JP2016187955A - 形状付与ローラ及び装置、フィルム製造方法 - Google Patents

形状付与ローラ及び装置、フィルム製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】目的とする形状のプリズムが形成された光学フィルムを容易に効率よく製造する形状付与ローラ及び装置、フィルム製造方法を提供する。【解決手段】走行するベルト46上にドープを流延して流延膜を形成し、ベルト46から剥ぎ取ることにより湿潤フィルム43を形成する。形状付与ローラ68の周面には複数の凹部と凸部とが形成されている。溶媒含有率が50〜350%の湿潤フィルム43を、形状付与ローラ68により剥ぎ取り面側から押圧することで順次プリズムを形成する。プリズムが形成された湿潤フィルム43を乾燥することにより光学フィルム32が得られる。形状付与ローラ68の凸部の高さをHR、光学フィルム32のプリズムの高さをHW、押圧中の湿潤フィルム43の溶媒含有率をCS%とするときに、形状付与ローラ68は0.9×HW×{(CS/100)+1}≦HR≦1.1×HW×{(CS/100)+1}を満たす。【選択図】図4

Description

本発明は、形状付与ローラ及び装置、フィルム製造方法に関する。
近年では、液晶表示装置(LCD)が普及している。この液晶表示装置は、低消費電力、薄型等の特徴を有しており、家庭用テレビのような大型の機器から、ノートブックコンピュータのモニタやデジタルカメラ、携帯電話などの小型機器まで様々な機器に利用されている。このような液晶表示装置では、バックライトで液晶パネルを照明するバックライト方式のものが普及している。
バックライト方式の液晶表示装置の一般的な構成は、電気信号に応じて光の透過率を変化させる液晶パネルと、その背後から光を照射する光源ユニット(バックライト)とを備える。液晶パネルは、クロスニコル配置された一対の偏光板と、これらの間に挟まれ透過する光の偏光状態を変化させる液晶セルとからなる。また、光源ユニットは、蛍光管,LED等の光源と、液晶パネルの全面を均一に照明するために、光源からの光を散乱・拡散させる拡散シートや正面輝度を向上させるいわゆるBEF(ブライトネスエンハンスメントフィルム)と呼ばれる輝度向上シートなどからなる。
輝度向上シートとしては、プリズムシートが多く用いられている。このプリズムシートは、光源から斜め方向に射出される光を液晶パネルの法線方向に偏向させるものである。一方の面に断面三角形の多数のプリズムを一定のピッチで形成されているプリズムシートとしては、プリズムを形成した面(以下、プリズム面という)の向きを液晶パネル側(光源と反対側)に向けて配される屈折型プリズムシート(いわゆる上向きプリズムシート)と、プリズム面を光源側に向けた全反射型プリズムシート(いわゆる下向きプリズムシート)とに分類される。上向きプリズムシートは、プリズム面と反対側の面から入射した光線がプリズムの斜面から射出する際に、その光線を液晶パネルの法線方向に向けて屈折する。一方の下向きプリズムシートは、プリズムの一方の斜面から入射してプリズム内部を進んだ光源からの光線を他方の斜面で液晶パネルの法線方向に向けて全反射させて射出する。
プリズムシートを製造する方法として、特許文献1に記載されたものが知られている。この製造方法では、支持体としてのフィルム上に、プリズム層となる層を積層してこの層にプリズムの形状を転写することによりプリズム層と支持体とからなるプリズムシートを製造している。また、セルローストリアセテート(以下、TACと称する)からプリズムシートを製造する方法として、特許文献2に記載されたものが知られている。この製造方法では、TACを溶媒に溶解したドープを支持体に流延して流延膜を形成する工程と、流延膜をTACの15〜40重量%まで乾燥させる工程と、プリズムを形成する工程とを有する。そして、プリズムを形成する工程では、TACの15〜40重量%に乾燥した流延膜に、形成するプリズムの形状に応じた凹凸を形成したエンボスローラを押し当てることにより、複数のプリズムを形成している。
特開2014−178689号公報 特表2009−501360号公報
しかしながら、特許文献1の製造方法では、支持体の上に積層する工程やプリズムの形状を転写する工程など、工程数が多く、製造効率が悪い。また、特許文献2の製造方法ではプリズムの形状がつきにくいという問題がある。プリズムの形状がつきにくいと、流延膜に対するエンボスローラの押圧力を大きくしたり、押圧時間を長くする必要がある。押圧力を大きくすることはフィルムに割れ等を生じさせる原因となったり、また、押圧時間を長くすることは製造効率の向上等の弊害になる。さらに、プリズムシートにおいては、目的とする形状にプリズムが形成されていないと、目的とする集光機能などが得られない。
本発明は、上記事情を鑑みなされたもので、目的とするプリズムの形状が形成され光学フィルムを容易に効率良く製造する溶液製膜方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の形状付与ローラは、周面に複数の凹部及び凸部が形成され、ポリマーと溶媒とを含む搬送中のウェブを一方の表面側から押圧することにより、入射光を屈折させて集光または拡散する複数の凹凸を上記の一方の表面に連続的に形成するものであり、凸部の高さをHRμmとし、一方の表面に形成される凹凸の頂部の高さをHWμmとし、ウェブにおける溶媒含有率をCS%とするときに、0.9×HW×{(CS/100)+1}≦HR≦1.1×HW×{(CS/100)+1}を満たし、前記溶媒含有率が50%以上350%以下の範囲内である前記ウェブを押圧することを特徴として構成されている。
隣り合う凸部と凸部とのピッチをPRμmとするときに、HR/PRが0.3以上2.0以下であることが好ましい。複数の凹部及び凸部は、周方向に沿って交互に形成され、ウェブの幅方向に延びた断面三角形状とされており、ウェブの凹凸はプリズムであることが好ましい。
周面の温度を調節する第1温調機を備え、第1温調機により周面の温度が5℃以上35℃以下の範囲内にされることが好ましい。ウェブに対する押圧力を調整する圧力調整器を備え、ウェブを1.5MPa以上15MPa以下の範囲内の押圧力で押圧することが好ましい。
本発明の形状付与装置は、上記の形状付与ローラと、回転ローラとを備えることを特徴として構成されている。形状付与ローラは、回転自在に設けられる。回転ローラは、形状付与ローラと回転軸同士を平行にして回転自在に設けられ、搬送中のウェブを形状付与ローラとで挟持する。
回転ローラは、周面の温度を調節する第2温調機を備え、第2温調機により周面の温度が−25℃以上10℃以下の範囲内にされることが好ましい。
本発明のフィルム製造方法は、流延工程と剥離工程と形状付与工程と乾燥工程とを有し、入射した入射光を屈折させて集光または拡散する複数の凹凸を一方のフィルム面に有する光学フィルムを製造する。流延工程は、ポリマーが溶媒に溶けているドープを、走行する流延支持体上に連続的に流延することにより流延膜を形成する。剥離工程は、流延膜を溶媒が残存する状態で流延支持体から剥がすことにより湿潤フィルムを形成する。形状付与工程は、溶媒含有率が50%以上350%の範囲内である状態で、搬送中の流延膜または湿潤フィルムに、複数の凹部及び凸部が周面に形成された形状付与ローラを一方の表面側から押圧することにより、流延膜または湿潤フィルムの一方の表面に複数の凹凸を連続的に形成する。乾燥工程は、形状付与工程を経た流延膜または湿潤フィルムを乾燥する。形状付与ローラの凸部の高さをHRμmとし、一方のフィルム面における凹凸の頂部の高さをHWμmとし、流延膜または湿潤フィルムの形状付与ローラに押圧されるときの溶媒含有率をCS%とするときに、形状付与ローラは、0.9×HW×{(CS/100)+1}≦HR≦1.1×HW×{(CS/100)+1}を満たす。
