JP2017066300A - スクリーン印刷プリント版用水性接着剤および積層体 - Google Patents

スクリーン印刷プリント版用水性接着剤および積層体 Download PDF

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大輔 橋爪
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Abstract

【課題】特定組成の接着剤を用いることでスクリーン紗をアルミニウム等の金属板に貼り合わせた際の接着性に優れ、金属板からスクリーン紗を剥離した際には、金属板に接着剤が残存しにくい水性接着剤を提供する。
【解決手段】酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と架橋剤(B)が水性媒体中に分散および/または溶解した水性接着剤であり、当該水性接着剤の水性媒体を除去してなる接着被膜の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)値が0.01g/10分以下であることを特徴とするスクリーン印刷プリント版用水性接着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、スクリーン印刷用プリント版に使用する水性接着剤と、これを用いて金属板とスクリーン紗を貼り合わせて得られる、スクリーン印刷用プリント版に適した積層体に関する。
近年、印刷技術は急速な進歩をとげ、主に活字を中心にした活版印刷、ポスターなどの美しい色彩を表現するオフセット印刷、週刊誌などの写真や食品包装のグラビア印刷、そしてガリ版に代表される孔版印刷と、大きく4つの印刷技術により、さまざまな素材や形状に印刷が出来るようになった。なかでも、水と空気以外のあらゆるものに印刷できると言われている印刷方式が孔版印刷の一つであるスクリーン印刷である。
スクリーン印刷用のプリント版 としては、ポリエステル、ナイロン等のプラスチック網やステンレス網等のスクリーン紗を、接着剤を用いてスクリーン印刷専用のアルミニウム枠へ固着したものが広く用いられている。
例えば特許文献1、2では、スクリーン印刷用プリント版の製造において、スクリーン紗を基材であるアルミニウム枠に作業環境を悪化させずに強力に接着できる接着剤や接着方法が提案されている。特に特許文献2記載のシアノアクリレート系接着剤はスクリーン印刷において広く利用されている。
特開平06−033028号公報 特開2000−328008号公報
しかしながら、特許文献1または2に開示された接着剤は、アルミニウム枠の表面を粗く加工しなければ、接着性が不十分であった。また、所定期間使用したスクリーン印刷プリント版のスクリーン紗をアルミニウム枠基材から剥がしてアルミニウム枠を再利用する場合、シアノアクリレート系接着剤が、アルミニウム枠表面に残存してしまうため、これを除去する工程が必要であった。アルミニウム枠表面に残存した接着剤を除去する方法としては、バフがけ等により枠表面を研磨することが行われているが、アルミニウム枠が変形し不良品発生の原因が生じるという問題があった。
本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消するものであり、特定組成の接着剤を用いることで網目構造シートをアルミニウム等の金属板に貼り合わせた際の接着性に優れ、金属板から網目構造シートを剥離した際には、金属板に接着剤が残存しにくい 水性接着剤を提供するものである。
本発明者らは鋭意検討した結果、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と架橋剤(B)からなる、所定のメルトフローレート値を有する被膜を接着層として用いることで、スクリーン紗と金属板とが良好に接着され、しかも、プリント版の再利用の目的でスクリーン紗を金属板から剥がした際に、金属板と接着層の界面で剥離し、金属板に接着剤が残存しないことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と架橋剤(B)が水性媒体中に分散および/または溶解した水性接着剤であり、当該水性接着剤の水性媒体を除去してなる接着被膜の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)値が0.01g/10分以下であることを特徴とするスクリーン印刷プリント版用水性接着剤。
(2)酸変性ポリオレフィン樹脂(A)100質量部に対して、架橋剤(B)が0.5〜30質量部であることを特徴とする(1)に記載のスクリーン印刷プリント版用水性接着剤。
(3)酸変性ポリオレフィン樹脂(A)がアクリル酸エステル成分を含有していることを特徴とする(1)または(2)に記載のスクリーン印刷プリント版用水性接着剤。
(4)架橋剤(B)がメラミン化合物、ヒドラジド基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物のいずれかを含有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のスクリーン印刷プリント版用水性接着剤。
(5)酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と架橋剤(B)からなり190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)値が0.01g/10分以下である接着被膜を介して、金属板と網目構造シート とが積層されてなる積層体。
(6)金属板と網目構造シートとの接着強度が30N/25mm以上であることを特徴とする(5)に記載の積層体。
