JP2016193464A - トロコイド歯車 - Google Patents

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Abstract

【課題】目標歯形により近い歯形を有するトロコイド歯車を提供する。【解決手段】歯先部及び歯底部を交互に備えるトロコイド歯車が提供される。前記トロコイド歯車は、切削工具を、ワークの切削面に対し相対的に、前記歯先部の形成時に第1トロコイド曲線に沿って移動させるように制御し、前記歯底部の形成時に前記第1トロコイド曲線よりも前記歯底側に描かれるオフセット曲線に沿って移動させるように制御することにより形成される歯形を有する。【選択図】図16

Description

本発明は、トロコイド歯車及びこれを備える減速機、並びに、トロコイド歯車の製造方法、製造装置及び製造プログラムに関する。
歯車の一種に、トロコイド曲線に沿った歯形を有するトロコイド歯車がある。トロコイド歯車は、他の歯車、例えば、インボリュート歯車と比較して、滑らかな転がり接触を実現する等の利点を有しており、減速機やポンプ等の様々な用途に利用されている。かかるトロコイド歯車は、コンピュータで数値制御されたエンドミル等の切削工具を用いて加工することができる(特許文献1参照)。
特開2002−98219号公報
ところで、本発明者らは、数値制御によりワークに対して切削工具を相対的に移動させながらトロコイド歯車を製造する場合においては、以下の問題点があることに気が付いた。すなわち、このような数値制御を伴う加工を行う場合には、目標歯形のデータを予めコンピュータに与え、これに沿ってエンドミル又はワークを移動させる制御が行われるが、この場合、最終的に製造されるトロコイド歯車の歯底の形状が、目標歯形に比べて浅くなってしまう傾向にある(図14参照)。これは、1つには、歯先から歯底に向かうにつれて、切削抵抗が大きくなるからと考えられる。そして、このように歯底が浅く形成されてしまうと、部品である歯車を完成品へと組み立ててゆく際に、他の部品と干渉してしまう等の不具合が生じ得る。
本発明は、上記問題点に鑑みて為されたものであり、目標歯形により近い歯形を有するトロコイド歯車、及びこれを備える減速機、並びに、トロコイド歯車の製造方法、製造装置及び製造プログラムに関する。
本発明の第1観点に係るトロコイド歯車は、歯先部及び歯底部を交互に備える。前記トロコイド歯車は、切削工具を、ワークの切削面に対し相対的に、前記歯先部の形成時に第1トロコイド曲線に沿って移動させるように制御し、前記歯底部の形成時に前記第1トロコイド曲線よりも前記歯底側に描かれるオフセット曲線に沿って移動させるように制御することにより形成される歯形を有する。
本発明の第2観点に係るトロコイド歯車は、第1観点に係るトロコイド歯車であって、前記オフセット曲線は、前記第1トロコイド曲線よりも急峻なカーブを描く第2トロコイド曲線である。
本発明の第3観点に係るトロコイド歯車は、第1観点又は第2観点に係るトロコイド歯車であって、前記オフセット曲線は、トロコイド曲線の曲率を定めるパラメータを、前記歯底部の浅部から深部に向かうにつれて、前記曲率がより大きくなるように変化させることにより描かれる曲線である。
本発明の第4観点に係るトロコイド歯車は、第3観点に係るトロコイド歯車であって、前記パラメータは、圧力角の二次関数に従って変化する。
本発明の第5観点に係るトロコイド歯車は、第3観点に係るトロコイド歯車であって、 前記パラメータは、圧力角の一次関数に従って変化する。
本発明の第6観点に係る減速機は、第1観点から第5観点のいずれかに係るトロコイド歯車を備える。
本発明の第7観点に係るトロコイド歯車の製造方法は、歯先部及び歯底部を交互に有するトロコイド歯車の製造方法であって、以下の(1)及び(2)のステップを備える。
(1)切削工具を、ワークの切削面に対し相対的に、第1トロコイド曲線に沿って移動させるように制御することにより、前記切削面に前記歯先部を形成するステップ。
(2)前記切削工具を、前記切削面に対し相対的に、前記第1トロコイド曲線よりも前記歯底側に描かれるオフセット曲線に沿って移動させるように制御することにより、前記切削面に前記歯底部を形成するステップ。
本発明の第8観点に係るトロコイド歯車の製造装置は、歯先部及び歯底部を交互に有するトロコイド歯車の製造装置であって、切削工具と、制御部とを備える。前記切削工具は、ワークの切削面に前記歯先部及び前記歯底部を切削する。前記制御部は、前記切削工具を、前記切削面に対し相対的に、前記歯先部の形成時に第1トロコイド曲線に沿って移動させるように制御し、前記歯底部の形成時に前記第1トロコイド曲線よりも前記歯底側に描かれるオフセット曲線に沿って移動させるように制御する。
本発明の第9観点に係るトロコイド歯車の製造プログラムは、歯先部及び歯底部を交互に有するトロコイド歯車の製造プログラムであって、コンピュータに以下の(1)及び(2)のステップを実行させる。
(1)切削工具を、ワークの切削面に対し相対的に、第1トロコイド曲線に沿って移動させるように制御することにより、前記切削面に前記歯先部を形成するステップ。
(2)前記切削工具を、前記切削面に対し相対的に、前記第1トロコイド曲線よりも前記歯底側に描かれるオフセット曲線に沿って移動させるように制御することにより、前記切削面に前記歯底部を形成するステップ。
