JP2016190675A - 吐出容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】逆止弁41は、外気吸入時における異音の発生が抑えられる程度に当該外気吸入時における外気流量を増大させる外気流量増大手段7、あるいは、外気吸入時における当該逆止弁41のモード振幅を低減させるモード振幅低減手段8を備えている。外気流量増大手段7は、逆止弁41を薄く形成するための構成を含むものであってもよいし、逆止弁41を、外気流入時における外気の流れ方向上流に向けて凸状に反った断面形状とするものであってもよい。また、外気流量増大手段7は、逆止弁41の基端部41bを支持する支持部材71を含むものであってもよい。モード振幅低減手段8は、逆止弁41の外周部に形成された厚肉部41cを含むものであってもよい。
【選択図】図16
Description
内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性の内容器、および該内容器が内装されており、弾性変形して該内容器との間に外気を吸入するための吸気孔が形成された外容器を有する容器本体と、
内容物を吐出する吐出口が天面部に形成されており、該容器本体の口部に装着される吐出キャップと、
外部と吸気孔とを連通する外気導入孔と、
該外気導入孔から導入された外気の流路の近傍に設けられた弁座と、
該弁座に座するリップ部を備えており、該外気導入孔と吸気孔との連通およびその遮断を切り替える逆止弁であって、外容器と内容器との間に外気が吸入される外気吸入時に撓み、リップ部が弁座から離反した状態となって外気導入孔と吸気孔とを連通させる逆止弁と、
を備える吐出容器であって、
逆止弁は、外気吸入時における異音の発生が抑えられる程度に当該外気吸入時における外気流量を増大させる外気流量増大手段を備えている。
内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性の内容器、および該内容器が内装されており、弾性変形して該内容器との間に外気を吸入するための吸気孔が形成された外容器を有する容器本体と、
内容物を吐出する吐出口が天面部に形成されており、該容器本体の口部に装着される吐出キャップと、
外部と吸気孔とを連通する外気導入孔と、
該外気導入孔から導入された外気の流路の近傍に設けられた弁座と、
該弁座に座するリップ部を備えており、該外気導入孔と吸気孔との連通およびその遮断を切り替える逆止弁であって、外容器と内容器との間に外気が吸入される外気吸入時に撓み、リップ部が弁座から離反した状態となって外気導入孔と吸気孔とを連通させる逆止弁と、
を備える吐出容器であって、
逆止弁は、外気吸入時における当該逆止弁のモード振幅を低減させるモード振幅低減手段を備えている。
続いて、本実施形態の吐出容器10における逆止弁41の音鳴り(異音)発生抑止のための構成について以下に説明する(図16等参照)。なお、逆止弁41の部分的な断面構造を示す図16等では、見やすさ等を考慮し、ハッチングは付さずに断面部分のみを図示することとする。
外気吸入時における音鳴りのメカニズムは、以下のとおりであるとの知見が得られるに至った。すなわち、外気導入孔34から導入された空気は、弁座31aに接していたリップ部41aを引き離し、その間に形成された隙間を通過し、外気流通孔28、吸気孔19を通過し、内容器11と外容器12との間に流れ込む(図3等参照)。このとき、特に、逆止弁41の近傍における空気流路の内部を流れる空気の圧力が変化して圧力小の状態と圧力大の状態が交互に生じると、逆止弁41の振動を励起し(図17参照)、これにより空気の疎密が発生し、これが音鳴り(異音発生)現象を引き起こすと考えられた。
外気流量増大手段7は、外気吸入時における外気流量を増大させることにより、外気吸入時における異音の発生が抑えるための手段である。このような外気流量増大手段7によれば、外気吸入時における逆止弁41の撓みが大きくなり、外気流量が増大する結果、空気の疎密現象を抑止ないし消滅させることが可能となる(図18参照)。このような外気流量増大手段7を備えた吐出容器10は、外気吸入時における外気流量を増大させ、空気の疎密に起因した流入空気の変動を抑えることにより、外気吸入時における音鳴りの発生を抑える。その根拠としては以下が挙げられる。
・空気流入量が一定値に達することで音鳴り発生が抑止される。
・逆止弁41の剛性が低くなることで音鳴り発生が抑止される。
・外気吸入時の逆止弁41の撓みが大きくなり、弁座31aとリップ部41a間に形成される流路の面積が大きくなることで、音鳴り発生が抑止される。
