JP2016191737A - 電子写真現像剤用キャリア芯材 - Google Patents

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Abstract

【課題】低比重化を達成すると共に、高強度の電子写真現像剤用キャリア芯材及び該キャリア芯材を用いた電子写真現像剤用キャリア、電子写真現像剤を提供する。【解決手段】磁性成分と非磁性成分と空隙部とから成る電子写真現像剤用キャリア芯材であって、真比重が3.0〜4.0であり、非磁性成分にSiを含み、断面のエネルギー分散型X線分析によるSi含有率が0.5〜10重量%であり、粒子断面を5μm角に分割したときの空隙部、非磁性成分、磁性成分の割合(面積%)をそれぞれA、B、Cと定義したとき、0.5≦A≦10かつその変動係数CV(A)が0.1≦CV(A)≦1.0、5.0≦B≦40かつその変動係数CV(B)が0.1≦CV(B)≦0.5である電子写真現像剤用キャリア芯材、並びに該キャリア芯材を用いた電子写真現像剤用キャリア及び電子写真現像剤を採用する。【選択図】なし

Description

本発明は、低比重で、しかも高強度の電子写真現像剤用キャリア芯材に関し、詳しくは複写機、プリンター等に用いられる二成分系電子写真現像剤に使用される電子写真現像剤用キャリア芯材、並びに該キャリア芯材を用いた電子写真現像剤用キャリア及び電子写真現像剤に関する。
電子写真現像方法は、現像剤中のトナー粒子を感光体上に形成された静電潜像に付着させて現像する方法であり、この方法で使用される現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤及びトナー粒子のみを用いる一成分系現像剤に分けられる。
こうした現像剤のうち、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤を用いた現像方法としては、古くはカスケード法等が採用されていたが、現在では、マグネットロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
二成分系現像剤において、キャリア粒子は、現像剤が充填されている現像ボックス内において、トナー粒子と共に攪拌されることによって、トナー粒子に所望の電荷を付与し、さらにこのように電荷を帯びたトナー粒子を感光体の表面に搬送して感光体上にトナー像を形成するための担体物質である。マグネットを保持する現像ロール上に残ったキャリア粒子は、この現像ロールから再び現像ボックス内に戻り、新たなトナー粒子と混合・攪拌され、一定期間繰り返して使用される。
二成分系現像剤は、一成分系現像剤とは異なり、キャリア粒子はトナー粒子と混合・攪拌され、トナー粒子を帯電させ、さらに搬送する機能を有しており、現像剤を設計する際の制御性が良い。従って、二成分系現像剤は高画質が要求されるフルカラー現像装置及び画像維持の信頼性、耐久性が要求される高速印刷を行う装置等に適している。
このようにして用いられる二成分系現像剤においては、画像濃度、カブリ、白斑、階調性、解像力等の画像特性が、初期の段階から所定の値を示し、しかもこれらの特性が耐刷期間中に変動せず、安定に維持されることが必要である。これらの特性を安定に維持するためには、二成分系現像剤中に含有されるキャリア粒子の特性が安定していることが必要になる。
二成分系現像剤を形成するキャリア粒子として、従来は、各種の、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、樹脂被覆フェライトキャリア、磁性粉分散型樹脂キャリア等が使用されていた。
最近、オフィスのネットワーク化が進み、単機能の複写機から複合機への時代に進化し、サービス体制も、契約したサービスマンが定期的にメンテナンスを行って現像剤等を交換するようなシステムから、メンテナンスフリーシステムの時代へシフトしてきており、市場からは、現像剤の更なる長寿命化に対する要求が一層高まってきている。
このような中で、キャリアの低比重化を図り、攪拌によるストレスを軽減し、皮膜の削れや剥離を防止し、キャリア、ひいては現像剤の長寿命化を図る試みがなされている。
特許文献1(特開2007−034249号公報)には、造粒時に磁性成分と併せて発泡剤を加えることで、焼成時に中空を形成し、低比重の芯材を作製している。しかし、粒子内に大きな空隙が存在するため強度が弱く、現像剤として使用していくと割れ欠けが発生し、帯電能の低下やキャリア飛散を生じる。また、造粒時にシリカを加えることでコンポジットを形成し、低比重の芯材を作製している。しかし、焼成時にSiが磁性成分と反応するため芯材に必要な磁化を満足できず、また芯材にシリカが存在することによる帯電特性上の不具合や、上記強度の低下も懸念される。
また、特許文献2(特開2009−244572号公報)では、比重の軽い造粒物を原料とし、これを溶射することで中空の芯材を作製し、低比重化を図っている。しかし、全ての粒子が中空構造を有している訳ではないため、見掛け上は軽くても重い粒子が混在しており、トナー粒子との混合撹拌により、トナーがキャリアに融着するトナースペントを生じる。
特許文献3(特開2012−215858号公報)では、多孔質のフェライト粒子に樹脂をコーティングすることで低比重化を達成している。しかし、樹脂の一部がフェライト粒子の空隙に浸入し得る製造方法であるため、浸入の具合によってコート厚みにバラツキが生じやすく、帯電特性の制御が困難である。また、非多孔質の芯材と比べると、多孔質芯材への樹脂の浸入量を加味して樹脂の被覆量を調整することとなり、経済的なデメリットが生まれる。
