JP2016188181A - ミラベグロン含有放出制御錠剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】市販のミラベグロンを含む錠剤と、同様の溶出プロファイルを達成し、さらに錠剤のコンパクト化を可能とする放出制御錠剤を提供する。【解決手段】前記放出制御錠剤は、ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩、ハイドロゲルを形成する高分子物質、及び該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物を含有してなり、錠剤重量が250mg以下である。【選択図】なし
Description
本発明は、ミラベグロン含有放出制御錠剤に関する。詳細には、本発明は、ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩、ハイドロゲルを形成する高分子物質、及び該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物を含有してなり、錠剤重量が250mg以下である、放出制御錠剤に関するものである。
ミラベグロンは、以下の化学構造式:
で示される化合物であり、ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩は、β3アドレナリン受容体アゴニスト作用を有し、過活動膀胱の治療剤として有用であることが知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。また、ミラベグロンを含む錠剤は、過活動膀胱治療剤として販売されている(日本での製品名:ベタニス錠25mg、ベタニス錠50mg)。
前記ミラベグロンの開発段階で実施された臨床試験において、食物摂取の有無により、その薬物動態が変動することが報告されている(特許文献4)。食物摂取の有無により薬物動態が変動すると、当然その作用効果にも影響を与えることとなる。特に医薬品においては、予測と異なる作用効果を生じた場合、不測の事態を招くことが考えられるため、一定の作用効果を予測できる必要がある。従って、食物摂取の有無による薬物動態の変動を最小限に抑えた薬剤の開発が強く求められているところ、ミラベグロンにおける食物摂取の有無による薬物動態の変動が、種々の医薬品添加物を用いた薬物放出制御により、特定の溶出プロファイルとすることで低減できることが知られている(特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7)。
更に、ミラベグロンを含む医薬組成物として、高分子物質等を含む錠剤が知られている(特許文献8)。
服用コンプライアンスを考慮すれば、錠剤のコンパクト化(小型化)が望ましい。
更に、ミラベグロンを含む医薬組成物として、高分子物質等を含む錠剤が知られている(特許文献8)。
服用コンプライアンスを考慮すれば、錠剤のコンパクト化(小型化)が望ましい。
上述のように、ミラベグロンの食物摂取の有無による薬物動態の変動を低減するため、特定の溶出プロファイルとし、かつ、服薬コンプライアンスの更なる向上のため、錠剤をコンパクト化するには、なお改善の余地がある。
本発明の課題は、市販のミラベグロンを含む錠剤と、同様の溶出プロファイルを達成し、さらに錠剤のコンパクト化を可能とする放出制御錠剤を提供することにある。
かかる状況下、本発明者らは、市販のミラベグロンを含む錠剤と、同様の溶出プロファイルを達成し、さらに錠剤をコンパクト化することを目的として鋭意検討を行った。
その結果、ハイドロゲルを形成する高分子物質及び該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物の組み合わせにより、市販のミラベグロンを含む錠剤と、同様の薬物溶出プロファイル及び血中プロファイルを達成し、さらに錠剤のコンパクト化を達成できることを見出して、本発明を完成するに至った。
その結果、ハイドロゲルを形成する高分子物質及び該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物の組み合わせにより、市販のミラベグロンを含む錠剤と、同様の薬物溶出プロファイル及び血中プロファイルを達成し、さらに錠剤のコンパクト化を達成できることを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明は、
[1]ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩、ハイドロゲルを形成する高分子物質(以下、ハイドロゲル形成高分子物質と称することがある)、及び該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物を含有してなり、錠剤重量が250mg以下である、放出制御錠剤、
[2]溶出開始1.5時間後の薬物溶出率が75%以下であり、かつ7時間後の薬物溶出率が75%以上100%以下である、[1]の放出制御錠剤、
[3]ハイドロゲルを形成する高分子物質が、ポリエチレンオキサイド、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、及びカルボキシビニルポリマーからなる群より選択される1種又は2種以上である、[1]又は[2]の放出制御錠剤、
[4]該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物が、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、ポリ酢酸ビニル(80%)/ポビドン(19%)混合物、及び軽質無水ケイ酸からなる群より選択される1種又は2種以上である、[1]〜[3]のいずれかの放出制御錠剤、
[5]該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物が、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、及び軽質無水ケイ酸からなる群より選択される1種又は2種以上である、[1]〜[4]のいずれかの放出制御錠剤、
[6]該高分子物質の配合割合が、錠剤全体の重量に対して約1重量%以上約75重量%以下である、[1]〜[5]のいずれかの放出制御錠剤、
