本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。各図において、所定の各部を接続する電気配線の図示は適宜省略されている。ハッチングは、断面した箇所を示す。破線は、かくれ線である。
<インクジェット記録装置>
インクジェット記録装置10について、図1及び図2を参照して説明する。インクジェット記録装置10では、記録媒体15が搬送され、記録媒体15の記録面16に画像が記録される。インクジェット記録装置10では、各種の記録媒体15を対象として画像が記録される。記録媒体15としては、例えば、布帛又は建築用資材が挙げられる。実施形態では、記録媒体15が長尺の布帛である場合を例示している(図1参照)。画像の記録に用いられるインク色は、ブラック、マゼンタ、イエロー及びシアンの4色とする。インク色は、これら以外の色であってもよい。インク色数は、3色以下又は5色以上としてもよい。図1で搬送方向の下流側に図示された記録媒体15の部分に付した模様は、記録媒体15に記録された画像に対応する。
インクジェット記録装置10は、図1に示すように、搬送部20と、メインタンク30K,30M,30Y,30Cと、供給接続部31K,31M,31Y,31Cと、サブタンク32K,32M,32Y,32Cと、供給弁34K,34M,34Y,34Cと、第一接続部35K,35M,35Y,35Cと、インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cと、キャリッジ50と、移動部60と、制御装置70と、減圧部80を備える。
搬送部20は、記録媒体15を、記録媒体15の長手方向に沿って搬送する。搬送部20によって搬送される記録媒体15は、インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cが搭載されたキャリッジ50を通過する。搬送部20としては、例えば、ベルトコンベアが採用される。但し、搬送部は、これとは異なる搬送装置であってもよい。搬送部の形式は、搬送対象である記録媒体15に応じて適宜選択される。実施形態では、搬送部20によって記録媒体15が搬送される方向を「搬送方向」という。搬送方向は、主走査方向に直交する。主走査方向は、後述するようにキャリッジ50が移動部60によって往復移動される方向である。主走査方向は、記録媒体15の短手方向に一致する。記録媒体15の短手方向は、記録媒体15の幅方向である。搬送方向及びこれと反対方向は、前述した主走査方向に対して「副走査方向」と称されることもある。実施形態では、搬送方向及びこれと反対方向のそれぞれに直交する方向を「主走査方向」という。搬送方向及びこれと反対方向を「副走査方向」という。
メインタンク30Kは、ブラックインクを貯留する。供給接続部31Kは、メインタンク30Kとサブタンク32Kを接続する。供給接続部31Kの途中には、供給弁34Kが設けられる。供給弁34Kは、供給接続部31Kの内部に形成された第五接続流路を、開放し閉鎖する電磁弁である。供給弁34Kが第一状態である場合、供給接続部31Kによる第五接続流路は、開放状態となる。第一状態は、供給弁34Kが開いた状態である。この場合、メインタンク30Kとサブタンク32Kの貯留室33は、供給接続部31Kによる第五接続流路を介して通じ合う。供給弁34Kが第二状態である場合、供給接続部31Kによる第五接続流路は、閉鎖状態となる。第二状態は、供給弁34Kが閉じた状態である。供給弁34Kは、サブタンク32Kへのブラックインクの供給時に第一状態とされ、供給の終了に伴い第二状態とされる。
ブラックインクは、メインタンク30Kから流出し、供給接続部31Kと供給弁34Kを流れてサブタンク32Kに供給される。サブタンク32Kに供給されたブラックインクは、第一接続部35Kを流れて、インクジェットヘッド40Kに供給される。即ち、サブタンク32Kは、インクジェットヘッド40Kに供給されるブラックインクを副次的に貯留するインクタンクである。サブタンク32Kに供給されたブラックインクは、サブタンク32Kの内部に形成された貯留室33に貯留される。第一接続部35Kは、サブタンク32Kとインクジェットヘッド40Kを接続する。第一接続部35Kは、サブタンク32Kからインクジェットヘッド40Kに供給されるブラックインクが流れる流路である。サブタンク32Kの貯留室33とインクジェットヘッド40Kは、第一接続部35Kの内部に形成された第一接続流路を介して通じ合う。
メインタンク30Mは、マゼンタインクを貯留する。供給接続部31Mは、メインタンク30Mとサブタンク32Mを接続する。供給接続部31Mの途中には、供給弁34Mが設けられる。供給弁34Mは、供給接続部31Mの内部に形成された第五接続流路を、開放し閉鎖する電磁弁である。供給弁34Mが第一状態である場合、供給接続部31Mによる第五接続流路は、開放状態となる。第一状態は、供給弁34Mが開いた状態である。この場合、メインタンク30Mとサブタンク32Mの貯留室33は、供給接続部31Mによる第五接続流路を介して通じ合う。供給弁34Mが第二状態である場合、供給接続部31Mによる第五接続流路は、閉鎖状態となる。第二状態は、供給弁34Mが閉じた状態である。供給弁34Mは、サブタンク32Mへのマゼンタインクの供給時に第一状態とされ、供給の終了に伴い第二状態とされる。