特許文献4(特開2013−250455号公報)には、磁性粒子の分散した樹脂前駆体溶液を用い、重合させる過程で磁性粒子が分散した樹脂粒子を形成することで、低比重な、所謂樹脂キャリアを作製している。しかし、キャリア抵抗が高いために所望の画像濃度が得られない、磁性微粒子が脱離して感光体を傷つける、残留磁化及び保磁力が高いため帯電立上性が悪い等の諸課題を有する。
特許文献5(特開2014−197040号公報)には、多孔質フェライト粒子からなるフェライトキャリア芯材及びその空隙に樹脂を充填した樹脂充填型フェライトキャリアが記載されている。これにより低比重化に伴う課題であった、強度、磁力、帯電、抵抗等をすべて満足できるフェライトキャリア芯材に樹脂を充填することで、フェライトキャリア芯材とシリコーン樹脂のハイブリットを形成している。しかし、さらなる低比重化のためには細孔容積を大きくして樹脂充填量を増やすこととなるが、ここでキャリア強度と比重とのトレードオフのジレンマが生じ、実用性のあるキャリアとしては低比重化に限界が生まれる。
これら特許文献1〜5に記載されているように、キャリアの低比重化の試みは数多くなされており、その試みは一部達成されているものの、強度等のほかの特性とのバランスが充分ではなかった。
特開2007−034249号公報 特開2009−244572号公報 特開2012−215858号公報 特開2013−250455号公報 特開2014−197040号公報
従って、本発明の目的は、低比重化を達成すると共に、高強度の電子写真現像剤用キャリア芯材、並びに該キャリア芯材を用いた電子写真現像剤用キャリア及び電子写真現像剤を提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、磁性成分と非磁性成分と空隙部とからなり、真比重及びSi含有率が一定範囲にあり、かつ非磁性成分と空隙部が特定割合及び変動係数を有するキャリア芯材が上記目的を達成し得ることを見出し、本発明に至った。本発明は、かかる知見に基づきなされたものである。
すなわち、本発明は、磁性成分と非磁性成分と空隙部とから成る電子写真現像剤用キャリア芯材であって、真比重が3.0〜4.0であり、非磁性成分にSiを含み、断面のエネルギー分散型X線分析によるSi含有率が0.5〜10重量%であり、粒子断面を5μm角に分割したときの空隙部、非磁性成分、磁性成分の割合(面積%)をそれぞれA、B、Cと定義したとき、0.5≦A≦10かつその変動係数CV(A)が0.1≦CV(A)≦1.0、5.0≦B≦40かつその変動係数CV(B)が0.1≦CV(B)≦0.5であることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア芯材を提供するものである。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、上記真比重が3.5〜4.0であることが望ましい。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、上記Si含有率が1.0〜5.0重量%であることが望ましい。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、上記変動係数CV(A)が0.2≦CV(A)≦0.8であり、上記変動係数CV(B)が0.2≦CV(B)≦0.45であることが望ましい。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、上記空隙部Aが1.0≦A≦7.0、上記非磁性成分Bが10≦B≦30であることが望ましい。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、上記磁性成分が多孔質フェライト粒子、上記非磁性成分がSi含有化合物であり、該多孔質フェライト粒子の空隙に該Si含有化合物を充填したものであることが望ましい。
また、本発明は、上記キャリア芯材に樹脂を被覆した電子写真現像剤用キャリアを提供するものである。
さらに、本発明は、上記キャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
本発明に係るキャリア芯材は、磁性成分と非磁性成分と空隙部とからなり、これらを特定割合かつ特定分布で含有し、これに樹脂を被覆したキャリアは、一定のSiと空隙を含有することから、低比重化が達成され、かつSiと空隙が特定の分布を有することから、高強度であるので耐久性が向上したものとなる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<本発明に係る電子写真子現像剤用キャリア芯材>
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、磁性成分と非磁性成分と空隙部とからなる。
磁性成分としては、フェライト粒子が好ましく、その組成は特に制限されないが、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、Zn、Niから選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。近年の廃棄物規制を始めとする環境負荷低減の流れを考慮すると、Cu、Zn、Ni等の重金属を不可避不純物(随伴不純物)の範囲を超えて含まないことが好ましい。ここでフェライト粒子とは、特記しない限り個々のフェライト粒子の集合体を意味し、また単に粒子とは、個々のフェライト粒子をいう。
