JP2016185531A - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気ガス浄化用触媒において、長期に亘る使用後でも触媒性能を維持し得る手段を提供する。【解決手段】上層11は、アルミナ添加セリア−ジルコニア複合酸化物を含有する担体及び該担体に担持されたロジウムと、ランタン添加アルミナとを有し、下層12は、ランタン添加アルミナを含有する担体及び該担体に担持されたパラジウムと、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物と、さらなるセリア−ジルコニア複合酸化物と、硫酸バリウムとを有する。希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、ランタン、イットリウム及びプラセオジムからなる群より選択される少なくとも1種を含有し、大気中、1100℃で5時間加熱後のX線回折パターン(CuKα)の2θ=14.5°と29°の強度比{I(14/29)値}が0.02以上、且つ2θ=28.5°と29°の強度比{I(28/29)値}が0.08以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、排気ガス浄化用触媒に関する。
自動車の排気ガス浄化用触媒は、エンジンから排出される排気ガスに含まれる炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を酸化して水及び二酸化炭素に、窒素酸化物(NOx)を還元して窒素に、それぞれ変換する。このような触媒活性を有する排気ガス浄化用触媒(以下、「三元触媒」とも記載する)としては、通常は、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)及び白金(Pt)等の触媒貴金属の粒子を含有する触媒層を、耐熱性の基材に被覆した貴金属担持触媒が使用される。貴金属担持触媒の触媒層は、通常は、前記のような触媒貴金属粒子に加えて、酸素吸蔵能力(以下、「OSC」とも記載する)を有するOSC材料を、担体又は助触媒として含有する。OSC材料は、酸素の吸蔵及び放出を行うことにより、触媒貴金属による排気ガス浄化反応を支援する。OSC材料としては、セリア−ジルコニア複合酸化物(CeO2-ZrO2)が広く用いられている。
排気ガス浄化用触媒の触媒層は、通常、排気ガス中の硫黄等の成分による触媒活性の低下を回避することを目的として、基材上に複数の触媒層を積層させる形態(以下、「層状触媒」とも記載する)が選択される。
例えば、特許文献1は、貴金属が担持されてなく、パイロクロア相型の規則配列構造を有する第1酸素吸放出材と、前記第1酸素吸放出材と比較して酸素吸放出速度が高くて酸素吸放出容量が低い第2酸素吸放出材とを含有し、第2酸素吸放出材に白金族貴金属が担持されてなることを特徴とする排ガス浄化用触媒を記載する。
特許文献2は、支持基材の上に、ロジウムが担持された第1の触媒層と、白金及びパラジウムが担持され、前記白金の担持量(x)に対する前記パラジウムの担持量(y)の比率(y/x;モル比)が0<y/x≦1.0を満たす第2の触媒層と、を前記支持基材側から順に有するNOx吸蔵還元型の排ガス浄化触媒を記載する。
特許文献3は、担体基材と、該担体基材の表面に形成され酸化物担体にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも1種のNOx吸蔵材と白金及びパラジウムの少なくとも一方とロジウムとを担持してなる触媒コート層と、からなり、排ガス雰囲気が酸素過剰のリーン雰囲気で該NOx吸蔵材にNOxを吸蔵し、排ガス雰囲気をストイキ〜還元成分過剰のリッチ雰囲気に変化させて該NOx吸蔵材に吸蔵されたNOxを放出させて還元するNOx吸蔵還元型の排ガス浄化用触媒であって、該触媒コート層は、該担体基材の表面に形成された下層と、該下層の表面に形成された上層と、の二層構造をなし、白金及びパラジウムの少なくとも一方は少なくとも該上層に担持され、ロジウムは該触媒コート層におけるロジウムの全担持量に対して40質量%以下の量が該上層に担持され60質量%以上の量が該下層に担持されていることを特徴とする排ガス浄化用触媒を記載する。
特開2012-24701号公報 特開2010-201284号公報 特開2009-285604号公報
前記のように、排気ガス浄化用触媒に使用される層状触媒が知られている。しかしながら、従来の層状触媒の場合、いくつかの課題が存在した。層状触媒の場合、通常は、最上部の触媒層の表面において排気ガスと接触させる。排気ガスに含まれる各成分は、最上部の触媒層の表面から下部の触媒層に進入して、それぞれの触媒層で酸化又は還元反応を受ける。この進入の際、排気ガスの温度は徐々に低下する。このため、下部の触媒層に使用される材料は、低温域でも十分な性能を発現することが必要となる。また、排気ガス浄化用触媒を自動車の排気ガス浄化用触媒システムに適用する場合、長期に亘って高温環境に晒される。このため、長期に亘って高温で使用した後であっても触媒性能を維持することが必要となる。
それ故、本発明は、排気ガス浄化用触媒において、長期に亘る使用後でも触媒性能を維持し得る手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、二層構造を有する排気ガス浄化用触媒において、下層触媒層のOSC材料として、少なくとも1種の希土類元素を含有するパイロクロア相構造を有するセリア−ジルコニア複合酸化物を添加することにより、上層触媒層より低温となる下層触媒層においても十分な酸素吸蔵能力を発現し、且つ長期に亘る使用後でも触媒性能を維持し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 上層及び下層からなり、
前記上層は、アルミナ添加セリア−ジルコニア複合酸化物を含有する担体及び該担体に担持されたロジウムと、ランタン添加アルミナとを有し、
前記下層は、ランタン添加アルミナを含有する担体及び該担体に担持されたパラジウムと、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物と、さらなるセリア−ジルコニア複合酸化物と、硫酸バリウムとを有し、
前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、2.2〜4.5 μmの範囲の平均粒子径を有する一次粒子の形態であり、
前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、ランタン、イットリウム及びプラセオジムからなる群より選択される少なくとも1種の希土類元素を、セリア−ジルコニア複合酸化物中のセリウム及びジルコニウムの総量に対して0.1〜4.0原子数%含有し、
前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、その一次粒子の表面から50 nm以内の表面近傍領域に、前記少なくとも1種の希土類元素の総量のうち90原子数%以上を含有し、
前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物におけるセリウムとジルコニウムとの含有比率が、43:57〜48:52の範囲のモル比であり、且つ
前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物を、大気中、1100℃の温度条件で5時間加熱後のX線回折測定により得られるCuKαを用いたX線回折パターンから求められる2θ=14.5°の回折線と2θ=29°の回折線との強度比{I(14/29)値}が0.02以上であり、且つ2θ=28.5°の回折線と2θ=29°の回折線との強度比{I(28/29)値}が0.08以下である、
排気ガス浄化用触媒。
(2) 前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の含有量が、100質量部の前記下層のランタン添加アルミナ担体に対し、7〜25質量部の範囲である、前記(1)に記載の排気ガス浄化用触媒。
(3) 前記上層及び下層が表面に配置された基材をさらに有し、前記上層が、基材の全長に対して、該基材の排気ガス流出側の端部から少なくとも60%までの位置に亘って配置されており、前記下層が、基材の全長に対して、該基材の排気ガス流入側の端部から少なくとも60%までの位置に亘って配置されている、前記(1)又は(2)に記載の排気ガス浄化用触媒。
本発明により、排気ガス浄化用触媒において、長期に亘る使用後でも触媒性能を維持し得る手段を提供することが可能となる。
