JP2016185654A - 液体カートリッジ、液体消費装置、及び液体カートリッジの製造方法 - Google Patents

液体カートリッジ、液体消費装置、及び液体カートリッジの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体貯留室内における液体残量を検知する部分における撥液性を高めることができる手段を提供する。【解決手段】インクカートリッジ30は、インクが貯留されたインク室36が形成されたフレーム31と、フレーム31から上方向54に突出しており、インク室36と連通する内部空間を有し、且つ光透過性を有する凸部37と、凸部37の内部空間に挿入されており、第1端121A及び第1端121Aよりも上方向54に位置する第2端121Bを有し、第1端121Aにおいてインク室36に向かって開口された内部空間123を有し、光透過性を有し、且つ凸部37よりもインクに対する撥液性が高い撥液部材120と、撥液部材120の下端に近い位置に形成されており、弾性変形しつつフレーム31と当接することによって、凸部37と撥液部材120との間の空間128とインク室36との間を液密に封止する封止部122とを備える。【選択図】図8

Description

本発明は、液体貯留室に貯留された液体の残量が少なくなったことを検知可能な液体カートリッジ、当該液体カートリッジを備える液体消費装置、及び当該液体カートリッジの製造方法に関する。
インクカートリッジのインク貯留室内に貯留されたインクをノズルから吐出することによって、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。インクカートリッジには、インク貯留室内のインクの残量を検知するために、光透過性を有する素材で構成されたものがある。このようなインクカートリッジが装着されたインクジェット記録装置の本体には、発光部と受光部とを有する光学センサが配置されている。発光部と受光部とは、インクカートリッジの両側に配置されている。これにより、インク貯留室内のインク残量が多く、インクの液面が光学センサよりも高位置であるときには、発光部から受光部への光はインクによって遮られる。一方、インク貯留室内のインク残量が少なくなり、インクの液面が光学センサよりも低位置であるときには、受光部は発光部からの光を受光できる。このように、受光部の受光の有無によってインク貯留室内のインク残量を検知することができる。
しかしながら、インクカートリッジを構成する部材のインクに対する撥液性が低い場合、インクの液面が光学センサよりも低位置となってからも長時間、インク貯留室を区画するインクカートリッジの壁面における光学センサと同じ高さに、インクが残留するおそれがある。そして、光学センサは、この残留するインクを誤検知するおそれがある。
このような問題を解決するために、特許文献1には、プリズムにインクが付着して残存することを防止するために、プリズムにアルキルポリシロキサンを含む低表面エネルギー処理剤を塗布することで撥水膜を形成することが開示されている。また、特許文献2には、光透過の有無によってインク残量を検知するインク残量検知部が、撥水材料を所定重量%含む疎水性樹脂を用いて形成されたインクカートリッジが開示されている。
特開2000−198222号公報 特開2011−235441号公報
しかしながら、特許文献1に記載された撥水膜を形成する構成では、時間の経過により、撥水膜がプリズムから剥離するおそれがある。
また、特許文献2に開示されたインクカートリッジでは、インク残量検知部の撥水性を高めようとすると、撥水材料の重量%を高める必要がある。そして、撥水材料の重量%を高めると、撥水材料がインク中に溶出するおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、撥水部材の剥離や溶出のおそれなく、液体貯留室内における液体残量を検知する部分における撥液性を高めることができる手段を提供することにある。
(1) 本発明に係る液体カートリッジは、液体が貯留された液体貯留室が形成されたフレームと、上記フレームから上記液体貯留室に対して離れる突出方向に突出しており、上記液体貯留室と連通する内部空間を有し、且つ光透過性を有する突出部と、上記突出部の内部空間に挿入されており、第1端及び上記突出方向において当該第1端よりも上記液体貯留室から遠くに位置する第2端を有し、当該第1端において上記液体貯留室に向かって開口された内部空間を有し、光透過性を有し、且つ上記突出部よりも上記液体貯留室に貯留された液体に対する撥液性が高い撥液部材と、上記撥液部材における上記第2端よりも上記第1端に近い位置に形成されており、弾性変形しつつ上記フレームと当接することによって、上記突出部と上記撥液部材との間の光透過空間と上記液体貯留室との間を液密に封止する封止部と、を備える。
上記構成によれば、突出部の内部空間に貯留される液体は、突出部ではなく撥液部材に接触する。ここで、撥液部材は、突出部よりも液体貯留室に貯留された液体に対する撥液性が高いため、液体が撥液部材に付着したまま残存することが低減可能である。また、撥液部材に封止部が形成されているため、光透過空間への液体の進入を低減することができる。
(2) 上記撥液部材は、空気透過性を有する。
仮に、光透過空間と撥液部材の内部空間との圧力に違いが生じた場合、撥液部材は弾性変形してしまう。しかし、上記構成によれば、撥液部材は空気透過性を有するため、撥液部材を介して光透過空間と撥液部材の内部空間との間を空気が徐々に移動し、圧力差がなくなる。そのため、撥液部材は、元の形状に弾性復帰することができる。
(3) 好ましくは、上記撥液部材は、シリコーンゴムである。
(4) 上記フレームにおける上記液体貯留室を区画する面に、上記突出部を囲む溝が形成されている。上記封止部は、上記溝に挿入されている。
上記構成によれば、封止部を簡易に構成することができる。
(5) 本発明に係る液体カートリッジは、上記液体貯留室において上記フレームに支持されており、上記撥液部材の上記第1端に上記突出方向に当接する当接部材を更に備える。
上記構成によれば、撥液部材が突出部から抜け落ちる可能性を低くすることができる。
(6) 本発明に係る液体カートリッジは、上記液体貯留室において上記フレームに支持されており、上記撥液部材の上記第1端に上記突出方向に圧接する圧接部材を更に備える。
上記構成によれば、上記(4)の構成のように溝を設ける必要がない。そのため、撥液部材の突出部への挿入長を短くすることができる。
(7) 上記封止部は、上記フレームに対して上記突出方向に当接する。
上記構成によれば、撥液部材が圧接部材から突出方向に圧力を受けることにより、封止部がフレームに対して突出方向に弾性変形しつつ当接することができる。
(8) 上記フレームに、上記光透過空間の内部と外部とを連通する流路が形成されている。上記封止部は、上記撥液部材が上記突出部の内部空間に一部のみ挿入された第1状態において上記流路を開放し、上記撥液部材が上記突出部の内部空間に上記第1状態より上記突出方向に挿入された第2状態において上記流路を閉塞する。
上記構成によれば、撥液部材の突出部への組み付け時に、光透過空間を減圧することにより、光透過空間内の空気を光透過空間の外部へ抜くことができる。これにより、撥液部材を突出部の突出端近傍まで確実に挿入することができる。そして、撥液部材が突出部に組み付けられた状態において、突出部と撥液部材との間の隙間を小さくすることができる。その結果、光透過空間への液体の進入を低減することができる。
(9) 上記封止部は、上記第2状態において、上記光透過空間と上記液体貯留室との間を液密に封止してもよい。
(10) 例えば、本発明に係る液体カートリッジは、上記液体貯留室内に移動可能に配置されており、フロート及び遮光部を有する移動部材を更に備える。また、上記フロートは、上記液体貯留室内の液体の量に応じて上記液体貯留室内を移動する。そして、上記遮光部は、上記フロートの移動に応じて上記撥液部材の内部空間を移動する。
(11) 本発明は、上記液体カートリッジと、上記液体カートリッジが着脱可能に装着される装着部と、上記装着部に装着された上記液体カートリッジから供給された液体を消費する液体消費部と、上記突出部及び上記撥液部材を通じて上記遮光部に光を出射する発光部と、上記発光部が出射して上記突出部及び上記撥液部材を透過した光を受光可能な受光部と、を備える液体消費装置として捉えることもできる。