フェライト粒子としては、多孔質フェライト粒子が好ましく、多孔質フェライト粒子の細孔容積は40〜100mm/g、ピーク細孔径は0.3〜1.5μmであることが望ましい。
非磁性成分としては、Siを含むSi含有化合物、具体的にはカップリング剤やシリコーン樹脂、オリゴマー等が用いられ、特にシランカップリング剤及びシリコーンオリゴマーが好ましく用いられる。シランカップリング剤としては、例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が例示される。シリコーン樹脂としては、ストレートシリコーン樹脂や各種の変性シリコーン樹脂が挙げられる。シリコーンオリゴマーとしてはメチルシリコーンオリゴマー、メチルフェニルシリコーンオリゴマー等が挙げられる。ここでシリコーンオリゴマーとは、低分子のシリコーン樹脂の総称であり、2量体から分子量1000程度のものである。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材の真比重は3.0〜4.0、望ましくは3.5〜4.0であり、この範囲で低比重、高強度のキャリアが得られる。キャリア芯材の真比重が3.0未満では、十分なキャリア強度が確保できず、真比重が4.0を超えると、キャリアの軽量化が図れない。
(真比重)
真比重は、JIS R9301−2−1に準拠して、ピクノメーターを用いて測定した。ここで溶媒としてメタノールを用い、温度25℃にて測定した。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材の断面におけるエネルギー分散型X線分析(EDS)によるSi含有率は0.5〜10重量%、望ましくは1.0〜5.0重量%である。この範囲で低比重、高強度のキャリアが得られる。キャリア芯材のSi含有率が0.5重量%未満では、高比重となり、耐刷時に撹拌によるストレスでキャリア被覆樹脂が剥離し易く、電気抵抗及び帯電特性が不安定となる。Si含有率が10重量%を超えると、磁性部が少なくなり、低磁化となるため、キャリア飛散を引き起こす。
[Si含有率]
Siの含有元素量の算出にはエネルギー分散型X線分析(EDS)装置HORIBA製X−maxを用いた。断面観察には日立ハイテク社製SU8000を用い、一粒子の約80%が全視野にくるように倍率を設定した。加速電圧は15kV、WDは15mmとし、EDSスキャンを行った。画像の取り込み時の設定は解像度を1024dpi、デュエルタイムを10μs、入力信号はSEとした。マップデータの収集時は解像度を512dpi、ピクセルデュエルタイムを400μs、フレームライブタイムを79sに設定した。EDSスキャンによって、抽出されたフェライト成分とSi元素のピーク強度比によりSi元素含有率を求めた。評価対象は無作為に選択したフェライト粒子100個とし、平均値を算出した。
本発明に係るキャリア芯材は、粒子断面を5μm角に分割したときの空隙部、非磁性成分、磁性成分の割合(面積%)をそれぞれA、B、Cと定義したとき、0.5≦A≦10かつその変動係数CV(A)が0.1≦CV(A)≦1.0である。好ましくは、1.0≦A≦7.0かつその変動係数CV(A)が0.2≦CV(A)≦0.8である。
空隙部の割合A及びその変動係数CV(A)が上記範囲にあることによって、
低比重かつ高強度のキャリア芯材となる。空隙部の割合が0.5面積%未満では、高比重であるため、耐刷時に撹拌によるストレスでキャリア被覆樹脂が剥離し、電気抵抗及び帯電特性が不安定となり、10面積%を超えると、軽量化は達成できるが、磁性部が少ないため、低磁化となり、キャリア飛散を引き起こす。さらに、空隙が多くなるため、機械的強度が弱くなる。また、変動係数CV(A)が1.0を超えると、粒子内若しくは粒子間において空孔が偏在し、耐刷時にキャリアの割れや欠けを引き起こし易い。変動係数はより小さいことが理想であるが、0.1未満とすることは製造上困難である。
また、本発明に係るキャリア芯材は、粒子断面を5μm角に分割したときの空隙部、非磁性成分、磁性成分の割合(面積%)をそれぞれA、B、Cと定義したとき、5.0≦B≦40かつその変動係数CV(B)が0.1≦CV(B)≦0.5である。好ましくは、10≦B≦30かつその変動係数CV(B)が0.2≦CV(A)≦0.45である。
非磁性成分の割合B及びその変動係数CV(B)が上記範囲にあることによって、低比重かつ高強度のキャリア芯材となる。非磁性成分の割合が5.0面積%未満では、高比重となり、耐刷時に撹拌によるストレスでキャリア被覆樹脂が剥離し、電気抵抗及び帯電特性が不安定となり、40面積%を超えると、磁性部が少ないため、低磁化となり、キャリア飛散を引き起こす。また、変動係数CV(B)が0.5を超えると、一粒子内若しくは粒子間において樹脂部の偏析が生じるため、耐刷時にキャリアの割れや欠けを引き起こし易い。変動係数はより小さいことが理想であるが、0.1未満とすることはすることは製造上困難である。
これら粒子を5μm角に分割したときの空隙部、非磁性成分、磁性成分の割合(面積%)及びこれらの変動係数は、下記の画像解析によって測定される。