図1は、本発明の排気ガス浄化用触媒の一実施形態の構成を示す模式図である。 図2は、調製例2の希土類元素含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、耐久試験1(1100℃ air)後のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子のEDX分析の結果を示す図である。 図3は、調製例2の希土類元素含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、耐久試験1(1100℃ air)後のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子のHR-TEM観察の結果を示す図である。 図4は、調製例5の希土類元素含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、耐久試験1(1100℃ air)後のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子のEDX分析の結果を示す図である。 図5は、調製例5の希土類元素含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、耐久試験1(1100℃ air)後のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子のHR-TEM観察の結果を示す図である。 図6は、調製例7の希土類元素含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、耐久試験1(1100℃ air)後のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子のEDX分析の結果を示す図である。 図7は、調製例7の希土類元素含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、耐久試験1(1100℃ air)後のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子のHR-TEM観察の結果を示す図である。 図8は、調製比較例1のセリア−ジルコニア複合酸化物について、耐久試験1(1100℃ air)後のセリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子のEDX分析の結果を示す図である。 図9は、調製比較例1のセリア−ジルコニア複合酸化物について、耐久試験1(1100℃ air)後のセリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子のHR-TEM観察の結果を示す図である。 図10は、比較例1、実施例1〜3及び参考例1〜3の触媒の熱耐久処理試験において、下層触媒層への少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の添加量と空燃比(A/F)切り替え時のNOx排出量との関係を示すグラフである。 図11は、比較例1、及び実施例1〜3の触媒の熱耐久処理試験において、下層触媒層への少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の添加量と定常リッチNOx浄化率との関係を示すグラフである。 図12は、比較例1、実施例4〜6及び参考例1〜3の触媒の熱耐久処理試験において、下層触媒層への少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の添加量と空燃比(A/F)切り替え時のNOx排出量との関係を示すグラフである。 図13は、比較例1、並びに実施例4及び5の触媒の熱耐久処理試験において、下層触媒層への少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の添加量と定常リッチNOx浄化率との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。
<1. 排気ガス浄化用触媒>
本発明は、排気ガス浄化用触媒に関する。
本発明の排気ガス浄化用触媒の一実施形態の構成を示す模式図を図1に示す。本発明の排気ガス浄化用触媒1は、上層11及び下層12からなることが必要である。本発明の排気ガス浄化用触媒1において、上層11及び下層12を合わせて「二層触媒層13」又は単に「触媒層13」と記載する場合がある。本発明の排気ガス浄化用触媒1は、基材14をさらに有することができる。この場合、上層11及び下層12からなる触媒層13は、通常は、基材14の表面に配置される。本実施形態の場合、本発明の排気ガス浄化用触媒1は、基材14と、基材14の表面に配置された下層12と、下層12の表面に配置された上層11とを有する。
本発明の排気ガス浄化用触媒において、上層は、アルミナ添加セリア−ジルコニア複合酸化物(CeO2-ZrO2)を含有する担体を有することが必要である。本発明において、「セリア−ジルコニア複合酸化物」は、セリア(CeO2)及びジルコニア(ZrO2)を含有する複合酸化物を意味する。アルミナ添加セリア−ジルコニア複合酸化物は、貴金属触媒の担体として、及び上層の酸素吸蔵能力(OSC)を有するOSC材料として使用される。アルミナ添加セリア−ジルコニア複合酸化物は、該複合酸化物の総質量に対して、20〜60質量%のCeO2と、30〜70質量%のZrO2とを含有することが好ましい。また、前記複合酸化物において、CeO2とZrO2との質量比は、1:0.5〜1:3.5の範囲であることが好ましく、1:0.5〜1:1の範囲であることがより好ましい。アルミナ添加セリア−ジルコニア複合酸化物において、アルミナの含有量は、該複合酸化物の総質量に対して、10〜50質量%の範囲であることが好ましく、20〜50質量%の範囲であることがより好ましく、30〜50質量%の範囲であることがさらに好ましい。上層において、アルミナ添加セリア−ジルコニア複合酸化物は、上層の総質量に対して20〜80質量%の範囲で含有されることが好ましく、50〜70質量%の範囲で含有されることがより好ましい。前記OSC材料を上層に含有することにより、本発明の排気ガス浄化用触媒の酸素吸蔵能力を向上させることができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒において、上層は、アルミナ添加セリア−ジルコニア複合酸化物を含有する担体に担持された貴金属触媒として、ロジウム(Rh)を有することが必要である。Rhは、100質量部のアルミナ添加セリア−ジルコニア複合酸化物を含有する担体に対して、0.03〜0.5質量部の範囲で含有されることが好ましく、0.07〜0.35質量部の範囲で含有されることがより好ましい。前記の量でRhを含有することにより、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒において、上層は、ランタン添加アルミナ(La-Al2O3)を有することが必要である。ランタン添加アルミナは、上層のOSC材料として使用される。ランタン添加アルミナは、100質量部のアルミナ添加セリア−ジルコニア複合酸化物を含有する担体に対して、20〜150質量部の範囲で含有されることが好ましく、30〜100質量部の範囲で含有されることがより好ましい。また、ランタン添加アルミナは、該ランタン添加アルミナの総質量に対して、0.5〜10質量%のLaを含有することが好ましい。前記OSC材料を上層に含有することにより、本発明の排気ガス浄化用触媒の酸素吸蔵能力を向上させることができる。
なお、上層における各材料の含有量は、限定するものではないが、例えば、酸等を用いて上層を溶解させた後、得られた溶液中の成分を誘導結合プラズマ(ICP)発光分析する方法によって決定することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒において、下層は、ランタン添加アルミナを含有する担体を有することが必要である。ランタン添加アルミナは、貴金属触媒の担体として、及び下層のOSC材料として使用される。ランタン添加アルミナは、下層の総質量に対して20〜50質量%の範囲で含有されることが好ましく、30〜50質量%の範囲で含有されることがより好ましい。また、ランタン添加アルミナは、該ランタン添加アルミナの総質量に対して、0.5〜10質量%のLaを含有することが好ましい。前記OSC材料を下層に含有することにより、本発明の排気ガス浄化用触媒の酸素吸蔵能力を向上させることができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒において、下層は、ランタン添加アルミナを含有する担体に担持された貴金属触媒として、パラジウム(Pd)を有することが必要である。Pdは、100質量部のランタン添加アルミナを含有する担体に対して、0.2〜5質量部の範囲で含有されることが好ましく、0.4〜3質量部の範囲で含有されることがより好ましい。前記の量でPdを含有することにより、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒において、下層は、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物を有することが必要である。前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、以下の特徴:
(i)前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、2.2〜4.5 μmの範囲の平均粒子径を有する一次粒子の形態であり、
(ii)前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、ランタン(La)、イットリウム(Y)及びプラセオジム(Pr)からなる群より選択される少なくとも1種の希土類元素を、セリア−ジルコニア複合酸化物中のセリウム(Ce)及びジルコニウム(Zr)の総量に対して0.1〜4.0原子数%含有し、
(iii)前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、その一次粒子の表面から50 nm以内の表面近傍領域に、前記少なくとも1種の希土類元素の総量のうち90原子数%以上を含有し、
(iv)前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物におけるCeとZrとの含有比率が、43:57〜48:52の範囲のモル比であり、且つ
(v)前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物を、大気中、1100℃の温度条件で5時間加熱後のX線回折測定により得られるCuKαを用いたX線回折パターンから求められる2θ=14.5°の回折線と2θ=29°の回折線との強度比{I(14/29)値}が0.02以上であり、且つ2θ=28.5°の回折線と2θ=29°の回折線との強度比{I(28/29)値}が0.08以下である