上記構成によれば、発光部から受光部への光の進行が突出部に挿入された撥液部材内の液体もしくは遮光部によって妨げられるか否かによって、液体貯留室内の液体の残量が検知可能である。ここで、撥液部材は液体に対する撥液性が高いため、撥液部材への残留液体の付着は低減される。そのため、発光部及び受光部が、撥液部材内に液体もしくは遮光部がないにもかかわらず、液体もしくは遮光部があるものとして、液体貯留室内の液体の残量を誤検知する可能性を低くすることができる。
(12) 本発明に係る方法によって製造される液体カートリッジは、液体が貯留された液体貯留室が形成されたフレームと、上記フレームから上記液体貯留室に対して離れる突出方向に突出しており、上記液体貯留室と連通する内部空間を有し、且つ光透過性を有する突出部と、上記突出部の内部空間に挿入されており、第1端及び上記突出方向において当該第1端よりも上記液体貯留室から遠くに位置する第2端を有し、当該第1端において上記液体貯留室に向かって開口された内部空間を有し、光透過性を有し、且つ上記突出部よりも上記液体貯留室に貯留された液体に対する撥液性が高い撥液部材と、上記撥液部材における上記第2端よりも上記第1端に近い位置に形成されており、弾性変形しつつ上記フレームと当接することによって、上記突出部と上記撥液部材との間の光透過空間と上記液体貯留室との間を液密に封止する封止部と、を備え、上記フレームに、上記光透過空間の内部と外部とを連通する流路が形成されており、上記封止部は、上記撥液部材が上記突出部の内部空間に一部のみ挿入された第1状態において上記流路を開放し、上記撥液部材が上記突出部の内部空間に上記第1状態より上記突出方向に挿入された第2状態において上記流路を閉塞するものである。本発明に係る液体カートリッジの製造方法は、上記撥液部材を、上記第1状態まで挿入する第1ステップと、上記流路を通じて上記光透過空間を減圧する第2ステップと、上記第2ステップによる上記光透過部材の減圧状態を維持しつつ、上記撥液部材を、上記第1状態から上記第2状態まで挿入する第3ステップと、を含む。
上記方法によれば、突出部及び撥液部材の間の空間の空気を抜きながら、撥液部材を突出部に組み付けることができる。これにより、撥液部材を突出部の突出端近傍まで確実に挿入することができる。そして、撥液部材が突出部に組み付けられた状態において、突出部と撥液部材との間の隙間を小さくすることができる。その結果、光透過空間への液体の進入を低減することができる。
本発明によれば、撥水部材の剥離や溶出のおそれなく、液体貯留室内における液体残量を検知する部分における撥液性を高めることができる。
図1は、カートリッジ装着部110を備えたプリンタ10の内部構造を模式的に示す断面図である。 図2は、インクカートリッジ30の外観構成を模式的に示す斜視図である。 図3は、フィルムを除いたフレーム31の斜視図である。 図4は、図3に被検知部材59を追加したフレーム31の斜視図である。 図5は、被検知部材59が第1位置の状態におけるインクカートリッジ30の断面図である。 図6は、被検知部材59が第2位置の状態におけるインクカートリッジ30の断面図である。 図7(A)は、撥液部材120を上方から見た斜視図であり、図7(B)は、撥液部材120を下方から見た斜視図であり、図7(C)は、フレーム31の断面斜視図である。 図8は、撥液部材120が挿入されたフレーム31の断面図である。 図9(A)は、変形例1における撥液部材120を上方から見た斜視図であり、図9(B)は、変形例1における撥液部材120を下方から見た斜視図であり、図9(C)は、変形例1における当接部材130の斜視図であり、図9(D)は、変形例1におけるフレーム31の断面斜視図である。 図10は、変形例1における撥液部材120が挿入されたフレーム31の断面図である。 図11(A)は、変形例2における撥液部材120を上方から見た斜視図であり、図11(B)は、変形例2における撥液部材120を下方から見た斜視図であり、図11(C)は、変形例2における圧接部材140の斜視図であり、図11(D)は、変形例2におけるフレーム31の断面斜視図である。 図12は、変形例2における撥液部材120が挿入されたフレーム31の断面図である。 図13(A)は、変形例3におけるフレーム31の斜視図であり、図13(B)は、変形例3における撥液部材120を上方から見た斜視図であり、図13(C)は、変形例3における撥液部材120を下方から見た斜視図である。 図14は、変形例3におけるフレーム31の断面斜視図である。より詳細には、図14(A)は、挿入方向51、脱抜方向52、上方向54、及び下方向53と平行な平面に沿った断面を示すフレーム31の斜視図であり、図14(B)は、挿入方向51、脱抜方向52、右方向55、及び左方向56と平行な平面に沿った断面を示すフレーム31の斜視図である。 図15は、変形例3におけるフレーム31の断面図である。より詳細には、図15(A)は、挿入方向51、脱抜方向52、上方向54、及び下方向53と平行な平面に沿った断面を示すフレーム31の断面図であり、図15(B)は、挿入方向51、脱抜方向52、右方向55、及び左方向56と平行な平面に沿った断面を示すフレーム31の断面図である。 図16は、変形例3における撥液部材120が第1状態のときのフレーム31の断面図である。より詳細には、図16(A)は、挿入方向51、脱抜方向52、上方向54、及び下方向53と平行な平面に沿った断面を示すフレーム31の断面図であり、図16(B)は、挿入方向51、脱抜方向52、右方向55、及び左方向56と平行な平面に沿った断面を示すフレーム31の断面図である。 図17は、変形例3における撥液部材120が第2状態のときのフレーム31の断面図である。より詳細には、図17(A)は、挿入方向51、脱抜方向52、上方向54、及び下方向53と平行な平面に沿った断面を示すフレーム31の断面図であり、図17(B)は、挿入方向51、脱抜方向52、右方向55、及び左方向56と平行な平面に沿った断面を示すフレーム31の断面図である。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される方向が挿入方向51と定義される。また、挿入方向51と反対方向であって、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から脱抜される方向が脱抜方向52と定義される。本実施形態において、挿入方向51及び脱抜方向52は水平方向であるが、挿入方向51及び脱抜方向52は水平方向でなくてもよい。また、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入された状態、つまりインクカートリッジ30が使用姿勢にある状態において、重力方向が下方向53と定義され、重力方向と反対方向が上方向54と定義される。また、インクカートリッジ30を脱抜方向52に見た場合において、挿入方向51及び下方向53と直交する方向が、右方向55及び左方向56と定義される。
なお、以下の説明において、特に言及がない限り、インクカートリッジ30は、使用姿勢にあるものとする。なお、インクカートリッジ30の使用姿勢とは、例えば、インクカートリッジ30がプリンタ10に装着されて使用されるときの姿勢、或いは製造過程において被検知部材59の動きを確認する際の液体カートリッジの姿勢を指す。
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10(液体消費装置の一例)は、記録ヘッド21(液体消費部の一例)と、インク供給装置100と、記録ヘッド21及びインク供給装置100を接続するインクチューブ20とを備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110(装着部の一例)が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30(液体カートリッジの一例)が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面に開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を通じてカートリッジ装着部110に挿入方向51に挿入され、或いはカートリッジ装着部110から脱抜方向52に抜き出される。
