JPH05212615A

JPH05212615A - 連続関数曲線歯車を数値制御ｎｃ工作機械を利用して製作する方法

Info

Publication number: JPH05212615A
Application number: JP22540092A
Authority: JP
Inventors: Tomio Kasamatsu; 富夫笠松
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1992-08-25
Filing date: 1992-08-25
Publication date: 1993-08-24

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】三角関数を利用して製作される連続関数曲線
歯車を、数値制御ＮＣ工作機械加工により創成し、１０
ミクロン程度の面精度を確保し得る製作方法を提供す
る。【構成】所定の三角関数曲線を選択した後、演算処理
して歯形の外郭輪の数値を決定する数値選択工程と、こ
の数値選択工程で決定された演算数値を、数値制御ＮＣ
工作機械の演算回路に入力し、いつでも演算回路より出
力可能とする演算数値の入力工程と、この入力工程で入
力された演算数値を基に、前記数値制御ＮＣ工作機械に
装着された部材に一工程のカッティング加工で、前記連
続関数曲線外郭輪の歯形を有する歯車本体を創成するカ
ッティング工程と、このカッティング工程により創成さ
れた連続関数曲線外郭輪の歯形を有する歯車本体を取り
外し、連続関数曲線歯車を創成する歯車創成工程と、で
構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、三角関数を利用して製
作される連続関数曲線歯車を、数値制御ＮＣ工作機械加
工により創成し、１０ミクロン程度の面精度を確保し得
る連続関数曲線歯車を製作する方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来この種トロコイド系歯車に関する技
術文献としては、次のようなものが挙げられる。

【０００３】先ず、特公昭４１−６６４５号に於て、基
楕円正弦曲線から成る切削工具を用いて創成した歯車
が、開示されている。

【０００４】また、実公昭４４−１１２３６号のベルト
等の移動用駆動車輪に於て、トロコイド系の如き歯車が
開示されいる。

【０００５】更に実公昭５４−２５５５号の歯形曲線に
於て、スクリューコンプレッサーのローター歯形に関
し、おすローターの頂点と、めすローターのしめきり側
交線との関係による残留圧縮空間をなくす構成の発明が
開示されている。

【０００６】更にまた実公昭６０−１５９６４５号のト
ロコイド系歯車減速装置に於て、外枠にピンが圧入さ
れ、内歯曲線板となっているトロコイド系歯車が開示さ
れています。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】以上で詳述した技術文
献には、トロコイド曲線で形成された、いわゆる曲面状
の線で構成される歯車が開示されている。

【０００８】しかし、これらの歯車は、通常、倣い装置
又は冷間鍛造プレス等を介して製作されているが為に、
歯面にバリが発生することが応々にしてある。

【０００９】また倣い装置による製作方法では、倣いモ
デルの摩耗により誤差が発生し、正確性が期し難いこ
と、適正なバックラッシが期し難いこと、等の精度上の
課題が考えられる処である。

【００１０】また確かに、トロコイド系歯車は、一部で
実用に供されており、例えば、前述の特公昭４１−６６
４５号、又は実公昭６０−１５９６４号の登録実用新案
がこれに該当する。

【００１１】しかし、切削工具を用いてトロコイド系歯
車を製作するには、その製作上、種々の問題があるこ
と、並びに面精度を備えたトロコイド系歯車を製作する
には、多数の工程を必要とし、作業性が悪いことと、多
数の人手を要すること、等の課題がある。

【００１２】一方、前述の切削工具を用いてトロコイド
系歯車の歯形と、本発明の連続関数曲線の歯形は、全く
異なるものである。

【００１３】また、前記技術文献は、ワイヤカット装置
を利用して、インボリュート系歯車を創成するに際し、
数値制御の基礎理論が十分に論証されておらず、実用の
面で問題があり、又連続した関数曲線外郭輪の歯形を備
えたトロコイド系歯車を、確実かつ簡易に、製作するこ
とは困難性があるものと考えられる。また、前記技術文
献は、不連続で、かつ単純な曲線による外郭輪を備えた
歯形を有する構成であることから、必ずしも滑らかな噛
合が期待できず、刻音の発声の問題があるし、また滑ら
かな曲線歯車を製作するには、多くの工程及び操作を要
し、その作業性及び経済性等の面で、多くの課題を有す
る。

