JP2016190911A - 発泡フィルム、食品収容容器、フィルター構造体及び発泡フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工コストを抑える一方で所望の液体保持力が得られると共に気体の濾過も可能な発泡フィルム等を提供する。
【解決手段】合成樹脂を発泡させてなる発泡フィルム10は、シート本体11と、シート本体11の内部から外部にかけて連続するように形成された連続気泡12と、シート本体11の一方面から他方面にかけて貫通するように形成された貫通孔13とを有する。これにより、加工コストを抑える一方で所望の液体保持力が得られると共に気体の濾過も可能な発泡フィルムが得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】合成樹脂を発泡させてなる発泡フィルム10は、シート本体11と、シート本体11の内部から外部にかけて連続するように形成された連続気泡12と、シート本体11の一方面から他方面にかけて貫通するように形成された貫通孔13とを有する。これにより、加工コストを抑える一方で所望の液体保持力が得られると共に気体の濾過も可能な発泡フィルムが得られる。
【選択図】 図1
Description
この発明は合成樹脂からなる発泡フィルム、これを用いた食品収容容器及びフィルター構造体並びに発泡フィルムの製造方法に関するものである。
従来、第1非吸液性層、吸液性層、第2非吸液性層とから構成された複合層よりなるシート材料をプレス成形して食品収容容器を製造する技術が知られている(特許文献1及び特許文献2)。これらの先行技術では、吸液性層は、吸液性を有する紙により構成されている。又、第1非吸液性層及び第2非吸液性層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)により構成されている。又、食品収容容器の内面側の第1非吸液性層には、ミシン目が形成されており、食品収容容器に収容した食品から出た汁や油は、ミシン目から、吸液性層に侵入し、吸収される。
他にも吸液性層を設けた食品収容容器として、食品収容容器の内側の層をクレープ紙により構成し、裏側の層をPETにより構成したものや、食品収容容器の内側の層を不織布により構成し、裏側の層をPETにより構成したものも知られている。
更には、食品収容容器の内側の層を不織布により構成し、中間層を紙により構成し、裏側の層をPETにより構成したものも知られている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術では、PET、紙、PETからなる3層の複合層を貼り合わせて食品収容容器を製造しているので、材料費や、貼り合わせコストがかかる傾向にあった。
又、クレープ紙とPETとからなる食品収容容器では、クレープ紙と食品とが引っ付きやすく、食品収容容器から食品を取り出す際に、クレープ紙の一部が食品収容容器から剥がれて食品にクレープ紙が付着する、又は、食品収容容器に食品の一部が食品収容容器と引っ付いたまま残る可能性があった。
更に、不織布とPETとからなる食品収容容器では、不織布では不織布を構成する繊維の隙間に液体が保持されているだけのため、液体が食品収容容器の表面に戻ることがあり、液体保持力が十分でなかった。
更に、不織布と紙とPETととからなる食品収容容器では、やはり3層の複合層構造であるため、材料費や、貼り合わせの加工コストがかかる傾向にあった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、加工コストを抑える一方で所望の液体保持力が得られると共に気体の濾過も可能な発泡フィルム、これを用いた食品収容容器及びフィルター構造体並びに発泡フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、合成樹脂を発泡させてなる発泡フィルムであって、シート本体と、シート本体の内部から外部にかけて連続するように形成された連続気泡と、シート本体の一方面から他方面にかけて貫通するように形成された貫通孔とを有するものである。
