JP2016185768A - 車両用表示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両姿勢が変化した場合であっても、実景の特定の領域に対して表示を維持させることができる。【解決手段】車両2の姿勢変化に基づき、前方検出部300を移動または/および回転させ、前方検出部300が報知対象Wの位置に関する情報をHUD100に出力する範囲である検出領域320の位置を実景3の所定の基準実景領域3rと重なる位置に調整する。さらに、虚像201が報知対象Wと所定の位置関係を保つ位置に表示されるように、車両2の姿勢変化に基づいて、画像表示部10の表示面に表示される表示画像の位置を補正する。【選択図】図1
Description
本発明は、虚像を表示する車両用表示システムに関するものである。
車両用表示システムは、例えば、自車両前方の風景(実景)に重畳画像を重ねて表示することで、実景に情報などを付加したり、実景における所定の箇所を強調したりする拡張現実(AR:Augmented Reality)を生成し、車両運転するユーザの視線移動を極力抑えつつ、所望の情報を的確に提供することで、安全で快適な車両運行に寄与するヘッドアップディスプレイを用いるものである。
例えば特許文献1は、表示装置を開示し、この表示装置は、コンバイナに表示画像を投射することで視認者に虚像を視認させる。特許文献1に開示されるような表示装置は、車両前方の実景(車線)に案内経路を示す矢印などの虚像を重畳させることで、視認者が視線を大きく移動することなく経路案内情報などを認識させている。
例えば、車両の後部の荷室に荷物を積んだりした場合、車両前方が鉛直方向上側に上がってしまい、ヘッドアップディスプレイの虚像を表示する表示領域と、実景の特定の領域とがずれてしまうことがある。通常、実景の特定の領域に対して虚像を表示できていたとしても、前述したように車両姿勢の変化により、ヘッドアップディスプレイの表示領域と実景の特定領域とがずれてしまうことで、実景の特定の領域に対して所望の虚像を重畳して表示できないという問題があった。
本発明の1つの目的は、車両姿勢が変化した場合であっても、実景の特定領域に対して表示を維持させることができる車両用表示システムを提供することである。
本発明における車両用表示システムは、車両に搭載され、前記車両の前方の実景から報知対象を検出可能であり、所定の検出領域に存在する前記報知対象の位置に関する報知対象位置情報を生成する前方検出部と、前記前方検出部が生成した前記報知対象位置情報に基づいて、前記報知対象と所定の位置関係を保つ位置に虚像を表示可能な仮想的な虚像領域を生成するヘッドアップディスプレイと、を備える車両用表示システムであって、前記車両の姿勢に関する情報を含む車両姿勢情報を取得する車両姿勢情報取得手段と、前記前方検出部を回転または回転および移動させることで前記検出領域を移動させるアクチュエータと、前記車両姿勢情報取得手段が取得した前記車両姿勢情報に基づいて前記アクチュエータを制御し、前記検出領域が前記車両前方の実景のうち特定の領域を含むように移動させるアクチュエータ制御部と、を備え、前記ヘッドアップディスプレイは、前記車両姿勢情報取得手段が取得した前記車両姿勢情報、もしくは前記アクチュエータ制御部が前記アクチュエータを制御する制御量に関する制御量情報に基づいて、前記虚像が前記報知対象と前記位置関係を保つ位置に表示されるように前記虚像の位置を調整する。
車両姿勢が変化した場合であっても、実景の特定領域に対して表示を維持させることができる。
以下に説明する実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられ、当業者は、本発明が以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
図1を参照して、本発明の車両用表示システム1の構成と、ヘッドアップディスプレイ(以下、HUDと記載)100の構成と、HUD100が生成する仮想的な虚像領域200について説明する。以下の説明を容易にするために、図1に示されるように、実空間において、例えば、車両2の前方を向いた左右方向をX軸(右方向がX軸正方向)に規定し、鉛直方向をY軸(鉛直方向上側がY軸正方向)に規定し、前後方向をZ軸(前方向がZ軸正方向)に規定する。
