JP2016187009A - 金属−セラミックス接合基板およびその製造方法 - Google Patents

金属−セラミックス接合基板およびその製造方法 Download PDF

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【課題】セラミックス基板に接合した金属ベース板のねじ止め部の変形を抑制して信頼性を高めることができる、金属−セラミックス接合基板を安価に且つ容易に製造する。【解決手段】平面形状が略矩形で両面の周縁部(の四隅付近)の減肉部を除いて略均一な厚さを有する平板上の金属ベース板14の一方の面の周縁部を除く部分にセラミックス基板10の一方の面を直接接合させる。セラミックス基板10の他方の面に金属回路板12を直接接合させ、金属ベース板14の減肉部を肉盛して金属ベース板14の他の部分と略同一の厚さになるように金属強化膜16を形成してねじ止め部14aとする。金属ベース板14のセラミックス基板10との接合面に対して略垂直方向に延びる(ねじ止め用の)貫通孔を、金属ベース板14の一方の金属強化膜16の表面から他方の金属強化膜16の表面まで金属ベース板14と金属強化膜16を貫通して形成する。【選択図】図1B

Description

本発明は、金属−セラミックス接合基板およびその製造方法に関し、特に、セラミックス基板の一方の面に電子部品搭載用の金属板(金属回路板)が形成され、他方の面に放熱用の金属ベース板が形成された金属−セラミックス接合基板およびその製造方法に関する。
従来、パワーモジュール用絶縁基板として使用されている金属−セラミックス接合基板では、セラミックス基板の一方の面に金属回路板が接合するとともに他方の面に放熱用金属ベース板が接合し、金属回路板上に半導体チップなどが搭載されている。このような半導体チップなどの発熱素子からの熱を外部に放熱するために、放熱用金属ベース板の裏面に放熱フィンや冷却ジャケットなどが取り付けられている。
このような金属−セラミックス接合基板として、セラミックス基板の一方の面に金属回路板が直接接合するとともに他方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる放熱部材が直接接合し、この放熱部材の周縁部に形成されたねじ穴(貫通孔)を介して放熱部材に蓋体をねじ止めすることによって、内部に空間が形成された放熱器が取り付けられた金属−セラミックス接合基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1の金属−セラミックス接合基板では、内部にセラミックス基板を配置した鋳型内にアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を注湯した後に凝固させることによって、セラミックス基板に放熱部材が直接接合されており、放熱部材の強度が高くないため、放熱部材に形成されたねじ穴の周縁部が陥没したり、パワーモジュール用絶縁基板として車両や産業用機械などに使用したときにねじが緩むおそれがある。また、アルミニウム合金の添加金属の成分を調整して放熱部材の強度を高くすると、放熱部材の熱伝導率が低下して放熱性が低下する場合があり、また、金属−セラミックス接合基板にヒートサイクルが付加されたときに、セラミックス基板に割れが発生するなど、金属−セラミックス接合基板の信頼性が低下するおそれがある。
また、基板のねじ止め用の貫通孔の周縁部のクラックなどの発生を防止するために、黒鉛と金属の複合体からなる基板の両主面間を繋ぐ貫通孔にパイプ部材を嵌合させることが提案され、このパイプ部材と基板の間の密着性および放熱性を向上させるために、パイプ部材と基板の界面をろう材などで接合することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、特許文献2の基板では、貫通孔にパイプ部材を嵌合させるだけでは、パイプ部材の固定が十分ではなく、パイプ部材と基板の間の密着性を向上させるために、パイプ部材と基板の界面をろう材などで接合する場合、パイプ部材の外周面または貫通孔の内周面にろう材などを形成するのは容易でなく、ろう材などによりパイプ部材と基板を接合して密着性を十分に向上させるのは困難である。
このような問題を解消するため、本発明者は、セラミックス基板の一方の面に金属板が接合するとともに、他方の面に金属ベース板が接合した金属−セラミックス接合基板において、金属ベース板の一方の面から他方の面に貫通するように形成された(ねじ止め用の)貫通孔の内周面に、金属ベース板より強度が高い金属からなる環状部材の外周面が直接接合させることにより、セラミックス基板に接合した金属ベース板のねじ止め部の変形を抑制して、金属−セラミックス接合基板の信頼性を高めることを提案している(例えば、特許文献3参照)。
