施形態のエンジン始動制御装置1Aは、検出部7、信号生成部112、行程決定部124A及び制御部20Aを備える。検出部7は、エンジン5の角速度を検出する。信号生成部112は、検出部7の検出結果に基づいてエンジン5の回転に同期した行程判別信号を生成する。行程決定部124Aは、検出部7の検出結果に基づいてエンジン5の燃焼行程に対応した行程判別信号の位相を特定する。これにより、エンジン始動制御装置1Aは、特定された行程判別信号の位相を基準として行程判別信号によって示されるエンジン5の行程、すなわちエンジンのピストンの位置を判別することができる。具体的には、行程決定部124Aは、検出部7の検出結果から求められる角速度が所定の閾値を超えたときの行程判別信号の位相をエンジンの燃焼行程に対応させ、燃焼行程に対応する行程判別信号の位相を基準として、行程判別信号の位相とエンジン5の第1の行程又は第2の行程との間の対応関係を決定する。制御部20Aは、決定した対応関係に基づいて、現在のエンジンの行程が第2の行程か否かを判定し、第2の行程である場合にはエンジン5を正転始動する。一方、制御部20Aは、現在のエンジン5の行程が第1の行程である場合にはエンジン5をスイングバック始動する。これにより、エンジン始動制御装置1Aは、スイングバッグ制御を実施する必要がない第2の行程である燃焼行程又は排気行程にある場合にエンジン5をスイングバック始動せずに正転始動する。したがって、エンジン5の始動時において、無駄なスイングバック制御を防止することができる。
通常、エンジンの行程が圧縮行程であっても、エンジン5の冷却水の温度Tが閾値Twを超えている場合、エンジン5の行程が圧縮行程の前半部分であればモータ4を正転始動させることができる。しかしながら、従来のエンジン始動制御装置は、エンジン5の行程が圧縮行程であれば、圧縮行程の前半部分か後半部分かに関わらずスイングバック始動を実施していた。本実施形態のエンジン始動制御装置1Aは、エンジン5の行程である吸気、圧縮、燃焼及び吸気行程の4行程を判別し、さらにその4行程の各々の前半部分及び後半部分を判別することができる。したがって、エンジン始動制御装置1Aは、エンジン5の始動時において、さらに無駄なスイングバック制御を防止することができる。
(第3の実施形態)
図13は、第3の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Bを適用した車両の動力発生システム100Bの全体構成を示す図である。なお、以下の実施形態において、上述した実施形態と同じ部分については同一符号を付することにより詳細な説明を省略する。
車両の動力発生システム100Bは、エンジン始動制御装置1B、イグニッションスイッチ2、セルスタータスイッチ3、モータ4、エンジン5、クランクシャフト6、検出部7B及び電源部8を備えている。
エンジン始動制御装置1Bは、例えば三相交流電動機であるモータ4を用いてエンジン5を始動する。エンジン5は、例えば4サイクル単気筒型の内燃機関であり、図示しない動力システム(例えば自動二輪車)に搭載されることで、動力発生システムの動力源として機能する。
図14は、第3の実施形態における検出部7Bの取り付け位置を示す図である。図14(a)は、第3の実施形態におけるクランクシャフト6の断面図を示す。図14(b)は、第3の実施形態におけるクランクシャフト6の側面図を示す。
検出部7Bは、エンジン5の角速度を検出する。例えば、検出部7Bは、クランクシャフト6のクランク角を検出することにより、エンジン5の角速度を検出する回転角度センサである。
検出部7Bは、クランクシャフト6の外周面に対向配置され、マグネット60の磁束密度の変化を測定することでクランクシャフト6のクランク角を検出する。検出部7Bは、クランクシャフト6のクランク角を検出すると、検出したクランク角に応じた回転角度信号を出力する。例えば、検出部7Bは、クランクシャフト6のクランク角0度〜359度を0〜5Vの電圧値に対応させ、検出したクランクシャフト6のクランク角に応じた電圧値を回転角度信号としてエンジン始動制御装置1Bに出力する。なお、検出部7Bは、図15に示すような取り付け位置に取り付けてもよい。その際、クランクシャフト6の上面には、複数のマグネット60が固着されている。したがって、検出部7Bは、クランクシャフト6の上面に対向配置され、マグネット60の磁束密度の変化を測定することでクランクシャフト6のクランク角を検出する。また、本実施形態の回転角度信号は、上述したようにクランク角に応じたアナログ信号でもよいし、クランク角に応じたデジタル信号でもよい。
