JP2016185820A - 青果物用包装体および青果物用包装体の製造方法並びに青果物の包装方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このMAP技術は、大気組成(酸素20.9%、二酸化炭素0.04%)に対して包装内を低酸素、かつ高二酸化炭素の組成にすることで、青果物の呼吸を抑制し、青果物の鮮度を保持するものである。
また、大気組成並に酸素濃度が高いと、エチレン老化などが進行して、成果物が黄化し、鮮度保持効果が得られない。このため、青果物の鮮度保持には、大気中の酸素濃度より低く、かつ酸欠に移行しないよう、酸素濃度と二酸化炭素との濃度バランスが重要となる。
これらは、フィルム面でのガス交換が基本であるため、包装体の鮮度保持性能を発揮させるためには、青果物を出し入れする開口部をヒートシーラ等の機器による高気密シールすることが必要である上、特殊加工を施している。そのため、一般に青果物を収納する包装体に使用されているポリプロピレン等の素材に較べて高単価であり、汎用性が低い。こうしたことから小規模の農業生産者から小売流通や一般家庭への鮮度保持包装の普及を妨げている。
特許文献1に記載の青果物用包装体は、高分子フィルムよりなる袋状包装体が開口部より内容物を入れることができる袋状部と、袋状部につながり折り曲げることにより袋状物の開口部を覆うことができる蓋部よりなり、蓋部または開口部の近縁の少なくとも一個所に粘着剤が塗布されたものである。この青果物用包装体は、蓋部を折り曲げ粘着剤で、袋状包装体に青果物を入れて開口部に貼り付けることにより密封シールした後、内容物の青果物自身の呼吸により包装体内の二酸化炭素濃度が大気中に比べて高濃度で、かつ包装体内の酸素濃度が大気中に比べて低濃度となるようにしたものである。
そのため、袋状部に収納されたニラやコネギなどの厚みの薄い長尺型の青果物では、外部と完全に遮断されるため、乾燥は防げるかもしれないが、青果物は低酸素で呼吸ができない酸欠状態となってしまう。
本発明の実施の形態に係る青果物用包装体を図面に基づいて説明する。
本実施の形態に係る青果物用包装体の目的は、農業生産者から流通末端にある小売や一般家庭に至るまで、広く利用できる低価格の鮮度保持包装体を提供することにある。
青果物鮮度保持を目的としたフィルム包装が各種メーカーから販売されているが、一般に高価格であり、自動包装機やヒートシーラを必要とするものもある。本実施の形態に係る青果物用包装体は、特殊なフィルム素材を用いることなく、一般的なフィルム素材によって充分な青果物鮮度保持機能を保持しつつ、大型野菜に使用可能であり、ヒートシーラ等の設備を必要としない上、破袋させずに真空予冷処理することが可能であり、一般家庭での青果物鮮度保持も可能である。
接着部40は、粘着面が帯状に形成されている。この粘着面は、蓋部30によって開口部21を塞ぐまでは、剥離紙によって保護されている。接着部40は、一方の側辺30cから他方の側辺30cまでの幅方向に沿って、蓋部30を横断するように、蓋部30の幅全体の長さで、かつ蓋部30の長さ方向の一部の幅で形成されている。
まず、作業者は、袋部20の開口部21を大きく開けて、開口部21から青果物、例えば、ホウレンソウを袋部20に入れ、袋部20に収納する。次に、作業者は、接着部40の剥離紙を剥がし、粘着面を露出させる。
作業者は、第1部分31の接着部40(第1接着部41)の上から押さえることで、袋部20の第1面S1側に折り返した蓋部30の第1部分31を袋部20に貼り付ける。
従って、蓋部30の折り返し位置23を開口部21より収納部22側に位置させ、第1部分31を折り返しだけでは、第1接着部41が第1部分31の一部を袋部20に接着させているだけなので、厚みの有る青果物を収納したときに、第1部分31の側部が開いてしまうが、第2部分32が更に折り返して、第1部分31の幅方向の両方の側部を閉鎖しているため、袋部20の気密性を高めることができる。
そうすることで、作業者が第2部分32よりはみ出した部分の接着部40xを持てば、第2部分32を折り返したりする作業や、袋部20に貼り付けたりする作業が容易となる。
帯状のシート材を軸心に巻き付けたロールフィルムを2つ準備する。袋部20の第1面S1となる帯状の第1シート材51は幅が狭く、袋部20の第2面S2となる第2シート材52は第1シート材51より幅広に形成されている。
第1シート材51から、袋部20の第1面S1が形成される。第2シート材52から、袋部20の第2面S2と蓋部30とが形成される。
第1シート材51と第2シート材52とから、袋部20の開口部21の向く方向が交互に反対方向を向くように、帯状のシート材の長さ方向に沿って並べられた青果物用包装体10が製造される。
この第1シート材51および第2シート材52を重ね合わせる。
次に、袋部20の開口部21(上端辺20b)を除く、下端辺20aと両方の側辺20cとをシールしながら、青果物用包装体10の輪郭形状に打ち抜き切断して個片化する。このとき、隣接する他の青果物用包装体10の袋部20の側辺20cを共通させる。そうすることで、隣接する青果物用包装体10同士の間に隙間が無いため、無駄となるシート材の発生を抑えることができる。