形状付与工程は、周面の温度が5℃以上35℃以下の範囲内にされた形状付与ローラを流延膜または湿潤フィルムに押圧することが好ましい。形状付与工程は、1.5MPa以上15MPa以下の範囲内の押圧力で流延膜または湿潤フィルムを押圧することが好ましい。
形状付与工程は、形状付与ローラと回転軸同士を平行にして回転自在に設けられた回転ローラと、形状付与ローラとで流延膜または湿潤フィルムを挟持して押圧することが好ましい。回転ローラの周面の温度は−25℃以上10℃以下の範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、目的とするプリズムの形状が形成された光学フィルムを容易に効率的に製造することができる。
本発明の溶液製膜方法により製造されるプリズムシートを用いた液晶表示装置の構成の一例を示す説明図である。 プリズムシートの外観を示す斜視図である。 プリズムシートの断面図である。 本発明を実施した溶液製膜設備の概略を示す説明図である。 形状付与装置の構成を示す説明図である。 形状付与ローラの凹部と凸部とを示す断面図である。
図1において、液晶表示装置10は、液晶パネル11と、光源ユニット12とを備えている。液晶パネル11は、液晶セル13と、2枚の偏光板14,15とから構成される。液晶セル13は、透明なガラス基板の間に液晶を封入したものであり、各ガラス基板の内面に形成された透明電極間に電圧を印加することによって、透過する光の偏光状態を変化させる。各偏光板14,15は、互いにクロスニコルの状態に配置してあり、これらの間に液晶セル13を配してある。これにより、偏光板15を透過した直線偏光の照明光の偏光状態を画素ごとに液晶セル13で変化させ、偏光板14を透過する光量を調節して画像を表示する。
偏光板14は、偏光膜14aと、その両面に貼り付けた一対の保護膜14b,14cとから構成してある。偏光板15は、偏光膜15aと、保護膜15bと、プリズムシート16とから構成される。保護膜15bは、偏光膜15aの液晶セル13側の面に貼り付けてある。プリズムシート16は、後述する溶液製膜方法を用いて製造された光学フィルム32(図4参照)からシート状に切り出したものである。このプリズムシート16は、偏光膜15aの光源ユニット12側の面に貼り付けられており、偏光膜15aの保護膜と輝度向上のための全反射型プリズムシート(下向きプリズムシート)として機能する。
光源ユニット12は、液晶パネル11を背後から照明するものであり、光源ランプ17,導光板18,反射フィルム19からなるエッジライト方式のものとしてある。光源ランプ17は、例えば棒状の蛍光管やライン状に並べた多数のLED(発光ダイオード)を用いており、楔形状の導光板18の端部(エッジ)に沿うように配してある。この光源ランプ17から放出される照明光は、直接、またリフレクタ17aに反射されて、導光板18の端部から内部に入射する。導光板18は、入射した照明光を、その内部で反射することにより液晶パネル11とほぼ同じサイズの射出面18aから、液晶パネル11の法線に対して傾きをもった斜め方向に射出する。反射フィルム19は、導光板18の液晶パネル11と反対側の面から射出される照明光を反射して導光板18に戻す。
図2に示すように、プリズムシート16は、一方の面に、断面が三角形の角柱形状のプリズム16aが複数形成されている。複数のプリズム16aは、各プリズム16aの延びた方向と直交する方向に並べて形成されている。プリズムシート16のプリズム16aが形成された面(以下、プリズム面という)の反対側の面は、平坦な平坦面となっている。プリズムシート16は、プリズム面を光源ユニット12側に向けた姿勢で平坦面を偏光膜15aに密着させて貼り付けられる。なお、図2では、プリズム面を上に向けた状態で描いてある。
プリズムシート16は、導光板18から斜め方向に射出される照明光を、液晶パネル11の法線方向となるように偏向させ、液晶パネル11の法線方向に射出される照明光の光量を大きくするように照明光の分布を制御する。具体的には、導光板18から斜め方向に射出された照明光は、プリズム16aの一方の斜面に入射し、プリズム16aの内部を進んで他方の斜面で全反射されることにより、法線方向に偏向される。プリズムシート16は、そのサイズを液晶パネル11の背面とほぼ同じにしてある。
図3において、プリズムシート16の厚みT16は75μm以上200μm以下の範囲内である。プリズム16aの頂角(以下、プリズム頂角と称する)θ1は、80°以上120°以下の範囲内であり、底部の開き角度θ2は80°以上120°以下の範囲内である。プリズム16aの頂部の高さ、すなわちプリズム16aの底部から頂部までの高さ(以下、プリズム高さと称する)HW(単位はμm)は1μm以上100μm以下の範囲内であり、本実施形態では25μmとしている。プリズム16aの底部と底部との距離であるピッチ(以下、プリズムピッチと称する)P16aは10μm以上100μm以下の範囲内であり、本実施形態では50μmとしている。
図4に示す溶液製膜設備30は、ドープ31から前述の光学フィルム32を製造する。ドープ31は、ポリマーを溶媒に溶かしたものである。この実施形態では、透明な熱可塑性ポリマーとしてのセルローストリアセテート(以下、TACと称する)を溶媒に溶解したものをドープ31としている。ただし、TACに代えて、他のセルロースアシレートでもよい。すなわち、アセチル基に代えて、他のアシル基でもよい。セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基(ヒドロキシ基)へのアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)を満たす場合に、本発明は特に有効である。式(I)〜(III)において、A及びBは、セルロースの水酸基中の水素原子に対するアシル基の置換度を表し、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数が3〜22のアシル基の置換度である。なお、セルロースアシレートの総アシル基置換度Zは、A+Bで求める値である。
(I) 2.7≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
また、TACに代えて、または加えて、セルロースの水酸基へのアシル基の置換度が下記式(IV)を満たすようなDAC(セルロースジアセテート)を用いる場合にも、本発明は特に有効である。
(IV)2.0≦A+B<2.7
レタデーションの波長分散性の観点から、式(IV)を満たしながらも、DACのアセチル基の置換度A、及び炭素数3以上22以下のアシル基の置換度の合計Bは、下記式(V)および(VI)を満たすことが、好ましい。
(V) 1.0<A<2.7
(VI) 0≦B<1.5
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基(ヒドロキシル基)を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位及び6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化の場合を置換度1とする)を意味する。
セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号公報の段落[0140]から段落[0195]に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。また、溶媒および可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤(UV剤),光学異方性コントロール剤,レタデーション制御剤,染料,マット剤,剥離剤,剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号公報の段落[0196]から段落[0516]に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
ドープ31に用いるポリマーは、セルロースアシレートに限定されず、溶液製膜方法に用いることができる透明な熱可塑性のポリマーであればよい。例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート),PC(ポリカーボネート)などであってもよい。
溶液製膜設備30は、流延装置34、形状付与装置35,乾燥装置36、第1切除装置37、乾燥室40、第2切除装置41、巻取装置42を備えている。
流延装置34は、ドープ31から溶媒を含んだ状態のウェブとしての湿潤フィルム43を形成する。この流延装置34は、ベルト46、一対のバックアップローラ47、流延ダイ48等を備える。ベルト46は、環状にされた無端の流延支持体であり、1対のバックアップローラ47に掛け渡されて、バックアップローラ47間が水平になっている。一対のバックアップローラ47のうちの一方の駆動軸47aに駆動部(図示省略)が接続されており、この駆動部によって、矢線A1で示す周方向に回転する。このバックアップローラ47の回転により、ベルト46が循環走行する。
流延ダイ48は、ドープ31を走行中のベルト46の表面に連続的に吐出する。これによりベルト46の表面に流延膜50を連続的に形成する。流延膜50もこのように連続的に形成されたものであるので長尺物、すなわちウェブである。減圧チャンバ49は、流延ダイ48の吐出口からベルト46の表面に達するまでの間のドープ31の部分の背面側(ベルト46の走行方向における上流側)を減圧して、その部分の振動、破断を防止する。
温調機51は、温度調節した伝熱媒体を各バックアップローラ47内に供給する。これにより、各バックアップローラ47,ベルト46を介して流延膜50の温度を制御する。この実施形態では、乾燥流延、すなわち流延膜を乾燥のみによりゲル化させており、流延膜50の溶媒の蒸発を促すように温調機51は温度を制御する。乾燥は送風のみでも進むが、送風に加えて加熱してもよい。加熱することにより、ゲル化がより迅速にすすむ。
なお、乾燥流延に代えて、流延膜50を乾燥及び冷却することによりゲル化させる、いわゆる冷却流延であってもよい。この場合には、温調機51は、冷却した伝熱媒体をバックアップローラ47に供給することにより、流延膜50の流動性が、乾燥だけの場合に比べて低下するようにベルト46を冷却する。また、流延支持体としては、ベルト46に限定されない。例えば、ベルト46に代えて、ドラムを用い、ドープ31を回転中のドラムの周面に吐出して流延してもよい。流延膜を乾燥して固化させるいわゆる乾燥流延の場合には、ベルト46を用いることが多く、冷却流延の場合にはドラムを用いることが多いが、乾燥流延にドラムを、また冷却流延にベルトを用いてもかまわない。ドラムを冷却流延での流延支持体として用いて流延膜の温度を制御する場合には、そのドラムに冷却した伝熱媒体を流すことでドラムの周面の温度を下げればよい。
ベルト46による流延膜50の搬送路に沿って、送風機52と、裏面加熱器53とが配されており、これらは流延膜50の乾燥速度を調整する。流延装置34は送風機52と裏面加熱器53との両方を備えるが、いずれか一方を備える態様でもよい。送風機52は、ドープ31が流延されて流延膜50が形成されるベルト46の流延面46a(図5参照)に対向して配され、各ノズル52aから所定の温度に調節された乾燥気体(例えば乾燥した空気)を流延膜50の近傍に流出する。本実施形態では、ベルト46の走行方向に沿って2つの送風機52を設けているが、送風機52の数は特に限定されず、1または3以上であってもよい。裏面加熱器53は、ベルト46の流延面46aとは反対側の面に対向して配され、ベルト46を介して流延膜50を加熱する。本実施形態では、ひとつの裏面加熱器53を設けているが、裏面加熱器53の数は特に限定されず、1または3以上であってもよい。
また、流延装置34は、さらに剥取ローラ56(図5参照)とチャンバ57とを備えている。ベルト46や、流延ダイ48、減圧チャンバ49等は、チャンバ57内に収容されている。チャンバ57内には、ドープ31、流延膜50、湿潤フィルム43のそれぞれから蒸発して気体となった溶媒を凝縮する凝縮器(コンデンサ)が配されている。この凝縮器で液化された溶媒は回収装置に送られて回収される。なお、凝縮器と回収装置との図示は省略する。
流延膜50は、ベルト46による搬送中に乾燥がすすめられて、溶媒を含みながらも流動性が失われたゲル状態でベルト46から剥ぎ取られて下流へ搬送される。ベルト46から流延膜50を剥ぎ取る剥取位置PP(図5参照)の近傍に形状付与装置35が配されている。また、この形状付与装置35とバックアップローラ47との間に送風機58が配されている。
本実施形態の形状付与装置35は、ベルト46から流延膜50を剥ぎ取る機能と、この機能により溶媒を含んだ状態で剥ぎ取られた流延膜50、すなわち湿潤フィルム43に、プリズム16aを形成する機能を有する。なお、本実施形態では、形状付与装置35を、ベルト46,流延ダイ48.減圧チャンバ49等を囲むチャンバ57の内部に設けているが、チャンバ57の外、すなわち流延装置34と乾燥装置36との間に設けてもよい。形状付与装置35及び送風機58の詳細については後述する。
形状付与装置35からの湿潤フィルム43は、乾燥装置36へ送られる。乾燥装置36は、幅を規制した状態で湿潤フィルム43を搬送しながら、湿潤フィルム43の乾燥をすすめる。乾燥装置36は、複数のクリップ60と、エア供給部61と、エア流出部62とを備える。各クリップ60は、湿潤フィルム43の側部をそれぞれ把持する。複数のクリップ60は、所定の間隔で環状のチェーン(図示無し)に取り付けられており、チェーンは、湿潤フィルム43の搬送路の両側に配されているレールに沿って移動自在に設けられており、その移動方向はレールによって規定される。これにより各クリップ60はレールに沿って移動する。この例では一方のレールと他方のレールとはそれぞれ直線状に配されており、互いの間隔は一定としているがこれに限定されない。例えば搬送路の下流に向って一方のレールと他方のレールの間隔を広げることで湿潤フィルム43を搬送路と直行する方向に延伸することができる。エア供給部61は、各種温度に調整した乾燥気体をエア流出部62に供給し、このエア流出部62から乾燥装置36の内の湿潤フィルム43に乾燥気体を吹き付ける。この乾燥装置36により、幅を一定に保持したまま湿潤フィルム43の乾燥をさらにすすめる。なお、この乾燥装置36においては、湿潤フィルム43は、剥ぎ取り面43a及び反剥ぎ取り面43bとの両面の温度が(溶媒の沸点+50℃)以下とされることが好ましい。