図16は、第3の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Bの概略構成図である。エンジン始動制御装置1Bは、行程判別部10B及び制御部20を備える。
行程判別部10Bは、電源検出部110、回転方向検出部111B、信号生成部112B、第1判定部121、出力部122、角速度判定部123B及び行程決定部124を備える。
回転方向検出部111Bは、検出部7Bからクランクシャフト6のクランク角に応じた電圧値を取得する。回転方向検出部111Bは、回転角度信号に基づいてエンジン5の回転方向を検出する。具体的には、エンジン5が正転している場合、回転角度信号は、0V(0度)から5V(359度)に上昇し、再度0V(0度)に移行する。すなわち、エンジン5が正転している場合、回転角度信号には、5Vから0Vへの立下りが存在する。一方、エンジン5が逆転している場合、回転角度信号は、5Vから0Vに下降し、再度5Vに移行する。すなわち、エンジン5が逆転している場合、回転角度信号には、0Vから5Vへの立上がりが存在する。したがって、回転方向検出部111Bは、回転角度信号において立下り又は立上がりが存在するか否かでエンジン5の回転方向を検出する。本実施形態の回転方向検出部111Bは、回転角度信号において立ち上がりが存在する場合、エンジン5の回転方向が正転方向であると判定する。
信号生成部112Bは、検出部7Bから回転角度信号を取得する。信号生成部112Bは、回転角度信号に基づいてエンジン5の回転に同期した行程判別信号を生成する。図17は、第3の実施形態における信号生成部112Bが生成する行程判別信号を説明する図である。
図17に示すように、信号生成部112Bは、クランク角の回転角が359度から0度に戻る際の回転角度信号の変化を検出する。例えば信号生成部112Bは、回転角度信号が5Vから0Vになる電圧の立さ下がりを検出する。信号生成部112Bは、電圧の立さ下がりのエッジに基づいてハイレベルの行程判別信号を生成する。そして、信号生成部112Bは、次の電圧の立さ下がりのエッジに基づいてロウレベルの行程判別信号を生成する。このように、信号生成部112Bは、電圧の立さ下がりのエッジを取得する毎にハイレベルとロウレベルとの行程判別信号を交互に出力する。
信号生成部112Bは、クランク角の回転角が0度から359度に戻る際の回転角度信号の変化を検出する。例えば信号生成部112Bは、回転角度信号が0Vから5Vになる電圧の立ち上がりを検出する。信号生成部112Bは、電圧の立ち上がりのエッジに基づいて行程判別信号の位相を反転させる。例えば、信号生成部112Bは、回転方向を示す信号がハイレベルである場合、回転角度信号の電圧の立ち上がりのエッジに基づいてハイレベルである行程判別信号をロウレベルにする。そして、信号生成部112Bは、次の回転角度信号の電圧の立ち上がりのエッジに基づいてハイレベルの行程判別信号を生成する。信号生成部112Bは、生成した行程判別信号を行程決定部124に出力する。
角速度判定部123Bは、検出部7Bから供給される回転角度信号を取得する。角速度判定部123Bは、回転角度信号に基づいて角速度を算出する。角速度判定部123は、算出した角速度が所定の閾値を超えた場合、行程決定部124に第4制御信号を出力する。
行程判別部10Bは、行程判別処理が完了した後、電源部8が行程判別部10Bに接続されていれば、行程判別処理の判別結果に基づいて、現在のエンジン5の行程が第1の行程であるのか否かを判定する判定処理を一定周期毎に実行する。これにより、行程判別部10Bは、行程判別処理が完了した後、エンジン5が停止している自動二輪を乗車者が手押しでバックさせる等動かした場合でも、現在のエンジン5の行程を常に判定することができる。
以下に、第3の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Bの行程判定処理について説明する。図18は、第3の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Bの行程判定処理のフローチャートを示す図である。
ステップS501において、エンジン始動制御装置1Bは、イグニッションスイッチ2がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1Bは、イグニッションスイッチ2がオン状態である場合、ステップS502の処理に移行する。エンジン始動制御装置1Bは、イグニッションスイッチ2がオン状態でない場合、再度ステップS501の処理を実行する。