マゼンタインクは、メインタンク30Mから流出し、供給接続部31Mと供給弁34Mを流れてサブタンク32Mに供給される。サブタンク32Mに供給されたマゼンタインクは、第一接続部35Mを流れて、インクジェットヘッド40Mに供給される。即ち、サブタンク32Mは、インクジェットヘッド40Mに供給されるマゼンタインクを副次的に貯留するインクタンクである。サブタンク32Mに供給されたマゼンタインクは、サブタンク32Mの内部に形成された貯留室33に貯留される。第一接続部35Mは、サブタンク32Mとインクジェットヘッド40Mを接続する。第一接続部35Mは、サブタンク32Mからインクジェットヘッド40Mに供給されるマゼンタインクが流れる流路である。サブタンク32Mの貯留室33とインクジェットヘッド40Mは、第一接続部35Mの内部に形成された第一接続流路を介して通じ合う。
メインタンク30Yは、イエローインクを貯留する。供給接続部31Yは、メインタンク30Yとサブタンク32Yを接続する。供給接続部31Yの途中には、供給弁34Yが設けられる。供給弁34Yは、供給接続部31Yの内部に形成された第五接続流路を、開放し閉鎖する電磁弁である。供給弁34Yが第一状態である場合、供給接続部31Yによる第五接続流路は、開放状態となる。第一状態は、供給弁34Yが開いた状態である。この場合、メインタンク30Yとサブタンク32Yの貯留室33は、供給接続部31Yによる第五接続流路を介して通じ合う。供給弁34Yが第二状態である場合、供給接続部31Yによる第五接続流路は、閉鎖状態となる。第二状態は、供給弁34Yが閉じた状態である。供給弁34Yは、サブタンク32Yへのイエローインクの供給時に第一状態とされ、供給の終了に伴い第二状態とされる。
イエローインクは、メインタンク30Yから流出し、供給接続部31Yと供給弁34Yを流れてサブタンク32Yに供給される。サブタンク32Yに供給されたイエローインクは、第一接続部35Yを流れて、インクジェットヘッド40Yに供給される。即ち、サブタンク32Yは、インクジェットヘッド40Yに供給されるイエローインクを副次的に貯留するインクタンクである。サブタンク32Yに供給されたイエローインクは、サブタンク32Yの内部に形成された貯留室33に貯留される。第一接続部35Yは、サブタンク32Yとインクジェットヘッド40Yを接続する。第一接続部35Yは、サブタンク32Yからインクジェットヘッド40Yに供給されるイエローインクが流れる流路である。サブタンク32Yの貯留室33とインクジェットヘッド40Yは、第一接続部35Yの内部に形成された第一接続流路を介して通じ合う。
メインタンク30Cは、シアンインクを貯留する。供給接続部31Cは、メインタンク30Cとサブタンク32Cを接続する。供給接続部31Cの途中には、供給弁34Cが設けられる。供給弁34Cは、供給接続部31Cの内部に形成された第五接続流路を、開放し閉鎖する電磁弁である。供給弁34Cが第一状態である場合、供給接続部31Cによる第五接続流路は、開放状態となる。第一状態は、供給弁34Cが開いた状態である。この場合、メインタンク30Cとサブタンク32Cの貯留室33は、供給接続部31Cによる第五接続流路を介して通じ合う。供給弁34Cが第二状態である場合、供給接続部31Cによる第五接続流路は、閉鎖状態となる。第二状態は、供給弁34Cが閉じた状態である。供給弁34Cは、サブタンク32Cへのシアンインクの供給時に第一状態とされ、供給の終了に伴い第二状態とされる。
シアンインクは、メインタンク30Cから流出し、供給接続部31Cと供給弁34Cを流れてサブタンク32Cに供給される。サブタンク32Cに供給されたシアンインクは、第一接続部35Cを流れて、インクジェットヘッド40Cに供給される。即ち、サブタンク32Cは、インクジェットヘッド40Cに供給されるシアンインクを副次的に貯留するインクタンクである。サブタンク32Cに供給されたシアンインクは、サブタンク32Cの内部に形成された貯留室33(図2参照)に貯留される。第一接続部35Cは、サブタンク32Cとインクジェットヘッド40Cを接続する。第一接続部35Cは、サブタンク32Cからインクジェットヘッド40Cに供給されるシアンインクが流れる流路である。サブタンク32Cの貯留室33とインクジェットヘッド40Cは、図2に示すように、第一接続部35Cの内部に形成された第一接続流路を介して通じ合う。
サブタンク32K,32M,32Y,32Cは、同じ構成を有する。従って、サブタンク32K,32M,32Yの各貯留室33は、サブタンク32Cの貯留室33と同一形状とされる。そのため、実施形態では、サブタンク32Cの貯留室33の他、図示が省略されているサブタンク32K,32M,32Yの各貯留室についても、符号「33」を付し、「貯留室33」という。
インクジェットヘッド40Kは、ブラックインクを吐出し、ブラックインクにより画像を記録するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド40Kには、ブラックインクを吐出するノズルが複数形成される。インクジェットヘッド40Mは、マゼンタインクを吐出し、マゼンタインクにより画像を記録するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド40Mには、マゼンタインクを吐出するノズルが複数形成される。インクジェットヘッド40Yは、イエローインクを吐出し、イエローインクにより画像を記録するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド40Yには、イエローインクを吐出するノズルが複数形成される。インクジェットヘッド40Cは、シアンインクを吐出し、シアンインクにより画像を記録するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド40Cには、シアンインクを吐出するノズルが複数形成される。