[7]該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物の配合割合が、ハイドロゲルを形成する高分子物質の重量に対して、約10重量%以上約200重量%以下である、[1]〜[6]のいずれかの放出制御錠剤、
[8]ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩、ハイドロゲルを形成する高分子物質(以下、ハイドロゲル形成高分子物質と称することがある)、及び該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物を含有してなり、錠剤重量が250mg以下である、放出制御錠剤の製造方法
に関する。
[1]ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩、ハイドロゲルを形成する高分子物質(以下、ハイドロゲル形成高分子物質と称することがある)、及び該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物を含有してなり、錠剤重量が250mg以下である、放出制御錠剤、
[2]溶出開始1.5時間後の薬物溶出率が75%以下であり、かつ7時間後の薬物溶出率が75%以上100%以下である、[1]の放出制御錠剤、
[3]ハイドロゲルを形成する高分子物質が、ポリエチレンオキサイド、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、及びカルボキシビニルポリマーからなる群より選択される1種又は2種以上である、[1]又は[2]の放出制御錠剤、
[4]該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物が、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、ポリ酢酸ビニル(80%)/ポビドン(19%)混合物、及び軽質無水ケイ酸からなる群より選択される1種又は2種以上である、[1]〜[3]のいずれかの放出制御錠剤、
[5]該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物が、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、及び軽質無水ケイ酸からなる群より選択される1種又は2種以上である、[1]〜[4]のいずれかの放出制御錠剤、
[6]該高分子物質の配合割合が、錠剤全体の重量に対して約1重量%以上約75重量%以下である、[1]〜[5]のいずれかの放出制御錠剤、
[7]該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物の配合割合が、ハイドロゲルを形成する高分子物質の重量に対して、約10重量%以上約200重量%以下である、[1]〜[6]のいずれかの放出制御錠剤、
[8]ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩、ハイドロゲルを形成する高分子物質(以下、ハイドロゲル形成高分子物質と称することがある)、及び該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物を含有してなり、錠剤重量が250mg以下である、放出制御錠剤の製造方法
に関する。
本発明によれば、市販のミラベグロンを含む錠剤と、同様の溶出プロファイルを達成したことから、市販のミラベグロンを含む錠剤と同様に食物摂取の有無による薬物動態の変動を低減できると考えられる。さらに錠剤のコンパクト化を可能とする放出制御錠剤を提供できる。
本明細書における「同様の溶出プロファイル」とは、薬物溶出プロファイルにより規定することができ、例えば、米国薬局方溶出試験法(パドル法)又は日本薬局方溶出試験法(パドル法)で、適当な試験液900mL(例えばUSP リン酸緩衝液 pH6.8)を用いてパドルの回転数50回転/分以上200回転/分以下の条件で溶出試験を行う時、例えば、30分での錠剤からの薬物溶出率が85%未満、ある態様として、1.5時間での錠剤からの薬物溶出率が75%以下、かつ4時間での錠剤からの薬物溶出率が100%以下である。他の態様として、1.5時間での錠剤からの薬物溶出率が75%以下、かつ7時間での錠剤からの薬物溶出率が75%以上100%以下である。
本明細書における「放出制御錠剤」とは、食物摂取の有無による薬物動態の変動を低減する程度に薬物の放出をコントロールした錠剤である。具体的には、ハイドロゲルを形成する高分子物質、及び非水溶性医薬品添加物を組み合わせた錠剤である。
本明細書における「小型化」とは、例えば、錠剤重量が250mg以下、ある態様として200mg以下、別の態様として150mg以下である。
本明細書における「非水溶性」とは、実質的に水に溶けないことを意味する。
本明細書における「ゲル化を促進」とは、ハイドロゲルを形成する高分子物質を含む錠剤内部に水を浸入させ、ハイドロゲルを形成する高分子物質のゲル化を促進することを意味する。具体的には、例えば、後述のゲル化試験を行う時、ゲル化率がハイドロゲルを形成する高分子物質単独でゲル化試験をした時より高いゲル化率を示すことを言う。
本発明の放出制御錠剤の有効成分である、ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩は、例えば、特許文献2に記載の方法、或いはそれに準じて製造することにより容易に入手可能である。
ミラベグロンは、塩を形成しないフリー体の態様以外に、酸と製薬学的に許容しうる塩を形成しうる。かかる塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸との酸付加塩、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、グルタミン酸等との有機酸との酸付加塩を挙げることができる。これらの塩は常法により製造できる。ある態様として、塩を形成しないフリー体を挙げることができる。
ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩は、β3アドレナリン受容体アゴニスト作用を有し、過活動膀胱の治療剤として有用である。
ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩の投与量は、例えば、症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常経口投与の場合成人1日あたり約1mg以上200mg以下であり、これを1回で、或いは2〜4回に分けて投与することができる。
ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩の配合割合は、例えば、錠剤の重量に対して例えば、1重量%以上70重量%以下、他の態様として、5重量%以上70重量%以下、別の態様として、10重量%以上70重量%以下である。ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩の配合量としては、錠剤全体の重量に対して例えば、1mg以上200mg以下、他の態様として、10mg以上150mg以下であり、別の態様として、25mg又は50mgである。
本発明に用いられるハイドロゲルを形成する高分子物質としては、薬物の血中濃度プロファイルが食物摂取の有無の影響を受けない程度に、薬物の放出速度をコントロールし得るものであれば、特に制限されない。
ハイドロゲルを形成する高分子物質の分子量は、例えば、10万以上、他の態様として、10万以上800万以下、別の態様として、10万以上500万以下、更に別の態様として、10万以上200万以下である。又はハイドロゲルを形成する高分子物質の粘度は、例えば、5%水溶液(25℃)の粘度が12mPa・s以上、他の態様として、5%水溶液(25℃)の粘度が12mPa・s以上、且つ、1%水溶液(25℃)の粘度が40000mPa・s以下、別の態様として、2%水溶液(25℃)の粘度が400mPa・s以上、且つ、1%水溶液(25℃)の粘度が7500mPa・s以下、更に別の態様として、2%水溶液(25℃)の粘度が400mPa・s以上、且つ、1%水溶液(25℃)の粘度が5500mPa・s以下である。
本発明に用いられるハイドロゲルを形成する高分子物質としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマーが挙げられる。他の態様として、ポリエチレンオキサイド、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。別の態様として、ポリエチレンオキサイド、ヒプロメロースが挙げられる。
ポリエチレンオキサイド(以下、PEOと略記する場合がある)としては、例えば、商品名Polyox WSR−308[平均分子量:800万、粘度:10000−15000mPa・s(1%水溶液25℃)]、Polyox WSR−303[平均分子量:700万、粘度:7500−10000mPa・s(1%水溶液25℃)]、Polyox WSR Coagulant[平均分子量:500万、粘度:5500−7500mPa・s(1%水溶液25℃)]、Polyox WSR−301[平均分子量:400万、粘度:1650−5500mPa・s(1%水溶液25℃)]、Polyox WSR−N−60K[平均分子量:200万、粘度:2000−4000mPa・s(2%水溶液25℃)]、Polyox WSR−N−12K[平均分子量:100万、粘度:400−800mPa・s(2%水溶液25℃)]、Polyox WSR−1105[平均分子量:90万、粘度:8800−17600mPa・s(5%水溶液25℃)]、Polyox WSR−205[平均分子量:60万、粘度:4500−8800mPa・s(5%水溶液25℃)]、Polyox WSR−N−750[平均分子量:30万、粘度:600−1200mPa・s(5%水溶液25℃)]、Polyox WSR−N−80[平均分子量:20万、粘度:55−90mPa・s(5%水溶液25℃)]、Polyox WSR−N−10[平均分子量:10万、粘度:12−50mPa・s(5%水溶液25℃)](ダウ・ケミカル製)が挙げられる。
ヒプロメロース(以下、HPMCと略記する場合がある)としては、例えば、商品名メトローズ90SH50000[20℃における2%水溶液の粘度:2900−3900mPa・s]、メトローズSB−4(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約4mPa・s)、TC−5RW(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約6mPa・s)、TC−5S(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約15mPa・s)、TC−5R(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約6mPa・s)、TC−5M(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約4.5mPa・s)、TC−5E(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約3mPa・s)、メトローズ60SH−50(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約50mPa・s)、メトローズ65SH−50(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約50mPa・s)、メトローズ90SH−100(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約100mPa・s)、メトローズ90SH−100SR(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約100mPa・s)、メトローズ65SH−400(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約400mPa・s)、メトローズ90SH−400(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約400mPa・s)、メトローズ65SH−1500(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約1500mPa・s)、メトローズ60SH−4000(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約4000mPa・s)、メトローズ65SH−4000(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約4000mPa・s)、メトローズ90SH−4000(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約4000mPa・s)、メトローズ90SH−4000SR(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約4000mPa・s)、メトローズ90SH−15000(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約15000mPa・s)、メトローズ90SH−15000SR(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約15000mPa・s)、メトローズ90SH−30000(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約30000mPa・s)が挙げられる。
