JP2016191081A - 製膜装置 - Google Patents

製膜装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016191081A
JP2016191081A JP2015070075A JP2015070075A JP2016191081A JP 2016191081 A JP2016191081 A JP 2016191081A JP 2015070075 A JP2015070075 A JP 2015070075A JP 2015070075 A JP2015070075 A JP 2015070075A JP 2016191081 A JP2016191081 A JP 2016191081A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film forming
film
substrate
base material
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015070075A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6416682B2 (ja
Inventor
孝宏 大串
Takahiro Ogushi
孝宏 大串
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2015070075A priority Critical patent/JP6416682B2/ja
Publication of JP2016191081A publication Critical patent/JP2016191081A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6416682B2 publication Critical patent/JP6416682B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、基材保持装置間で生じる個体差を調整し、品質の高い薄膜を量産することが可能な製膜装置を提供する。
【解決手段】薄膜を製膜する製膜室と、複数の基材保持装置を備え、基材保持装置は、基材を所定の姿勢で保持しつつ製膜室に出入りするものであり、薄膜の状態を検知する薄膜検知手段を有し、一の基材保持装置によって一の基材を製膜室内に搬送して製膜し、薄膜検知手段によって製膜された一の基材の薄膜の状態を検知し、異常があったことを条件として、一の基材保持装置によって後に搬送される他の基材への製膜条件を変更する構成とする。
【選択図】図16

Description

本発明は、CVD装置や真空蒸着装置等の製膜装置に関するものである。
従来から太陽電池の製造や有機EL装置の製造に用いられる製膜方法として、化学蒸着法や物理蒸着法が知られている。また、化学蒸着法で薄膜を製膜する装置には、熱CVD装置やプラズマCVD装置などのCVD装置があり(例えば、特許文献1)、物理蒸着法で薄膜を製膜する装置には、真空蒸着装置やスパッタ装置などのPVD装置がある(例えば、特許文献2)。
特許文献1に記載されたCVD装置は、複数の製膜チャンバー(プロセスチャンバー)と、移動チャンバー(ロードロックチャンバー)を備えており、基体を保持した基体キャリアを移動チャンバーで運搬可能な構成となっている。
すなわち、このCVD装置で薄膜を製造する際には、複数の基体キャリアを移動チャンバーに収納し、移動チャンバーをいずれかの製膜チャンバーと隣接する位置まで移動させ、移動チャンバーの内部から製膜チャンバーの内部へと複数の基体キャリアを受け渡す。そして、製膜チャンバーの内部で基体キャリアに保持された基体の表面上に薄膜を形成する。
また、製膜チャンバーの内部で製膜が完了すると、移動チャンバーをこの製膜チャンバーと隣接する位置まで移動させ、基体キャリアを製膜チャンバーの内部から移動チャンバーの内部へと受け渡す。そして、移動チャンバーで所定位置まで運搬された基体キャリアは、表面上に薄膜が形成された基体を取り外されることとなる。その後、この基体キャリアには、新たに未製膜の基体が取り付けられ、再び製膜チャンバーまでの未製膜の基体の搬送に使用される。
ここで、このCVD装置は、基体を保持させる基体キャリアを多数使用し、複数の基体キャリアを1つの製膜チャンバーの内部へ導入して製膜を開始する。そして、この製膜チャンバーで薄膜を形成する工程と並行して、他の複数の基体キャリアを他の製膜チャンバーの内部へ導入して製膜を開始するといった運用が可能となっている。すなわち、複数の製膜チャンバーで順次製膜を実施し、時間差で製膜が完了するそれぞれの製膜チャンバーに対し、複数の基体キャリアを取り出した後に新たな複数の基体キャリアを導入する工程をその都度実施していくことで、大量生産が可能となっている。
特開2013−082951号公報 特開2014−038740号公報
本発明者は、特許文献1のCVD装置を試作して、所定の薄膜を製膜した基材を量産したところ、基体の運搬に使用される基体キャリア間で基材に製膜する薄膜の品質や膜厚に個体差が生じる場合があった。
製膜する薄膜の膜厚や膜質に個体差が生じてしまうと、例えば太陽電池の場合、製造された太陽電池間で光吸収量やバランスが変化してしまい、一様の品質の太陽電池が得られないという問題が生じうる。また、有機EL装置の場合、製造された有機EL装置間でダークスポットや色むら等の発生しやすさが異なってしまい、一様の品質の有機EL装置が得られないという問題が生じうる。このような所定の品質が確保できない太陽電池や有機EL装置は、異常があるものとして製品とならず廃棄することとなるので、一様の品質の太陽電池や有機EL装置が得られないと、歩留まりが低下し、生産コストが増大するという問題も発生する可能性があった。
そこで、本発明は、基材保持装置(基体キャリア)間で生じる個体差を調整し、品質の高い薄膜を量産することが可能な製膜装置を提供することを課題とする。
本発明者は、製膜チャンバーと基材キャリアと品質等に異常が生じた基材の相関関係について精査したところ、異常が生じた基材のほとんどは、特定の基材キャリアに固定され、かつ、特定の製膜チャンバーに搬入されるときに集中していた。また、この特定の基材キャリアが別の製膜チャンバーに搬入されるときに異常が生じないものが多数あった。
これらの結果を受けて、本発明者は、基材キャリアや製膜チャンバーのそれぞれに問題があるのではなく、基材キャリアや製膜チャンバーの組み合わせに問題があると考察した。
このような考察のもと導きだされた請求項1に記載の発明は、基材上に薄膜を製膜する製膜装置であって、薄膜を製膜する製膜室と、複数の基材保持装置を備えた製膜装置において、前記基材保持装置は、前記基材を所定の姿勢で保持しつつ前記製膜室に出入りするものであり、薄膜の状態を検知する薄膜検知手段を有し、一の基材保持装置によって一の基材を前記製膜室内に搬送して製膜し、前記薄膜検知手段によって前記製膜された一の基材の薄膜の状態を検知し、異常があったことを条件として、前記一の基材保持装置によって後に搬送される他の基材への製膜条件を変更することを特徴とする製膜装置である。
ここでいう「異常」とは、所定の基準を満たさない状態のものをいう。
本発明の構成によれば、特定の基材保持装置によって基材を製膜室内に搬送して製膜し、製膜済みの基材の薄膜の状態を検知し、異常があったことを条件として、特定の基材保持装置によって後に搬送される他の基材への製膜条件を変更する。すなわち、異常が生じた製膜済み基材(以下、異常発生基材ともいう)を搬送した基材保持装置が別の基材を、この異常発生基材を製膜した製膜室に搬入し製膜する際には、再度異常が生じないように、基材保持装置単位で異常が生じた製膜条件を調整する。そのため、前回に異常発生基材を保持していた基材保持装置が、その前回の異常発生基材を製膜した製膜室に搬送し、別の基材に対して製膜した場合でも、前回と同様の異常が生じにくくなり、良好な品質の薄膜を製膜できる。つまり、基材保持装置単位で製膜条件をフィードバックするので、別の基材以降の基材に対して、所望の品質の薄膜を製膜しやすい。
また、基材保持装置単位で製膜条件を変更するので、前回の基材に異常が生じなかった基材保持装置は、そのままの薄膜条件で製膜することで、以降の基材において、前回と同様、良好な品質の薄膜を製膜できる。
このように、本発明の構成によれば、基材に製膜される薄膜の品質のばらつきを減らし、個体差を小さくできるので、従来に比べて歩留まりがよく、製造コストを低減させることができる。
ここで、特定の基材保持装置で製膜したときだけ異常が発生し、別の基材保持装置で製膜したときには異常が発生しない場合には、この別の基材保持装置での製膜処方を特定の基材保持装置に合わせると、別の基材保持装置でも異常発生基材が発生するおそれがある。
そこで、請求項2に記載の発明は、前記一の基材保持装置が前記製膜室から出た後、再度前記製膜室に入るまでの間に異なる基材保持装置が製膜室に出入りするものであり、前記異なる基材保持装置が搬送する基材に対しては、前記他の基材への製膜条件とは異なる製膜条件で製膜することを特徴とする請求項1に記載の製膜装置である。
本発明の構成によれば、異なる基材保持装置が搬送する基材に対しては、他の基材への製膜条件とは異なる製膜条件で製膜するので、それぞれの基材保持装置と製膜室との組み合わせにあった条件で製膜することで、基材保持装置間での品質の個体差を小さくすることができる。
ところで、特許文献1のようなCVD装置の場合、製膜工程を実施する度、異なる製膜チャンバーの内部へと導入される場合がある。そのため、基体キャリアの寸法誤差等によって、基体の製膜面とシャワープレートの間隔にばらつきが生じてしまう場合がある。
そこで、請求項3に記載の発明は、複数の製膜室を有し、特定の基材保持装置によって一の基材を特定の製膜室内に搬送して製膜し、前記薄膜検知手段によって前記製膜された一の基材の薄膜の状態を検知し、異常があったことを条件として、前記特定の基材保持装置と前記特定の製膜室を関連付けして、前記特定の基材保持装置が後に前記特定の製膜室に搬送する他の基材への製膜条件を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の製膜装置である。
本発明の構成によれば、異常発生基材を製膜した特定の基材保持装置と特定の製膜室を関連付けして、特定の基材保持装置が後に、関連付けられた特定の製膜室に搬送する他の基材への製膜条件を変更するので、特定の基材保持装置が前回に異常が発生した特定の製膜室以外の製膜室に搬入し、製膜される場合には、元の製膜条件等の変更後の製膜条件とは異なる製膜条件で製膜することが可能である。そのため、基材保持装置と製膜室との組み合わせに応じた最適の製膜条件を設定することが可能であり、一様の品質の薄膜を製膜しやすい。
請求項4に記載の発明は、前記製膜装置は、プラズマCVD装置であり、製膜ガスを固化させることによって薄膜を製膜するものであり、前記製膜ガスは、一種類の気体からなる単純ガス又は複数種類の気体を混合した混合ガスであり、プラズマを発生可能なプラズマ発生電極と、前記基材に対して前記製膜ガスを放出する放出開口を有し、前記製膜された一の基材の薄膜の状態に異常があったことを条件として、前記一の基材保持装置によって搬送される他の基材への少なくとも下記(1)〜(9)のいずれかの製膜条件を前記異常が解消される方向に変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製膜装置である。
(1)基材温度
(2)製膜ガスの流量
(3)製膜室内の圧力
