JP2016189427A - 実装方法および実装装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のチップ部品を均一な接着状態で一括して回路基板に接着させることができる実装方法および実装装置の提供を目的とする。
【解決手段】複数のチップ部品Pを加熱および加圧して回路基板Sに電気的に接続する実装方法であって、複数のチップ部品Pを回路基板の所定位置に接着剤を介して配置する配置工程と、接着剤が所定の粘度になるように回路基板Sに配置された複数のチップ部品Pを加熱するとともに、複数のチップ部品Pの回路基板Sに対向している面と回路基板Sの実装面との間隔が略同一になるように複数のチップ部品Pを一括して回路基板Sに向かって加圧する仮圧着工程と、接着剤が硬化するように回路基板Sに配置された複数のチップ部品Pを加熱するとともに、複数のチップ部品Pと回路基板Sとが電気的に接続されるように複数のチップ部品Pを回路基板Sに向かって加圧する本圧着工程と、を含む。
【選択図】図4
【解決手段】複数のチップ部品Pを加熱および加圧して回路基板Sに電気的に接続する実装方法であって、複数のチップ部品Pを回路基板の所定位置に接着剤を介して配置する配置工程と、接着剤が所定の粘度になるように回路基板Sに配置された複数のチップ部品Pを加熱するとともに、複数のチップ部品Pの回路基板Sに対向している面と回路基板Sの実装面との間隔が略同一になるように複数のチップ部品Pを一括して回路基板Sに向かって加圧する仮圧着工程と、接着剤が硬化するように回路基板Sに配置された複数のチップ部品Pを加熱するとともに、複数のチップ部品Pと回路基板Sとが電気的に接続されるように複数のチップ部品Pを回路基板Sに向かって加圧する本圧着工程と、を含む。
【選択図】図4
Description
本発明は、実装方法および実装装置に関する。詳しくは、チップ部品等を回路基板に実装する実装方法およびその装置に関する。
従来、銅配線等の導電体からなる回路を有する基板のパターンの高精度化、微細化に対応するため、半導体素子からなるチップ部品を回路基板に形成されたパッドに接着剤によって仮圧着する仮圧着工程と、パッドに仮圧着されたチップ部品のバンプとパッドとを接合させる本圧着工程とから構成される実装装置が知られている。例えば特許文献1の如くである。
特許文献1に記載の実装装置は、チップ部品の実装高さを検出する高さ検出手段を具備する仮圧着装置と本圧着装置とから構成されている。実装装置は、仮圧着装置においてチップ部品を配線基板に実装するとともに、高さ検出手段によって仮圧着工程において実装されたチップ部品の実装高さを検出する。実装装置は、実装高さが所定範囲内にないチップ部品がある場合、そのチップ部品をリペアした後に本圧着装置においてチップ部品のバンプとパッドとを接合させることで不良率を抑制することができる。しかし、特許文献1に記載の技術では、仮圧着されたチップ部品の実装高さが所定範囲内にあっても、その所定範囲内において実装高さのばらつきが存在する。従って、チップ部品は、本圧着時に加圧ヘッドに接触する時期にずれが生じ、熱硬化性樹脂からなる接着剤の接着状態がばらつく可能性があった。
本発明の目的は、複数のチップ部品を均一な接着状態で一括して回路基板に接着させることができる実装方法および実装装置の提供を目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明は、複数のチップ部品を加熱および加圧して回路基板に電気的に接続する実装方法であって、複数のチップ部品を回路基板の所定位置に接着剤を介して配置する配置工程と、接着剤が所定の粘度になるように回路基板に配置された複数のチップ部品を加熱するとともに、複数のチップ部品の回路基板に対向している面と回路基板の実装面との間隔が略同一になるように複数のチップ部品を一括して回路基板に向かって加圧する仮圧着工程と、接着剤が硬化するように回路基板に配置された複数のチップ部品を加熱するとともに、複数のチップ部品と回路基板とが電気的に接続されるように複数のチップ部品を回路基板に向かって加圧する本圧着工程と、を含むものである。
本発明は、前記仮圧着工程において、前記複数のチップ部品の前記回路基板に対向している面が回路基板の実装面に所定量以上近接するように複数のチップ部品を一括して回路基板に向かって加圧するものである。
本発明は、前記配置工程において、チップ部品を前記回路基板に配置すると同時にすでに配置したチップ部品とともに前記仮圧着工程を行うものである。
本発明は、前記本圧着工程において、はんだの溶融温度以上に加熱するものである。
本発明は、複数のチップ部品を加熱および加圧して回路基板に電気的に接続する実装装置であって、チップ部品を回路基板の所定位置に接着剤を介して配置する配置用ヘッドと、接着剤が所定の粘度になるように回路基板に配置された複数のチップ部品を加熱するとともに、複数のチップ部品の回路基板に対向している面と回路基板の実装面との間隔が略同一になるように複数のチップ部品を一括して回路基板に向かって加圧する仮圧着用ヘッドと、接着剤が硬化するように回路基板に配置された複数のチップ部品を加熱するとともに、複数のチップ部品と回路基板とが電気的に接続されるように複数のチップ部品を回路基板に向かって加圧する本圧着用ヘッドと、を具備するものである。
本発明は、前記配置用ヘッドがチップ部品を前記回路基板に配置すると同時に前記仮圧着用ヘッドとしてすでに配置したチップ部品とともに加熱および加圧するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明においては、仮圧着時に複数のチップ部品間における実装高さのばらつきが排除される。これにより、複数のチップ部品を均一な接着状態で一括して回路基板に接着させることができる。
本発明においては、複数のチップ部品のバンプと回路基板の電極バッドとの間隙を小さくすることではんだに接着剤に含まれるフィラー等の食い込みが防止されるとともに、はんだとパッドとが接触するまでの時間を短縮することではんだとパッドとが接触する前の接着剤の硬化が防止される。これにより、複数のチップ部品を均一な接着状態で一括して回路基板に接着させることができる。
本発明においては、配置工程におけるチップ部品の配置と仮圧着工程におけるチップ部品の固定とが同一のアタッチメントで行われる。これにより、複数のチップ部品を均一な接着状態で一括して回路基板に接着させることができる。