図1に示すように、本実施形態の車両用表示システム1は、HUD100と、前方検出部300と、アクチュエータ400と、車両姿勢検出部500とを備える。HUD100は、車両(移動体の一適用例)2に搭載される。例えばHUD100は、車両2のフロントウインドシールド(透過反射部の一例)2aの一部に車両情報等の画像光Kを投影する。フロントウインドシールド2aは、画像光Kを視認者側のアイボックスEに向けて反射する。視認者は、視点(視認者の眼の位置)をアイボックスE内におくことで、フロントウインドシールド2aを介した前方に仮想的に生成される虚像領域200内で虚像201を視認することができる。なお、虚像201は、アイボックスE(視点の位置)から前方方向(車両2の進行方向)に、例えば、5m〜10mの位置に離れて視認される。なお、図1において、虚像領域200を1つのみ記載しているが、後述する画像表示部10を複数備える、または/および後述するリレー光学系20に基づき画像表示部10から出射される画像光Kの結像距離を調整する、など公知の技術を用いることで、アイボックスEからの距離が異なる複数の虚像領域200を生成し、それぞれの虚像領域200上に虚像201を表示してもよい。
図1の車両2には、車両2の前方にある先行車両や障害物など、視認者に報知すべき報知対象Wを検出する前方検出部300が搭載されている。図1の前方検出部300は、例えば、車両2の前方の実景3を撮像する撮像部(図示しない)と、この撮像部が撮像した前方撮像画像(前方情報)を解析する画像解析部(図示しない)と、を備える。前記撮像部は、例えば、単眼または複眼の可視光カメラや赤外線カメラなどであり、前記画像解析部は、例えば、公知の画像処理、パターンマッチング法などを用いて前記撮像部が撮像した撮像画像を画像解析することで、車両2の前方における前方情報(車線、白線、停止線、歩行者、先行車両、障害物などの位置や大きさ)などを検出し、報知対象Wの位置に関する情報をHUD100(制御部30)に出力する。前方検出部300は、所定の検出可能領域310を有し、検出可能領域310に含まれる実景3において報知対象Wを検出可能である。また、前方検出部300は、検出可能領域310内に検出可能領域310よりも狭い所定の検出領域320を有し、この検出領域320は、実景3内の特定の領域である基準実景領域3rを含むように設定される。前方検出部300は、検出領域320に含まれる実景3(基準実景領域3r)に存在する報知対象Wの位置を報知対象位置情報(以下では、報知対象位置とも呼ぶ)WPとしてHUD100(制御部30)に出力する。
報知対象位置情報WPは、例えば、車両2の左右方向に沿ったX軸方向の座標と、鉛直方向に沿ったY軸方向の座標と、により少なくとも構成される。報知対象位置情報WPは、具体的に例えば、検出領域320内にある所定の基準点Oを基準としたX座標とY座標により報知対象Wの位置を示す。報知対象位置情報WPの報知対象Wの位置を示す座標の基準点Oは、検出領域320内でなくても、例えば検出可能領域310内の所定の位置であってもよい。なお、報知対象位置情報WPを生成する対象となる基準実景領域3rの位置は、予め設定される不変の位置であってもよく、また、所定の条件に基づいて自動的に設定されてもよく、また、視認者が適宜調整可能であってもよい。
なお、前方検出部300は、前述した可視光カメラや赤外線カメラ以外に、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、超音波センサ、その他の公知のセンサ等を有していてもよい。このとき、前方検出部300は、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、超音波センサ、その他の公知のセンサ等が出力する前方情報を入力して解析することによって、前述したよう報知対象位置情報WPを生成してもよい。また、前方検出部300は、前述したようなカメラやセンサを複数種類用いて、これらが出力するデータを組み合わせて解析することで前述したような前方検出部300を生成してもよい。