を満たすことが必要である。前記特徴を満たす少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、本発明者らが最近見出した新規材料である(特願2013-209190)。本材料は、低温域における十分に優れた酸素吸蔵能力と、十分に高度な耐熱性とを併せ持つ。通常、二層触媒の構造を有する排気ガス浄化用触媒においては、運転中の下層の温度は、上層の温度と比較して低い。それ故、本材料を下層に含有することにより、上層触媒層より低温となる下層触媒層においても十分な酸素吸蔵能力を発現することができる。また、長期に亘って高温条件下で使用した後でも、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
本発明において、「I(14/29)値」及び「I(28/29)値」は、それぞれ、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物を、大気中、1100℃の温度条件で5時間加熱後のX線回折測定により得られるCuKαを用いたX線回折パターンから求められる2θ=14.5°の回折線と2θ=29°の回折線との強度比、及び2θ=28.5°の回折線と2θ=29°の回折線との強度比を意味する。前記X線回折測定は、例えば、当該技術分野で通常使用されるX線回折装置(例えば、RINT 2100、理学電機社製)を用いて、CuKαを用い、40 kV、30 mA、及び2θ=2°/分の条件により、実施することができる。
セリア−ジルコニア複合酸化物のX線回折パターンにおいて、2θ=14.5°の回折線は、規則相(κ相)の(111)面に帰属する回折線である。他方、2θ=29°の回折線は、規則相の(222)面に帰属する回折線とセリア−ジルコニア固溶体(以下、「CZ固溶体」とも記載する)の立方晶相の(111)面に帰属する回折線とが重なった状態で観測される。このため、両者の回折線の強度比であるI(14/29)値は、セリア−ジルコニア複合酸化物における規則相の維持率(存在率)を示す指標として規定される。なお、回折線強度を算出する際は、各回折線強度の実測値から、バックグラウンド値として2θ=10°〜12°の平均回折線強度を差し引いて算出する。セリア−ジルコニア複合酸化物において、完全な規則相には、酸素が完全充填されたκ相(Ce2Zr2O8)と、酸素が完全に脱離したパイロクロア相(Ce2Zr2O7)とが存在する。κ相のPDFカードは、PDF2:01-070-4048であり、パイロクロア相のPDFカードは、PDF2:01-075-2694である。それぞれのPDFカードから計算したκ相のI(14/29)値は、0.04であり、パイロクロア相のI(14/29)値は、0.05である。また、規則相、すなわち、CeイオンとZrイオンとによって形成される規則配列構造を有する結晶相は、前記X線回折測定により得られるCuKαを用いたX線回折パターンから求められる2θ角が14.5°、28°、37°、44.5°及び51°の位置にそれぞれピークを有する結晶の配列構造(φ’相(κ相と同一の相)型の規則配列相:蛍石構造の中に生ずる超格子構造)である。なお、本明細書において、X線回折パターンの「ピーク」は、ベースラインからピークトップまでの高さが30 cps以上のものを意味する。
セリア−ジルコニア複合酸化物のX線回折パターンにおいて、2θ=28.5°の回折線は、CeO2単体の(111)面に帰属する回折線である。2θ=28.5°の回折線と2θ=29°の回折線との強度比であるI(28/29)値は、セリア−ジルコニア複合酸化物においてCeO2が分相している程度を示す指標として規定される。
本発明の排気ガス浄化用触媒において、特徴(i)〜(v)を満たす少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物が前記のような特性を有する理由は、以下のように説明することができる。なお、本発明は、以下の作用・原理に限定されるものではない。セリア−ジルコニア複合酸化物におけるCeO2-ZrO2のパイロクロア相構造(Ce2Zr2O7)は、気相中の酸素分圧に応じてκ相との間で相変換を行い、酸素吸蔵能力を発現する。パイロクロア相構造を有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、酸素の放出速度が遅いことから、空燃比(A/F)がリッチ状態からリーン状態へ切り替わるA/F切り替え時におけるNOx浄化性能の向上に有効であると考えられた。しかしながら、Ce2Zr2O7型パイロクロア相構造は準安定相であることから、Ce2Zr2O7型パイロクロア相構造を有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、高温の酸化雰囲気に晒されると、一次粒子の表面からその構造が蛍石構造に戻り、酸素吸蔵能力が低下するという問題点が存在した。ここで、特徴(ii)及び(v)を満たす少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物では、La、Y及びPrからなる群より選択される少なくとも1種の希土類元素(RE)のイオンとZrイオンとが、RE2Zr2O7型のパイロクロア相構造を形成することができる。これにより、前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物では、規則配列構造を有する結晶相を形成することができる。このRE2Zr2O7型のパイロクロア相構造は安定相であることから、Ce2Zr2O7型パイロクロア相構造よりも耐熱性に優れている。また、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物では、その一次粒子の表面近傍領域に前記少なくとも1種の希土類元素が局在している(特徴(iii))ことから、RE2Zr2O7型のパイロクロア相構造からなる規則相もまた、その一次粒子の表面近傍領域に局在している。これにより、CeO2-ZrO2のパイロクロア相構造の相変態が抑制され、高温に対する耐熱性が向上し、結果として高温環境に晒された後においても十分に高い酸素吸蔵能力を発揮することができる。それ故、特徴(i)〜(v)を満たす本材料を下層に含有することにより、本発明の排気ガス浄化用触媒は、長期に亘って高温条件下で使用した後でも、A/F切り替え時におけるNOx排出量を大幅に低減して、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒の下層において、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、I(14/29)値が0.02以上であることが必要であり、0.030以上であることが好ましく、0.033以上であることがより好ましい。I(14/29)値が前記下限値未満の場合、規則相の維持率が低く、高温環境に晒された後における酸素吸蔵能力が不十分となる可能性がある。I(14/29)値の上限値は特に限定されないが、パイロクロア相のPDFカード(PDF2:01-075-2694)に基づき決定されるパイロクロア相のI(14/29)値は、0.05であることから、I(14/29)値は、0.05以下であることが好ましい。
本発明の排気ガス浄化用触媒の下層において、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、I(28/29)値が0.08以下であることが必要であり、0.06以下であることが好ましく、0.04以下であることがより好ましい。I(28/29)値が前記上限値を超える場合、セリアの分相が十分に抑制されず、高温環境に晒された後における酸素吸蔵能力が不十分となる可能性がある。I(28/29)値の下限値は特に限定されず、より小さい値であることが好ましい。
本発明の排気ガス浄化用触媒の下層において、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、前記X線回折パターンのピーク強度比から求められる全結晶相に対する前記規則相(Ce2Zr2O7型パイロクロア相及びRE2Zr2O7型パイロクロア相)の含有比率が、50〜100%であることが好ましく、80〜100%であることがより好ましい。前記規則相の含有比率が前記下限値未満の場合、本材料による酸素吸蔵能力の劣化抑制効果及び耐熱性効果が低下する可能性がある。また、前記規則相のうち、RE2Zr2O7型パイロクロア相の含有比率は、0.1〜8.0%の範囲であることが好ましく、0.8〜5.0%の範囲であることがより好ましい。RE2Zr2O7型パイロクロア相の含有比率が前記下限値未満の場合、本材料による酸素吸蔵能力の劣化抑制効果及び耐熱性効果が低下する可能性がある。他方、RE2Zr2O7型パイロクロア相の含有比率が前記上限値を超える場合、酸素吸蔵能力が低下する可能性がある。
本発明の排気ガス浄化用触媒の下層において、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、La、Y及びPrからなる群より選択される少なくとも1種の希土類元素を、セリア−ジルコニア複合酸化物中のCe及びZrの総量に対して0.1〜4.0原子数%含有していることが必要であり、0.25〜2.5原子数%含有していることが好ましい。少なくとも1種の希土類元素は、前記群に含まれる希土類元素を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上の前記希土類元素を組み合わせて使用する場合、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子において、その表面の近傍領域とその他の領域との間で、互いに異なる希土類元素を含有してもよい。少なくとも1種の希土類元素は、Pr又はLaであることが好ましい。前記少なくとも1種の希土類元素の含有量が前記下限値未満の場合、高温環境に晒された後におけるI(14/29)値及び酸素吸蔵能力が低下する可能性がある。この場合、低温域における十分に優れた酸素吸蔵能力と、十分に高度な耐熱性とを併せ持ち、且つ高温環境に晒された後においても優れた酸素吸蔵能力を発揮するという本材料の効果が十分得られない可能性がある。他方、前記少なくとも1種の希土類元素の含有量が前記上限値を超える場合、高温環境に晒された後におけるI(14/29)値及び酸素吸蔵能力が低下する可能性がある。この場合、優れた酸素吸蔵能力を発揮するという本材料の効果が十分得られない可能性がある。それ故、前記少なくとも1種の希土類元素を前記含有量で含有する本材料を下層に含有することにより、本発明の排気ガス浄化用触媒は、長期に亘って高温条件下で使用した後でも、A/F切り替え時におけるNOx排出量を大幅に低減して、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物において、少なくとも1種の希土類元素は、通常は、セリア−ジルコニア複合酸化物に対して固溶又は分散等した状態で存在している。少なくとも1種の希土類元素による前記効果をより顕著に発現させるために、前記希土類元素の少なくとも一部は、セリア−ジルコニア複合酸化物に対して固溶していることが好ましい。
