JP2016192831A - 巻線方法、巻線装置、および巻線対象物 - Google Patents

巻線方法、巻線装置、および巻線対象物 Download PDF

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Abstract

【課題】分割片の形状に関わらず巻線の整列巻きを行うことができ、巻線の占積率を向上できる巻線方法、巻線装置、および巻線対象物を提供する。【解決手段】クランプ治具51に分割コア10を固定するクランプ工程と、クランプ治具51に固定された分割コア10のティース部3において対向する2つの側面に、それぞれ独立して移動可能な一対のガイド52a,52bを近づけるガイド移動工程と、巻線が繰出されるアーム部56を、ティース部3の周囲を回るようにさせ、アーム部56から繰出される巻線を、一対のガイド52a,52bを移動させながら、これら一対のガイド52a,52bを介してティース部3に整列巻きする巻線工程と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、巻線方法、巻線装置、および巻線装置を用いて製造された巻線対象物に関するものである。
例えば、一般的なブラシレスモータは、モータハウジングに内嵌固定されているステータと、ステータの径方向内側に回転自在に設けられたロータと、を有している。ステータは、モータハウジングに内嵌される円筒状のコア本体と、このコア本体の内周面から径方向内側に向かって放射状に突設された複数のティース部と、を有している。各ティース部間には、径方向内側が開口されたスロットがそれぞれ形成される。このスロットを介して、各ティース部に巻線が巻回される。
ところで、モータの高効率化や小型化などを図るために、巻線の占積率を向上させることが有効である。しかしながら、インナロータ型のブラシレスモータのように、ステータの径方向内側が開口されているスロット形状にあっては、アウターロータ型のブラシレスモータのように径方向外側が開口されたスロット形状と比較して開口幅が小さく、巻線の占積率を向上させにくい。このため、コア本体をティース部ごとに周方向に分割して分割片(分割コア)を形成し、分割片ごとにティース部に巻線を巻回した後、再度分割片を組み付ける技術が提案されている。
ここで、分割片の各ティース部への巻線の巻線方法として、分割片を一列に配置し、これら分割片を並べた順に連続的に巻線の巻回作業を行う技術が開示されている。また、この時に用いられる装置としては、巻線が繰出されるアーム部を有するフライヤ式の巻線機が用いられる。
特開2011−217478号公報
ところで、一般的に、フライヤ式の巻線機において高速巻線を行う際には、アーム部から繰り出される線材を、順次、スロット内に落とし込みながら巻回することが多く、巻線を規則正しく並べて巻回する、いわゆる整列巻きを行うことが困難であるという課題があった。特に、上述の従来技術にあっては、各分割片を一列に並べた順で連続的に巻線を行うことになるため、さらに巻線が複雑となる課題があった。
また、例えば、分割片のコア本体の内周面が、周方向両端に向かうにしたがって、コア本体の外周面よりもティース部側に向かって偏倚しているようないわゆるオーバーハング形状の場合、ティース部の狙った位置に巻線を導くことがより一層困難で、巻線の占積率も向上しにくいという課題があった。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、分割片の形状に関わらず巻線の整列巻きを行うことができ、巻線の占積率を向上できる巻線方法、巻線装置、および巻線対象物を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る巻線方法は、巻線が巻回されるティース部を1つ含んだ分割片を、複数連結して成る巻線対象物の巻線方法において、クランプ治具に前記分割片を固定するクランプ工程と、前記クランプ治具に固定された前記分割片の前記ティース部において対向する2つの側面に、それぞれ独立して移動可能な一対のガイドを近づけるガイド移動工程と、前記巻線が繰出される繰出部を、前記ティース部の周囲を回るようにさせ、前記繰出部から繰出される前記巻線を、前記一対のガイドを移動させながら、該一対のガイドを介して前記ティース部に整列巻きする巻線工程と、を有することを特徴とする。
このように、ガイドを用いることにより、ティース部の狙ったところに巻線を導くことができ、容易に整列巻きさせることができる。このため、巻線の占積率を向上させることができる。
本発明に係る巻線方法は、前記クランプ治具をスライド移動可能に構成し、前記クランプ工程において、前記複数の分割片を前記スライド移動方向に沿って並べて配置し、前記巻線工程は、前記クランプ治具によって前記繰出部に対応する位置に、所定の順番で前記複数の分割片を移動させるクランプ移動工程を含み、前記クランプ移動工程は、1つの前記分割片の前記ティース部への整列巻きが完了するごとに前記分割片を移動させ、同相の前記ティース部への整列巻きが完了した後、他相の前記ティース部への整列巻きを行い、複数の前記ティース部に前記巻線が連続して整列巻きされることを特徴とする。
このような方法とすることで、複数の分割片に直線的に巻線の巻回作業を行うことができるので、この巻回作業を速やかに行うことができる。また、直線的に巻回作業を行える分、各ティース部間に跨る渡り線の引き回し作業も容易に行うことができる。
本発明に係る巻線方法において、前記クランプ移動工程は、同相間の前記ティース部に跨る同相渡り線の引き回し方向を第1方向としたとき、異相間の前記ティース部に跨る異相渡り線の引き回し方向が、前記第1方向とは逆の第2方向となるように、前記複数の分割片を移動させ、かつ、任意の2相間の前記ティース部の間に、前記異相渡り線が形成されないように、前記複数の分割片を移動させることを特徴とする。
このような方法とすることで、巻線の巻回作業時間を短縮でき、巻線対象物の生産効率を向上できる。