このように構成すると、液体等の保持や気体の濾過が可能となる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、親水加工がなされているものである。
このように構成すると、発泡フィルムが水を吸収しやすくなる。
請求項3記載の発明は、シート材料により構成される食品収容容器であって、シート材料は、非吸液性を有し、容器外方側の全面に形成される非吸液性層と、請求項1又は請求項2記載の発泡フィルムよりなり、非吸液性層よりも内方側の少なくとも一部において、吸液可能に配置された吸液性層とを備えたものである。
このように構成すると、食品収容容器が、容器全面に形成される吸液性層とその内方にある非吸液性層との少なくとも2層から構成される。
請求項4記載の発明は、発泡フィルムから構成される食品収容容器であって、発泡フィルムは、シート本体と、シート本体の一方の表面から内部にかけて連続するように形成された連続気泡とを備え、シート本体の他方の表面が容器外側となるように配置されたものである。
このように構成すると、食品収容容器の外方の全面が非吸液性となり、内方が吸液性となる。
請求項5記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発泡フィルムをフィルター材とする、フィルター構造体である。
このように構成すると、連続気泡及び貫通孔によって、その中を通過する油煙に含まれる油等を吸収できるフィルター構造体が得られる。
請求項6記載の発明は、合成樹脂100重量部に対して、発泡剤0.27〜5.4重量部を混合して得られる混合物を押出機に供給する供給工程と、押出機において混合物を加熱及び加圧したものをフィルムダイから吐出する吐出工程とを含む、発泡フィルムの製造方法である。
このように構成すると、連続気泡や貫通孔を当初から有する発泡フィルムが得られる。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、液体等の保持や気体の濾過が可能となるため、様々な応用が可能で有用なフィルムが得られる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、発泡フィルムが水を吸収しやすくなるため、水分を吸収する必要がある場合に好適な発泡フィルムが得られる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、食品収容容器が、容器全面に形成される吸液性層とその内方にある非吸液性層との少なくとも2層から構成されるため、液漏れのない食品収容容器が得られる。
請求項4記載の発明は、食品収容容器の外方の全面が非吸液性となり、内方が吸液性となるため、加工コストを抑えることができる。
請求項5記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、連続気泡及び貫通孔によって、その中を通過する油煙に含まれる油等を吸収できるフィルター構造体が得られるので、発泡フィルムの活用の幅が広がる。
請求項6記載の発明は、連続気泡や貫通孔を当初から有する発泡フィルムが得られるので、後工程での穴あけ加工等が不要となり、効率的な製法となる。
図1は、この発明の第1の実施の形態による発泡フィルムの断面の拡大写真であり、図2は、図1に示した発泡フィルムの“X”
部分の拡大写真である。
部分の拡大写真である。
まず、図1及び図2を参照して、発泡フィルム10は、合成樹脂を発泡させながらシート状に形成してなるものであり、シート本体11と、シート本体11の内部から外部にかけて連続するように形成された連続気泡12と、シート本体11の一方面から他方面にかけて貫通するように形成された貫通孔13とを有する。
発泡フィルム10のサイズは、図1に示すように、比較的、厚みのある箇所で、317.94μmであり、図2に示すように、比較的、薄い箇所で、271.61μmである。
尚、気泡(単泡)14のサイズは、水平方向には38.97μmであり、垂直方向には118.97μmである。又、気泡(単泡)15は、垂直方向に55.74μmのサイズである。