この例では、クリップ60が湿潤フィルム43を保持する保持部材となっている。しかし、保持部材はクリップ60に限定されず、例えば、湿潤フィルム43の側部に複数のピンを貫通して保持するピンプレートであってもよい。湿潤フィルム43の溶媒含有率が非常に多いために湿潤フィルム43がクリップ60による保持で裂ける場合には、ピンプレートを用いるとよい。
第1切除装置37は、クリップ60による把持跡がある側端部を湿潤フィルム43から切除するためのものである。第1切除装置37は、切断刃としての上刃と下刃とを備え、これらの切断刃が湿潤フィルム43の各側部の通過位置に配されている。
乾燥室40には、複数のローラ63が内部に配されており、加熱された乾燥気体が供給されている。湿潤フィルム43は、乾燥室40を通過する間にさらに乾燥がすすめられて光学フィルム32とされる。なお、この乾燥室40においては、湿潤フィルム43は、剥ぎ取り面43a及び反剥ぎ取り面43bとの両面の温度が(溶媒の沸点+50℃)以下とされることが好ましい。第2切除装置41は、光学フィルム32の両側部を連続的に切断して所定の幅にするためのものである。第2切除装置は、第1切除装置37と同じ構成とされている。巻取装置42は、所定幅にされた光学フィルム32をロール状に巻き取るためのものであり、光学フィルム32が巻かれる巻芯64がセットされる。
なお、流延装置34と乾燥装置36との間に、第1切除装置37と同じ構成の切除装置(図示無し)を配してもよい。この切除装置は、変形した両側部を湿潤フィルム43から切除するためのものであり、この切除により、乾燥装置36のクリップ60による保持がより確実になる。
図5に示すように、形状付与装置35は、上述の剥取ローラ56と、形状付与ローラ68とを備える。剥取ローラ56は、その回転軸をバックアップローラ47の回転軸と平行に配してある。剥取ローラ56は、湿潤フィルム43の搬送路に関してベルト46とは反対側に配されており、周面に湿潤フィルム43が巻き掛けられる。剥取ローラ56は、湿潤フィルム43の搬送にともなって従動回転する。湿潤フィルム43を剥取ローラ56に巻き掛けた状態で、溶液製膜設備30の下流に向けて湿潤フィルム43が引っ張られることにより、流延膜50が所定の剥取位置PPでベルト46から剥がれる。なお、剥取ローラ56をモータにより湿潤フィルムの搬送に同期して回転させてもよい。このように、剥取ローラ56は回転自在に設けられた回転ローラであればよい。
形状付与ローラ68は、剥取ローラ56と回転軸が互いに平行な姿勢となるように、剥取ローラ56に対向して回転自在に設けてあり、剥取ローラ56と協働してプリズム16aを形成する。すなわち、剥取ローラ56は、流延膜50を剥ぎ取って湿潤フィルム43を形成するための剥取手段として機能するとともに、湿潤フィルム43に対してプリズム16aを形成するための形状付与手段としても機能する。
形状付与ローラ68の周面には、湿潤フィルム43にプリズム16aを形成するために、断面三角形状の凹部68a、凸部68bがそれぞれ複数形成されている。凹部68a、凸部68bは、形状付与ローラ68の回転軸方向、すなわち湿潤フィルム43の幅方向に延びており、形状付与ローラ68の周方向に沿って交互に形成されている。この形状付与ローラ68は、剥取ローラ56との間に湿潤フィルム43を狭持した状態で、モータ69により回転する。形状付与ローラ68の回転方向は、湿潤フィルム43を搬送する方向(図中反時計方向)である。この形状付与ローラ68は、搬送中の湿潤フィルム43を、剥取ローラ56上で、ベルト46から剥ぎ取られた剥ぎ取り面43a側から押圧し、この剥ぎ取り面43aに凹部68aと凸部68bとの形状を転写して複数のプリズム16aを連続的に形成する。
この例の形状付与ローラ68は、凹部68aと凸部68bとが、湿潤フィルム43の幅方向にそれぞれ延びており、形状付与ローラ68の周方向に沿って交互に形成されているが、これに限られない。例えば、断面三角形状の凹部と凸部とが、形状付与ローラの周方向にそれぞれ延びており、これらが湿潤フィルム43の幅方向に沿って交互に形成されている形状付与ローラでもよい。
形状付与ローラ68の周速をV(単位;m/秒)とし、この形状付与ローラ68に向かう湿潤フィルム43の搬送速度をW(単位;m/秒)とするときに、0.9W≦V≦1.1Wを満たすことが好ましい。0.9W≦V≦1.1Wを満たすことにより、形状及び大きさが均一な複数のプリズム16aをより確実に形成することができる。なお、周速Vは、形状付与ローラ68の凹部68aの最も深い位置(底)におけるものである。
溶媒含有率がポリマーとしてのセルローストリアセテートを含む固形成分に対して50%以上350%以下の範囲内である湿潤フィルム43に対して、形状付与ローラ68を押圧して凹部68aと凸部68bとの形状を転写して複数のプリズム16aを形成する。すなわち、バックアップローラ47の温度、送風機52,58からの乾燥気体の温度や風速、裏面加熱器53の温度は、流延膜50がベルト46から剥ぎ取り可能な程度にゲル化するように、かつ、形状付与ローラ68に接する間の湿潤フィルム43の溶媒含有率が50%以上350%以下の範囲内になるように、それぞれ制御される。この制御の際には、流延膜50の搬送速度や搬送長が考慮される。
なお、本明細書では、溶媒含有率CSは、溶媒含有率を求めるべき測定対象の湿潤フィルム43または流延膜50の厚みをT1(単位はμm)、この湿潤フィルム43または流延膜50を完全に乾燥した後の厚みをT2(単位はμm)とするときに、式(1)で求めるいわゆる乾量基準の値(単位は%)である。「完全に乾燥」とは溶媒の残留量が厳格に「0」である必要はない。本実施形態では、測定対象の湿潤フィルム43に対して、120℃以上、相対湿度10%以下の恒温槽内で3時間以上の乾燥処理を行った後の質量をT2としている。上記の固形成分としては、ポリマー成分(セルローストリアセテート)の他に、例えばマット剤、光学制御剤、可塑剤等を含むことができるがこれらに限定されるものではない。
CS={(T1−T2)/T2}×100・・・(1)
上記のように、形状付与ローラ68に接する間の湿潤フィルム43の溶媒含有率を制御することによって湿潤フィルム全体としては柔らかい状態にすることにより、凹部68aと凸部68bとの形状を容易にかつ確実に転写してプリズム16aを形成する。なお、形状及び大きさが均一な複数のプリズム16aを確実に形成する観点では、形状付与ローラ68に接する間の湿潤フィルム43の溶媒含有率は、100%以上300%以下の範囲内になるようにすることがより好ましく、150%以上250%以下の範囲内になるようにすることがさらに好ましい。
湿潤フィルム43の溶媒含有率が前述のように高く、フィルム全体としては柔らかい状態でプリズム16aを形成した場合には、形状付与後の湿潤フィルム43は乾燥に伴って厚み方向に収縮する。そこで、形状付与ローラ68の凹部68a、凸部68bの形状は、詳細は別の図面を用いて後述するが、形成すべきプリズムと形状付与ローラに接する間の湿潤フィルム43の溶媒含有率とに応じて決められている。このように凹部68aと凸部68bとの形状が決められた形状付与ローラ68を用いることにより、形状付与後の乾燥による収縮を考慮して、目的とする形状及び大きさで均一な複数のプリズム16aが確実に形成される。