図2において、符号「N」を付した構成は、インクジェットヘッド40Cに形成されたノズルに対応する。図2では、4個のノズルが図示されている。インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cにおけるノズル数は、諸条件を考慮して適宜決定される。主走査方向におけるノズル列数も、諸条件を考慮して適宜決定される。ノズル列数は、副走査方向に整列する複数のノズルによるノズル列が、主走査方向に配置される数である。
キャリッジ50には、インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cが所定の位置に位置決めされた状態で搭載される。インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cは、図1に示すように、主走査方向に隣り合った状態で、キャリッジ50に搭載される。インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cの配列順序は、図1とは異なる順序としてもよい。これらの配列順序は、諸条件を考慮して適宜決定される。
キャリッジ50には、サブタンク32K,32M,32Y,32Cと、第一接続部35K,35M,35Y,35Cも搭載される。即ち、サブタンク32Kは、第一接続部35Kによってインクジェットヘッド40Kと接続された状態で、キャリッジ50に搭載される。サブタンク32Kは、インクジェットヘッド40Kの上方に設けられる。サブタンク32Mは、第一接続部35Mによってインクジェットヘッド40Mと接続された状態で、キャリッジ50に搭載される。サブタンク32Mは、インクジェットヘッド40Mの上方に設けられる。サブタンク32Yは、第一接続部35Yによってインクジェットヘッド40Yと接続された状態で、キャリッジ50に搭載される。サブタンク32Yは、インクジェットヘッド40Yの上方に設けられる。サブタンク32Cは、第一接続部35Cによってインクジェットヘッド40Cと接続された状態で、キャリッジ50に搭載される。サブタンク32Cは、インクジェットヘッド40Cの上方に設けられる。この他、キャリッジ50には、減圧部80の一部の構成も搭載される。この点については後述する。
移動部60は、キャリッジ50を主走査方向に往復移動させる。移動部60は、図1に示すように、2個のプーリ61,62と、タイミングベルト63と、モータ64を含む。2個のプーリ61,62は、搬送部20を基準として、主走査方向の両側にそれぞれ設けられる。プーリ61には、モータ64が連結される。プーリ62は、回転自在に支持される。プーリ61は、モータ64の回転に伴い回転する。タイミングベルト63は、張力が作用した状態でプーリ61,62に架け渡される。タイミングベルト63には、キャリッジ50が支持部51を介して取り付けられる。図1では、供給接続部31K,31M,31Y,31Cと後述する吸引接続部81は、簡略化された状態で図示されている。供給接続部31K,31M,31Y,31Cと吸引接続部81は、キャリッジ50の主走査方向への往復移動に対応可能な状態で設けられる。
制御装置70は、制御部71と、圧力入力部72を備える。制御部71は、例えば、CPUと、記憶装置と、RAMを含む。CPUは、演算処理を実行し、インクジェット記録装置10で実行される各種の処理を制御する。記憶装置は、例えば、不揮発性のメモリ及び/又はハードディスクによって構成される。記憶装置には、インクジェット記録装置10で実行される各種の処理のプログラムが記憶される。例えば、画像の記録に関するプログラムが記憶される。RAMは、CPUが記憶装置に記憶されたプログラムを実行する際の記憶領域となる。RAMには、処理の実行途中に所定のデータが記憶される。
圧力入力部72は、サブタンク32K,32M,32Y,32Cの各貯留室33の圧力の圧力設定値の入力を受け付ける。作業者は、圧力入力部72に対して、圧力設定値を入力する。制御部71は、圧力入力部72で受け付けられた圧力設定値を取得する。制御部71は、取得された圧力設定値に従い、減圧部80を制御する。減圧部80は、サブタンク32K,32M,32Y,32Cの各貯留室33の圧力を、大気圧(1013hPa)より低い負圧に減圧する。減圧部80に関する説明は後述する。
インクジェット記録装置10は、上述した各部の他、不図示の送液ポンプを備える。送液ポンプは、インク色数に対応して4台設けられる。4台の送液ポンプは、供給接続部31K,31M,31Y,31Cにそれぞれ設けられる。メインタンク30K,30M,30Y,30Cに貯留された各色のインクは、各色用の送液ポンプによってサブタンク32K,32M,32Y,32Cに供給される。サブタンク32K,32M,32Y,32Cへの各色のインクの供給は、送液ポンプとは異なる公知の送液部によって行うようにしてもよい。例えば、メインタンク30K,30M,30Y,30Cの内部を加圧等することで行うようにしてもよい。送液部は、公知のインクジェット記録装置にも設けられた構成である。インクジェット記録装置10でも公知のインクジェット記録装置と同様の送液部を採用することができる。そのため、送液部に関する説明は省略する。
<減圧部>
減圧部80について、図1〜図3を参照して説明する。減圧部80は、吸引接続部81と、吸引弁82と、真空ポンプ83と、バッファタンク84と、第二接続部90と、切替弁95K,95M,95Y,95Cと、第三接続部96K,96M,96Y,96Cと、開放弁98と、圧力センサ99を備える。