本発明の排気ガス浄化用触媒の下層において、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、前記少なくとも1種の希土類元素に加え、さらなる希土類元素及びアルカリ土類元素からなる群より選択される少なくとも1種のさらなる元素を含有していてもよい。このようなさらなる元素を含有することにより、本発明の排気ガス浄化用触媒の排気ガス浄化能力をさらに向上させることができる。前記さらなる希土類元素としては、例えば、スカンジウム(Sc)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)等を挙げることができる。前記アルカリ土類元素としては、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)及びラジウム(Ra)等を挙げることができる。
少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物が少なくとも1種のさらなる元素を含有する実施形態の場合、該少なくとも1種のさらなる元素の含有量は、セリア−ジルコニア複合酸化物の総質量に対して、1〜20質量%の範囲であることが好ましく、3〜7質量%の範囲であることがより好ましい。少なくとも1種のさらなる元素の含有量が前記上限値を超える場合、酸素吸蔵能力が低下する可能性がある。それ故、少なくとも1種のさらなる元素を前記含有量で含有する本材料を下層に含有することにより、本発明の排気ガス浄化用触媒は、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
なお、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物において、該少なくとも1種の希土類元素及び/又は少なくとも1種のさらなる元素の含有量及び含有比率は、例えば、エネルギー分散型X線検出装置(EDX)又は二次イオン質量分析装置(SIMS)等の分析機器を用いて組成分析を行うことにより、決定することができる。或いは、酸等を用いて少なくとも1種の希土類元素及び/又は少なくとも1種のさらなる元素を溶出させることにより、決定してもよい。この場合、例えば、少なくとも1種の希土類元素及び/又は少なくとも1種のさらなる元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物を硝酸水溶液等の酸性溶液と接触させて、該元素を溶出させる。その後、得られた溶液中の元素成分を、ICP発光分析等の化学分析により定量して、少なくとも1種の希土類元素及び/又は少なくとも1種のさらなる元素の含有量及び含有比率を決定することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒の下層において、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、通常は一次粒子の形態で存在する。前記一次粒子の平均粒子径は、2.2〜4.5 μmの範囲であることが必要であり、2.5〜4.5 μmの範囲であることが好ましく、2.5〜4.0 μmの範囲であることがより好ましい。少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の平均粒子径が前記下限値未満の場合、CeO2-ZrO2のパイロクロア相構造の耐熱性が低下する可能性がある。他方、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の平均粒子径が前記上限値を超える場合、酸素の放出に要する時間が長くなりすぎる可能性がある。それ故、一次粒子の平均粒子径が前記範囲である本材料を下層に含有することにより、本発明の排気ガス浄化用触媒は、長期に亘って高温条件下で使用した後でも、A/F切り替え時におけるNOx排出量を大幅に低減して、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
なお、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の平均粒子径は、例えば、該一次粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、所定数(例えば50個)の任意の一次粒子について粒子径を実測して、その実測値の平均値を算出することにより、決定することができる。例えば、一次粒子の断面が真円形でない場合、該一次粒子の最小外接円を仮定し、その最小外接円の直径を粒子径とみなして前記測定を実施すればよい。
本発明の排気ガス浄化用触媒の下層において、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の比表面積は、0.01〜20 m2/gの範囲であることが好ましく、0.05〜10 m2/gの範囲であることがより好ましい。比表面積が前記下限値未満の場合、酸素吸蔵能力が低下する可能性がある。他方、比表面積が前記上限値を超える場合、粒子径の小さい一次粒子が増加して、耐熱性が低下する可能性がある。それ故、一次粒子の比表面積が前記範囲である本材料を下層に含有することにより、本発明の排気ガス浄化用触媒は、長期に亘って高温条件下で使用した後でも、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
なお、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の比表面積は、例えば、吸着等温線からBET等温吸着式を用いてBET比表面積として決定することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒の下層において、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、その一次粒子の表面から50 nm以内の表面近傍領域に、前記少なくとも1種の希土類元素の総量のうち90原子数%以上を含有することが必要であり、その一次粒子の表面から30 nm以内の表面近傍領域に、前記少なくとも1種の希土類元素の総量のうち80原子数%以上を含有することが好ましい。前記少なくとも1種の希土類元素の分布が前記条件を満たさない場合、十分な構造安定化効果が得られない可能性がある。前記少なくとも1種の希土類元素の分布が前記条件を満たす場合、前記少なくとも1種の希土類元素の分散形態は特に限定されない。例えば、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の実質的に全てが、前記条件を満たす分布で少なくとも1種の希土類元素を含有することが好ましい。しかしながら、本材料の効果を損なわない範囲であれば、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の粒子の集団に、前記条件を満たさない一次粒子が混在していてもよい。
なお、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物において、一次粒子の表面近傍領域に存在する少なくとも1種の希土類元素の含有量及び含有比率は、例えば、EDX又はSIMS等の分析機器を用いて組成分析を行い、一次粒子の表面近傍領域とそれ以外の領域との間で少なくとも1種の希土類元素の含有量及び含有比率を比較することにより、決定することができる。或いは、酸等を用いて少なくとも1種の希土類元素を溶出させることにより、決定してもよい。この場合、例えば、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子を硝酸水溶液等の酸性溶液と接触させて、該一次粒子から希土類元素を溶出させる。その後、得られた溶液中の金属成分を、ICP発光分析等の化学分析により定量して、一次粒子の表面近傍領域に存在する少なくとも1種の希土類元素の含有量及び含有比率を決定することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒の下層において、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物におけるCeとZrとの含有比率が、43:57〜48:52の範囲のモル比であることが必要であり、44:56〜48:52の範囲のモル比であることが好ましい。Ceの含有比率が前記下限値未満の場合、Zrリッチの組成となることによる酸素吸蔵能力の低下効果が、セリアの分相が抑制されることによる複合酸化物の安定性向上効果を上回るため、高温環境に晒された後における酸素吸蔵能力が不十分となる可能性がある。他方、Ceの含有比率が前記上限値を超える場合、セリアの分相が抑制されることによる複合酸化物の安定性向上効果が得られないため、高温環境に晒された後における酸素吸蔵能力が不十分となる可能性がある。