本発明においては、本圧着工程におけるはんだの溶融不良が抑制される。これにより、複数のチップ部品を均一な接着状態で一括して回路基板に接着させることができる。
まず、図1から図4を用いて、本発明に係る実装装置の第一実施形態である実装装置1について説明する。以下の説明では配置装置2から仮圧着装置11および本圧着装置21に回路基板Sを搬送する方向をX軸方向、後述の配置装置2、仮圧着用ヘッド16および本圧着用ヘッド26の回路基板Sに垂直な移動方向をZ軸方向としてX軸方向、Y軸方向、Z軸方向を定義し、Z軸を中心として回転する方向をθ方向として定義する。なお、本実施形態においては、実装装置1の実施形態として配置装置2と仮圧着装置11と本圧着装置21とがそれぞれ構成されているが、これに限定されるものではない。また、本実施形態において、回路基板Sとチップ部品Pとを接着する接着剤である熱硬化性樹脂からなる非導電性フィルム(以下、単に「NCF」と記す)は、予めチップ部品Pのはんだを覆うように貼り付けられているものとするがこれに限定されるものではなく、回路基板S側に貼り付けられていてもよい。
図1と図2に示すように、実装装置1は、回路基板Sにチップ部品Pを実装するものである。実装装置1は、配置装置2、仮圧着装置11、本圧着装置21、搬送装置30(図4参照)および制御装置31(図4参照)を具備している。実装装置1は、配置装置2と仮圧着装置11と本圧着装置21とが隣接して配置されている。
図1に示すように、配置装置2は、回路基板Sに接着剤であるNCFの粘着性を利用してチップ部品Pを配置するものである。配置装置2は、配置用基台3、配置用ステージ4、配置用支持フレーム5、配置用ユニット6、配置用ヘッド7、配置用ヒーター8(図3(a)参照)、配置用アタッチメント9および配置用画像認識装置10(図4参照)を具備している。
配置用基台3は、配置装置2を構成する主な構造体である。配置用基台3は、十分な剛性を有するようにパイプ材等を組み合わせて構成されている。配置用基台3は、配置用ステージ4と配置用支持フレーム5とを支持している。
配置用ステージ4は、回路基板Sを保持しつつ、任意の位置に移動させるものである。配置用ステージ4は、駆動ユニット4aに回路基板Sを吸着保持できる吸着テーブル4bが取り付けられて構成されている。配置用ステージ4は、配置用基台3に取り付けられ、駆動ユニット4aによって吸着テーブル4bをX軸方向、Y軸方向およびθ方向に移動できるように構成されている。すなわち、配置用ステージ4は、配置用基台3上において吸着テーブル4bに吸着された回路基板SをX軸方向、Y軸方向、θ方向に移動できるように構成されている。なお、本実施形態において配置用ステージ4は、吸着により回路基板Sを保持しているがこれに限定されるものではない。
配置用支持フレーム5は、配置用ユニット6を支持するものである。配置用支持フレーム5は、板状に形成され、配置用基台3の配置用ステージ4の近傍からZ軸方向にむかって延びるように構成されている。
配置用ユニット6は、配置用ヘッド7を移動させるものである。配置用ユニット6は、図示しないサーボモータとボールねじとから構成される。配置用ユニット6は、サーボモータによってボールねじを回転させることによりボールねじの軸方向の駆動力を発生するように構成されている。配置用ユニット6は、配置用ヘッド7の移動方向が回路基板Sに対して垂直なZ軸方向になるように配置用支持フレーム5に取り付けられている。つまり、配置用ユニット6は、Z軸方向の駆動力を発生するように構成されている。配置用ユニット6は、サーボモータの出力を制御することによりZ軸方向の駆動力である配置荷重Faを任意に設定できるように構成されている。なお、本実施形態において、配置用ユニット6は、サーボモータとボールねじとの構成としたがこれに限定されるものではなく、空圧アクチュエータや油圧アクチュエータから構成してもよい。
配置用ヘッド7は、配置用ユニット6の駆動力をチップ部品Pに伝達するものである。配置用ヘッド7は、配置用ユニット6を構成している図示しないボールねじナットに取り付けられている。また、配置用ユニット6は、配置用ステージ4と対向するように配置されている。つまり、配置用ヘッド7は、配置用ユニット6によってZ軸方向に移動されることで配置用ステージ4に近接できるように構成されている。図3(a)に示すように、配置用ヘッド7には、配置用ヒーター8および配置用アタッチメント9が設けられている。
図3(a)に示すように、配置用ヒーター8は、チップ部品Pを加熱するためのものである。配置用ヒーター8は、カートリッジヒータから構成され、配置用ヘッド7に形成された孔等に組み込まれている。本実施形態において、配置用ヒーター8は、カートリッジヒータから構成されているがこれに限定されるものではなく、ラバーヒーター等、チップ部品Pを加熱することができるものであればよい。また、配置用ヒーター8は、配置用ヘッド7に組み込まれているがこれに限定されるものではなく、配置用ステージ4に組み込んで、配置用ステージ4側から回路基板Sを介してNCFを加熱する構成でもよい。
配置用アタッチメント9は、チップ部品Pを保持し、加圧するものである。配置用アタッチメント9は、配置用ヘッド7に配置用ステージ4と対向するように設けられている。配置用アタッチメント9は、チップ部品Pを位置決めしながら吸着保持できるように構成されている。また、配置用アタッチメント9は、配置用ヒーター8によって加熱されるように構成されている。つまり、配置用アタッチメント9は、チップ部品Pを位置決め保持するとともに、配置用ヒーター8からの伝熱によってチップ部品Pに貼り付けられているNCFを加熱できるように構成されている。
図4に示すように、配置用画像認識装置10は、画像によってチップ部品Pと回路基板Sとの位置情報を取得するものである。配置用画像認識装置10は、配置用ステージ4に吸着保持されている回路基板Sの位置合わせマークと配置用アタッチメント9に保持されているチップ部品Pの位置合わせマークとを画像認識して、回路基板Sとチップ部品Pとの位置情報を取得するように構成されている。