ステップS502において、第1判定部121は、電源検出部110から供給される第1制御信号を取得したか否を判定する。第1判定部121は、電源検出部110から供給される第1制御信号を取得すると、第1判別処理信号を出力部122及び制御部20に出力しステップS503の処理に移行する。一方、第1判定部121は、電源検出部110から供給される第1制御信号を取得しない場合、第2判別処理信号を出力部122及び制御部20に出力する。そして、エンジン始動制御装置1Bは行程判定処理を終了する。
ステップS503において、エンジン始動制御装置1Bは、セルスタータスイッチ3がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1Bは、セルスタータスイッチ3がオン状態である場合、ステップS504の処理に移行する。エンジン始動制御装置1Bは、セルスタータスイッチ3がオン状態でない場合、再度ステップS503の処理を実行する。
ステップS504において、第2判定部210は、第1判定部121から供給される第1判別処理信号を取得すると、駆動制御部212に第1駆動信号を出力する。駆動制御部212は、第1駆動信号を取得した場合、モータ4をスイングバック始動する。
ステップS505において、信号生成部112Bは、検出部7Bから回転角度信号を取得する。検出部7の検出結果に基づいてエンジン5の回転に同期した行程判別信号を生成する。信号生成部112Bは、生成した行程判別信号を行程決定部124に出力する。
ステップS506において、角速度判定部123Bは、検出部7Bから回転角度信号を取得する。角速度判定部123Bは、回転角度信号に基づいて角速度を算出する。角速度判定部123Bは、算出した角速度が所定の閾値を超えた場合、行程決定部124に第4制御信号を出力する。角速度判定部123Bは、算出した角速度が所定の閾値以下である場合、ステップS505の処理に移行する。
ステップS507において、行程決定部124は、信号生成部112Bから供給される行程判別信号を取得する。行程決定部124は、角速度判定部123Bから供給される第4制御信号を取得する。行程決定部124は、第4制御信号を取得した際の行程判別信号の位相をエンジン5の燃焼行程に対応させる。行程決定部124は、エンジン5の燃焼行程に対応させた行程判別信号の位相を基準として、行程判別信号の位相とエンジン5の第1の行程又は第2の行程との間の関係を決定する。行程決定部124は、決定した行程判別信号の位相と第1の行程又は第2の行程との対応関係を記憶部211に記憶する。
ステップS508において、出力部122は、記憶部211に行程判別信号の位相と第1の行程又は第2の行程との対応関係が記憶されると、電源検出部110に第2制御信号を出力する。
上記行程判別処理を終了すると、行程判別部10Bは、電源部8が行程判別部10Bに接続されていれば、イグニッションスイッチ2又はセルスタータスイッチ3がON状態か否かにかかわらず、一定周期毎に判定処理を実行する。すなわち、行程判別部10Bは、行程判別処理で決定した行程判別信号の位相(例えば、電圧レベル)と第1の行程又は第2の行程との対応関係を記憶部211から読み出す。行程判別部10Bは、読み出した対応関係と行程決定部124からリアルタイムで取得した行程判別信号とに基づいて、現在のエンジン5の行程を判定する。
なお、第3の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Bの始動処理は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
上述したように、本実施形態のエンジン始動制御装置1Bは、検出部7B、信号生成部112B、行程決定部124及び制御部20を備える。検出部7Bは、エンジン5の角速度を検出する。信号生成部112Bは、検出部7Bの検出結果に基づいてエンジン5の回転に同期した行程判別信号を生成する。行程決定部124は、検出部7Bの検出結果に基づいてエンジン5の燃焼行程に対応した行程判別信号の位相を特定する。これにより、エンジン始動制御装置1Bは、特定された行程判別信号の位相を基準として行程判別信号によって示されるエンジン5の行程、すなわちエンジンのピストンの位置を判別することができる。具体的には、行程決定部124は、検出部7Bの検出結果から求められる角速度が所定の閾値を超えたときの行程判別信号の位相をエンジンの燃焼行程に対応させ、燃焼行程に対応する行程判別信号の位相を基準として、行程判別信号の位相とエンジン5の第1の行程又は第2の行程との間の対応関係を決定する。制御部20は、決定した対応関係に基づいて、現在のエンジンの行程が第2の行程か否かを判定し、第2の行程である場合にはエンジン5を正転始動する。一方、制御部20は、現在のエンジン5の行程が第1の行程である場合にはエンジン5をスイングバック始動する。これにより、エンジン始動制御装置1Bは、燃焼行程スイングバッグ制御を実施する必要がない第2の行程である燃焼行程又は排気行程にある場合にエンジン5をスイングバック始動せずに正転始動する。したがって、エンジン5の始動時において、無駄なスイングバック制御を防止することができる。