このようにして、図7に示すように、青果物用包装体10を、シート材の無駄を抑えながら、短期間で、かつ大量に製造することができる。
青果物用包装体10を製造して、収納部22にホウレンソウを収納して、包装内の酸素濃度および二酸化炭素濃度の変化を測定した。また、ホウレンソウの鮮度を5段階評価法で経時的に評価した。
測定には、袋部20の全体(下端辺20aから蓋部30の上端辺30bまで)の高さが約35cm、袋部20の高さ(下端辺20aから上端辺20bまで)が約32cm、蓋部30の長さ(下端辺30aから上端辺30bまで)が約3cmの青果物用包装体10を発明品として使用した。折り返し位置23は、開口部21から3cm下方となる位置とした。
図8(B)に示すように、比較品Aでは、内部と外部とで通気が十分に成されるため、雰囲気のガス組成と同様に高い酸素濃度が維持され、低い二酸化炭素濃度が維持された状態である。このような状態では、外部雰囲気の影響を直接的に受けやすい。
図8(C)に示すように、比較品Bでは、内部と外部とのガス交換ができないため、酸欠状態となり、ホウレンソウが細胞破壊(トロケ)を起こし、無気呼吸等による揮発性の異臭を放つようになった。
20,20x 袋部
20a 下端辺
20b 上端辺
20c 側辺
21 開口部
22 収納部
23 折り返し位置
30 蓋部
30a 下端辺
30b 上端辺
30c 側辺
31 第1部分
32 第2部分
33 折り返し位置
40,40x 接着部
41 第1接着部
42 第2接着部
51 第1シート材
52 第2シート材
S1 第1面
S2 第2面
S3 余剰部分
W1,W2 幅
Claims (8)
- 青果物を収納する袋部と、前記袋部の開口部に設けられ、前記袋部の第1面側に折り返して、前記開口部を覆う蓋部とを備え、
前記蓋部は、前記第1面側に折り返したときに、前記袋部と重なる第1部分と前記袋部からはみ出す第2部分とを備え、
前記第1部分または前記袋部のいずれか一方には、前記第1部分の一部と前記袋部の第1面とを接着させる第1接着部が形成され、
前記第2部分または前記袋部のいずれか一方には、前記第2部分を、前記第1面と反対面となる第2面側に折り返して、前記第2部分の一部と前記袋部の第2面とを接着させる第2接着部が形成され青果物用包装体。 - 前記袋部の側辺同士の間隔が、前記袋部の下部から前記開口部へ向かうに従って拡がるように形成され、
前記蓋部の側辺は、前記袋部の側辺から連続した直線状に形成された請求項1記載の青果物用包装体。 - 前記第1接着部と前記第2接着部とは、前記蓋部に形成された請求項1または2記載の青果物用包装体。
- 前記第1接着部と前記第2接着部とは、連続した帯状により形成された請求項3記載の青果物用包装体。
- 前記帯状に形成された前記第1接着部と第2接着部とは、接着テープにより形成され、
前記接着テープは、前記第2部分よりはみ出す長さに形成されている請求項4記載の青果物用包装体。 - 前記蓋部は、前記開口部との境界位置を超えて折り返されて、前記袋部と接着される請求項1から5のいずれかの項に記載の青果物用包装体。
- 青果物を収納する袋部と、前記袋部の開口部に設けられ、前記袋部側に折り返して、前記開口部を覆う蓋部とを備えた青果物用包装体の製造方法において、
前記袋部の側辺同士の間隔が、前記袋部の下部から前記開口部へ向かうに従って拡がるように形成された前記袋部の第1面を形成するための帯状の第1シート材と、前記第1面の反対面となる前記袋部の第2面と、前記蓋部の側辺が、前記袋部の側辺から連続した直線状に形成された前記蓋部とを形成するための帯状の第2シート材であって、前記蓋部が、前記第1面側に折り返されて接着する第1接着部、および更に、前記袋部からはみ出した部分を前記第2面側に折り返して接着する第2接着部を備えた前記第2シート材とを準備する段階と、
前記第1シート材と前記第2シート材とを重ね合わせる段階と、
前記第1シート材および前記第2シート材の長さ方向に沿って、前記袋部の開口部の向く方向が交互に反対方向を向くようにすると共に、前記袋部の側辺を隣接する他の袋部の側辺と共通させて並べられた包装体の輪郭形状に切断して個片化する段階とを含む青果物用包装体の製造方法。 - 青果物を収納する袋部と、前記袋部の開口部に設けられ、前記袋部の第1面側に折り返して、前記開口部を覆う蓋部とを備えた青果物用包装体による青果物の包装方法において、
前記蓋部を前記第1面側に折り返して、前記蓋部の前記袋部と重なる第1部分を、前記第1部分または前記袋部のいずれか一方に形成された第1接着部により、前記第1部分の一部と前記袋部の第1面とを接着させる段階と、
前記蓋部の前記袋部からはみ出す第2部分を、前記第1面と反対面となる第2面側に折り返して、前記第2部分または前記袋部のいずれか一方に形成された第2接着部により、前記第2部分の一部と前記袋部の第2面とを接着させる段階とを含む青果物の包装方法。
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