[画像解析]
はじめに、キャリア芯材(樹脂包埋したフェライト粒子)にイオンミリングによる断面加工を施す。前処理として粒子樹脂層と包埋樹脂との界面を鮮明にするために、フェライト粒子にPtコートを施した後に樹脂包埋を行った。フェライト粒子のブロードイオンビームによる断面加工にはGatan製 Ilionを使用し、イオンビームの加速電圧は6.0kV、ミリング傾斜角度は0度とし、アルゴン雰囲気下で行った。
断面観察には日立ハイテク社製SU8000を用い、加速電圧は3.0kV、WDを5mmとし、断面粒子を2000倍視野にて撮影し、その二次電子画像情報を、インターフェースを介してメディアサイバネティクス社製画像解析ソフト(Image−Pro PLUS)に導入して解析を行い、Area(面積)を求めた。評価対象は無作為に選択したフェライト粒子100個とした。
具体的には、フェライト粒子(磁性成分)の断面一粒子を測定領域に指定する。続いて、指定した断面領域をグレースケールにて色抽出し、256階調に分割する。ここで、階調値を3つに分割し、フェライト粒子の断面領域を3値化した。空隙部と樹脂部(非磁性成分)の境界を19から60階調中に取り、61から129階調中に樹脂部と磁性部(磁性成分)の境界を設定した。なお、255階調目は加工断面領域外の背景部分とした。ここで、フェライト粒子断面を5μm角に分割し、それぞれの格子内の空隙部(A)、非磁性成分(B)、磁性成分(C)の比率(面積%)を求め、それぞれの平均値をXave(A)、Xave(B)、Xave(C)、それぞれの標準偏差をσ(A)、σ(B)、σ(C)とし、下記式よりそれぞれの変動係数CV(A)、CV(B)、CV(C)を算出した。フェライト粒子の境界面を含む最外5μm角においては、フェライト粒子領域のみでの比率を算出した。
Figure 2016191737
磁性成分と非磁性成分からなる芯材の最も好ましい態様は、磁性成分である多孔質フェライト粒子の空隙部に非磁性成分が充填された非磁性成分充填フェライト粒子である。
磁性成分である多孔質フェライト粒子に対する非磁性成分の充填量は2〜20重量%が望ましい。非磁性成分の充填量が2重量%未満では、粒子内部に十分な非磁性成分を充填させることができず、現像剤としたときに高電界を印加した場合に絶縁破壊を起こし、白斑等の画像欠陥の原因となる可能性がある。また非磁性成分充填量が20重量%を超えると、過剰な樹脂が表面に溢れてしまうため、抵抗が高くなりすぎ、現像剤としたときに画像濃度が低くなってしまう可能性がある。なお、非磁性成分の充填量は多孔質フェライト粒子の細孔容積に応じて適当に調整されることが好ましい。
充填される非磁性成分は、多孔質フェライト粒子の空隙に充填可能なものであることが必要である。そのような見地から、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤やメチルシリコーンオリゴマー等のシリコーンオリゴマーが好ましく用いられる。充填される非磁性成分には、硬化触媒等としてチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、スズのアルコキシドやキレート等の金属有機化合物を適宜、適量配合することができる。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリアは、磁性成分と非磁性成分と空隙部とからなるキャリア芯材に樹脂が被覆されている。
ここで用いられる樹脂は、特に制限されないが、例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。本発明では、アクリル樹脂、シリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂等が好ましく用いられる。
この樹脂には、導電剤として、例えば導電性カーボン、酸化チタンや酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤等を適宜、適量配合することができる。また、帯電制御剤として、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等、アミノシランカップリング剤やフッ素系シランカップリング剤等のカップリング剤を適宜、適量配合することができる。
樹脂の被覆量は、キャリア芯材に対して0.5〜4重量%が望ましい。樹脂被覆量が0.5重量%未満では、キャリア表面に均一な被覆層を形成することが難しく、また樹脂被覆量が4重量%を超えると、キャリア同士の凝集が発生してしまい、歩留まり低下等の生産性の低下と共に、現像剤とし用いたときに実機内での流動性あるいは帯電量等の現像剤特性変動の原因となる。
非磁性成分を充填又は樹脂を被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により行うことができる。なお、非磁性成分を充填する際は、非磁性成分と空隙部との割合および分布を所定の範囲とするため、非真空下で行うことが好ましい。非磁性成分を充填又は樹脂を被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。被覆樹脂としてUV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
<本発明に係る電子写真現像剤>