このような金属−セラミックス接合基板は、金属ベース板より融点および強度が高い金属からなる環状部材と、セラミックス基板とを鋳型内に離間して配置させ、鋳型内のセラミックス基板の両面に接触するとともに環状部材の外周面に接触するように溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、金属板を形成してセラミックス基板の一方の面に直接接合させるとともに、金属ベース板を形成してセラミックス基板の他方の面に直接接合させ、金属ベース板の一方の面から他方の面に貫通する貫通孔の内周面に環状部材の外周面を直接接合させることによって製造することができる。
特開2007−294891号公報(段落番号0016−0033) 特開2005−136369号公報(段落番号0008−0009) 特開2013−207133号公報(段落番号0009)
しかし、特許文献3の金属−セラミックス接合基板では、鋳型の設計が容易でなく、高い製造技術が必要になり、製造コストが高くなるという問題がある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、セラミックス基板に接合した金属ベース板のねじ止め部の変形を抑制して信頼性を高めることができる、金属−セラミックス接合基板を提供するとともに、その金属−セラミックス接合基板を安価に且つ容易に製造することができる、金属−セラミックス接合基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、金属ベース板の一方の面の周縁部を除く部分にセラミックス基板の一方の面が接合し、このセラミックス基板の他方の面に金属板が接合した金属−セラミックス接合基板において、金属ベース板の一方の面の周縁部から他方の面に貫通するように形成された(ねじ止め用の)貫通孔の開口部を取り囲むように金属強化膜を形成することにより、セラミックス基板に接合した金属ベース板のねじ止め部の変形を抑制して信頼性を高めることができる、金属−セラミックス接合基板を安価に且つ容易に製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による金属−セラミックス接合基板は、金属ベース板の一方の面の周縁部を除く部分にセラミックス基板の一方の面が接合し、このセラミックス基板の他方の面に金属板が接合した金属−セラミックス接合基板において、金属ベース板の一方の面の周縁部から他方の面に貫通するように形成された貫通孔の開口部を取り囲むように金属強化膜が形成されていることを特徴とする。
この金属−セラミックス接合基板において、金属ベース板の平面形状が略矩形であり、周縁部が四隅の角部であるのが好ましい。また、金属ベース板が周縁部において減肉され、この減肉部が金属強化膜によって肉盛されて、この肉盛部の表面が金属ベース板の周縁部以外の部分の表面と略同一平面上に配置しているのが好ましい。貫通孔は、金属ベース板のセラミックス基板との接合面に対して略垂直方向に延びているのが好ましい。また、金属ベース板の内部に強化部材が配置されているのが好ましい。金属ベース板および金属板は、セラミックス基板に直接接合しているのが好ましく、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるのが好ましい。
本発明による金属−セラミックス接合基板の製造方法は、金属ベース板の一方の面の周縁部を除く部分にセラミックス基板の一方の面を接合させるとともに、このセラミックス基板の他方の面に金属板を接合させた後、金属ベース板の一方の面の周縁部に金属強化膜を形成し、この金属強化膜の金属ベース板と反対側の面から金属ベース板の他方の面まで貫通する貫通孔を形成することを特徴とする。
この金属−セラミックス接合基板の製造方法において、金属強化膜を金属ベース板の他方の面の周縁部に形成し、貫通孔を金属ベース板の他方の面の金属強化膜の金属ベース板と反対側の面まで貫通させてもよい。また、金属ベース板の平面形状が略矩形であり、周縁部が四隅の角部であるのが好ましい。また、金属ベース板を周縁部において減肉し、この減肉部を金属強化膜によって肉盛して、この肉盛部の表面を金属ベース板の周縁部以外の部分の表面と略同一平面上に配置させるのが好ましい。また、貫通孔を金属ベース板のセラミックス基板との接合面に対して略垂直方向に延びるように形成するのが好ましい。
また、セラミックス基板を鋳型内に配置させ、この鋳型内のセラミックス基板の両面に接触するように溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、金属ベース板を形成して金属ベース板の一方の面の周縁部を除く部分にセラミックス基板の一方の面を直接接合させるとともに、金属板を形成してセラミックス基板の他方の面に直接接合させるのが好ましい。この場合、鋳型内にセラミックス基板を配置させる際に、鋳型内に金属ベース板より融点および強度が高い材料からなる強化部材をセラミックス基板から離間して配置させ、鋳型内のセラミックス基板の両面に接触するように溶湯を注湯する際に、鋳型内の強化部材の略全面に接触するように溶湯を注湯することにより、金属ベース板の内部に強化部材を配置させるのが好ましい。