本発明に係る巻線方法において、前記巻線工程は、前記異相渡り線を切断する切断工程を含むことを特徴とする。
このような方法とすることで、相ごとに巻線を速やかに分割でき、巻線対象物を組み立てた後の次工程の作業を簡略化できる。このため、巻線対象物の生産効率を向上できる。
本発明に係る巻線方法は、前記巻線工程において、各前記ティース部に、全て同一方向で前記巻線が巻回されることを特徴とする。
ここで、例えば、巻線がN相で構成された巻線対象物にあっては、(N−1)個飛ばしで存在するティース部を同相とすることにより、巻線の巻回方向が同一となる。すなわち、例えば、3相構造の巻線にあっては、2つ飛ばしで存在するティース部を同相とすることで、巻線の巻回方向が同一となる。しかしながら、巻線対象物の構造は、これに限られるものではない。つまり、周方向に隣り合うティース部を同相として構成する場合もある。このような場合、例え同一相であっても巻線の巻回方向は互いに逆向きになる。ティース部の周囲を繰出部が回転するような巻線装置を用いる場合、巻線の巻回方向が逆向きになると、装置の負荷が大きくなってしまう。
このため、ティース部に全て同一方向で巻線が巻回されるような巻線方法とすることにより(巻線がN相で構成されているとした場合、(N−1)個飛ばしで存在するティース部を同相とすることにより)、巻線の巻回作業を簡略化でき、巻線装置の負荷も軽減できる。
本発明に係る巻線方法は、前記巻線工程において、各前記ティース部に巻回される前記巻線は、デルタ結線されることを特徴とする。
このような方法とすることで、複数のティース部に連続的に巻線を巻回することができると共に、Y結線(スター結線)の中性点のように、余計な接続作業が必要なくなる。
本発明に係る巻線方法は、各前記ティース部に前記巻線が多層に巻回されており、前記巻線工程において、隣り合う層の前記巻線が、該巻線の半径分ずれて整列されるように前記一対のガイドを移動させることを特徴とする。
このような方法とすることで、ティース部に巻回された巻線同士の間の隙間を極力小さくすることができる。このため、巻線対象物の巻線の占積率を向上させることができる。
本発明に係る巻線装置は、巻線が巻回されるティース部を1つ含んだ分割片を、複数連結して成る巻線対象物に、前記巻線を巻回するための巻線装置において、前記分割片を固定するクランプ治具と、前記クランプ治具に固定された前記分割片の前記ティース部において対向する2つの側面に、それぞれ独立して接近、離間可能な一対のガイドと、前記クランプ治具に固定された前記分割片の前記ティース部の周囲を回るように回転し、前記巻線を繰出す繰出部と、を備え、前記巻線を、前記一対のガイドを移動させながら、該一対のガイドを介して、前記ティース部に整列巻きすることを特徴とする。
このように構成することで、ガイドを用いてティース部の狙ったところに巻線を導くことができ、容易に整列巻きさせることができる。このため、巻線の占積率を向上させることができる。
本発明に係る巻線装置において、前記クランプ治具は、スライド移動可能に構成され、前記複数の分割片は、前記クランプ治具に前記スライド移動方向に沿って並んで配置され、前記複数の分割片は、前記クランプ治具によって、所定の順番で前記繰出部に対応する位置に移動されることを特徴とする。
このように構成することで、複数の分割片に直線的に巻線の巻回作業を行うことができるので、この巻回作業を速やかに行うことができる。また、直線的に巻回作業を行える分、各ティース部間に跨る渡り線の引き回し作業も容易に行うことができる。
本発明に係る巻線装置は、複数の前記ティース部に、前記巻線が連続して巻回され、異相の前記ティース部間に跨る異相渡り線を切断するためのカッターを備えたことを特徴とする。
このように構成することで、相ごとに巻線を速やかに分割でき、巻線対象物を組み立てた後の次工程の作業を簡略化できる。このため、巻線対象物の生産効率を向上できる。
本発明に係る巻線対象物は、上記に記載の巻線装置を用いて製造された巻線対象物であって、円筒状のコア本体と、該コア本体から径方向内側に向かって延びる複数の前記ティース部と、を備え、前記コア本体を前記ティース部ごとに周方向に分割して前記複数の分割片を形成し、前記コア本体の前記ティース部側の内周面は、周方向両端に向かうにしたがって、前記コア本体の外周面よりも前記ティース部側に向かって偏倚していることを特徴とする。
このように、コア本体がいわゆるオーバーハング形状のものであっても、ティース部に容易に整列巻きを行うことができる。また、オーバーハング形状にすることにより、隣接するティース部間に形成されるスロットの面積を大きくすることができる。よって、巻線対象物の巻線の占積率を向上できる。
本発明によれば、ガイドを用いることにより、ティース部の狙ったところに巻線を導くことができ、容易に整列巻きさせることができる。このため、巻線の占積率を向上させることができる。
また、コア本体がいわゆるオーバーハング形状のものであっても、ティース部に容易に整列巻きを行うことができる。また、オーバーハング形状にすることにより、隣接するティース部間に形成されるスロットの面積を大きくすることができる。よって、巻線対象物の巻線の占積率を向上できる。
本発明の実施形態におけるステータの斜視図である。 本発明の実施形態における分割コアの斜視図である。 本発明の実施形態における分割コアを軸方向からみた平面図である。 本発明の実施形態における巻線装置の斜視図である。 本発明の実施形態におけるクランプ治具の平面図である。 本発明の実施形態における一対のガイドの機能説明図である。 本発明の実施形態における巻線の巻回手順を示す工程図であって、(a)〜(g)は、各工程における巻線の状態を示す。 本発明の実施形態における各分割コアへの巻線の巻回順序を示す説明図である。 本発明の実施形態における各分割コアの組立工程を示す説明図であって、(a)〜(c)は各工程を示す。 本発明の実施形態における各分割コアの組み立て後の斜視図である。 本発明の実施形態における各コイルの結線図である。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(ステータ)