このような発泡フィルム10によると、連続気泡12及び貫通孔13において液体等を保持したり、貫通孔13において気体を濾過したりすることが可能となるため、様々な分野に応用でき有用である。
図3は、図1及び図2に示したような発泡フィルムの製造方法の一例を示す模式図である。
図3を参照して、押出機20は、シリンダー21を収容し、当該シリンダー内の温度を調整可能に構成されたバレル23と、シリンダー21内に材料を供給するためのホッパー22と、シリンダー21内において回転可能に収容されるスクリュー24と、スクリュー24を回転させる回転駆動機構25とを備える。尚、同図では、スクリュー24として、単軸用のものを示しているが、これに限られず2軸(多軸)用のものを採用してもよい。
又、押出機20の先端には、アダプターを介してフィルムダイ26が取り付けられている。又、巻取機27は、フィルムダイ26から吐出された押出物を引き取るものであり、冷却ロール、案内ロール及び巻取ロールを含む構成である。
発泡フィルムの製造にあっては、まず、オレフィン系樹脂(ポリプロピレン(PP)及びポリエチレン(PE)等)等の合成樹脂に対して、発泡剤を混合して得られる混合物を、押出機20のホッパー22に供給する。ここで、発泡剤の比率が低いと、製造する発泡フィルムに含まれる貫通孔及び気泡の割合が少なくなり、発泡剤の比率が高いと、貫通孔及び気泡の割合が多くなる。一方、発泡剤の比率を高くし過ぎると、過度に貫通孔及び気泡が形成されるため製造が難しくなる。従って、合成樹脂と発泡剤との比率は、合成樹脂100重量部に対して、発泡剤0.27〜5.4重量部とすることが好ましく、0.54〜2.7重量部とするのがより好ましい。
次に、ホッパー22からシリンダー21内に供給された混合物を、シリンダー21内において加熱及び加圧して溶融混錬したものをフィルムダイ26から吐出する。フィルムダイ26から吐出された押出物は、吐出された瞬間に押出物に含まれる発泡剤が発泡し、孔あき且つ多孔質フィルムに成形される。
更に、フィルムダイ26から吐出されたシート状のフィルムを、巻取機27の冷却ロールで引き取る過程で冷却し、案内ロールを介して、巻取ロールに巻き取る。
以上の工程により発泡フィルムを製造することができる。上記のような発泡フィルムの製造方法によると、連続気泡や貫通孔を有する発泡フィルムが同時に得られるので、後工程での穴あけ加工等が不要となり、効率的な製法となる。
図4は、この発明の第2の実施の形態による食品収容容器の外観を示す斜視図であり、図5は、図4に示した食品収容容器のV−Vラインにおける概略端面図であり、図6は、図5に示した“Y”部分の拡大端面図である。
これらの図を参照して、この実施の形態による食品収容容器30にあっては、後述する複合層よりなるシート材料のプレス成形により形成され、円形形状の底部31と、底部31の外周端部から斜め上方に立ち上がる襞付きの側壁部32とから構成されている。
複合層は、非吸液性を有し、容器外面側の全面に形成された非吸液性層33と、接着層35を介して非吸液性層33の容器内面側の全面に貼り合わされた吸液性層34とから構成される。尚、吸液性層34及び非吸液性層33は、接着層35を介して貼り合わせている。
吸液性層34は、上記第1の実施の形態で示したような発泡フィルムからなる。非吸液性層33は、厚さ12μmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)からなる。
このように構成すると、食品収容容器30が吸液性層34と非吸液性層33との2層から構成されるため、3層の複合層構造を有する従来の食品収容容器と比較すれば、加工コストを抑えることができる。又、食品収容容器の内面側がクレープ紙であった従来の食品収容容器と比較すると、合成樹脂製の発泡フィルムであるため、クレープ紙のように容易に剥がれたりせず、食品が付着することを抑制することができる。又、食品収容容器の内面側が不織布であった従来の食品収容容器と比較すると、吸液性層における液体保持力も十分確保できる。
図7は、この発明の第3の実施の形態によるフィルター構造体の外観を示す斜視図である。