(4)放出開口と基材との距離
(5)放出開口の総開口面積
(6)気体の混合比
(7)印加電圧
(8)高周波パワー密度
(9)プラズマ発生電極と基材との距離
ここでいう「異常が解消される方向」とは、正常とする閾値の範囲内に近づける方向をいい、例えば、膜厚が厚すぎる場合には、製膜ガスの流量等によって膜厚が薄くなるように調整すること、厚みにムラがある場合には、厚みが放出開口と基材との距離等によって均一になるように調整すること、ヘイズ率が大きすぎる場合には、処方等によってヘイズ率が小さくなるように調整することをいう。
本発明の構成によれば、異常があったことを条件として、一の基材保持装置によって搬送される他の基材への少なくとも上記(1)〜(9)のいずれかの製膜条件を異常が解消する方向に調整するので、調整後の製膜条件で製膜された他の基板の薄膜に異常が生じにくくでき、歩留まりを向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、前記製膜された一の基材の薄膜の状態に異常があったことを条件として、前記一の基材保持装置によって搬送される他の基材に対する製膜時の印加電圧及び/又は気体の混合比を変更することを特徴とする請求項4に記載の製膜装置である。
本発明の構成によれば、上記(1)〜(9)のうち、比較的調整しやすいファクターである印加電圧及び/又は気体の混合比を変更するので、異常が解消する方向に調整しやすい。
ところで、太陽電池を量産する場合であって、かつその太陽電池がシリコン太陽電池の場合、シリコン太陽電池の光電変換層を構成するシリコン層は、結晶化度によって吸収波長が異なる。そのため、量産する太陽電池において、シリコン層の結晶化度に個体差が生じると、その光電変換特性も異なるので、一様の品質の太陽電池を製造することができない場合がある。すなわち、一様の品質の太陽電池を製造するためには、結晶化度を所定の範囲に収めることが重要である。
そこで、請求項6に記載の発明は、前記薄膜検知手段は、前記製膜された基材の表面に対して光を照射する光照射手段と、前記照射手段から照射された光の前記製膜された基材の表面での散乱光を取り込んで撮影する撮影手段を有し、前記製膜された基材の製膜面の全面積中の第1基準輝度以上の面積が第1閾値以上であることを条件として、薄膜の状態が異常であるとすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製膜装置である。
また、請求項7に記載の発明は、前記薄膜検知手段は、前記製膜された基材の表面に対して光を照射する光照射手段と、前記照射手段から照射された光の前記製膜された基材の表面での散乱光を取り込んで撮影する撮影手段を有し、前記製膜された基材の製膜面の全面積中の第2基準輝度以下の面積が第2閾値以下であることを条件として、薄膜の状態が異常であるとすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製膜装置である。
上記した請求項6,7の構成によれば、適度な結晶化度を持つ薄膜を製膜しやすい。
請求項8に記載の発明は、前記製膜装置は、真空蒸着装置であって、製膜ガスを固化させることによって薄膜を製膜するものであり、前記製膜ガスは、一種類の気体からなる単純ガス又は複数種類の気体を混合した混合ガスであり、前記基材に対して、前記製膜ガスを放出する放出開口を有し、前記製膜された一の基材の薄膜の状態に異常があったことを条件として、前記一の基材保持装置によって搬送される他の基材への少なくとも下記(1)〜(6)のいずれかの製膜条件を前記異常が解消される方向に変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製膜装置である。
(1)基材温度
(2)製膜ガスの流量
(3)製膜室内の圧力
(4)放出開口と基材との距離
(5)放出開口の総開口面積
(6)気体の混合比
本発明の構成によれば、異常があったことを条件として、一の基材保持装置によって搬送される他の基材への少なくとも上記(1)〜(6)のいずれかの製膜条件を異常が解消する方向に調整するので、調整後の製膜条件で製膜された他の基板の薄膜に異常が生じにくくでき、歩留まりを向上させることができる。
請求項9に記載の発明は、前記薄膜の状態の異常は、下記の(10)〜(14)のいずれかで判定することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製膜装置である。
(10)膜厚
(11)シート抵抗
(12)ヘイズ率
(13)平滑度
(14)結晶化度
本発明の構成によれば、(10)〜(14)のうち、少なくとも1つにおいて、正常とする所定の閾値を設け、製膜した薄膜がその閾値内から逸脱している場合に異常と判定することによって、一様の品質の薄膜を製膜することができ、基材間での個体差を小さくすることができる。
本発明の構成によれば、基材保持装置間で生じる個体差を調整し、品質の高い薄膜を量産することが可能である。また、本発明の構成によれば、歩留まりを向上でき、製膜コストを低減させることができる。
本発明の第1実施形態にかかる製膜装置を模式的に示した斜視図である。 図1の製膜装置の平面図である。 本発明の第1実施形態にかかる薄膜検知手段を模式的に示した斜視図である。 図3の薄膜検知手段の側面図である。 図1のキャリア仮置装置を示す斜視図である。 図1の製膜チャンバーの内部構造を示す斜視図である。 図6の製膜チャンバーの内部構造を示す一部破断平面図である。 図6の製膜チャンバーに内蔵される放出装置を示す説明図である。 図1の移動チャンバーを収納室出入口側からみた様子を示す斜視図である。 図1の移動チャンバーの本体部の内部構造を示す平面断面図である。 本発明の第1実施形態にかかる基材キャリアを示す斜視図である。 図11の基材キャリアの分解斜視図である。 図1の製膜装置が備える制御装置を示すブロック図である。 移動チャンバーから製膜チャンバーへ基材キャリアが受け渡される様子を示す一部破断斜視図である。 基材キャリアが移動チャンバー内にある状態を示す断面図である。 製膜動作を表すフローチャートである。 判定工程を表すフローチャートである。 仕掛太陽電池を模式的に示した断面図であり、理解を容易にするため、ハッチングを省略している。 基材キャリアの移動経路を説明する模式図であり、(a)〜(d)は各移動経路を示す。 基材キャリアの移動経路を説明する模式図であり、(a)〜(d)は各移動経路を示す。 基材キャリアの移動経路を説明する模式図であり、(a)〜(d)は各移動経路を示す。 基材キャリアの移動経路を説明する模式図であり、(a)〜(d)は各移動経路を示す。 本発明の第2実施形態にかかる製膜装置を模式的に示した平面図である。 図23の製膜ユニットを模式的に表す斜視図である。 図23の移動チャンバーを模式的に表す斜視図である。 移動チャンバーから前室チャンバーへ基材キャリアが受け渡される様子を示す一部破断斜視図である。 前室チャンバーから製膜チャンバーへ基材キャリアが受け渡される様子を示す一部破断斜視図である。 有機EL装置を模式的に示した断面図であり、理解を容易にするため、ハッチングを省略している。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
第1実施形態の製膜装置1は、太陽電池の仕掛品たる仕掛太陽電池100の光電変換層115を構成する膜を製膜する装置であり、具体的には、CVD装置の一種であるプラズマCVD装置である。すなわち、第1実施形態の製膜装置1は、太陽電池の製造工程の一つに利用されるものである。
また、第1実施形態の製膜装置1は、基材保持装置20を使用して基材50に対して所望の薄膜を形成するものであり、図1で示されるように、基材着脱搬送装置2と、キャリア循環装置群3と、製膜チャンバー群4と、レール5と、移動チャンバー6と、制御装置7(図13参照)を備えている。
そして、本実施形態の製膜装置1は、基材保持装置20と製膜チャンバー群4を構成する製膜チャンバー60との組み合わせを関連付け、その組み合わせごとに製膜条件を調整することを特徴の一つとしている。
このことを踏まえながら、以下、製膜装置1について詳細に説明する。
基材着脱搬送装置2は、図2に示されるように、搬入側搬送ライン10と、搬出側搬送ライン11と、ロボットアーム12と、薄膜検知手段15と、第1識別手段(図示しない)を備えている。
搬入側搬送ライン10は、製膜前の基材50(以下、未処理基材50ともいう)を外部から搬入するコンベアラインである。
搬出側搬送ライン11は、製膜後の基材50(以下、製膜済基材50ともいう)を外部に搬出するコンベアラインである。
ロボットアーム12は、公知のロボットアームであり、搬入側搬送ライン10によって搬入された基材50を基材保持装置20に装着し、基材50を装着した基材保持装置20(以下、基材キャリア21ともいう)をキャリア循環装置群3に搬送する動作を実行可能となっている。
また、ロボットアーム12は、キャリア循環装置群3から基材キャリア21を受け取り、基材キャリア21から製膜済基材50を取り外し、製膜済基材50を搬出側搬送ライン11に搬送する動作を実行可能となっている。
薄膜検知手段15は、製膜済基材50の薄膜の状態を検知するものであり、図3,図4に示されるように、光照射手段16と、撮影手段17を備えている。
光照射手段16は、製膜された基材50の表面に対して均一な光を照射する光照射装置である。
具体的には、光照射手段16は、LEDや有機EL装置等の発光装置である。光照射手段16は、図3に示されるように搬出側搬送ライン11の幅方向Xにおいて直線状に延びたライン状の光を照射可能となっている。すなわち、この光照射手段16からの照射光は、基材50の移動方向Aに対して、直交する方向に延びており、搬出側搬送ライン11の幅方向X全体にわたって照らすことが可能となっている。つまり、製膜済基材50は、搬出側搬送ライン11を移動することによって、製膜済基材50全体が光照射手段16からの照射光を通過することとなる。
撮影手段17は、図3,図4に示されるように、光照射手段16からの照射光の製膜済基材50の表面での散乱光を受光し、製膜済基材50の表面を撮影する撮影装置である。
撮影手段17は、複数の検出素子を備えており、各検出素子が受光することによって各検出位置での輝度を検出することが可能となっており、一種の光検出手段であるともいえる。
具体的には、撮影手段17は、CCDラインセンサーカメラやCCDエリアセンサーカメラなどのセンサーカメラである。
本実施形態では、撮影手段17は、CDラインセンサーカメラを採用しており、基材50が通過したときに、その散乱光から基材50の表面形状を撮影することが可能である。
ここで、薄膜検知手段15の各部材の位置関係について説明する。
図4に示される基材50の被製膜面51に対する撮影手段17の光検出軸の角度θ1は、光照射手段16の照射光の光軸の角度θ2と異なる角度を取っている。
また、光照射手段16の照射光の光軸の角度θ2は、45度以上90度以下であることが好ましく、60度以上90度以下であることがより好ましい。
本実施形態では、撮影手段17の光検出軸の角度θ1は、90度であり、光照射手段16の照射光の光軸の角度θ2は、60度である。
第1識別手段は、基材保持装置20の識別部35(図11参照)を検知して、基材保持装置20とそれに取り付ける基材50との組み合わせを識別する部位である。
キャリア循環装置群3は、図1に示されるように、3基のキャリア仮置装置30,31,32から構成されている。
キャリア仮置装置30,31,32は、図5で示されるように、ベース部40と、複数の突条部41と、複数の基体移動装置42を備えている。