(第4の実施形態)
図19は、第4の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Cを適用した車両の動力発生システム100Cの全体構成を示す図である。なお、以下の実施形態において、上述した実施形態と同じ部分については同一符号を付することにより詳細な説明を省略する。
車両の動力発生システム100Cは、エンジン始動制御装置1C、イグニッションスイッチ2、セルスタータスイッチ3、モータ4、エンジン5、クランクシャフト6、検出部7B、電源部8及び冷却水温度センサ9を備えている。
エンジン始動制御装置1Cは、例えば三相交流電動機であるモータ4を用いてエンジン5を始動する。エンジン5は、例えば4サイクル単気筒型の内燃機関であり、図示しない動力システム(例えば自動二輪車)に搭載されることで、動力発生システムの動力源として機能する。
図20は、第4の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Cの概略構成図である。エンジン始動制御装置1Cは、行程判別部10C及び制御部20Cを備える。
行程判別部10Cは、電源検出部110、回転方向検出部111B、信号生成部112B、第1判定部121、出力部122、角速度判定部123B及び行程決定部124Cを備える。
行程決定部124Cは、出力部122から行程判別処理信号を取得し、且つモータ4が始動した場合、上記行程判別処理を実施する。
行程決定部124Cは、信号生成部112Bから供給される行程判別信号を取得する。行程決定部124Cは、検出部7Bから回転角度信号を取得する。行程決定部124Cは、角速度判定部123Bから供給される第4制御信号を取得する。
行程決定部124Cは、行程判別信号、回転角度信号及び第4制御信号に基づいてエンジン5の行程を決定する。具体的には、行程決定部124Cは、第4制御信号を取得した際の行程判別信号の位相と回転角度信号の電圧値が示すクランク角(以下、単に「回転角度信号が示すクランク角」という。)とをエンジン5の燃焼行程に対応させる。行程決定部124Cは、エンジン5の燃焼行程に対応させた行程判別信号の位相と回転角度信号が示すクランク角とを基準として、行程判別信号の位相と回転角度信号が示すクランク角とエンジン5の行程との関係を決定する。すなわち、行程決定部124Cは、行程判別信号の位相と回転角度信号が示すクランク角から、エンジン5の行程とエンジン5のピストンの位置を決定する。例えば、行程判別信号がハイレベルであった場合、回転角度信号が示すクランク角θ=280度は、圧縮行程におけるエンジン5のピストンの位置を示す。行程判別信号がロウレベルであった場合、回転角度信号が示すクランク角θ=280度は、排気行程におけるエンジン5のピストンの位置を示す。行程決定部124Cは、行程判別信号の位相(例えば、電圧レベル)と回転角度信号が示すクランク角とエンジン5の各行程との対応関係を制御部20Cの記憶部211Cに記憶させる。行程決定部124Cは、出力部122に第2判別処理信号を出力する。
また、行程判別部10Cは、行程判別処理が完了した後、電源部8が行程判別部10Cに接続されていれば、行程判別処理の判別結果に基づいて、現在のエンジン5の行程を判定する判定処理を一定周期毎に実行する。これにより、行程判別部10Cは、行程判別処理が完了した後、エンジン5が停止している自動二輪を乗車者が手押しでバックさせる等動かした場合でも、現在のエンジン5の行程を常に判定することができる。
制御部20Cは、第2判定部210A、記憶部211C、駆動制御部212、第3判定部213C、第5判定部215C及び第6判定部216Cを備える。
第2判定部210Aは、第1判定部121から供給される第1判別処理信号を取得した場合、駆動制御部212に第1駆動信号を出力する。第2判定部210Aは、第1判定部121から供給される第2判別処理信号を取得した場合、行程決定部124Cから行程判別信号を取得する。第2判定部210Aは、行程判別処理で決定した行程判別信号の電圧レベル及びエンジン5の行程の対応関係を記憶部211Cから読み出す。第2判定部210Aは、読み出した対応関係とリアルタイムで取得した行程判別信号とに基づいて、第1の行程であるか第2の行程であるかを判定する。例えば、第2判定部210Aは、リアルタイムで取得した行程判別信号がロウレベルであった場合、現在のエンジン5の行程が第2の行程であると判定する。一方、第2判定部210Aは、リアルタイムで取得した行程判別信号がハイレベルであった場合、現在のエンジン5の行程が第1の行程であると判定する。