同図を参照して、レンジフード50の吸気口52の開口53に、矩形形状の金属フィルター54が取り付けられる。
フィルター構造体40は、上記の第1の実施の形態で示したような発泡シートをフィルター材としており、そのサイズを金属フィルター54の形状に合わせて形成している。
取付けに際しては、例えば、金属フィルター54の四隅に、粘着テープ等を介してフィルター構造体40を固定する。
このように構成すると、連続気泡及び貫通孔によって、その中を通過する油煙に含まれる油等を吸収できるフィルター構造体40が得られる。発泡フィルムはこのように幅広く活用することができる。
尚、上記の第1の実施の形態では説明しなかったが、発泡フィルムは、親水加工がなされていてもよい。PPやPEといった合成樹脂は、油を吸い取りやすい性質を有しているが疎水性のため水等の液体とはなじみにくいため、発泡により形成された気泡や貫通孔に吸い取られにくい傾向がある。そこで、例えば、発泡剤と合成樹脂とを混ぜ合わせる際、親水剤(親水性を付加するための薬剤)を添加することにより、PPやPEといった疎水性の性質を有する合成樹脂を使用した場合でも、発泡により形成された気泡や貫通孔も親水性が付与されるため水ともなじみやすくなり、その結果、油だけでなく水等の液体も吸い取りやすくなる。又、親水剤としては、特に限定されないが、例えば、花王株式会社製のエキセルS−95等を用いることができる。又、発泡剤及び合成樹脂に添加するのではなく、発泡フィルムの表面を親水性コート剤によりコーティング又はディッピングすることで、親水性を付加してもよい。
このように構成すると、発泡フィルムが水を吸収しやすくなるため、水分を吸収する必要がある場合に好適な発泡フィルムが得られる。
又、上記の第1の実施の形態では、吸液性層34が、非吸液性層33の容器内面側の全面に貼り合わされていたが、これに限られず、吸液性層34は、非吸液性層33の容器内面側の少なくとも一部に貼り合わされていればよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、非吸液性層として透明な厚さの12μmのPETを用いているが、これに限られず、任意の非吸液性を有する素材を用いることができる。例えば、外側面又は内側面若しくは両側に絵柄が印刷されたものや、アルミニウム箔等、同一の効果を奏するものを用いればよい。
更に、上記の第2の実施の形態では、説明しなかったが、食品収容容器は、シート材料により構成される食品収容容器であって、シート材料は、非吸液性を有し、容器外方側の全面に形成される非吸液性層と、上記の第1の実施の形態に係る発泡フィルムよりなり、非吸液性層よりも内方側の少なくとも一部において、吸液可能に配置された吸液性層とを備えていればよい。尚、吸液性層を構成する発泡フィルムよりも容器内面側に、ミシン目が形成されたPETフィルム等をラミネートし、このミシン目を通じて水等の液が発泡フィルムに吸収されるように構成することで、吸液性層が吸液性を発揮可能なように構成してもよい。
そして、吸液性層と非吸液性層との間に別の機能を有する層が形成されていてもよく、非吸液性層よりも容器外面側に更に別の機能を有する層が形成されていてもよい。
例えば、発泡フィルムを吸液性層として用い、非吸液性・接着性フィルムを非吸液性層として用いて、発泡フィルム及び非吸液性・接着性フィルムとを一緒に押し出した場合、非吸液性層(非吸液性フィルム)よりも外側に、紙材料からなる層を更に設けてもよい。この場合、非吸液性層としての非吸液性・接着性フィルムを、発泡フィルムと紙材料からなる層とを接着する接着層としても用いることができる。紙材料からなる層としては、例えば、坪量35g/m2の純白紙を用いることができる。つまり、3以上の層からなる複合層を有する食品収容容器を構成する場合、吸液性層の外側の層であって、最も外側にある層よりも内側にある層及び最も外側にある層のいずれかが、非吸液層として機能すればよい。このようにして、液漏れのない食品収容容器を得ることができる。
更に、上記の第2の実施の形態では、吸液性層及び非吸液性層を、接着層を介して接着していたが、吸液性層及び非吸液性層を接合できれば、接合方法は、これに限られない。