【００１４】更にまた、従来の歯車製作方法では、バリ
が発生し、所定の面精度を確保するには、多くの後工程
として、例えば、ヤスリ、バリ取り機又は研磨機等によ
るバリ取り等の工程を要するものであり、換言すれば、
製作に時間及び手間を要する問題点があり、また連続関
数曲線歯を製作するに際しては、歯車をカッティング後
においても、多くの後工程を必要とし、製作に時間及び
手間を要する等の課題が考えられる。

【００１５】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、三角
関数曲線とワイヤカット装置、ＮＣフライス、ＮＣマシ
ンニング等の数値制御ＮＣ工作機械（以下、代表例とし
て、ワイヤカット装置で説明する。）とを採用すれば、
連続関数曲線歯車が比較的容易、かつ高精度（ここに高
精度とは、常に一定の連続した創成曲線による１０ミク
ロン程度の面精度を備えた、創成曲線外郭輪を有する歯
形が形成されることを云う。以下同じ）に製作できるこ
とに着目して、本発明を創作したものであり、その要旨
は、下記の様になっています。

【００１６】即ち、本発明の連続関数曲線歯車を数値制
御ＮＣ工作機械を利用して製作する方法は、所定の三角
関数曲線を選択した後、演算処理して歯形の外郭輪の数
値を決定する数値選択工程と、この数値選択工程で決定
された演算数値を、数値制御ＮＣ工作機械の演算回路に
入力し、いつでも演算回路より出力可能とする演算数値
の入力工程と、この入力工程で入力された演算数値を基
に、前記数値制御ＮＣ工作機械に装着された部材に一工
程のカッティング加工で、前記連続関数曲線外郭輪の歯
形を有する歯車本体を創成するカッティング工程と、こ
のカッティング工程により創成された連続関数曲線外郭
輪の歯形を有する歯車本体を取り外し、連続関数曲線歯
車を創成する歯車創成工程と、で構成される。

【００１７】

【作用】次に本発明の作用（製作方法）を説明すると、
三角関数を利用し、その三角関数曲線を任意の角度でそ
の数値を演算し、その演算数値をワイヤカット装置の演
算回路に入力し、その選択された角度の演算数値を、こ
の演算回路より出力可能する。

【００１８】この状態において、ワイヤカット装置に歯
車用の部材を設置するとともに、ワイヤカット装置を動
作させる。

【００１９】これにより、三角関数曲線で、前記の選択
された、例えば、５°の演算数値に基づいた創成曲線を
もってカッティングすると、ここに連続した関数曲線の
カット軌跡による連続関数曲線（創成された三角関数曲
線であり、換言すれば、創成曲線と云える概念である。
以下、創成曲線とする。）の外郭輪を有する歯形が創成
される。即ち、創成曲線の歯形を、外周辺部（外郭輪）
に設けた歯車本体が製造される。

【００２０】その後、創成曲線でなる外郭輪の歯形を有
する歯車本体を取り外すことにより、創成曲線歯車が創
成される。

【００２１】この創成曲線歯車としては、平歯車、ラッ
ク、ピニオン、傘歯車、その他の歯車が、挙げられる。

【００２２】ここで製作された歯車は、一工程であり、
しかも歯面にバリがない１０ミクロン程度の面精度を備
えた美麗な歯車であること、並びに理論と演算された所
定の創成曲線に基づいて、カッティングされるものであ
る。

【００２３】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。

【００２４】先ず、三角関数を利用して三角関数曲線１
を図表として表す、その三角関数曲線１を１゜〜１０゜
望ましくは３゜〜６゜を単位として、ｘ、ｙの数値を拾
い出す。

【００２５】尚、具体的には、コンピュータを利用して
三角関数曲線の５゜を単位として、ｘ、ｙの数値を演算
処理し、その演算数値２をワイヤカット装置（図示せ
ず）の演算回路に入力し、いつでも出力可能としてお
く。また実際の演算処理した演算数値２を参考資料とし
て、別送させていただきます。