図1は、ステータ1の斜視図である。
同図に示すように、ステータ1は、ブラシレスモータを構成するものであって、不図示の略円筒状に形成されたヨークハウジングに圧入されて用いられる。
ステータ1のコア本体11は、略円筒状のバックヨーク2を有し、バックヨーク2から径方向内側に向かって突出形成された複数のティース部3と、このティース部3の周囲を被覆するように装着された絶縁性のインシュレータ4と、このインシュレータ4の上からティース部3に巻回される巻線5と、を備えている。そして、それぞれのティース部3に巻線5を巻回することにより、複数のコイル6が形成される。
また、ステータ1の径方向中央には、不図示のロータが回転自在に設けられる。複数のコイル6に通電すると、各ティース部3に磁界が発生し、この磁界とロータとの間に生じる磁気的な吸引力や反発力によってロータが回転する。
なお、以下の説明では、ステータ1の軸方向(ロータの回転軸方向)を単に軸方向と称し、ステータ1の径方向を単に径方向と称し、ステータ1の周方向を単に周方向と称して説明する。
本実施形態のステータ1では、ティース部3が6つ設けられており、3相(U相、V相、W相)構造になっている。各相のティース部3は、U相、V相、W相の順に周方向に並んで配置されている。すなわち、2つのティース部3を間に挟んで両側に位置するティース部3同士が同相のティース部3となる。
(分割コア)
ここで、コア本体11のバックヨーク2は、周方向に分割可能な分割コア方式が用いられている。すなわち、コア本体11のバックヨーク2は、周方向に複数に分割された分割コア10を環状に連結して構成されている。
図2は、分割コア10の斜視図、図3は、分割コア10を軸方向からみた平面図である。なお、図3においては、説明を分かり易くするために、ティース部3に形成されているコイル6を、軸方向に直交する断面で示している。
図2、図3に示すように、分割コア10は、例えば金属板を複数積層してなるものであって、周方向に延びる分割バックヨーク30を有している。分割バックヨーク30は、分割コア10を環状に連結したときにバックヨーク2の環状の磁路を形成する部分であり、かつヨークハウジングの内周面に固定される部分である。
分割バックヨーク30の周方向の両端部は、他の分割バックヨーク30と圧入によって連結される連結部12a,12bになっている。一方の連結部12aは凸形状を有し、他方の連結部12bは連結部12aを受け入れ可能な凹形状を有している。
また、分割バックヨーク30の内周面30aには、周方向略中央部からティース部3が径方向内側(ロータの回転中心側)に向かって突出形成されている。つまり、各分割コア10は、それぞれティース部3を1つ備えている。
ティース部3は、径方向に沿って延びるティース本体13と、ティース本体13の径方向内側の端部、つまり、ティース本体13の先端部に一体成形され、周方向両側に沿って延びる鍔部14と、により構成されている。これらティース本体13とコア本体11と鍔部14とに囲まれて、巻線5を巻回するためのスロット15が形成されている。つまり、各分割コア10には、ティース部3を挟んで一対のスロット15が設けられる。
また、分割バックヨーク30の内周面30aは、ティース部3の延在方向に対して直交しておらず、略弧状に形成されている。この内周面30aの弧状と、分割バックヨーク30の外周面30bの円弧形状は、若干異なる。
すなわち、外周面30bは、ステータ1の径方向中央を中心にした円弧形状に形成されているのに対し、分割バックヨーク30の内周面30aは、ティース本体13の根元から周方向両端に向かうに従って外周面30bよりも径方向内側(ティース部3側)に偏倚するように弧状に形成されている。つまり、分割バックヨーク30の内周面30aは、周方向両端に向かうに従って径方向内側に張り出すように、いわゆるオーバーハングしている。そして、このように形成されたティース部3の周囲を被覆するようにインシュレータ4が装着されている。
インシュレータ4は、第1インシュレータ16と、第2インシュレータ17と、からなる。第1インシュレータ16および第2インシュレータ17は、それぞれティース部3を分割コア10の軸方向の両端部10a,10bから挟み込むように装着されている。各インシュレータ16,17は、それぞれティース部3のスロット15に面する部位、およびティース部3の端部(分割コア10の端部10a,10b)と、を被覆するインシュレータ本体16a,17aを有している。インシュレータ本体16a,17aは、分割バックヨーク30の連結部12a,12bが露出するように形成されている。
また、インシュレータ本体16a,17aには、分割コア10の両端部10a,10bに対応する部位に、軸方向に沿って立設する外壁部18aおよび内壁部18bが一体成形されている。
外壁部18aは、ティース部3の根元部に対応する位置に配置され、周方向に沿って延在するように断面弧状に形成されている。外壁部18aには、2つのスリット19a,19b(第1スリット19a、第2スリット19b)が周方向に等間隔で形成されている。これらスリット19a,19bは、ティース部3に巻回された巻線5を径方向外側に引き出すためのものである。また、外壁部18aの周方向略中央には、後述の浮き防止リング7と係合する係合爪4aが、径方向外側に向かって突出形成されている。
一方、内壁部18bは、鍔部14の径方向内側の端面に対応する部位に配置され、周方向に沿って延在するように断面弧状に形成されている。すなわち、内壁部18bの周方向の長さよりも外壁部18aの周方向の長さが長く設定されている。内壁部18bの周方向中央の大部分には、凹部20が形成されている。この凹部20の深さは、外壁部18aのスリット19a,19bの深さよりも浅く設定されている。
また、これら外壁部18aおよび内壁部18bとの間に、ティース本体13を被覆するティース被覆部18cが一体成形されている。