それ故、CeとZrとの含有比率が前記範囲である本材料を下層に含有することにより、本発明の排気ガス浄化用触媒は、長期に亘って高温条件下で使用した後でも、A/F切り替え時におけるNOx排出量を大幅に低減して、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒の下層において、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、100質量部の前記ランタン添加アルミナ担体に対し、7〜32質量部の範囲で含有されることが好ましく、7〜30質量部の範囲で含有されることがより好ましく、7〜25質量部の範囲で含有されることがさらに好ましい。例えば、少なくとも1種の希土類元素がPrである実施形態の場合、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、100質量部の前記ランタン添加アルミナ担体に対し、14〜25質量部の範囲で含有されることがさらに好ましい。また、例えば、少なくとも1種の希土類元素がLaである実施形態の場合、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、100質量部の前記ランタン添加アルミナ担体に対し、7.7〜14質量部の範囲で含有されることがさらに好ましい。本発明の排気ガス浄化用触媒が基材を有する実施形態の場合、下層において、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、基材の容量に対して、5〜20 g/L基材の範囲で含有されることが好ましく、5〜15 g/L基材の範囲で含有されることがより好ましい。例えば、少なくとも1種の希土類元素がPrである実施形態の場合、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、基材の容量に対して、7〜13 g/L基材の範囲で含有されることがさらに好ましい。また、例えば、少なくとも1種の希土類元素がLaである実施形態の場合、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、基材の容量に対して、5〜7 g/L基材の範囲で含有されることがさらに好ましい。少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の含有量が前記上限値を超える場合、流入ガス雰囲気のA/Fをリッチ状態で継続させた場合のNOx浄化率が低下する可能性がある。それ故、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の含有量が前記範囲であることにより、本発明の排気ガス浄化用触媒は、長期に亘って高温条件下で使用した後でも、A/Fをリッチ状態で継続させた場合のNOx排出量を低減して、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒において、下層は、さらなるセリア−ジルコニア複合酸化物を有することが必要である。さらなるセリア−ジルコニア複合酸化物は、上層の材料として使用されるセリア−ジルコニア複合酸化物と同一の特徴を有することが好ましい。下層において、さらなるセリア−ジルコニア複合酸化物は、下層の総質量に対して20〜70質量%の範囲で含有されることが好ましく、30〜50質量%の範囲で含有されることがより好ましい。前記特徴を有する本材料を前記含有量で下層に含有することにより、本発明の排気ガス浄化用触媒は、長期に亘って高温条件下で使用した後でも、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒において、下層は、硫酸バリウムを有することが必要である。下層において、硫酸バリウムは、下層の総質量に対して1〜15質量%の範囲で含有されることが好ましく、2〜7質量%の範囲で含有されることがより好ましい。本材料を前記含有量で下層に含有することにより、本発明の排気ガス浄化用触媒は、長期に亘って高温条件下で使用した後でも、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
なお、下層における各材料の含有量は、限定するものではないが、例えば、酸等を用いて下層を溶解させた後、得られた溶液中の材料成分をICP発光分析する方法によって決定することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒が基材を有する実施形態の場合、該基材は、ハニカム、ペレット又は粒子の形態であることが好ましく、ハニカムの形態のモノリス基材であることがより好ましい。また、基材は、コージェライト等の耐熱性無機物又は金属を含有することが好ましい。前記の特徴を有する基材を用いることにより、高温条件下でも高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒が基材を有する実施形態の場合、通常は、該排気ガス浄化用触媒の一方の端部側から排気ガスを流入させ、他方の端部側から排気ガスを流出させる。本発明の排気ガス浄化用触媒において、排気ガスを流入させる側を「排気ガス流入側」と、排気ガスを流出させる側を「排気ガス流出側」と、それぞれ記載する場合がある。本発明の排気ガス浄化用触媒の排気ガス流入側から流入した排気ガスは、上層の表面に沿って移動する間に上層及び下層の触媒層において酸化又は還元され、浄化された排気ガスとして排気ガス流出側から流出する。この実施形態において、上層は、基材の全長に対して、該基材の排気ガス流出側の端部から少なくとも60%までの位置に亘って配置されていることが好ましく、少なくとも90%までの位置に亘って配置されていることがより好ましく、約100%までの位置に亘って配置されていることがさらに好ましい。前記範囲に亘って上層が配置される場合、流出するガスに残存する排気ガス成分を効率的に浄化することができる。また、下層は、基材の全長に対して、該基材の排気ガス流入側の端部から少なくとも60%までの位置に亘って配置されていることが好ましく、少なくとも90%までの位置に亘って配置されていることがより好ましく、約100%までの位置に亘って配置されていることがさらに好ましい。前記範囲に亘って下層が配置される場合、排気ガス流入側の近傍で下層に進入した高濃度のNOxを効率的に浄化することができる。それ故、前記範囲に亘って上層及び下層が配置されていることにより、各種の排気ガス成分を効率的に浄化することができる。
以上説明したように、本発明の排気ガス浄化用触媒は、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物を下層に含有することにより、長期に亘って高温条件下で使用した後でも、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。それ故、本発明の排気ガス浄化用触媒は、スタートアップコンバータ(S/C)及び車体下部搭載コンバータ(UF/C)からなる排気ガス浄化用触媒システムにおいて、S/C触媒として使用されることが好ましい。本発明の排気ガス浄化用触媒を、S/C及びUF/Cからなる排気ガス浄化用触媒システムのS/C触媒として使用することにより、A/F切り替え時のNOx排出量を大幅に低減することができる。
本発明の排気ガス浄化用触媒は、限定するものではないが、例えば、下層に含有される各材料のスラリーを基材にウォッシュコートした後、加熱焼成して下層を形成する工程、及び上層に含有される各材料のスラリーを基材にウォッシュコートした後、加熱焼成して上層を形成する工程を含む方法のような、当該技術分野で通常使用される方法によって製造することができる。ここで、上層及び下層の各材料のスラリーは、例えば、各材料の粉末を含浸法によって調製した後、該粉末及びバインダーを水中に懸濁することにより、調製することができる。
下層に含有される少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、以下において説明する方法により、製造することができる。
少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物を製造する方法は、以下の工程:セリウムとジルコニウムとの含有比率が、43:57〜48:52の範囲のモル比であり、且つ2.2〜4.5 μmの範囲の平均粒子径を有する一次粒子の形態であるセリア−ジルコニア複合酸化物の粉末を準備する、セリア−ジルコニア複合酸化物粉末準備工程;前記セリア−ジルコニア複合酸化物粉末準備工程によって得られた前記セリア−ジルコニア複合酸化物粉末に、La、Y及びPrからなる群より選択される少なくとも1種の希土類元素を担持させる、希土類元素担持工程;前記希土類元素担持工程で得られた希土類元素が担持されたセリア−ジルコニア複合酸化物粉末を600〜1200℃の範囲の温度で焼成して、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物を得る、焼成工程を含む。
セリア−ジルコニア複合酸化物粉末準備工程において、前記特徴を有するセリア−ジルコニア複合酸化物粉末を準備する方法は特に限定されない。例えば、CeとZrとの含有比率が前記範囲内となるように、共沈法等の方法によってセリア及びジルコニアを含む固溶体粉末(以下、「セリア−ジルコニア系固溶体粉末」とも記載する)を作製し、該セリア−ジルコニア系固溶体粉末を成型し、還元条件下で加熱することにより、前記特徴を有するセリア−ジルコニア複合酸化物粉末を得ることができる。
セリア−ジルコニア系固溶体粉末を作製するための共沈法としては、例えば、Ceの塩(例えば、硝酸塩)及びZrの塩(例えば、硝酸塩)を含有する水溶液において、アンモニアの存在下で共沈殿物を生成させ、得られた共沈殿物を濾過及び洗浄した後、乾燥し、更に焼成した後、ボールミル等の粉砕機を用いて焼成物を粉砕して、セリア−ジルコニア系固溶体粉末を得る方法を挙げることができる。前記水溶液は、所望により、前記で説明したさらなる希土類元素及びアルカリ土類元素からなる群より選択される少なくとも1種のさらなる元素の塩を含有していてもよい。前記水溶液はまた、所望により、界面活性剤(例えば、ノニオン系界面活性剤)等を含有していてもよい。