例えば、押出しラミネート加工により、PP、PE等からなり、非吸液性層を構成するシート材に発泡フィルムを直接押し出してもよい。これにより薄い複合層を形成することができる。
又、吸液性層の発泡フィルムと非吸液性層とを個別に製造し、ドライラミネート加工により、接着剤等を介して、発泡フィルムと、ラミネートフィルムとを貼り合わせてもよい。尚、接着剤として、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン系接着剤の三井化学株式会社製タケラックA310等を好適に用いることができる。
更に、上記の各実施の形態では、特に説明しなかったが、押し出した発泡フィルムを二軸延伸してもよい。
更に、第2の実施の形態による食品収容容器にて用いた複合層よりなるシート材料に代えて、シート本体と、シート本体の一方の表面から内部にかけて連続するように形成された連続気泡とを備えた発泡フィルムを用いることもできる。この場合、シート本体の他方の表面が容器外側となるように、即ち、シート本体の一方の表面が容器内側となるように配置する。このように構成すると、容器外側の全面は非吸液性となり、容器内側は吸液性となる。
尚、例えば、上記第1の実施の形態で示したような発泡フィルムと非発泡のフィルムとを共押し出しして積層することで、このような発泡フィルムと同等の機能を有するシート材料を得ることができる。
以下のように、上記第2の実施の形態で示した食品収容容器に係る実施例1と背景技術に記載したような従来品に係る比較例1〜3とを比較し、食品への付着のしにくさと、液体保持力と、加工コストとを評価して、本発明の有用性を確認した。但し、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
1.実施例1に係る食品収容容器の準備
1−1.製造設備
(1)押出機・・・「二層フィルム押出成形機」
・スクリュー:直径φ20mm、バレル長700mm、L/D比35
(2)フィルムダイ
・リップ間隔:1mm
1−2.材料
・合成樹脂・・・PP(エチレンとのランダム共重合体)樹脂 品番:F327(株式会社プライムポリマー製)
・発泡剤マスターバッチ ・・・重曹系化学発泡剤マスターバッチ 品番:ポリスレン EE275F(永和化成工業株式会社製) マスターバッチ中の発泡剤濃度27重量%
・樹脂と発泡剤との比率(重量比) PP:発泡剤マスターバッチ=100:3(発泡剤としては0.81)
1−3.発泡フィルムの製造工程
下記の設定で上記第1の実施の形態で示した製造工程により、厚み約270μm、坪量80g/m2の発泡フィルムを製造した。
(1)押出機
押出し温度:約200℃(シリンダー内温度)
押出し圧力:約0.1MPa
スクリュー回転数:30rpm
回転駆動機構の回転数:7rpm
(2)フィルムダイ
押出し温度:約200℃
(3)巻取機
冷却ロール温度:約40℃
引き取り速度:15rpm
尚、PPの比重は、約0.90g/cm3であるので、同一厚さで空隙のない標準的なPPフィルム体の坪量は、約243g/m2である。標準的なPPフィルム体の坪量と発泡フィルムの坪量の差分を計算して、標準的なPPフィルム体の坪量に対する当該差分の比率から空隙の割合を計算することができる(ここでは、この比率のことを「空隙率」と呼ぶ)。そこで、この空隙率を計算すると、約67%となる。
1−4.食品収容容器の製造
上述の製造工程によって製造した発泡フィルムの一方面に、ドライラミネート加工により、厚さ12μmのPETフィルムをラミネートして、実施例1に係る食品収容容器を製作した。即ち、実施例1に係る食品収容容器は以下の構成である。
〔実施例1〕
坪量80g/m2の発泡フィルムからなる内側層(吸液性層)と、この内側層の外面側にドライラミネート加工によりラミネートされ、厚さ12μmのPETフィルムからなる外側層とを備える食品収容容器。
2.比較例の準備
比較例として下記比較例1〜比較例3を準備した。
〔比較例1〕
比較例1に係る食品収容容器として、坪量54g/m2のクレープ紙からなる内側層(吸液性層)と、この内側層の外面側にドライラミネート加工によりラミネートされ、厚さ12μmのPETフィルムからなる外側層とを備えるものを準備した。