ベース部40は、平板状の部位であり、床面等に固定される部位である。
突条部41は、ベース部40の上面から上方に突出した部位であり、基材キャリア21の搬送方向Xに延びた部位である。突条部41は、幅方向Y(搬送方向Xに対して直交する方向)に所定の間隔を空けて配されている。
幅方向Yに隣接する2つの突条部41,41は、互いに平行となるように延びており、搬送方向Xに直線状に延びたガイド溝43を形成している。
基体移動装置42は、基材キャリア21を搬送するための装置であり、複数のピニオンギア45から構成されている。
一群のピニオンギア45からなる基体移動装置42は、ベース部40の上面に設けられ、基材キャリア21の幅方向Yに並列配置された状態となっている。
各基体移動装置42を構成するピニオンギア45は、隣接する2つの突条部41,41に挟まれたガイド溝43の底部に設けられており、搬送方向Xに一定間隔をあけて設けられている。
ここで、各キャリア仮置装置30,31,32の位置関係について説明する。
第1キャリア仮置装置30は、図1,図2から読み取れるように、前後方向Xにおいて、基材着脱搬送装置2と近接する位置にあって、基材着脱搬送装置2よりも移動チャンバー6側の位置に配されている。
第2キャリア仮置装置31は、前後方向Xにおいて、第1キャリア仮置装置30と近接する位置にあって、第1キャリア仮置装置30よりもさらに移動チャンバー6側(基材着脱搬送装置2と反対側)の位置に配されている。
第3キャリア仮置装置32は、前後方向Xにおいて、第1キャリア仮置装置30と近接する位置にあり、左右方向Yにおいて、第2キャリア仮置装置31に並設されている。
すなわち、第3キャリア仮置装置32は、第1キャリア仮置装置30よりもさらに移動チャンバー6側(基材着脱搬送装置2と反対側)の位置に配されている。
別の観点からみると、製膜装置1は、基材着脱搬送装置2から移動チャンバー6へ向かう基材キャリア21の搬送方向Xに沿って1つの第1キャリア仮置装置30と、2つのキャリア仮置装置31,32が順に配されており、さらに基材キャリア21の搬送方向Xに対して直交する方向Yで2つのキャリア仮置装置31,32が並列するように配置されている。
また、第1キャリア仮置装置30は移動機構を備えており、基材キャリア21の左右方向Y(搬送方向Xと直交する方向)に移動可能となっている。すなわち、第1キャリア仮置装置30は、キャリア仮置装置31,32の並設方向Yに移動することにより、第2キャリア仮置装置31と第3キャリア仮置装置32のいずれか一方と連結して、一連の搬送路を形成することが可能である。
具体的には、第1キャリア仮置装置30と第2キャリア仮置装置31を連結する場合は、第1キャリア仮置装置30が第2キャリア仮置装置31側に移動して基材着脱搬送装置2と第2キャリア仮置装置31の間に入る。
このとき、基材着脱搬送装置2と第1キャリア仮置装置30と第2キャリア仮置装置31が基材キャリア21の搬送方向Xで並列した状態となる。そして、第1キャリア仮置装置30の突条部41及びガイド溝43の位置が第2キャリア仮置装置31の突条部41及びガイド溝43の位置と搬送方向で一致した状態となる。こうなることで、第1キャリア仮置装置30と第2キャリア仮置装置31が連結し一連の搬送路を形成した状態となる。
この状態では、第1キャリア仮置装置30は、基材着脱搬送装置2から基材保持装置20に基材50を取り付けた基材キャリア21を受け取り、当該基材キャリア21を第2キャリア仮置装置31へ搬送可能となる。すなわち、この状態では、第1キャリア仮置装置30から第2キャリア仮置装置31へ基材キャリア21の受け渡しが可能となる。
一方、第1キャリア仮置装置30と第3キャリア仮置装置32が連結する場合は、第1キャリア仮置装置30が第3キャリア仮置装置32側に移動し、第1キャリア仮置装置30と第3キャリア仮置装置32が基材キャリア21の搬送方向Xで並列した状態となる。そして、第1キャリア仮置装置30の突条部41及びガイド溝43の位置が、第3キャリア仮置装置32の突条部41及びガイド溝43の位置と搬送方向Xで一致した状態となる。こうなることで、第1キャリア仮置装置30と第3キャリア仮置装置32とが連結し一連の搬送路を形成した状態となる。
この状態では、第1キャリア仮置装置30は、第3キャリア仮置装置32から搬送された基材キャリア21を受け取り可能となる。
つまり、第1キャリア仮置装置30は、基材着脱搬送装置2で基材保持装置20に基材50が取り付けられた基材キャリア21を受け取り可能となっており、基材着脱搬送装置2から受け取った基材キャリア21を第2キャリア仮置装置31へ搬送可能となっている。また、第1キャリア仮置装置30は、第3キャリア仮置装置32から搬送された基材キャリア21を受け取り可能となっている。さらに、基材着脱搬送装置2は、第1キャリア仮置装置30から基材キャリア21を受け取って、基材保持装置20から基材50を取り外し可能となっている。
キャリア循環装置群3に隣接する製膜チャンバー群4は、図1に示されるように、複数の製膜チャンバー60によって構成されており、本実施形態では5基の製膜チャンバー60(60a〜60e)を備えた構造となっている。
製膜チャンバー60は、図6で示されるように、天面、底面、左右側面、裏面の5面が囲まれた箱状体であり、その正面に内外を連通する製膜室出入口61が形成されている。
この製膜室出入口61には、開閉可能なシャッター62が設けられており、シャッター62を閉じた状態とすることで、製膜チャンバー60の内部空間を高い気密性を確保しつつ密閉することが可能となっている。
このシャッター62には、スライド型ゲートバルブと称されるものや、スイング型ドアバルブと称されるものを好適に採用可能となっている。なお、本実施形態では、スライド型ゲートバルブと称されるものを採用しており、シャッター62が横方向(図6の矢印Bの方向)にスライド移動することによって開閉動作が実行される構造となっている。
製膜チャンバー60は、図6に示されるように、その内部に製膜室63を備えている。
製膜室63は、プラズマCVD法によって基材50に所望の薄膜を製膜可能となっている。
具体的には、製膜室63の内部空間には、複数の板状の面ヒーター65と、複数の放出装置66と、キャリア設置装置67と、図示しない温媒循環装置と、図示しない第2識別手段を備えている。また、この製膜室63には、弁68を介して真空ポンプ69が接続されており、製膜室63を減圧することが可能となっている。
面ヒーター65は、図示しない温媒循環装置とともに基材キャリア21の基材50の温度を調整するものであり、公知の加熱ヒーターである。
放出装置66は、プラズマを発生させながら、基材50に対して製膜ガスを放射する装置であり、外形形状が板状又は箱状の装置である。
放出装置66は、図8に示されるように、枠体70にシャワープレート71,72が取り付けられており、各シャワープレート71,72に設けられた複数の放出開口73,74から製膜ガスを噴射可能となっている。
また、放出装置66は、枠体70及びシャワープレート71,72の内部に内部空間75を有しており、内部空間75にプラズマ発生電極76が配されている。
枠体70には、ガスパイプ77を介して製膜ガス供給装置78に接続されており、ガスパイプ77から内部空間75に製膜ガスを供給することが可能となっている。
製膜ガス供給装置78は、製膜ガスの流量や気体の混合比等を調整可能となっている。
また、プラズマ発生電極76には、マッチング回路(MBX)を介して高周波交流電源装置79に接続されており、所望の出力でプラズマを発生することが可能となっている。
高周波交流電源装置79は、高周波パワー密度や印加電圧等を制御可能となっている。
また、シャワープレート71,72の放出開口73,74は、開口面積が可変となっており、放出量を調整することが可能となっている。
さらに、シャワープレート71,72は、その厚み方向に移動可能となっており、基材50の製膜面と放出開口73,74の距離を調整可能となっている。
キャリア設置装置67は、上記したキャリア仮置装置30と同様のものであり、ガイド溝43と基体移動装置42を複数備えている。
具体的には、キャリア設置装置67は、図6,図7から読み取れるように、複数の基体移動装置42が基材キャリア21の搬送方向X(製膜室63への基材キャリア21の導入方向)と直交する方向で並列配置された状態となっている。
第2識別手段は、第1識別手段と同様、基材保持装置20の識別部35(図11参照)を検知して、基材保持装置20とそれに取り付ける基材50との組み合わせを識別する部位である。
レール5は、図1に示されるように、キャリア仮置装置31,32及び製膜チャンバー60の並設方向Yに沿って延びるものであり、床面に並設されたまくら木56上に一対のレール本体55,55が敷設されて形成されている。
レール5は、一対のレール本体55,55が互いに平行な状態となるように並設されており、これら一対のレール本体55,55の間に、長尺のラック57が歯面を側方に向けた状態で取り付けられている。
移動チャンバー6は、図1に示されるように、床面に敷設されたレール5上を自走可能な装置であり、本体部80と、移動台車81を備えている。
本体部80は、図9に示されるように、天面、底面、左右側面、裏面の5面が囲まれた箱状体であり、その正面には、内外を連通する収納室出入口82が形成されている。
この収納室出入口82の大きさは、製膜チャンバー60の製膜室出入口61(図6参照)の大きさと等しくなっている。この収納室出入口82は、これを遮蔽する部材が設けられておらず、常に開放された状態となっている。
本体部80は、図10に示されるように、基材50を収納可能な収納室83を備えており、収納室83内には、キャリア移動装置85と、面ヒーター86が設けられている。
キャリア移動装置85は、上記したキャリア設置装置67と同様のものであり、ガイド溝43と基体移動装置42を複数備えている。
具体的には、複数の基体移動装置42が基材キャリア21の搬送方向X(収納室83への基材キャリア21の導入方向)と直交する方向で並列配置された状態となっている。
面ヒーター86は、上記した面ヒーター65と同様のものであり、基材キャリア21を移送する際に基材50の主面(製膜面51)と対面するように設けられている。
また、面ヒーター86は、基材キャリア21の搬送方向X(収納室83への基材キャリア21の導入方向)と直交する方向で並列配置されており、その配置間隔は、製膜チャンバー60の製膜室63に配された面ヒーター65の配置間隔と同一となっている。
なお、この収納室83には、図示しない真空ポンプが接続されており、移動チャンバー6と製膜チャンバー60とを連結させたときに、当該真空ポンプによって収納室83とシャッター62との間で形成される空間及び収納室83と製膜室63との内部空間を減圧することが可能となっている。
移動台車81は、図9に示されるように、ベース板部87と、ガイド部88と、移動板部89を備えている。
ベース板部87は、下面に車輪84と図示しないピニオンギアが取り付けられ、ピニオンギアとラック57の関係によって、レール5上を自走可能となっている。
なお、移動台車81が自走する構成は、いわゆるラックアンドピニオン形式に限定されるものではなく、車輪84を直接モータ等によって回転させる形式にしてもよい。
ガイド部88は、図9に示されるように、ベース板部87の上面に取り付けられた直線状のガイドである。
ガイド部88は、2つのガイド本体90,90が平行に二列配されて構成されており、これらガイド本体90,90の延び方向Xは、ベース板部87に取り付けられた車輪84の軸方向と同一の方向となっている。すなわち、ガイド本体90,90は、ベース板部87の移動方向Yに対して直交方向に延びている。