前記方法によって得られるセリア−ジルコニア系固溶体粉末は、規則相を十分に形成し得ることから、セリアとジルコニアとが原子レベルで混合された固溶体であることが好ましい。また、前記方法によって得られるセリア−ジルコニア系固溶体粉末は、一次粒子の平均粒子径が、2〜100 nmの範囲であることが好ましい。平均粒子径が前記下限値未満の場合、粉末中のセリアとジルコニアとの固溶が十分に進行せず、規則相が得られない可能性がある。他方、平均粒子径が前記上限値を超える場合、加圧成型時の一次粒子の接触状態が悪化して、還元処理時の粒成長が不十分になる可能性がある。それ故、前記範囲の平均粒子径を有するセリア−ジルコニア系固溶体粉末を得ることにより、所望の規則相を有するセリア−ジルコニア複合酸化物粉末を得ることができる。
セリア−ジルコニア系固溶体粉末を加圧成型するための方法としては、例えば、前記方法によって得られたセリア−ジルコニア系固溶体粉末を、400〜3500 kgf/cm2の範囲、好ましくは500〜3000 kgf/cm2の範囲の圧力で加圧成型する方法を挙げることができる。加圧成型時の圧力が前記下限値未満の場合、粉末の充填密度が十分に向上しないため、還元処理時における結晶成長が十分に促進されず、結果として得られるセリア−ジルコニア複合酸化物の高温環境に晒された後における酸素吸蔵能力が不十分になる可能性がある。他方、加圧成型時の圧力が前記上限値を超える場合、セリアの分相が進行しやすくなり、結果として得られるセリア−ジルコニア複合酸化物の高温環境に晒された後における酸素吸蔵能力が不十分になる可能性がある。それ故、前記範囲の圧力で加圧成型することにより、所望の規則相を有するセリア−ジルコニア複合酸化物粉末を得ることができる。
加圧成型されたセリア−ジルコニア系固溶体の成型体を還元条件下で加熱するための方法としては、例えば、還元条件下で、1450〜200℃の範囲、好ましくは1600〜1900℃の範囲の温度で、0.5〜24時間、好ましくは1〜10時間加熱する方法を挙げることができる。加熱温度が前記下限値未満の場合、規則相の安定性が低くなり、結果として得られるセリア−ジルコニア複合酸化物の高温環境に晒された後における酸素吸蔵能力が不十分になる可能性がある。他方、加熱温度が前記上限値を超える場合、還元処理に要するエネルギーと性能向上とのバランスが悪くなる可能性がある。また、加熱時間が前記下限値未満の場合、規則相の生成が不十分となる可能性がある。他方、加熱時間が前記上限値を超える場合、還元処理に要するエネルギーと性能向上とのバランスが悪くなる可能性がある。それ故、前記条件で加熱還元することにより、所望の規則相を有するセリア−ジルコニア複合酸化物粉末を得ることができる。
前記方法において、還元条件下での加熱処理の方法は特に限定されず、例えば、還元性ガス雰囲気下で加熱処理する方法を挙げることができる。還元性ガスとしては、例えば、CO、HC及びH2等のガスを挙げることができる。より高温で加熱還元処理する場合に、炭化ジルコニウム等の副生成物が形成されることを防止するため、炭素を含有しないガスを使用することが好ましい。このようなガスを使用することにより、結晶相の構造安定性を向上させることができる。
希土類元素担持工程において、セリア−ジルコニア複合酸化物粉末に少なくとも1種の希土類元素を担持させる方法は特に限定されず、当該技術分野で通常使用される公知の方法を適宜採用することができる。例えば、含浸担持法、イオン交換法、吸水担持法、ゾルゲル法及び沈殿担持法等の液相法、粉末混合法及び固相イオン交換法等の固相法、並びにCVD法等の気相法を挙げることができる。添加元素の原料を入手しやすいことから、含浸担持法、吸水担持法又はイオン交換法を用いることが好ましい。
本工程は、セリア−ジルコニア複合酸化物粉末の吸水量を予め測定し、所定量の少なくとも1種の希土類元素の塩、錯体、単体又は酸化物等を溶解させた原料溶液をセリア−ジルコニア複合酸化物粉末に吸水させる、吸水担持法を用いることが好ましい。このような方法により、一次粒子内部への原料溶液の拡散を防止して、結果として得られる少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子において、その表面から50 nm以内の表面近傍領域に、前記少なくとも1種の希土類元素の総量のうち90原子数%以上を含有させることができる。
焼成工程において、希土類元素が担持されたセリア−ジルコニア複合酸化物粉末を焼成する温度は、600〜1200℃の範囲であることが必要であり、800〜1100℃の範囲であることが好ましく、900〜1100℃の範囲であることがより好ましい。焼成温度が前記下限値未満の場合、担持された少なくとも1種の希土類元素が十分に反応しない可能性がある。他方、焼成温度が前記上限値を超える場合、CeO2-ZrO2のパイロクロア相構造が劣化する可能性がある。それ故、前記条件で焼成することにより、所望の規則相を有するセリア−ジルコニア複合酸化物粉末を得ることができる。
以上のように、本発明の排気ガス浄化用触媒に使用される少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、CeO2-ZrO2のパイロクロア相構造の相変態が抑制され、高温に対する耐熱性が向上し、結果として高温環境に晒された後においても十分に高い酸素吸蔵能力を発揮することができる。それ故、本材料を下層に含有することにより、本発明の排気ガス浄化用触媒は、長期に亘って高温条件下で使用した後でも、高い排気ガス浄化能力を発揮することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
<I. 触媒の作製>
[I-1. 比較例1の二層触媒の作製]
硝酸パラジウムを用いて、Pdを1質量%ランタンを添加したアルミナ(La-Al2O3)に担持したPd/Al2O3触媒層材料(材料1)を含浸法によって調製した。ビーカーに500 mlの蒸留水を注ぎ、撹拌子を投入した。この蒸留水に、3 gの硝酸パラジウム水溶液(濃度:8.2質量%)を加えた後、撹拌した。前記水溶液に、担体材料(La-Al2O3)を30 g秤量して加えた後、撹拌した。得られた混合物を撹拌しながら100℃で加熱し、水分を蒸発乾固させた。残留物を、乾燥機を用いて120℃で6時間乾燥させた。得られた乾燥物を、乳鉢及び乳棒を用いて粉砕し、粉末状にした。この粉末を、電気炉を用いて550℃で4時間焼成して、材料1を得た。
蒸留水に、所定量の材料1、セリア−ジルコニア複合酸化物(CeO2-ZrO2、ZC)、硫酸バリウム及びAl2O3系バインダーを加え、撹拌しながら懸濁して、スラリー1を得た。スラリー1を、セラミックハニカムテストピース基材(60H/3-9R-08、製造元:DENSO、容量:875 mL)に流し入れ、ブロアーで過剰分を吹き払って、基材内壁の表面にスラリー1をコーティングした。スラリー1は、基材にコーティングされた各材料が、基材の容量に対して、0.58 g/LのPd、65 g/LのLa-Al2O3、70 g/LのZC、5 g/Lの硫酸バリウムの量となるように調製した。基材にコーティングされた各材料の量は、100質量部のLa-Al2O3(下層の総質量に対して46.2質量%)に対し、0.89質量部のPd、108質量部のZC、7.7質量部の硫酸バリウムとなった。スラリー1でコーティングされた基材を、120℃に設定された乾燥機内で2時間静置して、スラリーの水分を蒸発させた。その後、基材を、500℃に設定された電気炉内で2時間静置して、基材及びコーティングを焼成した。これにより、下層触媒層(総被覆量:81 g;92.57 g/L基材)を調製した。下層触媒層は、基材の全長に対して、該基材の排気ガス流入側の端部から90%までの位置に亘ってコーティングされた。
前記材料1の調製と同様の手順で、硝酸ロジウムを用いて、Rhをアルミナ添加セリア−ジルコニア複合酸化物(AZC)に担持したRh/AZC触媒層材料(材料2)を含浸法によって調製した。
蒸留水に、所定量の材料2、La-Al2O3及びAl2O3系バインダーを加え、撹拌しながら懸濁して、スラリー2を得た。スラリー2を、下層触媒層が形成された基材に流し入れ、ブロアーで過剰分を吹き払って、下層触媒層の上面にスラリー2をコーティングした。スラリー2は、基材にコーティングされた各材料が、基材の容量に対して、0.2 g/LのRh、65 g/LのAZC、25 g/LのLa-Al2O3の量となるように調製した。基材にコーティングされた各材料の量は、100質量部のAZC(上層の総質量に対して72質量%)に対し、0.31質量部のRh、38.5質量部のLa-Al2O3となった。スラリー2でコーティングされた基材を、120℃に設定された乾燥機内で2時間静置して、スラリーの水分を蒸発させた。その後、基材を、500℃に設定された電気炉内で2時間静置して、基材及びコーティングを焼成した。これにより、上層触媒層(総被覆量:37 g;42 g/L基材)を調製した。上層触媒層は、基材の全長に対して、該基材の排気ガス流出側の端部から60%までの位置に亘ってコーティングされた。
[I-2. 実施例の二層触媒の作製]
〔I-2-1.パイロクロア相構造を有するセリア−ジルコニア複合酸化物の調製〕
(調製例1)
少なくとも1種の希土類元素としてLaを含有し特徴(i)〜(v)を満たすパイロクロア相構造を有するセリア−ジルコニア複合酸化物(La-パイロクロアZC)を、以下の手順で調製した。
セリウムとジルコニウムとの含有比率が、モル比([セリウム]:[ジルコニウム])で46:54であるセリア−ジルコニア系固溶体粉末を、以下の手順で調製した。CeO2換算で28質量%の硝酸セリウム水溶液452 gと、ZrO2換算で18質量%のオキシ硝酸ジルコニウム水溶液590 gと、含有されるセリウムの1.1倍モル量の過酸化水素を含む過酸化水素水200 gとを、中和当量に対して1.2倍当量のアンモニアを含有する水溶液321 gに添加して、共沈物を生成させた。得られた共沈物を、遠心分離した後、沈殿をイオン交換水で洗浄した。得られた共沈物を、大気中110℃で10時間以上乾燥した。乾燥した共沈物を、400℃で5時間大気中にて焼成して、セリウムとジルコニウムとの固溶体(セリア−ジルコニア系固溶体、又はCeO2-ZrO2固溶体)を得た。その後、前記固溶体を、粉砕機(ワンダーブレンダー、アズワン社製)を用いて、篩で粒径が75 μm以下となるように粉砕して、セリア−ジルコニア系固溶体粉末を得た。