上述のようにして得られた本発明に係るキャリアは、トナーと混合して二成分系電子写真現像剤として用いられる。
本発明に用いられるトナーは、懸濁重合法、乳化重合法、粉砕法等の公知の方法で製造できる。製造法の一例としては、バインダー樹脂、着色剤、帯電制御剤等を、例えばヘンシェルミキサー等の混合機で充分混合し、次いで二軸押出機等で溶融混練して均一分散し、冷却後に、ジェットミル等により微粉砕化し、分級後、例えば風力分級機等により分級して所望の粒径のトナーを得ることができる。必要に応じて、ワックス、磁性粉、粘度調節剤、その他の添加剤を含有させてもよい。さらに分級後に外添剤を添加することもできる。
上記トナーに使用するバインダー樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、さらにはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、シリコーン樹脂等の樹脂を必要に応じて、単独又は混合して使用することができる。
上記トナーに用いられることのできる荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、キレート錯体、含金属モノアゾ染料等が挙げられる。
上記トナーに用いられる着色剤としては、従来より知られている染料及び/又は顔料が使用可能である。例えばカーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。
その他外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を単独又は併用して用いることができる。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
MnO:38mol%、MgO:11mol%、Fe:50.3mol%及びSrO:0.7mol%になるように原料を秤量し、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)で4.5時間粉砕し、得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。MnO原料としては四酸化三マンガンを、MgO原料としては水酸化マグネシウムを、SrO原料としては炭酸ストロンチウムを用いた。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、ロータリー式電気炉で、1080℃で3時間加熱し、仮焼成を行った。
次いで、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)を用いて平均粒径が約4μmまで粉砕した後、水を加え、さらに湿式のメディアミル(縦型ビーズミル、1/16インチ径のステンレスビーズ)を用いて10時間粉砕した。このスラリーに分散剤を適量添加し、適度な細孔容積を得るために、バインダーとしてPVA(20%溶液)を固形分に対して0.2重量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、得られた粒子(造粒物)の粒度調整を行い、その後、ロータリー式電気炉で、700℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーといった有機成分の除去を行った。
その後、トンネル式電気炉にて、焼成温度1071℃、酸素ガス濃度1.1容量%雰囲気下にて、5時間保持した。この時、昇温速度を150℃/時、降温速度を110℃/時とした。その後、解砕し、さらに分級して粒度調整を行い、磁力選鉱により低磁力品を分別し、多孔質フェライト粒子からなるフェライトキャリア芯材(磁性成分)を得た。
非磁性成分としてメチルシリコーン樹脂を用い、メチルシリコーン樹脂溶液を25重量部(樹脂濃度20%のトルエン溶液のため固形分としては5重量部)に、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)を、樹脂固形分に対して25重量%(Ti原子換算で3重量%)加えた後、アミノシランカップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシシランを、樹脂固形分に対して5重量%添加し、非磁性成分充填溶液を得た
この樹脂溶液を、上記多孔質フェライト粒子100重量部と共に万能混合撹拌器に投入し、液浸乾燥法により樹脂を多孔質フェライト粒子の空隙に浸透、充填させた。その後、熱風加熱式のオーブンに入れ、220℃で1.5時間、加熱処理を行った。
その後、室温まで冷却し、樹脂が硬化されたフェライト粒子を取り出し、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き樹脂が充填されたフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
次に、固形のアクリル樹脂(製品名:BR−73、三菱レーヨン社製)を準備し、上記アクリル樹脂20重量部をトルエン80重量部に混合して、アクリル樹脂をトルエンに溶解させ、樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液に、更に導電性制御剤として、カーボンブラック(製品名:MogulL、Cabot社製)をアクリル樹脂に対して3重量%添加し、被覆樹脂溶液を得た。