ヒドロキシプロピルセルロース(以下、HPCと略記する場合がある)としては、例えば、HPC−SSL(商品名、日本曹達(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:2.0−2.9mPa・s)、HPC−SL(商品名、日本曹達(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:3.0−5.9mPa・s)、HPC−L(商品名、日本曹達(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:6.0−10.0mPa・s)、HPC−M(商品名、日本曹達(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:150−400mPa・s)、HPC−H(商品名、日本曹達(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:1000−4000mPa・s)が挙げられる。
メチルセルロース(以下、MCと略記する場合がある)としては、例えば、メトローズSM15(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約15mPa・s)、メトローズSM25(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約25mPa・s)、メトローズSM100(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約100mPa・s)、メトローズSM400(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約400mPa・s)、メトローズSM1500(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約1500mPa・s)、メトローズSM4000(商品名、信越化学工業(株)製)(20℃における2%水溶液の粘度:約4000mPa・s)が挙げられる。
カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下、CMCNaと略記する場合がある)としては、例えば、商品名サンローズF−30MC[粘度:250−350mPa・s(1%水溶液25℃)]、サンローズF−150MC[平均分子量:20万、粘度:1200−1800mPa・s(1%水溶液25℃)]、サンローズF−600MC[粘度:6000−8000mPa・s(1%水溶液25℃)]、サンローズF−1000MC[平均分子量:42万、粘度:8000−12000mPa・s(1%水溶液25℃)]、サンローズF−1400MC[粘度:12000−15000mPa・s(1%水溶液25℃)]、サンローズF−300MC[平均分子量:30万、粘度:2500−3000mPa・s(1%水溶液25℃)](日本製紙製)が挙げられる。
ヒドロキシエチルセルロース(以下、HECと略記する場合がある)としては、例えば、商品名HECダイセルSE850[平均分子量:148万、粘度:2400−3000mPa・s(1%水溶液25℃)]、HECダイセルSE900[平均分子量:156万、粘度:4000−5000mPa・s(1%水溶液25℃)](ダイセル化学工業製)が挙げられる。
カルボキシビニルポリマーとしては、例えば、カーボポール940(平均分子量約250万、B.F.Goodrich Chemical製)が挙げられる。
これらのハイドロゲルを形成する高分子物質は、1種又は2種以上適宜組み合せて使用可能である。また、異なるロットを組み合わせて使用しても良い。
ハイドロゲルを形成する高分子物質の配合割合は、薬物の血中濃度プロファイルが食物摂取の有無の影響を受けない程度の量であれば特に制限されない。例えば、錠剤全体の重量に対して例えば、約1重量%以上約75重量%以下、他の態様として、約5重量%以上約60重量%以下であり、別の態様として、約10重量%以上約50重量%以下、更に別の態様として、約20重量%以上約50重量%以下である。ハイドロゲルを形成する高分子物質の配合割合は、薬物の重量に対して約0.1重量%以上約1000重量%以下、他の態様として、約1重量%以上約200重量%以下、別の態様として、約25重量%以上約150重量%以下である。
なお、混合前の粘度が本発明における所定の粘度範囲から外れるものであっても、複数組み合わせて混合することにより、使用前に粘度を測定して当該粘度範囲内の粘度を示す場合には、適宜組み合わせて使用しても良い。
本発明に用いられる、ハイドロゲル形成高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物としては、錠剤をコンパクト化し、ミラベグロンの放出を食物摂取の影響を受けない程度に、薬物の放出速度をコントロールし得るものであれば特に制限されない。
本発明に用いられるハイドロゲル形成高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物は、錠剤内部に水を浸入させるための機能を有しており、結果として錠剤はハイドロゲル錠剤となる。該機能は後記「ゲル化率」により確認することができる。
本発明に用いられるハイドロゲル形成高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物は、錠剤内部に水を浸入させるための機能を有しており、結果として錠剤はハイドロゲル錠剤となる。該機能は後記「ゲル化率」により確認することができる。