このような構成のもと、各分割コア10のティース本体13における各インシュレータ16,17のティース被覆部18cの上からそれぞれ巻線5が集中巻方式で巻回され、コイル6が形成される。巻線5は、複数層に巻回され、俵状に整列巻きされている。なお、俵状とは、隣り合う層の巻線5が、この巻線5の半径分だけずれて積層された状態をいう。
ここで、ティース部3の鍔部14におけるスロット15側の内側面14aは、各層の巻線5が俵状に積層されるよう傾斜形成されている。また、各インシュレータ16,17も、鍔部14の内側面14aに沿うように形成されている。このため、巻線5は、確実に俵状に積層される。
(巻線装置)
次に、上述のように構成された分割コア10に巻線5を巻回するための巻線装置50について説明する。
図4は、巻線装置50の斜視図である。
同図に示すように、巻線装置50は、分割コア10を固定するクランプ治具51と、クランプ治具51に固定された分割コア10に接近、離間可能な一対のガイド52a,52bと、巻線5が繰出されるフライヤ53と、分割コア10に巻回された巻線5を切断するカッター54と、を備えている。
図5は、クランプ治具51の平面図である。
図4、図5に示すように、クランプ治具51は、略直方体の板状に形成されたスライドプレート51aを有している。スライドプレート51aは、不図示の駆動装置によって、長手方向に沿ってスライド移動可能に設けられている。スライドプレート51aの短手方向の一辺には、クランプ本体51bが設けられている。クランプ本体51bは、長手方向に長い四角柱状に形成されている。クランプ本体51bには、分割コア10のコア本体11を保持する複数の凹部55が、長手方向に沿って等間隔に形成されている。
これにより、クランプ治具51に保持された分割コア10は、クランプ治具51のスライド方向(以下、X方向という)に沿って横一列に並んで配置された状態になる。そして、クランプ治具51に保持された分割コア10は、ティース部3がスライドプレート51aとは反対側に向かって突出した状態になっている。
なお、本実施形態では、ステータ1は、ティース部3(分割コア10)が6つ設けられているので、クランプ治具51に形成される凹部55も6つ形成されている。しかしながら、凹部55の個数は6つに限られるものではなく、6つ以上であってもよい。
図6は、一対のガイド52a,52bの機能説明図である。
図4、図6に示すように、一対のガイド52a,52bは、ティース部3の所定位置に巻線5を導くためのものである(これについての詳細は後述する)。一対のガイド52a,52bは、クランプ治具51の短手方向でクランプ本体51bと対向するように設けられている。換言すれば、クランプ治具51に保持された分割コア10のティース部3と対向するように、設けられている。
一対のガイド52a,52bは、分割コア10に接近、離間可能な方向、つまり、X方向に直交するY方向に沿ってスライド移動可能なだけでなく、一対のガイド52a,52bがX方向に互いに近接スライド移動可能に構成されている。これら一対のガイド52a,52bは、それぞれ駆動部59によって独立して駆動できるようになっている。これにより、一対のガイド52a,52bは、それぞれの先端部が分割コア10のスロット15に入り込み、ティース本体13の周方向に対向する2つの側面13a(ティース被覆部18c)に沿ってスライド移動することができる。そして、このように構成された一対のガイド52a,52bに案内されながら、フライヤ53から繰出される巻線5がティース部3に巻回される(詳細は後述する)。
図4に示すように、フライヤ53は、巻線5が繰出されるアーム部(繰出部)56を有している。フライヤ53は、アーム部56が分割コア10の周囲を回るように回転可能に設けられている。より具体的には、フライヤ53は、アーム部56が分割コア10の軸方向中央と一対のガイド52a,52bとの間を通り、かつY方向に沿って延びる軸線L1を軸として回転するように設けられている(矢印C参照)。
カッター54は、クランプ治具51に対してX−Y平面に直交するZ方向で対向するように設けられている。カッター54は、クランプ治具51に対して接近、離間可能に設けられている。つまり、カッター54は、クランプ治具51から離間した状態が待機状態になっており、クランプ治具51に接近した際に巻線5を切断する。
(巻線方法)
次に、上述の巻線装置50を用いた各分割コア10への巻線5の巻回方法(巻線方法)について説明する。
図7は、ティース部3への巻線5の巻回手順を示す工程図であって、(a)〜(g)は、各工程における巻線5の状態を示す。
ここで、各ティース部3に巻線5を巻回するにあたっての初期動作として、まず、図4に示すように、クランプ治具51に分割コア10を並べて配置し、それぞれクランプ治具51に固定する(クランプ工程)。
続いて、所定の(巻線5を巻回したい)分割コア10が、一対のガイド52a,52bに対向するようにクランプ治具51をスライド移動させる(クランプ移動工程開始)。換言すれば、フライヤ53に対応する位置に、所定の分割コア10をスライド移動させる。
続いて、ティース部3に1層目の巻線5を巻回する(巻線工程開始)。
図7(a)に示すように、初めに、一対のガイド52a,52bと各インシュレータ16,17の分割バックヨーク30側の内側面との隙間に、巻線5が各ガイド52a,52bに沿ってほぼ隙間なく摺動するように各ガイド52a,52bを移動する(ガイド移動工程開始)。さらに、一対のガイド52a,52bと、各インシュレータ16,17のティース本体13側の内側面との隙間に、1層目に巻回される巻線5が入り込まないように各ガイド52a,52bを移動する。
そして、この状態でフライヤ53を回転させ、図7(a)、図7(b)に示すように、ティース本体13の根元に所定の巻線方向で所定ターン数だけ巻線5を導く。
続いて、図7(c)に示すように、巻線5の1回目の巻回(以下、単に、1回目、2回目・・・という)が終了したら、最初に巻線5を導いた一方のガイド52aを、1本の巻線5分だけY方向に沿ってスライド移動させる(図7(c)における矢印Y1参照)。そして、引き続きフライヤ53を回転させ、1回目の巻線5と一方のガイド52aとの間に巻線5を導く。これにより、1回目の巻線5に2回目の巻線5が並べて配置される。