図1と図2とに示すように、仮圧着装置11は、NCFによって回路基板Sにチップ部品Pを仮圧着するものである。仮圧着装置11は、仮圧着用基台12、仮圧着用ステージ13、仮圧着用支持フレーム14、仮圧着用ユニット15、仮圧着用ヘッド16、仮圧着用ヒーター17(図3(b)参照)、仮圧着用アタッチメント18および距離測定手段である変位センサ19、仮圧着用画像認識装置20(図4参照)を具備している。なお、仮圧着用基台12、仮圧着用ステージ13、仮圧着用支持フレーム14、仮圧着用ヒーター17および変位センサ19、仮圧着用画像認識装置20は、配置装置2とほぼ同一の構成であるので、同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
加圧ユニットである仮圧着用ユニット15は、仮圧着用ヘッド16を移動させるものである。仮圧着用ユニット15は、図示しないサーボモータとボールねじとから構成される。仮圧着用ユニット15は、サーボモータによってボールねじを回転させることによりボールねじの軸方向の駆動力を発生するように構成されている。仮圧着用ユニット15は、仮圧着用ヘッド16の移動方向が回路基板Sに対して垂直なZ軸方向になるように仮圧着用支持フレーム14に取り付けられている。つまり、仮圧着用ユニット15は、Z軸方向の駆動力(加圧力)を発生するように構成されている。仮圧着用ユニット15は、サーボモータの出力を制御することによりZ軸方向の加圧力である仮圧着荷重Ftを任意に設定できるように構成されている。なお、本実施形態において、仮圧着用ユニット15は、サーボモータとボールねじとの構成としたがこれに限定されるものではなく、空圧アクチュエータや油圧アクチュエータから構成してもよい。
仮圧着用ヘッド16は、仮圧着用ユニット15の駆動力をチップ部品Pに伝達するものである。仮圧着用ヘッド16は、仮圧着用ユニット15を構成している図示しないボールねじナットに取り付けられている。また、仮圧着用ユニット15は、仮圧着用ステージ13と対向するように配置されている。つまり、仮圧着用ヘッド16は、仮圧着用ユニット15によってZ軸方向に移動されることで仮圧着用ステージ13に近接できるように構成されている。図3(b)に示すように、仮圧着用ヘッド16には、仮圧着用ヒーター17、仮圧着用アタッチメント18および変位センサ19が設けられている。
図3(b)に示すように、仮圧着用アタッチメント18は、複数のチップ部品Pを一括して加圧するものである。仮圧着用アタッチメント18は、仮圧着用ヘッド16に仮圧着用ステージ13と対向するように設けられている。仮圧着用アタッチメント18には、複数のチップ部品Pを一括して加圧することができる仮圧着用接触面18aが形成されている。仮圧着用接触面18aは、仮圧着用ステージ13と略平行に形成されている。これにより、仮圧着用接触面18aは、対向する仮圧着用ステージ13までの間隔がその全面において略同一になるように構成されている。つまり、仮圧着用アタッチメント18は、複数のチップ部品Pの回路基板Sに対向している面と回路基板Sの実装面との間隔Gが略同一になるように複数のチップ部品Pを一括して回路基板Sに向かって加圧できるように構成されている(図7(b)参照)。また、仮圧着用アタッチメント18は、仮圧着用ヒーター17によって加熱されるように構成されている。つまり、仮圧着用アタッチメント18は、仮圧着用ヒーター17からの伝熱によって複数のチップ部品Pに貼り付けられているNCFを一括して加熱できるように構成されている。
変位センサ19は、任意の基準位置からの距離を測定するものである。変位センサ19は、各種レーザー光を利用した変位センサ19から構成される。変位センサ19は、任意の基準位置から回路基板SまでのZ軸方向の距離L0および任意の基準位置から各チップ部品PまでのZ軸方向の距離L(n)((n)はチップ部品P毎の番号)を測定できるように構成されている(図6参照)。なお、本実施形態において、変位センサ19はレーザー光を利用したものから構成されているがこれに限定されるものではない。
図4に示すように、仮圧着用画像認識装置20は、画像によってチップ部品Pと回路基板Sとの位置情報を取得するものである。仮圧着用画像認識装置20は、仮圧着用ステージ13に吸着保持されている回路基板Sの位置合わせマークと仮圧着用アタッチメント18に保持されているチップ部品Pの位置合わせマークとを画像認識して、回路基板Sとチップ部品Pとの位置情報を取得するように構成されている。
図2に示すように、本圧着装置21は、チップ部品Pを回路基板Sに電気的に接続するとともに、NCFを熱硬化させてチップ部品Pを回路基板Sに固定するものである。本圧着装置21は、本圧着用基台22、本圧着用ステージ23、本圧着用支持フレーム24、本圧着用ユニット25、本圧着用ヘッド26、本圧着用ヒーター27(図3(c)参照)、本圧着用アタッチメント28および本圧着用画像認識装置29(図4参照)を具備している。なお、本圧着用基台22、本圧着用ステージ23、本圧着用支持フレーム24、本圧着用ヒーター27および本圧着用画像認識装置29は、配置装置2および仮圧着装置11とほぼ同一の構成であるので、同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
加圧ユニットである本圧着用ユニット25は、本圧着用ヘッド26を移動させるものである。本圧着用ユニット25は、図示しないサーボモータとボールねじとから構成される。本圧着用ユニット25は、サーボモータによってボールねじを回転させることによりボールねじの軸方向の駆動力を発生するように構成されている。本圧着用ユニット25は、本圧着用ヘッド26の移動方向が回路基板Sに対して垂直なZ軸方向になるように本圧着用支持フレーム24に取り付けられている。つまり、本圧着用ユニット25は、Z軸方向の駆動力(加圧力)を発生できるように構成されている。本圧着用ユニット25は、サーボモータの出力を制御することによりZ軸方向の加圧力である本圧着荷重Fpを任意に設定できるように構成されている。なお、本実施形態において、本圧着用ユニット25は、サーボモータとボールねじとの構成としたがこれに限定されるものではなく、空圧アクチュエータや油圧アクチュエータから構成してもよい。
本圧着用ヘッド26は、本圧着用ユニット25の駆動力をチップ部品Pに伝達するものである。本圧着用ヘッド26は、本圧着用ユニット25を構成している図示しないボールねじナットに取り付けられている。また、本圧着用ヘッド26は、本圧着用ステージ23と対向するように配置されている。つまり、本圧着用ヘッド26は、本圧着用ユニット25によってZ軸方向に移動されることで本圧着用ステージ23に近接できるように構成されている。本圧着用ヘッド26には、本圧着用ヒーター27および本圧着用アタッチメント28が設けられている。