(7)金属板表面の算術平均表面粗さRaが4000nm以下であることを特徴とする(5)または(6)に記載の積層体。
(8)(5)〜(7)のいずれかに記載の積層体を用いたスクリーン印刷用プリント版。
本発明の水性接着剤を接着層として用いることで、金属板とスクリーン紗との接着性に優れたスクリーン印刷用プリント版が得られ、スクリーン紗を金属板から剥離する際においては、接着剤が金属板に残存しにくい。このため、本発明の水性接着剤は、スクリーン印刷において、金属板の再利用に好適に用いることができ、不良品削減や作業環境改善にも寄与できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水性接着剤は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と架橋剤(B)が水性媒体中に分散および/または溶解しており、水性媒体を除去してなる接着被膜の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)値が0.01g/10分以下である。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、不飽和カルボン酸成分とオレフィン成分を含有するものである。
不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、フマル酸、クロトン酸などのほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。なかでもアクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイン酸が好ましく、特に無水マレインが好ましい。なお、「(無水)〜酸」とは、「〜酸または無水〜酸」を意味する。すなわち、(無水)マレイン酸とは、マレイン酸または無水マレイン酸を意味する。
不飽和カルボン酸成分は、オレフィン成分と共重合されていればよく、その形態は限定されず、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられる。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)における不飽和カルボン酸成分の含有量は、水性分散体の分散性や網目構造シートとの接着性の観点から、0.1〜25質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましく、1〜8質量%がさらに好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)におけるオレフィン成分の含有量は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。オレフィン成分の含有量が50質量%未満ではポリオレフィン樹脂由来の特性が損なわれる場合がある。
オレフィン成分としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のアルケンや、ノルボルネンのようなシクロアルケンが例示され、これらの混合物を用いることもできる。中でも、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが好ましく、この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素2〜4のアルケンがより好ましく、特にエチレンが好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は接着被膜と金属板や網目構造シートとの密着性を向上させるという観点から(メタ)アクリル酸エステル成分を含有していることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル成分としては、メタアクリル酸と、炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられる。中でも入手のしやすさの点から(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。そのような化合物の例として(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、金属板との接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)における(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量は、0.5〜40質量%であることが好ましく、1〜35質量%であることがより好ましく、3〜30質量%であることがさらに好ましく、5〜25質量%であることが特に好ましく、10〜25質量%であることが最も好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は他の成分を10質量%以下程度含有していてもよい。他の成分としては、ジエン類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類ならびにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、置換スチレン、一酸化炭素、二酸化硫黄などが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の具体例としては、たとえば、エチレン−プロピレン−ブテン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−プロピレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−ブテン−無水マレイン酸共重合体、プロピレン−ブテン−無水マレイン酸共重合体、あるいは、これらの酸変性樹脂にさらにアクリル酸エステル等でアクリル変性したもの等が挙げられる。さらに酸変性ポリオレフィン樹脂(A)は、5〜40質量%の範囲で塩素化されていてもよい。