本発明によれば、トロコイド歯車の製造に当たり、ワークの切削面に対する切削工具の相対的な移動の軌跡が、歯先部においては第1トロコイド曲線に沿うように、歯底部においては第1トロコイド曲線よりも歯底側に描かれるオフセット曲線に沿うように制御される。すなわち、切削抵抗の大きいと考えられる歯底部においては、切削工具が第1トロコイド曲線よりも深くまで移動するように制御される。その結果、実際に形成される歯形は、歯先部だけでなく歯底部においても、第1トロコイド曲線に近い形状となる。従って、目標歯形により近い歯形を有するトロコイド歯車を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る減速機が設けられた駆動装置の断面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1は変速機の拡大断面図である。 キャリアピン及びその固定方法の他の例を示す拡大断面図である。 キャリアピン及びその固定方法の他の例を示す拡大断面図である。 キャリアピンとローラの他の例を示す斜視図である。 外歯歯車のエッジ部の面取り工程の斜視図(a)及び断面図(b)である。 ニードルベアリングの他の例を示す断面図である。 ニードルベアリングの他の例を示す断面図である。 ニードルベアリングの他の例を示す断面図である。 ニードルベアリングの他の例を示す断面図である。 ニードルベアリングの他の例を示す断面図である。 外歯歯車の他の例を示す斜視図である。 トロコイド歯形の形成時における従来技術の問題点を説明する図。 外歯歯車の製造装置の構成を示すブロック図である。 エピトロコイド歯車の歯形を表すエピトロコイド平行曲線を示すグラフである。 図2の部分拡大図である。 エピトロコイド平行曲線の修正係数を表すグラフである。
以下、本発明に係るトロコイド歯車及びこれを有する減速機を、モータを備えた駆動装置に適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は駆動装置の断面図であり、図2は図1のA−A線断面図、図3は図1の変速機の拡大断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る駆動装置は、減速機1とモータ2とを備え、これらが一体的に連結されている。この構成により、モータ2から入力軸31を介して伝達される回転力が減速機1によって減速されて出力軸32から出力される。以下では、説明の便宜のため、図1のモータ側(右側)を先端側または前側、減速機側(左側)を後端側または後側として説明を行うことがある。また、入力軸31及び出力軸32の回転軸を軸線Xと称し、この方向を軸線方向と称することがある。まず、減速機1から説明する。
図1〜図3に示すように、この減速機1は、減速機構を収容するケーシング11を備え、このケーシング11の先端側には、モータ2により回転力を付与される入力軸31が連結されている。ケーシング11は、先端側に配置される円板状の第1支持板111と、この第1支持板111よりも小径で後端側に配置される円板状の第2支持板112とを備え、これらが平行に配置されている。そして、これら両支持板111,112の間には、円筒状の外筒113が配置され、ボルト114によって両支持板111,112と連結されている。具体的には、外筒113の外周縁には、前後方向に延びる複数の貫通孔1131が所定間隔をおいて形成されており、これと対応するように、両支持板111,112にも貫通孔115,116が形成されている。そして、第1支持板111側の先端側の面から貫通孔115に挿入されたボルト114が、第2支持板112の貫通孔116に形成された雌ネジに螺合することで、第1支持板111、外筒113、及び第2支持板112が一体的に連結され、ケーシング11を構成している。これにより、ケーシング11には、円筒状の内部空間が形成され、減速機構が収容される。
第1支持板111の中央には中央貫通孔117が形成されており、この中央貫通孔117にはベアリング121を介して、入力軸31が挿通されている。入力軸31の先端部は後述するように、モータ2の内部空間に回転自在に連結され、後端部は、後述するように、偏心体4にスプライン結合されている。
次に、ケーシング11に収容される減速機構について説明する。図3に示すように、この減速機構は、ケーシング11の内部空間の先端側に配置される第1キャリア5と、後端側に配置される第2キャリア6とを備えている。第1キャリア5は、円板状に形成されており、その外周面と外筒113の内周面と間に配置された第1ベアリング51により、内部空間内で回転自在に支持されている。また、第1キャリア5の先端側の外周面には径方向外方に突出する第1フランジ部52が形成されており、この第1フランジ部52は、第1ベアリング51に先端側から係合している。一方、第2キャリア6も同様に構成され、第1キャリア5との間に間隔をあけて内部空間の後端側に配置されている。そして、第1キャリア5と同様に、円板状に形成されており、その外周面と外筒113の内周面と間に配置された第2ベアリング61により、内部空間内で回転自在に支持されている。また、第2キャリア6の後端側の外周面には径方向外方に突出する第2フランジ部62が形成されており、この第2フランジ部62は、第2ベアリング61に後端側から係合している。
そして、第2キャリア6の後端面には、出力軸32が連結されており、第2キャリア6とともに回転するようになっている。出力軸32は、ケーシング11の第2支持板112の中央に形成された中央貫通孔118から外部に突出している。また、この中央貫通孔118の内周面にはベアリング119が設けられており、出力軸32はこのベアリング119を介して中央貫通孔118に支持されている。なお、第1及び第2ベアリング51,61は、ボールベアリングなどにより構成することができる。
第1キャリア5と第2キャリア6とは、円筒状に形成された複数のキャリアピン7により連結されている。以下、キャリアピン7と、その連結構造について説明する。本実施形態に係る減速機では、図2に示すように、減速機の軸線Xを中心として、90度おきに4本のキャリアピン7が設けられている。図3に示すように、各キャリアピン7は、円筒状の本体部71を備え、この本体部71の先端側に小径部72が形成されるとともに、本体部71の後端側には円筒状の大径部73が形成されている。小径部72は、本体部71よりも小径の円筒状に形成されており、外周面には雄ネジが形成されている。大径部73は、本体部71よりも大径の円筒状に形成されている。