また、形状付与ローラ68には、本実施形態のように圧力調整器70が設けられていることが好ましい。この圧力調整器70は、凹部68a、凸部68bの形状を転写する際の湿潤フィルム43に対する形状付与ローラ68の押圧力を調整するものである。この圧力調整器70は押圧力を調整することにより、湿潤フィルム43に対してより確実にプリズム16aを形成する。
圧力調整器70による形状付与ローラ68の押圧力は、湿潤フィルム43に対して押圧力を均一にかける観点からは、1.5MPa以上15MPa以下の範囲内とすることが好ましい。ここで、形状付与ローラ68に接している間の湿潤フィルム43は前述のように多量の溶媒を含んでいて湿潤フィルム全体としては柔らかく、形状付与ローラ68による押圧によって湿潤フィルム43に対してその幅方向に局部的に加わる。このため、湿潤フィルム43の硬さに対して押圧力が過度に高いと、形状付与ローラ68が湿潤フィルム43に接触を開始する部分の上流側に、溶媒を含んだ状態のポリマーが盛り上がった、いわゆる樹脂溜まりが発生することがある。樹脂溜まりが発生すると、形状付与ローラ68の押圧が解除されたときに、湿潤フィルム43に転写された形状が乱れ、プリズムシート16の形状の精度が悪くなることがある。このような樹脂溜まりの発生は、押圧力を15MPa以下にすることで、15MPaを超える場合に比べて確実に抑制することができる。また、湿潤フィルム43の硬さに対して押圧力が過度に低いと、目的とする形状を転写することができない場合がある。このような転写不足は、押圧力を1.5MPa以上とすることで、1.5MPa未満の場合に比べて確実に避けられる。形状付与ローラ68の押圧力は、2.0MPa以上10MPa以下の範囲内とすることがより好ましく、2.5MPa以上5.0MPa以下の範囲内とすることがさらに好ましい。
形状付与ローラ68には、本実施形態のように周面の温度を調節する第1温調機73が設けられていることが好ましい。この第1温調機73は、ゲル化している湿潤フィルム43の剥ぎ取り面43a側が、形状付与ローラ68の凹部68aと凸部68bとの形状を付与するに十分な流動性をもつ状態になるように、形状付与ローラ68の周面の温度を調節する。このように、湿潤フィルム43の剥ぎ取り面43a側が流動性をもつ状態となるように形状付与ローラ68の周面の温度を調節することにより、形状付与ローラ68に接している間に、湿潤フィルム43の剥ぎ取り面43a側は、形状付与ローラ68の凹部68aの底まで入り込み、凹部68aと凸部68bとの形状がより確実に転写される。
このように、形状付与ローラ68の凹部68aの底まで湿潤フィルム43の剥ぎ取り面43a側がより確実に入り込む観点では、形状付与ローラ68の周面の温度は5℃以上であることが好ましい。また、湿潤フィルム43に含まれる溶媒成分の急激な蒸発に伴う湿潤フィルム43の発泡をより確実に防ぐ観点では、形状付与ローラ68の周面の温度は溶媒の沸点より低い温度にすることが好ましく、溶媒が複数の成分からなる混合物である場合には、その混合物の沸点を溶媒の沸点とみなすとよい。このような発泡を抑える観点では、形状付与ローラ68の周面の温度は35℃以下であることがさらに好ましい。溶媒成分にジクロロメタンが含まれている場合には、形状付与ローラ68の周面の温度をこのように35℃以下とすることの発泡防止の効果は特に顕著である。このように、形状付与ローラ68の周面の温度は、5℃以上溶媒の沸点未満の範囲内であることが好ましく、5℃以上35℃以下の範囲内であることがより好ましく、7.5℃以上30℃以下の範囲内であることがさらに好ましく、10℃以上25℃以下の範囲内であることが特に好ましい。
この例では、形状付与ローラ68に湿潤フィルム43を巻き掛けてはおらず、形状付与ローラ68と湿潤フィルム43とは概ね線接触にしている。しかしこの態様に限られず、上記のように形状付与ローラ68の凹部68aの底まで湿潤フィルム43の剥ぎ取り面43a側がさらに確実に入り込む観点では、湿潤フィルム43を形状付与ローラ68に巻き掛けて、形状付与ローラ68との接触時間をより長くすることが好ましい。その効果は、製造速度を大きくするほど高い。すなわち、製造速度を大きくするほど、形状付与ローラ68に対する湿潤フィルム43の巻き掛け角度を大きくするとよい。
剥取ローラ56にも、本実施形態のように周面の温度を調節する第2温調機74が設けられていることが好ましい。この第2温調機74は、湿潤フィルム43の剥ぎ取り面43aとは反対側の反剥ぎ取り面43b側がゲル状態に維持されるように、剥取ローラ56の周面の温度を調節する。これにより、形状付与ローラ68で押圧される間の湿潤フィルム43の反剥ぎ取り面43b側は剥ぎ取り面43aよりも硬く、剥ぎ取り面43a側から形状付与ローラ68の凸部68bがより均一な深さで湿潤フィルム43内に入り込み、凹部68a及び凸部68bとがより精度よく転写される。このように、精度よく転写される観点では、剥取ローラ56の周面の温度は10℃以下であることが好ましい。また、周面同士が対向している形状付与ローラ68の周面の温度を湿潤フィルム43を介して過度に低下させない観点では、剥取ローラ56の周面の温度は−25℃以上であることが好ましい。このように剥取ローラ56の周面の温度は、−25℃以上10℃以下の範囲内であることが好ましく本実施形態では−20℃としている。剥取ローラ56の周面の温度は、−20℃以上5℃以下の範囲内であることがより好ましく、−15℃以上0℃以下の範囲内であることがさらに好ましい。
また、上記のように精度よく転写される観点では、湿潤フィルム43の剥取ローラ56に対する巻き掛け角度をより大きくして、湿潤フィルム43と剥取ローラ56の接触時間をより長くすることが好ましい。その効果は、製造速度を大きくするほど高い。すなわち、製造速度を大きくするほど、剥取ローラ56に対する湿潤フィルム43の巻き掛け角度を大きくするとよい。
以上のように、形状付与ローラ68と剥取ローラ56との各周面温度を、それぞれ調節することで、形状付与ローラ68の凹部68aと凸部68bとの形状が湿潤フィルム43の剥ぎ取り面43a側に、より容易かつ確実に転写される。
形状付与ローラ68は、前述の通り、形状付与ローラ68の凹部68a、凸部68bの形状が、形成すべきプリズムと形状付与ローラに接する間の湿潤フィルム43の溶媒含有率とに応じて決められている。ここで、凸部68bの高さ(以下、凸部高さと称する)をHR(単位はμm)とする。凸部高さHRは、図6に示すように、形状付与ローラ68を円形端面側から見たときに、凹部68aの最も深い位置(底)を通る円CRに対して凸部68bの頂点から下ろした垂線PLの長さである。なお、図6における符号CLを付した二点差線は、この垂線PLの足における円CRの接線である。形状付与ローラ68は、式(2)を満たすように形成されている。すなわち、凸部高さHRは、0.9×HW×{(CS/100)+1}以上1.1×HW×{(CS/100)+1}以下の範囲内とされている。
0.9×HW×{(CS/100)+1}≦HR≦1.1×HW×{(CS/100)+1}・・・(2)