得られた樹脂が充填されたフェライト粒子を万能混合撹拌器に投入し、上記のアクリル樹脂溶液を添加して、液浸乾燥法により樹脂被覆を行った。この際、アクリル樹脂は、樹脂充填後のフェライト粒子の重量に対して2重量%とした。被覆した後、145℃で2時間加熱を行ったのち、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き表面に樹脂被覆を施した樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
[実施例2]
非磁性成分としてシランカップリング剤であるN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン(成分濃度100%)を用意した。
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)100重量部と、このN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン11重量部を水33重量部に希釈した溶液とを万能混合機にて液浸乾燥法により十分乾燥するまで非磁性成分であるN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシランの多孔質フェライト粒子に充填を行った。その後、装置内から取り出し、熱風加熱式のオーブンに入れ、250℃で1.5時間、加熱処理を行った。
その後、室温まで冷却し、非磁性成分が硬化されたフェライト粒子を取り出し、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、充填されていない非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き非磁性成分が充填されたフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
次いで、実施例1と同様に、非磁性成分が充填されたフェライト粒子の表面にアクリル樹脂を被覆し、表面に樹脂被覆を施した樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
[実施例3]
非磁性成分としてシリコーンオリゴマーであるメチルフェニルシリコーンオリゴマー(成分濃度100%)を用意した。
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子100重量部と、このメチルフェニルシリコーンオリゴマー7重量部と硬化触媒としてのテトラノルマルブチルチタネート0.2重量部とを万能混合機にて液浸乾燥法により十分乾燥するまで非磁性成分であるメチルフェニルシリコーンオリゴマーの充填を行った。その後、装置内から取り出し、熱風加熱式のオーブンに入れ、250℃で1.5時間、加熱処理を行った。
その後、室温まで冷却し、非磁性成分が硬化されたフェライト粒子を取り出し、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、充填されていない非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き非磁性成分が充填されたフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
次いで、実施例1と同様に、非磁性成分が充填されたフェライト粒子の表面にアクリル樹脂を被覆し、表面に樹脂被覆を施した樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
[実施例4]
非磁性成分としてメチルフェニルシリコーン樹脂(不揮発分100%の粉末、軟化点60℃、硬化温度180℃)を用意した。
実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子100重量部と、このメチルフェニルシリコーン樹脂6重量部を万能混合機にて30分間撹拌混合した。次に、これらを加熱型ニーダーに投入し、常温から5℃/minの速度で、120℃まで昇温し、1時間撹拌混練しながら充填を行った後、210℃まで昇温し、1時間撹拌混練しながら硬化を行った後ヒーターを切り、撹拌しながら30分間冷却し、装置より排出した。
その後、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き、非磁性成分が充填されたフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。
次いで、実施例1と同様に、非磁性成分が充填されたフェライト粒子の表面にアクリル樹脂を被覆し、表面に樹脂被覆を施した樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
[比較例1]
メチルシリコーン樹脂溶液を25重量部(樹脂濃度20%のトルエン溶液のため固形分としては5重量部)に、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)を、樹脂固形分に対して25重量%(Ti原子換算で3重量%)加えたあと、アミノシランカップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシシランを樹脂固形分に対して5重量%添加し、非磁性成分充填溶液を得た。