外気流量増大手段7の具体例について以下に説明する。外気流量増大手段7の一例は、逆止弁41の撓みを増大させるための構成を含むものである。また、外気流量増大手段7は、逆止弁41を薄く形成するための構成を含むものであってもよい。これらの構成の具体例としては、逆止弁41としての機能を確保しつつ当該逆止弁41を従前よりも薄くする構成などが含まれる。さらに、この場合の外気流量増大手段7は、逆止弁41の基端部41bを支持する支持部材71を含むものであってもよい。支持部材71は、特に、逆止弁41を薄肉化した場合の強度低下を補って強度を確保する機能を有する。
ここで、外気吸入時における逆止弁41の撓み(変位)を解析する手順(その1)として以下を挙げることができる。すなわち、流体解析することにより、外気吸入時に逆止弁41にかかる圧力分布を求めるというものである。
また、外気吸入時における逆止弁41の撓み(変位)を解析する手順(その2)としては、構造解析して撓み(変位)を求めることを挙げることができる。この場合の方法としては、構造解析において、流体解析によって得られた圧力分布を逆止弁41に与える、といったものがある。
ここで、外気吸入時における逆止弁41の撓み(変位)を表す指標として「撓み比」を導入する。撓み比は、
撓み比=(構造変更後の変位量最大値(構造解析結果)/現行(従来)の変位量最大値(構造解析結果))×100[%]
で定義される。
モード振幅低減手段8は、外気吸入時における逆止弁41のモード振幅を低減させるための手段である。
モード振幅低減手段8の具体例について以下に説明する。モード振幅低減手段8の一例は、逆止弁41の外周部41pに形成された厚肉部41cを含むという構成である。厚肉部41cは、外気吸入時における逆止弁41のモード振幅を低減させる手段として機能しうる。この場合の厚肉部41cは、例えば、弁座31aと接触するリップ部41aの裏側に形成されたリブで形成されたもの等である。あるいは、厚肉部41cは、逆止弁41において同心円状に配置された複数の厚肉部分で構成されるものであってもよい。リブ等からなる厚肉部41cは、逆止弁41の外周部等を強化し、モード振幅を低減させる。
本明細書におけるモード解析とは、構造有限要素解析により、構造物の固有振動数および振動モードを得る手法である。
物体には、固有振動数が複数存在しており、それぞれの固有振動数における物体の振動状態は、振動モードと呼ばれる。物体の振動モードを得る手法には、モード解析がある。
ここで、吐出容器10の逆止弁41におけるモード振幅低減効果を検討する指標として「モード振幅比」を導入する。モード振幅比は、
モード振幅比=(構造変更後のモード振幅/現行(従来)のモード振幅)×100[%]
で定義される。
音鳴り現象に関与し、したがって音鳴り発生の抑止に寄与しうるパラメータとしては、加振力、剛性、減衰が挙げられる。加振力は、外気吸入時における空気の流量に依存する。剛性は、材料のヤング率および弁形状に依存する。減衰は、材料に依存する。
上述の「剛性」というパラメータに着目すると、静圧が一定という条件の下において以下のようになる(かかる剛性の変化と撓みの関係に着目した後述の実施例4参照)。なお、ここでいう静圧が一定というのは、実際の音鳴り時、逆止弁にかかる圧力は変動するが、撓みの解析を行う際は、一定の圧力が負荷しているものとして解析を行っていることを意味している。
(A)剛性を従前構造よりも低くする→一定の静圧下、逆止弁41の撓みは大きくなる
(B)剛性を従前構造よりと同等とする→一定の静圧下、逆止弁41の撓みは同等
(C)剛性を従前構造よりも高くする→一定の静圧下、逆止弁41の撓みは小さくなる
本発明者は、上述した外気流量増大手段7および/またはモード振幅低減手段8を適用した吐出容器10の逆止弁41の具体的構造例について種々検討した。当該構造により達成される撓み比、モード振幅比と併せて以下に説明する(図21〜図31参照)。なお、図21には従前構造を参考例として示す。
続いて、本発明者は、上述した例A09の逆止弁41(薄肉化された逆カーブ形状であって、尚かつ厚肉部41cを有する逆止弁41)に着目し、逆カーブ形状の反り(逆カーブ反り)、厚み(逆カーブ厚み)について種々検討した。検討するにあたっては、以下の定義を用いた(図32参照)。
・モード振幅は逆止弁41の外周部41pの厚肉部(リブ)41cによって制御されていることが推測されるため、すべての例(パターン)B01〜B07でほぼ同じ値を示す
・解析上、逆カーブ反りを大きくすれば、外気吸入時における逆止弁41の撓みは大きくなる。