【００２６】そして、ワイヤカット装置には、歯車の材
料となる部材（板材）が装着するとともに、ワイヤカッ
ト装置を動作すると、前記演算処理された創成曲線が、
その演算回路より出力される。

【００２７】よって、この創成曲線により形成される外
郭輪を有する歯形３（創成曲線外郭輪を有する歯形３）
を外周辺部に設けた歯車本体４が、カッティング成形さ
れる。

【００２８】このようにして、製作された創成曲線外郭
輪を有する歯形３は、誠に滑らかで、バリもなく、しか
も創成曲線で、かつ１０ミクロン程度の面精度を有する
ことから、高精度の歯車が創成される。

【００２９】以上のようにして、製作された連続した連
続関数曲線の外郭輪を有する歯車、即ち、創成曲線外郭
輪を有する歯形３を繞設した歯車は、減速として、例え
ば、簡単な動力伝達手段として、直接採用されたり、ト
ロコイド系歯車減速装置等に採用されるものと思われ
る。

【００３０】この発明は、前述のように平歯車、ラッ
ク、ピニオン、傘歯車、楕円歯車等の各種歯車に採用さ
れるものである。

【００３１】

【発明の効果】本発明は、以上で詳述したように、三角
関数曲線を演算処理し、この演算処理した演算数値を数
値制御ＮＣ工作機械の演算回路に入力し、当該数値制御
ＮＣ工作機械により創成曲線歯車を一工程で創成する構
成である。

【００３２】したがって、創成曲線外郭輪を有する歯形
を繞設した歯車が、数値制御ＮＣ工作機械による単純な
一工程で創成できること、大量生産が可能となること、
熟練を要さず、精緻な連続した創成曲線外郭輪を有する
歯形を繞設した歯車が創成できること、等の効果を有す
る。

【００３３】また本発明では、三角関数曲線単位角度の
軌跡を演算処理するとともに、制御回路を装備した数値
制御ＮＣ工作機械を介してカッティング成形する構成で
ある。

【００３４】よって、本発明は、極めて滑らかで、かつ
連続し、しかも１０ミクロン程度の面精度を備えた創成
曲線外郭輪を有する歯形を繞設した歯車が形成されるこ
と、また滑らかな囓合が期待できること、並びに刻音の
低下が大いに期待できること、等の効果が考えられる。

【００３５】更に本発明は、三角関数曲線を演算処理
し、その演算数値を数値制御ＮＣ工作機械の演算回路に
入力し、前記演算数値を規準として歯形をカッティング
成形する構成である。

【００３６】これにより、常時かつ確実した創成曲線外
郭輪を有する歯形を繞設した歯車を、一工程で、かつ確
実に創成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の方法に使用する三角関数と三角関数曲
線を表した図である。

【図２】本発明の方法により創成された連続した創成曲
線外郭輪を有する歯形を繞設した平歯車の正面図であ
る。

【図３】本発明の方法により創成された連続した創成曲
線外郭輪を有する歯形を繞設したラックと、連続した創
成曲線外郭輪を有する歯形を繞設したピニオンとを示す
側面図である。

【符号の説明】

１三角関数曲線２演算数値３創成曲線外郭輪を有する歯形４歯車本体線材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】所定の三角関数曲線を選択した後、演算
処理して歯形の外郭輪の数値を決定する数値選択工程
と、この数値選択工程で決定された演算数値を、数値制御Ｎ
Ｃ工作機械の演算回路に入力し、いつでも演算回路より
出力可能とする演算数値の入力工程と、この入力工程で入力された演算数値を基に、前記数値制
御ＮＣ工作機械に装着された部材に一工程のカッティン
グ加工で、前記連続関数曲線外郭輪の歯形を有する歯車
本体を創成するカッティング工程と、このカッティング工程により創成された連続関数曲線外
郭輪の歯形を有する歯車本体を取り外し、連続関数曲線
歯車を創成する歯車創成工程と、で構成される連続関数曲線歯車を数値制御ＮＣ工作機械
を利用して製作する方法。