吸引接続部81は、図1に示すように、バッファタンク84と真空ポンプ83を接続する。吸引接続部81の途中には、吸引弁82が設けられる。吸引弁82は、吸引接続部81の内部に形成された第三接続流路を、開放し閉鎖する電磁弁である。吸引弁82が第一状態となった場合、吸引接続部81による第三接続流路は、開放する。第一状態は、吸引弁82が開いた状態である。この場合、真空ポンプ83とバッファタンク84の内部室85は、通じ合う。真空ポンプ83は、バッファタンク84の内部室85(図3参照)にある空気を吸引する。吸引された空気は、吸引接続部81を真空ポンプ83の側に流れる。吸引弁82が第二状態となった場合、吸引接続部81による第三接続流路は、閉鎖する。第二状態は、吸引弁82が閉じた状態である。この場合、真空ポンプ83による内部室85にある空気の吸引は、停止する。
バッファタンク84は、サブタンク32K,32M,32Y,32Cの各貯留室33を負圧とする場合の緩衝用のタンクである。内部室85は、バッファタンク84の内部に形成された空間である。真空ポンプ83による空気の吸引に伴い、内部室85では、圧力が負圧となる。インクジェット記録装置10では、内部室85の圧力を後述するように調整することで、サブタンク32K,32M,32Y,32Cの各貯留室33の圧力が、圧力設定値又は圧力設定値に応じた所定の範囲に調整される。
内部室85とサブタンク32Kの貯留室33は、第二接続部90と、切替弁95Kと、第三接続部96Kによって接続される。内部室85とサブタンク32Kの貯留室33は、通じ合った状態とされる。内部室85とサブタンク32Mの貯留室33は、第二接続部90と、切替弁95Mと、第三接続部96Mによって接続される。内部室85とサブタンク32Mの貯留室33は、通じ合った状態とされる。内部室85とサブタンク32Yの貯留室33は、第二接続部90と、切替弁95Yと、第三接続部96Yによって接続される。内部室85とサブタンク32Yの貯留室33は、通じ合った状態とされる。内部室85とサブタンク32Cの貯留室33は、第二接続部90と、切替弁95Cと、第三接続部96Cによって接続される。内部室85とサブタンク32Cの貯留室33は、通じ合った状態とされる。内部室85とサブタンク32K,32M,32Y32Cの各貯留室33の間では、空気が流通する。
実施形態では、内部室85とサブタンク32Kの貯留室33を通じ合わせる流路を、「第二接続流路K」という。内部室85とサブタンク32Mの貯留室33を通じ合わせる流路を、「第二接続流路M」という。内部室85とサブタンク32Yの貯留室33を通じ合わせる流路を、「第二接続流路Y」という。内部室85とサブタンク32Cの貯留室33を通じ合わせる流路を、「第二接続流路C」という。図2に示す矢印Cは、第二接続流路Cに対応する。
バッファタンク84は、内部室85の容積が、サブタンク32K,32M,32Y,32Cの各貯留室33の総容積より大きくなる状態とされる。バッファタンク84には、図3に示すように、内部室85を形成する壁部を貫通する4個の貫通穴86,87,88,89が形成される。実施形態では、貫通穴86,87,88,89は、搬送方向に対向する2個の壁部のうち、搬送方向の上流側となる壁部に、主走査方向に並んで設けられる。貫通穴86は、主走査方向の第一側に設けられる。貫通穴87は、主走査方向の第一側で貫通穴86と隣り合う。貫通穴88は、主走査方向の第一側で貫通穴87と隣り合う。貫通穴89は、主走査方向の第一側で貫通穴88と隣り合い、且つ主走査方向の第二側に設けられる。バッファタンク84において、貫通穴86は、第二接続流路Kの第一部分を形成する第一流路部となる。貫通穴87は、第二接続流路Mの第一部分を形成する第一流路部となる。貫通穴88は、第二接続流路Yの第一部分を形成する第一流路部となる。貫通穴89は、第二接続流路Cの第一部分を形成する第一流路部となる。
第二接続部90は、図3に示すように、ブロック状の部材によって形成される。第二接続部90を形成する部材は、バッファタンク84を形成する材質より、熱伝導率が高い材質とされる。例えば、バッファタンク84は、樹脂材料により形成され、第二接続部90は、金属材料により形成される。第二接続部90を形成する金属材料としては、例えば、アルミニウムが挙げられる。第二接続部90は、マニフォールドと称されることもある。
第二接続部90となるブロック状の部材には、4個の貫通穴91,92,93,94が形成される。貫通穴91,92,93,94は、上述したバッファタンク84の貫通穴86,87,88,89と同じ間隔で、主走査方向に並んで設けられる。貫通穴91は、主走査方向の第一側に設けられる。貫通穴92は、主走査方向の第一側で貫通穴91と隣り合う。貫通穴93は、主走査方向の第一側で貫通穴92と隣り合う。貫通穴94は、主走査方向の第一側で貫通穴93と隣り合い、且つ主走査方向の第二側に設けられる。第二接続部90において、貫通穴91は、第二接続流路Kの第二部分を形成する第二流路部となる。貫通穴92は、第二接続流路Mの第二部分を形成する第二流路部となる。貫通穴93は、第二接続流路Yの第二部分を形成する第二流路部となる。貫通穴94は、第二接続流路Cの第二部分を形成する第二流路部となる。
第二接続部90は、貫通穴91がバッファタンク84の貫通穴86に一致し、貫通穴92がバッファタンク84の貫通穴87に一致し、貫通穴93がバッファタンク84の貫通穴88に一致し、貫通穴94がバッファタンク84の貫通穴89に一致した状態で、バッファタンク84に固定される。