〔比較例2〕
比較例1に係る食品収容容器として、坪量45g/m2の不織布からなる内側層(吸液性層)と、この内側層の外面側にドライラミネート加工によりラミネートされ、厚さ12μmのPETフィルムからなる外側層とを備えるものを準備した。
〔比較例3〕
比較例3に係る食品収容容器として、坪量10g/m2の不織布からなる第1の層と、この第1の層(吸液性層)の外面側に、サーマルラミネート加工によりラミネートされ、坪量24g/m2の紙によりなる第2の層(吸液性層)と、この第2の層の外面側にドライラミネート加工によりラミネートされ、厚さ12μmのPETフィルムからなる第3の層とを備えるものを準備した。
3.食品への付着のしにくさに関する実験
3−1.測定条件
試験体の上に食品(マルハニチロ株式会社製・「さつまいも天ぷら」にタレをかけたもの)15gを置き、電子レンジ(パナソニック株式会社製・品番:NE−M266)の中に入れ、出力800Wで1分間加熱した。そして、加熱後、十分さました後、試験体に食品の一部がくっついていないかを確認した。
3−2.評価基準
試験体に食品の一部が付着していなかった場合、合格とし、付着していた場合、不合格とした。
4.液体保持力に関する実験
4−1.測定条件
各試験体をφ94mmのサイズになるよう適宜カットし、各試験体の間でサイズ(面積:6936.26mm2)を揃えて、その重量を測定した。
1.実施例1に係る食品収容容器の準備
1−1.製造設備
(1)押出機・・・「二層フィルム押出成形機」
・スクリュー:直径φ20mm、バレル長700mm、L/D比35
(2)フィルムダイ
・リップ間隔:1mm
1−2.材料
・合成樹脂・・・PP(エチレンとのランダム共重合体)樹脂 品番:F327(株式会社プライムポリマー製)
・発泡剤マスターバッチ ・・・重曹系化学発泡剤マスターバッチ 品番:ポリスレン EE275F(永和化成工業株式会社製) マスターバッチ中の発泡剤濃度27重量%
・樹脂と発泡剤との比率(重量比) PP:発泡剤マスターバッチ=100:3(発泡剤としては0.81)
1−3.発泡フィルムの製造工程
下記の設定で上記第1の実施の形態で示した製造工程により、厚み約270μm、坪量80g/m2の発泡フィルムを製造した。
(1)押出機
押出し温度:約200℃(シリンダー内温度)
押出し圧力:約0.1MPa
スクリュー回転数:30rpm
回転駆動機構の回転数:7rpm
(2)フィルムダイ
押出し温度:約200℃
(3)巻取機
冷却ロール温度:約40℃
引き取り速度:15rpm
尚、PPの比重は、約0.90g/cm3であるので、同一厚さで空隙のない標準的なPPフィルム体の坪量は、約243g/m2である。標準的なPPフィルム体の坪量と発泡フィルムの坪量の差分を計算して、標準的なPPフィルム体の坪量に対する当該差分の比率から空隙の割合を計算することができる(ここでは、この比率のことを「空隙率」と呼ぶ)。そこで、この空隙率を計算すると、約67%となる。
1−4.食品収容容器の製造
上述の製造工程によって製造した発泡フィルムの一方面に、ドライラミネート加工により、厚さ12μmのPETフィルムをラミネートして、実施例1に係る食品収容容器を製作した。即ち、実施例1に係る食品収容容器は以下の構成である。
〔実施例1〕
坪量80g/m2の発泡フィルムからなる内側層(吸液性層)と、この内側層の外面側にドライラミネート加工によりラミネートされ、厚さ12μmのPETフィルムからなる外側層とを備える食品収容容器。
2.比較例の準備
比較例として下記比較例1〜比較例3を準備した。
〔比較例1〕
比較例1に係る食品収容容器として、坪量54g/m2のクレープ紙からなる内側層(吸液性層)と、この内側層の外面側にドライラミネート加工によりラミネートされ、厚さ12μmのPETフィルムからなる外側層とを備えるものを準備した。
〔比較例2〕
比較例1に係る食品収容容器として、坪量45g/m2の不織布からなる内側層(吸液性層)と、この内側層の外面側にドライラミネート加工によりラミネートされ、厚さ12μmのPETフィルムからなる外側層とを備えるものを準備した。
