JP2016188323A - 水性接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】密着性、作業性に優れたカーボンシート用の水性接着剤を提供する。【解決手段】酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部およびポリウレタン樹脂1〜30質量部が水性媒体中に分散されてなるカーボンシート用水性接着剤。好ましくは、ポリウレタン樹脂がポリエーテル型ポリウレタンである前記カーボンシート用水性接着剤。前記水性接着剤から得られる樹脂層(b)をカーボンシート系基材(a)に形成してなる積層体。前記積層体における樹脂層(b)の側に、さらにその他基材(c)を積層してなる積層体。【選択図】なし

Description

本発明は接着性、密着性に優れたカーボンシート用水性接着剤およびそれを用いた積層体に関する。
カーボンシートは、基材の補強を目的として他の基材に貼り合わせて使われることがある。例えば特許文献1のように、エポキシ樹脂からなる接着剤を用いて、カーボンシートと高分子フィルムを貼り合わせることが知られている。
エポキシ樹脂は、多くの基材に対して優れた接着性を示すこと、耐熱性や耐水性、耐薬品性などに優れることで知られているが、その反面、硬化に時間がかかることによる作業性の悪さ、ポリプロピレンやポリエチレン等の難接着基材との接着性、密着性の悪さ、ポットライフの短さ等の問題点がある。
特開2004−195702号公報
本発明の目的は、密着性、作業性に優れたカーボンシート用の水性接着剤を提供することにある。
酸変性ポリオレフィン樹脂とポリウレタン樹脂を特定の割合で含有する水性接着剤は、カーボンシートとの接着性に優れることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部およびポリウレタン樹脂1〜30質量部が水性媒体中に分散されてなるカーボンシート用水性接着剤。
(2)ポリウレタン樹脂がポリエーテル型ポリウレタンである(1)記載のカーボンシート用水性接着剤。
(3)(1)または(2)に記載の水性接着剤から得られる樹脂層(b)をカーボンシート系基材(a)に形成してなる積層体。
(4)(3)記載の積層体における樹脂層(b)の側に、さらにその他基材(c)を積層してなる積層体。
(5)その他基材(c)が熱可塑性樹脂基材である、(4)記載の積層体。
(6)熱可塑性樹脂がポリプロピレンまたはポリエチレンである、(5)記載の積層体。
本発明の水性接着剤は、カーボンシート基材に対して高い接着性を示し、同基材とその他基材を貼り合わせた際の接着強度にも優れ、この水性接着剤からなる接着層や塗膜は、耐水性、耐溶剤性にも優れている。また、エポキシ樹脂からなる接着剤と比較して、作業性に優れ、ポリプロピレンやポリエチレンなどの様々な基材とも良好に接着し、ポットライフが長い。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカーボンシート用水性接着剤(以下、単に水性接着剤と称する。)は、酸変性ポリオレフィン樹脂とポリウレタン樹脂と水性媒体を含有するものである。
本発明の水性接着剤が適用される被着体であるカーボンシートとは、炭素繊維をシート状にしたものであり、織物でも不織布でもよく、それらに樹脂を含浸させたものでもよい。市販品としては、三菱レイヨン社製パイロフィルや、東レ社製トレカなどが挙げられる。
本発明においては、塗膜を形成する樹脂としてポリオレフィン樹脂を使用する。ポリオレフィン樹脂は酸変性ポリオレフィン樹脂であることが必要である。酸変性されてないポリオレフィン樹脂は、水性媒体に樹脂が十分に分散しないため、水性コート剤を得ることができない。ポリオレフィン樹脂を酸変性することで、水性媒体中に安定に分散することができる。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、酸変性成分として不飽和カルボン酸成分を含有する。不飽和カルボン酸成分は無水物であってもよい。酸変性ポリオレフィン樹脂に占める不飽和カルボン酸成分の含有量は、塗膜と基材との密着の点から0.1〜25質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましく、1〜8質量%がさらに好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
不飽和カルボン酸成分を導入するための、不飽和カルボン酸やその無水物としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。
また、不飽和カルボン酸成分は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
酸変性ポリオレフィン樹脂におけるオレフィン成分の含有量は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。オレフィン成分の含有量が50質量%未満ではポリオレフィン樹脂由来の特性が失われてしまう。
オレフィン成分としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のアルケンや、ノルボルネンのようなシクロアルケンが例示され、これらの混合物を用いることもできる。中でも、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが好ましく、この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素2〜4のアルケンがより好ましく、特にエチレンが好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、塗膜と基材との密着性を向上させる理由から(メタ)アクリル酸エステル成分を含有していることが好ましい。酸変性ポリオレフィン樹脂における(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量は、0.5〜40質量%であることが好ましく、1〜35質量%であることがより好ましく、3〜30質量%であることがさらに好ましく、5〜25質量%であることが特に好ましく、10〜25質量%であることが最も好ましい。この成分の含有量が0.5質量%未満では、熱可塑性樹脂基材との密着性が低下する恐れがある。