切替弁95Kは、第二接続部90と第三接続部96Kの間に設けられる。切替弁95Kは、電磁弁である。切替弁95Kは、第二接続流路Kを開放させる第一状態と、第二接続流路Kを閉鎖させる第二状態に切り替わる。第一状態は、切替弁95Kが開いた状態であり、第二状態は、切替弁95Kが閉じた状態である。インクジェットヘッド40Kでは、ブラックインクを吐出するノズルに、ブラックインクが詰まることがある。このような場合、インクジェット記録装置10では、サブタンク32Kの貯留室33を加圧し、強制的にブラックインクを吐出するメンテナンス処理が実行される。切替弁95Kは、例えば、前述したようなメンテナンス処理がインクジェット記録装置10で実行される場合、第二状態へと切り替えられる。メンテナンス処理が行われず、後述する記録工程がインクジェット記録装置10で実行される場合、切替弁95Kは、第一状態とされる。
切替弁95Mは、第二接続部90と第三接続部96Mの間に設けられる。切替弁95Mは、電磁弁である。切替弁95Mは、第二接続流路Mを開放させる第一状態と、第二接続流路Mを閉鎖させる第二状態に切り替わる。第一状態は、切替弁95Mが開いた状態であり、第二状態は、切替弁95Mが閉じた状態である。インクジェットヘッド40Mでは、マゼンタインクを吐出するノズルに、マゼンタインクが詰まることがある。このような場合、インクジェット記録装置10では、サブタンク32Mの貯留室33を加圧し、強制的にマゼンタインクを吐出するメンテナンス処理が実行される。切替弁95Mは、例えば、前述したようなメンテナンス処理がインクジェット記録装置10で実行される場合、第二状態へと切り替えられる。メンテナンス処理が行われず、後述する記録工程がインクジェット記録装置10で実行される場合、切替弁95Mは、第一状態とされる。
切替弁95Yは、第二接続部90と第三接続部96Yの間に設けられる。切替弁95Yは、電磁弁である。切替弁95Yは、第二接続流路Yを開放させる第一状態と、第二接続流路Yを閉鎖させる第二状態に切り替わる。第一状態は、切替弁95Yが開いた状態であり、第二状態は、切替弁95Yが閉じた状態である。インクジェットヘッド40Yでは、イエローインクを吐出するノズルに、イエローインクが詰まることがある。このような場合、インクジェット記録装置10では、サブタンク32Yの貯留室33を加圧し、強制的にイエローインクを吐出するメンテナンス処理が実行される。切替弁95Yは、例えば、前述したようなメンテナンス処理がインクジェット記録装置10で実行される場合、第二状態へと切り替えられる。メンテナンス処理が行われず、後述する記録工程がインクジェット記録装置10で実行される場合、切替弁95Yは、第一状態とされる。
切替弁95Cは、第二接続部90と第三接続部96Cの間に設けられる。切替弁95Cは、電磁弁である。切替弁95Cは、第二接続流路Cを開放させる第一状態と、第二接続流路Cを閉鎖させる第二状態に切り替わる。第一状態は、切替弁95Cが開いた状態であり、第二状態は、切替弁95Cが閉じた状態である。インクジェットヘッド40Cでは、シアンインクを吐出するノズルに、シアンインクが詰まることがある。このような場合、インクジェット記録装置10では、サブタンク32Cの貯留室33を加圧し、強制的にシアンインクを吐出するメンテナンス処理が実行される。切替弁95Cは、例えば、前述したようなメンテナンス処理がインクジェット記録装置10で実行される場合、第二状態へと切り替えられる。メンテナンス処理が行われず、後述する記録工程がインクジェット記録装置10で実行される場合、切替弁95Cは、第一状態とされる。
インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cにおける上述したメンテナンス処理は、同じタイミングで行うようにしてもよい。この他、インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cにおける上述したメンテナンス処理は、所定のタイミングで定期的に行うようにしてもよい。図1及び図2では、サブタンク32K,32M,32Y,32Cの各貯留室33をそれぞれ加圧する加圧機構の図示は省略されている。
第三接続部96Kは、切替弁95Kとサブタンク32Kを接続する。第三接続部96Kは、第二接続流路Kの第三部分を形成する第三流路部を含む。第三接続部96Mは、切替弁95Mとサブタンク32Mを接続する。第三接続部96Mは、第二接続流路Mの第三部分を形成する第三流路部を含む。第三接続部96Yは、切替弁95Yとサブタンク32Yを接続する。第三接続部96Yは、第二接続流路Yの第三部分を形成する第三流路部を含む。第三接続部96Cは、切替弁95Cとサブタンク32Cを接続する。第三接続部96Cは、第二接続流路Cの第三部分を形成する第三流路部を含む。
第二接続流路K,M,Y,Cによって通じ合う、内部室85とサブタンク32K,32M,32Y,32Cの各貯留室33の接続形態は、同じである。切替弁95K,95M,95Y,95Cは、同じ電磁弁である。第三接続部96K,96M,96Y,96Cは、同一の構成を有する。実施形態では、内部室85とサブタンク32K,32M,32Y,32Cの各貯留室33の接続形態について、内部室85とサブタンク32Cの貯留室33を例に説明する。
上述したように、第二接続部90がバッファタンク84に固定されると、バッファタンク84の貫通穴89と第二接続部90の貫通穴94は、連続する(図2参照)。即ち、第二接続流路Cにおいて、貫通穴89による第一流路部と、貫通穴94による第二流路部は、通じ合う。バッファタンク84の貫通穴89の開口縁部と第二接続部90の貫通穴94の開口縁部の間には、例えば、Oリング97が挟み込まれる(図2参照)。これによって、貫通穴89による第一流路部と貫通穴94による第二流路部の境界における密閉が確保される。図3では、Oリング97とOリング97を収容する溝部の図示(かくれ線)は省略されている。
