JP2016191512A - 水加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水加熱装置において、ヒートポンプの水の流路が凍結した場合でも、ヒートポンプ水はり運転を正常に実行することが可能な技術を提供する。
【解決手段】水加熱装置は、水を貯えるタンクと、水を加熱するヒートポンプと、タンクからヒートポンプへ水を送るタンク水往路と、ヒートポンプからタンクへ水を送るタンク水復路と、タンク水往路に設けられている循環ポンプと、タンク水往路において循環ポンプより下流に設けられている第1水抜き栓と、制御装置を備えている。制御装置は、タンクへの水はりが行われた状態で、循環ポンプを駆動して、タンク水往路、ヒートポンプおよびタンク水復路へ水はりを行うヒートポンプ水はり運転を実行可能である。制御装置は、ヒートポンプ水はり運転において、循環ポンプが空回りしていると判断した場合に、循環ポンプを停止し、その後に第1水抜き栓が開閉されると、循環ポンプの駆動を再開する。
【選択図】図2

Description

本明細書は、水加熱装置に関する。
特許文献1に、水を貯えるタンクと、水を加熱するヒートポンプと、タンクからヒートポンプへ水を送るタンク水往路と、ヒートポンプからタンクへ水を送るタンク水復路と、タンク水往路に設けられている循環ポンプと、制御装置を備えている水加熱装置が開示されている。制御装置は、タンクへの水はりが行われた状態で、循環ポンプを駆動して、タンク水往路、ヒートポンプおよびタンク水復路へ水はりを行うヒートポンプ水はり運転を実行可能である。
特開2006−250505号公報
すでに使用している水加熱装置をしばらく使用しなくなる場合には、水加熱装置からの水抜きを行うことで、水加熱装置を構成する配管や機器の凍結を防止することができる。しかしながら、水加熱装置からの水抜きを行った場合でも、ヒートポンプの水の流路にわずかに水が残って、ヒートポンプの水の流路が凍結して部分的に閉塞してしまう場合がある。このような場合には、再び水加熱装置を使用する際に、水加熱装置への水はりを行おうとしても、タンク水往路の内部の空気が抜けて行かないため、循環ポンプに呼び水が供給されなくなってしまう。その結果、循環ポンプが空回りしてしまい、ヒートポンプ水はり運転を正常に実行することができなくなってしまう。
本明細書は、上記の課題を解決する技術を提供する。本明細書では、ヒートポンプ水はり運転を実行可能な水加熱装置において、ヒートポンプの水の流路が凍結した場合でも、ヒートポンプ水はり運転を正常に実行することが可能な技術を提供する。
本明細書が開示する水加熱装置は、水を貯えるタンクと、水を加熱するヒートポンプと、タンクからヒートポンプへ水を送るタンク水往路と、ヒートポンプからタンクへ水を送るタンク水復路と、タンク水往路に設けられている循環ポンプと、タンク水往路において循環ポンプより下流に設けられている第1水抜き栓と、制御装置を備えている。制御装置は、タンクへの水はりが行われた状態で、循環ポンプを駆動して、タンク水往路、ヒートポンプおよびタンク水復路へ水はりを行うヒートポンプ水はり運転を実行可能である。制御装置は、ヒートポンプ水はり運転において、循環ポンプが空回りしていると判断した場合に、循環ポンプを停止し、その後に第1水抜き栓が開かれて、第1水抜き栓が閉じられると、循環ポンプの駆動を再開する。
ヒートポンプの水の流路が凍結して部分的に閉塞している場合であっても、循環ポンプに強制的に通水して、循環ポンプに呼び水を供給すれば、その後は循環ポンプを正常に動作させることができる。上記の水加熱装置では、ヒートポンプ水はり運転において、循環ポンプが空回りしていると判断した場合に、循環ポンプを停止する。そして、上記の水加熱装置は、循環ポンプより下流のタンク水往路に設けられている第1水抜き栓が開かれて、タンクから循環ポンプを経由して第1水抜き栓まで通水されて、第1水抜き栓が閉じられると、循環ポンプを再び駆動する。このような構成とすることによって、ヒートポンプの水の流路が凍結して部分的に閉塞した場合でも、循環ポンプに呼び水を供給して、ヒートポンプ水はり運転を正常に実行することができる。
なお、上記の水加熱装置においては、第1水抜き栓の開閉および第1水抜き栓への通水の確認は、作業者が行ってもよいし、制御装置が行ってもよい。第1水抜き栓の開閉と第1水抜き栓への通水の確認を作業者が行う場合には、上記の水加熱装置は以下のように構成してもよい。すなわち、制御装置は、ヒートポンプ水はり運転において、循環ポンプが空回りしていると判断した場合に、循環ポンプを停止し、リモコン等を介して作業者に第1水抜き栓を開いて通水を確認するように指示を報知する。そして、作業者が第1水抜き栓を開いて通水を確認した後、作業者が第1水抜き栓を閉じてリモコン等を介して復帰操作を入力すると、制御装置は、循環ポンプを再び駆動して、ヒートポンプ水はり運転を再開する。対照的に、第1水抜き栓の開閉と第1水抜き栓への通水の確認を制御装置が行う場合には、上記の水加熱装置は以下のように構成してもよい。すなわち、制御装置は、ヒートポンプ水はり運転において、循環ポンプが空回りしていると判断した場合に、循環ポンプを停止し、第1水抜き栓を開いて、第1水抜き栓に通水されることを監視する。そして、第1水抜き栓への通水が確認されると、制御装置は、第1水抜き栓を閉じて、循環ポンプを再び駆動して、ヒートポンプ水はり運転を再開する。
上記の水加熱装置は、タンク水復路に設けられている第2水抜き栓をさらに備えており、制御装置が、ヒートポンプ水はり運転の後に、循環ポンプを駆動して、ヒートポンプで水を加熱する沸上げ試運転を実行可能であり、制御装置が、沸上げ試運転において、ヒートポンプが空焚きしていると判断した場合に、ヒートポンプでの水の加熱を停止し、その後に第2水抜き栓が開かれて、第2水抜き栓が閉じられると、ヒートポンプでの水の加熱を再開するように構成することができる。