第2判定部210Aは、現在のエンジン5の行程が第2の行程であると判定した場合、駆動制御部212に第2駆動信号を出力しモータ4を正転始動させる。第2判定部210Aは、現在のエンジン5の行程が第1の行程であると判定した場合、第3判定部213Cに制御信号を出力する。
第3判定部213Cは、第2判定部210Aから供給された制御信号を取得すると、冷却水温度センサ9が測定したエンジン5の冷却水の温度Tを取得する。第3判定部213Cは、エンジン5の冷却水の温度Tが予め設定された閾値Twを超えるか否かを判定する。第3判定部213Cは、エンジン5の冷却水の温度Tが閾値Twを超える場合、制御信号を第5判定部215Cに出力する。第3判定部213Cは、エンジン5の冷却水の温度Tが閾値Tw未満である場合、第6判定部216Cに制御信号を出力する。
第5判定部215Cは、第3判定部213Cから供給される制御信号を取得すると、リアルタイムで取得した回転角度信号が示すクランク角θを取得する。第5判定部215Cは、リアルタイムで取得した回転角度信号が示すクランク角度θが所定のクランク角θ1未満か否かを判定する。第5判定部215Cは、クランク角度θが所定のクランク角θ1未満である場合、第2駆動信号を駆動制御部212に出力する。第5判定部215Cは、角度θが所定のクランク角θ1を超える場合、第1駆動信号を駆動制御部212に出力する。
第6判定部216Cは、第3判定部213Cから供給される制御信号を取得すると、リアルタイムで取得した回転角度信号が示すクランク角θを取得する。第6判定部216Cは、リアルタイムで取得した回転角度信号が示すクランク角θが所定のクランク角θ2(<θ1)未満か否かを判定する。第6判定部216Cは、クランク角θが所定のクランク角θ1未満である場合、第2駆動信号を駆動制御部212に出力する。第6判定部216Cは、クランク角θが所定のクランク角θ2を超える場合、第1駆動信号を駆動制御部212に出力する。
以下に、第4の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Cの行程判定処理について説明する。図21は、第4の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Cの行程判定処理のフローチャートを示す図である。
ステップS601において、エンジン始動制御装置1Cは、イグニッションスイッチ2がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1Cは、イグニッションスイッチ2がオン状態である場合、ステップS602の処理に移行する。エンジン始動制御装置1Cは、イグニッションスイッチ2がオン状態でない場合、再度ステップS601の処理を実行する。
ステップS602において、第1判定部121は、電源検出部110から供給される第1制御信号を取得したか否を判定する。第1判定部121は、電源検出部110から供給される第1制御信号を取得すると、第1判別処理信号を出力部122及び制御部20Cに出力しステップS603の処理に移行する。一方、第1判定部121は、電源検出部110から供給される第1制御信号を取得しない場合、第2判別処理信号を出力部122及び制御部20Cに出力する。そして、エンジン始動制御装置1Cは行程判定処理を終了する。
ステップS603において、エンジン始動制御装置1Cは、セルスタータスイッチ3がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1Cは、セルスタータスイッチ3がオン状態である場合、ステップS604の処理に移行する。エンジン始動制御装置1Cは、セルスタータスイッチ3がオン状態でない場合、再度ステップS603の処理を実行する。
ステップS604において、第2判定部210Aは、第1判定部121から供給される第1判別処理信号を取得すると、駆動制御部212に第1駆動信号を出力する。駆動制御部212は、第1駆動信号を取得した場合、モータ4をスイングバック始動する。
ステップS605において、信号生成部112Bは、検出部7Bから回転角度信号を取得する。信号生成部112Bは、回転角度信号に基づいてエンジン5の回転に同期した行程判別信号を生成する。信号生成部112Bは、生成した行程判別信号を行程決定部124Cに出力する。