第2キャリア6には、キャリアピン7の本体部71と大径部73とを受け入れる貫通孔63が形成されている。この貫通孔63は、本体部71の外径とほぼ同じ内径を有する第1径部631と、大径部73の外形とほぼ同じ内径を有する第2径部632と、を備えており、これら第1径部631及び第2径部632が先端側からこの順で連続して形成されている。一方、第1キャリア5には、キャリアピン7の本体部71と小径部72とを受け入れる貫通孔53が形成されている。この貫通孔53は、小径部72の外形とほぼ同じ内径を有する第1径部531と、本体部71の外径とほぼ同じ内径を有する第2径部532と、を備えており、これら第1径部531及び第2径部532が先端側からこの順で連続して形成されている。
次に、キャリアピン7と各キャリア5,6との固定について説明する。まず、キャリアピン7の小径部72を先端側に向けて、第2キャリア6の後端面側から貫通孔63に挿通され、その後、第1キャリア5の貫通孔53に挿通される。そして、キャリアピン7の大径部73が、第2キャリア6の貫通孔63の第2径部632に配置されたとき、第1キャリア5の貫通孔53の先端側から小径部72の先端部が突出するようになっている。次に、第1キャリア5の貫通孔63から突出した小径部72の雄ネジに、ナット33を螺合させ、締め付ける。これにより、両キャリア5,6が、複数のキャリアピン7を介して一体的に連結される。
なお、ナット33を締め付けると、第1キャリア5には後端側へ移動するように力が作用し、第2キャリア6には先端側へ移動するように力が作用する。しかしながら、第1キャリア5には第1フランジ部52が設けられ、先端側から第1ベアリング51に係合しているため、第1キャリア5の後方への移動が規制される。同様に、第2キャリア6には第2フランジ部62が設けられ、後方から第2ベアリング61に係合しているため、第2キャリア6の前方への移動が規制される。
図3に示すように、両キャリア5,6の間には、軸線Xに沿って延びる円筒状の偏心体4が配置されている。この偏心体4は、先端側に形成された小径の先端部41と、後端側に形成された小径の後端部42とを備えている。そして、先端部41と後端部42との間には、軸線Xから偏心された2つの偏心部、つまり第1偏心部43と第2偏心部44とが形成されている。ここで、第1偏心部43が先端側に配置され、第2偏心部44は後端側に配置されている。
偏心体4の先端部41は、第1キャリア5の中心に形成された貫通孔54に挿通されており、この貫通孔54の後端側に配置されたベアリング55に回転自在に支持されている一方、偏心体4の後端部42は、第2キャリア6の中心に形成された貫通孔64に挿通されており、この貫通孔64の先端側に配置されたベアリング65に回転自在に支持されている。これにより、偏心体4は、両キャリア5,6に対して回転自在となっている。また、偏心体4の先端部41の先端には凹部45が形成されており、この凹部45に入力軸31の後端部が挿通され、スプライン結合されている。したがって、入力軸31ととともに偏心体4が軸線X周りを回転するようになっている。
偏心体4の各偏心部43,44は、円板状に形成されており、わずかな隙間をあけて前後方向に一体的に連結されている。図2に示すように、第1偏心部43の軸心X1及び第2偏心部44の軸心X2は、ともに減速機1の軸線Xから偏心するとともに、この軸線Xを中心として180度ずれた位置に配置されている。
第1偏心部43の外周面には第1ニードルベアリング56が配置されており、このニードルベアリング56を介して、第1偏心部43には第1外歯歯車8が連結されている。すなわち、第1外歯歯車8の中心には中央貫通孔81が形成されており、この中央貫通孔81に第1ニードルベアリング56を介して第1偏心部43が配置されている。図3中の拡大図に示すように、第1ニードルベアリング56は、円筒状に形成された複数のコロ561と、コロ561を支持する環状のシェル562とを備えている。シェル562は、第1外歯歯車8の中央貫通孔81の内周面に沿って固定される円筒状の基部563と、この基部563の前端及び後端から径方向内方にそれぞれ延びる板状の第1支持部564及び第2支持部565と、で形成されている。複数のコロ561は、基部563に沿って周方向に並び、第1及び第2支持部564,565との間に挟まれることで、前後方向への移動が規制されている。複数のコロ561は、シェル562に回転自在に支持されつつ、第1偏心部43の外周面に接しており、これによって、第1外歯歯車8が、第1偏心部43の周囲を回転自在となっている。
次に、第1外歯歯車8について説明する。第1偏心部43の軸心X1は、軸線Xから偏心しているため、第1偏心部43が回転すると、第1外歯歯車8は偏心揺動回転する。また、図2に示すように、第1外歯歯車8において、その中心と外周縁との間には、キャリアピン7が挿通される4つのキャリアピン用貫通孔82が形成されている。これらキャリアピン用貫通孔82は、キャリアピン7及び後述するローラ83よりも大きく、第1外歯歯車8の軸心を中心に90度おきに形成されている。そして、各キャリアピン7において、キャリアピン用貫通孔82を通過する位置には円筒状のローラ83が設けられている。ローラ83は、キャリアピン7の外周面に対し回転自在に配置されており、ローラ83の外周面が、キャリアピン用貫通孔82の内周面に接触し、内周面からの押圧力がローラ83を介してキャリアピン7に伝達されるようになっている。