また、図1の車両2には、前方検出部300を回転または回転および移動させることで、検出領域320の位置を調整するアクチュエータ400が搭載されている。以下の説明では、前方検出部300を回転または回転および移動させることを、単に前方検出部300の角度を調整する、ともいう。アクチュエータ400は、例えば、DCモータやステッピングモータなどからなる駆動部(図示しない)と、前記駆動部からの動力を前方検出部300に伝達し、前方検出部300の角度を調整する駆動機構(図示しない)と、を備える。アクチュエータ400は、後述する制御部30からの駆動データTに基づいて制御される。
また、図1の車両2には、車両2の姿勢を検出する車両姿勢検出部500が搭載されている。車両姿勢検出部500は、例えば、三軸加速度センサ(図示しない)と、前記三軸加速度センサが検出した三軸加速度を解析することで、水平面を基準とした車両2のピッチ角(車両姿勢)を推定し、車両2のピッチ角に関する情報を含む車両姿勢情報GをHUD100(制御部30)に出力する。なお、車両姿勢検出部500は、前述した三軸加速度センサ以外に、車両2のサスペンション近傍に配置されるハイトセンサ(図示しない)で構成されてもよい。このとき、車両姿勢検出部500は、前記ハイトセンサが検出する車両2の地面からの高さを解析することで、前述したように車両2のピッチ角を推定し、車両2のピッチ角に関する情報を含む車両姿勢情報GをHUD100(制御部30)に出力する。なお、車両姿勢検出部500が、車両2のピッチ角を求める方法は、前述した方法に限定されず、公知のセンサや解析方法を用いて車両2のピッチ角を求めてもよい。さらに、車両姿勢検出部500は、車両2のピッチ角以外に、車両2の地面からの高さに関する情報を含む車両姿勢情報GをHUD100に出力してもよい。なお、車両姿勢検出部500の一部または全部は、車両用表示システム1外に設けられていてもよい。
図1のHUD100は、例えば、画像表示部10、リレー光学系20及び制御部30を有する。HUD100は、一般的に車両2のダッシュボードの中に収納されるが、画像表示部10、リレー光学系20及び制御部30の全部または一部がダッシュボードの外部に配置されてもよい。HUD100(制御部30)は、車両2に搭載される車載LAN(Local Area Network)などからなるバス4に接続され、このバス4から車両情報の一部又は全部を入力することができる。
図2は、図1に示される画像表示部10の構成の例を示す図である。以下の説明を容易にするため、図2に示されるように、画像表示部10の表示面11を正面から視認した際、表示面11の左右方向をdx軸(右方向をdx軸正方向)と規定し、上下方向をdy軸(上方向をdy軸正方向)と規定する。なお、図2に示される表示面11におけるdx軸正方向は、例えば、図1の実空間におけるX軸正方向、すなわち車両2の右方向に対応する。同様に、図2に示される表示面11におけるdy軸正方向は、例えば、図1の実空間におけるY軸正方向、すなわち鉛直方向上側に対応する。なお、画像表示部10からの画像光KがアイボックスEへ到達するまでにリレー光学系20などで反射される場合、図2の表示面11のdx軸正方向または/およびdy軸正方向と、図1の実空間のX軸正方向または/およびY軸正方向とのそれぞれの関係が反転する場合がある。
図2に示したように、画像表示部10は、表示画像12を表示する表示面11と、後述する制御部30が生成する画像データDに基づいて表示面11に表示画像12を表示させる図示しない駆動回路と、を有する。画像データDは、表示画像12を表示する位置に関する表示位置情報(以下では、表示位置とも呼ぶ)Qを含む。表示位置情報Qは、例えば、表示面11の左右方向のdx軸方向の座標と、上下方向のdy軸方向の座標と、により少なくとも構成される。画像表示部10の表示面11から出射される画像光Kは、リレー光学系20によりフロントウインドシールド2aに導かれ、フロントウインドシールド2aが視認者側に反射した画像光Kにより、虚像201を表示可能な仮想的な虚像領域200が生成される。表示面11に表示される表示画像12は、虚像領域200上で虚像201として表示される。すなわち、画像表示部10は、画像データDに含まれる表示位置情報Qに基づき、表示面11上の表示画像12が表示されるdx軸方向の座標と、dy軸方向の座標とを変えることで、虚像領域200上の虚像201が視認される実空間におけるX軸方向の座標と、Y軸方向の座標とを調整することができる。