式(2)は、以下により導出している。押圧解除後の乾燥により、湿潤フィルム43の厚みは徐々に減少するから、押圧によって形成したプリズム16aの高さもフィルム全体としての厚み変化率と同じ変化率で減少すると考えて凸部高さHRの基準値HR(S)を式(3)で表す。凸部高さHRは、一の値である必要はなく、一定の範囲内にあれば目的とするプリズム16aを形成することができると考え、上記の一定の範囲を求めるための基準値HR(S)を設けている。ここで、押圧中、すなわち形状付与ローラ68との接触中における湿潤フィルム43の厚みを式(3)のT1とする。本実施形態では、湿潤フィルム43は形状付与ローラ68には巻き掛けていないので形状付与ローラ68と湿潤フィルム43とは線接触である(図5参照)から、形状付与ローラ68との接触開始時と接触終了時とは一致と見なすことができ、式(3)のT1を求める場合の「接触中」とは接触時としてよい。形状付与ローラ68に湿潤フィルム43を巻き掛けている場合には、形状付与ローラ68に対して巻き掛けられている巻き掛け領域の上流端で接触が開始し、下流端で接触が終了する。この場合には、形状付与ローラ68との接触終了時を、式(3)のT1を求める場合の上記「接触中」は接触終了時とする。また、この式(3)におけるT1,T2はプリズム16aを付与した状態の湿潤フィルム43の厚みではなく、プリズム16aを付与しない場合、すなわち両フィルム面が平滑であるいわゆる平膜状態とした場合におけるフィルムの厚みとする。
HR(S)=HW×(T1/T2)・・・(3)
また、式(1)を変形すると、下記の式(1a)となる。この式におけるT1も、式(3)におけるT1と同じく、形状付与ローラ68と接触中の湿潤フィルム43の厚みとする。
T1={(CS/100)×T2}+T2・・・(1a)
式(3)を式(1a)に代入すると、式(4)が得られる。
HR(S)=HW×[{(CS/100)×T2}+T2]/T2
=HW×{(CS/100)+1} ・・・(4)
そして、HR(S)からHR(S)の10%を減じた値から、HR(S)からHR(S)の10%を加えた値の範囲内であれば、プリズム16aは目的とするプリズム高さHWに形成されることがわかった。つまり、凸部高さHRは、{HR(S)×0.9}以上{HR(S)×1.1}以下の範囲内であればよく、これは下記の式(5)で表される。式(2)は、この式(5)に式(4)を代入することで得られる。このように、凸部高さHRは、接触解除後の乾燥による厚みの変化に基づいて求めている。
0.9×HR(S)≦HR≦1.1×HR(S) ・・・(5)
凸部高さHRが、0.9×HW×{(CS/100)+1}未満の場合と、1.1×HW×{(CS/100)+1}より大きい場合とでは、目的のプリズム高さHWを精度良く発現させることが困難である。形状付与ローラ68は、凸部高さHRが0.95×HW×{(CS/100)+1}≦HR≦1.05×HW×{(CS/100)+1}を満たすことがより好ましく、0.98×HW×{(CS/100)+1}≦HR≦1.02×HW×{(CS/100)+1}を満たすことがさらに好ましく、凸部高さHRがHW×{(CS/100)+1}に近いほど目的とする形状にプリズム16aを形成する効果は確実である。
周方向で隣り合う凸部68bと凸部68bとのピッチ(以下、凸部ピッチ)をPR(単位はμm)とするときに、HR/PRで求めるアスペクト比は0.3以上2.0以下の範囲内であることが好ましく、0.4以上1.75以下の範囲内であることがより好ましく、0.5以上1.5以下の範囲内であることがさらに好ましい。なお、凸部ピッチPRは、凸部68b同士の頂点間の距離であり、例えばプリズムピッチP16aと同じとされ、100μm以下としている。凸部68bの頂角(以下、ローラ頂角と称する)は、形状付与ローラ68による押圧を解除した後の乾燥による収縮を考慮して、20°以上100°以下の範囲内とされることが好ましい。凹部68aの開き角度は、形状付与ローラ68による押圧を解除した後の乾燥による収縮を考慮して、20°以上100°以下の範囲内とされることが好ましい。
なお、この例の形状付与ローラ68は、周面全体に凹部68aと凸部68bとが形成されているが、これに限られない。例えば、流延膜50または湿潤フィルム43の幅方向における両側にはプリズム16aを形成せずに、両側部間の中央部のみにプリズム16aを形成する場合には、形状付与ローラの周面のうち、軸方向の中央部のみに凹部68aと凸部68bとが形成されていてもよい。この場合には、凹部68aと凸部68bとが形成されている領域よりも外側は、流延膜50または湿潤フィルム43と接触しないように、凹部68aと凸部68bとが形成されている領域よりも径が小さな小径領域とするとより好ましい。このような小径領域を設けて流延膜50または湿潤フィルム43と接触しない非接触部を形成することにより、凹部68aと凸部68bとを、押圧力をより抑えて確実に形成することができる。押圧力を抑えることにより、機械的な負荷が軽減されるので、製造速度をより向上させて光学フィルム32を製造することができるからより製造効率が向上する。また、押圧力を抑えることにより、形状付与ローラの凹部68aと凸部68bとの磨耗がより抑制され、形状付与ローラの耐久性が向上する。
上記構成の作用を説明する。流延ダイ48にドープ31が供給され、走行するベルト46に向けて吐出される。これにより、バックアップローラ47で温度が制御されたベルト46上に流延膜50が形成される。流延ダイ48からドープ31の吐出が連続的に行われ、ベルト46が走行を続けるから連続的に流延膜50が形成される。
形成された流延膜50は、ベルト46の走行にともなって搬送される。この搬送中に、バックアップローラ47による加熱と送風機52による乾燥気体の供給と裏面加熱器53による加熱とにより、流延膜50中の溶媒が蒸発して流延膜50の乾燥がすすみ、ゲル化する。なお、冷却流延の場合には、この搬送中に、バックアップローラ47による冷却と送風機52による乾燥気体の供給と裏面加熱器53による冷却とにより、流延膜50は、溶媒が蒸発して乾燥がすすむとともに降温してゲル化する。
乾燥が進められてゲル化した流延膜50は、剥取ローラ56によりゲル状態のまま剥取位置PPでベルト46から剥ぎ取られる。剥ぎ取られた流延膜50、すなわち湿潤フィルム43は、形状付与装置35に向けて搬送される。剥取ローラ56の周面温度の制御により、湿潤フィルム43の反剥ぎ取り面43b側は剥取ローラ56に接してもゲル状態は維持される。
湿潤フィルム43が形状付与ローラ68の位置にまで搬送されると、回転中の形状付与ローラ68と剥取ローラ56との間に挟持され、形状付与ローラ68により剥ぎ取り面43a側から押圧される。これにより、挟持された湿潤フィルム43の部分に凹部68aまたは凸部68bの形状は、剥ぎ取り面43aに転写される。湿潤フィルム43の搬送とともに形状付与ローラ68が回転するから、湿潤フィルム43の剥ぎ取り面43aに複数のプリズム16aが順次形成される。
溶媒含有率が50%未満である湿潤フィルム43を形状付与ローラ68で押圧した場合には、湿潤フィルム43は凹部68aの最も深い部分まで入り込むことが難しく、凹部68aと凸部68bとの形状が転写されにくい。また、溶媒含有率が350%より多い湿潤フィルム43を形状付与ローラ68で押圧した場合には、押圧を解除した後の乾燥による収縮量が大きすぎて、目的のプリズム高さHWを発現させることが難しい。そこで、前述のように、形状付与ローラ68が湿潤フィルム43を押圧する際の湿潤フィルム43の溶媒含有率を50%以上350%以下の範囲内にしていることから、湿潤フィルム43は柔らかく、小さい押圧力で容易に湿潤フィルム43を凹部68a,凸部68bの形状にしたがって変形させられる。