また、第1外歯歯車8の外歯84は、エピトロコイド平行曲線により規定されるトロコイド歯形を有している。
上記のように構成された第1外歯歯車8の外歯84はケーシング11の内周面に形成された内歯歯車15に噛み合う。以下、内歯歯車15について説明する。まず、図2に示すように、ケーシング11の外筒113の内周面において、第1ベアリング51と第2ベアリング61との間には、断面円弧状の凹部151が周方向に沿って所定間隔をおいて形成されている。そして、各凹部151には、前後方向に延びる円筒状の内歯ピン152が回転自在に配置されており、内歯ピン152の外周面の一部は、外筒113の内周面から径方向内方へ突出している。こうして、内歯ピン152が外筒113の内周面から所定間隔をおいて突出することで、外筒113の内周面には周方向に沿って凹凸が形成され、これが内歯歯車15を構成する。
一方、第2偏心部44の外周面には第2ニードルベアリング66が配置されており、この第2ニードルベアリング66を介して、第2偏心部44には第2外歯歯車9が連結されている。第2ニードルベアリング66及び第2外歯歯車9の構成は、第1ニードルベアリング56及び第1外歯歯車8と同様であるため、詳しい説明は省略する。なお、各キャリアピン7において、第2外歯歯車9のキャリアピン用貫通孔92を通過する位置には円筒状のローラ93が設けられている。また、第2外歯歯車9は、第1外歯歯車8と同様に、上述した外筒113の内歯歯車15に噛み合っている。
なお、第1外歯歯車8及び第2外歯歯車9の歯数は同じであるが、内歯歯車15の歯数よりも少なくなっている。本実施形態においては、一例として、両外歯歯車8,9の歯数が29であり、内歯歯車の歯数(内歯ピン152の数)が30となっている。
また、キャリアピン7に取付けられているローラ83,93について、第1外歯歯車8の貫通孔82に配置されたローラ83と、第2外歯歯車9の貫通孔92に配置されたローラ93との間には、板状の第1規制板86が配置されている。第1規制板86は、貫通孔が形成された円板状に形成されており、貫通孔にキャリアピン7が挿通されている。この第1規制板86により、ローラ83の前後方向への移動が規制される。
同様に、第2外歯歯車9の貫通孔92に配置されたローラ93と、第2キャリア6との間には、板状の第2規制板96が配置されている。第2規制板96も、貫通孔が形成された円板状に形成されており、貫通孔にキャリアピン7が挿通されている。この第2規制板96により、ローラ93の前後方向への移動が規制される。なお、このような規制板86,96は、第1外歯歯車8の貫通孔82に配置されたローラ83と第1キャリア5との間に設けることもできる。
次に、モータ2について説明する。モータ2は、入力軸31に取付けられるとともに、モータハウジング21に収容されている。図1に示すように、モータハウジング21は、ケーシング11の第1支持板111の外周面から前方に延びる円筒状の側面部211と、側面部の前端開口を塞ぐ円板状の閉鎖部212と、を備えている。そして、ケーシング11の第1支持板111、側面部211、及び閉鎖部212で囲まれる内部空間にモータのステータ22及びロータ23が収容されている。閉鎖部212の内面には、ベアリング213が取付けられており、このベアリング213に入力軸31の先端部が回転自在に取付けられている。
また、閉鎖部212の内面には、入力軸31を囲むようにモータ2のステータ22が取付けられている。ステータ22は、入力軸31の周囲を囲むような環状に形成されており、電力が供給されるコイル221が設けられている。一方、入力軸31には、ロータ23が固定されている。より詳細には、入力軸31の後端部には、径方向外方に延びる一対の羽根部231が取り付けられており、羽根部231の先端には前方へ延び、ステータ22のコイル221と対向する板状の支持部232が連結されている。そして、支持部232の径方向内方の面には、コイル221と対向する磁石233が取り付けられている。以上のようにステータ22及びロータ23が構成されることで、ロータ23が入力軸31とともに、軸線X周りにステータ22の周囲を回転する。
次に、上記のように構成された駆動装置の動作について説明する。まず、モータ2が駆動すると、ロータ23とともに入力軸31が回転する。入力軸31は偏心体4にスプライン結合されているため、入力軸31とともに偏心体4も軸線X周りに回転する。偏心体4が回転すると、第1外歯歯車8は第1偏心部43の周囲で偏心揺動回転を行う。この結果、第1外歯歯車8と内歯歯車15との噛合位置が、順次ずれてゆく現象が発生する。そして、第1外歯歯車8は、内歯歯車15との歯数差分だけ、固定された内歯歯車15に対して相対回転する。すなわち、第1外歯歯車8が自転する。同様に第2外歯歯車9も偏心揺動回転し、内歯歯車15に対して相対的に自転する。こうして、両外歯歯車8,9の自転成分が、キャリアピン7を介して両キャリア5,6に伝達され、出力軸32が回転する。
なお、本実施形態では、各外歯歯車8,9の外歯の歯数が29、内歯歯車122の内歯(外ピン129)の歯数が30で、その歯数差が1であるため、入力軸31(偏心体4)の1回転毎に、各外歯歯車8,9は、内歯歯車15に対して1歯分だけずれる(自転する)ことになる。これにより、入力軸31の1回転が各外歯歯車8,9の1/30の回転に減速される。なお、入力軸31と出力軸32の回転は反対になる。
次に、外歯歯車8の製造方法及び製造装置10について説明する。外歯84は、エピトロコイド歯形を有しており、ここでは、外歯84が形成される様子が説明される。なお、外歯歯車8と外歯歯車9とは互いに同じ形状を有しており、外歯歯車9も同様の製造方法で製造することができる。