本圧着用アタッチメント28は、チップ部品Pを一括して加圧するものである。本圧着用アタッチメント28は、本圧着用ヘッド26に本圧着用ステージ23と対向するように設けられている。本圧着用アタッチメント28には、複数のチップ部品Pを一括して加圧することができる本圧着用接触面28aが形成されている。本圧着用接触面28aは、本圧着用ステージ23と略平行に形成されている。これにより、本圧着用接触面28aは、対向する本圧着用ステージ23までの間隔がその全面において略同一になるように構成されている。つまり、仮圧着された複数のチップ部品Pの回路基板Sに対向している面と回路基板Sの実装面との間隔Gが略同一の場合、本圧着用アタッチメント28は、本圧着用接触面28aが複数のチップ部品Pにほぼ同時に接触し、一括して回路基板Sに向かって加圧できるように構成されている。さらに、本圧着用アタッチメント28は、本圧着用ヒーター27によって加熱されるように構成されている。つまり、本圧着用アタッチメント28は、本圧着用ヒーター27の熱を同じ条件で複数のチップ部品Pに伝熱し、複数のチップ部品Pを一括してほぼ同時に加圧できるように構成されている。
図4に示すように、搬送装置30は、配置装置2と仮圧着装置11との間、および仮圧着装置11と本圧着装置21との間で回路基板Sの受け渡しを行うものである。搬送装置30は、配置装置2の配置用ステージ4で複数のチップ部品Pが配置された回路基板Sを仮圧着装置11の仮圧着用ステージ13に搬送し、仮圧着装置11の仮圧着用ステージ13で複数のチップ部品Pが仮圧着された回路基板Sを本圧着装置21の本圧着用ステージ23に搬送できるように構成されている。
制御装置31は、配置装置2、仮圧着装置11、本圧着装置21および搬送装置30等を制御するものである。制御装置31は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。制御装置31は、仮圧着装置11、本圧着装置21および搬送装置30等を制御するために種々のプログラムやデータが格納されている。
制御装置31は、配置用ステージ4と仮圧着用ステージ13と本圧着用ステージ23とに接続され、配置用ステージ4と仮圧着用ステージ13と本圧着用ステージ23とのX軸方向、Y軸方向、θ方向の移動量をそれぞれ制御することができる。
制御装置31は、配置用ヒーター8と仮圧着用ヒーター17と本圧着用ヒーター27とに接続され、配置用ヒーター8と仮圧着用ヒーター17と本圧着用ヒーター27との温度をそれぞれ制御することができる。特に、制御装置31は、本圧着用ヘッド26の加圧時における平均温度をNCFの硬化温度(後述の基準温度Ts)以上かつはんだの融点以上の温度からなる一定範囲内に維持することができる。
制御装置31は、配置用ユニット6と仮圧着用ユニット15と本圧着用ユニット25とに接続され、配置用ユニット6と仮圧着用ユニット15と本圧着用ユニット25とのZ軸方向の加圧力をそれぞれ制御することができる。
制御装置31は、配置用アタッチメント9に接続され、配置用アタッチメント9の吸着状態を制御することができる。
制御装置31は、配置用画像認識装置10と仮圧着用画像認識装置20と本圧着用画像認識装置29とに接続され、配置用画像認識装置10と仮圧着用画像認識装置20と本圧着用画像認識装置29とをそれぞれ制御し、チップ部品Pと回路基板Sとの位置情報を取得することができる。
制御装置31は、搬送装置30に接続され、搬送装置30を制御することができる。
制御装置31は、変位センサ19に接続され、変位センサ19から任意の基準位置から回路基板SまでのZ軸方向の距離L0および任意の基準位置から各チップ部品PまでのZ軸方向の距離L(n)を取得することができる。
以下に、図5から図9を用いて、本発明に係る実装装置1によるチップ部品Pの実装方法について説明する。本発明に係るチップ部品Pの実装方法は、配置工程、仮圧着工程、および本圧着工程を含む。
図5に示すように、配置工程として、実装装置1は、搬送装置30によって配置装置2の配置用ステージ4に搬送された回路基板Sを配置用ステージ4に吸着保持する。次に、実装装置1は、チップ部品Pを配置用アタッチメント9によって保持しつつ配置用ヒーター8によって配置温度Taに加熱する。配置温度Taは、仮圧着温度Ttよりも低く設定されている(図9参照)。なお、配置温度Taと仮圧着温度Ttは、配置荷重Faと仮圧着荷重Ftとの大きさと加圧時間とを制御することにより同一の温度に設定することができる。すなわち、実装装置1は、NCFが硬化しない温度域においてNCFが必要最小限の粘着性を発揮するように仮圧着用ヒーター17の温度を制御している。そして、実装装置1は、配置用アタッチメント9によってチップ部品Pを配置荷重Faで加圧しながら回路基板Sに配置する。同様にして、実装装置1は、配置用ユニット6によって所定の数だけチップ部品Pを回路基板Sに配置する。チップ部品Pは、粘着性を発揮したNCFによって回路基板S上でその位置を保持する。
次に、図6に示すように、仮圧着工程として、実装装置1は、搬送装置30によって仮圧着装置11の仮圧着用ステージ13に搬送された回路基板Sを仮圧着用ステージ13に吸着保持する。そして、実装装置1は、仮圧着用ステージ13を移動させて(図6(b)の黒塗矢印参照)距離L0および距離L(n)(本実施形態ではL1からL4)を測定する。次に、図7(a)に示すように、実装装置1は、回路基板Sに配置された複数のチップ部品Pに一括して仮圧着装置11の仮圧着用アタッチメント18を接触させて仮圧着温度Ttに加熱する。仮圧着温度Ttは、基準温度Tsよりも低く設定されている(図9参照)。すなわち、実装装置1は、NCFが硬化しない温度域においてNCFが所定の粘度になるように仮圧着用ヒーター17の温度を制御している。さらに、図7(b)に示すように、実装装置1は、仮圧着用アタッチメント18によって複数のチップ部品Pを一括して仮圧着荷重Ftで加圧する。複数のチップ部品Pは、所定の粘度になったNCFによって回路基板S上に仮圧着される。この際、実装装置1は、測定した距離L0および距離L1から距離L4に基づいて、すべてのチップ部品Pが所定量ΔG以上回路基板Sに近接するように加圧する。これにより、複数のチップ部品Pは、回路基板Sに対向している面と回路基板Sの実装面との間隔Gが略同一になる。つまり、複数のチップ部品Pは、仮圧着装置11によって回路基板Sの実装面からの高さが略同一に揃えられた状態で仮圧着される。なお、NCFは、基準温度Ts(図9参照)未満の温度域においては硬化することなく、可逆的に温度上昇に伴って粘度が低くなる性質を示す。従って、実装装置1は、仮圧着装置11において、仮圧着荷重Ftと仮圧着温度Ttとを制御することで回路基板Sに対向している面と回路基板Sの実装面との間隔Gを略同一にすることができる。この場合、実装装置1は、距離L0および距離L(n)を測定する必要がない。