酸変性ポリオレフィン樹脂(A)としては、市販品を好適に使用することができ、アルケマ社製のボンダインTX−8030、ボンダインHX−8210、ボンダインHX−8290、日本製紙社製のアウローレン150S、アウローレン200S、アウローレン250Sなどが挙げられる。
本発明における水性媒体としては、作業者や作業環境への安全性の観点から、全てが水であることが最も好ましいが、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)を水性化するためや、環境負荷を低減するなどの目的において「水系」としての特徴を逸脱しない範囲であれば、水以外に親水性の有機溶剤が含まれていても差し支えない。このような有機溶剤として、例えばメチルエチルケトン、アセトン、ジエチルケトン等のケトン類、プロパノール、ブタノール、メタノール、エタノール等のアルコール類、テトラヒドロフランやジオキサン等の環状エーテル類、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール誘導体などがある。また、これらの有機溶媒が水性分散体全量に占める量は40質量%以下が好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。また、水性媒体には、後述するように、無水マレイン変性ポリオレフィン樹脂(A)を水性化する際に添加する塩基性化合物を含んでもよい。
本発明の水性接着剤は酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と、架橋剤(B)を含有している必要がある。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と架橋剤(B)を含有する水性接着剤からなる被膜が、所定のメルトフローレート値を有する接着層として用いることで、金属板と網目構造シートが良好に接着され、網目構造シートを金属板から剥離する際には、金属板と接着層の界面ではく離し、金属板に接着剤が残存しない。
水性接着剤における架橋剤(B)の含有量は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましく、1〜15質量部であることが特に好ましい。架橋剤(B)の含有量が0.5質量部未満の場合は、MFR値が0.01g/10分以上になり、接着強度が低く、金属板からのはく離性も悪くなる。また、30質量部を超える場合には、水性接着剤自体がゲル化してしまい、接着剤としての利用が難しくなる。
架橋剤(B)としては、自己架橋性を有する架橋剤、不飽和酸成分と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属等を用いることができる。
具体的には、オキサゾリン基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、エポキシ基含有化合物、メラミン化合物、尿素化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等が挙げられ、必要に応じて複数のものを混合使用してもよい。なかでも、特定の界面で剥離するという観点で、メラミン化合物、ヒドラジド基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物が好ましく、メラミン化合物、ヒドラジド基含有化合物がより好ましい。
市販のメラミン化合物としては、三井サイテック社製の サイメル300、サイメル301、サイメル303、サイメル325、サイメル327、サイメル350、サイメル370、サイメル506、サイメル508、サイメル730、サイメル736、サイメル738などが挙げられる。また、これら以外のメラミン化合物を使用してもよい。
市販のヒドラジド基含有化合物としては、大塚化学社製ADH、APA−P280などが挙げられる。なかでも、アジピン酸ジヒドラジドであるADHを含有する化合物が好ましい。
市販のオキサゾリン基含有化合物としては日本触媒社製のエポクロスシリーズが挙げられる。具体的には水溶性タイプの「WS−500」、「WS−700」、エマルションタイプの「K−1010E」、「K−1020E」、「K−1030E」、「K−2010E」、「K−2020E」、「K−2030E」などが挙げられる。なかでも、2−イソプロペニル2−オキサゾリンを含有するオキサゾリン基含有化合物が好ましい。
市販のカルボジイミド基含有化合物としては、日清紡ケミカル社製のカルボジライトシリーズが挙げられる。具体的には「SV−02」、「V−02」、「V−02−L2」、「V−04」、「E−01」、「E−02」などが挙げられる。
本発明の水性接着剤は、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と架橋剤(B)と水性媒体とを含有するものである。
本発明において、水性媒体は、作業者や作業環境への安全性の観点から、水を主成分とすることが好ましい。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)や架橋剤(B)を水性媒体へ分散、溶解、または乾燥する際の負荷低減を目的として、水性媒体には水以外に有機溶剤が含まれていても差支えない。有機溶剤が水性媒体全量に占める量は、40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明では、水性媒体に酸変性ポリオレフィン樹脂(A)を水性分散化する際に添加する塩基性化合物を含んでいてもよい。