得られたセリア−ジルコニア固溶体粉末20 gを、ポリエチレン製のバッグ(容量0.05 L)に詰め、内部を脱気した後、前記バッグの口を加熱してシールした。静水圧プレス装置(CK4-22-60、日機装社製)を用いて、前記バッグに対して冷間静水圧プレス(CIP)を2000 kgf/cm2の圧力(成型圧力)で1分間行って成型し、セリア−ジルコニア固溶体粉末の成型体を得た。成型体のサイズは、縦4 cm、横4 cm、平均厚み7 mm、重量約20 gとした。
得られた成型体(2枚)を、活性炭70 gを充填した紺蝸(内容積:直径8 cm、高さ7 cm)内に配置し、蓋をした後、高速昇温電気炉に入れた。この成型体を、昇温時間1時間で1000℃まで加熱した後、昇温時間4時間で1700℃まで加熱して5時間保持し、その後冷却時間4時間で1000℃まで冷却した後、自然放冷で室温まで冷却した。前記処理により、還元処理品を得た。
得られた還元処理品を、大気中、500℃の温度条件で5時間加熱して酸化し、複合酸化物におけるセリウムとジルコニウムとの含有比率がモル比([セリウム]:[ジルコニウム])で46:54であるセリア−ジルコニア複合酸化物を得た。得られたセリア−ジルコニア複合酸化物は、篩で75 μm以下に粉砕した。
得られたセリア−ジルコニア複合酸化物中のCe及びZrの総量に対して元素として0.25原子数%となるランタン(La)を含む硝酸ランタン水溶液を調製した。この硝酸ランタン水溶液に、前記で得られたセリア−ジルコニア複合酸化物10 gを投入した。この混合物を室温で1時間撹拌する吸水担持法によって、セリア−ジルコニア複合酸化物に所定量のLaを担持した。反応混合物を濾過してLa担持粉末を分離した。得られたLa担持粉末を、大気中110℃で12時間乾燥させた。
得られたLa担持セリア−ジルコニア複合酸化物を、大気中900℃で5時間焼成して、粒子状のLa担持セリア−ジルコニア複合酸化物を得た。
得られた粒子状のLa担持セリア−ジルコニア複合酸化物について、HR-TEM(高分解能透過型電子顕微鏡)を用いた粒子の構造及び形態の観察、EDX分析(エネルギー分散型X線検出装置)を用いた粒子の組成分析及び表面近傍領域の分析、並びに走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた一次粒子の平均粒子径の観察を行った。一次粒子の平均粒子径は、SEM観察により任意の50個の一次粒子の粒子径を測定し、その粒子径の平均値を算出することにより測定した。観察した一次粒子の断面が円形でない場合には、最小外接円の直径とした。その結果、La担持セリア−ジルコニア複合酸化物におけるLaの含有割合は、Ce及びZrの総量に対して元素として0.25原子数%であった。また、La担持セリア−ジルコニア複合酸化物に含まれるLaの全量のうち、該La担持セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の表面から50 nm以内の表面近傍領域に存在するものの割合は、100原子数%であった。また、得られたLa担持セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の平均粒子径は、3.0 μmであった。
(調製例2)
希土類元素担持工程において、セリア−ジルコニア複合酸化物中のCe及びZrの総量に対して元素として0.5原子数%となるランタン(La)を含む硝酸ランタン水溶液を調製して用いた以外は、調製例1と同様にして粒子状のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物を得た。
得られた粒子状のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、調製例1と同様にHR-TEM観察、EDX分析及びSEM観察を行った。その結果、La含有セリア−ジルコニア複合酸化物におけるLaの含有割合は、Ce及びZrの総量に対して元素として0.5原子数%であった。また、La担持セリア−ジルコニア複合酸化物に含まれるLaの全量のうち、該La担持セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の表面から50 nm以内の表面近傍領域に存在するものの割合は、100原子数%であった。また、得られたLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の平均粒子径は3.2 μmであった。
(調製例3)
希土類元素担持工程において、セリア−ジルコニア複合酸化物中のCe及びZrの総量に対して元素として0.5原子数%となるイットリウム(Y)を含む硝酸イットリウム水溶液を調製して用いた以外は、調製例1と同様にして粒子状のY含有セリア−ジルコニア複合酸化物を得た。
得られた粒子状のY含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、調製例1と同様にHR-TEM観察、EDX分析及びSEM観察を行った。その結果、Y含有セリア−ジルコニア複合酸化物におけるYの含有割合は、Ce及びZrの総量に対して元素として0.5原子数%であった。また、Y担持セリア−ジルコニア複合酸化物に含まれるYの全量のうち、該Y担持セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の表面から50 nm以内の表面近傍領域に存在するものの割合は、95原子数%であった。また、得られたY含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の平均粒子径は3.1 μmであった。
(調製例4)
希土類元素担持工程において、セリア−ジルコニア複合酸化物中のCe及びZrの総量に対して元素として0.5原子数%となるプラセオジム(Pr)を含む硝酸プラセオジム水溶液を調製して用いた以外は、調製例1と同様にして粒子状のPr含有セリア−ジルコニア複合酸化物を得た。
得られた粒子状のPr含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、調製例1と同様にHR-TEM観察、EDX分析及びSEM観察を行った。その結果、Pr含有セリア−ジルコニア複合酸化物におけるプラセオジム元素の含有割合は、Ce及びZrの総量に対して元素として0.5原子数%であった。また、Pr担持セリア−ジルコニア複合酸化物に含まれるPrの全量のうち、該Pr担持セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の表面から50 nm以内の表面近傍領域に存在するものの割合は、100原子数%であった。また、得られたLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の平均粒子径は3.3 μmであった。
(調製例5)
希土類元素担持工程において、セリア−ジルコニア複合酸化物中のCe及びZrの総量に対して元素として0.5原子数%となるランタン(La)を含む硝酸ランタン水溶液を調製して用い、焼成工程における焼成温度を1100℃とした以外は、調製例1と同様にして粒子状のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物を得た。
得られた粒子状のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、調製例1と同様にHR-TEM観察、EDX分析及びSEM観察を行った。その結果、La含有セリア−ジルコニア複合酸化物におけるLaの含有割合は、Ce及びZrの総量に対して元素として0.5原子数%であった。また、La担持セリア−ジルコニア複合酸化物に含まれるLaの全量のうち、該La担持セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の表面から50 nm以内の表面近傍領域に存在するものの割合は100原子数%であった。また、得られたLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の平均粒子径は3.4 μmであった。
(調製例6)
希土類元素担持工程において、セリア−ジルコニア複合酸化物中のCe及びZrの総量に対して元素として1.0原子数%となるランタン(La)を含む硝酸ランタン水溶液を調製して用いた以外は、調製例1と同様にして粒子状のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物を得た。
得られた粒子状のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、調製例1と同様にHR-TEM観察、EDX分析及びSEM観察を行った。その結果、La含有セリア−ジルコニア複合酸化物におけるLaの含有割合は、Ce及びZrの総量に対して元素として1.0原子数%であった。また、La担持セリア−ジルコニア複合酸化物に含まれるLaの全量のうち、該La担持セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の表面から50 nm以内の表面近傍領域に存在するものの割合は100原子数%であった。また、得られたLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の平均粒子径は3.3 μmであった。
(調製例7)