ステップS606において、角速度判定部123Bは、検出部7Bから回転角度信号を取得する。角速度判定部123Bは、回転角度信号に基づいて角速度を算出する。角速度判定部123Bは、算出した角速度が所定の閾値を超えた場合、行程決定部124Cに第4制御信号を出力する。角速度判定部123Bは、算出した角速度が所定の閾値以下である場合、ステップS605の処理に移行する。
ステップS607において、行程決定部124Cは、信号生成部112Bから供給される行程判別信号及び検出部7Bから回転角度信号を取得する。行程決定部124Cは、角速度判定部123Bから供給される第4制御信号を取得する。行程決定部124Cは、第4制御信号を取得したときの行程判別信号の位相と回転角度信号が示すクランク角とをエンジン5の燃焼行程に対応させる。行程決定部124Cは、エンジン5の燃焼行程に対応させた行程判別信号の位相と回転角度信号が示すクランク角を基準として、行程判別信号の位相とクランク角とエンジン5の行程との関係を決定する。行程決定部124Cは、決定した行程判別信号の位相とクランク角とエンジン5の行程との対応関係を記憶部211Cに記憶する。
ステップS608において、出力部122は、記憶部211Cに行程判別信号の位相とクランク角とエンジン5の行程との対応関係が記憶されると、電源検出部110に第2制御信号を出力する。
上記行程判別処理を終了すると、行程判別部10Cは、電源部8が行程判別部10Cに接続されていれば、イグニッションスイッチ2又はセルスタータスイッチ3がON状態か否かにかかわらず、一定周期毎に判定処理を実行する。すなわち、行程判別部10Cは、行程判別処理で決定した行程判別信号の位相(例えば、電圧レベル)とクランク角との対応関係を記憶部211Cから読み出す。行程判別部10Cは、読み出した対応関係と行程決定部124Cからリアルタイムで取得した行程判別信号とに基づいて、現在のエンジン5の行程を判定する。
以下に、第4の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Cの始動処理について説明する。図22は、第4の実施形態におけるエンジン始動制御装置1Cの始動処理のフローチャートを示す図である。なお、以下に示すエンジン始動制御装置1Cの始動処理のフローは、行程判別処理が終了している場合における始動処理である。
ステップS701において、エンジン始動制御装置1Cは、イグニッションスイッチ2がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1Cは、イグニッションスイッチ2がオン状態である場合、ステップS702の処理に移行する。エンジン始動制御装置1Cは、イグニッションスイッチ2がオン状態でない場合、再度ステップS701の処理を実行する。
ステップS702において、エンジン始動制御装置1Cは、セルスタータスイッチ3がオン状態か否かを判定する。エンジン始動制御装置1Cは、セルスタータスイッチ3がオン状態である場合、ステップS703の処理に移行する。エンジン始動制御装置1Cは、セルスタータスイッチ3がオン状態でない場合、再度ステップS702の処理を実行する。
ステップS703において、第2判定部210Aは、行程決定部124Cから行程判別信号を取得する。第2判定部210Aは、行程判別処理で決定した行程判別信号の電圧レベルと第1の行程又は第2の行程との対応関係を記憶部211Cから読み出す。第2判定部210Aは、読み出した対応関係と行程決定部124Cからリアルタイムで取得した行程判別信号とに基づいて、現在のエンジン5の行程が第2の行程であるか否かを判定する。例えば、第2判定部210Aは、リアルタイムで取得した行程判別信号がロウレベルであった場合、現在のエンジン5の行程が第2の行程であると判定する。一方、第2判定部210Aは、リアルタイムで取得した行程判別信号がハイレベルであった場合、現在のエンジン5の行程が第1の行程であると判定する。第2判定部210Aは、現在のエンジン5の行程が第2の行程であると判定した場合、駆動制御部212に第2駆動信号を出力しステップS704の処理に移行する。第2判定部210Aは、現在のエンジン5の行程が第2の行程ではないと判定した場合、第3判定部213Cに制御信号を出力する。
ステップS704において、駆動制御部212は、第2駆動信号を取得した場合、モータ4を正転始動する。
ステップS705において、第3判定部213Cは、第2判定部210Aから供給された制御信号を取得すると、冷却水温度センサ9が測定したエンジン5の冷却水の温度Tを取得する。第3判定部213Cは、エンジン5の冷却水の温度Tが閾値Twを超える場合、制御信号を第5判定部215Cに出力しステップS706の処理に移行する。第3判定部213Cは、エンジン5の冷却水の温度Tが閾値Tw未満である場合、第6判定部216Cに制御信号を出力しステップS707の処理に移行する。