ヒートポンプの水の流路が凍結している場合、沸上げ試運転において、ヒートポンプに水が流れ込まずに、ヒートポンプが空焚きをしてしまうおそれがある。このような場合には、ヒートポンプの水の流路に強制的に通水して、ヒートポンプでの水の加熱を行うことで、ヒートポンプの水の流路を解氷することができる。上記の水加熱装置では、沸上げ試運転において、ヒートポンプが空焚きしていると判断した場合に、ヒートポンプでの水の加熱を停止する。そして、上記の水加熱装置は、タンク水復路に設けられている第2水抜き栓が開かれて、タンクからヒートポンプを経由して第2水抜き栓まで通水されて、第2水抜き栓が閉じられると、ヒートポンプでの水の加熱を再開する。このような構成とすることによって、ヒートポンプの水の流路が凍結して部分的に閉塞した場合でも、ヒートポンプの水の流路を解氷して、沸上げ試運転を正常に実行することができる。
なお、上記の水加熱装置においては、第2水抜き栓の開閉および第2水抜き栓への通水の確認は、作業者が行ってもよいし、制御装置が行ってもよい。第2水抜き栓の開閉と第2水抜き栓への通水の確認を作業者が行う場合には、上記の水加熱装置は以下のように構成してもよい。すなわち、制御装置は、沸上げ試運転において、ヒートポンプが空焚きしていると判断した場合に、ヒートポンプでの水の加熱を停止し、リモコン等を介して作業者に第2水抜き栓を開いて通水を確認するように指示を報知する。そして、作業者が第2水抜き栓を開いて通水を確認した後、作業者が第2水抜き栓を閉じてリモコン等を介して復帰操作を入力すると、制御装置は、ヒートポンプでの水の加熱を再開して、沸上げ試運転を再開する。対照的に、第2水抜き栓の開閉と第2水抜き栓への通水の確認を制御装置が行う場合には、上記の水加熱装置は以下のように構成してもよい。すなわち、制御装置は、沸上げ試運転において、ヒートポンプが空焚きしていると判断した場合に、ヒートポンプでの水の加熱を停止し、第2水抜き栓を開いて、第2水抜き栓に通水されることを監視する。そして、第2水抜き栓への通水が確認されると、制御装置は、第2水抜き栓を閉じて、ヒートポンプでの水の加熱を再開して、沸上げ試運転を再開する。
上記の水加熱装置は、制御装置が、沸上げ試運転において、ヒートポンプで水と熱交換する冷媒の凝縮温度が所定温度を超える状態が所定時間継続した場合に、ヒートポンプが空焚きしていると判断するように構成することができる。
従来から使用されている一般的なヒートポンプには、冷媒の凝縮温度を検出する凝縮温度検出手段が設けられている。上記の水加熱装置によれば、ヒートポンプの空焚きを検出するための新たなセンサ等を設けることなく、ヒートポンプが空焚きしているか否かを判断することができる。
上記の水加熱装置は、制御装置が、ヒートポンプ水はり運転において、循環ポンプの回転数が所定回転数を上回る状態が所定時間継続した場合に、循環ポンプが空回りしていると判断するように構成することができる。
従来から使用されている一般的な循環ポンプには、回転数を検出する回転数検出手段が設けられている。上記の水加熱装置によれば、循環ポンプの空回りを検出するための新たなセンサ等を設けることなく、循環ポンプが空回りしているか否かを判断することができる。
給湯システム10の構成を模式的に示す図である。 給湯システム10のヒートポンプユニット水はり運転を説明するフローチャートである。 給湯システム10の沸上げ試運転を説明するフローチャートである。
(実施例)
図1は給湯システム10の系統図であり、水及び冷媒の流れを矢印で示している。図1に示すように、給湯システム10は、タンクユニット20と、ヒートポンプユニット40と、ガス熱源ユニット50を備えている。給湯システム10は、給湯栓80と浴槽72に給湯する。本明細書では、浴槽72に給湯することを湯はりという。また、給湯システム10は、浴槽72に貯められた浴槽水を追い焚きする。
ヒートポンプユニット40は、主に、ヒートポンプ40bと、循環ポンプ48bを備えている。ヒートポンプ40bは、圧縮機41と、四方弁42と、第1熱交換器43と、膨張弁44と、第2熱交換器45と、ファン45aと、外気温度センサ45bと、除霜経路47と、除霜弁47aを備えている。ヒートポンプ40bでは、圧縮機41の吐出側Aと四方弁42と第1熱交換器43の冷媒流路43aと膨張弁44と第2熱交換器45と四方弁42と圧縮機41の戻り側Bが、冷媒配管46によって順に接続されており、冷媒がこの順に循環する。第1熱交換器43は、冷媒流路43aと循環水流路43bと凝縮温度センサ43cを備えている。凝縮温度センサ43cは、冷媒流路43aを流れる冷媒の温度、すなわち第1熱交換器43での冷媒の凝縮温度を検出する。第2熱交換器45の近傍にはファン45aが設置されている。第2熱交換器45は、ファン45aによって送られる外気と冷媒の間で熱交換を行う。なお、ファン45aの近傍には外気温度を検出する外気温度センサ45bが設けられている。圧縮機41の吐出側Aと四方弁42との間の冷媒配管46と、膨張弁44と第2熱交換器45との間の冷媒配管46の間に、除霜経路47が接続されている。除霜経路47には、除霜弁47aが設けられている。
第1熱交換器43の循環水流路43bの入口側には循環往路接続経路48が接続されており、出口側には循環復路接続経路49が接続されている。循環往路接続経路48には、入口側サーミスタ48aが設けられており、循環復路接続経路49には出口側サーミスタ49aが設けられている。入口側サーミスタ48aは、循環水流路43bに流入する循環水の温度を検出し、出口側サーミスタ49aは、循環水流路43bから流出する循環水の温度を検出する。また、循環往路接続経路48には、循環ポンプ48bが設けられている。循環ポンプ48bには、循環ポンプ48bの回転数を検出する回転数検出手段が内蔵されている。さらに、循環往路接続経路48の循環ポンプ48bより下流には、手動で開閉される第1水抜き栓82aが設けられている。第1水抜き栓82aが開かれると、循環往路接続経路48の水が第1水抜き栓82aを通して外部に排水される。循環復路接続経路49には、手動で開閉される第2水抜き栓82bが設けられている。第2水抜き栓82bが開かれると、循環復路接続経路49の水が第2水抜き栓82bを通じて外部に排水される。