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインク(液体の一例)が貯留されている。カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とは、インクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。具体的には、記録ヘッド21に設けられたヘッド制御基板21Aから各ノズル29に対応して設けられたピエゾ素子29Aに選択的に駆動電圧が印加される。これにより、ノズル29から選択的にインクが吐出される。
給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ給送された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、記録用紙に画像が記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対27によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
[インク供給装置100]
図1に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21にインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。カートリッジ装着部110は、ケース101と、インクニードル102と、センサ103とを備えている。
なお、図1においては、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態が示されている。つまり、インクカートリッジ30が使用姿勢である状態が示されている。カートリッジ装着部110には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能である。また、インクニードル102及びセンサ103は、4つのインクカートリッジ30それぞれに対応して、4つずつ設けられている。
[インクニードル102]
図1に示されるように、ケース101には、開口112が形成されている。ケース101は、開口112とは反対に位置する奥面151を備えている。インクニードル102は、ケース101の奥面151から脱抜方向52に突出している。インクニードル102は、ケース101の奥面151において、インクカートリッジ30のインク供給部60に対面し得る位置に配置されている。インクニードル102は、内部に液体流路が形成された管状の樹脂針であって、その突出端近傍に開口が設けられており、基端にインクチューブ20が接続されている。インク室36(液体貯留室の一例)内のインクは、インク供給部60に進入したインクニードル102を通じてインクチューブ20に流出される。つまり、インク室36内のインクは、カートリッジ装着部110への装着が完了されたインクカートリッジ30からインク供給部60を通じて記録ヘッド21に供給される。
なお、本明細書中において、「カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30」とは、少なくとも一部がカートリッジ装着部110内(より具体的には、ケース101内)に位置しているインクカートリッジ30を意味する。したがって、カートリッジ装着部110に挿入される過程のインクカートリッジ30も、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30である。
一方、本明細書中において、「カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了」した状態とは、少なくともインクカートリッジ30から記録ヘッド21にインクを供給可能な状態である。例えば、当該状態は、カートリッジ装着部110に対してインクカートリッジ30が移動しないようにロックされている状態等、プリンタ10による画像記録が可能となるインクカートリッジ30の状態を意味する。カートリッジ装着部110に装着完了されたインクカートリッジ30は、使用姿勢である。
[センサ103]
図1に示されるように、ケース101は、奥面151の上端から開口112へ向けて拡がった天面152を備えている。センサ103は、ケース101の天面152から下方へ突出している。センサ103は、発光部及び受光部を備える。発光部は、受光部の右方向55または左方向56に、受光部と間隔を空けて設けられている。カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30の凸部37(突出部の一例)は、発光部及び受光部の間に配置される。換言すれば、発光部及び受光部は、カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30の凸部37を挟んで対向配置されている。本実施形態において、発光部から出力される光の光路は、右方向55及び左方向56に一致する。以上より、発光部は、凸部37に向けて光を出射し、受光部は、発光部が出射して凸部37を透過した光を受光可能である。
センサ103は、発光部から出力された光が受光部で受光されたか否かに応じて異なる検知信号を出力する。例えば、センサ103は、発光部から出力された光が受光部で受光できない(すなわち、受光強度が所定の強度未満である)ことを条件として、ローレベル信号(「信号レベルが閾値レベル未満の信号」を指す。)を出力する。一方、センサ103は、発光部から出力された光が受光部で受光できた(すなわち、受光強度が所定の強度以上である)ことを条件として、ハイレベル信号(「信号レベルが閾値レベル以上の信号」を指す。)を出力する。なお、本実施形態における発光部は、例えば、インクカートリッジ30の凸部37の壁を透過し、且つインクカートリッジ30に貯留されたインクを透過しない光(例えば、可視光や赤外光)を出力する。
[インクカートリッジ30]
図2、図3、図4、及び図5に示されるように、インクカートリッジ30は、内部にインクが貯留されたインク室36が形成されたフレーム31と、フレーム31から突出した凸部37の内部空間に配置された撥液部材120と、インク室36に回動可能に配置された被検知部材59とを有する。インクカートリッジ30は、インク室36に貯留されたインクをインク供給部60を通じて外部に供給する。インクカートリッジ30は、図2に示された起立状態、つまり、同図の下方向53の面を底面とし、同図の上方向54の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して挿入方向51及び脱抜方向52に沿って挿抜される。
[フレーム31]
図2及び図3に示されるように、フレーム31は、外形が概ね直方体であり、右方向55及び左方向56に細く、下方向53及び上方向54と挿入方向51及び脱抜方向52の寸法が右方向55及び左方向56の寸法よりも大きい扁平形状である。フレーム31は、挿入方向51または脱抜方向52から平面視したときに少なくとも部分的に重なり合う前壁40及び後壁41と、下方向53または上方向54から平面視したときに少なくとも部分的に重なり合う上壁39及び下壁42と、上壁39及び下壁42の間に設けられた内壁43とを備えている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに前方向を向く(換言すれば、挿入方向51を向く)のが前壁40であり、後ろ方向を向く(換言すれば、脱抜方向52を向く)のが後壁41である。
上壁39は、前壁40及び後壁41の上端同士を接続する。下壁42は、前壁40及び後壁41の下端同士を接続する。内壁43は、前壁40、後壁41、及び下壁42と接続されている。上壁39には上方向54(突出方向の一例)へ突出する凸部37が形成されている。なお、凸部37は、上壁39以外に設けられていてもよい。例えば、凸部37は、前壁40に形成されており前壁40から挿入方向51に突出していてもよい。この場合、挿入方向51が突出方向の一例である。また、凸部37は、後壁41に形成されており後壁41から脱抜方向52に突出していてもよい。この場合、脱抜方向52が突出方向の一例である。つまり、凸部37は、フレーム31からインク室36に対して離れる方向に突出していればよい。