なお、画像表示部10には、例えば、液晶表示素子などの透過型表示パネルや、有機EL素子などの自発光表示パネルや、DMDやLCoS(登録商標)などの反射型表示パネルや、レーザー光を走査する走査型表示装置などを適用することができる。また、リレー光学系20には、平面鏡、曲面鏡、自由曲面鏡などの反射光学系や、曲面レンズ、自由曲面レンズなどの透過型,屈折型の光学系や、ハーフミラーなどの半透過型光学系などを適用可能である。リレー光学系20は、典型的には、画像表示部10が生成する画像光Kを拡大する機能、フロントウインドシールド2aの歪みを補正し、歪みのない虚像201を視認させる機能、虚像201を視認者から所定の距離だけ離れた位置で結像させる機能を有する。また、図1では、画像表示部10及びリレー光学系20を1つずつ図示してあるが、それぞれは複数設けられてもよい。
図3は、図1の制御部30の概略構成例を示す。図3に示されるように、制御部30は、例えば、処理部31、記憶部32及びインターフェース33を含む。処理部31は、例えばCPUやRAMで構成され、記憶部32は、例えばROMで構成され、インターフェース33は、バス4に接続される入出力通信インターフェースで構成される。例えば、インターフェース33は、バス4を介して車両情報や後述する報知対象位置情報WP,車両姿勢情報G等を取得することができ、記憶部32は、入力した報知対象位置情報WP及び車両姿勢情報Gに基づいて画像データDおよび座標補正データCを生成するためのデータを記憶することができ、処理部31は、記憶部32からのデータを読み取り、所定の動作を実行することで画像データDおよび座標補正データCを生成することができる。なお、インターフェース33は、例えば、バス4を介して車両姿勢検出部500から車両2の姿勢に関する情報を含む車両姿勢情報Gを取得することができ、本発明の請求項に記載の車両姿勢情報取得手段としての機能も有する。また、制御部30は、本発明の請求項に記載のアクチュエータ400を制御するアクチュエータ制御部としての機能も有する。なお、制御部30は、HUD100の内部にあってもよく、その一部または全部の機能がHUD100の外側の車両2側に設けられてもよい。
図4は、従来のHUDにおいて、車両2の傾斜より、実景3に対する前方検出部300の検出領域320の位置がずれる様子を説明するための図である。図4(a)に示されるように、車両2が傾斜していない場合、実景3の基準実景領域3rに重なるように検出領域320が配置される。しかし、例えば、車両2の荷室に多くの荷物が積まれたことなどに起因して、車両2の前方が鉛直方向上側に傾斜した場合、図4(b)に示されるように、前方検出部300の検出領域320は、実景3の基準実景領域3rから鉛直方向上側にずれてしまう。これにより、前方検出部300は、通常では、実景3の基準実景領域3rに存在する報知対象Wの報知対象位置情報WPをHUD100に出力していたにも関わらず、車両2が傾いてしまった場合、実景3の基準実景領域3rに存在する報知対象Wの報知対象位置情報WPをHUD100に出力しないおそれがある。すなわち、HUD100は、車両2の姿勢によっては、実景3の基準実景領域3rに存在する報知対象Wに対して虚像201を表示することができなくなるおそれがある。本発明のHUD100は、以下に説明する補正処理を実行することで、車両姿勢が変化した場合であっても、実景3の基準実景領域3rに対して虚像201を重ねて表示することが可能となる。
図5は、車両用表示システム1が実行する補正処理の例を示すフローチャートである。車両用表示システム1の前記補正処理は、例えば、車両2が起動されたとき、又は、車両2の電子機器に電力が供給されたとき、又は、車両2の起動または車両2の電子機器の電力供給から所定時間経過したときであり、かつ車両2が走行状態でない場合に開始される。
ステップS01では、制御部30は、車両姿勢検出部500から車両2の車両姿勢に関する情報を含む車両姿勢情報Gを取得する。