移動板部89は、ガイド部88の上側に配され、ガイド本体90,90の延び方向Xに移動可能な部位である。すなわち、移動板部89及び収納室83は、図示しないシリンダー等の動力により、一体となってガイド部88に沿って移動可能となっている。別の観点からみると、移動板部89及び収納室83は、移動台車81の移動方向Yに対して直交する方向に移動可能となっている。
続いて、基材50を運搬する基材保持装置20について説明する。
基材保持装置20は、所定の姿勢となるように基材50を保持する基体保持部材である。本実施形態の基材保持装置20は、基材50を直立した縦姿勢で保持するものであり、図11,図12から読み取れるように、キャリアベース22と、枠体23,24と、支持板25、識別部35を備えている。
キャリアベース22は、基材保持装置20の底部を構成する部位であり、ラック27と車輪28が取り付けられている。
枠体23,24は、幅方向Y(移動方向Xに対して直交する方向)のキャリアベース22の両端部から上方に向かって立ち上がった板状体である。
枠体23,24は、幅方向Yに所定の間隔を空けて互いに主面が対向するように設けられている。言い換えると、二枚の枠体23,24の間には、空隙29が形成された状態となっている。
また、この枠体23,24には、図12に示されるように、正方形の取付孔33,34が2個設けられており、この取付孔33,34の周囲に多数のクリップ26が設けられている。
取付孔33,34は、基材50及び支持板25を取り付け可能な穴であり、枠体23,24を部材厚方向に貫通した貫通孔である。
支持板25は、基材50の背面(非製膜面)を支持する板状体であり、基材50と一体となって枠体23,24に取り付け可能な部材である。
識別部35は、自己の基材保持装置20と他の基材保持装置20を区別する部位である。すなわち、識別部35は、基材保持装置20ごとに異なっており、それぞれ固有のデータと関連付けが可能となっている。
具体的には、識別部35は、バーコード等の識別子が印字された部位である。識別子としては、例えば、QRコード(登録商標)などが採用できる。
基材保持装置20は、図12で示されるように、基材50を支持板25と重ね合わせ、基材50の取付孔33,34からの露出面(製膜面51)が空隙29側を向いた状態で、基材50と支持板25をクリップ26によって固定することで取り付け可能となる。
制御装置7は、CPU、ROM、RAMなどを主要部として構成されるものであり、図13で示されるように、制御部91、入力部92、演算部93、データ記憶部94、及び出力部95を備えている。
制御部91は、各種製膜機器(基材着脱搬送装置2、キャリア循環装置群3、製膜チャンバー群4、移動チャンバー6、及び基材キャリア21)への機器制御を司る部分であり、制御装置7と各種製膜機器の間での各種信号の送受信、各種製膜機器から送信されたデータの記憶、記憶したデータの読み出し、各種プログラムの実行等を行う部分である。すなわち、この制御部91は、各種製膜機器から送信された信号や、過去に各種製膜機器から送信された信号(データ)に基づいて、各種製膜機器を制御するための信号を生成可能となっている。
入力部92は、各種製膜機器から送信される信号を受信する部分であり、移動チャンバー6や、基材50、基材キャリア21、薄膜検知手段15等に設けられた各種センサによって検知される情報を受信可能となっている。
演算部93は、CPUの演算処理の実行を司る部分であり、算術演算、論理演算等の各種演算を実行する部分である。
データ記憶部94は、RAM及びROMによって構成され、処理手順を記載したプログラム、過去に行った製膜工程(詳しくは後述する)でのデータ等を一時的又は半永久的に記憶する部分である。
なお、ROMには、演算部93に各種制御を行わせるためのプログラム及びデータが記憶され、RAMには、各種設定値や、プログラムの実行に必要なデータが記憶される。
出力部95は、制御部91が生成した信号を各種製膜機器に対して制御信号を送信するための部分である。
続いて、本実施形態の製膜装置1の全体的なレイアウトについて説明する。
製膜装置1は、図1で示されるように、製膜チャンバー群4を構成する5個の製膜チャンバー60a〜60eがいずれも製膜室出入口61を同一方向に向けた状態で列状に配置されている。また、キャリア循環装置群3は、製膜チャンバー群4と並列するように配されている。
キャリア循環装置群3のキャリア仮置装置31,32及び製膜チャンバー60a〜60eは、レール5の延設方向に並設されており、レール5の外側に隣接する位置にそれぞれ配されている。
移動チャンバー6は、2つのレール本体55,55の上に載置されており、移動チャンバー6の収納室出入口82(図9参照)は、製膜チャンバー60の製膜室出入口61側を向いた状態となっている。すなわち、移動チャンバー6は、移動台車81がレール5上を自走して、移動チャンバー6が製膜チャンバー群4の並列方向に沿って移動可能となっている。また、移動チャンバー6は、収納室83をガイド部88に沿って移動させることで、移動チャンバー6の収納室83が製膜チャンバー群4に対して近接及び離反することが可能となっている。
続いて、本実施形態の製膜装置1の特徴の一つである製膜動作について説明する。なお、薄膜を製造する一連の工程は、制御装置7によって制御されており、特に断りのない限り各工程が自動的に実施されることとなる。また、製膜の一例として、基材50たる透明導電性酸化物層102が製膜された透明絶縁性基板101に薄膜を製膜して仕掛太陽電池100を製造する場合について説明する。
まず、図16,図17のフローチャートに則しながら、一枚の基材50の製膜装置1内の動きに注目して説明する。
基材50に薄膜を製膜する前工程として、予め製膜チャンバー群4を構成する製膜チャンバー60の製膜室63の内部を減圧して、真空状態としておく。すなわち、製膜室出入口61のシャッター62を閉じ、真空ポンプ69によって製膜室63内の空気を排気する。
搬入側搬送ライン10によって外部から製膜対象となる未処理基材50を基材着脱搬送装置2内に搬入する。
未処理基材50が基材着脱搬送装置2内に搬入されると、ロボットアーム12によって、未処理基材50を支持板25に取り付け、さらに第1キャリア仮置装置30で待機した基材保持装置20に取り付けて基材キャリア21を形成する。
このとき、第1キャリア仮置装置30は、第2キャリア仮置装置31と連結した状態となっている。
また、第1識別手段によって基材保持装置20の識別部35を検知して、基材保持装置20の識別番号を確認し(STEP1)、基材保持装置20と搬入する製膜チャンバー60とを関連付けて、関連付け番号を割り当てて、その割り当てを記憶する(STEP2)。
そして、基材キャリア21は、第1キャリア仮置装置30上から第2キャリア仮置装置31上へ搬送され、必要に応じて第2キャリア仮置装置31上で待機する。
その後、移動チャンバー6が第2キャリア仮置装置31と隣接する位置までレール5に沿って移動し、移動チャンバー6と第2キャリア仮置装置31は、レール5の延び方向Yに対して直交する方向で並列した状態となる。
そして、基材キャリア21は、第2キャリア仮置装置31上から移動チャンバー6の収納室83内に移動し、収納室83内に収納された状態となる。
基材キャリア21が収納室83内に収納された状態となったことが確認されると、移動チャンバー6がレール5上を走行し、関連付けられた製膜チャンバー60と隣接する位置まで移動する。そして、移動チャンバー6の収納室83が製膜チャンバー60側に移動して、移動チャンバー6と製膜チャンバー60とを密着させた状態とする。
このとき、製膜室出入口61の開口と収納室出入口82の開口が重なるように移動チャンバー6と製膜チャンバー60を密着させ、収納室83がシャッター62によって閉塞された状態となる。すなわち、移動チャンバー6の内側には、収納室83の内壁とシャッター62によって囲まれた閉塞空間が形成される。
この状態で、移動チャンバー6の真空ポンプ(図示しない)を稼動させ、形成された閉塞空間から空気を排気し、減圧して真空にする。そして、閉塞空間が所定の真空度に達したことを条件として、収納室83の面ヒーター65を稼働させ、未処理基材50を加熱昇温する。
そして、未処理基材50が所定の温度になったことが確認されると、製膜チャンバー60のシャッター62が開かれる(図14参照)。そして、シャッター62が完全に開いたことが確認されると、収納室83に収納された基材キャリア21は、製膜室63の内部へと搬送される。
このとき、基材キャリア21のキャリアベース22は、図14,図15から読み取れるように、各放出装置66の下部に設けられた隙間に入り込み、基材キャリア21の枠体23,24が各放出装置66の両脇に入り込んだ状態となる。すなわち、各未処理基材50は、いずれも面ヒーター65と放出装置66の間に挿入された状態となる。
そして、基材キャリア21が製膜室63の内部に進入し、所定の位置に配置されたことが確認されると、シャッター62を閉じた状態とする。
このとき、基材50,50の製膜面51,51は、シャワープレート71,72と所定の間隔を空けて配され、放出開口73,74と対面した状態となる。
製膜室63の内部において、第2識別手段によって、基材保持装置20の識別部35を読み取り、関連付け番号を確認し(STEP3)、関連付け番号に結び付けられた関連付け処方を取得する(STEP4)。
そして、基材キャリア21に取り付けられた基材50に対し、関連付け処方に則した各半導体層を製膜する製膜工程が実施される。
本実施形態の製膜工程では、1つの製膜チャンバー60の製膜室63内で、未処理基材50に対して薄膜を製膜し、図18に示される積層構造を備えた仕掛太陽電池100を形成する製膜動作を実施する(STEP5)。
具体的には、この製膜工程では、仕掛太陽電池100の光電変換層115を製膜する工程であり、トップセル110を製膜するトップ層形成工程と、中間層111を製膜する中間層形成工程と、ボトムセル112を製膜するボトム層形成工程を実施する。
さらに詳説すると、この製膜工程では、まずトップ層形成工程を実施し、透明導電性酸化物層102上にp型非晶質半導体層103、i型非晶質半導体層104、及びn型非晶質半導体層105を積層させて光電変換ユニットたるトップセル110を製膜する。
トップ層形成工程が終了すると、中間層形成工程を実施し、トップセル110上に中間層111を製膜する。
そして、中間層形成工程が終了すると、中間層111上に、p型結晶質半導体層107、i型結晶質半導体層108、及びn型結晶質半導体層109を積層させて光電変換ユニットたるボトムセル112を製膜する。
ここで、トップセル110を構成するp型非晶質半導体層103、i型非晶質半導体層104、及びn型非晶質半導体層105は、いずれもアモルファスシリコンを主成分とするものである。また、ボトムセル112を構成するp型結晶質半導体層107、i型結晶質半導体層108、及びn型結晶質半導体層109は、いずれも多結晶シリコン又は微結晶シリコンを主成分とするものである。すなわち、上記した製膜工程で製膜されて形成された仕掛太陽電池100は、最表面層が結晶質シリコンを主成分とするボトムセル112である。
また、p型非晶質半導体層103、i型非晶質半導体層104、型非晶質半導体層105、中間層111、p型結晶質半導体層107、i型結晶質半導体層108、及びn型結晶質半導体層109は、一種類の気体からなる単純ガス又は複数種類の気体を混合した混合ガスからなる製膜ガスを固化させることによって形成される。
例えば、半導体層103,104,105,107,108,109は、シリコンガスなどの原料ガスと、水素ガスなどの希釈ガス、リンやホウ素といったドーパントガスなど複数種類の気体を適宜混合して製膜ガスとすることができる。