本発明の水性接着剤から水性媒体を除去してなる接着被膜は、金属板と網目構造シートとの接着性や特定の界面で剥離するという観点から、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)値が0.01g/10分以下である必要があり、0.005g/10分以下が好ましく、0.003g/10分以下がより好ましい。
本発明の水性接着剤の製造方法について説明する。
本発明の水性接着剤の製造方法としては、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と架橋剤(B)とを水性媒体中に均一に分散または溶解することができる方法であれば特に限定されるものではない。たとえば、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)の水性分散体と架橋剤(B)の液状物とを混合し、さらに必要に応じて水または有機溶媒を添加する方法が挙げられる。酸変性ポリオレフィン樹脂(A)を水性分散体とする方法としては、これらの成分を、水性媒体、塩基性化合物とともに加熱、撹拌する方法が挙げられる。この際、必要に応じて乳化剤等の水性化助剤を使用してもよいが、含有しない方が好ましい。
また、酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と架橋剤(B)を予め混合した後、水や有機溶媒と混合して必要に応じて塩基性化合物や乳化剤を使用して水性分散化または溶解させる方法も挙げられる。
いずれの製法においても、工程後や、工程中に、水や有機溶媒を留去したり、水や有機溶媒によって希釈することで任意に固形分濃度の調整を行うことができる。
本発明では上記したように、水性接着剤を製造する際、必要に応じて塩基性化合物を用いてもよい。水性接着剤から得られた接着被膜の耐水性の観点から、塩基性化合物は、塗膜形成時に揮発していることが好ましく、具体的にはアンモニアまたは沸点が250℃以下の有機アミン化合物が好ましい。
上記有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。
本発明の水性接着剤には、必要に応じてブロッキング防止剤、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤等の各種薬剤を添加してもよい。
本発明の水性接着剤には、必要に応じて他の重合体を添加することができる。例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン樹脂、(メタ)アクリルアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、変性ナイロン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂が挙げられ、2種以上使用してもよい。添加時期は特に限定されず、たとえば、上記重合体の液状物を適宜添加すればよい。
本発明の水性接着剤における樹脂含有率は、製膜条件、目的とする接着被膜の厚さや要求される性能等に応じて適宜選択され、特に限定されるものではない。水性接着剤の粘性を適度に保ち、かつ良好な塗膜形成能を発現させる点で、1〜60質量%であることが好ましく、3〜55質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましく、5〜45質量%であることが特に好ましい。
本発明の水性接着剤を塗工する金属板は、特に限定されるものではないが、アルミニウム板であることが好ましい。本発明で用いる金属板の算術平均表面粗さRaは、金属板の粗面化工程を省略する観点から、10000nm以下の金属板を用いることが好ましく、7000nm以下の金属板を用いることがより好ましく、5000 nm以下の金属板を用いることがさらに好ましい。
本発明で用いる金属板の厚さは特に限定されるものではないが、通常0.1〜50mm、好ましくは0.1〜20mm、特に好ましくは0.1〜10mmである。
本発明の水性接着剤を金属板に塗工する方法は特に限定されるものではないが、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法などが採用できる。水性接着剤の塗布量については、金属板によって適宜、決定すればよい。
本発明において、金属板と貼り合わせる網目構造シートは、網目構造を有していれば素材に特に限定されるものではなく、例えばポリエステルやナイロン等のプラスチック網やステンレス等の金属網が挙げられ、ポリエステル製またはステンレス製が好ましい。
また、網目構造シートのメッシュ数(1インチ当たりの繊維の本数)は限定されるものではないが、10〜500メッシュであることが好ましく、50〜400メッシュであることがより好ましい。
本発明の水性接着剤を用いて、金属板と網目構造シートとを積層する積層体の製造方法は特に限定されるものではないが、まず、金属板に水性接着剤を塗布、乾燥することで、金属板に接着被膜を積層させる。積層した接着被膜上に網目構造シートを積層し、加熱プレスして貼り合わせる方法が挙げられる。加熱プレスの温度は、50〜200℃で貼り合わせることが好ましく、70〜160℃で貼り合わせることがより好ましい。
本発明の水性接着剤を用いた積層体において、金属板と網目構造シートであるスクリーン紗との接着強度は、スクリーン印刷を行ううえで、30N/25mm以上が好ましく、35N/25mm以上がより好ましい。30N/25mm未満であると、スクリーン印刷時にスクリーン紗が動いて印刷にズレが生じやすくなる傾向にある。また、金属板を再利用するために、スクリーン紗を金属板から剥がす観点から、55N/25mm以下であることが好ましい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、各種の特性については以下の方法によって測定または評価した。