その後、他方のガイド52bも一方のガイド52aと同様に矢印Y1方向にスライド移動させ、1回目の巻線5と他方のガイド52bとの間に2回目の巻線5を導く。これを順次繰り返すことにより、図7(d)に示すように、1層目の巻線5の整列巻きが完了する。なお、フライヤ53は、一対のガイド52a,52bの動作に同期しつつ常時回転している。
続いて、2層目の巻線5を巻回する。
まず、図7(e)に示すように、一方のガイド52aと1層目の巻線5との間に、1本の巻線5分の隙間が形成されるように一方のガイド52aをX方向に沿ってスライド移動させる(図7(e)における矢印X1参照)。そして、ティース本体13の先端(鍔部14の根元)に、巻線5を導く。
さらに、他方のガイド52bと1層目の巻線5との間に、1本の巻線5分の隙間が形成されるように、他方のガイド52bをX方向に沿ってスライド移動させる(図7(e)における矢印X2参照)。そして、ティース本体13の先端(鍔部14の根元)に、巻線5を導く。
これにより、2層目における1回目の巻線5の巻回が完了する(図7(f)参照)。なお、1層目の巻線5と2層目の巻線5は、巻線5の半径分だけずれて積層されている。換言すれば、1層目の巻線5と2層目の巻線5は、俵状に積層されている。
続いて、図7(g)に示すように、2層目の最初に巻線5を導いた一方のガイド52aを、1本の巻線5分だけY方向に沿ってスライド移動させる(図7(g)における矢印Y2参照)。そして、引き続きフライヤ53を回転させ、1層目の巻線5と一方のガイド52aとの間に巻線5を導き、2層目における1回目の巻線5に2層目における2回目の巻線5を並べて配置する。
さらに、続けて、2層目の1回目の巻線5を導いた他方のガイド52bを、1本の巻線5分だけY方向に沿ってスライド移動させる(図7(g)における矢印Y2参照)。そして、引き続きフライヤ53を回転させ、1層目の巻線5と他方のガイド52bとの間に巻線5を導き、2層目における1回目の巻線5に、2層目における2回目の巻線5を並べて配置する。これを順次繰り返すことにより、2層目の巻線5の整列巻きが完了する。さらに、各ガイド52a,52bを、1層目と2層目の動作を順次繰り返させることにより、3層目、4層目、・・・N層目(本実施形態では、8層目)の巻線5の整列巻きが完了する(1つ目の分割コア10のガイド移動工程、巻線工程、およびクランプ移動工程終了)。
ここで、2層目の各ガイド52a,52bのY方向のスライド移動方向は、1層目の各ガイド52a,52bのY方向のスライド移動方向と逆になる。すなわち、1層目では、各ガイド52a,52bは、コア本体11から徐々に離間するようにスライド移動したが、2層目では、各ガイド52a,52bは、コア本体11に徐々に接近するようにスライド移動する。これは、3層目、4層目でも同様のことがいえる。すなわち、奇数層は、コア本体11から徐々に離間するように、各ガイド52a,52bがスライド移動する。これに対し、偶数層は、コア本体11に徐々に接近するように、各ガイド52a,52bがスライド移動する。また、奇数層の巻線5と偶数層の巻線5は、巻線5の半径分だけずれて積層されている。換言すれば、奇数層の巻線5と偶数層の巻線5は、俵状に積層されている。
上述のように、1つの分割コア10への巻線5の巻回作業が完了すると、次の所定の分割コア10への巻線5の巻回作業を始める。この順序について、以下に詳述する。
図8は、各分割コア10への巻線5の巻回順序を示す説明図である。
本実施形態のステータ1は、3相(U相、V相、W相)で構成され、各分割コア10は、U相、V相、W相の順に割り振られるので、図8に示すように、クランプ治具51に各分割コア10を固定する際もU相、V相、W相の順に並ぶ。図8では、左から順に1つ目のU相、V相、W相の分割コア10(U1),10(V1),10(W1)、次いで、2つ目のU相、V相、W相の分割コア10(U2),10(V2),10(W2)と並んでいる。
このような並びのもと、まず、1つ目のW相の分割コア10(W1)に巻線5を引き込んで所定の巻線方向で所定ターン数だけ巻回し、W相のコイル6を形成する。このとき、分割コア10の2つのインシュレータ16,17のうちの一方のインシュレータ(本実施形態では、第1インシュレータ16)の外壁部18aに形成された2つのスリット19a,19bのうち、第1スリット19aを介して径方向外側からティース被覆部18cに巻線5が引き込まれる。続いて、1つ目のW相の分割コア10(W1)から第2スリット19bを介して引き出した巻線5を、2つ目のW相の分割コア10(W2)へ渡らせて同相渡り線57を形成する。続いて、2つ目のW相の分割コア10(W2)へ第1スリット19aを介して巻線5を引き込んで所定の巻線方向で所定ターン数だけ巻回し、W相のコイル6を形成する。
次に、2つ目のW相の分割コア10(W2)の第2スリット19bから引き出した巻線5を、1つ目のV相の分割コア10(V1)へ渡らせて異相渡り線58を形成する。この後、カッター54(図4参照)により、異相渡り線58の中間部分を切断する(切断工程)。
続いて、1つ目のV相の分割コア10(V1)に巻線5を、第1スリット19aを介して引き込んで所定の巻線方向で所定ターン数だけ巻回し、V相のコイル6を形成する。続いて、1つ目のV相の分割コア10(V1)から第2スリット19bを介して引き出した巻線5を、2つ目のV相の分割コア10(V2)へ渡らせて同相渡り線57を形成する。続いて、2つ目のV相の分割コア10(V2)へ巻線5を、第1スリット19aを介して引き込んで所定の巻線方向で所定ターン数だけ巻回し、V相のコイル6を形成する。
次に、2つ目のV相の分割コア10(V2)から第2スリット19bを介して引き出した巻線5を、1つ目のU相の分割コア10(U1)へ渡らせて異相渡り線58を形成する。この後、カッター54(図4参照)により、異相渡り線58の中間部位を切断する(切断工程)。