次に、図8に示すように、本圧着工程として、実装装置1は、搬送装置30によって本圧着装置21の本圧着用ステージ23に搬送された回路基板Sを吸着保持する。そして、実装装置1は、回路基板Sに仮圧着された複数のチップ部品Pに一括して本圧着装置21の本圧着用アタッチメント28を接触させて本圧着温度Tpに加熱する。本圧着温度Tpは、基準温度Ts以上かつはんだの融点以上の一定範囲内に設定されている(図9参照)。すなわち、実装装置1は、NCFが硬化する温度域であってNCFが所定の本圧粘度(硬度)になるとともに、はんだが溶融するように本圧着用ヒーター27の温度を制御している。さらに、実装装置1は、本圧着用アタッチメント28によって複数のチップ部品Pを一括して本圧着荷重Fpで加圧する。チップ部品Pは、熱硬化するNCFによって回路基板S上に固定(本圧着)されるとともにはんだが溶融して回路基板Sと電気的に接続される。この際、複数のチップ部品Pには、本圧着用アタッチメント28の本圧着用接触面28aが略同時かつ均一に接触する。つまり、複数のチップ部品Pは、本圧着装置21によって加熱時期、加熱時間、加圧力等がほぼ同一の状態で本圧着される。
以下では、図10から図13を用いて、本発明に係る実装装置1の制御態様について具体的に説明する。なお、以下の制御態様において、配置用ヒーター8は、チップ部品Pを配置温度Taに加熱するために必要な温度に予め維持され、仮圧着用ヒーター17は、チップ部品Pを仮圧着温度Ttに加熱するために必要な温度に予め維持され、本圧着用ヒーター27は、チップ部品Pを本圧着温度Tpに加熱するために必要な温度に予め維持されているものとする。
図10に示すように、ステップS100において、制御装置31は、配置工程制御Aを開始し、ステップをステップ110に移行させる(図11参照)。そして、配置工程制御Aが完了するとステップをステップS200に移行させる。
ステップS200において、制御装置31は、仮圧着工程制御Bを開始し、ステップをステップ210に移行させる(図12参照)。そして、仮圧着工程制御Bが終了するとステップをステップS300に移行させる。
ステップS300において、制御装置31は、本圧着工程制御Cを開始し、ステップをステップS310に移行させる(図13参照)。そして、本圧着工程制御Cが終了するとステップを終了する。
図11に示すように、配置工程制御AのステップS110において、制御装置31は、搬送装置30によって図示しない上流工程から搬送された回路基板Sを配置用ステージ4の吸着テーブル4bによって吸着保持し、ステップをステップS120に移行させる。
ステップS120において、制御装置31は、チップ部品Pを配置用ヘッド7の配置用アタッチメント9によって吸着保持し、ステップをステップS130に移行させる。
ステップS130において、制御装置31は、配置用画像認識装置10によって配置用ヘッド7の配置用アタッチメント9に吸着保持されているチップ部品Pの位置合わせマークと配置用ステージ4に吸着保持されている回路基板Sの位置合わせマークとの画像情報を取得し、ステップをステップS140に移行させる。
ステップS140において、制御装置31は、取得した回路基板Sとチップ部品Pとの画像情報に基づいて、回路基板Sとチップ部品Pとの位置合わせのための配置用ステージ4のX軸方向、Y軸方向、θ方向の座標位置を算出するとともに、配置用ステージ4の吸着テーブル4bを駆動ユニット4aによって移動させ、ステップをステップS150に移行させる。
ステップS150において、制御装置31は、配置用アタッチメント9に吸着保持させているチップ部品Pを配置用ステージ4に吸着保持されている回路基板Sに配置用ユニット6によって配置荷重Faで所定時間加圧して回路基板Sに配置し、ステップをステップS160に移行させる。
ステップS160において、制御装置31は、仮圧着用ユニット15による所定のチップ部品Pの回路基板Sへの配置が完了したか否か判断する。
その結果、配置用ユニット6による所定のチップ部品Pの回路基板Sへの配置が完了したと判定した場合、制御装置31は配置工程制御Aを終了してステップをステップS200に移行させる(図10参照)。
一方、配置用ユニット6による所定のチップ部品Pの回路基板Sへの配置が完了していないと判定した場合、制御装置31はステップをステップS120に移行させる。
その結果、配置用ユニット6による所定のチップ部品Pの回路基板Sへの配置が完了したと判定した場合、制御装置31は配置工程制御Aを終了してステップをステップS200に移行させる(図10参照)。
一方、配置用ユニット6による所定のチップ部品Pの回路基板Sへの配置が完了していないと判定した場合、制御装置31はステップをステップS120に移行させる。
図12に示すように、仮圧着工程制御BのステップS210において、制御装置31は、搬送装置30によって配置装置2から回路基板Sを仮圧着用ステージ13の吸着テーブル4bによって吸着保持し、ステップをステップS220に移行させる。
ステップS220において、制御装置31は、仮圧着用画像認識装置20によって仮圧着用ステージ13に吸着保持されている回路基板Sの位置合わせマークと回路基板Sに配置されているチップ部品Pとの画像情報を取得し、ステップをステップS230に移行させる。
ステップS230において、制御装置31は、取得した回路基板Sとチップ部品Pとの画像情報に基づいて、回路基板Sとチップ部品Pとの位置合わせのための仮圧着用ステージ13のX軸方向、Y軸方向、θ方向の座標位置を算出するとともに、仮圧着用ステージ13の吸着テーブル13bを駆動ユニット13aによって移動させ、ステップをステップS240に移行させる。
ステップS240において、制御装置31は、変位センサ19によって任意の位置から回路基板SまでのZ軸方向の距離L0と回路基板Sに配置された各チップ部品PのZ軸方向の距離L(n)とを取得し、ステップをステップS250に移行させる。
ステップS250において、制御装置31は、回路基板Sに配置されている複数の(所定の)チップ部品Pを仮圧着用ユニット15によって仮圧着荷重Ftで所定時間一括して加圧して仮圧着し、ステップをステップS260に移行させる。