(メタ)アクリル酸エステル成分としては、メタアクリル酸と、炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられる。中でも入手のしやすさの点から(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。そのような化合物の例として(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、基材との密着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。
また、酸変性ポリオレフィン樹脂は、他の成分を10質量%以下程度含有していてもよい。他の成分としては、ジエン類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類ならびにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、置換スチレン、一酸化炭素、二酸化硫黄などが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
酸変性ポリオレフィン樹脂としては、たとえば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、酸変性ポリエチレン、酸変性ポリプロピレン、酸変性エチレン−プロピレン樹脂、酸変性エチレン−ブテン樹脂、酸変性プロピレン−ブテン樹脂、酸変性エチレン−プロピレン−ブテン樹脂、あるいはこれらの酸変性樹脂にさらに(メタ)アクリル酸エステル等でアクリル変性したもの等が挙げられる。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、5〜40質量%の範囲で塩素化されていてもよい。
本発明の水性接着剤を得るのに適したポリオレフィン樹脂として、市販の水系ポリオレフィン樹脂を使用することができる。たとえば、日本製紙ケミカル社製の商品名:スーパークロンシリーズ(品番:E−723、E−503など)、三井化学社製の商品名:ケミパールシリーズ(品番:S−300、S−100など)等が挙げられる。
本発明の水性接着剤における水性媒体としては、作業者や作業環境への安全性の観点から、本来そのすべてが水であることが最も好ましいが、酸変性ポリオレフィン樹脂を水性化するためや、環境負荷を低減するなどの目的において「水系」としての特徴を逸脱しない範囲であれば、水以外に親水性の有機溶剤が含まれていても差し支えない。このような有機溶剤として、例えばメチルエチルケトン、アセトン、ジエチルケトン等のケトン類、プロパノール、ブタノール、メタノール、エタノール等のアルコール類、テトラヒドロフランやジオキサン等の環状エーテル類、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール誘導体などがある。また、これらの有機溶媒が水性分散体全量に占める量は40質量%以下が好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。また、水性媒体として、後述のように酸変性ポリオレフィン樹脂を水性化する際に添加する塩基性化合物を含む場合もある。
次に、ポリウレタン樹脂について説明する。
本発明の水性接着剤は、ポリウレタン樹脂を含有することが必要である。ポリウレタン樹脂を配合した水性接着剤をカーボンシート系基材に塗布することで、高い密着性、接着性をもつ積層体が得られる。ポリウレタン樹脂を配合しないとこのような特性を得ることができなくなる。
ポリウレタン樹脂は、主鎖中にウレタン結合を含有する高分子であり、例えばポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応で得られるものである。
本発明において、ポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分としては、例えば、水;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの低分子量グリコール類;トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの低分子量ポリオール類;エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド単位を有するポリオール化合物;ポリエーテルジオール類、ポリエステルジオール類などの高分子量ジオール類;ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノール類;ダイマー酸のカルボキシル基を水酸基に転化したダイマージオール等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂の中でも、カーボンシートと他素材、特にポリプロピレンとの接着性向上の効果が高いことから、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂が特に好ましい。ポリエーテル型ポリウレタン樹脂とは、ポリウレタンを構成するポリオール成分としてポリエーテルポリオールを含むものである。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレンポリオール、ポリプロピレングリコールなどのポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリオキシエチレン/プロピレンポリオールなどが挙げられ、中でもポリエチレングリコールとポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルジオールが入手しやすいため好ましく、接着性が向上することからポリテトラメチレングリコールがより好ましい。ポリエーテルジオールの分子量は特に限定されないが、1000〜10000の範囲のものが好ましく、1000〜5000が特に好ましい。