そして、形状付与ローラ68は、凸部高さHRが式(2)を満たしており、押圧解除後の乾燥による厚み方向の収縮を考慮した凹部68a及び凸部68bが形成されているから、押圧直後の湿潤フィルム43には、目的とするプリズム高さHW、すなわち光学フィルム32におけるプリズム高さHWよりも高いプリズム16aが形成される。これにより、押圧解除後の乾燥により厚みが減少して得られる光学フィルム32は、プリズム16aが目的とする形状で形成されたものとなる。
上記のようにHR/PRで求めるアスペクト比は0.3以上2.0以下の範囲内にされているから、剥ぎ取り面43a側から形状付与ローラ68の凸部68bがより均一な深さで湿潤フィルム43内に入り込むとともに、凹部68aの最も深い位置にまで湿潤フィルム43がより確実に入り込むから、凹部68a及び凸部68bとがより精度よく転写される。
上記のようにプリズム16aを形成している間では、形状付与ローラ68の周面の温度は、5℃以上35℃以下の範囲内にされているから、湿潤フィルム43の剥ぎ取り面43a側は流動性をもった状態になる。このため、凹部68aの最も深い部分にまで湿潤フィルム43が入り込み凹部68aと凸部68bとの形状がより確実かつ容易に転写される。
上記のように剥取ローラ56の周面の温度は、−25℃以上10℃以下の範囲内にされているから、剥ぎ取り面43a側から形状付与ローラ68の凸部68bがより均一な深さで湿潤フィルム43内に入り込み、凹部68a及び凸部68bがより精度よく転写される。
上記のように湿潤フィルム43に対する形状付与ローラ68の押圧力は1.5MPa以上15MPa以下の範囲内にされているから、押圧解除後における樹脂溜まりの発生と転写時における転写不足とがより確実に防止される。
上記のように形状付与ローラ68で目的とするプリズム高さHWよりも高くプリズム16aが形成された状態で、湿潤フィルム43は形状付与装置35から乾燥装置36へ送られる。湿潤フィルム43は、乾燥装置36へ案内されると、その両側部をクリップ60で把持され、このクリップ60の移動により幅を一定に保持された状態で搬送される。そして、この搬送中にエア流出部62からの乾燥気体の吹き付けにより、湿潤フィルム43は幅を一定に保持した状態で乾燥がさらにすすめられ、厚みが減少していくとともに形成したプリズム16aの高さは減少していく。
乾燥装置36で乾燥された湿潤フィルム43は、第1切除装置37により両側部を切除され、乾燥室40へと案内される。湿潤フィルム43は、この乾燥室40を通過する間にさらに乾燥を進められ、これにより目的とするプリズム高さHWの光学フィルム32が得られる。光学フィルム32は巻取装置42でロール状に巻かれる。ロール状に巻かれた光学フィルム32は、後工程で所定の大きさに切り取られ、プリズムシート16として使用される。
なお、上記実施形態では、剥取ローラ56上の湿潤フィルム43に対して形状付与ローラ68でプリズム16aの形状を付与しているが、形状を付与する位置は、湿潤フィルム43の溶媒含有率が50%以上350%以下の範囲内であるならば、他の位置であってもよい。例えば、剥取ローラ56と乾燥装置36との間の搬送路に形状付与ローラ68とニップローラ(図示無し)とを配し、これらで湿潤フィルム43に形状を付与してもよい。また、ベルト46やドラムなどの流延支持体上の流延膜50に形状付与ローラ68を押圧して形状を付与してもよい。
上記実施形態では、製造した光学フィルムを全反射型のプリズムシートとして用いる例について説明したが、屈折型プリズムシートとしても用いることができる。
上記の例では、プリズムシート16となる光学フィルム32を製造しているが、製造する光学フィルムはこれに限定されず、複数の凹凸が一方の表面に備えられ、これにより入射光を屈折させて集光または拡散する光学フィルムであればよい。こうした光学フィルムとしては、例えば、輝度向上フィルム、拡散フィルム、反射防止フィルムがある。これらの光学フィルムは、凹凸が上記の光学フィルム32のように規則的に配列したものでなくてよく、凹凸が不規則に形成されたものでもよい。また、凹凸の形状は、角錐状、円錐状等であってもよいし、不定形であってもよい。さらにこれらの形状の凹凸の大きさも不均一であってもよい。以上のような場合には、目的とする凹凸の形状に応じた凹部と凸部とが周面に形成された形状付与ローラを、形状付与ローラ68に代えて用いる。
凹凸が不規則に形成された光学フィルムを製造する場合であっても、形状付与ローラによる押圧は、溶媒含有率が50%以上350%以下の範囲内である湿潤フィルム43または流延膜50に対し行う。また、形状付与ローラの凹部と凸部とは、式(2)を満たして形成されたものとする。形成する光学フィルムの凹凸の高さ、すなわちフィルムの厚み方向において凹部の最も深い位置からその凹部を形成している凸部の最も高い位置までの距離が不均一である場合には、最も高い凹凸の高さをHWとして式(2)により形状付与ローラの凸部高さHRを求める。また、前述のアスペクト比を求める際の凸部ピッチPRは、周面で隣り合う凸部と凸部とのうち最も頂点の位置が近い2つの凸部について、その頂点間の距離を求め、凸部ピッチPRとする。
なお、反射防止フィルムの一例としてモスアイフィルムが挙げられる。モスアイフィルムは、可視光の波長(380nm程度)以下のピッチで凸部または凹部が一方のフィルム面に形成されたものである。モスアイフィルムのフィルム面における凹凸の配置態様は、規則的であってもよいし、不規則であってもよい。
[実施例1]〜[実施例8]
溶液製膜設備30により表1に示す各条件下でそれぞれ光学フィルム32を製造し、実施例1〜5とした。光学フィルム32の目的とするプリズム高さHWは25μmとし、プリズムピッチP16aは50μmとした。
ドープ31は、下記に組成を示す固形成分を溶媒に添加して攪拌しながら溶解し、TACの濃度が概ね19質量%となるようにした。
[固形成分]
セルローストリアセテート(置換度2.8) 89.3質量%
可塑剤A(トリフェニルフォスフェート) 7.1質量%
可塑剤B(ビフェニルジフェニルフォスフェート) 3.6質量%
溶媒は、下記に組成を示す混合液を用いた。
[溶媒]
ジクロロメタン 80質量%
メタノール 13.5質量%
n−ブタノール 6.5質量%
ドープ31は、濾紙(東洋濾紙(株)製,#63LB)にて濾過後、焼結金属フィルタ(日本精線(株)製06N,公称孔径10μm)で濾過し、さらにメッシュフイルタで濾過した後にストックタンクに一旦貯留した。流延時には、ストックタンクからドープ31を流延ダイ48に供給した。
なお、使用したセルローストリアセテートは、残存酢酸量が0.1質量%以下であり、Ca含有率が58ppm、Mg含有率が42ppm、Fe含有率が0.5ppmであり、遊離酢酸40ppm、さらに硫酸イオンを15ppm含むものであった。また6位水酸基の水素に対するアセチル基の置換度は0.91であった。また、全アセチル基中の32.5%が6位の水酸基の水素が置換されたアセチル基であった。また、このTACをアセトンで抽出したアセトン抽出分は8質量%であり、TACの重量平均分子量/数平均分子量比は2.5であった。また、このTACのイエローインデックスは1.7であり、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であった。このTACは、綿から採取したセルロースを原料として合成されたものであった。
[形状付与ローラ]
実施例1〜8の形状付与ローラ68は、ローラの直径が150mmである。実施例6の形状付与ローラは、ローラの直径が150mmである。実施例1〜8の形状付与ローラ68のそれぞれについて、ローラ頂角、凸部高さHR、凸部ピッチPR、アスペクト比HR/PR、周面の温度は表1に示す。実施例1〜8の形状付与ローラ68は、いずれも式(2)を満たすものである。