本発明に用いられるハイドロゲル形成高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物としては、例えば、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、ポリ酢酸ビニル(80%)/ポビドン(19%)混合物、軽質無水ケイ酸、カルメロースナトリウム、メタクリル酸コポリマーLD、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーS、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRL、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、メチルメタクリレート・ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、沈降炭酸カルシウム、カルボキシメチルエチルセルロース、クロスポビドン、部分アルファー化デンプン、カルメロース、カルメロースナトリウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、コメデンプン、米粉、酢酸ビニル樹脂、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルセルロース、ベントナイトを挙げることができる。
また、ある態様としては、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、ポリ酢酸ビニル(80%)/ポビドン(19%)混合物、軽質無水ケイ酸を挙げることができる。
更に、他の態様としては、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸を挙げることができる。
これらのハイドロゲル形成高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物は、1種又は2種以上を組み合わせて適宜適量を添加することができる。
ハイドロゲル形成高分子物質がポリエチレンオキサイドの場合、ハイドロゲル形成高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物は、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウムを挙げることができる。
ハイドロゲル形成高分子物質がヒプロメロースの場合、ハイドロゲル形成高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物は、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、ポリ酢酸ビニル(80%)/ポビドン(19%)混合物、軽質無水ケイ酸を挙げることができる。
これらのハイドロゲル形成高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物は、1種又は2種以上を組み合わせて適宜適量を添加することができる。
ハイドロゲル形成高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物の配合割合としては、錠剤をコンパクト化し、ミラベグロンの放出を食物摂取の影響を受けない程度に、薬物の放出速度をコントロールし得るものであれば特に制限されない。例えば、錠剤全体の重量に対して、例えば、約5重量%以上約50重量%以下、ある態様として、約10重量%以上約40重量%以下、他の態様として、約20重量%以上約35重量%以下、別の態様として、約20重量%以上約30重量%以下である。また、ハイドロゲル形成高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物の配合割合は、ハイドロゲル形成高分子物質の重量に対して、例えば、約10重量%以上約200重量%以下、ある態様として、約30重量%以上約150重量%以下、他の態様として、約50重量%以上約100重量%以下である。
本発明における放出制御錠剤には、抗酸化剤を配合してもよい。抗酸化剤としては、保存中の溶出挙動の変動を低減できるものであれば特に制限されない。例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、没食子酸プロピル(PG)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、クエン酸、エデト酸ナトリウムが挙げられ、他の態様としてBHT、PG、アスコルビン酸ナトリウムが挙げられ、別の態様として、BHTが挙げられる。
これらの抗酸化剤は、1種又は2種以上組み合わせて適宜適量添加することができる。
抗酸化剤の配合割合としては、錠剤全体の重量に対して、例えば、0.025重量%以上0.25重量%以下である。
抗酸化剤の配合割合としては、錠剤全体の重量に対して、例えば、0.025重量%以上0.25重量%以下である。
本発明における放出制御錠剤には、安定化剤を配合してもよい。安定化剤としては、ハイドロゲルを形成する高分子物質としてポリエチレンオキサイドが用いられる場合、経時的に薬物の放出特性を変化させないものであれば、特に制限されない。例えば、黄色三二酸化鉄、赤色三二酸化鉄、黒色酸化鉄等が挙げられる。
これらの安定化剤は、1種又は2種以上組み合わせて適宜適量添加することができる。 安定化剤の配合割合としては、錠剤全体の重量に対して、例えば、0.05重量%以上1重量%以下である。
本発明の放出制御錠剤には、本発明の効果を達成できる範囲で所望により、各種医薬品添加物が適宜使用され、錠剤化することができる。
かかる医薬品添加物としては、製薬的に許容され、かつ薬理的に許容されるものであれば特に制限されず、例えば、賦形剤、矯味剤、発泡剤、甘味剤、香料、滑沢剤、緩衝剤、界面活性剤などを挙げることができる。
かかる医薬品添加物としては、製薬的に許容され、かつ薬理的に許容されるものであれば特に制限されず、例えば、賦形剤、矯味剤、発泡剤、甘味剤、香料、滑沢剤、緩衝剤、界面活性剤などを挙げることができる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルランなどを挙げることができる。
矯味剤としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などを挙げることができる。