この充填溶液25重量部を、実施例1と同様にして得られた多孔質フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)100重量部と、60℃、6.7kPa(約50mmHg)の減圧下で混合撹拌し、トルエンを揮発させながら、非磁性成分(メチルシリコーン樹脂)を多孔質フェライト粒子の空隙に浸透、充填させた。容器内を常圧に戻し、常圧下で撹拌を続けながら、トルエンをほぼ完全に除去したのち、充填装置内から取り出し、容器に入れ、熱風加熱式のオーブンに入れ、220℃で1.5時間、加熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして非磁性成分が充填されたフェライト粒子を得た(フェライトキャリア芯材)。
次いで、実施例1と同様に、非磁性成分が充填されたフェライト粒子の表面にアクリル樹脂を被覆し、表面に樹脂被覆を施した樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
[比較例2]
MnO:38mol%、MgO:11mol%、Fe:50.3mol%及びSrO:0.7mol%になるように原料を秤量し、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)で4.5時間粉砕し、得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。MnO原料としては四酸化三マンガンを、MgO原料としては水酸化マグネシウムを、SrO原料としては、炭酸ストロンチウムを用いた。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、ロータリー式電気炉で、1080℃で3時間加熱し、仮焼成を行った。
次いで、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)を用いて粉砕した後、SiO2粒子を重量比で仮焼粉:SiO=80:20となるよう添加し、水を加え、さらに湿式のメディアミル(縦型ビーズミル、1/16インチ径のステンレスビーズ)を用いて10時間粉砕した。このスラリーに分散剤を適量添加し、バインダーとしてPVA(20%溶液)を固形分に対して0.2重量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、得られた粒子(造粒物)の粒度調整を行った。
得られた造粒物を40kg/hrの供給速度でプロパン5Nm/hr、酸素25Nm/hrが供給されるフレームを通過させて本焼成物を得た。得られた焼成物を、分級、磁力選鉱を行い、中空の粒子を含有するフェライト粒子(フェライトキャリア芯材)を得た。なお、フレームへの造粒物の供給は窒素ガスを用いた気流輸送で行い、窒素ガス気流の供給速度は11.5Nm/hrとした。
次いで、中空の粒子を含有するフェライト粒子の表面に実施例1と同様にアクリル樹脂を被覆し、表面に樹脂被覆を施した中空の粒子を含有するフェライトキャリアを得た。
これら実施例1〜4及び比較例1〜2の充填仕様(充填材料、充填量)、キャリア仕様(被覆樹脂、被覆量)及びキャリア特性(真比重、Si含有量、空隙部の割合及びその変動係数、非磁性成分の割合及びその変動係数、キャリア強度、帯電量変化率)を表1に示す。なお、キャリア強度及び帯電量変化率は下記により測定した。その他の測定方法は上述の通りである。
[キャリア強度]
キャリア20gを、50ccガラス瓶に入れ、そのガラス瓶をペイントシェーカーにて、50時間攪拌した。攪拌によるストレスで、粒子に割れ、削れや微粒子が発生すると、攪拌後のキャリアの平均粒径は小さくなる。強度の弱いキャリアほど、削れや微粒子が発生し、平均粒径は小さくなるため、攪拌前後の平均粒径の変化率をキャリア強度の指標とした。平均粒径は、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)を用いて測定された体積平均粒径とし、粒径の変化率及び強度の判定基準は下記の通りである。
Figure 2016191737
キャリア強度は、3%以下であることが望ましく、1.5%以下であることがさらに望ましい。キャリア強度が3%を超えると、キャリア強度が弱いため、経時での衝撃による割れが発生し、経時での帯電変動を助長する。
〔帯電量変化率〕
帯電量は、キャリアとトナーとの混合物を、吸引式帯電量測定装置(Epping q/m−meter、PES−Laboratoriumu社製)により測定し求めた。トナーはフルカラープリンターに使用されている市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製DocuPrintC3530用;平均粒径約5.8μm)を用い、現像剤量を10g、トナー濃度を10重量%に調製した。調製した現像剤を50ccのガラス瓶に入れ、そのガラス瓶を直径130mm、高さ200mmの円柱のホルダーに収納、固定し、株式会社シンマルエンタープライズ社製のターブラーミキサーにて、30分攪拌し、635Mの網を用いて、帯電量測定を行った。
上述したトナーと同じ市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製DocuPrintC3530用;平均粒径約5.8μm)を用い、現像剤量を20g、トナー濃度を10重量%に調整し、50ccのガラス瓶に入れ、そのガラス瓶を浅田鉄工株式会社製のペイントシェーカーにて、50時間攪拌した。攪拌終了後、現像剤を取り出し、635Mの網を用いて、トナーを吸引し、キャリアのみを取り出した。得られたキャリアを上述した帯電量の測定方法にて、帯電量を測定し、強制攪拌後の帯電量とした。