図15は、外歯歯車8の製造装置10の構成を示すブロック図である。製造装置10は、NC(数値制御)マシニングセンター、NCフライス盤等のNC工作機械であり、図15に示すように、切削工具12と、切削工具12の動作を数値制御するコンピュータ13とを有する。本実施形態では、切削工具12としてエンドミルが搭載されている。製造装置10には、エンドミル12を任意の位置に移動させるアーム等の搬送機構14も搭載されており、コンピュータ13はこの搬送機構14の動作を制御することで、エンドミル12の移動の軌跡を精密に制御することができる。また、製造装置10は、エンドミル12を回転駆動させるモータ等の駆動装置27も備えており、この駆動装置27の動作もコンピュータ13により制御される。図15中、破線は通信線であり、実線は機械的接続を表している。コンピュータ13は、CPUからなる制御部26と、ROM、RAM、ハードディスク、フラッシュメモリ等を適宜組み合わせて構成される記憶装置18とを備えている。記憶装置18には、以下に説明する動作を実行する制御プログラム18aがCD−ROM等の記憶媒体18bからインストールされ、記憶されている。
外歯歯車8の製造に当たり、まず、加工対象となるワーク20が用意される。ワーク20は、円形の外周面25を有する円盤状の部材であり、この外周面25が外歯84の形成される切削面となる。ワーク20は、製造装置10の所定の加工位置にセットされる。
続いて、加工後の外歯84の歯形を規定する歯形データを記憶装置18に記憶させる。このとき、歯形データは、製造装置10のコンピュータ13により計算することもできるし、別のコンピュータで計算した値を記憶装置18に入力することもできる。この歯形データは、エンドミル12の移動する軌跡を特定するのに利用される。既に述べたとおり、外歯歯車8はエピトロコイド歯車であるため、この歯形データは、エピトロコイド平行曲線H1(図16参照)を表すデータとなっている。従って、制御部26は、エンドミル12による外歯84の切削工程において、記憶装置18内からこの歯形データを読み出し、この歯形データの示すエピトロコイド平行曲線H1に沿って移動するようにエンドミル12の動作を制御する。
エピトロコイド平行曲線H1は、変換点P0を境に異なる曲率のエピトロコイド曲線に切り替わる。図17は、外歯歯車8の外周部付近での部分拡大図である。図2に示すように、外歯歯車8は、外周方向に沿って歯先部184及び歯底部185を交互に29個ずつ有しており、図16及び図17に示す変換点P0は、外歯84の歯先部184の外形線と歯底部185の外形線との境界を為す点である。従って、変換点P0は、29×2=58点存在する。変換点P0は、外歯歯車8の外周上において外歯歯車8の中心から最も離れた点を最外点P1とし、外歯歯車8の中心に最も近い点を最内点P2としたときに、点P1と点P2との間に位置する。
エピトロコイド平行曲線は、一般に以下の式で表される。(α,β)は、エピトロコイド平行曲線上の点を表す座標である。ここで、αは、平面上の直交座標系における横軸の座標、βは、縦軸の座標である。
但し、Rc’は、内歯ピン152の半径であり、(α0,β0)、cosθ及びsinθは、以下の式に従って表される。
但し、φは、エピトロコイド曲線を描くための媒介変数であり、πは、円周率であり、Rpcは、内歯ピン152のピッチ円の半径であり、Zbは、内歯ピン152の数(本実施形態では、30)であり、Zaは、外歯歯車8の歯数(本実施形態では、29)であり、xは、修正係数である。また、a=Rpc(1−x)/Zbである。修正係数xは、エピトロコイド曲線の曲率を定めるパラメータであり、この値が大きくなるほどエピトロコイド曲線の曲率が小さくなり、この値が小さくなるほどエピトロコイド曲線の曲率は大きくなる。なお、修正係数xは、Rpc及びRbを用いて、以下の式で表される。Rbは、エピトロコイド曲線を描くモデルにおける転がり円の半径である。
エピトロコイド平行曲線H1では、歯先部184側で修正係数xが大きくなっており、歯底部185側で修正係数xが小さくなっている(図18参照)。言い換えると、歯底部185の歯形を示すエピトロコイド曲線H3は、歯先部184の歯形を示すエピトロコイド曲線H2を延長したエピトロコイド曲線H4よりも急峻なカーブを描く曲線となっている。また、歯先部184のエピトロコイド曲線H2は、修正係数xが一定のエピトロコイド曲線であり、歯底部185のエピトロコイド曲線H3は、修正係数xが変換点P0から最内点P2に向かうにつれて徐々に小さくなるエピトロコイド曲線である。言い換えると、歯底部185のエピトロコイド曲線H3においては、歯底部185の浅部から深部に向かうにつれて修正係数xが小さくなる。
図16に示す曲線H4は、歯先部184のエピトロコイド曲線H2を延長したエピトロコイド曲線であり、その修正係数xは、エピトロコイド曲線H2の修正係数と同じである。同図から分かるように、歯底部185のエピトロコイド曲線H3は、歯先部184の形状を表すエピトロコイド曲線H2を延長したエピトロコイド曲線H4の内側、すなわち、歯先部184から歯底部185に向かう方向に沿って歯底部185側にオフセットしている。
歯底部185のエピトロコイド曲線H3の修正係数xは、圧力角γの二次関数f(γ)に従って変化する。図18は、圧力角γに応じたエピトロコイド平行曲線H1の修正係数を表すグラフである。ここで、圧力角γは、歯先部184のエピトロコイド曲線H2及びこれを延長したエピトロコイド曲線H4の圧力角である。圧力角γは、α軸(横軸)座標の関数であり、γ(α)と表すことができる。従って、エピトロコイド曲線H3上の点の座標(α,β)は、γ(α)を算出し、これに基づいて修正係数x=f(γ(α))の値を算出し、この修正係数xの値を上記数4の式に代入し、ここで得られるcosθ及びsinθの値を上記数1の式に代入することにより得られる。関数f(γ)は、γの二次関数として適宜定めることができるが、本実施形態では、変換点P0での修正係数xがx=0.3となり、最内点P2での修正係数xがx=0.1となるように定められている。なお、歯先部184のエピトロコイド曲線H2の修正係数xは、x=0.3である。