続いて、1つ目のU相の分割コア10(U1)に巻線5を、第1スリット19aを介して引き込んで所定の巻線方向で所定ターン数だけ巻回し、U相のコイル6を形成する。続いて、1つ目のU相の分割コア10(U1)から第2スリット19bを介して引き出した巻線5を、2つ目のU相の分割コア10(U2)へ渡らせて同相渡り線57を形成する。そして、2つ目のU相の分割コア10(U2)へ第1スリット19aを介して巻線5を引き込んで所定の巻線方向で所定ターン数だけ巻回してから巻線5を、第2スリット19bを介して引出し、各分割コア10への巻線5の巻回作業が完了する(全ガイド移動工程、巻線工程、およびクランプ移動工程終了)。
ここで、クランプ治具51に、各分割コア10がU相、V相、W相の順に並べて配置されるので、各分割コア10に形成されるコイル6は、全て同一方向に巻線5を巻回することにより形成される。
また、上記の順序で各相の分割コア10に巻線5を巻回していくので、全ての同相渡り線57における巻線5の引き回し方向が同一方向(第1方向)となる。また、全ての異相渡り線58における巻線5の引き回し方向も同一方向(第2方向)となる。さらに、同相渡り線57の引き回し方向(第1方向)に対する異相渡り線58の引き回し方向(第2方向)が逆になる。そして、1つ目のU相の分割コア10(U1)と2つ目のW相の分割コア10(W2)との間には、同相渡り線57および異相渡り線58が引き回されない。
図9は、各分割コア10への巻線5の巻回作業が完了した後の組立工程を示す説明図であって、(a)〜(c)は各工程を示す。図10は、各分割コア10の組み立てが完了した状態を示す斜視図である。
図9(a)、図9(b)に示すように、各分割コア10への巻線5の巻回作業が完了した時点では、各分割コア10は、まだクランプ治具51上で横並びになっている状態である。このため、これら分割コア10を、円柱状の組立治具61を用いて巻き取っていく。具体的には、組立治具61の外周面に、各分割コア10の鍔部10bの内周面が当接するように、各分割コア10を巻き取る。組立治具61の直径は、ステータ1の鍔部10bの内周面に沿う直径(ステータ1の内径)とほぼ同一か、または若干小さくなる程度に設定されている。
図9(c)に示すように、組立治具61を用いて巻き取った各分割コア10は、略円環状になる。この状態で、各分割コア10のコア本体11の外周面11bから径方向内側に向かって圧力をかける(図9(c)における矢印F1参照)。
すると、図10に示すように、分割バックヨーク30の周方向両端に形成されている連結部12a,12bがそれぞれ連結され、各分割バックヨーク30によって環状のバックヨーク2が形成される。そして、同相渡り線57は、それぞれ第1インシュレータ16の外壁部18aの外周面に沿わせて配線される。
ここで、外壁部18aは、ティース部3の根元部に対応する位置に配置されている。このため、第1インシュレータ16のインシュレータ本体16aにおける軸方向端部と外壁部18aとの接続部(角部)に、同相渡り線57、および切断された異相渡り線58が収まる形になる。
また、各分割コア10を略円環状に巻き取ることで、隣接する各分割コア10の間に位置する同相渡り線57に弛みが生じことになるが、その弛み分だけ同相渡り線57を径方向内側に押し込む。このようにすることで、ステータ1の第1インシュレータ16上に、後述の浮き防止リング7を取り付け易くすることができる。そして、これにより、ステータ1の組立が完了する。
(浮き防止リング)
図1に戻り、このように組み立てられたステータ1には、同相渡り線57、および切断された異相渡り線58が引き回されている第1インシュレータ16上に(図1における軸方向上端側に)、浮き防止リング7が設けられている。浮き防止リング7は、コイル6や同相渡り線57、および切断された異相渡り線58の浮き上がりを防止するためのものであって、樹脂により形成されている。
なお、浮き防止リング7は、第2インシュレータ17にも取り付け可能であるが、本実施形態では、第1インシュレータ16上に同相渡り線57、および切断された異相渡り線58が引き回されているので、第1インシュレータ16上に取り付けられる。しかしながら、第2インシュレータ17上に同相渡り線57、および切断された異相渡り線58が引き回されれば、第2インシュレータ17上に浮き防止リング7が取り付けられる。
浮き防止リング7は、各インシュレータ16,17における外壁部18aの周囲を取り囲むようにリング状に形成されている。浮き防止リング7の外径は、バックヨーク2の外径とほぼ同一に設定されている。すなわち、第1インシュレータ16上に配線された同相渡り線57、および切断された異相渡り線58は、軸方向上側から浮き防止リング7によって覆われた形になる。これにより、同相渡り線57、および切断された異相渡り線58の浮き上がりが防止される。
さらに、浮き防止リング7の内周面には、隣接する各分割コア10の間に対応する位置に、渡り線押え73が一体成形されている。渡り線押え73は、隣接する各分割コア10の間に位置する同相渡り線57の浮き(変位)を規制するためのものである。
渡り線押え73は、浮き防止リング7から突出するように形成されている。渡り線押え73は、軸方向でステータ1の端部に向かうに従って先細りとなるように三角状に形成されており、軸方向に対して傾斜する一辺73aで同相渡り線57を押える。このため、同相渡り線57は、径方向内側で、かつ軸方向で浮き防止リング7とは反対側(図1における軸方向下側)に押圧されながら渡り線押え73によって変位を規制された形になる。
ここで、隣接する各分割コア10の間に位置する同相渡り線57は、各分割コア10を連結した際、弛み分だけ径方向内側に押し込むようにしている(図10参照)。このため、第1インシュレータ16上に浮き防止リング7を取り付けた際、渡り線押え73によって同相渡り線57を無理に押し込むことがなく、容易に浮き防止リング7を取り付けることができる。