ヒートポンプユニット40は、コントローラ40aを備えている。コントローラ40aは、CPU、ROM、RAM等を備えている。コントローラ40aには、入口側サーミスタ48a、出口側サーミスタ49a、外気温度センサ45bおよび循環ポンプ48bの回転数検出手段から、検出信号が入力される。また、コントローラ40aは、圧縮機41、四方弁42、膨張弁44、ファン45a、循環ポンプ48bの動作を制御する。
タンクユニット20は、貯湯槽21と混合器24とを備えている。貯湯槽21の底部には、貯湯槽21に水道水を給水する給水経路22が接続されている。給水経路22の水道水入口22aの近傍には、減圧弁23が設けられている。給水経路22には、減圧弁23の下流側に混合器24の混合用給水経路26が接続されている。減圧弁23は、貯湯槽21と混合器24への給水圧力を調整する。貯湯槽21内の温水が減少すると、減圧弁23の下流側圧力が低下する。減圧弁23は、下流側圧力が低下すると開き、その圧力を所定の調圧値に維持しようとする。このため、貯湯槽21内の温水が減少したり、混合器24の給水制御弁26aが開いたりすると、これらに水道水が給水される。
給水経路22において、混合用給水経路26の接続部よりも下流側には、排水経路31が接続されている。排水経路31の途中には、排水弁32が設けられている。排水弁32は手動で開閉することができる。排水弁32を開くと、貯湯槽21内の水が排水経路31を通じて外部に排水される。
貯湯槽21の底部には、循環往路33の一端が接続されており、貯湯槽21の上部には、循環復路34の一端が接続されている。循環往路33の他端は、ヒートポンプユニット40の循環往路接続経路48に接続されており、循環復路34の他端は、循環復路接続経路49に接続されている。循環往路33には、往路サーミスタ36が設けられている。往路サーミスタ36は、貯湯槽21から循環往路33に流出した水の温度を検出する。
ヒートポンプユニット40の循環ポンプ48bが駆動すると、貯湯槽21の下部から循環往路33に水が吸出され、この水が循環往路接続経路48、循環水流路43b及び循環復路接続経路49を流れて、循環復路34を通じて貯湯槽21の上部に戻される。このようにして、貯湯槽21とヒートポンプユニット40との間の循環経路が構成されている。
循環復路34の途中には、空気抜き経路37と圧力開放経路38が接続されている。空気抜き経路37には、手動で開閉される空気抜き弁37aが設けられている。圧力開放経路38には、リリーフ弁38aが設けられている。減圧弁23の調圧が不能になった場合には、リリーフ弁38aが開き、貯湯槽21内の圧力が耐圧可能な圧力を超えるのを防止する。貯湯槽21では、その上端から所定量(例えば30リットル)の箇所に上部サーミスタ39が取り付けられている。上部サーミスタ39は、貯湯槽21上部の水温を検出する。循環復路34の途中には、循環復路34内での逆流、即ち、循環復路34内の水がタンクユニット20側からヒートポンプユニット40側に向かう流れを防止する逆止弁34aが配置されている。空気抜き経路37と圧力開放経路38とは、逆止弁34aよりもヒートポンプユニット40側に配置されている。
混合器24は、温水経路25と混合用給水経路26と第1混合経路27を備えている。温水経路25は、貯湯槽21の上部に接続されている。温水経路25には、温水制御弁25aと温水流量センサ25bと温水サーミスタ25cが設けられている。温水制御弁25aは、温水経路25を流れる温水の流量を調整する。温水流量センサ25b及び温水サーミスタ25cは、温水経路25を流れる水の流量と温度をそれぞれ検出する。混合用給水経路26は、上記したように給水経路22に接続されている。混合用給水経路26には、給水制御弁26aと給水流量センサ26bと給水サーミスタ26cとが設けられている。給水制御弁26aは、混合用給水経路26を流れる水道水の流量を調整する。給水流量センサ26bと給水サーミスタ26cは、混合用給水経路26を流れる水道水の流量と温度をそれぞれ検出する。
温水経路25と混合用給水経路26とは、それぞれの下流端において合流し、第1混合経路27に接続されている。第1混合経路27には、第1混合経路27を流れる混合水の温度を検出する混合サーミスタ27aを備えている。
タンクユニット20は、さらに第1給湯経路29を備えている。第1給湯経路29には、給湯サーミスタ29aが設けられている。第1給湯経路29の先端には、給湯栓80が接続されている。給湯栓80は、浴室、洗面所、台所等に配置されている(図1では、これら複数の給湯栓80を1つで代表して示している)。第1混合経路27の途中と第1給湯経路29の途中は、給湯バイパス経路28によって接続されている。給湯バイパス経路28には、バイパス制御弁28aが設けられている。バイパス制御弁28aを開いた状態では、第1混合経路27を流れた混合水が給湯バイパス経路28から第1給湯経路29へ流れ、バイパス制御弁28aを閉じた状態では、第1混合経路27を流れた混合水が、後記するガス熱源ユニット50の第2混合経路52へ流れる。
タンクユニット20は、コントローラ20aを備えている。コントローラ20aは、CPU、ROM、RAM等を備えている。コントローラ20aには、温水サーミスタ25c、給水サーミスタ26c、混合サーミスタ27a、給湯サーミスタ29a、往路サーミスタ36、上部サーミスタ39、温水流量センサ25b、給水流量センサ26bから、検出信号が入力される。また、コントローラ20aは、温水制御弁25a、給水制御弁26a、バイパス制御弁28a、空気抜き弁37aの動作を制御する。