・解析上、逆カーブ厚みを小さくすれば、外気吸入時における逆止弁41の撓みは大きくなる。
続いて、本発明者は、上述した例A09の逆止弁41(薄肉化された逆カーブ形状であって、尚かつ厚肉部41cを有する逆止弁41)に関し、当該逆止弁41の基端部41bを支持する支持部材71の構造によって撓み比、モード振幅比がどのように変わるかについても検討した(図42〜図46参照)。
・解析上、支持部材71を形成すると、逆止弁41の撓み比は減少する。
・支持部材71を大型化するほど、逆止弁41の撓み比は減少する。
・逆止弁41の外周部41pに形成した厚肉部(リブ)41cの構造等が同等である限り、モード振幅比に変化はない。
上述した逆止弁41の剛性の変化と当該逆止弁41の撓みの関係に着目した本発明者は、(A)剛性が従前構造よりも低、(B)剛性が従前構造と同等、(C)剛性が従前構造よりも高、という3つに区分し、この条件を前提とした各区分において、異音発生抑止の効果が得られると考えられる構造を種々検討した。以下、異音発生抑止という観点から考えられた種々の逆止弁41の各例を示す。なお、各図では、参考までに従前構造の逆止弁の断面形状例を二点鎖線で示す。
[例D01]
逆止弁41の先端部(外周部41p)の位置をさらに下げた例である(図47参照)。
[例D02]
逆止弁41の断面形状が上側凸状(逆カーブ形状)であって、撓み量を増大させた例である(図48参照)。
[例D03]
逆止弁41の断面形状が上側凸状(逆カーブ形状)であって、凸部41tに厚肉部(リブ)41cを形成した例である(図49参照)。
[例D04]
逆止弁41の径方向略中央よりも内側(基端部41b寄り)に凸部41tを形成した例である(図50参照)。
[例D05]
逆止弁41の径方向略中央よりも外側(リップ部41a寄り)に凸部41tを形成した例である(図51参照)。
[例D06]
逆止弁41の開始部たる基端部41bを従前構造よりも下側に位置させた例である(図52参照)。
[例D07]
逆止弁41の先端部たるリップ部41aやその周辺部を従前構造よりも下側に位置するように構成した例である(図53参照)。
[例E01]
下側凸の断面形状(カーブ形状)である逆止弁41の上側に厚肉部(リブ)41cを形成した例である(図54参照)。
[例E02]
逆止弁41の上側に厚肉部(リブ)41cを形成し、さらにその下側(裏側)にも厚肉部(リブ)41cを形成した例である(図55参照)。
[例E03]
逆止弁41の上側に厚肉部(リブ)41cを形成し、さらにその下側(裏側)の径方向外周側および内周側にそれぞれ同心円状の厚肉部(リブ)41cを形成した例である(図56参照)。なお、同心円状の厚肉部41cは、逆止弁41自体の剛性を向上させうる。
[例E04]
逆止弁41の上側に切込み部41uを形成した例である(図57参照)。
[例E05]
逆止弁41のリップ部41aの裏側(下側)に略三角形状の切込み部41uを形成した例である(図58参照)。
[例E06]
逆止弁41のリップ部41aの裏側(下側)に略円形ないしこれに近似した形状の切込み部41uを形成した例である(図59参照)。
[例E07]
逆止弁41のリップ部41aに切込み部41uを形成して二股形状にした例である(図60参照)。
[例E08]
断面波状の逆止弁41であって、開始部たる基端部41bが上側外周向きに延びる構造とした例である(図61参照)。
[例E09]
断面波状の逆止弁41であって、開始部たる基端部41bが下側外周向きに延びる構造とした例である(図62参照)。
[例E10]
逆止弁41の上側に凸部41tを形成し、その裏側(下側)を凹部として断面を二股形状とした例である(図63参照)。
[例E11]
逆止弁41の下側に切込み部41uを形成した例である(図64参照)。
[例F01]
逆止弁41のリップ部41aの裏側(下側)に断面三角状の厚肉部(リブ)41cを形成するとともに、撓み量を低減させた例である(図65参照)。
[例F02]
逆止弁41のリップ部41aの裏側(下側)に断面半円状の厚肉部(リブ)41cを形成するとともに、撓み量を低減させた例である(図66参照)。
[例F03]
逆止弁41のリップ部41aの裏側(下側)に断面矩形状の厚肉部(リブ)41cを形成した例である(図67参照)。
[例F04]
逆止弁41のリップ部41aの全体を断面菱形(ダイヤモンド形)にした例である(図68参照)。
[例F05]
逆止弁41のリップ部41aの全体を断面矩形にした例である(図69参照)。
[例F06]
逆止弁41のリップ部41aの全体を断面円形(丸形)にした例である(図70参照)。
[例F07]