〔比較例3〕
比較例3に係る食品収容容器として、坪量10g/m2の不織布からなる第1の層と、この第1の層(吸液性層)の外面側に、サーマルラミネート加工によりラミネートされ、坪量24g/m2の紙によりなる第2の層(吸液性層)と、この第2の層の外面側にドライラミネート加工によりラミネートされ、厚さ12μmのPETフィルムからなる第3の層とを備えるものを準備した。
3.食品への付着のしにくさに関する実験
3−1.測定条件
試験体の上に食品(マルハニチロ株式会社製・「さつまいも天ぷら」にタレをかけたもの)15gを置き、電子レンジ(パナソニック株式会社製・品番:NE−M266)の中に入れ、出力800Wで1分間加熱した。そして、加熱後、十分さました後、試験体に食品の一部がくっついていないかを確認した。
3−2.評価基準
試験体に食品の一部が付着していなかった場合、合格とし、付着していた場合、不合格とした。
4.液体保持力に関する実験
4−1.測定条件
各試験体をφ94mmのサイズになるよう適宜カットし、各試験体の間でサイズ(面積:6936.26mm2)を揃えて、その重量を測定した。
次に、水0.5gを試験体に垂らし、更に、吸水性のある素材で水を垂らした部分を拭き取った後、その重量を測定した。
各試験体は3セットずつ用意し、各試験体について、このような測定を3回繰り返した。
水を垂らす前の試験体の重さの平均と、水を垂らして拭き取った後の試験体の重さの平均との差を求めることで保水量を算出した。
4−2.評価基準
保水量が少ないと、拭き取ったときに水が試験体の吸液性層から外部に逆戻りしやすく、液体保持力が小さいと言える。このため、垂らした水0.5gの半分の0.25g以上の水が保持されているか否かにより評価を行った。即ち、保水量が、0.25以上であれば、合格とし、0.25未満であれば、不合格とした。
5.加工コストに関する考察
以上の実験のほか、各試験体について、加工コストを押し上げる要素があるか否かを評価した。
6.実験結果
上述のようにして行った比較例1〜3及び実施例に係る実験結果を以下の表1に示す。
4−2.評価基準
保水量が少ないと、拭き取ったときに水が試験体の吸液性層から外部に逆戻りしやすく、液体保持力が小さいと言える。このため、垂らした水0.5gの半分の0.25g以上の水が保持されているか否かにより評価を行った。即ち、保水量が、0.25以上であれば、合格とし、0.25未満であれば、不合格とした。
5.加工コストに関する考察
以上の実験のほか、各試験体について、加工コストを押し上げる要素があるか否かを評価した。
6.実験結果
上述のようにして行った比較例1〜3及び実施例に係る実験結果を以下の表1に示す。
その結果、実施例1、比較例2及び比較例3については、実験後、試験体に食品の一部が付着していなかった。
これに対して、比較例1については、実験後、試験体に食品の一部が付着していた。これは、比較例1では、食品が接触する内側層がクレープ紙より構成されていることに起因するものと考えられる。
(2) 次に、表1の「液体保持力」の列を参照して、保水量が、0.25以上のものは、“〇”印を、0.25未満のものは、“×”印を付けている。
(2) 次に、表1の「液体保持力」の列を参照して、保水量が、0.25以上のものは、“〇”印を、0.25未満のものは、“×”印を付けている。
ここで、以下の表2及び表3に、詳細な実験データを示す。
表2には、水を垂らす前の試験体の重量の3回分のデータと、水を垂らして、拭き取った後の試験体の重量の3回分のデータとを示している。
又、表3には、各試験体について、水を垂らす前の試験体の重量の3回分のデータの平均値と、水を垂らして、拭き取った後の試験体の重量の3回分のデータの平均値と、これらの平均値の差分から求められる保水量とを示している。尚、便宜上、表3に示す各平均値は、小数点第4位を四捨五入したものを示している一方で、保水量のデータは、平均結果を丸めることなく表2のデータから直接求めている。このため、実施例1及び比較例3では、これらの差が、保水量のデータと一致していない点に留意されたい。