ステップS260において、制御装置31は、変位センサ19によって任意の位置から回路基板SまでのZ軸方向の距離L0と回路基板Sに配置された各チップ部品PのZ軸方向の距離L(n)とを再取得し、ステップをステップS270に移行させる。
ステップS270において、制御装置31は、再取得した距離L0と距離L(n)とから所定のチップ部品Pが所定量ΔG以上回路基板Sに近接したか否か判断する。
その結果、所定のチップ部品Pが所定量ΔG以上回路基板Sに近接したと判定した場合、制御装置31は仮圧着工程制御Bを終了してステップをステップS300に移行させる(図10参照)。
一方、所定のチップ部品Pが所定量ΔG以上回路基板Sに近接していないと判定した場合、すなわち、複数のチップ部品Pのうち加圧による回路基板S方向の移動量が所定量ΔG未満のチップ部品Pがある場合、制御装置31はステップをステップS250に移行させる。
その結果、所定のチップ部品Pが所定量ΔG以上回路基板Sに近接したと判定した場合、制御装置31は仮圧着工程制御Bを終了してステップをステップS300に移行させる(図10参照)。
一方、所定のチップ部品Pが所定量ΔG以上回路基板Sに近接していないと判定した場合、すなわち、複数のチップ部品Pのうち加圧による回路基板S方向の移動量が所定量ΔG未満のチップ部品Pがある場合、制御装置31はステップをステップS250に移行させる。
図13に示すように、本圧着工程制御CのステップS310において、制御装置31は、搬送装置30によって仮圧着用ステージ13から搬送された回路基板Sを本圧着用ステージ23の吸着テーブルによって吸着保持し、ステップをステップS320に移行させる。
ステップS320において、制御装置31は、本圧着用画像認識装置29によって本圧着用ステージ23に吸着保持されている回路基板Sの位置合わせマークと回路基板Sに配置されているチップ部品Pとの画像情報を取得し、ステップをステップS330に移行させる。
ステップS330において、制御装置31は、回路基板Sの画像情報に基づいて、回路基板Sの位置合わせのための本圧着用ステージ23のX軸方向、Y軸方向、θ方向の座標位置を算出するとともに、本圧着用ステージ23の吸着テーブル23bを駆動ユニット23aによって移動させ、ステップをステップS340に移行させる。
ステップS340において、制御装置31は、回路基板Sに仮圧着されている複数の(所定の)チップ部品Pを本圧着用ユニット25によって本圧着荷重Fpで所定時間加圧して固定し、ステップをステップS350に移行させる。
ステップS350において、制御装置31は、本圧着用ユニット25による所定のチップ部品Pの回路基板Sへの本圧着が全て完了したか否か判断する。
その結果、本圧着用ユニット25による所定のチップ部品Pの回路基板Sへの本圧着が全て完了したと判定した場合、制御装置31は本圧着工程制御Cを終了してステップを終了する。
一方、本圧着用ユニット25による所定のチップ部品Pの回路基板Sへの本圧着が全て完了していないと判定した場合、制御装置31はステップをステップS320に移行させる。
その結果、本圧着用ユニット25による所定のチップ部品Pの回路基板Sへの本圧着が全て完了したと判定した場合、制御装置31は本圧着工程制御Cを終了してステップを終了する。
一方、本圧着用ユニット25による所定のチップ部品Pの回路基板Sへの本圧着が全て完了していないと判定した場合、制御装置31はステップをステップS320に移行させる。
このような実装方法における配置工程において、チップ部品Pは、配置装置2により仮圧着温度Ttよりも低い配置温度Taで回路基板Sに配置される。つまり、配置工程において、実装装置1は、隣接するチップ部品PのNCFに及ぼす熱の影響を抑制しつつチップ部品Pを配置する。また、仮圧着工程において、複数のチップ部品Pは、仮圧着装置11により一括して回路基板Sに所定量ΔG以上回路基板Sに近接させて仮圧着される。つまり、実装装置1は、回路基板Sとチップ部品Pとの隙間を小さくしつつ回路基板Sの実装面からの高さが略同一になるようにチップ部品Pを仮圧着する。そして、本圧着工程において、チップ部品Pは、本圧着装置21により一括してほぼ同時に加熱および加圧されて回路基板Sに本圧着される。つまり、実装装置1は、複数のチップ部品Pを同一の条件ではんだを溶融しつつ回路基板Sに本圧着する。これにより、複数のチップ部品Pを均一な接着状態で一括して回路基板Sに接着させることができる。
次に、図14を用いて、本発明に係る実装装置1で積層実装を行う積層実装方法の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
図14(a)に示すように、積層実装とは、回路基板S上にチップ部品Pを複数重ねて実装することを言う。積層実装に用いられるチップ部品Pは、貫通電極Pbが形成され、貫通電極の一方または両方の端部にはんだPaが設けられている。さらに、チップ部品PのはんだPaを覆うようにNCFが貼り付けられている。
実装装置1は、配置工程において、位置決めされた回路基板S上に第1段目のチップ部品P1を配置する。さらに、実装装置1は、第1チップ部品P1上に第2チップ部品P2を積層させ配置し、第2チップ部品P2上に第3チップ部品P3を積層させて配置する。このようにして、実装装置1は、仮圧着工程において、チップ部品Pを回路基板S上に積層して配置する。
実装装置1は、配置用画像認識装置10によって回路基板S上に配置された第(n−1)チップ部品P(n−1)の位置合わせマークと配置用アタッチメント9に吸着保持されている第nチップ部品P(n)の位置合わせマークとの画像情報を取得するとともに第(n−1)チップ部品P(n−1)のはんだPaまたは貫通電極Pbと第nチップ部品P(n)のはんだPaまたは貫通電極Pbとが重複するように回路基板S(第(n−1)チップ部品P(n−1))のX軸方向、Y軸方向、θ方向の位置合わせを行う。そして、実装装置1は、第nチップ部品P(n)を配置用ユニット6によって配置荷重Faで加圧する。このようにして、実装装置1は、配置装置2において、回路基板S上に第1チップ部品P1から第nチップ部品P(n)を積層させて配置する(以下、単に「第nチップ部品群Pg(n)と記す)。同様にして、実装装置1は、第1チップ部品群Pg1に隣接するようにして第2チップ部品群Pg2、第3チップ部品群Pg3・・・を配置する。