ステップS706において、第5判定部215Cは、第3判定部213Cから供給される制御信号を取得すると、リアルタイムで取得した回転角度信号が示すクランク角θを取得する。第5判定部215Cは、リアルタイムで取得した回転角度信号が示すクランク角度θが所定のクランク角θ1未満か否かを判定する。第5判定部215Cは、クランク角度θが所定のクランク角θ1未満である場合、第2駆動信号を駆動制御部212に出力しステップS704の処理に移行する。第5判定部215Cは、角度θが所定のクランク角θ1を超える場合、第1駆動信号を駆動制御部212に出力しステップS708の処理に移行する。
ステップS707において、第6判定部216Cは、第3判定部213Cから供給される制御信号を取得すると、リアルタイムで取得した回転角度信号が示すクランク角θを取得する。第6判定部216Cは、リアルタイムで取得した回転角度信号が示すクランク角θが所定のクランク角θ2(<θ1)未満か否かを判定する。第6判定部216Cは、角度θが所定のクランク角θ1未満である場合、第2駆動信号を駆動制御部212に出力しステップS704の処理に移行する。第6判定部216Cは、クランク角θが所定のクランク角θ2を超える場合、第1駆動信号を駆動制御部212に出力しステップS708の処理に移行する。
ステップS708において、駆動制御部212は、第1駆動信号を取得した場合、モータ4をスイングバック始動する。
上述したように、本実施形態のエンジン始動制御装置1Cは、検出部7B、信号生成部112B、行程決定部124C及び制御部20Cを備える。検出部7Bは、エンジン5のクランク角を検出する。信号生成部112Bは、検出部7Bの検出結果に基づいてエンジン5の回転に同期した行程判別信号を生成する。行程決定部124Cは、検出部7Bの検出結果に基づいてエンジン5の燃焼行程に対応した行程判別信号の位相を特定する。これにより、エンジン始動制御装置1Cは、特定された行程判別信号の位相を基準として行程判別信号によって示されるエンジン5の行程、すなわちエンジンのピストンの位置を判別することができる。具体的には、行程決定部124Cは、検出部7Bの検出結果から求められる角速度が所定の閾値を超えたときの行程判別信号の位相をエンジン5の燃焼行程に対応させ、燃焼行程に対応する行程判別信号の位相を基準として、行程判別信号の位相とエンジン5の第1の行程又は第2の行程との間の対応関係を決定する。制御部20Cは、決定した対応関係に基づいて、現在のエンジン5の行程が第2の行程か否かを判定し、第2の行程である場合にはエンジン5を正転始動する。一方、制御部20Cは、現在のエンジン5の行程が第1の行程である場合にはエンジン5をスイングバック始動する。これにより、エンジン始動制御装置1Cは、燃焼行程スイングバッグ制御を実施する必要がない第2の行程である燃焼行程又は排気行程にある場合にエンジン5をスイングバック始動せずに正転始動する。したがって、エンジン5の始動時において、無駄なスイングバック制御を防止することができる。
通常、エンジンの行程が圧縮行程であっても、エンジン5の冷却水の温度Tが閾値Twを超えている場合、エンジン5の行程が圧縮行程であってもピストンの位置によってはモータ4を正転始動させることができる。しかしながら、従来のエンジン始動制御装置は、エンジン5の行程が圧縮行程であれば、ピストンの位置に関わらずスイングバック始動を実施していた。本実施形態のエンジン始動制御装置1Cは、エンジン5の行程である吸気、圧縮、燃焼及び吸気行程の4行程におけるピストンの位置を判別することができる。したがって、エンジン始動制御装置1Cは、エンジン5の冷却水の温度Tが閾値Twを超えており、且つエンジン5の行程が圧縮行程である場合において、ピストンの位置に基づいてエンジン5を正転始動することができる。したがって、エンジン始動制御装置1Cは、エンジン5の始動時において、さらに無駄なスイングバック制御を防止することができる。
第3の実施形態又は第4の実施形態のエンジン始動制御装置おいて、第2判定部は、現在のエンジン5の行程が第1の行程であるか第2の行程であるかを判定したが、これに限定されない。例えば、第3の実施形態又は第4の実施形態のエンジン始動制御装置の第2判定部は、現在のエンジン5の行程が圧縮行程か否かを判定してもよい。エンジン始動制御装置は、現在のエンジン5の行程が圧縮行程であると判定された場合、スイングバック始動を実施する。一方、エンジン始動制御装置は、現在のエンジン5の行程が圧縮行程ではないと判定された場合、正転始動を実施する。これにより、第3の実施形態又は第4の実施形態のエンジン始動制御装置は、第1の実施形態のエンジン始動制御装置と比較して、さらに無駄なスイングバック制御を防止することができる。