1.水性分散体の特性
(1) ポリオレフィン樹脂の構成
オルトジクロロベンゼン(d)中、120 ℃にてH NMR分析(バリアン社製 300 MHz)を行い求めた。
(2) 酸変性ポリオレフィン樹脂の融点
DSC(Perkin Elmer社製DSC−7)を用いて昇温速度10℃/分で測定した値である。
(3) 酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体の固形分濃度
ポリオレフィン樹脂水性分散耐を適宜秤量し、これを150 ℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、固形分濃度を求めた。
(4) 水性分散体中の酸変性ポリオレフィン樹脂粒子の平均粒子径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布系UPA150(Model No. 9340)を用い、数平均粒子径(mn)、重量平均粒子径(mw)を求めた。
2.接着被膜の特性
(1) ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート
JIS 6730記載の方法(190℃、2160g荷重)で測定した値である。
3.積層体の特性
以下の評価においては、アルミ系基材の表面粗さRaは、ミツトヨ社製の小型表面粗さ測定機サーフテストSJ−310を使用して測定した。
(1) SUSメッシュvsSUSメッシュの接着強度
SUSメッシュに水性接着剤を刷毛で塗布し、150℃で30秒間乾燥して被膜を形成し、得られた被膜上にSUSメッシュを積層し、150℃で10秒間熱プレスすることでSUSメッシュ/接着層/SUSメッシュの積層体を得た。この積層体をINTESCO社製の剥離試験機によって90°剥離強度を測定した。
(2) アルミ板T1vsアルミ箔T3の接着強度
アルミ板T1(厚み4800μm、表面粗さRa=6300 nm)に水性接着剤を刷毛で塗布し、150℃で30秒間乾燥して被膜を形成し、得られた被膜上にアルミ箔T3(厚み12μm、表面粗さRa=120nm)を積層し、150℃で10秒間熱プレスすることでアルミ板T1/接着層/アルミ箔T3の積層体を得た。この積層体をINTESCO社製の剥離試験機によって90°剥離強度を測定した。
(3) アルミ板T1vsSUSメッシュの接着強度
アルミ板T1(厚み4800μm、表面粗さRa=6300 nm)に水性接着剤を刷毛で塗布し、150℃で30秒間乾燥して被膜を形成し、得られた被膜上にSUSメッシュを積層し、150℃で10秒間熱プレスすることでアルミ板T1/接着層/SUSメッシュの積層体を得た。この積層体をINTESCO社製の剥離試験機によって90°剥離強度を測定した。
(4) アルミ板T2vsアルミ箔T3の接着強度
アルミ板T2(厚み5000μm、表面粗さRa=270 nm)に水性接着剤を刷毛で塗布し、150℃で30秒間乾燥して被膜を形成し、得られた被膜上にアルミ箔T3(厚み12μm、表面粗さRa=120nm)を積層し、150℃で10秒間熱プレスすることでアルミ板T2/接着層/アルミ箔T3の積層体を得た。この積層体をINTESCO社製の剥離試験機によって90°剥離強度を測定した。
(5) アルミ板T2vsSUSメッシュの接着強度
アルミ板T2(厚み5000μm、表面粗さRa=270 nm)に水性接着剤を刷毛で塗布し、150℃で30秒間乾燥して被膜を形成し、得られた被膜上にSUSメッシュを積層し、150℃で10秒間熱プレスすることでアルミ板T2/接着層/SUSメッシュの積層体を得た。この積層体をINTESCO社製の剥離試験機によって90°剥離強度を測定した。
(6) アルミ板とSUSメッシュの剥離性試験
SUSメッシュをアルミ板T1またはT2から手で剥がし、剥離後のアルミ板の状態を目視で確認した。評価は以下の3段階である。
「○」:アルミ板に接着剤が残存していない。
「△」:アルミ板に接着剤がわずかに残存している。
「×」:アルミ板に接着剤が残存している。
酸変性ポリオレフィン樹脂「P−1」の製造
プロピレン−ブテン−エチレン三元共重合体(ヒュルスジャパン社製、ベストプラスト708、プロピレン/ブテン/エチレン=64.8/23.9/11.3質量%)280gを、攪拌機、冷却管、滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコ中、窒素雰囲気下で加熱溶融させた後、系内温度を165℃に保って攪拌下、不飽和カルボン酸として無水マレイン酸32.0gとラジカル発生剤としてジクミルパーオキサイド6.0gのヘプタン20g溶液をそれぞれ1時間かけて加え、その後1時間反応させた。反応終了後、得られた反応物を多量のアセトン中に投入し、樹脂を析出させた。この樹脂をさらにアセトンで数回洗浄し、未反応の無水マレイン酸を除去した後、減圧乾燥機中で減圧乾燥してポリオレフィン樹脂「P−1」を得た。
実施例、比較例において使用した酸変性ポリオレフィン樹脂の組成、特性を表1に示す。
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体(E−1)の製造