以上より、実施例1、比較例1及び比較例3については、良好な保水量が得られており、液体保持力が高いことが確認できた。
これに対して、実施例2については、保水量が低く、液体保持力が低かった。これは、比較例2では、内側層が不織布より構成されており、水が逆戻りしやすい不織布のみで水を吸収していたことに起因するものと考えられる。
(3) 次に、「加工コスト」の列を参照して、加工コストを押し上げる要素があるものについては、“×”印を、加工コストを押し上げる要素が特にないものについては、“〇”印を付けている。
(3) 次に、「加工コスト」の列を参照して、加工コストを押し上げる要素があるものについては、“×”印を、加工コストを押し上げる要素が特にないものについては、“〇”印を付けている。
その結果、比較例3は、不織布からなる第1の層と、紙からなる第2の層と、PETフィルムからなる第3の層とを備える三層構造を有しているため、貼り合わせの加工コストが高くなることが考えられるため、不合格“×”としている。
(4) 以上より、実施例1は、「食品への付着のしにくさ」、「液体保持力」及び「加工コスト」のすべてにおいて、良好な結果を示しており、本発明の有用性が確認できた。
(4) 以上より、実施例1は、「食品への付着のしにくさ」、「液体保持力」及び「加工コスト」のすべてにおいて、良好な結果を示しており、本発明の有用性が確認できた。
10…発泡フィルム
11…シート本体
12…連続気泡
13…貫通孔
20…押出機
26…フィルムダイ
30…食品収容容器
33…非吸液性層
34…吸液性層
40…フィルター構造体
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
11…シート本体
12…連続気泡
13…貫通孔
20…押出機
26…フィルムダイ
30…食品収容容器
33…非吸液性層
34…吸液性層
40…フィルター構造体
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (6)
- 合成樹脂を発泡させてなる発泡フィルムであって、
シート本体と、
前記シート本体の内部から外部にかけて連続するように形成された連続気泡と、
前記シート本体の一方面から他方面にかけて貫通するように形成された貫通孔とを有する、発泡フィルム。 - 親水加工がなされている、請求項1記載の発泡フィルム。
- シート材料により構成される食品収容容器であって、
前記シート材料は、
非吸液性を有し、容器外方側の全面に形成される非吸液性層と、
請求項1又は請求項2記載の発泡フィルムよりなり、前記非吸液性層よりも内方側の少なくとも一部において、吸液可能に配置された吸液性層とを備えた、食品収容容器。 - 発泡フィルムから構成される食品収容容器であって、
前記発泡フィルムは、
シート本体と、
前記シート本体の一方の表面から内部にかけて連続するように形成された連続気泡とを備え、
前記シート本体の他方の表面が容器外側となるように配置された、食品収容容器。 - 請求項1又は請求項2記載の発泡フィルムをフィルター材とする、フィルター構造体。
- 合成樹脂100重量部に対して、発泡剤0.27〜5.4重量部を混合して得られる混合物を押出機に供給する供給工程と、
前記押出機において前記混合物を加熱及び加圧したものをフィルムダイから吐出する吐出工程とを含む、発泡フィルムの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2015070713A JP2016190911A (ja) | 2015-03-31 | 2015-03-31 | 発泡フィルム、食品収容容器、フィルター構造体及び発泡フィルムの製造方法 |
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- 2015-03-31 JP JP2015070713A patent/JP2016190911A/ja active Pending
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