上記の各壁のうち少なくとも凸部37が形成された上壁39は、センサ103の発光部から出力される光を透過させる。つまり、凸部37は、光透過性を有する。
フレーム31の右方向55及び左方向56の面は、開放されている。開放されたフレーム31の面は、フィルムによって封止される。フレーム31の右方向55の面を封止するフィルム32(図2参照)の外形は、右方向55から平面視した場合のフレーム31の外形と概ね一致する。フレーム31の左方向56の面を封止するフィルム(不図示)の外形は、左方向56から平面視した場合のフレーム31の外形と概ね一致する。各フィルムは、インク室36の右壁及び左壁を構成する。各フィルムは、上壁39、前壁40、後壁41、及び下壁42の右端面及び左端面に熱溶着される。これにより、上壁39、前壁40、後壁41、下壁42、及び各フィルムで区画されたインク室36にインクが貯留可能となる。内壁43は、インク室36の内部に配置される。なお、インクカートリッジ30は、外部からの力に対してフィルムを保護するために、フィルムの外面を覆うカバーをさらに有していてもよい。また、インク室36の右壁及び左壁は必ずしもフィルムによって構成されていなくともよく、上壁39、前壁40、後壁41、及び下壁42と同等の厚みを有する壁によって構成されていてもよい。
図7に示されるように、上壁39におけるインク室36を向く面に、溝127が形成されている。溝127は、凸部37を下方から視たときに、凸部37を囲むように環状に延設されている。
[インク室36]
図3に示されるように、インク室36は、前壁40と後壁41との間に形成されている。インク室36には、インクが貯留される。インク室36内のインクは、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されることによって、インク供給部60を通じてインクカートリッジ30の外部に流出する。
凸部37は内部空間を有している。当該内部空間は、下方向53に開放されており、インク室36と連通している。
[インク供給部60]
図2、図3、及び図5に示されるように、インク供給部60は、前壁40の下端近傍に形成されている。インク供給部60は、内部にバルブ室47が形成された円筒形状の筒壁46と、筒壁46に取り付けられたシール部材76及びキャップ79とを備えている。
筒壁46は、インク室36の内部から外部に亘って延設されている。筒壁46の挿入方向51の端部には、開口46Aが形成されている。これにより、インク室36は、バルブ室47を介してインクカートリッジ30の外部と連通されている。つまり、インク供給部60は、インク室36に貯留されたインクをインクカートリッジ30の外部に供給する。筒壁46の挿入方向51の端部、つまり筒壁46の先端には、シール部材76及びキャップ79が取り付けられている。
シール部材76は、外径寸法が筒壁46の外径寸法と概ね一致する円板形状の部材である。シール部材76は、筒壁46の先端に液密に密着される。シール部材76の中央部には、シール部材76を挿入方向51に貫通する貫通孔68が形成されている。貫通孔68は、バルブ室47の内外を連通させる。貫通孔68の直径は、インクニードル102の外径寸法より僅かに小さい。シール部材76は、例えば、ゴム等の弾性材料によって形成されている。
キャップ79は、筒壁46の先端に取り付けられており、筒壁46との間にシール部材76を挟む。キャップ79の中央部には、キャップ79を厚み方向に貫通する貫通孔69が形成されている。貫通孔69の直径は、貫通孔68より大きい。
[弁体77、コイルバネ87]
図5に示されるように、インク供給部60の筒壁46の内部には、弁体77及びコイルバネ87が収容されている。弁体77及びコイルバネ87は、インク供給部60の状態を、インク供給部60を介してインク室36からインクカートリッジ30の外部にインクが流出される状態と、インク供給部60を介してインク室36からインクカートリッジ30の外部にインクが流出されない状態との間で選択的に切り換えるためのものである。
弁体77は、円板形状の弁83と、弁83から脱抜方向52に延びた凸部84とを備えている。弁体77は、弁83を筒壁46の挿入方向51の端部に向けた状態で、挿入方向51及び脱抜方向52に移動可能にバルブ室47内に配置されている。
弁体77の外径寸法は、筒壁46の内径寸法よりも小さい。これにより、弁体77は、挿入方向51及び脱抜方向52に移動可能である。具体的には、弁体77は、図5に破線で示される待機位置と、待機位置より後壁41に近い位置であって図5に実線で示される作動位置との間を移動可能である。
弁83の外形寸法は、シール部材76の貫通孔68よりも僅かに大きい。これにより、弁体77が待機位置のときに、弁83は、シール部材76の貫通孔68に押し込まれた状態となって、貫通孔68を液密に封止可能である。これにより、開口46Aが閉塞される。一方、弁体77が作動位置のときに、弁83は、シール部材76から離間する。これにより、開口46Aが開放される。
また、凸部84の外径寸法は、弁83の外径寸法よりも小さい。
コイルバネ87は、一端がバルブ室47の脱抜方向52の端部を区画する壁45と当接し且つ他端が凸部84と当接した状態で配置される。コイルバネ87は、弁体77を挿入方向51へ向けて付勢する。つまり、コイルバネ87は弁体77を作動位置から待機位置へ向けて付勢する。なお、コイルバネ87に代えて、板バネ等の他の付勢部材が用いられてもよい。また、コイルバネ87等の付勢部材は必ずしも設けられなくてもよい。
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されていない状態において、弁体77は、コイルバネ87に付勢されることによって、待機位置に保持されている。待機位置の弁体77は、コイルバネ87の付勢力によってシール部材76に当接した状態にある。当該状態において、弁83は、シール部材76の貫通孔68の周縁部に液密に密着する。これにより、貫通孔68が閉塞される。その結果、インク室36からインクカートリッジ30の外部へのインクの流通は遮断されている。
上記状態において、インクカートリッジ30のカートリッジ装着部110への挿入が開始されて、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110の奥面151近傍まで挿入方向51に移動すると、弁体77の弁83がインクニードル102に当接する。この状態で更にインクカートリッジ30が挿入方向51に移動すると、弁体77はインクニードル102から反力を受けて押される。これにより、弁体77は、コイルバネ87の付勢力に抗って、待機位置から作動位置へ向けて脱抜方向52に移動する。すると、弁体77がシール部材76から離間して、貫通孔68が開放される。その結果、インク室36からインクカートリッジ30の外部へのインクの流通は許容される。
[撥液部材120]
図7(A)及び図7(B)に示される撥液部材120は、センサ103の発光部から出力される光を透過可能であり、且つフレーム31、特にフレーム31の凸部37よりも撥液性が高い材料によって形成されている。また、撥液部材120は、空気が透過可能な材料によって形成されている。また、撥液部材120は、弾性変形可能な材料によって形成されている。つまり、撥液部材120は、光透過性及び空気透過性を有し、撥液性が高く、且つ弾性変形可能な材料によって形成されている。本実施形態において、撥液部材120は、上記のような特性を有する材料の一つであるシリコーンゴムによって形成されている。なお、撥液部材120は、必ずしも空気透過性を有している必要はなく、その場合、例えばフッ素ゴムなどであってもよい。
図7及び図8に示されるように、撥液部材120は、本体121と、本体121に接続された封止部122とを備えている。
[本体121]
本体121は、凸部37の内部空間と概ね同形状且つ同じ大きさである。本実施形態において、本体121は、概ね直方体形状である。本体121は、凸部37の開放された下端から凸部37の内部空間に挿入可能である。