以上の計算により、エピトロコイド平行曲線H1を定めることができる。そして、このエピトロコイド平行曲線H1上の各点の座標データ(歯形データ)を制御パラメータとして製造装置10に設定すれば、制御部26は、制御プログラム18aに従って、当該制御パラメータの表す形状の歯形を切削するようにエンドミル12の動作を制御することができる。その結果、歯先部184の切削時においては相対的に切削抵抗が小さいため、ワーク20の外周面25には、エピトロコイド曲線H2に沿った歯形が形成される。また、歯底部185の切削時においては相対的に切削抵抗が大きくなるため、エピトロコイド曲線H3よりも浅い歯形が形成され、結果的にエピトロコイド曲線H4に近い歯形が形成される。すなわち、エピトロコイド曲線H2,H3を合成したエピトロコイド平行曲線H1の座標データを、エンドミル12の軌跡を規定する制御パラメータとすることで、概ねエピトロコイド曲線H2,H4に沿った歯形を形成することができる。
なお、変換点P0の位置は適宜設定することができるが、好ましくはエピトロコイド曲線H2,H4を連結した曲線の変曲点、又はその近傍とすることが好ましい。当該変曲点付近で、切削抵抗が大きく変わると考えられるからである。より定量的には、連結曲線H2,H4に沿った隣接する点P1,点P2間の距離に対する、変曲点から変換点P0までの距離の比は、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下、さらに好ましくは0.05以下である。また、変換点P0の位置は、連結曲線H2,H4上における隣接する点P1,点P2の中点、又はその近傍とすることができる。より定量的には、連結曲線H2,H4に沿った隣接する点P1,点P2間の距離に対する、上記中点から変換点P0までの距離の比は、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下、さらに好ましくは0.05以下である。
以上のように、本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。すなわち、エピトロコイド歯車8,9の製造に当たり、ワーク20の切削面25に対する切削工具12の相対的な移動の軌跡が、歯先部184においてはエピトロコイド曲線H2に沿うように、歯底部185においてはエピトロコイド曲線H2を延長したエピトロコイド曲線H4よりも歯底側に描かれるオフセット曲線H3に沿うように制御される。すなわち、切削抵抗の大きいと考えられる歯底部185においては、切削工具12がエピトロコイド曲線H2を延長したエピトロコイド曲線H4よりも深い位置まで移動するように制御される。その結果、実際に形成される歯形は、歯先部184だけでなく歯底部185においても、エピトロコイド曲線H2と同じ修正係数xのエピトロコイド曲線(すなわち、エピトロコイド曲線H4)に概ね一致する形状となる。従って、目標歯形(連結曲線H2,H4)により近い歯形を有するトロコイド歯車を得ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、キャリアピンの固定方法は、種々の態様が可能であり、例えば、図4のようにすることができる。同図に示すように、この例では、第1キャリア5の貫通孔53の第1径部531及び第2径部532の軸方向の長さを調整するとともに、第1径部531に雌ネジを形成している。そして、キャリアピン7の雄ネジ72をこの雌ネジに螺合させている。これによっても、キャリアピン7を両キャリア5,6に強固に固定することができ、前述のスラスト力が作用しても問題がない。なお、キャリアピン7の大径部73の後端面には、キャリアピン7を回転させてネジ止めするために、六角レンチ等の工具が挿入できる工具用凹部77が形成されている。
また、図5に示すようにすることもできる。この例では、第1キャリア5の貫通孔53の第1径部531及び第2径部532の軸方向の長さを調整するとともに、第1径部531の内周面に軸方向に延びる複数の溝を形成している。一方、キャリアピン7の後端部には大径部を設けず、またキャリアピン7の先端部には、雄ネジの代わりにスプライン79を形成している。これにより、キャリアピン7の先端部と第1キャリア5の第1径部531とがスプライン結合する。また、第1キャリア5の後端側の外周縁には、径方向外方に突出する第3フランジ部58を形成し、第1フランジ部をなくす。
一方、第2キャリア6の貫通孔63の第1径部631は、キャリアピン7の本体部71と対応するようにし、第2径部632は第1径部631よりも小径とし、これら両径部631,632の長さを調整する。また、第2キャリア6の先端側の外周縁には、径方向外方に突出する第4フランジ部68を形成し、第2フランジ部をなくす。さらに、ケーシング11の第1支持板111の後端側の面には、第1ベアリング51を押圧する突部16を形成し、第2支持板112の先端側の面には、第2ベアリング61を押圧する突部17を形成する。
以上のような構成によれば、ケーシング11のボルト114を締め付けることで、第1支持板111及び第2支持板112が近接するため、これによって両ベアリング51,61が近接する。これにより、第1ベアリング51は第3フランジ部58を介して第1キャリア5を後方へ押圧し、第2ベアリング61は第4フランジ部68を介して第2キャリア6を前方へ押圧する。その結果、キャリアピン7は、両キャリア5,6によって軸方向の両側から押圧されるため、両キャリア5,6に強固に固定され、前述のスラスト力が作用しても問題がない。