ヒーター付きの密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた攪拌機を用いて、100gのポリオレフィン樹脂(ア)〔ボンダインTX−8030、アルケマ社製〕、150gのイソプロパノール(以下IPA)、6gのトリエチルアミン(以下TEA)、および、244gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300 rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈殿は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで空冷した後、300メッシュのステンレス製フィルターで(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を得た。
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体(E−2)の製造
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gのポリオレフィン樹脂(イ)〔ボンダインHX−8290,アルケマ社製〕、60.0gのIPA、4.5g(樹脂中の無水マレイン酸のカルボキシル基に対して1.8倍当量)のTEA、および、175.5gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140〜145℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2を得た。
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体(E−3)の製造
ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、60.0gの酸変性ポリオレフィン樹脂「P−1」、45.0gのエチレングリコール−n−ブチルエーテル(和光純薬社製)、6.9gのN,N−ジメチルエタノールアミン(和光純薬社製)及び188.1gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに60分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白黄色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3を得た。
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体(E−4)の製造
ヒーター付きの密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた攪拌機を用いて、60gのポリオレフィン樹脂(エ)〔プリマコール5980I、ダウ・ケミカル社製〕、16.8gのTEAおよび 223.2gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈殿は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。回転速度300rpmのまま撹拌しつつ室温(約25℃)まで空冷した後、300メッシュのステンレス製フィルターで(線径0.035mm、平織)で加圧ろ過(0.2MPa)し、微白色の均一な酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−4を得た。
酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1〜E−4の各種特性を表2に示した。
実施例、比較例で用いた架橋剤は以下に示す。
(架橋剤:K−1)
三井サイテック社製、サイメル350(メラミン樹脂含有化合物 固形分80%)をIPAで希釈し、有効成分が20質量%になるようにして、使用した。
(架橋剤:K−2)
信越シリコーン社製、KBM903(アミノ系シランカップリング剤)をIPAで有効成分1質量%に調製し、使用した。
(架橋剤:K−3)
大塚化学社製、ADH(アジピン酸ヒドラジド化合物)の粉末を水に溶解させ、有効成分8質量%にしたものを使用した。
(架橋剤:K−4)
日本触媒社製、エポクロスWS−700を原液(有効成分25%)で使用した。
(架橋剤:K−5)
日清紡ケミカル社製、カルボジライト(有効成分40%)を原液で使用した。
実施例1
酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して架橋剤K−1の固形分が1質量部となるように酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1に添加し、室温にてメカニカルスターラーで撹拌、混合し、水性接着剤J−1を調製した。
実施例2〜4
架橋剤K−1の添加量を、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、それぞれ10質量部(固形分)、20質量部(固形分)、30質量部(固形分)とした以外は実施例1と同様に行い、水性接着剤J−2〜J−4を調製した。
実施例5、6
酸変性ポリオレフィン樹脂をそれぞれE−2、E−3に変えた以外は、実施例2と同様に行い、メカニカルスターラーで撹拌、混合し、水性接着剤J−5、J−6をそれぞれ調製した。
実施例7
架橋剤をK−3に変えた以外は実施例2と同様に行い、室温にてメカニカルスターラーで撹拌、混合し、水性接着剤J−7を調製した。
実施例8
架橋剤をK−4に変え、添加量を、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して、5質量部(固形分)となるようにした以外は実施例1と同様に行い、室温にてメカニカルスターラーで撹拌、混合し、水性接着剤J−8を調製した。
実施例9
架橋剤をK−5に変えた以外は実施例8と同様に行い、室温にてメカニカルスターラーで撹拌、混合し、水性接着剤J−9を調製した。
比較例1
瞬間接着剤J−10(東亜合成社製、アロンアルファ101、主成分:シアノアクリレート)を原液の状態で使用した。