第三接続部96Cでは、第一端部が切替弁95Cに固定され、第二端部がサブタンク32Cに固定される。即ち、第二接続流路Cでは、切替弁95Cが第一状態である場合に、第三接続部96Cの第一端部の側で、第三流路部と第二流路部は通じ合う。更に、第二接続流路Cでは、切替弁95Cの状態に関わらず、第三接続部96Cの第二端部の側で、第三流路部は、サブタンク32Cの貯留室33と通じ合う。第一端部の側で行われる切替弁95Cと第三接続部96Cの固定と、第二端部の側で行われるサブタンク32Cと第三接続部96Cの固定は、例えば、公知の継手を介して行われる。図1〜図3では、このような継手の図示は省略されている。
開放弁98は、内部室85を形成する壁部を貫通する貫通穴(不図示)による第四接続流路を、開放し閉鎖する電磁弁である。実施形態では、前述した壁部は、主走査方向に対向する2個の壁部のうち、主走査方向の第一側となる壁部である。開放弁98は、内部室85とは反対側で、大気に通じる。即ち、開放弁98が第一状態である場合、バッファタンク84の内部室85は、大気開放状態となる。開放弁98が第二状態である場合、大気との繋がりは閉鎖される。第一状態は、開放弁98が開いた状態であり、第二状態は、開放弁98が閉じた状態である。開放弁98のバッファタンク84への固定は、例えば、切替弁95K,95M,95Y,95Cのバッファタンク84への固定と同様の構造とされる。但し、開放弁98は、第三接続部96K,96M,96Y,96Cのような管状の部材を介して、バッファタンク84に固定するようにしてもよい。
圧力センサ99は、内部室85の圧力を計測する。圧力センサ99によって計測された計測値は、制御部71に入力される。制御部71は、圧力センサ99によって計測された計測値を取得する。制御部71は、計測値に従い内部室85の圧力を調整する。この調整は、例えば、内部室85の圧力を圧力設定値とし、又は内部室85の圧力を圧力設定値を基準とした所定の範囲内として行われる。
減圧部80において、バッファタンク84と、第二接続部90と、切替弁95K,95M,95Y,95Cと、第三接続部96K,96M,96Y,96Cと、開放弁98と、圧力センサ99は、キャリッジ50に搭載される。即ち、キャリッジ50には、第一接続部35K,35M,35Y,35Cによってサブタンク32K,32M,32Y,32Cとそれぞれ接続されたインクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cと、バッファタンク84が、バッファタンク84に固定された第二接続部90と、第二接続部90に固定された切替弁95K,95M,95Y,95Cと、第三接続部96K,96M,96Y,96Cによって接続された状態で搭載されている。キャリッジ50に搭載されたバッファタンク84には、開放弁98と圧力センサ99も取り付けられている。上記では説明を省略したが、バッファタンク84への第二接続部90の固定と、第二接続部90への切替弁95K,95M,95Y,95Cの固定は、例えば、ねじによって行われる。
<インクジェット記録方法>
インクジェット記録装置10では、記録媒体15に画像が記録される場合、インクジェット記録方法が実行される。インクジェット記録方法は、記録工程と、搬送工程を含む。搬送工程は、搬送部20によって記録媒体15を搬送する工程である。記録工程は、搬送部20によって搬送されている記録媒体15に画像を記録する工程である。インクジェット記録方法は、制御部71によって制御される。インクジェット記録方法は、次のようにして開始される。即ち、インクジェット記録方法は、画像の記録の開始指令が制御装置70に入力され、制御部71がこれを取得したタイミングで開始される。開始指令を取得した制御部71は、移動部60とインクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cと搬送部20を制御する。これに伴い、記録工程と搬送工程が連動した状態で実行される。
記録工程において、移動部60では、プーリ61に連結されたモータ64が時計回りと反時計回りに往復して回転する。モータ64の回転に伴い、プーリ61が左右両側に往復して回転する。図1でプーリ61の内側に示す弧状の矢印は、プーリ61の回転方向を示す。モータ64が所定の方向に回転することでプーリ61が左回転すると、タイミングベルト63も左回転する。プーリ62は、左回転するタイミングベルト63に従動して回転する。これに伴い、キャリッジ50は、主走査方向の第二側から第一側に移動する。キャリッジ50が主走査方向の第一側の移動端に到達すると、モータ64の回転方向は反転し、プーリ61は、右回転する。プーリ61が右回転すると、タイミングベルト63も右回転する。プーリ62は、右回転するタイミングベルト63に従動して回転する。これに伴い、キャリッジ50は、主走査方向の第一側から第二側に移動する。キャリッジ50が主走査方向の第二側の移動端に到達すると、モータ64の回転方向は再度反転し、プーリ61は、再度左回転する。