表1において、「溶媒含有率」、「押圧力」、「剥取ローラの周面の温度」は、それぞれ、実施例1〜8の形状付与ローラ68で押圧中の湿潤フィルム43の溶媒含有率と、湿潤フィルム43に対する押圧力と、剥取ローラ56の周面の温度とである。
上記実施例1〜8で得られた各光学フィルム32につき、厚み方向での断面においてプリズム16aの形状を評価した。評価は、まず各断面を光学顕微鏡で観察し、光学フィルム32のプリズム高さHWを求めた。光学顕微鏡での倍率は1500倍とした。光学フィルム32については、観察画像において任意に5つのプリズム16aを選び、選んだそれぞれについてプリズム高さHW1〜HW5を測定し、それらの平均値を(HW1+HW2+HW3+HW4+HW5)/5の算出式により求め、これらの平均値をプリズム高さHWとした。
求めたプリズム高さHWを下記の基準で評価することで、プリズム16aの形状の評価とした。なお目的とするプリズム高さHW(25μm)を、下記では「目的高さ」と称し、求めたプリズム高さHWを、下記では「算出高さ」と称する。A〜Cは合格、Dは不合格である。
A;算出高さが(目的高さ×0.95)以上(目的高さ×1.05)以下である
B;算出高さが(目的高さ×0.90)以上(目的高さ×0.95)未満、または、(目的高さ×1.05)より大きく(目的高さ×1.10)以下である
C;算出高さが(目的高さ×0.85)以上(目的高さ×0.90)未満、または、(目的高さ×1.10)より大きく(目的高さ×1.15)以下であるである
D;算出高さが(目的高さ×0.85)未満または(目的高さ×1.15)より大きい
Figure 2016187955
[比較例1]〜[比較例5]
溶液製膜設備30により表1に示す各条件下でそれぞれ光学フィルムを製造し、比較例1、2とした。また、溶液製膜設備30の形状付与ローラ68を、表1に示す凸部高さHRの凸部が形成された形状付与ローラに代えて、比較例3〜5とした。これら比較例のその他の条件は上記実施例と同じである。
得られた光学フィルムについて、厚み方向での断面においてプリズムの形状を実施例と同じ方法及び基準で評価した、評価結果は表1に示す。
16 プリズムシート
16a プリズム
30 溶液製膜設備
32 光学フィルム
35 形状付与装置
43 湿潤フィルム
50 流延膜
56 剥取ローラ
68 形状付与ローラ
68a 凹部
68b 凸部

Claims (14)

  1. 周面に複数の凹部及び凸部が形成され、ポリマーと溶媒とを含む搬送中のウェブを一方の表面側から押圧することにより、入射光を屈折させて集光または拡散する複数の凹凸を前記一方の表面に連続的に形成する形状付与ローラにおいて、
    前記凸部の高さをHRμmとし、前記一方の表面に形成される前記凹凸の頂部の高さをHWμmとし、前記ウェブにおける溶媒含有率をCS%とするときに、
    0.9×HW×{(CS/100)+1}≦HR≦1.1×HW×{(CS/100)+1}
    を満たし、
    前記溶媒含有率が50%以上350%以下の範囲内である前記ウェブを押圧することを特徴とする形状付与ローラ。
  2. 隣り合う前記凸部と前記凸部とのピッチをPRμmとするときに、HR/PRが0.3以上2.0以下である請求項1に記載の形状付与ローラ。
  3. 複数の前記凹部及び凸部は、周方向に沿って交互に形成され、前記ウェブの幅方向に延びた断面三角形状とされており、
    前記ウェブの前記凹凸はプリズムである請求項1または2に記載の形状付与ローラ。
  4. 前記周面の温度を調節する第1温調機を備え、前記第1温調機により前記周面の温度が5℃以上35℃以下の範囲内にされる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の形状付与ローラ。
  5. 前記ウェブに対する押圧力を調整する圧力調整器を備え、1.5MPa以上15MPa以下の範囲内の前記押圧力で前記ウェブを押圧する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の形状付与ローラ。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載され、回転自在に設けられた形状付与ローラと、
    前記形状付与ローラと回転軸同士を平行にして回転自在に設けられ、搬送中の前記ウェブを前記形状付与ローラとで挟持する回転ローラと、
    を備えることを特徴とする形状付与装置。
  7. 前記回転ローラは、周面の温度を調節する第2温調機を備え、前記第2温調機により前記周面の温度が−25℃以上10℃以下の範囲内にされる請求項6に記載の形状付与装置。
  8. 入射した入射光を屈折させて集光または拡散する複数の凹凸を一方のフィルム面に有する光学フィルムを製造するフィルム製造方法において、
    ポリマーが溶媒に溶けているドープを、走行する流延支持体上に連続的に流延することにより流延膜を形成する流延工程と、
    前記流延膜を前記溶媒が残存する状態で前記流延支持体から剥がすことにより湿潤フィルムを形成する剥離工程と、
    溶媒含有率が50%以上350%の範囲内である状態で、搬送中の前記流延膜または前記湿潤フィルムに、複数の凹部及び凸部が周面に形成された形状付与ローラを一方の表面側から押圧することにより、前記流延膜または前記湿潤フィルムの前記一方の表面に前記複数の凹凸を連続的に形成する形状付与工程と、
    形状付与工程を経た前記流延膜または前記湿潤フィルムを乾燥する乾燥工程とを有し、
    前記形状付与ローラの前記凸部の高さをHRμmとし、前記一方のフィルム面における前記凹凸の頂部の高さをHWμmとし、前記流延膜または前記湿潤フィルムの前記形状付与ローラに押圧されるときの溶媒含有率をCS%とするときに、前記形状付与ローラは、0.9×HW×{(CS/100)+1}≦HR≦1.1×HW×{(CS/100)+1}を満たすことを特徴とするフィルム製造方法。
  9. 前記形状付与ローラは、隣り合う前記凸部と前記凸部とのピッチをPRμmとするときに、HR/PRが0.3以上2.0以下である請求項8に記載のフィルム製造方法。
  10. 前記フィルムの前記凹凸はプリズムであり、
    前記形状付与ローラの複数の前記凹部及び凸部は、周方向に沿って交互に形成され、前記フィルムの幅方向に延びた断面三角形状とされている請求項8または9に記載のフィルム製造方法。
  11. 前記形状付与工程は、前記周面の温度が5℃以上35℃以下の範囲内にされた前記形状付与ローラを前記流延膜または前記湿潤フィルムに押圧する請求項8ないし10のいずれか1項に記載のフィルム製造方法。
  12. 前記形状付与工程は、1.5MPa以上15MPa以下の範囲内の押圧力で前記流延膜または前記湿潤フィルムを押圧する請求項8ないし11のいずれか1項に記載のフィルム製造方法。
  13. 前記形状付与工程は、前記形状付与ローラと回転軸同士を平行にして回転自在に設けられた回転ローラと、前記形状付与ローラとで前記流延膜または前記湿潤フィルムを挟持して押圧する請求項8ないし12のいずれか1項に記載のフィルム製造方法。
  14. 前記回転ローラの周面の温度は−25℃以上10℃以下の範囲内である請求項13に記載のフィルム製造方法。
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