また、ポリイソシアネート成分としては、芳香族、脂肪族および脂環族の公知のジイソシアネート類の1種または2種以上の混合物を用いることができる。ジイソシアネート類の具体例としては、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメチルジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート、およびこれらのアダクト体、ビウレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。また、ジイソシアネート類には、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリイソシアネート類を用いてもよい。
水性接着剤におけるポリウレタン樹脂の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して1〜30質量部であることが必要であり、5〜25質量部であることが好ましく、10〜20質量部であることがより好ましい。ポリウレタン樹脂の含有量が1質量部未満の場合は、カーボンシート系基材との接着性、密着性が低下する。ポリウレタン樹脂の含有量が40質量部を超えると、液の安定性が悪くなり、ゲル化してしまう。
本発明の水性接着剤を得るのに適したポリウレタン樹脂として、市販の水系ポリウレタン樹脂を使用することができる。このようなポリウレタン樹脂としては、三井武田社製の商品名:タケラックシリーズ(品番:W−615、W−6010、W−511など)、アデカ社製の商品名:アデカボンタイターシリーズ(品番:HUX−232、HUX−320、HUX−380、HUX−401など)、楠本化成社製の商品名:ネオレッズシリーズ(品番:R−972、R−967、R−600、R−9603など)、第一工業製薬社製の商品名:スーパーフレックスシリーズ(品番:500、550、610、650など)、大日本インキ化学工業社製の商品名:ハイドランシリーズ(品番:HW−311、HW−350、HW−150など)等が挙げられる。
本発明の水性接着剤に用いる水性媒体中としては、水以外に、親水性の有機溶剤が含まれていてもよい。このような有機溶剤として、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、ジエチルケトン等のケトン類;イソプロパノ−ル、ノルマルプロパノール、ブタノ−ル、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフランやジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール誘導体;水溶性のアミン類などが挙げられる。中でも、イソプロパノール、ノルマルプロパノールが好ましい。また、これらの有機溶剤が水性分散体全量に占める量は50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の水性接着剤の製造方法は、酸変性ポリオレフィン樹脂とポリウレタン樹脂が水性媒体中に均一に混合されて、それらを分散させることができる製造方法であれば、特に限定されるものではない。たとえば、それぞれ予め調製された酸変性ポリオレフィン樹脂の水性分散体とポリウレタン樹脂の水性分散体を混合したり、さらに必要に応じて水または親水性溶媒などを添加したりする方法が挙げられる。
また、酸変性ポリオレフィン樹脂とポリウレタン樹脂を混合し、水や溶媒、塩基性化合物とともに撹拌・加熱を行って水性分散体を得る方法が挙げられる。この際、必要に応じて乳化剤等の水性化助剤を使用してもよい。
前記のいずれの製法においても、工程後や、工程中に、水や有機溶媒を留去したり、水や有機溶媒によって希釈することで任意に濃度調整を行うことができる。
本発明の水性接着剤には、分散性の向上を目的として、塩基性化合物が添加されていてもよい。塩基性化合物としては、塗膜の耐水性の面から塗膜形成時に揮発することが好ましく、アンモニアまたは各種の有機アミン化合物が好ましい。有機アミン化合物の沸点は250℃以下であることが好ましい。250℃を超えると樹脂塗膜から乾燥によって有機アミン化合物を飛散させることが困難になり、塗膜の耐水性が悪化する場合がある。有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。
本発明の水性接着剤には、必要に応じて架橋剤、ブロッキング防止剤、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤等の各種薬剤を添加してもよい。
架橋剤としては、オキサゾリン化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、ヒドラジド化合物などが挙げられる。これら架橋剤を用いることで、プラスチック基材との密着性を向上させることができる。
本発明の水性接着剤には、他の重合体を添加することができる。例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂が挙げられ、2種以上使用してもよい。
本発明の水性接着剤における樹脂含有率は、成膜条件、目的とする塗膜厚さや要求される耐性等に応じて適宜選択され、特に限定されるものではない。水性接着剤の粘性を適度に保ち、かつ良好な塗膜形成能を発現させる点で、1〜60質量%であることが好ましく、3〜55質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましく、5〜45質量%であることが特に好ましい。
本発明の水性接着剤をカーボンシート系基材の表面に塗工する方法は特に限定されるものではないが、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法などが採用できる。水性接着剤の塗布量については、要求されるヒートシール性や、基材の種類によって適宜、決定すればよいが、カーボンシート表面に塗工層を形成する場合には、3mm〜200mmが好ましく、より好ましくは5mm〜100mm、さらに好ましくは10mm〜50mmである。また、カーボンシートに含浸させる場合には、塗工量5〜400g/mとすることが好ましく、より好ましくは15〜300g/mさらに好ましくは30〜200g/mである。