キャリアピン7のローラ83,93は、キャリアピン7に対して回転可能に取付けられているが、この回転を円滑にするため、次のように構成することができる。すなわち、図6(a)に示すように、ローラ83,93の内周面に軸方向に延びる複数の溝831を形成し、この溝831に潤滑油を供給する。あるいは、図6(b)に示すように、キャリアピン7の外周面に軸方向に延びる複数の溝78を形成し、この溝78に潤滑油を供給することもできる。こうすることで、ローラ83,93の回転が円滑になるとともに、ローラ83,93及びキャリアピン7の耐摩耗性が向上する。また、ローラ83,93の内周面とキャリアピン7の外周面との隙間が潤滑油によって埋められるため、駆動時の騒音を低減することもできる。なお、溝78は種々の態様が可能であり、例えば、螺施状に形成することもできる。これにより、溝の数が少なくなるため、両者の接触面積が増大し、強度が向上するという利点がある。
各外歯歯車8,9の先端側の端面及び後端側の端面と、歯面との境界(以下、エッジ部88,98という)に面取りを施すことができる。このエッジ部88,98が鋭利であると、応力集中により破損するおそれがあることによる。面取りの方法は特には限定されないが、例えば、図7に示すように、放電加工や電解研磨によって加工することができる。図7(a)は面取り工程の斜視図であり、図7(b)は断面図である。同図に示すように、円筒状の工具101の下端の周縁に、断面円弧状の凹部102を形成する。そして、この凹部102を外歯歯車8,9のエッジ部88,98に当接し、工具101を軸Z周りに回転させながら、外歯歯車8,9のエッジ部88,98に沿って移動させていく。このとき、外歯歯車8,9を正極に電気的に接続するとともに、工具101を負極に電気的に接続し、両者の間に電圧を印加する。これにより、外歯歯車8,9のエッジ部88,98は電気的な研磨加工によって円弧状に研磨され、面取りが施される。
上記実施形態に係るニードルベアリングは、次のように外歯歯車8,9の中央貫通孔81,91に、その回転中に軸心方向に抜け出ないように取付けることができる。以下では、両ニードルベアリングの構成はほぼ同じであるため、第1ニードルベアリング55について説明するが、まず、図8に示すように、製造上の都合で、シェル562の基部563の径方向外方の面は傾斜している。すなわち、前方から後方に向かって、シェル562の基部563の外径が小さくなった形をしている。この形状に起因してニードルベアリング55は外歯歯車8から抜け易くなっている。そして、第1外歯歯車8の中央貫通孔81に対して、コロ561が収容されたシェル562を、前方から圧入し、第1外歯歯車8に対して固定する。さらに、基部563の後端部を例えば溶接103によって第1外歯歯車8の中央貫通孔81の内周縁に固定する。
また、図9に示すように、第1外歯歯車8の中央貫通孔81の後端側の内周縁に、径方向に内方に突出するフランジ部821を形成する。そして、シェル562は図8と同様に形成し、第1外歯歯車8の中央貫通孔81に対して、コロ561が収容されたシェル562を、前方から圧入する。シェル562は、圧入によって第1外歯歯車8に固定されるとともに、フランジ部821に当接するため、ニードルベアリング55の後方への移動が規制される。
さらに、図10に示すように、第1外歯歯車8の中央貫通孔81の内周面を、前方から後方に向かって内径が小さくなるように形成する。そして、図8と同様のシェル562を用い、第1外歯歯車8の中央貫通孔81に対して圧入する。これによっても、シェル562は、圧入によって第1外歯歯車8に固定されるとともに、中央貫通孔81の内周面が傾斜しているため、ニードルベアリング55の後方への移動が規制される。
また、シェル562において、コロ561を円滑に回転させるため、次のように構成することができる。例えば、図11に示すように、シェル562の支持部564に貫通孔5641を形成し、この貫通孔5641からコロ561に対して潤滑油を導入し易くする。あるいは、図12に示すように、偏心体4の各偏心部43,44の外周面を断面円弧状に形成する。すなわち、径方向外方に対して突出するように湾曲させる。これにより、コロ561の先端側及び後端側と、偏心部43,44の外周面との間に隙間が形成されるため、この隙間に潤滑油を導入し易くすることができる。以上の図11及び図12の例のようにすれば、コロ561に対して潤滑油が十分に供給されるため、コロ561の回転を円滑にすることができ、また耐摩耗性が向上する。
図13に示すように、外歯歯車8,9の前方側及び後方側の端面において、中央貫通孔81の周縁にリング状の錘105を取付けることができる。これにより、次の効果を得ることができる。まず、減速機1においては駆動中のバランスの低下により振動が発生することがある。この振動を軽減するには、荷重を均等に分散させる必要がある。その方法として、外歯歯車8,9の歯数を増やし歯面に作用する荷重を分散させるという方法があるが、このようにすると、部品点数が増え、組立性が低下する。そこで、上記のように、外歯歯車8,9の中心付近にボルト106などで錘105を取付けることで、中心付近に質量を集中させることができる。その結果、外歯歯車8,9の中心からのモーメントが小さくなり、バランスの低下が生じても振動を低下させることができる。
上記実施形態では、外歯歯車を2個設けているが、1つまたは3以上であってもよい。また、キャリアピンの数も特には限定されない。
上記実施形態では、内歯歯車15を、内歯ピンを設けることで形成したが、外筒の内周縁に内歯を直接形成することもできる。
上記実施形態では、切削工具12が移動させられたが、ワーク20を移動(回転を含む)させることもできる。或いは、両方を移動させることもできる。
上記実施形態では、切削工具12をエンドミルとしたが、この例に限られず、例えば、フライスカッタ等であってもよい。