また、渡り線押え73は、第1インシュレータ16上に浮き防止リング7を載置した際、先端が分割コア10の連結部12a,12bに当接するように形成され、浮き防止リング7と各分割コア10との間に所定の隙間Sが形成される。すなわち、渡り線押え73は、同相渡り線57を押えるだけでなく、第1インシュレータ16に対する浮き防止リング7の位置決めを行う機能も兼ね備えている。
さらに、浮き防止リング7には、第1インシュレータ16の外壁部18aに突出形成されている係合爪4aに対応する位置に、係合凹部7aが形成されている。この係合凹部7aは、係合爪4aと係合可能になっている。これにより、第1インシュレータ16上に浮き防止リング7がスナップフィット固定される。
また、浮き防止リング7の一側には、略直方体状のコネクタ部71が一体成形されている。コネクタ部71には、3相に対応するコネクタ端子72が3つ突設されている。これらコネクタ端子72に、対応する巻線5の端部(巻線の始線端と終線端、および切断された異相渡り線58の各端部の計6本)が電気的に接続される。
具体的には、切断された異相渡り線58のそれぞれが、浮き防止リング7と各分割コア10の間に形成された隙間Sに沿って、かつ浮き防止リング7の渡り線押さえ73の外周側を迂回するようにコネクタ部71に導かれて、対応するコネクタ端子72と電気的に接続される。
図11は、各コイル6の結線図である。
同図に示すように、各相のコイル6(U1〜W2)は、デルタ結線される。コネクタ端子72には、外部電源が電気的に接続され、各相のコイル6に選択的に電力が供給される。これにより、各ティース部3に不図示のロータを回転させるための磁界が発生する。
このように、上述の実施形態では、分割コア10に巻線5を巻回する巻線装置50は、クランプ治具51に固定された分割コア10に接近、離間可能な一対のガイド52a,52bと、分割コア10の周囲を回るように回転可能に設けられたフライヤ53と、を備えている。このため、一対のガイド52a,52bを用いてティース部3の狙ったところに巻線5を導くことができ、巻線5の整列巻きを容易に行うことができる。よって、ステータ1の巻線5の占積率を向上させることができる。
また、巻線装置50は、スライド移動可能に設けられたクランプ治具51を備えている。そして、このクランプ治具51に各分割コア10を並べて配置し、クランプ治具51をスライド移動させながら各分割コア10への巻線5の巻回作業を行っている。このため、各分割コア10への巻回作業が直線的になり、この巻回作業を速やかに行うことができる。また、直線的に巻回作業を行える分、各ティース部3間に跨る同相渡り線57、および異相渡り線58の引き回し作業も容易に行うことができる。
さらに、巻線装置50は、異相渡り線57を切断するカッター54を備えている。このため、各分割コア10への巻線5の巻回作業を連続的に行いながら、相ごとにコイル6(巻線5)を速やかに分割できる。このため、巻線5の巻回作業後の各分割コア10の組み立て作業を簡略化でき、ステータ1の生産効率を高めることができる。
また、各分割コア10に巻回される巻線5は、俵状に巻回されてコイル6を形成している。このため、ティース部3に巻回された巻線5同士の間の隙間を極力小さくすることができ、巻線5の占積率を向上させることができる。
さらに、クランプ治具51に、各分割コア10がU相、V相、W相の順に並べて配置されるので、各分割コア10に形成されるコイル6は、全て同一方向に巻線5を巻回することにより形成される。
ここで、例えば、3相構造のステータ1であっても、同相の分割コアを並べて配置することも可能である。すなわち、周方向にU1,U2.V1,V2,W1,W3相の順に分割コア10を並べることも可能である。しかしながら、このような場合、隣り合う同相同士の分割コア10における巻線5の巻回方向は、互いに逆向きになる。このため、全ての分割コア10で同一方向の巻線5を巻回できるようにすることで、フライヤ53の回転方向を一定にできる。よって、フライヤ53の動作に起因する負荷を低減できると共に、巻線5の巻回作業効率を高めることができる。
また、巻線工程内におけるクランプ移動工程では、W1,W2,V1,V2,U1,U2相の順番にコイル6が形成されるようにクランプ治具51をスライド移動させる。このため、全ての同相渡り線57における巻線5の引き回し方向を、同一方向(図8における第1方向)とすることができる。また、全ての異相渡り線58における巻線5の引き回し方向も、同一方向(図8における第2方向)とすることができる。さらに、同相渡り線57の引き回し方向(第1方向)に対する異相渡り線58の引き回し方向(第2方向)が逆になり、1つ目のU相の分割コア10(U1)と2つ目のW相の分割コア10(W2)との間に、同相渡り線57および異相渡り線58を引き回さないようにすることができる。よって、巻線5の巻回作業時間を短縮でき、ステータ1の生産効率を向上できる。
さらに、各相のコイル6(U1〜W2)を、デルタ結線構造とするので、各分割コア10に巻線5を連続的に巻回することができる。また、Y結線(スター結線)の中性点のように、追加の結線作業が必要なくなるので、結線作業効率を高めることができる。
また、各分割コア10の分割バックヨーク30の内周面30aは、周方向両端に向かうに従って径方向内側に張り出すように、いわゆるオーバーハングしている。このため、ティース本体13と分割バックヨーク30と鍔部14とに囲まれて形成されるスロット15の面積を、できる限り大きくすることができる。よって、ステータ1の巻線5の占積率を向上できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、ステータ1は、ブラシレスモータを構成するものである場合について説明した。しかしながら、ブラシレスモータに限られるものではなく、さまざまな回転電機や電磁機器(巻線をティース巻回するような構造を有する機器)に上述の実施形態を採用することができる。