次に、図14(b)に示すように、実装装置1は、配置工程において、回路基板S上に配置された複数の第1チップ部品群Pg1、第2チップ部品群Pg2、第3チップ部品群Pg3・・・を仮圧着する。
実装装置1は、仮圧着用画像認識装置20によって回路基板Sの位置合わせマークの画像情報を取得するとともに仮圧着用ヘッド16の仮圧着用アタッチメント18と複数の第1チップ部品群Pg1、第2チップ部品群Pg2、第3チップ部品群Pg3・・・とが重複するように回路基板SのX軸方向、Y軸方向、θ方向の位置合わせを行う。そして、実装装置1は、複数の第1チップ部品群Pg1、第2チップ部品群Pg2、第3チップ部品群Pg3・・・を同時に仮圧着用ユニット15によって仮圧着荷重Ftで加圧する。このようにして、実装装置1は、仮圧着装置11において、回路基板S上に配置されている複数の第1チップ部品群Pg1、第2チップ部品群Pg2、第3チップ部品群Pg3・・・を一括して同時に仮圧着する。この際、実装装置1は、回路基板Sの実装面から各第1チップ部品群Pg1、第2チップ部品群Pg2、第3チップ部品群Pg3・・・の高さが略同一になるようにチップ部品Pを仮圧着する。
次に、実装装置1は、本圧着工程において、回路基板S上に仮圧着された複数の第1チップ部品群Pg1、第2チップ部品群Pg2、第3チップ部品群Pg3・・・を本圧着する。
実装装置1は、本圧着用画像認識装置29によって回路基板Sの位置合わせマークの画像情報を取得するとともに本圧着用ヘッド26の本圧着用アタッチメント28と複数の第1チップ部品群Pg1、第2チップ部品群Pg2、第3チップ部品群Pg3・・・とが重複するように回路基板SのX軸方向、Y軸方向、θ方向の位置合わせを行う。そして、実装装置1は、複数の第1チップ部品群Pg1、第2チップ部品群Pg2、第3チップ部品群Pg3・・・を同時に本圧着用ユニット25によって本圧着荷重Fpで加圧する。このようにして、実装装置1は、本圧着装置21において、回路基板S上仮圧着されている複数の第1チップ部品群Pg1、第2チップ部品群Pg2、第3チップ部品群Pg3・・・を同時に固定して積層実装する。
このような積層実装方法における仮圧着工程において、実装装置1は、回路基板Sの実装面からの高さが略同一になるように複数の第1チップ部品群Pg1、第2チップ部品群Pg2、第3チップ部品群Pg3・・・を仮圧着する。そして、本圧着工程において、チ実装装置1は、複数の第1チップ部品群Pg1、第2チップ部品群Pg2、第3チップ部品群Pg3・・・を同一の条件で回路基板Sに本圧着する。これにより、複数の第1チップ部品群Pg1、第2チップ部品群Pg2、第3チップ部品群Pg3・・・を均一な接着状態で一括して回路基板Sに接着させることができる。
なお、本実施形態における実装方法および積層実装方法において、実装装置1は、配置装置2と仮圧着装置11と本圧着装置21とから構成されているが、仮圧着装置11において仮圧着用ヒーター17の仮圧着温度Ttを本圧着温度Tpに適宜切り替えて、仮圧着荷重Ftを本圧着荷重Fpに適宜切り替えることで仮圧着装置11によって本圧着を実施する構成としてもよい。
また、本実施形態においては、仮圧着装置11における仮圧着用ヒーター17の仮圧着温度Ttは一定値となるよう制御されているが、チップ部品Pの加圧前に仮圧着用ヒーター17の温度を上昇させてNCFの粘度を変化させる構成としてもよい。また、仮圧着装置11と本圧着装置21とには位置情報取得用の仮圧着用画像認識装置20と本圧着用画像認識装置29とを有しているが、回路基板S上のチップサイズよりも大きな本圧着用アタッチメント28を用いることにより本圧着用画像認識装置29を用いた位置合わせの必要がない構成とすることもできる。本実施形態では本圧着用ステージ23による移動機構を有しているが、これに限定されない。
以下では、図15を用いて、本発明に係る実装装置の第二実施形態である実装装置32について説明する。なお、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
図15に示すように、実装装置32は、回路基板Sにチップ部品Pを実装するものである。実装装置32は、配置−仮圧着装置33、本圧着装置21(図2参照)、搬送装置30および制御装置31(図4参照)を具備している。実装装置32は、配置−仮圧着装置33と本圧着装置21とが隣接して配置されている。
配置−仮圧着装置33は、接着剤であるNCFの粘着性を利用して回路基板Sにチップ部品Pを配置するとともに仮圧着するものである。配置−仮圧着装置33は、配置−仮圧着用ステージ34、配置−仮圧着用ヘッド35、配置用ヒーター36、仮圧着用ヒーター37および配置−仮圧着用アタッチメント38を具備している。
配置用ヒーター36は、チップ部品Pを加熱するためのものである。配置用ヒーター36は、カートリッジヒータから構成され、配置−仮圧着用ヘッド35に形成された孔等に配置−仮圧着用ヘッド35の一側端から組み込まれている。本実施形態において、配置用ヒーター36は、配置工程において配置温度Taに設定され、仮圧着工程において仮圧着温度Ttに設定される。
仮圧着用ヒーター37は、チップ部品Pを加熱するためのものである。仮圧着用ヒーター37は、カートリッジヒータから構成され、配置−仮圧着用ヘッド35に形成された孔等に配置−仮圧着用ヘッド35の他側端から組み込まれている。本実施形態において、仮圧着用ヒーター37は、配置工程において配置温度Taに設定され、仮圧着工程において仮圧着温度Ttに設定される。
配置−仮圧着用アタッチメント38は、チップ部品Pを保持し、加圧するものである。配置−仮圧着用アタッチメント38は、配置−仮圧着用ヘッド35に配置−仮圧着用ステージ34と対向するように設けられている。配置−仮圧着用アタッチメント38には、複数のチップ部品Pを一括して加圧することができる配置−仮圧着用接触面38aが形成されている。配置−仮圧着用接触面38aは、配置−仮圧着用ステージ34と略平行に形成されている。これにより、配置−仮圧着用接触面38aは、対向する配置−仮圧着用ステージ34までの間隔がその全面において略同一になるように構成されている。つまり、配置−仮圧着用アタッチメント38は、複数のチップ部品Pの回路基板Sに対向している面と回路基板Sの実装面との間隔Gが略同一になるように複数のチップ部品Pを一括して回路基板Sに向かって加圧できるように構成されている。