また、金属強化膜をコールドスプレー法により形成するのが好ましく、貫通孔をプレス加工により形成するのが好ましい。また、金属ベース板および金属板がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるのが好ましい。
本発明によれば、セラミックス基板に接合した金属ベース板のねじ止め部の変形を抑制して信頼性を高めることができる、金属−セラミックス接合基板を安価に且つ容易に製造することができる。
本発明による金属−セラミックス接合基板の実施の形態を示す平面図である。 図1AのIB−IB線断面図である。 図1Aの金属−セラミックス接合基板の側面図である。 図1Aの金属−セラミックス接合基板のねじ止め部形成用の減肉部をコールドスプレーにより肉盛して金属強化膜を形成する前の状態を拡大して示す断面図である。 図1Aの金属−セラミックス接合基板のねじ止め部形成用の減肉部をコールドスプレーにより肉盛して金属強化膜を形成した後の状態を拡大して示す断面図である。 図1Aの金属−セラミックス接合基板のねじ止め部に貫通孔を形成した後の状態を拡大して示す断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明による金属−セラミックス接合基板およびその製造方法の実施の形態について詳細に説明する。
図1A〜図1Cに示すように、本発明による金属−セラミックス接合基板の実施の形態は、平面形状が略矩形のセラミックス基板10と、このセラミックス基板10の一方の面に直接接合した金属ベース板14と、セラミックス基板10の他方の面に直接接合した(図示した実施の形態では平面形状が略矩形の2枚の)金属回路板12とを備えている。金属回路板12および金属ベース板14は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるのが好ましい。
金属ベース板14は、平面形状が略矩形で略均一な厚さを有する一枚の平板状の金属部材からなり、略矩形の平板の両面の四隅付近が(平面形状が略矩形に)減肉されている。この減肉部を肉盛して金属ベース板14の他の部分と略同一の厚さになるように金属強化膜16が形成されており、この金属強化膜16が形成されている部分がねじ止め部14aとなっている。各々のねじ止め部14aには、金属ベース板14のセラミックス基板10との接合面に対して略垂直方向に延びる(ねじ止め用の)貫通孔14bが、金属ベース板14のねじ止め部14aに形成された一方の金属強化膜16の表面から他方の金属強化膜16の表面まで金属ベース板14と金属強化膜16を貫通して形成されている。この金属強化膜16は、銅、ニッケル、クロム、ステンレス鋼などの材料からなるのが好ましい。なお、金属強化膜16の厚さは、金属ベース板14の減肉部の深さと略同一であり、0.1〜1.5mmであるのが好ましく、0.4〜1.2mmであるのがさらに好ましい。
また、金属ベース板14の内部には、平面形状が略矩形の1以上(図示した実施の形態では1つ)の板状の強化部材18がセラミックス基板10から離間して且つセラミックス基板10と略平行に配置されている。この強化部材18は、金属ベース板14の内部を(セラミックス基板10の幅方向に)貫通して延びており、端面が外部に露出し、金属ベース板14の内部を貫通して延びている部分の全面(端面以外の全面)が金属ベース板14に直接接合している。この強化部材18は、金属ベース板14の材料(好ましくは、アルミニウムまたはアルミニウム合金)より融点および強度が高い材料からなり、ニッケル、コバルト、銅およびマンガンからなる群から選ばれる1種以上と鉄を含有する金属、あるいはアルミナ、ジルコニア、窒化アルミニウム、窒化珪素および炭化珪素からなる群から選ばれる1種以上のセラミックスなどの材料からなるのが好ましい。
この金属−セラミックス接合基板の金属ベース板14の裏面(セラミックス基板10との接合面と反対側の面)には、放熱部材20が配置されている。この放熱部材20は、金属ベース板14と略同一の平面形状を有し、金属ベース板14のねじ止め部14aに対応する部分に、ねじ止め部20aが形成されている。各々のねじ止め部20aには、放熱部材20を金属ベース板14の裏面に配置したときに、金属ベース板14の各々のねじ止め部14aに対応する部分に、金属ベース板14の貫通孔14bに対応するように貫通孔が形成されている。放熱部材20を金属ベース板14の裏面に配置した後、金属ベース板14の上面側(セラミックス基板10との接合面側)から貫通孔14bと放熱部材20の貫通孔に挿入したねじ(またはボルト)22の(放熱部材20から突出した)先端部にナット24を螺合させることにより、放熱部材20を金属ベース板14の裏面に固定することができる。