比較例2
架橋剤をK−2に変えた以外は実施例1と同様に行い、室温にてメカニカルスターラーで撹拌、混合し、水性接着剤J−11を調製した。
比較例3〜5、12
架橋剤を添加せずに酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1〜E−4のみをそれぞれ用い、水性接着剤J−12〜14、J−21とした。
比較例6、8、10
架橋剤K−1の添加量を、酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して0.2質量部(固形分)とし、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体をそれぞれE−1〜E−3を用いた以外は実施例1と同様に行い、水性接着剤J−15、J−17、J−19を調製した。
比較例7、9、11
架橋剤K−1の添加量を酸変性ポリオレフィン樹脂100質量部に対して40質量部(固形分)とし、酸変性ポリオレフィン樹脂水性分散体をそれぞれE−1〜E−3を用いた以外は実施例1と同様に行ったが、ゲル化して水性接着剤J−16、J−18、J−20が得られなかった。
比較例13
酸変性ポリオレフィン樹脂をE−4に変えた以外は、実施例2と同様に行い、メカニカルスターラーで撹拌、混合し、水性接着剤J−22を調製した。
比較例14
酸変性ポリオレフィン樹脂をE−4に変えた以外は、実施例4と同様に行い、メカニカルスターラーで撹拌、混合し、水性接着剤J−23を調製した。
実施例1〜9の評価結果を表3に示す。
比較例1〜14の評価結果を表4に示す。
実施例1〜9は金属板と網目構造シートの接着性に優れており、表面を粗面化していない金属板においても高い接着性を有していた。また、得られた積層体の網目構造シートを剥がした際には、金属板には殆ど接着剤が残らず、特定の界面で剥離することができた。
一方、比較例1のようなシアノアクリレートを主成分とする接着剤を用いた場合、表面を粗面化していない金属板との接着性に劣る場合があった。また、金属板から網目構造シートを剥離した際には、金属板に接着剤が残存する傾向にあった。
比較例2では得られた接着被膜のMFR値が本発明で規定する範囲を外れていたため、表面を粗面化していない金属板との接着性に劣る場合があった。また、金属板から網目構造シートを剥離した際には、金属板に接着剤が残存する傾向にあった。
比較例3〜5、12では架橋剤を含有していないため、金属板と網目構造シートとの接着強度が低い傾向にあった。
比較例6、8、10では、得られた接着被膜のMFR値が本発明で規定する範囲を外れていたため、金属板と網目構造シートとの接着強度が低い傾向にあった。
比較例7、9、11では、ゲル化してしまい、水性媒体中に分散および/または溶解した水性接着剤を得ることができず、評価不能であった。
比較例13、14では、得られた接着被膜のMFR値が本発明で規定する範囲を外れていたため、金属板と網目構造シートとの接着強度が低い傾向にあった。

Claims (8)

  1. 酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と架橋剤(B)が水性媒体中に分散および/または溶解した水性接着剤であり、当該水性接着剤の水性媒体を除去してなる接着被膜の190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)値が0.01g/10分以下であることを特徴とするスクリーン印刷プリント版用水性接着剤。
  2. 酸変性ポリオレフィン樹脂(A)100質量部に対して、架橋剤(B)が0.5〜30質量部であることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷プリント版用水性接着剤。
  3. 酸変性ポリオレフィン樹脂(A)がアクリル酸エステル成分を含有していることを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン印刷プリント版用水性接着剤。
  4. 架橋剤(B)がメラミン化合物、ヒドラジド基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物のいずれかを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーン印刷プリント版用水性接着剤。
  5. 酸変性ポリオレフィン樹脂(A)と架橋剤(B)からなり190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(MFR)値が0.01g/10分以下である接着被膜を介して、金属板と網目構造シートとが積層されてなる積層体。
  6. 金属板と網目構造シートとの接着強度が30N/25mm以上であることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
  7. 金属板表面の算術平均表面粗さRaが4000nm以下であることを特徴とする請求項5または6に記載の積層体。
  8. 請求項5〜7のいずれかに記載の積層体を用いたスクリーン印刷用プリント版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019031595A (ja) * 2017-08-07 2019-02-28 ユニチカ株式会社 積層フィルム、積層ラミネートフィルムおよび積層ラミネートフィルムの製造方法
JP2020055185A (ja) * 2018-09-29 2020-04-09 日本製紙株式会社 ハードコートフィルム及びその製造方法

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