ガス熱源ユニット50は、給湯器51を備えている。給湯器51は、給湯用熱交換器53と、給湯用バーナ54と、追い焚き用熱交換器76と、追い焚き用バーナ78等を備えている。給湯用熱交換器53の入口側は第2混合経路52を介して第1混合経路27に接続されている。給湯用熱交換器53には、第2混合経路52を通じて混合水が流入する。第2混合経路52には、入水サーミスタ52aと、給湯水量センサ52bと、水量サーボ52cとが設けられている。入水サーミスタ52aと給湯水量センサ52bは、それぞれ第2混合経路52を流れる水の温度及び流量を検出する。水量サーボ52cは、第2混合経路52を流れる水の流量を調整する。給湯用バーナ54はガス燃焼式であって、給湯用熱交換器53を加熱する。給湯用熱交換器53の出口側は第2給湯経路55を介して第1給湯経路29に接続されている。給湯用熱交換器53を流れた温水は、第2給湯経路55及び第1給湯経路29を通じて給湯栓80から給湯される。第2給湯経路55には、給湯用熱交換器53の出口近傍に、缶体サーミスタ56が設けられており、その下流側に出湯サーミスタ57が設けられている。出湯サーミスタ57は、給湯用熱交換器53の近傍に配置されている。
第2混合経路52における水量サーボ52cの下流側と、第2給湯経路55の缶体サーミスタ56と出湯サーミスタ57の間には、熱源機バイパス経路58が接続されている。第2混合経路52と熱源機バイパス経路58との接続部には、熱源機バイパス制御弁59が設けられている。熱源機バイパス制御弁59の開度を調整することによって、第2混合経路52を流れる水の一部が熱源機バイパス経路58に流れ、その流量が調整される。
第2給湯経路55の出湯サーミスタ57の下流側には、湯はり経路70の一端が接続されている。湯はり経路70の他端は、風呂循環経路71に接続されている。湯はり経路70には、湯はり弁70aと湯はり量センサ70bと逆止弁70cとが設けられている。風呂循環経路71は、浴槽72から湯はり経路70との合流点まで伸びている第1流路76aと、湯はり経路70との合流点から追い焚き用熱交換器76を経て浴槽72にまで伸びている第2流路76bを備えている。風呂循環経路71は、浴槽72と追い焚き用熱交換器76との間で浴槽水を循環させるものである。風呂循環経路71には、水圧センサ79と、風呂ポンプ73と、水流スイッチ74と、風呂往きサーミスタ75と、追い焚き用熱交換器76と、風呂戻りサーミスタ77とが順に設けられている。
湯はり弁70aを開くと、第2給湯経路55を流れる温水が、破線矢印に示すように、第1流路76aと第2流路76bの両者から、浴槽72に供給される。風呂ポンプ73は、運転していないと、温水が逆流するのを許容する。逆止弁70cは、湯はり経路70内で逆流、即ち、湯はり経路70内の水が第2給湯経路55に向かって流れることを防止する。
風呂ポンプ73を駆動すると、浴槽72内の湯が実線矢印に示すように、風呂循環経路71を流れ、追い焚き用熱交換器76を流れる際に、ガス燃焼式の追い焚き用バーナ78によって加熱される。風呂往きサーミスタ75は、浴槽72から風呂循環経路71に流入した浴槽水の温度を検出するものであり、風呂戻りサーミスタ77は、追い焚き用熱交換器76で加熱された後の浴槽水の温度を検出するものである。
ガス熱源ユニット50は、コントローラ50aを備えている。コントローラ50aは、CPU、ROM、RAM等を備えている。コントローラ50aには、入水サーミスタ52a、缶体サーミスタ56、出湯サーミスタ57、風呂往きサーミスタ75、風呂戻りサーミスタ77、給湯水量センサ52b、湯はり量センサ70b、水流スイッチ74、水圧センサ79から、検出信号が入力される。また、コントローラ50aは、水量サーボ52c、熱源機バイパス制御弁59、湯はり弁70a、風呂ポンプ73、給湯用バーナ54、追い焚き用バーナ78の動作を制御する。
ヒートポンプユニット40のコントローラ40aは、タンクユニット20のコントローラ20aと通信可能である。タンクユニット20のコントローラ20aは、ガス熱源ユニット50のコントローラ50aと通信可能である。ガス熱源ユニット50のコントローラ50aは、リモコン50bと通信可能である。リモコン50bには、給湯システム10を操作するためのスイッチやボタン、給湯システム10の動作状態を報知する液晶表示器やスピーカ等が設けられている。利用者は、リモコン50bを操作して、後述する各種の運転の開始および停止を指示することもできるし、給湯設定温度、湯はり設定温度、湯はり設定水位等を設定することもできる。また、リモコン50bにはタイマが内蔵されており、現在時刻の情報を保持することができる。リモコン50bに現在時刻が設定されると、沸き上げ運転を深夜の時間帯に行ったり、湯はり運転を所望の時刻に行ったりする、タイマ運転を行うことができる。
給湯システム10では、以下に説明するように、沸き上げ運転、除霜運転、給湯運転、湯はり運転、追い焚き運転等を行うことができる。
(沸き上げ運転)
沸き上げ運転では、給湯システム10は、貯湯槽21に貯えられた水をヒートポンプ40bにより加熱する。沸上げ運転を開始すると、給湯システム10は、ヒートポンプ40bを駆動するとともに、循環ポンプ48bを駆動する。ヒートポンプ40bでは、圧縮機41で圧縮されて昇温した冷媒が、第1熱交換器43の冷媒流路43aを流れる際に循環水流路43bを流れる循環水を加熱する。冷媒流路43aから流出した冷媒は、膨張弁44で膨張して冷却され、第2熱交換器45を流れる際に外気から吸熱して昇温する。昇温した冷媒が圧縮機41に流入して再び圧縮されてさらに昇温する。ヒートポンプ40bでは、冷媒がこのように循環することによって、外気からの吸熱により水を加熱することができる。