ステップS02では、制御部30は、ステップS01で取得した車両姿勢情報Gに対応するアクチュエータ400の駆動量を含む駆動データ(制御量情報)Tを決定し、この駆動データTに基づいてアクチュエータ400を駆動する。具体的には、制御部30は、記憶部32に予め記憶されたテーブルデータを読み出し、ステップS01で取得した車両姿勢情報Gに対応する駆動データTを決定し、決定した駆動データTに基づいてアクチュエータ400を駆動することで前方検出部300の角度を調整し、前方検出部300の検出領域320を、実景3の基準実景領域3rの位置に移動させる。なお、ステップS02で、制御部30は、車両姿勢情報Gから駆動データTを予め設定された算出式を用いて演算により求めてもよい。
ステップS03では、制御部30は、ステップS01で取得した車両姿勢情報G、またはS02で決定した駆動データTに基づいて、座標補正データCを決定し、この座標補正データCを処理部31のRAMに一時的に保持する。具体的には、制御部30は、記憶部32に予め記憶されたテーブルデータを読み出し、車両姿勢情報Gまたは駆動データTに対応する座標補正データCを決定し、決定した座標補正データCを処理部31のRAMに一時的に保持する。なお、ステップS03で、制御部30は、車両姿勢情報Gまたは駆動データTから駆座標補正データCを予め設定された算出式を用いて演算により求めてもよい。ちなみに、ステップS02とステップS03は、必ずしもこの順番である必要はなく、順番が入れ替わっても、または同時に実行されてもよい。
以上に説明した補正処理では、補正処理のステップS02により、前方検出部300は、報知対象Wを検出して報知対象位置情報WPとして出力する検出領域320の位置を、実景3の基準実景領域3rと重なる位置に設定する。これにより、前方検出部300は、基準実景領域3rに存在する報知対象Wの位置を示す報知対象位置情報WPをHUD100に出力可能となる。また、ステップS03により座標補正データCを決定することで、HUD100は、後述する表示処理時に、前方検出部300から入力する報知対象位置情報WPを座標補正データCで補正し、ステップS02で前方検出部300の角度が調整された後でも実景3の基準実景領域3rに存在する報知対象Wに対応した位置に虚像201を表示可能となる。
図6は、車両用表示システム1が実行する表示処理の例を示すフローチャートである。車両用表示システム1の表示処理は、例えば、前記補正処理が完了した後に開始される。
ステップS11では、前方検出部(撮像部)5は、車両2の前方の実景3を撮像する。ステップS12では、前方検出部(画像解析部)5は、前記撮像部が撮像した前記前方撮像画像を解析し、検出領域320内に報知対象Wが存在するかを判定する。
検出領域320内に報知対象Wが存在しない(ステップS12でNo)場合、前方検出部300は、ステップS11に戻り、車両2の前方の実景3を再び撮像する。
検出領域320内に報知対象Wが存在する(ステップS12でYes)場合、ステップS13では、前方検出部300は、検出領域320内における報知対象Wの位置に関する情報を含む報知対象位置情報WPを生成し、HUD100(制御部30)に出力する。なお、例えば、ステップS11の車両2の前方の実景3の撮像、ステップS12の報知対象Wの有無の判定、ステップS13の報知対象位置情報WPの生成と出力は、車両2が起動している間、連続的に繰り返し行われ、前方検出部300は、検出領域320内に報知対象Wの存在が確認される度に報知対象位置情報WPを直ちに生成及び出力を行う。
検出領域320内に報知対象Wが存在する(ステップS12でYes)場合、ステップS13では、前方検出部300は、検出領域320内における報知対象Wの位置に関する情報を含む報知対象位置情報WPを生成し、HUD100(制御部30)に出力する。なお、例えば、ステップS11の車両2の前方の実景3の撮像、ステップS12の報知対象Wの有無の判定、ステップS13の報知対象位置情報WPの生成と出力は、車両2が起動している間、連続的に繰り返し行われ、前方検出部300は、検出領域320内に報知対象Wの存在が確認される度に報知対象位置情報WPを直ちに生成及び出力を行う。