記録工程において、インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cにそれぞれ形成されたノズルから、各色のインクが記録媒体15に向けて吐出される。各色のインクの吐出は、上述した移動部60の動作に応じてキャリッジ50が主走査方向に移動している所定のタイミングで実行される。インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cの各ノズルから吐出された各色のインクによるインク滴は、記録媒体15の記録面16に着弾する。着弾した各色のインク滴により記録媒体15の記録面16に画像が記録される。記録工程では、画像の記録が継続されると、サブタンク32K,32M,32Y,32Cの各貯留室33に貯留されたインクの量が減少する。この場合、減少した色のインクが、メインタンク30K,30M,30Y,30Cからサブタンク32K,32M,32Y,32Cに適宜供給される。
記録工程は、サブタンク32K,32M,32Y,32Cの各貯留室33が所定の負圧値に調整された状態で行われる。貯留室33の圧力の調整は、上述した通り、貯留室33に通じたバッファタンク84の内部室85の圧力を調整することで実現される。内部室85の圧力は、制御部71によって制御される。即ち、制御部71は、圧力センサ99から取得された計測値と取得済みの圧力設定値に従い、所定の各部に制御信号を出力する。
例えば、圧力センサ99から取得された計測値が圧力設定値に応じた上限値より高くなったとする。計測値が上限値より高い状態は、計測値が上限値より大気圧に近い状態を意味する。この場合、制御部71は、開始信号を真空ポンプ83に出力し、開放信号を吸引弁82と切替弁95K,95M,95Y,95Cにそれぞれ出力し、閉鎖信号を開放弁98に出力する。開始信号は、真空ポンプ83の動作を開始させる制御信号である。吸引弁82と切替弁95K,95M,95Y,95Cにそれぞれ出力される開放信号は、吸引弁82と切替弁95K,95M,95Y,95Cを第一状態へと切り替える制御信号である。開放弁98に出力される閉鎖信号は、開放弁98を第二状態へと切り替える制御信号である。真空ポンプ83は、開始信号に応じて駆動を開始する。吸引弁82は開放信号に応じて第一状態へと切り替わり、吸引接続部81による第三流路部は、開放状態となる。開放弁98は、閉鎖信号に応じて第二状態へと切り替わる。切替弁95K,95M,95Y,95Cは、第一状態へと切り替わり、又は第一状態が維持される。このタイミングで、切替弁95K,95M,95Y,95Cが第一状態である場合、切替弁95K,95M,95Y,95Cに対する開放信号の出力は、省略するようにしてもよい。これに伴い、内部室85にある空気が真空ポンプ83に吸引され、内部室85の圧力が低下する。
内部室85にある空気が吸引され、圧力センサ99から取得された計測値が圧力設定値に応じた下限値になったとする。この場合、制御部71は、停止信号を真空ポンプ83に出力し、閉鎖信号を吸引弁82に出力する。停止信号は、真空ポンプ83の動作を停止させる制御信号である。吸引弁82に出力される閉鎖信号は、吸引弁82を第二状態へと切り替える制御信号である。真空ポンプ83は、停止信号に応じて駆動を停止する。吸引弁82は、閉鎖信号に応じて第二状態へと切り替わり、吸引接続部81による第三流路部は、閉鎖状態となる。これに伴い、内部室85からの空気の吸引は停止される。切替弁95K,95M,95Y,95Cでは、第一状態が継続される。
内部室85にある空気が吸引され、圧力センサ99から取得された計測値が圧力設定値に応じた下限値より低くなったとする。計測値が下限値より低い状態は、下限値が計測値より大気圧に近い状態を意味する。この場合、制御部71は、停止信号を真空ポンプ83に出力し、閉鎖信号を吸引弁82に出力し、開放信号を開放弁98に出力する。開放弁98に出力される開放信号は、開放弁98を第一状態へと切り替える制御信号である。真空ポンプ83は、上記同様、駆動を停止し、吸引弁82も第二状態へと切り替わる。開放弁98は、開放信号に応じて第一状態へと切り替わり、内部室85は大気開放される。これに伴い、内部室85に空気が流入し、内部室85の圧力が増加する。切替弁95K,95M,95Y,95Cでは、第一状態が継続される。
制御部71は、上述した制御を繰り返して実行する。このような制御により、内部室85の圧力は、圧力入力部72から取得された圧力設定値を基準とした所定の範囲に調整される。換言すれば、貯留室33の圧力は、圧力入力部72から取得された圧力設定値を基準とした所定の範囲に調整される。
インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cの全部又は一部について、上述したメンテナンス処理が実行されるとする。この場合、制御部71は、切替弁95K,95M,95Y,95Cのうち、メンテナンス処理の対象であるインクジェットヘッドに対応する切替弁に、閉鎖信号を出力する。例えば、インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cの全部が、メンテナンス処理の対象である場合、制御部71は、閉鎖信号を、切替弁95K,95M,95Y,95Cにそれぞれ出力する。切替弁95K,95M,95Y,95Cに出力される閉鎖信号は、切替弁95K,95M,95Y,95Cを第二状態へと切り替える制御信号である。切替弁95K,95M,95Y,95Cは、閉鎖信号に応じて第二状態へと切り替わり、第二接続流路K,M,Y,Cは閉鎖状態となる。このとき、供給弁34K,34M,34Y,34Cは、第二状態とされる。
搬送工程において、搬送部20は、上述したキャリッジ50の主走査方向への往復移動に対応して、記録媒体15を搬送方向に搬送する。即ち、搬送部20による記録媒体15の搬送は、キャリッジ50の主走査方向への往復移動に応じて間欠的に行われる。移動部60は、画像の記録が終了するまで動作する。従って、キャリッジ50の主走査方向への往復移動は、画像の記録が終了するまで繰り返される。搬送部20は、例えば、画像の記録が終了した後、所定のタイミングで停止する。搬送部20の停止に伴い、搬送方向への記録媒体15の搬送も終了する。インクジェット記録方法は、搬送部20の停止に伴い終了する。