循環ポンプ48bの駆動により、タンクユニット20では、貯湯槽21内の水が貯湯槽21の底部から循環往路33に吸出される。循環往路33に吸出された水は、ヒートポンプユニット40の第1熱交換器43の循環水流路43bを通過する際に加熱されて温度上昇する。温度上昇した温水は、循環復路34を流れて貯湯槽21の上部に戻される。この循環が行われることによって、貯湯槽21では、冷水層の上部に高温層が積層した温度成層が形成される。貯湯槽21に高温の温水が戻され続けると、高温層の厚さ(深さ)は次第に大きくなり、完全に蓄熱された状態では、貯湯槽21の全体に高温の温水が貯まった状態になる。貯湯槽21に完全に蓄熱が行われていなくても、温度成層が形成されることにより、貯湯槽21の上部に接続されている温水経路25に、高温の温水を送り出すことが可能となる。貯湯槽21が完全に蓄熱された状態となると、沸上げ運転は終了する。
(除霜運転)
除霜運転では、給湯システム10は、ヒートポンプ40bの第2熱交換器45を除霜する。除霜運転では、ヒートポンプ40bを駆動した状態で、破線矢印に示すように、一時的に除霜弁47aが開いて圧縮機41から吐出した高温の冷媒が除霜経路47を通じて第2熱交換器45に流れるようにする。第2熱交換器45に高温の冷媒が流れることで、第2熱交換器45が除霜される。
(給湯運転)
温水流量センサ25bの検出流量及び給水流量センサ26bの検出流量の合計が所定値を超えると、給湯栓80または浴槽72への給湯が開始されたと判断して、給湯システム10は蓄熱給湯運転または加熱給湯運転を行う。貯湯槽21の上部サーミスタ39の検出水温が、リモコン50bで設定されている給湯設定温度よりも一定温度だけ高い基準温度以上である場合には、蓄熱給湯運転が行われる。蓄熱給湯運転では、バイパス制御弁28aを開状態とし、水量サーボ52cを全閉状態とする。また、混合サーミスタ27aで検出される水温が給湯設定温度となるように、温水制御弁25aと給水制御弁26aの開度を調整する。給湯設定温度に調整された混合水は、第1混合経路27を流れた後に、給湯バイパス経路28及び第1給湯経路29を通じて給湯栓80から給湯される。
一方、上部サーミスタ39の検出水温が基準温度未満である場合には、加熱給湯運転が行われる。加熱給湯運転では、バイパス制御弁28aを全閉状態とし、水量サーボ52cを所定開度に設定する。また、混合サーミスタ27aで検出される水温が給湯設定温度よりも給湯用熱交換器53による温度上昇幅だけ低い温度となるように、温水制御弁25aと給水制御弁26aの開度を調整する。給湯設定温度よりも低い温度に調整された混合水は、第1混合経路27を流れ、ガス熱源ユニット50の第2混合経路52を流れて給湯用熱交換器53に流入し、給湯用バーナ54により加熱される。給湯用熱交換器53では、給湯用熱交換器53の出口に設けられている缶体サーミスタ56で検出される水温が60℃以上となるように制御される。これにより、配管に結露水が発生することを抑制することができる。給湯設定温度が60℃よりも低い場合には、出湯サーミスタ57で検出される水温が給湯設定温度となるように、熱源機バイパス制御弁59の開度が制御される。第2混合経路52を流れる混合水の一部が熱源機バイパス経路58を通じて第2給湯経路55に流入し、給湯用熱交換器53を流れた60℃以上の水と給湯用熱交換器53を流れていない低温の水とが混合されて給湯設定温度の温水となる。このようにして、給湯設定温度に調温された温水が、第2給湯経路55と第1給湯経路29を通じて給湯栓80から給湯される。温水流量センサ25bの検出流量及び給水流量センサ26bの検出流量の合計が所定値を下回ると、給湯運転は終了する。
(湯はり運転)
浴槽72に湯はり運転する場合は、給湯システム10は、給湯設定温度を湯はり設定温度に読み代えて、上記の加熱給湯運転を実施する。リモコン50bを介して湯はり運転の開始が指示されると、ガス熱源ユニット50は、湯はり弁70aを開いて浴槽72に給湯する。第2給湯経路55から湯はり経路70を流れた湯は、破線矢印に示すように、第1流路76aと第2流路76bを通じて浴槽72に給湯される。リモコン50bで設定されている湯はり設定温度に応じた湯が浴槽72に給湯される。リモコン50bで設定されている湯はり設定水位まで浴槽72への湯はりが行われると、湯はり運転は終了する。
(追い焚き運転)
リモコン50bを介して追い焚き運転の開始が指示されると、給湯システム10は、追い焚き運転を実施する。追い焚き運転では、ガス熱源ユニット50が、風呂ポンプ73を駆動し、追い焚き用バーナ78を点火する。この追い焚き運転によって、浴槽72の浴槽水が循環加熱される。浴槽72の浴槽水の温度が湯はり設定温度まで復帰すると、追い焚き運転は終了する。
(試運転)
給湯システム10を家屋へ設置する際には、ヒートポンプユニット40、タンクユニット20及びガス熱源ユニット50を家屋のレイアウトに応じた適切な設置場所へ据え付けた後、ユニット間の配管を接続し、各ユニットへの電力供給線の接続と、ガス熱源ユニット50へのガス供給線の接続を行う。そして、以下に説明するような、タンクユニット水はり運転、ヒートポンプユニット水はり運転、沸上げ試運転、給湯試運転、風呂試運転等の試運転を行って、異常がないことが確認されると、利用者は給湯システム10を通常通りに使用することができる。また、すでに使用している給湯システム10をしばらく使用しなくなる場合に、給湯システム10を構成する配管や機器の凍結を防止するために、給湯システム10から水抜きを行う場合がある。このような場合にも、再び給湯システム10を使用する際には、以下に説明するそれぞれの試運転を行って、異常がないことが確認されると、利用者は給湯システム10を通常通りに使用することができる。以下では、給湯システム10で実施する試運転について説明する。なお、試運転は、リモコン50bの試運転開始スイッチが操作されると開始される。
(タンクユニット水はり運転)