本体121は、中空に構成されている。つまり、本体121は、内部空間123を有している。内部空間123は、本体121の第1端121Aにおいて開放されている。つまり、内部空間123の第1端121Aには、開口124が形成されている。一方、内部空間123は、本体121の第2端121Bにおいて閉塞されている。第2端121Bは、第1端121Aの反対に位置する端である。
本実施形態において、本体121は、第1端121Aを下端とし且つ第2端121Bを上端として、凸部37の内部空間に配置される。つまり、本体121は、第1端121Aをインク室36に向け、第2端121Bを凸部37の突出先端(上端)に向けた状態で、凸部37の内部空間に挿入される。
本実施形態において、第1端121Aは、開口124の縁の外方において挿入方向51、脱抜方向52、右方向55、及び左方向56に沿って拡がった面状に構成されている。
以上より、本体121は、第1端121A、第1端121Aよりもインク室36に対して上方に位置する第2端121B、及び第1端121Aにおいてインク室36に向かって開口された内部空間123を有する。
[封止部122]
封止部122は、撥液部材120における第2端121Bよりも第1端121Aに近い位置に形成されている。封止部122は、本体121の第1端121Aの周縁から上方向54に突出されている。
封止部122は、上壁39に形成された溝127に対応して形成された環状の部分である。つまり、平面視において、封止部122は、溝127と略同形状且つ略同じ大きさである。よって、封止部122は、溝127に挿入可能である。封止部122は、本体121が凸部37の内部空間に挿入された状態において、溝127に挿入された状態となる。
本体121が凸部37の内部空間に挿入され且つ封止部122が溝127に挿入された状態において、凸部37と撥液部材120との間には、僅かな隙間が形成される。この隙間が空間128(光透過空間の一例)である。空間128は、凸部37と撥液部材120とによって区画されている。
封止部122の先端部122Aの幅は、溝127の幅よりも僅かに太く形成されている。一方、封止部122の先端部122A以外の部分の幅は、溝127の幅よりも僅かに細く形成されている。これにより、封止部122は、先端部122Aが弾性変形しつつ、溝127に挿入される。
その結果、封止部122は、先端部122Aが弾性変形しつつ溝127を区画する面と当接することによって、先端部122Aの位置において空間128とインク室36との間を液密に封止する。より具体的には、溝127は内側の環状面と外側の環状面との間に形成されているが、封止部122は、少なくとも溝127の外側の環状面との当接箇所において、空間128とインク室36との間を液密に封止している。また、先端部122Aが弾性変形しつつ溝127を区画する面と当接することによって、撥液部材120は、凸部37に挿入された状態を維持される。
[被検知部材59]
図4及び図5に示されるように、被検知部材59は、インク室36内に配置されている。被検知部材59は、フレーム31によって回動可能に支持されている。図3に示されるように、内壁43には、右方向55に突出した凸部44が設けられている。図4及び図5に示されるように、被検知部材59は、被検知部材59の回動中心となる回動中心部61を備えている。本実施形態において、回動中心部61は、右方向55及び左方向56を軸方向とする円筒形状であるが、円筒形状以外の形状でもよい。回動中心部61には、右方向55及び左方向56に貫通された貫通孔70が形成されている。凸部44が貫通孔70に挿入されている。これにより、被検知部材59は、貫通孔70の中心を右方向55及び左方向56に沿って延びる回動軸周りを回動可能に、インク室36内においてフレーム31によって支持されている。
図5に示されるように、被検知部材59は、上述した回動中心部61、第1アーム71、第2アーム72、被検知部62(遮光部の一例)、及びフロート63を備えている。
第1アーム71は、回動中心部61から回動中心部61の径方向に延出されている。第2アーム72は、回動中心部61から上記径方向且つ第1アーム71と異なる方向に延出されている。
被検知部62は、第1アーム71の延出端に設けられており、第1アーム71に支持されている。被検知部62は、板形状である。被検知部62は、発光部から出力された光を遮断する材料によって形成されている。より詳細には、発光部から出力された光が被検知部62の右面及び左面の一方に到達したときに、被検知部62の右面及び左面の他方の面から出て受光部に到達する光の強度が所定の強度未満、例えば、ゼロとなる。被検知部62は、光が右方向55もしくは左方向56に進むのを完全に遮断してもよいし、光を部分的に吸収してもよいし、光の進行方向を曲げてもよいし、光を全反射させてもよい。例えば、被検知部62は、顔料を含有する樹脂であってもよいし、透明もしくは半透明であるがプリズム状の形状を有していて光の進行方向を曲げるものでもあってよいし、アルミニウム膜のような反射膜を表面に有していてもよい。なお、被検知部62は、第1アーム71の延出端以外の位置、例えば第1アーム71の延出端及び基端の中間位置に設けられていてもよい。
フロート63は、第2アーム72の延出端に設けられており、第2アーム72に支持されている。フロート63は、インク室36に貯留されたインクより比重が小さい材料によって形成されている。なお、フロート63は、第2アーム72の延出端以外の位置、例えば第2アーム72の延出端及び基端の中間位置に設けられていてもよい。
被検知部材59は、第1アーム71が概ね上方向54を向き、且つ第2アーム72が概ね脱抜方向52を向いた状態で、インク室36内に配置される。このとき、被検知部62は、凸部37の内部空間に挿入された撥液部材120の内部空間123に位置しており、フロート63は、インク室36に位置している。
被検知部材59は、回動中心部61を中心として、図5に示される第1位置及び図6に示される位置であって第1位置と異なる位置である第2位置の間を回動可能である。なお、被検知部材59の移動方法は、回動に限らず、例えば下方向53及び上方向54に沿ってスライドしてもよい。
フロート63は、インク室36内のインクの量に応じてインク室36内を移動する。インク室36内のインクの量が多いとき、フロート63はインクに沈んだ状態である。このとき、フロート63は、本来、浮力によってインクに対して浮く方向である上方向54に移動する。しかし、被検知部62が、撥液部材120の内部空間123を区画する面における脱抜方向を向く面120Aに当接しているため、当該移動は規制される。被検知部62が面120Aに当接されたときの状態が、図5に示されている。図5に示される状態において、フロート63は、インクに対して沈んだ状態である。このときの被検知部材59の位置が、第1位置である。
インク室36内のインクの量が少なくなり、インクの液面がフロート63よりも下方となると、フロート63は、インクに浮いた状態を維持するため、インクの液面に追随して下方向53に移動する。これにより、被検知部材59は、第1位置から第2位置へ向けて矢印74の方向に回動する。これにより、フロート63は、図6に示されるように、下壁42近傍に位置する。このときの被検知部材59の位置が、第2位置である。以上より、フロート63は、インク室36内のインクの量に応じてインク室36内を移動する。
なお、フロート63が下方向53に移動するとき、被検知部62は、被検知部材59と一体に、撥液部材120の内部空間123を、矢印74の方向に回動する。一方、仮に、フロート63が上方向54に移動すると、被検知部62は、被検知部材59と一体に、撥液部材120の内部空間123を、矢印74と逆方向に回動する。つまり、被検知部62は、フロート63の移動に応じて撥液部材120の内部空間123を移動する。
被検知部材59が第1位置のとき、被検知部62は、センサ103(図1参照)の発光部及び受光部の間に位置する。そのため、発光部から出力された光は、凸部37及び撥液部材120を透過するが被検知部62に遮られる。そのため、当該光は、受光部に到達しない、すなわち、受光部に到達する光の強度が所定の強度未満となる。これにより、被検知部62は、被検知部材59が第1位置のときに、インクカートリッジ30の外部からセンサ103によって検知される。一方、被検知部材59が第1位置以外のとき、被検知部62は、センサ103の発光部及び受光部の間に位置しない。そのため、発光部から出力された光は、凸部37及び撥液部材120を透過して受光部に到達する、すなわち、受光部に到達する光の強度が所定の強度以上となる。これにより、センサ103はハイレベル信号を出力する。プリンタ10の動作を制御する制御部(不図示)は、センサ103から出力されたハイレベル信号が入力されることによって、インク室36に貯留されたインクの残量が所定量になったことを認識する。