上述した実施形態における程判別部又は制御部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
また、上述した実施形態では、検出部7はエンジン始動制御装置1又はエンジン始動制御装置1Aに対して別途の構成として記載されているが、エンジン始動制御装置1又はエンジン始動制御装置1Aの内部構成として含まれてもよい。上述した実施形態では、検出部7Bはエンジン始動制御装置1B又はエンジン始動制御装置1Cに対して別途の構成として記載されているが、エンジン始動制御装置1B又はエンジン始動制御装置1Cの内部構成として含まれてもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の変更等も含まれる。
1 エンジン始動制御装置
2 イグニッションスイッチ
3 セルスタータスイッチ
4 モータ
5 エンジン
6 クランクシャフト
7 検出部
8 電源部
10 行程判別部
20 制御部
100 車両の動力発生システム
110 電源検出部
111 回転方向検出部
112 信号生成部112
121 第1判定部121
122 出力部122
123 角速度判定部
124 行程決定部
210 第2判定部
211 記憶部
212 駆動制御部

Claims (6)

  1. 吸気行程、圧縮行程、燃焼行程及び排気行程の4行程を繰り返し実行する4サイクルエンジンのエンジン始動制御装置であって、
    エンジンの角速度を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて前記エンジンの回転に同期した複数の位相を有する行程判別信号を生成する信号生成部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて前記エンジンの上記燃焼行程に対応した前記行程判別信号の前記位相を特定する行程決定部と、
    前記特定された前記行程判別信号の前記位相を基準として前記行程判別信号によって示される前記エンジンの行程が前記吸気行程又は前記圧縮行程であるか否か判別し、判別の結果に基づいて前記エンジンの始動形式を切り替える制御部と、
    を備えたエンジン始動制御装置。
  2. 前記行程決定部は、
    前記検出部の検出結果から求められる前記角速度が所定の閾値を超えたときの前記行程判別信号の前記位相を前記エンジンの燃焼行程に対応させ、前記燃焼行程に対応する前記行程判別信号の前記位相を基準として前記行程判別信号のそれぞれの前記位相と前記エンジンの行程との間の対応関係を決定する請求項1に記載のエンジン始動制御装置。
  3. 前記エンジンの回転方向を検出する回転方向検出部を有し、
    前記行程決定部は、前記回転方向から前記エンジンが正転又は逆転しているか判定し、逆転していると判定した場合には、前記エンジンの正転時と比較して前記行程判別信号の前記位相を反転する請求項1又は請求項2に記載のエンジン始動制御装置。
  4. 前記信号生成部に電源を供給する電源部と、
    前記電源部が接続されたことを検出した場合に前記制御部に第1制御信号を出力する電源検出部と、
    を有し、
    前記行程決定部は、前記第1制御信号を取得した場合に前記エンジンの行程の判別を開始し、前記エンジンの行程の判別が終了すると前記電源検出部に第2制御信号を出力し、
    前記電源検出部は、前記第2制御信号を取得すると、前記第1制御信号の出力を停止する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエンジン始動制御装置。
  5. 前記制御部は、前記エンジンの行程の判別が終了した後、前記対応関係と現在の前記行程判別信号の位相とを比較することで現在の前記エンジンの行程を判別し、現在の前記エンジンの行程が前記吸気行程又は前記圧縮行程である場合には前記エンジンをスイングバック始動させ、現在の前記エンジンの行程が前記燃焼行程又は前記排気行程である場合には前記エンジンを正転始動させる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のエンジン始動制御装置。
  6. 前記制御部は、現在の前記エンジンの行程が前記圧縮行程である場合、前記エンジンの冷却水の温度に基づいて、前記エンジンを前記正転始動させる請求項5に記載のエンジン始動制御装置。
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