カーボンシート系基材(a)の表面に本発明の水性接着剤(b)から水性媒体を除去してなる樹脂組成物の層を設けることで、カーボンシート系基材(a)とその他基材(c)を十分な強度で接着することが可能になる。その他基材(c)としては、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、紙、合成紙、木材、織布、編布、不織布、金属などが挙げられる。
カーボンシート系基材(a)の厚さは特に限定されるものではないが、通常0.1〜50mm、好ましくは0.1〜25mm、特に好ましくは0.1〜10mmである。
以下に実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、各種の特性については以下の方法によって測定または評価した。
1.水性分散体の特性
(1)ポリオレフィン樹脂の構成
オルトジクロロベンゼン(d)中、120 ℃にてH NMR分析(バリアン社製 300 MHz)を行い求めた。
(2)ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート
JIS 6730記載の方法(190℃、2160g荷重)で測定した値である。
(3)ポリオレフィン樹脂の融点
DSC(Perkin Elmer社製DSC−7)を用いて昇温速度10℃/分で測定した値である。
(4)ポリオレフィン樹脂水性分散体の固形分濃度
ポリオレフィン樹脂水性分散耐を適宜秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、固形分濃度を求めた。
(5)ポリオレフィン樹脂粒子の平均粒子径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布系UPA150(Model No.9340)を用い、数平均粒子径、重量平均粒子径を求めた。
2.塗膜の特性
(積層体の作成)
不織布状のカーボンシート(厚み30mm)に水性接着剤をバーコーターで乾燥後の厚みが100g/mとなるように塗布し、150℃で1分間乾燥し、塗膜を形成した。その後、前記塗膜とその他基材(c)が接するように重ねて、0.2MPaで100℃、10秒間加圧して貼り合せ、積層体を作成した。
その他基材(c)としては、未延伸ポリプロピレンフィルム(三井化学東セロ社製、商品名:SC、厚み50mm、「PP」と略称する)、ポリエチレンフィルム(タマポリ社製、商品名:UB−1厚み40mm)、アルミニウム−PET(ユニチカ社製)、2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製、商品名:エンブレットPET12、厚み12mm、「PET」と略称する)、2軸延伸ナイロン6フィルム(ユニチカ社製、商品名:エンブレム、ON−15)を用いた。
(1)接着強度
上記積層体から25mm幅のサンプルを切り出し、引張試験機(INTESCO社製、INTESCO精密万能材料試験機2020型)を用い、引張速度100mm/分でT型剥離接着強度を測定した。剥離強度は6N/25mmを合格ラインとした。基材によっては伸びが発生することがあるが、これは十分な接着強度があるためと判断でき、合格ラインを超えているとした。
(2)液の安定性試験
密封系で水性接着剤を40℃のオートクレーブに投入し、1週間後に液の状態を目視で確認した。殆ど変化がなければ「○」、粘度が上昇している傾向にあれば「△」、ゲル化していたものは「×」とした。
(3)耐水性試験
前記塗膜を形成したカーボンシートを、水に10時間浸した後、塗膜の透明性を目視で確認した。透明であれば○、若干白ければ△、白ければ×とした。
(4)耐溶剤試験
前記塗膜を形成したカーボンシートを、トルエンに10時間浸した後、塗膜の透明性を目視で確認した。透明であれば○、若干白ければ△、白ければ×とした。
使用したポリオレフィン樹脂の組成を表1に示す
Figure 2016188323
ポリオレフィン樹脂水性分散体(E−1)の製造
ヒーター付きの密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた攪拌機を用いて、125gのポリオレフィン樹脂(ア)〔ボンダインHX−8290、アルケマ社製〕、125gのイソプロパノール(以下IPA)、6gのトリエチルアミン(以下TEA)および244gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈殿は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで空冷した後、300メッシュのステンレス製フィルターで(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を得た。この水性分散体の各種特性を表1に示した。
ポリオレフィン樹脂水性分散体(E−2)の製造
ヒーター付きの密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた攪拌機を用いて、60gのポリオレフィン樹脂(イ)〔プリマコール5980I、ダウ・ケミカル社製〕、16.8gのTEAおよび223.2gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈殿は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。回転速度300 rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで空冷した後、300メッシュのステンレス製フィルターで(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(0.2MPa)し、微白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−2を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示した。
ポリオレフィン樹脂水性分散体(E−3)の製造