なお、製膜チャンバー60の内部で上記の製膜工程が実行されている間、移動チャンバー6は、製膜チャンバー60から分離され、次の基材キャリア21を取りに行く。
すなわち、移動チャンバー6の収納室83は、大気又は窒素が導入されて収納室83の内部の圧力が外気圧と均衡化される。そして、移動チャンバー6を第2キャリア仮置装置31と隣接する位置まで移動させ、上述した手順と同様の手順で、他の製膜チャンバー60に基材キャリア21を搬入する。
この手順を繰り返し、すべての製膜チャンバー60のそれぞれに基材キャリア21を搬入していく。
ここで、所定の製膜チャンバー60で上記した製膜工程が終了すると、製膜チャンバー60から基材キャリア21を取り出し、第3キャリア仮置装置32へ搬送する動作を実施する。すなわち、製膜工程が終了した製膜チャンバー60、あるいは製膜工程が終盤に差しかかった製膜チャンバー60がある場合、基材キャリア21を内蔵していない空状態の移動チャンバー6をこの製膜チャンバー60と隣接する位置まで移動させる。
そして、移動チャンバー6の収納室83を製膜チャンバー60側へと移動させ、移動チャンバー6の収納室出入口82と、製膜チャンバー60の製膜室出入口61とを密着させた状態とする。
続いて、移動チャンバー6に設けた真空ポンプ(図示しない)によって収納室83と、製膜チャンバー60のシャッター62とによって囲まれた閉塞空間を減圧する。
この状態で製膜チャンバー60のシャッター62を開き、製膜が終了した製膜済基材50を保持した基材キャリア21を移動チャンバー6の収納室83の内部へと搬送する。
製膜室63内の基材キャリア21が収納室83に移動したことが確認されると、シャッター62を閉じ、収納室83には大気又は窒素が導入される。そして、収納室83の内部と外気との圧力差が解消されると、収納室83を製膜チャンバー60から離れる方向へと移動させ、移動チャンバー6を製膜チャンバー60から分離する。
その後、移動チャンバー6は、第3キャリア仮置装置32と隣接する位置まで移動し、基材キャリア21は、移動チャンバー6から第3キャリア仮置装置32へ搬送される。
そして、第1キャリア仮置装置30が移動して第3キャリア仮置装置32と連結し、基材キャリア21は、第3キャリア仮置装置32上から第1キャリア仮置装置30上へ搬送される。
その後、第1キャリア仮置装置30は基材キャリア21を支持したまま基材着脱搬送装置2と隣接する位置まで移動し、第1キャリア仮置装置30でロボットアーム12によって基材キャリア21から製膜済基材50が取り外される。そして、製膜済基材50は、ロボットアーム12によって搬出側搬送ライン11に搬送される。
搬出側搬送ライン11に載置された製膜済基材50は、薄膜検知手段15を通過して外部に搬出される。
このとき、光照射手段16は、製膜済基材50の製膜面51に対して所定の角度で光を照射し、その反射光を撮影手段17で受光することで撮影し、後述する判定工程を実施する。具体的には、撮影手段17は、光照射手段16からの放射光の製膜面51での散乱光を受光して製膜面51を撮影する。
そして、撮影手段17が受光し、撮影した画像に基づいて、本実施形態の特徴の一つである判定工程を実施する(STEP6)。
まず、この判定工程では、基材保持装置20が次に未処理基材50を搬送し製膜する際の製膜条件に対する処方を作成し記憶する。
具体的には、基材50の製膜面51の全面積中の第1基準輝度L1以上の面積が第1閾値以上であるかどうか判定する(STEP10)。
このときの第1基準輝度L1や第1閾値は、製膜する薄膜の種類によって適宜設定されるが、例えば、製膜済基材50の256階調のグレースケールの原画像を作成し、当該原画像に対して動的しきい値法により原画像の画素ごとに閾値を設定して、輝度値が閾値を超える部分を抽出画像として抽出する。そして、当該抽出画像を製膜済基材50の1μm×1μmの領域に対応するように複数の領域に分割し、分割した領域において、隣接する領域からの階調差が−5以下である領域の総面積が製膜済基材50の製膜面51の全面積の1%以上であることを条件としてもよい。
また、例えば、製膜済基材50の256階調のグレースケールの原画像を作成し、当該原画像に対して動的しきい値法により原画像の画素ごとに閾値を設定して、輝度値が閾値を超える部分を抽出画像として抽出する。そして、抽出画像において隣接する領域からの階調差が−5以下の領域の総面積が製膜済基材50の製膜面51の全面積の1%以上であることを条件としてもよい。
例えば、製膜済基材50の256階調のグレースケールの原画像を作成し、小領域に分割して小領域ごとにグレー値の平均化処理を行って平均化画像を作成し、平均化画像と原画像の明るさの差分をとり、所定の明るさ以上及び所定の明るさ以下の画像を抽出画像として原画像から抽出する。そして、抽出画像において所定の明るさ以上である面積が製膜済基材50の製膜面51の全面積の1%以上であることを条件としてもよい。
基材50の製膜面51の全面積中の第1基準輝度L1以上の面積が第1閾値以上である場合には(STEP10でYes)、関連付け処方から結晶化度を上げる第1変更処方を作成し、関連付け処方としてデータ記憶部94に記憶する(STEP11)。
このとき、第1変更処方は、製膜に使用された関連付け処方に対して、結晶化度が上がるように下記(1)〜(9)のうち少なくとも一つの因子を変更する。
(1)基材50の温度
(2)製膜ガスの流量
(3)製膜室63内の圧力
(4)放出開口73(放出開口74)と基材50との距離
(5)放出開口73(放出開口74)の総開口面積
(6)気体の混合比
(7)印加電圧
(8)高周波パワー密度
(9)プラズマ発生電極76と基材50との距離
第1変更処方は、製膜に使用された関連付け処方に対して、複数の因子を変更することとしてもよい。
本実施形態では、各プラズマ発生電極76での印加電圧及び製膜ガスを構成する気体の混合比を変化させる。具体的には、各プラズマ発生電極76での印加電圧を所定量増加させ、製膜ガスの希釈比率を所定量増加させる。
そして、今回製膜に用いた製膜チャンバー60と基材保持装置20との組み合わせに、STEP11で記憶した関連付け処方と関連付け番号を結びつけてデータ記憶部94に記憶する(STEP7)。
一方、基材50の製膜面51の全面積中の第1基準輝度L1以上の面積が第1閾値未満である場合には(STEP10でNo)、基材50の製膜面51の全面積中の第2基準輝度L2以下の面積が第2閾値以下かどうか判定する。
このときの第2基準輝度L2や第2閾値は、製膜する薄膜の種類によって適宜設定されるが、例えば、製膜済基材50の256階調のグレースケールの原画像を作成し、当該原画像に対して動的しきい値法により原画像の画素ごとに閾値を設定して、輝度値が閾値を超える部分を抽出画像として抽出する。そして、当該抽出画像を製膜済基材50の1μm×1μmの領域に対応するように複数の領域に分割し、分割した領域において、隣接する領域からの階調差が+5以上である領域の総面積が製膜済基材50の製膜面51の全面積の2%以下であることを条件としてもよい。
また、例えば、製膜済基材50の256階調のグレースケールの原画像を作成し、当該原画像に対して動的しきい値法により原画像の画素ごとに閾値を設定して、輝度値が閾値を超える部分を抽出画像として抽出する。そして、抽出画像において隣接する領域からの階調差が+5以上の領域の総面積が製膜済基材50の製膜面51の全面積の2%以下であることを条件としてもよい。
例えば、製膜済基材50の256階調のグレースケールの原画像を作成し、小領域に分割して小領域ごとにグレー値の平均化処理を行って平均化画像を作成し、平均化画像と原画像の明るさの差分をとり、所定の明るさ以上及び所定の明るさ以下の画像を抽出画像として原画像から抽出する。そして、抽出画像において所定の明るさ以下である面積が製膜済基材50の製膜面51の全面積の2%以上であることを条件としてもよい。
そして、基材50の製膜面51の全面積中の第2基準輝度L2以下の面積が第2閾値以下である場合は(STEP12でYes)、関連付け処方から結晶化度を下げる第2変更処方を作成し、関連付け処方としてデータ記憶部94に記憶する(STEP13)。
このとき、第2変更処方は、製膜に使用された関連付け処方に対して、結晶化度が下がるように下記(1)〜(9)のうち少なくとも一つの因子を変更する。
(1)基材50の温度
(2)製膜ガスの流量
(3)製膜室63内の圧力
(4)放出開口73(放出開口74)と基材50との距離
(5)放出開口73(放出開口74)の総開口面積
(6)気体の混合比
(7)印加電圧
(8)高周波パワー密度
(9)プラズマ発生電極76と基材50との距離
第2変更処方は、製膜に使用された関連付け処方に対して、複数の因子を変更することとしてもよい。
本実施形態では、各プラズマ発生電極76での印加電圧及び製膜ガスを構成する気体の混合比を変化させる。具体的には、各プラズマ発生電極76での印加電圧を所定量減少させ、製膜ガスの希釈比率を所定量減少させる。
そして、今回製膜に用いた製膜チャンバー60と基材保持装置20との組み合わせに、STEP13で記憶した関連付け処方と関連付け番号を結びつけてデータ記憶部94に記憶する(STEP7)。
基材50の製膜面51の全面積中の第2基準輝度L2以下の面積が第2閾値超過である場合は(STEP12でNo)、製膜に使用された関連付け処方をそのまま変更せずに関連付け処方として記憶する(STEP14)。
そして、今回製膜に用いた製膜チャンバー60と基材保持装置20との組み合わせに、STEP14で記憶した関連付け処方と関連付け番号を結びつけてデータ記憶部94に記憶する(STEP7)。
続いて、製膜装置1での各基材保持装置20の動きについて説明する。なお、説明を容易にするために、2台の製膜チャンバー60a,60bのみが稼働しているものとして説明する。
稼働させる製膜チャンバー60の台数をNとすると、N+2台の基材保持装置20を使用して製膜する。本説明では、稼働させる製膜チャンバー60の数が2台であるから4台の基材保持装置20a〜20dを用いて製膜工程を実施する。
説明の都合上、2台の製膜チャンバー60a,60bに基材キャリア21a,21bが導入されて製膜工程を実施している状態から説明する。
まず、移動チャンバー6は、製膜チャンバー60aから基材キャリア21aを受け取り(図19(a))、基材キャリア21aを積載した状態で第3キャリア仮置装置32に隣接する位置まで移動する(図19(b))。第3キャリア仮置装置32の位置に着た移動チャンバー6は、基材キャリア21aを第3キャリア仮置装置32に払い出し(図19(c))、基材キャリア21cを受け取るために第2キャリア仮置装置31に隣接する位置まで移動する(図19(d))。
このとき移動チャンバー6の動作に並行して、第1キャリア仮置装置30では、基材キャリア21dから製膜済基材50を基材着脱搬送装置2に払い出し(図19(a))、未処理の基材50を受け取って、新たな基材キャリア21dが形成される(図19(b))。
第2キャリア仮置装置31の位置に着た移動チャンバー6は、第2キャリア仮置装置31から基材キャリア21cを受け取り(図20(a))、基材キャリア21cを積載した状態で製膜チャンバー60aに隣接する位置まで移動する(図20(b))。そして、移動チャンバー6の動作に並行して、第1キャリア仮置装置30は、基材キャリア21dを第2キャリア仮置装置31に払い出す。
製膜チャンバー60aの位置に着た移動チャンバー6は、基材キャリア21cを製膜チャンバー60aに払い出し(図20(c))、他の製膜チャンバー60bから基材キャリア21bを受け取るために製膜チャンバー60bの隣接する位置まで移動する(図20(d))。