<実施形態の効果>
実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)インクジェット記録装置10では、キャリッジ50に、インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cとバッファタンク84が搭載される。キャリッジ50において、インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cは、第一接続部35K,35M,35Y,35Cによってサブタンク32K,32M,32Y,32Cとそれぞれ接続される。キャリッジ50において、インクジェットヘッド40K,40M,40Y,40Cとバッファタンク84は、第二接続部90と、切替弁95K,95M,95Y,95Cと、第三接続部96K,96M,96Y,96Cによって接続される。
そのため、サブタンク32K,32M,32Y,32Cの各貯留室33とバッファタンク84の内部室85を通じ合わせる第二接続流路K,M,Y,Cを、バッファタンクがキャリッジに搭載されていないインクジェット記録装置と比較し、短くすることができる。サブタンク32K,32M,32Y,32Cの各貯留室33の圧力を所定の負圧値で一定に維持することができる。サブタンク32K,32M,32Y,32Cの各貯留室33の圧力変動に対する即応性を向上させることができる。
(2)第二接続部90を、バッファタンク84を形成する樹脂材料より、熱伝導率が高い金属材料で形成することとした。切替弁95K,95M,95Y,95Cとしては、電磁弁が採用される。電磁弁である切替弁95K,95M,95Y,95Cは、発熱することがある。切替弁95K,95M,95Y,95Cが発熱した場合、切替弁95K,95M,95Y,95Cで発生した熱は、第二接続部90に伝わる。そのため、切替弁95K,95M,95Y,95Cを冷却することができる。第二接続部90に伝わった熱がバッファタンク84に伝わることを抑制することができる。例えば、バッファタンク84が熱によって膨張することを抑制することができる。バッファタンク84を軽量化することができる。移動部60によって主走査方向に往復移動するキャリッジ50に作用する慣性力を、低減することができる。
<変形例>
実施形態は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例のうちの幾つかの構成は、適宜組み合わせて採用することもできる。以下では上記とは異なる点を説明することとし、同様の点についての説明は適宜省略する。
(1)上記では、第二接続部90は、ブロック状の部材によって形成される。第二接続部90となるブロック状の部材には、4個の貫通穴91,92,93,94が形成される。バッファタンク84と切替弁95Kの間の第二接続部は、第三接続部96Kのような管状の部材によって形成するようにしてもよい。この管状の第二接続部は、第二接続流路Kの第二部分となる第二流路部を含む。バッファタンク84と切替弁95Mの間の第二接続部は、第三接続部96Mのような管状の部材によって形成するようにしてもよい。この管状の第二接続部は、第二接続流路Mの第二部分となる第二流路部を含む。バッファタンク84と切替弁95Yの間の第二接続部は、第三接続部96Yのような管状の部材によって形成するようにしてもよい。この管状の第二接続部は、第二接続流路Yの第二部分となる第二流路部を含む。バッファタンク84と切替弁95Cの間の第二接続部は、第三接続部96Cのような管状の部材によって形成するようにしてもよい。この管状の第二接続部は、第二接続流路Cの第二部分となる第二流路部を含む。
(2)上記では、バッファタンク84は、樹脂材料によって形成される。バッファタンクは、例えば、アルミニウムのような熱伝導率の高い材質によって形成するようにしてもよい。第二接続部90からの熱がバッファタンクに伝わったとする。この場合、この熱を、バッファタンクからスムーズに放熱することができる。アルミニウム製のバッファタンクとすることで、バッファタンクを軽量化することができる。
(3)上記では、インクジェット記録装置10がシリアル型である場合を例に説明した(図1参照)。インクジェット記録装置10では、上述した通り、移動部60によってキャリッジ50を主走査方向に往復移動させつつインクを吐出し、記録媒体15に画像が記録される。キャリッジに、各色用のインクジェットヘッドとバッファタンクを搭載し、第二接続部と、各色用の切替弁と、各色用の第三接続部によって接続する上述の構造(図2参照)は、ライン型のインクジェットヘッドを備えるインクジェット記録装置に採用することもできる。ライン型のインクジェットヘッドは、複数のノズルが、記録媒体15の短手方向に一致する主走査方向に整列された状態で、キャリッジに搭載される。ノズルが整列される主走査方向の範囲は、例えば、記録媒体15の幅以上とされる。各色用のインクジェットヘッドは、副走査方向に隣り合った状態で、キャリッジに搭載される。バッファタンクは、各色用のインクジェットヘッドが前述した状態で搭載されたキャリッジに搭載される。キャリッジに搭載され、各色用の第一接続部によって各色用のサブタンクとそれぞれ接続された各色用のインクジェットヘッドとバッファタンクは、第二接続部と、各色用の切替弁と、各色用の第三接続部によって接続される。