ステップS14では、制御部30は、前方検出部300から報知対象位置情報WPを入力する。そして、ステップS15では、制御部30が、入力した報知対象位置情報WPを前記補正処理のステップS03で決定された座標補正データCにより補正し、座標補正データCにより補正された報知対象位置情報WPに基づき、表示面11の表示位置Qに表示画像12を表示するように画像データDを生成する。ステップS16では、画像表示部10は、制御部30が生成した画像データDに基づき、表示面11上の表示位置Qに所望の表示画像12を表示する。これにより、HUD100は、実景3の基準実景領域3rに存在する報知対象Wの位置に対応した位置に虚像201を表示することができる。
図5,図7を用いて、HUD100が実行する補正処理について、具体的に説明する。図7は、(a)から(d)まででHUD100が実行する前記補正処理の過程を示し、(a)〜(d)それぞれにおける左図は、実空間におけるX−Y平面における、実景3と前方検出部300の検出可能領域310及び検出領域320との位置関係を示した図であり、(a)〜(d)それぞれにおける右図は、実空間におけるX−Y平面における実景3とHUD100が生成する仮想的な虚像領域200との位置関係を示した図である。なお、図7では、車両2の傾きにより、前方検出部300の検出領域320またはHUD100の虚像領域200が実景3中の基準実景領域3rからずれる様子をわかりやすくするため、実景3中に報知対象Wを図示し、報知対象Wの報知対象位置情報WPが補正される過程を示してあるが、HUD100が実行する補正処理においては、実景3内に報知対象Wが存在している必要はない。
図7(a)は、車両2の車両姿勢が傾いていない場合を示し、前方検出部300の検出領域320は、実景3の基準実景領域3rに重なっており、HUD100の虚像領域200も、同様に実景3の基準実景領域3rを含む配置になっている。この際、HUD100が表示処理を実行すると、前方検出部300は、検出領域320内にある基準点Oを基準とした報知対象Wの位置を示す報知対象位置情報WP1(Xa,Ya)を生成し、HUD100の制御部30に出力する。制御部30は、報知対象位置情報WP1に基づいた表示面11上の表示位置Q1(xa,ya)に表示画像12を表示することで、実景3の基準実景領域3rに存在する報知対象Wに対応した位置に虚像201を表示させることができる。
図7(b)は、車両2の車両姿勢が傾いた場合を示し、前方検出部300の検出領域320は、実景3の基準実景領域3rの鉛直方向上側にずれており、HUD100の虚像領域200も、実景3の基準実景領域3rの鉛直方向上側にずれている。この段階でHUD100が表示処理を実行しようとすると、前方検出部300は、報知対象Wが検出領域320の外側にあるので、報知対象Wの位置を示す報知対象位置情報WP2(Xa,Yb)を、HUD100の制御部30に出力しない。したがって、HUD100は、報知対象Wに対応する位置に虚像201を表示することができない。
図7(c)は、HUD100が図5に示す補正処理のステップS02を実行し、アクチュエータ400を駆動することで前方検出部(撮像部)300の角度を調整させ、前方検出部300の検出領域320を、実景3の基準実景領域3rの位置に移動させた場合の様子を示している。制御部30は、補正処理のステップS02により、前方検出部300の角度を調整することで、前方検出部300の検出領域320を基準実景領域3rと重なる位置に移動させる。すると、前方検出部300は、基準点Oを基準とした報知対象Wの座標が変化する。具体的に例えば、前方検出部300が生成する報知対象位置情報WPは、図7(b)に示す報知対象位置WP2(Xa,Yb)の位置から鉛直方向(Y軸方向)に例えばαだけずれた報知対象位置WP3(Xa,Yb+α)に変化する。よって、前方検出部300から出力される報知対象位置情報WPと、画像表示部10が表示画像12を表示する表示位置情報Qとの対応関係にずれが生じる。この段階でHUD100が表示処理を実行しようとすると、画像表示部10(HUD100)は、図7(c)の右図に示される報知対象Wからずれた表示位置Q3(xa,yb+β)に、表示画像12(虚像201)を表示してしまうことになる。