このとき、移動チャンバー6の動作に並行して、第1キャリア仮置装置30は、第3キャリア仮置装置32に近接する位置に移動し(図20(c))、第3キャリア仮置装置32から基材キャリア21aを受け取る(図20(d))。
製膜チャンバー60bの位置に着た移動チャンバー6は、製膜チャンバー60bから基材キャリア21bを受け取り(図21(a))、基材キャリア21bを積載した状態で第3キャリア仮置装置32に隣接する位置まで移動する(図21(b))。第3キャリア仮置装置32の位置に着た移動チャンバー6は、基材キャリア21bを第3キャリア仮置装置32に払い出し(図21(c))、基材キャリア21dを受け取るために第2キャリア仮置装置31に隣接する位置まで移動する(図21(d))。
このとき、移動チャンバー6の動作に並行して、第1キャリア仮置装置30では、基材キャリア21aから製膜済基材50を基材着脱搬送装置2に払い出し(図21(c))、未処理の基材50を受け取って、新たな基材キャリア21aが形成される(図21(d))。
第2キャリア仮置装置31の位置に着た移動チャンバー6は、第2キャリア仮置装置31から基材キャリア21dを受け取り(図22(a))、基材キャリア21dを積載した状態で製膜チャンバー60bに隣接する位置まで移動する(図22(b))。この移動チャンバー6の動作に並行して第1キャリア仮置装置30は、この新たな基材キャリア21aを第2キャリア仮置装置31に払い出す。
製膜チャンバー60bの位置に着た移動チャンバー6は、基材キャリア21dを製膜チャンバー60bに払い出し(図22(c))、他の製膜チャンバー60aから基材キャリア21cを受け取るために製膜チャンバー60aの隣接する位置まで移動する(図22(d))。
このとき、移動チャンバー6の動作に並行して、第1キャリア仮置装置30は、第3キャリア仮置装置32に近接する位置に移動し(図22(c))、第3キャリア仮置装置32から基材キャリア21bを受け取る(図22(d))。
その後、前述と同様、製膜チャンバー60aの位置に着た移動チャンバー6は、製膜チャンバー60aから基材キャリア21cを受け取り、基材キャリア21cを積載した状態で第3キャリア仮置装置32に隣接する位置まで移動する。第3キャリア仮置装置32の位置に着た移動チャンバー6は、基材キャリア21cを第3キャリア仮置装置32に払い出し、基材キャリア21aを受け取るために第2キャリア仮置装置31に隣接する位置まで移動する。
そして、第2キャリア仮置装置31の位置に着た移動チャンバー6は、第2キャリア仮置装置31から前記工程で使用した基材保持装置20に基材50が固定された基材キャリア21aを受け取る。移動チャンバー6は、基材キャリア21aを積載した状態で製膜チャンバー60aに隣接する位置まで移動し、基材キャリア21aを製膜チャンバー60aに払い出す。
以上のように、本実施形態の製膜チャンバー60は、製膜工程が終了に伴って新たな基材キャリア21が導入され、複数種類の基材キャリア21が入れ替わり、常時基材キャリア21が入った状態となる。また、本実施形態の製膜チャンバー60は、特定の基材保持装置20が何度も特定の製膜チャンバー60に導入されることとなる。さらに、本実施形態の製膜チャンバー60は、一の基材保持装置20が製膜チャンバー60の製膜室63から出た後、再度同一の製膜チャンバー60の製膜室63に入るまでの間に異なる基材保持装置20が製膜室63に出入りすることとなる。
本実施形態の製膜装置1であれば、基材保持装置20と製膜チャンバー60の組み合わせに関連付けてそれぞれの製膜条件を設定するので、より一様の品質を確保することができる。
すなわち、基材保持装置20aによって未処理基材50aを製膜チャンバー60a内に搬送して製膜し、薄膜検知手段15によって製膜済基材50aの薄膜の状態を検知し、異常があった場合には、基材保持装置20aによって後に搬送される他の未処理基材50bへの製膜条件を変更する。つまり、基材50aを搬送した基材保持装置20aが別の基材50bを、前回基材50aを製膜した製膜チャンバー60aに搬入し製膜する際には、再度異常が生じないように、基材保持装置20の一つ一つの単位で異常が生じた製膜条件を調整する。そのため、前回に基材50aを保持していた基材保持装置20aが、別の基材50bを製膜チャンバー60aに搬送し製膜した場合でも、前回と同様の異常が生じにくくなり、良好な品質の薄膜を製膜できる。
また、基材保持装置20bによって未処理基材50cを製膜チャンバー60a内に搬送して製膜し、薄膜検知手段15によって製膜済基材50cの薄膜の状態を検知し、異常がなかった場合には、基材保持装置20bによって後に搬送される他の未処理基材50dへの製膜条件を変更せず、そのままの薄膜条件で製膜することで、基材50c以降の基材において、前回と同様、良好な品質の薄膜を製膜できる。
続いて、本発明の第2実施形態の製膜装置200について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同様の符番を付して、説明を省略する。
第2実施形態の製膜装置200は、有機EL装置300の有機発光層301及び裏面電極層302を製膜する装置であり、具体的には、PVD装置の一種である真空蒸着装置である。すなわち、第2実施形態の製膜装置200は、有機EL装置300の製造工程の一つに利用されるものである。
製膜装置200は、図23に示されるように、基材着脱搬送装置2と、キャリア循環装置群3と、製膜チャンバー群201と、レール5と、移動チャンバー202と、制御装置7によって構成される装置である。
製膜チャンバー群201は、複数の製膜ユニット203によって構成されている。
製膜ユニット203は、図24に示されるように、製膜チャンバー204と、前室チャンバー205によって構成されている。
製膜チャンバー204は、第1実施形態の製膜チャンバー60とほぼ同様の構造をしており、製膜室63において、真空蒸着法によって基材50に所望の薄膜を製膜可能となっている点で製膜チャンバー60と異なる。
前室チャンバー205は、天面、底面、左右側面の4面が囲まれた箱状体であり、その正面及び裏面に内外を連通する製膜室側出入口206と収納室側出入口207が形成されている。
製膜室側出入口206の大きさは、製膜チャンバー204の製膜室出入口61の大きさと等しくなっている。
収納室側出入口207には、開閉可能なシャッター209が設けられている。収納室側出入口207の大きさは、移動チャンバー202の収納室出入口82の大きさと等しくなっている。
前室チャンバー205は、その内部に前処理室208を備えている。
前処理室208は、基材50が製膜チャンバー204に搬入される前に真空引きを行う部屋であり、キャリア移動装置210が設けられている。
キャリア移動装置210は、上記したキャリア設置装置67と同様のものであり、ガイド溝43と基体移動装置42を複数備えている。
また、この前処理室208には、弁211を介して真空ポンプ212が接続されている。
移動チャンバー202は、図25のように、第1実施形態の移動チャンバー6とほぼ同様の構造をしており、収納室出入口82に開閉可能なシャッター213が設けられている点で移動チャンバー6と異なる。すなわち、移動チャンバー202は、シャッター213を閉じた状態とすることで、移動チャンバー202の内部空間を高い気密性を確保しつつ密閉することが可能となっている。
なお、第2実施形態の光照射手段16及び撮影手段17は、基材50の裏面(非製膜面)側に設けられており、光照射手段16は、基材50の裏面に対して光を照射し、撮影手段17は、基材50の裏面を撮影する。
続いて、本実施形態の製膜装置200の全体的なレイアウトについて説明する。
製膜装置200は、図23で示されるように、製膜チャンバー群201を構成する5個の製膜ユニット203がいずれも収納室側出入口207を同一方向に向けた状態で列状に配置されている。
また製膜チャンバー204は、製膜室出入口61が製膜室側出入口206と重なるように前室チャンバー205と一体化されている。
別の観点からみると、前室チャンバー205の収納室側出入口207は、移動チャンバー202の収納室出入口82と対向する方向を向いている。
続いて、第2実施形態の製膜装置200の特徴の一つである製膜工程について説明する。なお、本第2実施形態の製膜動作は、第1実施形態の製膜動作と大部分で重複するため、重複する部分については、説明を省略し、簡単に述べる。また、基材50たる透明導電性酸化物層102が製膜された透明絶縁性基板101に薄膜を製膜して有機EL装置300を製造する場合について説明する。
まず、基材50に薄膜を製膜する前工程として、予め製膜チャンバー群201を構成するチャンバー204,205のシャッター62,209を閉じ、製膜室63及び前処理室208の内部を減圧して、真空状態としておく。
搬入側搬送ライン10によって外部から製膜対象の基材50を基材着脱搬送装置2内に搬入し、第1識別手段によって基材保持装置20の識別部35を検知して、基材保持装置20の識別番号を確認し(STEP1)、基材保持装置20と搬入する製膜ユニット203とを関連付けて、関連付け番号を割り当てて、その割り当てを記憶する(STEP2)。
そして、基材キャリア21は、第1キャリア仮置装置30から第2キャリア仮置装置31上へ移動し、第2キャリア仮置装置31上から移動チャンバー202の収納室83内に移動し、収納室83内に収納された状態となる。基材キャリア21が収納室83内に収納された状態となったことが確認されると、シャッター213を閉じ、収納室83を真空引きしながら、移動チャンバー202がレール5上を走行する。そして、移動チャンバー202の収納室83が前室チャンバー205側に移動して、移動チャンバー202と前室チャンバー205とを密着させた状態となる。
移動チャンバー202と前室チャンバー205が密着された状態となると、図26に示されるように、移動チャンバー202のシャッター213と前室チャンバー205のシャッター209が開かれて、基材キャリア21が収納室83内から前処理室208内に移動する。
基材キャリア21が前処理室208内に収納された状態となったことが確認されると、シャッター209を閉じ、継続して前処理室208の真空引きを行う。
そして、前処理室208内の空間が所定の真空度に至ったことが確認されると、図27に示されるように、製膜チャンバー204のシャッター62が開かれ、基材キャリア21は、前処理室208から製膜室63の内部へと移動する。
そして、全ての基材キャリア21が製膜室63の内部に進入し、それぞれが所定の位置に配置されたことが確認されると、シャッター62を閉じた状態とする。
このとき、基材50,50の製膜面51,51は、放出装置66と所定の間隔を空けて対面した状態となる。
製膜室63の内部において、第2識別手段によって基材保持装置20の識別部35を読み取り、関連付け番号を確認し(STEP3)、関連付け番号に結び付けられた関連付け処方を取得する(STEP4)。
そして、基材キャリア21に取り付けられた基材50に対し、関連付け処方に則した各有機発光層301及び裏面電極層302を製膜する製膜動作が実施される。
本実施形態では、1つの製膜チャンバー204の製膜室63内で、基材50に対して薄膜を製膜し、図28に示される積層構造を備えた有機EL装置300を形成する製膜工程を実施する(STEP5)。
具体的には、この製膜工程では、真空蒸着法によって、透明導電性酸化物層102上に正孔注入層305、正孔輸送層306、発光層307、電子輸送層308、電子注入層309、及び裏面電極層302を製膜する。