そして、下記式により、帯電量変化率を算出した。
Figure 2016191737
キャリアの帯電量変化率は、望ましくは80%以上、さらに望ましくは85%以上である。帯電量変化率が80%未満では、経時での帯電変動が発生し、トナー飛散やカブリ、キャリア付着といった画像欠陥を助長し、良好な画像品質を安定的に維持できない。
Figure 2016191737
表1に示されるように、実施例1〜4は、キャリア特性として真比重及びSi含有量が所望の範囲にあり、しかも空隙部及び非磁性成分の含有割合及びその変動係数が適当な範囲にあることから、低比重化が達成され、かつ高強度で帯電量変化率に優れる。これに対して、比較例1は真比重が大きく、また空隙部の含有割合及びその変動係数が所定の範囲から外れており、比較例2は空隙部及び非磁性成分の含有割合の変動係数が所定の範囲から外れている。また、比較例1〜2は低強度で帯電量変化率が劣ったものである。このことから、比較例1〜2では、低比重化と他の特性とのバランスが維持できないことが分かる。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア芯材は、低比重化が達成されると共に、高強度等の所望の特性を有する。
従って、このキャリア芯材に樹脂を被覆してキャリアとし、トナーと共に電子写真現像剤としたときに、耐久性に優れたものとなる。
すなわち、本発明は、磁性成分と非磁性成分と空隙部とから成る電子写真現像剤用キャリア芯材であって、JIS R9301−2−1に準拠して測定した真比重が3.0〜4.0であり、非磁性成分にSiを含み、断面のエネルギー分散型X線分析によるSi含有率が0.5〜10重量%であり、粒子断面を5μm角に分割したときの空隙部、非磁性成分、磁性成分の割合(面積%)をそれぞれA、B、Cと定義したとき、0.5≦A≦10かつその変動係数CV(A)が0.1≦CV(A)≦1.0、5.0≦B≦40かつその変動係数CV(B)が0.1≦CV(B)≦0.5であることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア芯材を提供するものである。
非磁性成分を充填する方法としては、公知の方法、例えばロータリドライ方式、万能撹拌機による液浸乾燥法等により行うことができる。また、樹脂を被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能撹拌機による液浸乾燥法等により行うことができる。なお、非磁性成分を充填する際は、非磁性成分と空隙部との割合および分布を所定の範囲とするため、非真空下で行うことが好ましい。非磁性成分を充填又は樹脂を被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。被覆樹脂としてUV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。

Claims (8)

  1. 磁性成分と非磁性成分と空隙部とから成る電子写真現像剤用キャリア芯材であって、真比重が3.0〜4.0であり、非磁性成分にSiを含み、断面のエネルギー分散型X線分析によるSi含有率が0.5〜10重量%であり、粒子断面を5μm角に分割したときの空隙部、非磁性成分、磁性成分の割合(面積%)をそれぞれA、B、Cと定義したとき、0.5≦A≦10かつその変動係数CV(A)が0.1≦CV(A)≦1.0、5.0≦B≦40かつその変動係数CV(B)が0.1≦CV(B)≦0.5であることを特徴とする電子写真現像剤用キャリア芯材。
  2. 上記真比重が3.5〜4.0である請求項1に記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
  3. 上記Si含有率が1.0〜5.0重量%である請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
  4. 上記変動係数CV(A)が0.2≦CV(A)≦0.8であり、上記変動係数CV(B)が0.2≦CV(B)≦0.45である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
  5. 上記空隙部Aが1.0≦A≦7.0、上記非磁性成分Bが10≦B≦30である請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
  6. 上記磁性成分が多孔質フェライト粒子、上記非磁性成分がSi含有化合物であり、該多孔質フェライト粒子の空隙に該Si含有化合物を充填したものである請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア芯材。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のキャリア芯材に樹脂を被覆した電子写真現像剤用キャリア。
  8. 請求項7に記載のキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。
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