発泡剤としては、例えば、重曹などを挙げることができる。
甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどを挙げることができる。
香料としては、例えば、レモン、レモンライム、オレンジ、メントールなどを挙げることができる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなどを挙げることができる。
緩衝剤としては、例えば、クエン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸又はその塩類、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン又はその塩類、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸、ホウ酸又はその塩類などを挙げることができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などを挙げることができる。
これらの医薬品添加物は、1種又は2種以上組み合わせて適宜適量を添加することができる。
医薬品添加物の配合量については、いずれの医薬品添加物についても、本発明の所望の効果が達成される範囲内の量で使用できる。
医薬品添加物の配合量については、いずれの医薬品添加物についても、本発明の所望の効果が達成される範囲内の量で使用できる。
本発明の放出制御錠剤は、例えば、粉砕、混合、造粒、乾燥、成形(打錠)、フィルムコーティング等の工程を含む公知の方法により製造可能である。
本発明の放出制御錠剤の製造方法について、以下説明する。
本発明の放出制御錠剤の製造方法について、以下説明する。
粉砕、混合工程
粉砕工程は、薬物及び適当な医薬品添加物を通常製薬学的に粉砕できる方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。粉砕装置としては、例えばハンマーミル、ボールミル、ジェット粉砕機、コロイドミル等が挙げられる。粉砕条件は適宜選択されれば特に制限されない。
粉砕に連続した各成分の混合工程は、通常製薬学的に各成分を均一に混合できる方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。
粉砕工程は、薬物及び適当な医薬品添加物を通常製薬学的に粉砕できる方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。粉砕装置としては、例えばハンマーミル、ボールミル、ジェット粉砕機、コロイドミル等が挙げられる。粉砕条件は適宜選択されれば特に制限されない。
粉砕に連続した各成分の混合工程は、通常製薬学的に各成分を均一に混合できる方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。
造粒工程
造粒工程としては、ハイドロゲルを形成する高分子物質等を造粒できる方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。
造粒方法、装置としては、例えば、高速攪拌造粒法、解砕(粉砕)造粒法、流動層造粒法、押出造粒法、転動造粒法、噴霧造粒法、あるいはそれらの方法により用いられる装置等が挙げられる。他の態様として、流動層造粒法・装置であり、別の態様として、転動流動層造粒法・装置である。
造粒工程としては、ハイドロゲルを形成する高分子物質等を造粒できる方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。
造粒方法、装置としては、例えば、高速攪拌造粒法、解砕(粉砕)造粒法、流動層造粒法、押出造粒法、転動造粒法、噴霧造粒法、あるいはそれらの方法により用いられる装置等が挙げられる。他の態様として、流動層造粒法・装置であり、別の態様として、転動流動層造粒法・装置である。
乾燥工程
乾燥する方法としては、通常製薬学的に乾燥できる方法であれば特に制限されない。装置としては、例えば、通風乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、流動層乾燥機などが挙げられる。
乾燥後に篩、コーミルなどで篩過、整粒してもよい。
乾燥する方法としては、通常製薬学的に乾燥できる方法であれば特に制限されない。装置としては、例えば、通風乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、流動層乾燥機などが挙げられる。
乾燥後に篩、コーミルなどで篩過、整粒してもよい。
成形工程
成形工程としては、本発明の放出制御錠剤を成形する方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。例えば、造粒・乾燥工程を行わず、薬物及び適当な医薬品添加物を混合後に直接圧縮成形し錠剤を製する方法、造粒し更に滑沢剤等を混合した後に圧縮成形し錠剤を製する方法が挙げられる。
打錠装置としては、例えばロータリー式打錠機、オイルプレス等が挙げられる。
打錠圧等の打錠条件としては、圧縮成形できる打錠圧であれば特に制限されない。
打錠品の硬度は、製造工程中乃至流通過程等で破損しない程度の硬度であれば特に制限されない。例えば、40〜200Nが挙げられる。
成形工程としては、本発明の放出制御錠剤を成形する方法であれば、装置、手段とも特に制限されない。例えば、造粒・乾燥工程を行わず、薬物及び適当な医薬品添加物を混合後に直接圧縮成形し錠剤を製する方法、造粒し更に滑沢剤等を混合した後に圧縮成形し錠剤を製する方法が挙げられる。
打錠装置としては、例えばロータリー式打錠機、オイルプレス等が挙げられる。
打錠圧等の打錠条件としては、圧縮成形できる打錠圧であれば特に制限されない。
打錠品の硬度は、製造工程中乃至流通過程等で破損しない程度の硬度であれば特に制限されない。例えば、40〜200Nが挙げられる。
フィルムコーティング工程
打錠後に錠剤表面にフィルムコーティングを施してもよい。
方法としては、通常製薬学的にコーティングする方法であれば特に制限されない。例えば、パンコーティング、ディップコーティング等が挙げられる。
フィルムコーティング剤は、1種又は2種以上組み合わせて適宜適量添加することができる。コーティング率は、フィルムを形成する率であれば特に制限されない。例えば、錠剤全体の重量に対して、1重量%〜10重量%等である。