正孔注入層305、正孔輸送層306、発光層307、電子輸送層308、電子注入層309、及び裏面電極層302は、一種類の原料を蒸発させた気体からなる単純ガス又は複数種類の原料を蒸発させて複数種類の気体を混合した混合ガスからなる製膜ガスを固化させることによって形成される。
なお、製膜チャンバー204の内部で上記の製膜工程が実行されている間、移動チャンバー202は、製膜チャンバー204から分離され、次の基材キャリア21を取りに行く。
この手順を繰り返し、すべての製膜チャンバー204のそれぞれに基材キャリア21を搬入していく。
ここで、所定の製膜チャンバー204で上記した製膜工程が終了すると、シャッター62が開き、基材キャリア21は製膜チャンバー204の製膜室63から前室チャンバー205の前処理室208に移動する。基材キャリア21の前処理室208への移動が完了すると、シャッター62が閉まり、前処理室208に空気又は窒素が導入され、前処理室208の内部と外気との圧力差が解消される。そして、基材キャリア21が内蔵されていない空状態の移動チャンバー202が前室チャンバー205に接続され、シャッター209が開状態となり、基材キャリア21が前処理室208から移動チャンバー202に移動する。
基材キャリア21が移動チャンバー202に収納されると、収納室83を前室チャンバー205から離れる方向へと移動させ、移動チャンバー202を製膜ユニット203から分離する。
その後、移動チャンバー202が第3キャリア仮置装置32と隣接する位置まで移動し、基材キャリア21は、移動チャンバー202から第3キャリア仮置装置32へ移動し、さらに第1キャリア仮置装置30に移動する。
この後、第1キャリア仮置装置30が基材着脱搬送装置2と隣接する位置まで移動し、基材キャリア21からロボットアーム12によって製膜済基材50が取り外され、製膜済基材50は搬出側搬送ライン11へと移動する。
搬出側搬送ライン11に設置された製膜済基材50は、薄膜検知手段15を通過して外部に搬出される。
そして、薄膜検知手段15の結果に基づいて、判定工程を実施し(STEP6)、基材保持装置20が次の基材50を搬送し製膜する際の製膜条件に対する処方を作成し記憶する。
すなわち、基材50の製膜面51の全面積中の第1基準輝度L1以上の面積が第1閾値以上であるかどうか判定し(STEP10)、基材50の製膜面51の全面積中の第1基準輝度L1以上の面積が第1閾値以上である場合には(STEP10でYes)、関連付け処方から輝度が下がる方向への第1変更処方を作成し、関連付け処方としてデータ記憶部94に記憶する(STEP11)。
このとき、第1変更処方は、製膜に使用された関連付け処方に対して、輝度が下がるように下記(1)〜(6)のうち少なくとも一つの因子を変更する。
(1)基材50の温度
(2)製膜ガスの流量
(3)製膜室63内の圧力
(4)放出開口73(放出開口74)と基材50との距離
(5)放出開口73(放出開口74)の総開口面積
(6)気体の混合比
今回製膜に用いた製膜ユニット203と基材保持装置20との組み合わせに関連付け番号を割り当て(STEP7)、判定工程で記憶した関連付け処方と関連付け番号を結びつけてデータ記憶部94に記憶する。
一方、基材50の製膜面51の全面積中の第1基準輝度L1以上の面積が第1閾値未満である場合には(STEP10でNo)、基材50の製膜面51の全面積中の第2基準輝度L2以下の面積が第2閾値以下かどうか判定し、基材50の製膜面51の全面積中の第2基準輝度L2以下の面積が第2閾値以下である場合は(STEP12でYes)、関連付け処方から輝度が上がる方向への第2変更処方を作成し、関連付け処方としてデータ記憶部94に記憶する(STEP13)。
このとき、第2変更処方は、製膜に使用された関連付け処方に対して、輝度が下がるように下記(1)〜(6)のうち少なくとも一つの因子を変更する。
(1)基材50の温度
(2)製膜ガスの流量
(3)製膜室63内の圧力
(4)放出開口73(放出開口74)と基材50との距離
(5)放出開口73(放出開口74)の総開口面積
(6)気体の混合比
そして、今回製膜に用いた製膜ユニット203と基材保持装置20との組み合わせに、STEP13で記憶した関連付け処方と関連付け番号を結びつけてデータ記憶部94に記憶する(STEP7)。
基材50の製膜面51の全面積中の第2基準輝度L2以下の面積が第2閾値超過である場合は(STEP12でNo)、製膜に使用された関連付け処方をそのまま変更せずに関連付け処方として記憶する(STEP14)。
そして、今回製膜に用いた製膜ユニット203と基材保持装置20との組み合わせに、STEP14で記憶した関連付け処方と関連付け番号を結びつけてデータ記憶部94に記憶する(STEP7)。
本第2実施形態の製膜装置200によれば、高品質の有機EL装置300を製造できる。
上記した第1実施形態では、仕掛太陽電池は、トップ層とボトム層が接合された2接合太陽電池の仕掛品であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、ボトム層のみの単接合太陽電池の仕掛品であってもよいし、3接合以上の多接合太陽電池の仕掛品であってもよい。
上記した第1実施形態では、基材50として、透明導電性酸化物層102付きの透明絶縁性基板101を基材50として用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、透明絶縁性基板101を基材50として用いて、透明導電性酸化物層102も製膜室63で製膜してもよい。
上記した第1実施形態では、裏面電極層が製膜されていない仕掛太陽電池100を形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、製膜室63内で裏面電極層を製膜して太陽電池を完成させてもよい。
上記した第1実施形態では、製膜装置1がCVD装置の一種であるプラズマCVD装置である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の種類のCVD装置であってもよい。例えば、熱CVD装置であってもよいし、光CVD装置であってもよい。MOCVD装置であってもよい。
上記した第2実施形態では、製膜装置1がPVD装置の一種である真空蒸着装置である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の種類のPVD装置であってもよい。例えば、スパッタ装置であってもよい。
上記した実施形態では、判定工程として撮影手段17が受光した基材50からの散乱光の輝度によって薄膜の状態の異常の有無を判定し、異常があった場合には、異常が解消する方向に製膜条件を変更したが、本発明はこれに限定されるものではなく、判定工程として他の方法で薄膜の状態の異常の有無を判定してもよい。
例えば、膜厚計等によって薄膜の膜厚を測定し、当該薄膜の膜厚によって薄膜の状態の異常の有無を判定してもよいし、抵抗測定器等によって薄膜のシート抵抗を測定し、当該薄膜のシート抵抗によって薄膜の状態の異常の有無を判定してもよい。また、薄膜のヘイズ率によって薄膜の状態の異常の有無を判定してもよいし、ヘイズメーター等によって薄膜の平滑度を測定し、当該薄膜の平滑度によって薄膜の状態の異常の有無を判定してもよい。さらに、ラマン分光器等によって薄膜の結晶化度を測定し、当該薄膜の結晶化度によって薄膜の状態の異常の有無を判定してもよい。
上記した実施形態では、5台の製膜チャンバーを備えていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、製膜チャンバーの台数は、1〜4台でもよいし、6台以上であってもよい。
上記した実施形態では、製膜チャンバーと基材保持装置を個別に関連付けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、一つの製膜チャンバーに導入される基材保持装置群を一まとまりにして、製膜チャンバーと基材保持装置群で関連付けてもよい。
上記した実施形態では、一つの製膜チャンバーに対して複数の基材キャリアを導入して製膜したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一つの製膜チャンバーに対して一つの基材キャリアを導入して製膜してもよい。
上記した実施形態では、一つの放出装置66につき2つの基材キャリア21に製膜するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、一つの放出装置66につき1つの基材キャリア21に製膜するものであってもよいし、一つの放出装置66につき3つ以上の基材キャリア21に製膜するものであってもよい。
上記した実施形態では、放出装置66は両面にシャワープレートを備え、両面から2つの基材キャリアに同時に製膜するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、放出装置66は片面にシャワープレートを備えるものであってもよい。
上記した実施形態では、シャワープレート71,72がその厚み方向に移動することによって、基材50の製膜面と放出開口73,74の距離を調整可能となっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、基材50を固定する基材保持装置20の位置をシャワープレート71,72の放出開口73,74に対して近接・離反可能な構造としてもよい。
上記した実施形態では、撮影手段で撮影した画像に基づいて判定工程を実施したが、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしも画像処理を行う必要はない。例えば、光照射手段からの光の輝度と、光検知手段(上記した実施形態では撮影手段)が受光した輝度との関係のみ算出して、異常を検知することもできる。
上記した実施形態では、256階調で画像処置を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、3以上の複数階調であれば、階調数は特に限定されない。
上記した実施形態では、基材保持装置20ごとに製膜条件を調整していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、同一の製膜チャンバー60に導入される基材保持装置20を一群とし、この基材保持装置20群ごとに製膜条件を調整してもよい。
上記した実施形態では、薄膜検知手段15は、搬出側搬送ライン11の上方に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、薄膜検知手段15の設置場所は、製膜装置での基材50の移動経路において、製膜室の下流側に設けられていれば良い。
例えば、移動チャンバーに設けられていてもよいし、キャリア仮置装置30,32に設けられていてもよい。
1,200 製膜装置
15 薄膜検知手段
16 光照射手段
17 撮影手段
20 基材保持装置
50 基材
63 製膜室
76 プラズマ発生電極

Claims (9)

  1. 基材上に薄膜を製膜する製膜装置であって、
    薄膜を製膜する製膜室と、複数の基材保持装置を備えた製膜装置において、
    前記基材保持装置は、前記基材を所定の姿勢で保持しつつ前記製膜室に出入りするものであり、
    薄膜の状態を検知する薄膜検知手段を有し、
    一の基材保持装置によって一の基材を前記製膜室内に搬送して製膜し、前記薄膜検知手段によって前記製膜された一の基材の薄膜の状態を検知し、異常があったことを条件として、前記一の基材保持装置によって後に搬送される他の基材への製膜条件を変更することを特徴とする製膜装置。
  2. 前記一の基材保持装置が前記製膜室から出た後、再度前記製膜室に入るまでの間に異なる基材保持装置が製膜室に出入りするものであり、