上記実施形態では、歯底部185のエピトロコイド曲線H3の修正係数xを定めるための関数f(γ)を圧力角γの二次関数としたが、この例に限られない。エピトロコイド曲線H3の修正係数xは、エピトロコイド曲線H2の修正係数xよりも小さくなるように設定される限り、任意の関数に従うものとすることができる。例えば、エピトロコイド曲線H3の修正係数xは、一定値であってもよい。また、エピトロコイド曲線H3の修正係数xは、歯底部185の浅部から深部に向かうにつれて小さくなる圧力角γの一次関数であってもよい。但し、一次関数の場合には、エピトロコイド平行曲線H1が、エピトロコイド曲線H2とエピトロコイド曲線H3との連結点(つまり、変換点P0)で急峻に折れ曲がることがある。これを避け、より滑らかなエピトロコイド歯車を得るためには、修正係数xを上記実施形態で説明した圧力角γの二次関数に従って決定することが好ましい。なお、エピトロコイド平行曲線H1が滑らかであれば、最終的に形成されるエピトロコイド歯形も滑らかとなり、外歯歯車8の回転が円滑になり、耐久性が向上する。
上記実施形態では、外歯歯車8,9をエピトロコイド歯車とし、これを製造する方法について説明したが、同様の方法は、他のトロコイド歯形の形成にも適用することができる。
また、上記実施形態で説明したトロコイド歯車の製造方法は、外歯歯車だけでなく、トロコイド歯形を有する任意のトロコイド歯車の製造に使用することができる。例えば、トロコイド歯形を有する内歯歯車や直線状の歯車の製造にも適用することができる。また、減速機に用いられるトロコイド歯車だけでなく、トロコイドポンプ・モータ等に組み込まれるトロコイド歯車の製造にも適用することができる。
また、上記で説明したエピトロコイド平行曲線H1は、切削により歯車を製造する場合だけでなく、創成法により歯車を製造する場合にも利用可能である。すなわち、歯先部側でよりも歯底部側での修正係数xの方が小さいトロコイド曲線を求め、この曲線に沿った歯形を有する歯車を製造することができるようにホブ盤や歯車研削盤等の工具を製造してもよい。そして、このようなホブ盤や歯車研削盤等の工具を用いて製造される歯車のトロコイド歯形は、修正係数xが一定のトロコイド曲線を概ね描くことになる。
1 減速機
8 第1外歯歯車(トロコイド歯車)
9 第2外歯歯車(トロコイド歯車)
10 製造装置
12 エンドミル(切削工具)
20 ワーク
25 外周面(切削面)
18a 製造プログラム
184 歯先部
185 歯底部
H2 歯先部のエピトロコイド曲線(第1トロコイド曲線)
H3 歯底部のエピトロコイド曲線(オフセット曲線、第2トロコイド曲線)
x 修正係数(トロコイド曲線の曲率を定めるパラメータ)
γ 圧力角

Claims (9)

  1. 歯先部及び歯底部を交互に備えるトロコイド歯車であって、
    切削工具を、ワークの切削面に対し相対的に、前記歯先部の形成時に第1トロコイド曲線に沿って移動させるように制御し、前記歯底部の形成時に前記第1トロコイド曲線よりも前記歯底側に描かれるオフセット曲線に沿って移動させるように制御することにより形成される歯形を有する、トロコイド歯車。
  2. 前記オフセット曲線は、前記第1トロコイド曲線よりも急峻なカーブを描く第2トロコイド曲線である、
    請求項1に記載のトロコイド歯車。
  3. 前記オフセット曲線は、トロコイド曲線の曲率を定めるパラメータを、前記歯底部の浅部から深部に向かうにつれて、前記曲率がより大きくなるように変化させることにより描かれる曲線である、
    請求項1又は2に記載のトロコイド歯車。
  4. 前記パラメータは、圧力角の二次関数に従って変化する、
    請求項3に記載のトロコイド歯車。
  5. 前記パラメータは、圧力角の一次関数に従って変化する、
    請求項3に記載のトロコイド歯車。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のトロコイド歯車を備える減速機。
  7. 歯先部及び歯底部を交互に有するトロコイド歯車の製造方法であって、
    切削工具を、ワークの切削面に対し相対的に、第1トロコイド曲線に沿って移動させるように制御することにより、前記切削面に前記歯先部を形成するステップと、
    前記切削工具を、前記切削面に対し相対的に、前記第1トロコイド曲線よりも前記歯底側に描かれるオフセット曲線に沿って移動させるように制御することにより、前記切削面に前記歯底部を形成するステップと
    を備える、
    トロコイド歯車の製造方法。
  8. 歯先部及び歯底部を交互に有するトロコイド歯車の製造装置であって、
    ワークの切削面に前記歯先部及び前記歯底部を切削する切削工具と、
    前記切削工具を、前記切削面に対し相対的に、前記歯先部の形成時に第1トロコイド曲線に沿って移動させるように制御し、前記歯底部の形成時に前記第1トロコイド曲線よりも前記歯底側に描かれるオフセット曲線に沿って移動させるように制御する制御部と
    を備える、
    トロコイド歯車の製造装置。
  9. 歯先部及び歯底部を交互に有するトロコイド歯車の製造プログラムであって、
    切削工具を、ワークの切削面に対し相対的に、第1トロコイド曲線に沿って移動させるように制御することにより、前記切削面に前記歯先部を形成するステップと、
    前記切削工具を、前記切削面に対し相対的に、前記第1トロコイド曲線よりも前記歯底側に描かれるオフセット曲線に沿って移動させるように制御することにより、前記切削面に前記歯底部を形成するステップと
    をコンピュータに実行させる、
    トロコイド歯車の製造プログラム。
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