本実施の形態の金属−セラミックス接合基板を製造するためには、まず、(図示しない)鋳型内にセラミックス基板10と強化部材18とを互いに離間して配置し、強化部材18の略全面と、セラックス基板10の両面の金属ベース板14と金属回路板12に対応する部分に接触するように、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を流し込んで冷却することによって、図2Aに示すように、セラミックス基板10の一方の面に金属回路板12が直接接合し、他方の面に金属ベース板14が直接接合し、金属ベース板14の内部を強化部材18が貫通して延び、金属ベース板14両面の四隅付近が(平面形状が略矩形に)減肉された金属−セラミックス接合基板を製造する。
次に、粉末材料をその融点または軟化温度よりも低い温度に昇温した作動ガスに投入して超音速流にして基材に衝突させて皮膜を形成するコールドスプレー法によって、図2Bに示すように、金属ベース板14の減肉部を肉盛して金属ベース板14の他の部分と略同一の厚さになるように金属強化膜16を形成する。この金属強化膜16は、コールドスプレー法によって、すなわち、金属ベース板14の材料(好ましくは、アルミニウムまたはアルミニウム合金)より高い強度の粉末材料(例えば、銅、ニッケル、クロム、ステンレス鋼などの粉末材料)をその融点または軟化温度よりも低い温度に昇温した空気、窒素、ヘリウムなどの作動ガスに投入し、このガスを超音速流にして金属ベース板14の減肉部に衝突させることによって形成することができる。
次に、この金属強化膜16が形成された部分をねじ止め部14aとして、図2Cに示すように、各々のねじ止め部14aにプレス加工により穴を打ち抜いて貫通孔14bを形成する。なお、金属ベース板14の減肉部を肉盛して金属強化膜16を形成する際に、金属強化膜16の厚さを減肉部の深さより僅かに(10〜50μm程度)厚くなるように形成し、このプレス加工の際に、金属強化膜16をプレスして整面することにより、減肉部の深さと略同一の厚さになるようにするのが好ましい。
次に、この金属−セラミックス接合基板の金属ベース板14の裏面(セラミックス基板10との接合面と反対側の面)に放熱部材20を配置した後、金属ベース板14の上面側(セラミックス基板10との接合面側)から貫通孔14bと放熱部材20の貫通孔にねじ(またはボルト)22を挿入して貫通させ、これらのねじ(またはボルト)22の先端部にナット24螺合させることにより、放熱部材20を金属ベース板14の裏面に固定する。
以下、本発明による金属−セラミックス接合基板およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
セラミックス基板10としての90mm×40mm×0.64mmの略矩形の窒化アルミニウム基板と、強化部材18としての90mm×51mm×0.64mmの略矩形の窒化アルミニウムからなる強化板材とを離間して鋳型内に収容した後、鋳型内を窒素雰囲気にした状態で加熱し、アルミニウム溶湯をその表面の酸化膜を取り除きながら鋳型内に注湯し、その後、鋳型を冷却して溶湯を凝固させることによって、強化部材18を内部に含む110mm×50mm×5mmの金属ベース板14がセラミックス基板10の一方の面に直接接合するとともにセラミックス基板10の他方の面に金属回路板12が直接接合したベース一体型の金属−セラミックス接合基板を作製した。なお、このベース一体型の金属−セラミックス接合基板では、金属ベース板14のねじ止め部14aに対応する部分の両面の減肉厚をそれぞれ100μmとした。
次に、粒径20μmの銅粉を600℃に昇温した窒素ガスに投入して超音速流にして、金属ベース板14の減肉部に衝突させることによって、厚さ110μmになるように金属強化膜16を形成した。
次に、この金属強化膜16が形成された部分(ねじ止め部14a)に20tの圧力でプレス加工により穴を打ち抜いて、直径5mmの4つの貫通孔14bを形成した。このプレス加工の際に、金属強化膜16を形成した部分を表面に圧力を加えて、厚さ5mmの金属ベース板と同じ厚さになるように整面したところ、セラミックス基板10の割れはなかった。
次に、アルミニウム合金からなる110mm×50mm×5mmの板状の放熱部材20を金属ベース板14の裏面に配置した後、放熱部材20の貫通孔に挿入したボルト22の先端部にナット24を螺合させてトルクレンチで締め付けることにより、放熱部材20を金属ベース板14の裏面に固定した。
このようにして放熱部材20を固定したベース一体型の金属−セラミックス接合基板について、−40℃×30分→150℃×30分を1サイクルとする繰り返しヒートサイクルを1000回行った後に、ボルト22の締め付けトルクを測定したところ、ヒートサイクル付与前と比べて70%に低下しただけで、セラミックス基板10の割れはなかった。