    前記異なる基材保持装置が搬送する基材に対しては、前記他の基材への製膜条件とは異なる製膜条件で製膜することを特徴とする請求項1に記載の製膜装置。
  3. 複数の製膜室を有し、
    特定の基材保持装置によって一の基材を特定の製膜室内に搬送して製膜し、前記薄膜検知手段によって前記製膜された一の基材の薄膜の状態を検知し、異常があったことを条件として、前記特定の基材保持装置と前記特定の製膜室を関連付けして、前記特定の基材保持装置が後に前記特定の製膜室に搬送する他の基材への製膜条件を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の製膜装置。
  4. 前記製膜装置は、プラズマCVD装置であり、製膜ガスを固化させることによって薄膜を製膜するものであり、
    前記製膜ガスは、一種類の気体からなる単純ガス又は複数種類の気体を混合した混合ガスであり、
    プラズマを発生可能なプラズマ発生電極と、前記基材に対して前記製膜ガスを放出する放出開口を有し、
    前記製膜された一の基材の薄膜の状態に異常があったことを条件として、前記一の基材保持装置によって搬送される他の基材への少なくとも下記(1)〜(9)のいずれかの製膜条件を前記異常が解消される方向に変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製膜装置。
    (1)基材温度
    (2)製膜ガスの流量
    (3)製膜室内の圧力
    (4)放出開口と基材との距離
    (5)放出開口の総開口面積
    (6)気体の混合比
    (7)印加電圧
    (8)高周波パワー密度
    (9)プラズマ発生電極と基材との距離
  5. 前記製膜された一の基材の薄膜の状態に異常があったことを条件として、前記一の基材保持装置によって搬送される他の基材に対する製膜時の印加電圧及び/又は気体の混合比を変更することを特徴とする請求項4に記載の製膜装置。
  6. 前記薄膜検知手段は、前記製膜された基材の表面に対して光を照射する光照射手段と、前記照射手段から照射された光の前記製膜された基材の表面での散乱光を取り込んで撮影する撮影手段を有し、
    前記製膜された基材の製膜面の全面積中の第1基準輝度以上の面積が第1閾値以上であることを条件として、薄膜の状態が異常であるとすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製膜装置。
  7. 前記薄膜検知手段は、前記製膜された基材の表面に対して光を照射する光照射手段と、前記照射手段から照射された光の前記製膜された基材の表面での散乱光を取り込んで撮影する撮影手段を有し、
    前記製膜された基材の製膜面の全面積中の第2基準輝度以下の面積が第2閾値以下であることを条件として、薄膜の状態が異常であるとすることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製膜装置。
  8. 前記製膜装置は、真空蒸着装置であって、製膜ガスを固化させることによって薄膜を製膜するものであり、
    前記製膜ガスは、一種類の気体からなる単純ガス又は複数種類の気体を混合した混合ガスであり、
    前記基材に対して、前記製膜ガスを放出する放出開口を有し、
    前記製膜された一の基材の薄膜の状態に異常があったことを条件として、前記一の基材保持装置によって搬送される他の基材への少なくとも下記(1)〜(6)のいずれかの製膜条件を前記異常が解消される方向に変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製膜装置。
    (1)基材温度
    (2)製膜ガスの流量
    (3)製膜室内の圧力
    (4)放出開口と基材との距離
    (5)放出開口の総開口面積
    (6)気体の混合比
  9. 前記薄膜の状態の異常は、下記の(10)〜(14)のいずれかで判定することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製膜装置。
    (10)膜厚
    (11)シート抵抗
    (12)ヘイズ率
    (13)平滑度
    (14)結晶化度
JP2015070075A 2015-03-30 2015-03-30 製膜装置 Active JP6416682B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015070075A JP6416682B2 (ja) 2015-03-30 2015-03-30 製膜装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015070075A JP6416682B2 (ja) 2015-03-30 2015-03-30 製膜装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016191081A true JP2016191081A (ja) 2016-11-10
JP6416682B2 JP6416682B2 (ja) 2018-10-31

Family

ID=57246551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015070075A Active JP6416682B2 (ja) 2015-03-30 2015-03-30 製膜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6416682B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113529028A (zh) * 2020-08-14 2021-10-22 友达光电股份有限公司 溅镀设备及其操作方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007214218A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Hitachi High-Technologies Corp 真空処理装置
JP2011122232A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Kaneka Corp Cvd装置及びcvd方法
JP2012094567A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Tokyo Electron Ltd 異常原因分析方法及び異常分析プログラム
JP2013098412A (ja) * 2011-11-02 2013-05-20 Hitachi High-Technologies Corp 真空処理装置および被処理体の搬送方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007214218A (ja) * 2006-02-08 2007-08-23 Hitachi High-Technologies Corp 真空処理装置
JP2011122232A (ja) * 2009-12-14 2011-06-23 Kaneka Corp Cvd装置及びcvd方法
JP2012094567A (ja) * 2010-10-25 2012-05-17 Tokyo Electron Ltd 異常原因分析方法及び異常分析プログラム
JP2013098412A (ja) * 2011-11-02 2013-05-20 Hitachi High-Technologies Corp 真空処理装置および被処理体の搬送方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113529028A (zh) * 2020-08-14 2021-10-22 友达光电股份有限公司 溅镀设备及其操作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6416682B2 (ja) 2018-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9666745B2 (en) Method for manufacturing a compound film
US9502276B2 (en) System architecture for vacuum processing
KR101959975B1 (ko) 유기층 증착 장치, 이를 이용한 유기 발광 디스플레이 장치의 제조 방법 및 이에 따라 제조된 유기 발광 디스플레이 장치
CN109689930B (zh) 用于原子层沉积的设备和方法
US8865259B2 (en) Method and system for inline chemical vapor deposition
US20110165316A1 (en) Plant for forming electronic circuits on substrates
JP2013052679A (ja) 多層パターンを印刷する方法及び装置
TW201945562A (zh) 用於一基板之光學檢查的設備、系統及方法以及使用其之用以對準一基板之一位置的系統
CN103252991A (zh) 用于多层图案的印刷的闭环反馈控制的方法和装置
KR102591022B1 (ko) 증착 시스템을 위한 마스크 및 마스크를 사용하기 위한 방법
JP2015156485A (ja) 縮小チャンバ空間を形成する装置、および多層体を位置決めする方法
CN110678962B (zh) 处理条件设定方法、存储介质和基板处理系统
KR20120046689A (ko) 박막형성장치 및 유기el디바이스 제조장치
JP6416682B2 (ja) 製膜装置
TW200843552A (en) Processing device and method for processing a substrate
TW201349531A (zh) 控制印在基板上的圖案的印刷的方法
CN103660551A (zh) 在衬底上印刷图案的方法和设备
JP2010223669A (ja) マスク検査装置、有機el装置の製造装置、マスク検査方法、有機el装置の製造方法
JP2011077473A (ja) 製膜方法及び製膜装置
JP2009260336A (ja) 太陽電池の検査装置用搬送装置
CN101755330A (zh) 具有线性源的群集工具
KR20130078736A (ko) 유기발광소자 양산용 클러스터 타입 증착장비
CN113471393A (zh) 成膜装置、成膜方法及电子器件的制造方法
KR20130078735A (ko) 유기발광소자 양산용 인―라인 타입 증착장비
JP5692750B2 (ja) 薄膜組成比検査方法及び製膜装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180122

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180831

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181004

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6416682

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250