また、配置−仮圧着用アタッチメント38には、チップ部品Pを位置決めしながら吸着保持できる吸着面38bが構成されている。つまり、配置−仮圧着用アタッチメント38は、吸着面38bで吸着保持したチップ部品Pを回路基板Sに配置しつつ、配置−仮圧着用接触面38aと吸着面38bとで複数のチップ部品Pを一括して回路基板Sに仮圧着することができるように構成されている。配置−仮圧着用アタッチメント38は、配置用ヒーター36によって吸着面38bが加熱されるように構成されている。また、配置−仮圧着用アタッチメント38は、仮圧着用ヒーター37によって配置−仮圧着用接触面38aが加熱されるように構成されている。つまり、配置−仮圧着用アタッチメント38は、配置用ヒーター36からの伝熱によって吸着面38bに接触しているチップ部品PのNCFを加熱し、仮圧着用ヒーター37からの伝熱によって配置−仮圧着用接触面38aに接触しているチップ部品PのNCFを加熱するように構成されている。
以下に、図15を用いて、本発明に係る実装装置32によるチップ部品Pの実装方法について説明する。本発明に係るチップ部品Pの実装方法は、配置工程、仮圧着工程、および本圧着工程を含む。
図15(a)に示すように、配置工程として、実装装置32は、配置−仮圧着装置33の配置−仮圧着用アタッチメント38の吸着面38bによってチップ部品Pを保持しつつ配置用ヒーター36によって配置温度Taに加熱する。そして、実装装置32は、配置−仮圧着用アタッチメント38によってチップ部品Pを配置荷重Faで加圧しながら回路基板Sに配置する。同様にして、実装装置32は、配置−仮圧着用アタッチメント38の吸着面38bによって所定の数だけチップ部品Pを回路基板Sに配置する。この際、配置−仮圧着用アタッチメント38の配置−仮圧着用接触面38aは、すでに回路基板Sに配置されている複数のチップ部品Pと重複するように構成されている。また、仮圧着用ヒーター37の温度は、配置温度Taに設定されている。
次に、仮圧着工程として、実装装置32は、配置用ヒーター36の設定温度および仮圧着用ヒーター37の設定温度を配置温度Taから仮圧着温度Ttに変更する。次に、実装装置32は、配置−仮圧着用アタッチメント38の吸着面38bによってチップ部品Pを保持しつつ配置用ヒーター36によって仮圧着温度Ttに加熱する。そして、実装装置32は、配置−仮圧着用アタッチメント38の吸着面38bによってチップ部品Pを仮圧着荷重Ftで加圧しながら回路基板Sに仮圧着する。この際、実装装置32は、配置−仮圧着用アタッチメント38の配置−仮圧着用接触面38aがすでに回路基板Sに配置されているチップ部品Pを仮圧着温度Ttで加熱しながら一括して仮圧着荷重Ftで加圧する。
このような実装方法における仮圧着工程において、チップ部品Pとすでに配置されている複数のチップ部品Pとは、配置−仮圧着装置33の配置−仮圧着用アタッチメント38により複数のチップ部品Pの回路基板Sに対向している面と回路基板Sの実装面との間隔Gが略同一になるように一括して仮圧着される。つまり、配置工程におけるチップ部品Pの配置と仮圧着工程におけるチップ部品Pの固定とが同一の配置−仮圧着用アタッチメント38で行われる。これにより、複数のチップ部品Pを均一な接着状態で回路基板Sに接着させることができる。
1 実装装置
7 配置用ヘッド
16 仮圧着用ヘッド
26 本圧着用ヘッド
S 回路基板
P チップ部品
NCF 接着剤
G 間隔
7 配置用ヘッド
16 仮圧着用ヘッド
26 本圧着用ヘッド
S 回路基板
P チップ部品
NCF 接着剤
G 間隔
Claims (6)
- 複数のチップ部品を加熱および加圧して回路基板に電気的に接続する実装方法であって、
複数のチップ部品を回路基板の所定位置に接着剤を介して配置する配置工程と、
接着剤が所定の粘度になるように回路基板に配置された複数のチップ部品を加熱するとともに、複数のチップ部品の回路基板に対向している面と回路基板の実装面との間隔が略同一になるように複数のチップ部品を一括して回路基板に向かって加圧する仮圧着工程と、
接着剤が硬化するように回路基板に配置された複数のチップ部品を加熱するとともに、複数のチップ部品と回路基板とが電気的に接続されるように複数のチップ部品を回路基板に向かって加圧する本圧着工程と、
を含むチップ部品の実装方法。 - 前記仮圧着工程において、前記複数のチップ部品の前記回路基板に対向している面が回路基板の実装面に所定量以上近接するように複数のチップ部品を一括して回路基板に向かって加圧する請求項1に記載のチップ部品の実装方法。
- 前記配置工程において、チップ部品を前記回路基板に配置すると同時にすでに配置したチップ部品とともに前記仮圧着工程を行う請求項1または請求項2に記載のチップ部品の実装方法。
- 前記本圧着工程において、はんだの溶融温度以上に加熱する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のチップ部品の実装方法。
- 複数のチップ部品を加熱および加圧して回路基板に電気的に接続する実装装置であって、
チップ部品を回路基板の所定位置に接着剤を介して配置する配置用ヘッドと、
接着剤が所定の粘度になるように回路基板に配置された複数のチップ部品を加熱するとともに、複数のチップ部品の回路基板に対向している面と回路基板の実装面との間隔が略同一になるように複数のチップ部品を一括して回路基板に向かって加圧する仮圧着用ヘッドと、
接着剤が硬化するように回路基板に配置された複数のチップ部品を加熱するとともに、複数のチップ部品と回路基板とが電気的に接続されるように複数のチップ部品を回路基板に向かって加圧する本圧着用ヘッドと、
を具備する実装装置。 - 前記配置用ヘッドがチップ部品を前記回路基板に配置すると同時に前記仮圧着用ヘッドとしてすでに配置したチップ部品とともに加熱および加圧する請求項5に記載の実装装置。
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Cited By (1)
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JP2019125769A (ja) * | 2018-01-11 | 2019-07-25 | 日立化成株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
-
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