図7(d)は、前方検出部300が図5に示す前記補正処理のステップS03で決定した座標補正データCに基づいて、ずれた報知対象位置情報WPと表示位置情報Qとの対応関係を補正した後の様子を示している。制御部30は、前記補正処理のステップS03で決定した座標補正データCに基づいて、例えば、前方検出部300から入力した報知対象位置情報WP3(Xa,Yb+α)から前方検出部300の角度の調整に伴うずれ量αを差し引く。制御部30は、座標補正データCにより補正された報知対象位置情報WP3に基づいた表示面11上の表示位置Q4(xa,yb)に表示画像12を表示させることで、実景3の基準実景領域3rに存在する報知対象Wに対応した位置に虚像201を表示させることができる。
以上に説明したように、本発明の車両用表示システム1は、車両2に搭載され、車両2の前方の実景3から所定の報知対象Wを検出可能であり、所定の検出領域320に存在する報知対象Wの位置に関する報知対象位置情報WPを生成する前方検出部300と、前方検出部300が生成した報知対象位置情報WPに基づいて、報知対象Wと所定の位置関係を保つ位置に虚像201を表示可能な仮想的な虚像領域200を生成するHUD100と、を備える車両用表示システム1であって、車両2の姿勢に関する情報を含む車両姿勢情報Gを取得するインターフェース(車両姿勢情報取得手段)33と、前方検出部300の角度を調整させることで検出領域320を移動させるアクチュエータ400と、インターフェース33が取得した車両姿勢情報Gに基づいてアクチュエータ400を制御し、検出領域320が車両2前方の実景3のうち基準となる基準実景領域3rを含むように移動させる制御部30と、を備え、HUD100は、インターフェース33が取得した車両姿勢情報G、もしくは制御部30がアクチュエータ400を制御する制御量に関する駆動データ(制御量情報)Tに基づいて、虚像201が報知対象Wと所定の位置関係を保つ位置に表示されるように虚像201の位置を調整するものである。斯かる構成により、前方検出部300が検出領域320の位置を実景3の基準実景領域3rに調整することができ、実景3の基準実景領域3rに存在する報知対象Wの位置に関する報知対象位置情報WPを常にHUD100に出力することができる。そして、HUD100が、車両姿勢情報G、もしくは制御部30がアクチュエータ400を制御する制御量に関する駆動データ(制御量情報)Tに基づいて、虚像201が表示される位置を調整することで、前方検出部300が回転または回転および移動した場合であっても、報知対象Wと所定の位置関係を保つ位置に虚像201を精度よく表示することができる。なお、虚像201は、必ずしも報知対象Wに重なって視認される位置に表示される必要はなく、報知対象Wとの相対的な位置関係が保たれる報知対象Wから離れた位置に視認されるように表示されてもよい。
また、検出領域320が重なる実景3の領域は、虚像領域200が重なる実景3の領域よりも狭い、言い換えれば、虚像201を表示可能な虚像領域200は、検出領域320よりも広いため、検出領域320が移動した場合であっても、検出領域320(基準実景領域3r)内に存在する報知対象Wに対して虚像201を表示しつづけることができる。
また、インターフェース33は、前方検出部300が検出可能な検出可能領域310よりも狭い検出領域320に重なる実景3に存在する報知対象Wの位置を報知対象位置情報WPとして取得し、制御部30は、座標補正データCにより、前方検出部300の検出領域320が基準実景領域3rを含む位置に変更させてもよい。このように、制御部30(インターフェース33)は、前方検出部300の検出可能領域310よりも狭い検出領域320において検出した報知対象位置情報WPを取得するため、制御部30は、前方検出部300が検出可能な検出可能領域310における情報を処理する必要がなく、報知対象位置情報WPを処理する負荷を軽減することができる。
また、報知対象位置情報WPは、検出領域320内における報知対象Wの相対的な位置情報を含んでもよい。報知対象位置情報WPが、検出領域320内の少ない座標で表現可能であるため、報知対象位置情報WPを処理する制御部30の負荷を軽減することができる。
また、画像表示部10は、車両姿勢情報G、もしくは制御部30がアクチュエータ400を制御する制御量に関する駆動データT(制御量情報)に基づいた表示画像12のワーピングを行うものであってもよい。斯かる構成により、リレー光学系20の移動または/および回転に伴う虚像201の歪を軽減することができる。