試運転では、まず、タンクユニット水はり運転が実行される。タンクユニット水はり運転では、水道から供給される水によって、給水経路22、貯湯槽21、混合用給水経路26、温水経路25、第1混合経路27への水はりを行う。なお、タンクユニット水はり運転を開始する際には、作業者によって、タンクユニット20の排水弁32は閉じられており、空気抜き弁37aは開けられている。タンクユニット水はり運転を開始すると、タンクユニット20のコントローラ20aは、温水制御弁25a、給水制御弁26aを開き、バイパス制御弁28aを閉じる。また、ガス熱源ユニット50のコントローラ50aは、水量サーボ52cを全開状態にし、熱源機バイパス制御弁59を全閉状態にするとともに、湯はり弁70aを開く。これにより、給水経路22、貯湯槽21、混合用給水経路26、温水経路25、第1混合経路27への水はりがなされる。水はりの前に貯湯槽21やそれぞれの配管の内部に存在している空気は、第1混合経路27、第2混合経路52、給湯用熱交換器53、第2給湯経路55、湯はり経路70を経由して、浴槽72から排出される。なお、タンクユニット水はり運転の実行によって、循環往路33、循環往路接続経路48、循環水流路43b、循環復路接続経路49、循環復路34にも、部分的に水が流入する。給水経路22、貯湯槽21、混合用給水経路26、温水経路25、第1混合経路27への水はりがなされて、温水流量センサ25bと給水流量センサ26bのそれぞれで所定流量以上の流量が検出されると、給湯システム10は、タンクユニット水はり運転を終了する。タンクユニット水はり運転を終了すると、給湯システム10は、再びリモコン50bの試運転開始スイッチが操作されるまで待機する。
(ヒートポンプユニット水はり運転)
タンクユニット水はり運転の終了後、作業者によって空気抜き弁37aが開かれ、リモコン50bにおいて試運転開始スイッチが再び操作されると、給湯システム10は、図2に示すヒートポンプユニット水はり運転を開始する。
ステップS2では、コントローラ40aは、循環ポンプ48bを駆動する。
ステップS4では、コントローラ40aは、循環ポンプ48bがロックしているか否かを判断する。コントローラ40aは、例えば、循環ポンプ48bの回転数が所定回転数(例えば100rpm)に満たない状態が所定時間(例えば10秒)にわたって継続した場合に、循環ポンプ48bがロックしていると判断する。循環ポンプ48bがロックしていないと判断される場合(NOの場合)、処理はステップS6へ進む。
ステップS6では、コントローラ40aは、循環ポンプ48bが空回りしているか否かを判断する。コントローラ40aは、例えば、循環ポンプ48bの回転数が所定回転数(例えば5800rpm)を超える状態が所定時間(例えば20秒)にわたって継続した場合に、循環ポンプ48bが空回りしているものと判断する。循環ポンプ48bが空回りしていないと判断される場合(NOの場合)、処理はステップS8へ進む。
ステップS8では、コントローラ40aは、ヒートポンプユニット40への水はりが完了したか否かを判断する。コントローラ40aは、例えば、ステップS2で循環ポンプ48bの駆動を開始してから所定時間(例えば10分)が経過した場合に、ヒートポンプユニット40への水はりが完了したものと判断する。ヒートポンプユニット40への水はりが完了したと判断されると(ステップS8でYESとなると)、ステップS10で、コントローラ40aが循環ポンプ48bを停止して、図2に示すヒートポンプユニット水はり運転の処理は終了する。ヒートポンプユニット水はり運転を終了すると、給湯システム10は、リモコン50bに空気抜き弁37aを閉じる旨の指示を表示するとともに、再び試運転開始スイッチが操作されるまで待機する。ヒートポンプユニット40への水はりが完了していないと判断される場合(ステップS8でNOの場合)、処理はステップS4へ戻る。
ステップS4において、循環ポンプ48bがロックしていると判断される場合(YESの場合)、処理はステップS12へ進む。ステップS12では、コントローラ40aは、循環ポンプ48bを停止する。ステップS12の後、処理はステップS14へ進む。
ステップS14では、コントローラ40aは、外気温度センサ45bで検出される外気温度が所定温度(例えば5℃)以下であるか否かを判断する。外気温度が所定温度を超えている場合(NOの場合)、コントローラ40aは、循環ポンプ48bのロックが凍結によるものではないと判断して、処理はステップS16へ進む。ステップS16では、コントローラ40aは、リモコン50bを介して、循環ポンプ48bのロックによるエラー停止を報知し、図2のヒートポンプユニット水はり運転の処理は終了する。
ステップS14で、外気温度が所定温度以下である場合(YESの場合)、コントローラ40aは、循環ポンプ48bのロックが凍結によるものと判断する。この場合、循環ポンプ48bに強制的に通水して、流水により循環ポンプ48bを解氷する必要がある。従って、このような場合には、処理はステップS20へ進む。
ステップS6において、循環ポンプ48bが空回りしていると判断される場合(YESの場合)、処理はステップS18へ進む。循環ポンプ48bに呼び水が無く、従って循環ポンプ48bが空回りする状態では、第1熱交換器43の循環水流路43bが凍結により部分的に閉塞されており、循環往路33および循環往路接続経路48内に空気が残存しているものと考えられる。この場合、循環ポンプ48bに強制的に呼び水を供給した上で、循環ポンプ48bの駆動により第1熱交換器43に通水して、ヒートポンプ40bでの加熱により第1熱交換器43を解氷する必要がある。従って、このような場合には、ステップS18でコントローラ40aが循環ポンプ48bを停止した後、処理はステップS20へ進む。
ステップS20では、コントローラ40aは、循環ポンプ48bのロックまたは循環ポンプ48bの空回りによる循環ポンプ48bの停止回数が、所定回数(例えば3回)以上であるか否かを判断する。循環ポンプ48bの停止回数が所定回数に満たない場合(NOの場合)、処理はステップS22へ進む。
ステップS22では、コントローラ40aは、リモコン50bを介して、第1水抜き栓82aを開く旨の指示を作業者に報知する。ステップS22の後、処理はステップS24へ進む。