フィルムコーティング後に乾燥してもよい。方法としては、通常製薬学的に乾燥できる方法であれば特に制限されない。乾燥条件としては、例えば放出制御錠剤の安定性を考慮して適宜設定されれば特に制限されない。フィルムコーティング後の初期水分値については、例えば、安定性を考慮して0.1〜2%であることが望ましい。
打錠後に錠剤表面にフィルムコーティングを施してもよい。
方法としては、通常製薬学的にコーティングする方法であれば特に制限されない。例えば、パンコーティング、ディップコーティング等が挙げられる。
フィルムコーティング剤は、1種又は2種以上組み合わせて適宜適量添加することができる。コーティング率は、フィルムを形成する率であれば特に制限されない。例えば、錠剤全体の重量に対して、1重量%〜10重量%等である。
フィルムコーティング後に乾燥してもよい。方法としては、通常製薬学的に乾燥できる方法であれば特に制限されない。乾燥条件としては、例えば放出制御錠剤の安定性を考慮して適宜設定されれば特に制限されない。フィルムコーティング後の初期水分値については、例えば、安定性を考慮して0.1〜2%であることが望ましい。
以下、実施例等で用いたミラベグロンは国際公開第99/20607号の製法に準じて製造されたものを用いた。
以下、実施例、参考例、比較例、及び試験例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定解釈されるものではない。
なお、実施例の錠剤形状はいずれも直径6mm、曲率半径7.2mmの円形錠である。
実施例の処方を表1〜表3に示す。参考例及び比較例の処方を表4に示す。
以下、実施例、参考例、比較例、及び試験例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定解釈されるものではない。
なお、実施例の錠剤形状はいずれも直径6mm、曲率半径7.2mmの円形錠である。
実施例の処方を表1〜表3に示す。参考例及び比較例の処方を表4に示す。
なお、ポリエチレンオキサイドは製品名:POLYOX WSR N‐60K(ダウ・ケミカル製)、ヒプロメロースは製品名:METOLOSE 90SH−100SR(信越化学工業製)、結晶セルロース(製品名:CEOLUS PH101又はCEOLUS KG1000)は旭化成ケミカルズ製、トウモロコシデンプンは製品名:日食コーンスターチ(日本食品化工製)、カルメロースカルシウムは製品名:E.C.G−505(五徳薬品製)、クロスカルメロースナトリウムは製品名:KICCOLAT ND−2HS(ニチリン化学工業製)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは製品名:L−HPC LH21(信越化学工業製)、カルボキシメチルスターチナトリウムは製品名:Primojel(DFE pharma製)、製品名:ポリ酢酸ビニル(80%)/ポビドン(19%)混合物はKollidon SR(BASF製)、軽質無水ケイ酸は製品名:軽質無水ケイ酸R(富田製薬製)をそれぞれ用いた。
《実施例1》
ミラベグロン350mg、ポリエチレンオキサイド(製品名:POLYOXN−60K、ダウ・ケミカル製)175mg、及び結晶セルロース(製品名:CEOLUS PH101、旭化成ケミカルズ製)175mgを乳鉢に仕込み、乳棒を用いて混合した。得られた混合粉末をオートグラフ(AUTOGRAPH AG−X plus、島津製作所製)を用いて、打錠圧10kN、打錠速度50mm/minで打錠して1錠あたり100mgの本発明の錠剤を得た。
ミラベグロン350mg、ポリエチレンオキサイド(製品名:POLYOXN−60K、ダウ・ケミカル製)175mg、及び結晶セルロース(製品名:CEOLUS PH101、旭化成ケミカルズ製)175mgを乳鉢に仕込み、乳棒を用いて混合した。得られた混合粉末をオートグラフ(AUTOGRAPH AG−X plus、島津製作所製)を用いて、打錠圧10kN、打錠速度50mm/minで打錠して1錠あたり100mgの本発明の錠剤を得た。
《実施例2〜実施例19》
実施例1と同様の仕込み量、製造方法で実施例2〜実施例19の錠剤を得た。
実施例1と同様の仕込み量、製造方法で実施例2〜実施例19の錠剤を得た。
《参考例1》
実施例1と同様の仕込み量、製造方法で参考例1の錠剤を得た。
実施例1と同様の仕込み量、製造方法で参考例1の錠剤を得た。
《比較例1》
実施例1と同様の仕込み量、製造方法で比較例1の錠剤を得た。
実施例1と同様の仕込み量、製造方法で比較例1の錠剤を得た。
《試験例1:ゲル化試験》
試験液として蒸留水100mLをビーカーに入れ、参考例1、比較例1及び実施例13〜19の錠剤を投入し、静置した。2時間後に錠剤を取り出し、ゲル層を手で剥離後、一晩減圧乾燥(50℃)し、得られたゲル化していない部分の乾燥物の重量(W obs)を測定した。W obsより、ゲル化率(G)を算出した。
ゲル化率(G、%)=(1−(W obs)/(W ini))×100
W obs:試験開始後、ゲル化していない部分の乾燥重量
W ini:試験開始前の錠剤重量
結果を表5に示す。
試験液として蒸留水100mLをビーカーに入れ、参考例1、比較例1及び実施例13〜19の錠剤を投入し、静置した。2時間後に錠剤を取り出し、ゲル層を手で剥離後、一晩減圧乾燥(50℃)し、得られたゲル化していない部分の乾燥物の重量(W obs)を測定した。W obsより、ゲル化率(G)を算出した。
ゲル化率(G、%)=(1−(W obs)/(W ini))×100
W obs:試験開始後、ゲル化していない部分の乾燥重量
W ini:試験開始前の錠剤重量
結果を表5に示す。
ハイドロゲル形成高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物を添加することにより、ゲル化率の向上が認められ、錠剤内部へより水が浸入しやすく、ゲル化が促進されることがわかった。なお、比較例1のゲル化率測定の結果より、結晶セルロースはヒプロメロースとの組み合わせにおいては、錠剤内部へ水を浸入させる効果が認められなかった。
ハイドロゲル形成高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物により、ゲル化が促進され、本発明の所望の溶出プロファイルを達成でき、食物摂取の有無による薬物動態の変動を低減できると考えられる。