なお、本実施形態では、センサ103は、発光部と受光部との間に被検知部62が存在するか否かによって、インク室36に貯留されたインクの残量が所定量になったか否かを認識したが、センサ103は、発光部と受光部との間に遮光性を有するインクが存在するか否かによって、インク室36に貯留されたインクの残量が所定量になったか否かを認識してもよい。その場合の一例としては、凸部37は、下壁42近傍において、前壁40から挿入方向51に突出している、もしくは、後壁41から脱抜方向52に突出している。なお、遮光性を有するインクとは、例えば、カーボンブラック等の顔料を含有するインクである。
[実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、凸部37の内部空間に貯留されるインクは、凸部37ではなく撥液部材120に接触する。ここで、撥液部材120は、凸部37よりもインク室36に貯留されたインクに対する撥液性が高いため、インクが撥液部材120に付着したまま残存することが低減可能である。また、撥液部材120に封止部122が形成されているため、空間128へのインクの進入を低減することができる。
また、仮に、空間128と撥液部材120の内部空間123との圧力に違いが生じた場合、撥液部材120は弾性変形してしまう。例えば、インクカートリッジ30の製造過程において、インク室36内にインクが注入された後、インク室36内が減圧される場合がある。このとき、空間128の圧力よりも撥液部材120の圧力が低くなるので、撥液部材120は、空間128の体積が大きくなるようにインク室36に向かって弾性変形してしまうことがある。しかし、本実施形態によれば、撥液部材120は空気透過性を有するため、撥液部材120を介して空間128と撥液部材120の内部空間123との間を空気が徐々に移動し、圧力差がなくなる。そのため、撥液部材120は、元の形状に弾性復帰することができる。
また、本実施形態によれば、フレーム31に溝127が形成され、封止部122が溝127に挿入されるように構成されているため、封止部122を簡易に構成することができる。
また、本実施形態によれば、発光部から受光部への光の進行が凸部37に挿入された撥液部材120内のインクもしくは被検知部62によって妨げられるか否かによって、インク室36内のインクの残量が検知可能である。ここで、撥液部材120はインクに対する撥液性が高いため、撥液部材120への残留インクの付着は低減される。そのため、発光部及び受光部が、撥液部材120内にインクもしくは被検知部62がないにもかかわらず、インクもしくは被検知部62があるものとして、インク室36内のインクの残量を誤検知する可能性を低くすることができる。
[変形例1]
上記の実施形態では、溝127に挿入される封止部122の先端部122Aの幅は、溝127の幅よりも僅かに太く形成されていた。そのため、撥液部材120は、凸部37に挿入された状態を維持されていた。しかし、撥液部材120が凸部37から抜け落ちる可能性はある。そこで、インクカートリッジ30は、上記の実施形態に加えて、図9(C)に示される当接部材130を更に備えていてもよい。
なお、以下の説明において、上記の実施形態と同様の内容については、その説明が省略され或いは簡単に説明され、上記の実施形態と異なる内容については、詳細に説明される。
変形例1における撥液部材120(図9(A)、図9(B)、及び図10参照)の構成は、上記の実施形態と同様である。
当接部材130は、インク室36において撥液部材120の下方に配置されることによって、撥液部材120が凸部37から抜け落ちることを防止する部材である。当接部材130は、以下に詳述するように、フレーム31に支持されている。
図9(D)に示されるように、フレーム31の上壁39の下面に、支持部131、132が形成されている。支持部131は、溝127よりも挿入方向51にずれた位置に形成されている。支持部131は、前壁40から脱抜方向52に突出している。支持部132は、溝127よりも脱抜方向52にずれた位置に形成されている。支持部132は、上壁39から下方向53に突出している。支持部132は、支持部132の下端から挿入方向51に突出した凸部132Aを備えている。
図9(C)に示されるように、当接部材130は、板形状の部材である。当接部材130には、下方向53及び上方向54に貫通された貫通孔133が形成されている。貫通孔133は、平面視において、撥液部材120の開口124と略同形状且つ略同じ大きさである。
当接部材130は、挿入方向51の端部から挿入方向51に突出した第1凸部134と、脱抜方向52の端部から脱抜方向52に突出した第2凸部135とを備えている。当接部材130は、第1凸部134が支持部131に支持され且つ第2凸部135が支持部132の凸部132Aに支持されることによって、フレーム31に支持された状態となる(図10参照)。
図10に示されるように、当接部材130は、フレーム31に支持された状態において、凸部37に挿入された撥液部材120の真下に位置している。当接部材130がフレーム31に支持された状態において、当接部材130の上端は、撥液部材120の第1端121Aに下方から当接している。つまり、当接部材130は、撥液部材120の第1端121Aに上方向54に当接している。なお、当接部材130のフレーム31への取り付け方法としては、当接部材130の第1凸部134の下面と支持部131の上面とが接触し、当接部材130の第2凸部135の下面と凸部132Aの上面とが接触した状態で、当接部材130が右方向55もしくは左方向56にスライドされることによって、当接部材130が凸部37に挿入された撥液部材120の真下に位置される。
当接部材130がフレーム31に支持された状態において、貫通孔133は、撥液部材120の開口124の真下に位置している。これにより、撥液部材120の内部空間123とインク室36とが貫通孔133を介して連通している。
変形例1によれば、撥液部材120が凸部37から抜け落ちる可能性を低くすることができる。
[変形例2]
上記の実施形態では、フレーム31の上壁39に溝127が形成されており、撥液部材120の封止部122が溝127に挿入されていたが、フレーム31に溝127が設けられていなくてもよい。フレーム31に溝127が設けられていない構成において、インクカートリッジ30は、上記の実施形態に加えて、図11(C)に示される圧接部材140を更に備えていてもよい。
なお、以下の説明において、上記の実施形態と同様の内容については、その説明が省略され或いは簡単に説明され、上記の実施形態と異なる内容については、詳細に説明される。
変形例2において、撥液部材120(図11(A)、図11(B)、及び図12参照)の構成は、一部において上記の実施形態と異なる。
図12に示されるように、撥液部材120は、開口124の周縁から斜め下方に延出した延出部139を備えている。延出部139の延出先端である下端が、撥液部材120の第1端121A(図11(B)参照)である。延出部139の延出先端に封止部122が設けられている。封止部122は、延出部139の延出先端から上方向54に突出している。変形例2における封止部122の上方向54への突出長は、上記の実施形態における封止部122の上方向54への突出長より短い。詳述すると、上記の実施形態における封止部122は、溝127へ挿入されるために、溝127の深さと同等の長さが必要である。一方、変形例2における封止部122は、後述するようにフレーム31の上壁39に圧接される際に、封止部122の先端が凸部37を囲む全周において圧接されるために必要最小限の長さでよい。