ステップS24では、コントローラ40aは、リモコン50bに復帰操作が入力されるまで待機する。復帰操作は、例えばリモコン50bの試運転開始スイッチの操作である。作業者が、第1水抜き栓82aを開き、第1水抜き栓82aへの通水を確認した後、第1水抜き栓82aを閉じて、リモコン50bに復帰操作を入力すると、処理はステップS2へ戻る。これによって、循環ポンプ48bが凍結によりロックしている場合には、循環ポンプ48bへの通水によって循環ポンプ48bが解氷される。また、循環ポンプ48bに呼び水が無く空回りしている場合には、循環ポンプ48bへ呼び水が供給される。
なお、ステップS20において、循環ポンプ48bの停止回数が所定回数以上の場合(YESの場合)には、コントローラ40aは、第1水抜き栓82aを開いて循環ポンプ48bに通水しても不具合が解消していないと判断して、処理はステップS26へ進む。ステップS26では、コントローラ40aは、リモコン50bを介してエラー停止を報知し、図2のヒートポンプユニット水はり運転の処理は終了する。
(沸上げ試運転)
ヒートポンプユニット水はり運転の終了後、作業者によって空気抜き弁37aが閉じられ、リモコン50bにおいて試運転開始スイッチが再び操作されると、給湯システム10は、図3に示す沸上げ試運転を開始する。
ステップS32では、コントローラ40aは、循環ポンプ48bを駆動する。
ステップS34では、コントローラ40aは、圧縮機41を駆動させて、ヒートポンプ40bによる循環水の加熱を開始する。
ステップS36では、コントローラ40aは、ヒートポンプ40bが空焚きしているか否かを判断する。コントローラ40aは、例えば、凝縮温度センサ43cで検出される冷媒の凝縮温度が所定温度(例えば62℃)を超える状態が所定時間(例えば60秒)にわたって継続した場合に、第1熱交換器43の循環水流路43bに水が流れておらず、ヒートポンプ40bが空焚きしていると判断する。ヒートポンプ40bが空焚きしていないと判断される場合(ステップS36でNOの場合)、処理はステップS38へ進む。
ステップS38では、コントローラ40aは、ステップS34でヒートポンプ40bによる循環水の加熱を開始してから所定時間(例えば10分)が経過したか否かを判断する。ヒートポンプ40bによる循環水の加熱を開始してから所定時間が経過していない場合(NOの場合)、処理はステップS36へ戻る。ヒートポンプ40bによる加熱を開始してから所定時間が経過した場合(ステップS38でYESの場合)、コントローラ40aはヒートポンプ40bによる循環水の加熱が正常に行われたと判断して、図3の処理を終了する。
ステップS36でヒートポンプ40bが空焚きしていると判断される場合(YESの場合)、処理はステップS40へ進む。ステップS40では、コントローラ40aは、圧縮機41を停止して、ヒートポンプ40bによる循環水の加熱を停止する。
ステップS42では、コントローラ40aは、循環ポンプ48bを停止する。
ステップS44では、コントローラ40aは、外気温度センサ45bで検出される外気温度が所定温度(例えば5℃)以下であるか否かを判断する。外気温度が所定温度を超えている場合(NOの場合)、コントローラ40aは、ヒートポンプ40bの空焚きが凍結によるものではないと判断して、処理はステップS46へ進む。ステップS46では、コントローラ40aは、リモコン50bを介して、ヒートポンプ40bの空焚きによるエラー停止を報知し、図3の沸上げ試運転の処理は終了する。
ステップS44で、外気温度が所定温度以下である場合(YESの場合)、コントローラ40aは、ヒートポンプ40bの空焚きが凍結によるものと判断する。この場合、第1熱交換器43の循環水流路43bに強制的に通水して、ヒートポンプ40bでの加熱によって第1熱交換器43を解氷する必要がある。従って、このような場合には、処理はステップS48へ進む。
ステップS48では、コントローラ40aは、ヒートポンプ40bの空焚きによるヒートポンプ40bの停止回数が所定回数(例えば3回)以上となったか否かを判断する。ヒートポンプ40bの停止回数が所定回数に満たない場合(NOの場合)、処理はステップS50へ進む。
ステップS50では、コントローラ40aは、リモコン50bを介して、第2水抜き栓82bを開く旨の指示を作業者に報知する。ステップS50の後、処理はステップS52へ進む。
ステップS52では、コントローラ40aは、リモコン50bに復帰操作が入力されるまで待機する。復帰操作は、例えばリモコン50bの試運転開始スイッチの操作である。作業者が、第2水抜き栓82bを開き、第2水抜き栓82bへの通水を確認した後、第2水抜き栓82bを閉じて、リモコン50bに復帰操作を入力すると、処理はステップS32へ戻る。これによって、第1熱交換器43の循環水流路43bに通水がなされて、その後のヒートポンプ40bでの加熱によって、第1熱交換器43が解氷される。
なお、ステップS48において、ヒートポンプ40bの停止回数が所定回数以上の場合(YESの場合)には、コントローラ40aは、第2水抜き栓82bを開くことによる第1熱交換器43への通水でも不具合が解消していないと判断して、処理はステップS54へ進む。ステップS54では、コントローラ40aは、リモコン50bを介してエラー停止を報知し、図3の沸上げ試運転の処理は終了する。
(給湯試運転)
給湯試運転では、給湯システム10は、通常運転における蓄熱給湯試運転と同様に、貯湯槽21に貯えられた温水を混合器24で給湯設定温度に調温して、給湯栓80に給湯する。給湯試運転では、給湯システム10は、混合器24による温度調整が正常に行われるか否かを判断する。
(風呂試運転)