ヒーター付きの密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた攪拌機を用いて、30gのポリオレフィン樹脂(ウ)〔アウローレン250S、日本製紙株式会社製〕、24gのIPA、6gのTEAおよび60gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈殿は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで空冷した後、300メッシュのステンレス製フィルターで(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(0.2MPa)し、微白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−3を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示した。
Figure 2016188323
(添加剤:U−1)
楠本化成社製R−967(ポリエーテル型ポリウレタン、固形分40質量%)を使用した。
(添加剤:U−2)
楠本化成社製R−972(ポリエステル型ポリウレタン、固形分34質量%)を使用した。
(添加剤:U−3)
楠本化成社製R−9603(ポリカーボネート型ポリウレタン、固形分34質量%)を使用した。
(添加剤:A−1)
ナガセケムテックス社製デナコールEX−830(長鎖エポキシ型、固形分100質量%)を使用した。
実施例1〜12
ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の固形分100質量部に対して、U−1、U−2、U−3の固形分がそれぞれ1、10、20、30質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで撹拌、混合し、水性接着剤J−1〜J−12を調製した。
実施例13〜18
ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2、E−3の固形分100質量部に対して、U−1、U−2、U−3の固形分がそれぞれ20質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで撹拌、混合し、水性接着剤J−13〜J−18を調製した。
実施例1〜18の評価結果を表3、4に示す。
Figure 2016188323
Figure 2016188323
比較例1〜3
ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1、E−2、E−3をそのまま水性接着剤H−1〜H−3として使用した。
比較例4〜6
ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1、E−2、E−3の固形分100質量部に対して、U−1の固形分がそれぞれ0.5質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで撹拌、混合し、水性接着剤H−4〜H−6を調製した。
比較例7〜9
ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1、E−2、E−3の固形分100質量部に対して、U−1の固形分がそれぞれ40質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで撹拌、混合し、水性接着剤H−7〜H−9を調製した。
比較例10
A−1を固形分濃度が10質量%となるようにIPAに混合し、接着剤H−10を調製した。
比較例11
ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1にA−1を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対してA−1の有効成分量が20質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで撹拌して混合し、水性接着剤H−11を調製した。
比較例1〜11の評価結果を表5に示す。
Figure 2016188323
実施例1〜18に示すように酸変性ポリオレフィン樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)を含有する水性接着剤は、PPやポリエチレンなどの難接着基材や、PET、アルミ、ナイロンに対して接着強度が大きかった。また塗膜の耐水性、耐溶剤性も優れていた。
ポリウレタン樹脂(B)としてポリエーテル型を使用した場合に、PPとの接着性が特に優れていた。
これに対し、比較例1〜3は、ポリウレタン樹脂(B)を含有していないため、接着強度が不十分であり、多くの基材に対して合格ラインの6N/25mmを下回った。また耐溶剤性にも劣っていた。
比較例4〜6は、ポリウレタン樹脂(B)の含有量が少なく本発明の範囲外であったため、接着強度の向上は殆ど見られず、耐溶剤性も不十分であった。
比較例7〜9は、ポリウレタン樹脂(B)の含有量が過剰であり、本発明の範囲外であったため、液の安定性が悪く、接着剤として使用することができなかった。
比較例10〜11はポリプロピレンやポリエチレン等の難接着基材への接着強度が不十分であった。

Claims (6)

  1. 酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部およびポリウレタン樹脂1〜30質量部が水性媒体中に分散されてなるカーボンシート用水性接着剤。
  2. ポリウレタン樹脂がポリエーテル型ポリウレタンである請求項1記載のカーボンシート用水性接着剤。
  3. 請求項1または2に記載の水性接着剤から得られる樹脂層(b)をカーボンシート系基材(a)に形成してなる積層体。
  4. 請求項3記載の積層体における樹脂層(b)の側に、さらにその他基材(c)を積層してなる積層体。
  5. その他基材(c)が熱可塑性樹脂基材である、請求項4記載の積層体。
  6. 熱可塑性樹脂がポリプロピレンまたはポリエチレンである、請求項5記載の積層体。
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