また、上述の実施形態では、ステータ1のコア本体11は、略円筒状のバックヨーク2を有し、バックヨーク2から径方向内側に向かって複数のティース部3が突出形成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、コア本体の外周面から放射状に複数のティース部が設けられているような構造の回転電機(例えば、アウターロータ型のモータ等)であって、コア本体からティース部のみが分割可能に構成されているものにも、上述の実施形態を採用することができる。この場合、クランプ治具51に、ティース部3のみが並べて配置できるように構成する。
さらに、上述の実施形態では、ステータ1は、ティース部3を6つ有する3相構造のものである場合について説明した。しかしながら、ティース部3の数は6つに限られるものではなく、6つ以上であってもよい。また、コイル6の相数も3相に限らず、3相以上であってもよい。
1…ステータ(巻線対象物)
2…バックヨーク
30…分割バックヨーク
30a…内周面
30b…外周面
3…ティース部
10…分割コア(分割片)
11…コア本体
13…ティース本体
50…巻線装置
51…クランプ治具
52a,52b…ガイド(一対のガイド)
53…フライヤ
54…カッター
56…アーム部(繰出部)

Claims (11)

  1. 巻線が巻回されるティース部を1つ含んだ分割片を、複数連結して成る巻線対象物の巻線方法において、
    クランプ治具に前記分割片を固定するクランプ工程と、
    前記クランプ治具に固定された前記分割片の前記ティース部において対向する2つの側面に、それぞれ独立して移動可能な一対のガイドを近づけるガイド移動工程と、
    前記巻線が繰出される繰出部を、前記ティース部の周囲を回るようにさせ、前記繰出部から繰出される前記巻線を、前記一対のガイドを移動させながら、該一対のガイドを介して前記ティース部に整列巻きする巻線工程と、
    を有することを特徴とする巻線方法。
  2. 前記クランプ治具をスライド移動可能に構成し、
    前記クランプ工程において、前記複数の分割片を前記スライド移動方向に沿って並べて配置し、
    前記巻線工程は、前記クランプ治具によって前記繰出部に対応する位置に、所定の順番で前記複数の分割片を移動させるクランプ移動工程を含み、
    前記クランプ移動工程は、1つの前記分割片の前記ティース部への整列巻きが完了するごとに前記分割片を移動させ、
    同相の前記ティース部への整列巻きが完了した後、他相の前記ティース部への整列巻きを行い、複数の前記ティース部に前記巻線が連続して整列巻きされることを特徴とする請求項1に記載の巻線方法。
  3. 前記クランプ移動工程は、
    同相間の前記ティース部に跨る同相渡り線の引き回し方向を第1方向としたとき、異相間の前記ティース部に跨る異相渡り線の引き回し方向が、前記第1方向とは逆の第2方向となるように、前記複数の分割片を移動させ、
    かつ、任意の2相間の前記ティース部の間に、前記異相渡り線が形成されないように、前記複数の分割片を移動させることを特徴とする請求項2に記載の巻線方法。
  4. 前記巻線工程は、前記異相渡り線を切断する切断工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の巻線方法。
  5. 前記巻線工程において、各前記ティース部に、全て同一方向で前記巻線が巻回されることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の巻線方法。
  6. 前記巻線工程において、各前記ティース部に巻回される前記巻線は、デルタ結線されることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の巻線方法。
  7. 各前記ティース部に前記巻線が多層に巻回されており、
    前記巻線工程において、隣り合う層の前記巻線が、該巻線の半径分ずれて整列されるように前記一対のガイドを移動させることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の巻線方法。
  8. 巻線が巻回されるティース部を1つ含んだ分割片を、複数連結して成る巻線対象物に、前記巻線を巻回するための巻線装置において、
    前記分割片を固定するクランプ治具と、
    前記クランプ治具に固定された前記分割片の前記ティース部において対向する2つの側面に、それぞれ独立して接近、離間可能な一対のガイドと、
    前記クランプ治具に固定された前記分割片の前記ティース部の周囲を回るように回転し、前記巻線を繰出す繰出部と、
    を備え、
    前記巻線を、前記一対のガイドを移動させながら、該一対のガイドを介して、前記ティース部に整列巻きすることを特徴とする巻線装置。
  9. 前記クランプ治具は、スライド移動可能に構成され、
    前記複数の分割片は、前記クランプ治具に前記スライド移動方向に沿って並んで配置され、
    前記複数の分割片は、前記クランプ治具によって、所定の順番で前記繰出部に対応する位置に移動されることを特徴とする請求項8に記載の巻線装置。
  10. 複数の前記ティース部に、前記巻線が連続して巻回され、
    異相の前記ティース部間に跨る異相渡り線を切断するためのカッターを備えたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の巻線装置。
  11. 請求項8〜請求項10の何れか1項に記載の巻線装置を用いて製造された巻線対象物であって、
    円筒状のコア本体と、
    該コア本体から径方向内側に向かって延びる複数の前記ティース部と、
    を備え、
    前記コア本体を前記ティース部ごとに周方向に分割して前記複数の分割片を形成し、
    前記コア本体の前記ティース部側の内周面は、周方向両端に向かうにしたがって、前記コア本体の外周面よりも前記ティース部側に向かって偏倚していることを特徴とする巻線対象物。
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