図11(D)に示されるように、フレーム31の上壁39に、支持部141、142が形成されている。支持部141は、溝127よりも挿入方向51にずれた位置に形成されている。支持部141は、前壁40から脱抜方向52に突出している。支持部142は、溝127よりも脱抜方向52にずれた位置に形成されている。支持部142は、凸部37の側壁37Aから脱抜方向52へ延出され、当該延出の先端において屈曲し下方向53へ延出されている。支持部142の延出下端には、挿入方向51に突出した突部142Aが形成されている。支持部142は、上記のような構成であることにより、撓むことが可能である。
図11(C)に示される圧接部材140は、インク室36において撥液部材120を下方から圧接することによって、撥液部材120が凸部37に挿入された状態を維持する部材である。
圧接部材140は、板形状の部材である。圧接部材140には、下方向53及び上方向54に貫通された貫通孔143が形成されている。貫通孔143は、平面視において、撥液部材120の開口124と略同形状且つ略同じ大きさである。
圧接部材140は、挿入方向51の端部から挿入方向51に突出し且つ下方向53に屈曲した第1凸部144と、脱抜方向52の端部から脱抜方向52に突出し且つ下方向53に屈曲した第2凸部145とを備えている。第1凸部144及び第2凸部145は、上記の構成であることにより、撓むことが可能である。圧接部材140は、第1凸部144が支持部141に支持され且つ第2凸部145が支持部142の突部142Aに支持されることによって、フレーム31に支持された状態となる(図12参照)。
図12に示されるように、圧接部材140の挿入方向51の端から脱抜方向52の端までの長さは、支持部141の脱抜方向52の端と突部142Aの挿入方向51の端との間の隙間よりも僅かに長い。これにより、圧接部材140は、第1凸部144及び第2凸部145、または、支持部141、142の少なくとも一方が撓むことによって、支持部141、142と嵌合される。その結果、圧接部材140は、撥液部材120の下方のインク室36内において、フレーム31に支持された状態となる。なお、圧接部材140のフレーム31への取り付け方法としては、第1凸部144及び第2凸部145、または、支持部141、142の少なくとも一方が撓みながら、圧接部材140が、支持部141の脱抜方向52の端と突部142Aの挿入方向51の端との間の隙間を通じて上方向54に移動される。その結果、第1凸部144及び第2凸部145が支持部141の脱抜方向52の端と突部142Aの挿入方向51の端との間の隙間を通過して、第1凸部144及び第2凸部145が支持部141、142と嵌合される。
圧接部材140が支持部141、142と嵌合された状態において、凸部37に挿入された撥液部材120の封止部122は、凸部37と圧接部材140とに挟まれた状態となる。そして、封止部122の下方向53及び上方向54の長さは、封止部122を挟んでいる位置における凸部37と圧接部材140との隙間よりも僅かに長い。
これにより、封止部122は、圧接部材140が支持部141、142と嵌合された状態において、弾性変形しつつ凸部37及び圧接部材140と当接する。このとき、圧接部材140は、撥液部材120の封止部122に対して上方向54に圧接している。これにより、封止部122は、凸部37を構成するフレーム31に対して上方向54に圧接している。その結果、封止部122は、空間128とインク室36との間を液密に封止する。
変形例2によれば、上記の実施形態のように溝127を設ける必要がない。そのため、撥液部材120の凸部37への挿入長を短くすることができる。その結果、撥液部材120や凸部37を小型化することができる。
また、変形例2によれば、撥液部材120が圧接部材140から上方向54に圧力を受けることにより、封止部122がフレーム31に対して上方向54に弾性変形しつつ当接することができる。
[変形例3]
フレーム31に、凸部37と撥液部材120との間に形成された空間128の内部と外部とを連通する流路160(図14及び図15参照)が形成されていてもよい。なお、以下の説明において、上記の実施形態と同様の内容については、その説明が省略され或いは簡単に説明され、上記の実施形態と異なる内容については、詳細に説明される。
変形例3において、撥液部材120(図13(B)及び図13(C)参照)の構成は、封止部122の部分において上記の実施形態と異なる。
図13(B)及び図13(C)に示されるように、封止部122は、上壁39に形成された溝127に対応して形成された環状のリブ158と、リブ158に囲まれた位置であり且つ本体121と隣り合う位置において、第1端121Aから上方向54に突出した突起159とを備えている。
リブ158は、上記の実施形態における封止部122に対応するものである。つまり、リブ158は、上記の実施形態における先端部122Aに対応する先端部158Aを有している。先端部158Aが溝127に挿入されることによって、空間128とインク室36との間が液密に封止される。
突起159は、本実施形態において、円柱形状であるが、円柱形状に限らない。突起159は、流路160の一部を構成する空間161(図14及び図15参照)に挿入される。突起159は、空間161を区画する周面161A(図15参照)に圧接されつつ、空間161に挿入される。
図14及び図15に示されるように、フレーム31の上壁39に、流路160が形成されている。流路160は、空間161、貫通孔162、及び連通路163で構成されている。
空間161は、上壁39に形成された凹みの内部空間である。本実施形態において、空間161を区画する凹みの形状は、突起159に対応した円柱形状であるが、突起159の形状に合わせた形状であればよい。空間161は、空間128の隣りに形成されている。空間161は、空間128より脱抜方向12にずれた位置に形成されている。空間161は、周面161Aと底面161Bとによって区画されている(図15(B)参照)。周面161Aは、凹みの側部を区画する。底面161Bは、凹みの底部(上部)を区画する。
貫通孔162は、空間161と凸部37の内部空間とを繋ぐ孔である。貫通孔162の一方の開口は、周面161Aに形成されている。貫通孔162の他方の開口は、凸部37の内部空間を区画する側面37Cに形成されている。撥液部材120が凸部37の内部空間に挿入された状態において、側面37Cと撥液部材120との間は、空間128である。つまり、貫通孔162は、空間161と空間128とを繋ぐ孔である。
連通路163は、空間161とインクカートリッジ30の外部とを繋ぐ孔である。連通路163の一方の開口は、周面161Aに形成されている。連通路163の一方の開口は、貫通孔162の一方の開口よりも上方に形成されている。連通路163の他方の開口163A(図13及び図15(B)参照)は、フレーム31の上壁39に形成されている。開口163Aは、右方向55に開かれている。
以上より、流路160は、貫通孔162、空間161、及び連通路163を通じて、空間128とインクカートリッジ30の外部とを連通している。なお、流路160は、空間128とインク室36とを連通するものであってもよい。
図16には、撥液部材120が凸部37の内部空間に一部のみ挿入された状態が示されている。
この状態では、リブ158の先端部158Aが溝127に挿入されている。そのため、先端部158Aの位置において、空間128とインク室36との間が液密に封止されている。
また、この状態では、図16(B)に示されるように、封止部122の突起159の上端は、貫通孔162の一方の開口の上端よりも下方に位置する。これにより、空間128と空間161とは連通される。また、封止部122の突起159の上端は、連通路163の一方の開口の上端よりも下方に位置する。これにより、空間161とインクカートリッジ30の外部とは連通される。つまり、空間128とインクカートリッジ30の外部とは連通される。以上より、図16に示される状態において、封止部122は、流路160を開放している。このときの撥液部材120の状態が、第1状態の一例である。
図17には、撥液部材120が凸部37の内部空間に図16のときより奥に、すなわち、上方向54に挿入された状態が示されている。
この状態では、第1状態のときと同様に、リブ158の先端部158Aが溝127に挿入されている。そのため、先端部158Aの位置において、空間128とインク室36との間が液密に封止されている。