1…車両、2a…フロントウインドシールド(透過反射部)、2…アイボックス、3…実景、3r…基準実景領域(特定の領域)、4…バス、5…前方検出部、6…車両姿勢検出部、10…画像表示部、20…リレー光学系、30…アクチュエータ、40…制御部(アクチュエータ制御部)、41…処理部、42…記憶部、43…インターフェース(車両姿勢情報取得手段,停止情報取得手段,ドア状態情報取得手段)、50…検出可能領域(検出可能な実景領域)、51…検出領域、100…HUD(ヘッドアップディスプレイ)、200…虚像領域、201…虚像、C…座標補正データ、D…画像データ、G…車両姿勢情報、K…画像光、Q…表示位置情報(表示位置)、W…障害物、WP…報知対象位置情報(報知対象位置)、T…駆動データ(制御量情報)
Claims (3)
- 車両に搭載され、前記車両の前方の実景から報知対象を検出可能であり、所定の検出領域に存在する前記報知対象の位置に関する報知対象位置情報を生成する前方検出部と、
前記前方検出部が生成した前記報知対象位置情報に基づいて、前記報知対象と所定の位置関係を保つ位置に虚像を表示可能な仮想的な虚像領域を生成するヘッドアップディスプレイと、を備える車両用表示システムであって、
前記車両の姿勢に関する情報を含む車両姿勢情報を取得する車両姿勢情報取得手段と、
前記前方検出部を回転または回転および移動させることで前記検出領域を移動させるアクチュエータと、
前記車両姿勢情報取得手段が取得した前記車両姿勢情報に基づいて前記アクチュエータを制御し、前記検出領域が前記車両前方の実景のうち特定の領域を含むように移動させるアクチュエータ制御部と、を備え、
前記ヘッドアップディスプレイは、前記車両姿勢情報取得手段が取得した前記車両姿勢情報、もしくは前記アクチュエータ制御部が前記アクチュエータを制御する制御量に関する制御量情報に基づいて、前記虚像が前記報知対象と前記位置関係を保つ位置に表示されるように前記虚像の位置を調整する、
ことを特徴とする車両用表示システム。 - 前記検出領域が重なる前記実景の領域は、前記虚像領域が重なる前記実景の領域よりも狭い、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用表示システム。 - 前記報知対象位置情報は、前記検出領域内における前記報知対象の相対的な位置情報を含む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用表示システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015066931A JP2016185768A (ja) | 2015-03-27 | 2015-03-27 | 車両用表示システム |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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ID=57202998
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018087900A (ja) * | 2016-11-29 | 2018-06-07 | アルプス電気株式会社 | 画像表示装置 |
WO2019168157A1 (ja) * | 2018-03-02 | 2019-09-06 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 表示システム |
WO2019230198A1 (ja) * | 2018-05-30 | 2019-12-05 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 位置調整装置およびそれを備えた投影システム |
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2015
- 2015-03-27 JP JP2015066931A patent/JP2016185768A/ja active Pending
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