[実施例2]
厚さ125μmになるように金属強化膜16を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、放熱部材20を固定したベース一体型の金属−セラミックス接合基板について、セラミックス基板10の割れの有無を調べるとともに、ヒートサイクル付与後のボルト22の締め付けトルクを測定したところ、放熱部材20の固定前後でセラミックス基板の割れはなく、締め付けトルクはヒートサイクル付与前と比べて80%に低下しただけであった。
[実施例3〜4]
金属ベース板14のねじ止め部14aに対応する部分の両面の減肉厚をそれぞれ200μmとし、それぞれ厚さ220μm(実施例3)および250μm(実施例4)になるように金属強化膜16を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、放熱部材20を固定したベース一体型の金属−セラミックス接合基板について、セラミックス基板10の割れの有無を調べるとともに、ヒートサイクル付与後のボルト22の締め付けトルクを測定したところ、放熱部材20の固定前後でセラミックス基板の割れはなく、締め付けトルクはヒートサイクル付与前と比べてそれぞれ75%(実施例3)、85%(実施例4)に低下しただけであった。
[実施例5〜6]
金属ベース板14のねじ止め部14aに対応する部分の両面の減肉厚をそれぞれ500μmとし、それぞれ厚さ525μm(実施例5)および550μm(実施例6)になるように金属強化膜16を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、放熱部材20を固定したベース一体型の金属−セラミックス接合基板について、セラミックス基板10の割れの有無を調べるとともに、ヒートサイクル付与後のボルト22の締め付けトルクを測定したところ、放熱部材20の固定前後でセラミックス基板の割れはなく、締め付けトルクはヒートサイクル付与前と比べてそれぞれ80%(実施例5)、85%(実施例6)に低下しただけであった。
[実施例7〜8]
金属ベース板14のねじ止め部14aに対応する部分の両面の減肉厚をそれぞれ1000μmとし、それぞれ厚さ1025μm(実施例7)および1050μm(実施例8)になるように金属強化膜16を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、放熱部材20を固定したベース一体型の金属−セラミックス接合基板について、セラミックス基板10の割れの有無を調べるとともに、ヒートサイクル付与後のボルト22の締め付けトルクを測定したところ、放熱部材20の固定前後でセラミックス基板の割れはなく、締め付けトルクはヒートサイクル付与前と比べてそれぞれ85%(実施例7)、90%(実施例8)に低下しただけであった。
[比較例]
金属ベース板14の減肉部と金属強化膜16を形成しなかった以外は、実施例1と同様の方法により、放熱部材20を固定したベース一体型の金属−セラミックス接合基板について、セラミックス基板10の割れの有無を調べるとともに、ヒートサイクル付与後のボルト22の締め付けトルクを測定したところ、放熱部材20の固定前後でセラミックス基板の割れはなかったが、締め付けトルクはヒートサイクル付与前と比べて20%以下に低下したおり、金属ベース板14と放熱部材の固定が不安定であった。
10 セラミックス基板
12 金属回路板
14 金属ベース板
14a ねじ止め部
14b 貫通孔
16 金属強化膜
18 強化部材
20 放熱部材
20a ねじ止め部
22 ねじ(またはボルト)
24 ナット

Claims (17)

  1. 金属ベース板の一方の面の周縁部を除く部分にセラミックス基板の一方の面が接合し、このセラミックス基板の他方の面に金属板が接合した金属−セラミックス接合基板において、金属ベース板の一方の面の周縁部から他方の面に貫通するように形成された貫通孔の開口部を取り囲むように金属強化膜が形成されていることを特徴とする、金属−セラミックス接合基板。
  2. 前記金属ベース板の平面形状が略矩形であり、前記周縁部が四隅の角部であることを特徴とする、請求項1に記載の金属−セラミックス接合基板。
  3. 前記金属ベース板が前記周縁部において減肉され、この減肉部が前記金属強化膜によって肉盛されて、この肉盛部の表面が前記金属ベース板の前記周縁部以外の部分の表面と略同一平面上に配置していることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属−セラミックス接合基板。
  4. 前記貫通孔が、前記金属ベース板の前記セラミックス基板との接合面に対して略垂直方向に延びていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板。