また、この状態では、図17(B)に示されるように、封止部122の突起159の上端は、貫通孔162の一方の開口の上端よりも上方に位置する。これにより、空間128と空間161との連通は遮断される。つまり、空間128とインクカートリッジ30の外部との連通は遮断される。以上より、図17に示される状態において、封止部122は、流路160を閉塞している。このときの撥液部材120の状態が、第2状態の一例である。
[変形例3のインクカートリッジ30の製造方法]
以下、変形例3のインクカートリッジ30において、撥液部材120が凸部37の内部空間に挿入される方法が説明される。当該方法では、3つのステップが実行されることによって、撥液部材120が凸部37の内部空間に挿入される。
最初に、撥液部材120は、凸部37の内部空間に、図16に示される第1状態まで挿入される。撥液部材120の第1状態までの挿入が、第1ステップである。
次に、空間128が流路160を通じて減圧される。減圧は、例えば、連通路163の他方の開口163Aに吸引ポンプの吸引口が接続されることによって行われる。減圧は、例えば、空間128の圧力がインク室36及び撥液部材120の内部空間123の圧力に対してマイナス90kPaとなるまで行われる。なお、上述したように、撥液部材120は、好ましくは、空気透過性を有する材料にて形成されているものの、90kPaの圧力差を短時間で消失させるほどの空気透過率を有していないため、減圧が可能である。以上説明した減圧の実施が、第2ステップである。
次に、第2ステップにおいて減圧が実施された空間128の圧力をそのままに維持しつつ、撥液部材120が、凸部37の内部空間に、図17に示される第2状態まで挿入される。具体的には、撥液部材120に下方から上方向54に押す外力が加えられるとともに、圧力差により撥液部材120が凸部37の内部空間に引き込まれることにより、撥液部材120が凸部37の内部空間に、第2状態まで挿入される。なお、撥液部材120に下方から上方向54に押す外力を加えずに、圧力差のみにより撥液部材120を第2状態まで挿入してもよい。撥液部材120の第2状態までの挿入が、第3ステップである。その後、吸引ポンプの吸引口が連通路163の他方の開口163Aから取り外される。空間128の圧力とインク室36及び撥液部材120の内部空間123との間の圧力差は、撥液部材120を介して空間128と撥液部材120の内部空間123との間を空気が徐々に移動することにより消失する。
変形例3によれば、凸部37及び撥液部材120の間の空間128の空気を抜きながら、撥液部材120を凸部37に組み付けることができる。これにより、撥液部材120を凸部37の突出端近傍まで確実に挿入することができる。そして、撥液部材120が凸部37に組み付けられた状態において、凸部37と撥液部材120との間の隙間を小さくすることができる。その結果、空間128へのインクの進入を低減することができる。
[その他の変形例]
上記の実施形態では、インクを液体の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、インクに代えて、印刷時にインクに先立って記録用紙に吐出される前処理液を液体としてもよい。
10・・・プリンタ(液体消費装置)
21・・・記録ヘッド(液体消費部)
30・・・インクカートリッジ(液体カートリッジ)
31・・・フレーム
36・・・インク室(液体貯留室)
37・・・凸部(突出部)
110・・・カートリッジ装着部(装着部)
120・・・撥液部材
121A・・・第1端
121B・・・第2端
122・・・封止部
123・・・内部空間
128・・・空間

Claims (12)

  1. 液体が貯留された液体貯留室が形成されたフレームと、
    上記フレームから上記液体貯留室に対して離れる突出方向に突出しており、上記液体貯留室と連通する内部空間を有し、且つ光透過性を有する突出部と、
    上記突出部の内部空間に挿入されており、第1端及び上記突出方向において当該第1端よりも上記液体貯留室から遠くに位置する第2端を有し、当該第1端において上記液体貯留室に向かって開口された内部空間を有し、光透過性を有し、且つ上記突出部よりも上記液体貯留室に貯留された液体に対する撥液性が高い撥液部材と、
    上記撥液部材における上記第2端よりも上記第1端に近い位置に形成されており、弾性変形しつつ上記フレームと当接することによって、上記突出部と上記撥液部材との間の光透過空間と上記液体貯留室との間を液密に封止する封止部と、を備える液体カートリッジ。
  2. 上記撥液部材は、空気透過性を有する請求項1に記載の液体カートリッジ。
  3. 上記撥液部材は、シリコーンゴムである請求項2に記載の液体カートリッジ。
  4. 上記フレームにおける上記液体貯留室を区画する面に、上記突出部を囲む溝が形成されており、
    上記封止部は、上記溝に挿入されている請求項1から3のいずれかに記載の液体カートリッジ。
  5. 上記液体貯留室において上記フレームに支持されており、上記撥液部材の上記第1端に上記突出方向に当接する当接部材を更に備える請求項4に記載の液体カートリッジ。
  6. 上記液体貯留室において上記フレームに支持されており、上記撥液部材の上記第1端に上記突出方向に圧接する圧接部材を更に備える請求項1から3の何れかに記載の液体カートリッジ。
  7. 上記封止部は、上記フレームに対して上記突出方向に当接する請求項6に記載の液体カートリッジ。
  8. 上記フレームに、上記光透過空間の内部と外部とを連通する流路が形成されており、
    上記封止部は、上記撥液部材が上記突出部の内部空間に一部のみ挿入された第1状態において上記流路を開放し、上記撥液部材が上記突出部の内部空間に上記第1状態より上記突出方向に挿入された第2状態において上記流路を閉塞する請求項1から7の何れかに記載の液体カートリッジ。
  9. 上記封止部は、上記第2状態において、上記光透過空間と上記液体貯留室との間を液密に封止する請求項8に記載の液体カートリッジ。
  10. 上記液体貯留室内に移動可能に配置されており、フロート及び遮光部を有する移動部材を更に備え、
    上記フロートは、上記液体貯留室内の液体の量に応じて上記液体貯留室内を移動し、
    上記遮光部は、上記フロートの移動に応じて上記撥液部材の内部空間を移動する請求項1から9のいずれかに記載の液体カートリッジ。
  11. 請求項10に記載の液体カートリッジと、
    上記液体カートリッジが着脱可能に装着される装着部と、
    上記装着部に装着された上記液体カートリッジから供給された液体を消費する液体消費部と、
    上記突出部及び上記撥液部材を通じて上記遮光部に光を出射する発光部と、
    上記発光部が出射して上記突出部及び上記撥液部材を透過した光を受光可能な受光部と、を備える液体消費装置。
  12. 液体が貯留された液体貯留室が形成されたフレームと、上記フレームから上記液体貯留室に対して離れる突出方向に突出しており、上記液体貯留室と連通する内部空間を有し、且つ光透過性を有する突出部と、上記突出部の内部空間に挿入されており、第1端及び上記突出方向において当該第1端よりも上記液体貯留室から遠くに位置する第2端を有し、当該第1端において上記液体貯留室に向かって開口された内部空間を有し、光透過性を有し、且つ上記突出部よりも上記液体貯留室に貯留された液体に対する撥液性が高い撥液部材と、上記撥液部材における上記第2端よりも上記第1端に近い位置に形成されており、弾性変形しつつ上記フレームと当接することによって、上記突出部と上記撥液部材との間の光透過空間と上記液体貯留室との間を液密に封止する封止部と、を備え、上記フレームに、上記光透過空間の内部と外部とを連通する流路が形成されており、上記封止部は、上記撥液部材が上記突出部の内部空間に一部のみ挿入された第1状態において上記流路を開放し、上記撥液部材が上記突出部の内部空間に上記第1状態より上記突出方向に挿入された第2状態において上記流路を閉塞する液体カートリッジの製造方法であって、
    上記撥液部材を、上記第1状態まで挿入する第1ステップと、
    上記流路を通じて上記光透過空間を減圧する第2ステップと、
    上記第2ステップによる上記光透過部材の減圧状態を維持しつつ、上記撥液部材を、上記第1状態から上記第2状態まで挿入する第3ステップと、を含む液体カートリッジの製造方法。

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