逆止弁41のリップ部41aの先端部(外周寄り)を統一した(下側の厚みを増やし、凹部がなくなるようにならした)例である(図71参照)。
[例F08]
逆止弁41を平坦にして断面が線状になるようにし、反りをなくした例である(図72参照)。
[例F09]
逆止弁41の開始部たる基端部41bを従前構造よりも上側に位置させた例である(図73参照)。
8…モード振幅低減手段
10…吐出容器
11…内容器
12…外容器
13…容器本体
13a…口部
14…吐出口
15…吐出キャップ
19…吸気孔
31…天面部
31a…弁座
34…外気導入孔
41…逆止弁
41a…リップ部
41b…基端部
41c…厚肉部
41e…リブ付根
41p…外周部
41t…凸部
41u…切込み部
71…支持部材
M…内容物
Claims (12)
- 内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性の内容器、および該内容器が内装されており、弾性変形して該内容器との間に外気を吸入するための吸気孔が形成された外容器を有する容器本体と、
内容物を吐出する吐出口が天面部に形成されており、該容器本体の口部に装着される吐出キャップと、
外部と前記吸気孔とを連通する外気導入孔と、
該外気導入孔から導入された外気の流路の近傍に設けられた弁座と、
該弁座に座するリップ部を備えており、該外気導入孔と前記吸気孔との連通およびその遮断を切り替える逆止弁であって、前記外容器と前記内容器との間に外気が吸入される外気吸入時に撓み、前記リップ部が前記弁座から離反した状態となって前記外気導入孔と前記吸気孔とを連通させる逆止弁と、
を備える吐出容器であって、
前記逆止弁は、外気吸入時における異音の発生が抑えられる程度に当該外気吸入時における外気流量を増大させる外気流量増大手段を備えている、吐出容器。 - 前記外気流量増大手段は、前記逆止弁の撓みを増大させるための構成を含む、請求項1に記載の吐出容器。
- 前記外気流量増大手段は、前記逆止弁を薄く形成するための構成を含む、請求項2に記載の吐出容器。
- 前記外気流量増大手段は、前記逆止弁の基端部を支持する支持部材を含む、請求項3に記載の吐出容器。
- 前記外気流量増大手段は、前記逆止弁を、外気流入時における外気の流れ方向上流に向けて凸状に反った断面形状とすることを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の吐出容器。
- 前記外気流量増大手段は、前記逆止弁の撓み基部から前記リップ部まで全体的に凸状に反った断面形状とすることを含む、請求項5に記載の吐出容器。
- 内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性の内容器、および該内容器が内装されており、弾性変形して該内容器との間に外気を吸入するための吸気孔が形成された外容器を有する容器本体と、
内容物を吐出する吐出口が天面部に形成されており、該容器本体の口部に装着される吐出キャップと、
外部と前記吸気孔とを連通する外気導入孔と、
該外気導入孔から導入された外気の流路の近傍に設けられた弁座と、
該弁座に座するリップ部を備えており、該外気導入孔と前記吸気孔との連通およびその遮断を切り替える逆止弁であって、前記外容器と前記内容器との間に外気が吸入される外気吸入時に撓み、前記リップ部が前記弁座から離反した状態となって前記外気導入孔と前記吸気孔とを連通させる逆止弁と、
を備える吐出容器であって、
前記逆止弁は、前記外気吸入時における当該逆止弁のモード振幅を低減させるモード振幅低減手段を備えている、吐出容器。 - 前記モード振幅低減手段は、前記逆止弁の外周部に形成された厚肉部を含む、請求項7に記載の吐出容器。
- 前記厚肉部は、前記リップ部の裏側に形成されたリブである請求項7または8に記載の吐出容器。
- 前記モード振幅低減手段は、前記逆止弁に同心円状に配置された厚肉部を含む、に形成された厚肉部を含む、請求項7に記載の吐出容器。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の外気流量増大手段を含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の吐出容器。
- 請求項7から10のいずれか一項に記載のモード振幅低減手段を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の吐出容器。
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