ハイドロゲル形成高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物により、ゲル化が促進され、本発明の所望の溶出プロファイルを達成でき、食物摂取の有無による薬物動態の変動を低減できると考えられる。
《試験例2:溶出試験》
実施例1〜実施例19の錠剤について、日本薬局方(JP)溶出試験第2法(パドル法、パドル回転速度200rpm)に従って溶出試験を実施した。試験液はUSP pH6.8 リン酸緩衝液900mLを用い、試験開始後0.5時間、1.5時間、4時間、及び7時間後におけるミラベグロンの吸光度を紫外分光法(UV法(測定波長:247nm/450nm))により測定し、溶出率を計算した。なお、溶出試験開始後7時間で溶出率がプラトーに達したため、7時間値を100%として各時点における溶出率を計算した。
結果を表6〜表8に示す。
いずれの錠剤も市販のベタニス錠50mgと同様の溶出プロファイルを示し、食物摂取の有無による薬物動態の変動を低減できることが示唆された。
実施例1〜実施例19の錠剤について、日本薬局方(JP)溶出試験第2法(パドル法、パドル回転速度200rpm)に従って溶出試験を実施した。試験液はUSP pH6.8 リン酸緩衝液900mLを用い、試験開始後0.5時間、1.5時間、4時間、及び7時間後におけるミラベグロンの吸光度を紫外分光法(UV法(測定波長:247nm/450nm))により測定し、溶出率を計算した。なお、溶出試験開始後7時間で溶出率がプラトーに達したため、7時間値を100%として各時点における溶出率を計算した。
結果を表6〜表8に示す。
いずれの錠剤も市販のベタニス錠50mgと同様の溶出プロファイルを示し、食物摂取の有無による薬物動態の変動を低減できることが示唆された。
《試験例3:イヌ試験》
実施例2の錠剤及び市販のベタニス錠50mgの経口吸収性を評価した。評価系として投与前に16時間以上絶食させたイヌを用いた。イヌの胃内pHを強制的に酸性にコントロールするために、錠剤投与前にペンタガストリン(大腿部筋肉内投与;錠剤投与30分前、錠剤投与30分後、90分後投与)処置を施した。試験開始前30分から投与後2時間まで絶水とした。
実施例2の錠剤1錠(ミラベグロン50mg)及び市販のベタニス錠(ミラベグロン50mg)をペンタガストリン処置によりその胃内pHを酸性にしたイヌに水30mLとともに経口投与し血漿中薬物濃度を測定した。
その結果、実施例2の錠剤及びベタニス錠は同様の血漿中薬物濃度パターンを示した(表9及び図1)。
実施例2の錠剤及び市販のベタニス錠50mgの経口吸収性を評価した。評価系として投与前に16時間以上絶食させたイヌを用いた。イヌの胃内pHを強制的に酸性にコントロールするために、錠剤投与前にペンタガストリン(大腿部筋肉内投与;錠剤投与30分前、錠剤投与30分後、90分後投与)処置を施した。試験開始前30分から投与後2時間まで絶水とした。
実施例2の錠剤1錠(ミラベグロン50mg)及び市販のベタニス錠(ミラベグロン50mg)をペンタガストリン処置によりその胃内pHを酸性にしたイヌに水30mLとともに経口投与し血漿中薬物濃度を測定した。
その結果、実施例2の錠剤及びベタニス錠は同様の血漿中薬物濃度パターンを示した(表9及び図1)。
本発明によれば、市販のミラベグロンを含む錠剤と、同様の溶出プロファイルを達成し、さらに錠剤のコンパクト化を可能とする放出制御錠剤を提供できる。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変法や改良は本発明の範囲に含まれる。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変法や改良は本発明の範囲に含まれる。
Claims (8)
- ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩、ハイドロゲルを形成する高分子物質、及び該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物を含有してなり、錠剤重量が250mg以下である、放出制御錠剤。
- 溶出開始1.5時間後の薬物溶出率が75%以下であり、かつ7時間後の薬物溶出率が75%以上100%以下である、請求項1に記載の放出制御錠剤。
- ハイドロゲルを形成する高分子物質が、ポリエチレンオキサイド、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、及びカルボキシビニルポリマーからなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1又は2に記載の放出制御錠剤。
- 該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物が、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、ポリ酢酸ビニル(80%)/ポビドン(19%)混合物、及び軽質無水ケイ酸からなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の放出制御錠剤。
- 該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物が、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、及び軽質無水ケイ酸からなる群より選択される1種又は2種以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の放出制御錠剤。
- 該高分子物質の配合割合が、錠剤全体の重量に対して約1重量%以上約75重量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の放出制御錠剤。
- 該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物の配合割合が、ハイドロゲルを形成する高分子物質の重量に対して、約10重量%以上約200重量%以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の放出制御錠剤。
- ミラベグロン又はその製薬学的に許容される塩、ハイドロゲルを形成する高分子物質、及び該高分子物質のゲル化を促進する非水溶性医薬品添加物を含有してなり、錠剤重量が250mg以下である、放出制御錠剤の製造方法。
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