  5. 前記金属ベース板の内部に強化部材が配置されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板。
  6. 前記金属ベース板および前記金属板が前記セラミックス基板に直接接合していることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板。
  7. 前記金属ベース板および前記金属板がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板。
  8. 金属ベース板の一方の面の周縁部を除く部分にセラミックス基板の一方の面を接合させるとともに、このセラミックス基板の他方の面に金属板を接合させた後、金属ベース板の一方の面の周縁部に金属強化膜を形成し、この金属強化膜の金属ベース板と反対側の面から金属ベース板の他方の面まで貫通する貫通孔を形成することを特徴とする、金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  9. 前記金属強化膜を前記金属ベース板の他方の面の周縁部に形成し、前記貫通孔を前記金属ベース板の他方の面の金属強化膜の前記金属ベース板と反対側の面まで貫通させることを特徴とする、請求項8に記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  10. 前記金属ベース板の平面形状が略矩形であり、前記周縁部が四隅の角部であることを特徴とする、請求項8または9に記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  11. 前記金属ベース板を前記周縁部において減肉し、この減肉部を前記金属強化膜によって肉盛して、この肉盛部の表面を前記金属ベース板の前記周縁部以外の部分の表面と略同一平面上に配置させることを特徴とする、請求項8乃至9のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  12. 前記貫通孔を前記金属ベース板の前記セラミックス基板との接合面に対して略垂直方向に延びるように形成することを特徴とする、請求項8乃至11のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  13. 前記セラミックス基板を鋳型内に配置させ、この鋳型内の前記セラミックス基板の両面に接触するように溶湯を注湯した後に冷却して固化させることにより、前記金属ベース板を形成して前記金属ベース板の一方の面の周縁部を除く部分に前記セラミックス基板の一方の面を直接接合させるとともに、前記金属板を形成して前記セラミックス基板の他方の面に直接接合させることを特徴とする、請求項8乃至12のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  14. 前記鋳型内に前記セラミックス基板を配置させる際に、前記鋳型内に前記金属ベース板より融点および強度が高い材料からなる強化部材を前記セラミックス基板から離間して配置させ、前記鋳型内の前記セラミックス基板の両面に接触するように前記溶湯を注湯する際に、前記鋳型内の強化部材の略全面に接触するように前記溶湯を注湯することにより、前記金属ベース板の内部に強化部材を配置させることを特徴とする、請求項13に記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  15. 前記金属強化膜をコールドスプレー法により形成することを特徴とする、請求項8乃至14のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  16. 前記貫通孔をプレス加工により形成することを特徴とする、請求項8乃至15のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
  17. 前記金属ベース板および前記金属板がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることを特徴とする、請求項8乃至16のいずれかに記載の金属−セラミックス接合基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022209024A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 Dowaメタルテック株式会社 金属-セラミックス接合基板およびその製造方法
WO2024014211A1 (ja) * 2022-07-13 2024-01-18 富士電機株式会社 半導体装置および半導体装置の製造方法

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