風呂試運転では、給湯システム10は、通常運転における湯はり運転、及び追い焚き運転と同様の運転を行う。風呂試運転では、給湯システム10は、浴槽72への給湯設定温度での湯はりや、浴槽72の浴槽水の追い焚きが、正常に行われるか否かを判断する。また、風呂試運転においては、湯はり量センサ70bの検出流量を積算して得られる浴槽72への供給水量と、水圧センサ79の検出水圧から算出される浴槽72の水位から、浴槽72の大きさが把握される。
(変形例)
上記の実施例では、図2のヒートポンプユニット水はり運転において、第1水抜き栓82aの開閉および第1水抜き栓82aへの通水の確認を作業者が行う場合の構成について説明したが、例えば第1水抜き栓82aとして電磁弁と水流スイッチを備えるものを用いて、第1水抜き栓82aの開閉および第1水抜き栓82aへの通水の確認をコントローラ40aが行うように構成してもよい。この場合、図2のステップS22、S24の代わりに、コントローラ40aは、第1水抜き栓82aを開いて、第1水抜き栓82aへの通水の有無を監視し、第1水抜き栓82aへの通水が確認されると、第1水抜き栓82aを閉じて、ステップS2以降の処理を実行する。
上記の実施例では、図3の沸上げ試運転において、第2水抜き栓82bの開閉および第2水抜き栓82bへの通水の確認を作業者が行う場合の構成について説明したが、例えば第2水抜き栓82bとして電磁弁と水流スイッチを備えるものを用いて、第2水抜き栓82bの開閉および第2水抜き栓82bへの通水の確認をコントローラ40aが行うように構成してもよい。この場合、図3のステップS46、S48の代わりに、コントローラ40aは、第2水抜き栓82bを開いて、第2水抜き栓82bへの通水の有無を監視し、第2水抜き栓82bへの通水が確認されると、第2水抜き栓82bを閉じて、ステップS32以降の処理を実行する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10 :給湯システム
20 :タンクユニット
20a :コントローラ
21 :貯湯槽
22 :給水経路
22a :水道水入口
23 :減圧弁
24 :混合器
25 :温水経路
25a :温水制御弁
25b :温水流量センサ
25c :温水サーミスタ
26 :混合用給水経路
26a :給水制御弁
26b :給水流量センサ
26c :給水サーミスタ
27 :第1混合経路
27a :混合サーミスタ
28 :給湯バイパス経路
28a :バイパス制御弁
29 :第1給湯経路
29a :給湯サーミスタ
31 :排水経路
32 :排水弁
33 :循環往路
34 :循環復路
34a :逆止弁
36 :往路サーミスタ
37 :空気抜き経路
37a :空気抜き弁
38 :圧力開放経路
38a :リリーフ弁
39 :上部サーミスタ
40 :ヒートポンプユニット
40a :コントローラ
40b :ヒートポンプ
41 :圧縮機
42 :四方弁
43 :第1熱交換器
43a :冷媒流路
43b :循環水流路
43c :凝縮温度センサ
44 :膨張弁
45 :第2熱交換器
45a :ファン
45b :外気温度センサ
46 :冷媒配管
47 :除霜経路
47a :除霜弁
48 :循環往路接続経路
48a :入口側サーミスタ
48b :循環ポンプ
49 :循環復路接続経路
49a :出口側サーミスタ
50 :ガス熱源ユニット
50a :コントローラ
50b :リモコン
51 :給湯器
52 :第2混合経路
52a :入水サーミスタ
52b :給湯水量センサ
52c :水量サーボ
53 :給湯用熱交換器
54 :給湯用バーナ
55 :第2給湯経路
56 :缶体サーミスタ
57 :出湯サーミスタ
58 :熱源機バイパス経路
59 :熱源機バイパス制御弁
70 :湯はり経路
70a :湯はり弁
70b :湯はり量センサ
70c :逆止弁
71 :風呂循環経路
72 :浴槽
73 :風呂ポンプ
74 :水流スイッチ
75 :風呂往きサーミスタ
76 :追い焚き用熱交換器
76a :第1流路
76b :第2流路
77 :風呂戻りサーミスタ
78 :追い焚き用バーナ
79 :水圧センサ
80 :給湯栓
82a :第1水抜き栓
82b :第2水抜き栓

Claims (4)

  1. 水を貯えるタンクと、
    水を加熱するヒートポンプと、
    タンクからヒートポンプへ水を送るタンク水往路と、
    ヒートポンプからタンクへ水を送るタンク水復路と、
    タンク水往路に設けられている循環ポンプと、
    タンク水往路において循環ポンプより下流に設けられている第1水抜き栓と、
    制御装置を備えており、
    制御装置は、タンクへの水はりが行われた状態で、循環ポンプを駆動して、タンク水往路、ヒートポンプおよびタンク水復路へ水はりを行うヒートポンプ水はり運転を実行可能であり、
    制御装置は、ヒートポンプ水はり運転において、循環ポンプが空回りしていると判断した場合に、循環ポンプを停止し、その後に第1水抜き栓が開かれて、第1水抜き栓が閉じられると、循環ポンプの駆動を再開する、水加熱装置。
  2. タンク水復路に設けられている第2水抜き栓をさらに備えており、
    制御装置は、ヒートポンプ水はり運転の後に、循環ポンプを駆動して、ヒートポンプで水を加熱する沸上げ試運転を実行可能であり、
    制御装置は、沸上げ試運転において、ヒートポンプが空焚きしていると判断した場合に、ヒートポンプでの水の加熱を停止し、その後に第2水抜き栓が開かれて、第2水抜き栓が閉じられると、ヒートポンプでの水の加熱を再開する、請求項1の水加熱装置。
  3. 制御装置は、沸上げ試運転において、ヒートポンプで水と熱交換する冷媒の凝縮温度が所定温度を超える状態が所定時間継続した場合に、ヒートポンプが空焚きしていると判断する、請求項2の水加熱装置。
  4. 制御装置は、ヒートポンプ水はり運転において、循環ポンプの回転数が所定回転数を上回る状態が所定時間継続した場合に、循環ポンプが空回りしていると判断する、請求項1から3の何れか一項の水加熱装置。
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