希土類元素担持工程において、セリア−ジルコニア複合酸化物中のCe及びZrの総量に対して元素として2.5原子数%となるランタン(La)を含む硝酸ランタン水溶液を調製して用いた以外は、調製例1と同様にして粒子状のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物を得た。
得られた粒子状のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、調製例1と同様にHR-TEM観察、EDX分析及びSEM観察を行った。その結果、La含有セリア−ジルコニア複合酸化物におけるLaの含有割合は、Ce及びZrの総量に対して元素として2.5原子数%であった。また、La担持セリア−ジルコニア複合酸化物に含まれるLaの全量のうち、該La担持セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の表面から50 nm以内の表面近傍領域に存在するものの割合は100原子数%であった。また、得られたLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の平均粒子径は3.6 μmであった。
(調製比較例1)
調製例1において得られたセリア−ジルコニア複合酸化物(ランタン担持及び焼成を行わないもの)を、比較用の粒子状のセリア−ジルコニア複合酸化物として準備した。
得られた比較用セリア−ジルコニア複合酸化物について、調製例1と同様にHR-TEM観察、EDX分析及びSEM観察を行った。その結果、調製比較例1のセリア−ジルコニア複合酸化物における希土類元素の含有割合は、Ce及びZrの総量に対して元素として0.0原子数%であった。また、得られた調製比較例1のセリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の平均粒子径は、3.2 μmであった。
(調製比較例2)
希土類元素担持工程において、セリア−ジルコニア複合酸化物中のCe及びZrの総量に対して元素として5.0原子数%となるランタン(La)を含む硝酸ランタン水溶液を調製して用いた以外は、調製例1と同様にして粒子状のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物を得た。
得られた粒子状のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、調製例1と同様にHR-TEM観察、EDX分析及びSEM観察を行った。その結果、La含有セリア−ジルコニア複合酸化物におけるLaの含有割合は、Ce及びZrの総量に対して元素として5.0原子数%であった。また、La担持セリア−ジルコニア複合酸化物に含まれるLaの全量のうち、該La担持セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の表面から50 nm以内の表面近傍領域に存在するものの割合は89原子数%であった。また、得られたLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の平均粒子径は3.5 μmであった。
(調製比較例3)
希土類元素(ランタン)担持工程において、ランタンの代わりに鉄を用い、セリア−ジルコニア複合酸化物中のCe及びZrの総量に対して元素として2.5原子数%となる鉄(Fe)を含む硝酸鉄水溶液を調製して用いた以外は、調製例1と同様にして粒子状のFe含有セリア−ジルコニア複合酸化物を得た。
得られた粒子状のFe含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、調製例1と同様にHR-TEM観察、EDX分析及びSEM観察を行った。その結果、Fe含有セリア−ジルコニア複合酸化物における鉄元素の含有割合は、Ce及びZrの総量に対して元素として2.5原子数%であった。また、Fe担持セリア−ジルコニア複合酸化物に含まれる鉄元素の全量のうち、該Fe担持セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の表面から50 nm以内の表面近傍領域に存在するものの割合は92原子数%であった。また、得られたFe含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子の平均粒子径は3.1 μmであった。
(耐久試験1)
調製例1〜7及び調製比較例1〜3のセリア−ジルコニア複合酸化物を、大気中1100℃、5時間の条件で熱処理し、高温耐久試験を行った。以下、本試験を「1100℃ air」とも記載する。
(耐久試験2)
調製例1〜7及び調製比較例1〜3のセリア−ジルコニア複合酸化物を、モデルガス流通下において、1050℃、5時間の条件で熱処理し、高温耐久試験を行った。以下、本試験を「1050℃ RL」とも記載する。なお、モデルガスの流通条件は、窒素中に8容量%のCOを含むリッチガス(R)と、窒素中に20容量%のO2を含むリーンガス(L)とを15分ごとに交互に供給する条件とした。
(X線回折(XRD)測定)
調製例1〜7及び調製比較例1〜3のセリア−ジルコニア複合酸化物において、耐久試験を行わなかったセリア−ジルコニア複合酸化物(Fresh)、耐久試験1後のセリア−ジルコニア複合酸化物(1100℃ air)、及び耐久試験2後のセリア−ジルコニア複合酸化物(1050℃ RL)を用い、各セリア−ジルコニア複合酸化物の結晶相をX線回折法により測定した。X線回折装置(RINT 2100、理学電機社製)を用いて、X線回折パターンを測定(条件:X線源:Cu-Kα線(λ=0.15418 nm)、管電圧:40 kV、管電流:30 mA)し、I(14/29)値及びI(28/29)値を求めた。得られた結果を、それぞれ表1に示す。
(酸素吸放出量の測定試験:OSC評価)
調製例1〜7及び調製比較例1〜3のセリア−ジルコニア複合酸化物において、耐久試験を行わなかったセリア−ジルコニア複合酸化物(Fresh)、耐久試験1後のセリア−ジルコニア複合酸化物(1100℃ air)、及び耐久試験2後のセリア−ジルコニア複合酸化物(1050℃ RL)を用い、各セリア−ジルコニア複合酸化物3 gと、Pd(0.25質量%)を担持したPd/Al2O3触媒1 gとを乳鉢で物理混合し、加圧成形及び粉砕して、直径0.5 mm〜1 mmのペレット状の排ガス浄化用触媒を得た。得られた触媒15 mgを秤量し、熱重量分析計により酸素吸放出量を測定した。なお、酸素吸放出量は、触媒中のCZ 1 g当りの400℃における酸素の吸放出量(O2-mg/CZ-g)を表す。酸素吸放出量は、前記触媒試料を熱重量分析計(TG、大倉理研社製)の試料セルに設置し、400℃の温度条件下において、触媒15 mgに対して200 ml/分の流量で、H2(10容量%)及びN2(90容量%)からなるガスと、空気(O2:21容量%、N2:78容量%)からなるガスを20分毎に交互に120分間流し、前記熱重量分析計を用いて可逆的重量変化から得た。評価には、酸素放出側(還元側)の値を用いた。この場合、放出酸素量の理論限界値は0.4 mgである。得られた結果を、それぞれ表1に示す。
(希土類元素含有又は非含有セリア−ジルコニア複合酸化物の特徴評価結果)
Figure 2016185531
調製例2の希土類元素含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、耐久試験1(1100℃ air)後のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子のEDX分析の結果を図2に、HR-TEM観察の結果を図3に、それぞれ示す。図2及び3から明らかなように、調製例2のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物は、粒子表面のCeO2-ZrO2パイロクロア構造からCeO2-ZrO2立方晶への変化が3〜7 nmの深さで発生していることが確認された。
調製例5の希土類元素含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、耐久試験1(1100℃ air)後のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子のEDX分析の結果を図4に、HR-TEM観察の結果を図5に、それぞれ示す。図4及び5から明らかなように、調製例5のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物は、粒子表面のCeO2-ZrO2パイロクロア構造からCeO2-ZrO2立方晶への変化が1〜3 nmの深さで発生していることが確認された。
調製例7の希土類元素含有セリア−ジルコニア複合酸化物について、耐久試験1(1100℃ air)後のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子のEDX分析の結果を図6に、HR-TEM観察の結果を図7に、それぞれ示す。図6及び7から明らかなように、調製例7のLa含有セリア−ジルコニア複合酸化物は、粒子表面のCeO2-ZrO2パイロクロア構造からCeO2-ZrO2立方晶への変化が1〜3 nmの深さで発生していることが確認された。
前記結果から、調製例1〜7において、少なくとも1種の希土類元素としてLa、Y又はPrを含有し特徴(i)〜(v)を満たすパイロクロア相構造を有するセリア−ジルコニア複合酸化物が得られたことが確認された。
調製比較例1のセリア−ジルコニア複合酸化物について、耐久試験1(1100℃ air)後のセリア−ジルコニア複合酸化物の一次粒子のEDX分析の結果を図8に、HR-TEM観察の結果を図9に、それぞれ示す。図8及び9から明らかなように、調製比較例1のセリア−ジルコニア複合酸化物は、粒子表面のCeO2-ZrO2パイロクロア構造からCeO2-ZrO2立方晶への変化が8〜10 nmの深さで発生していることが確認された。
〔I-2-2. 二層触媒の作製〕
比較例1の二層触媒の作製において、スラリー1の調製時に調製例4のPr-パイロクロアZC又は調製例1のLa-パイロクロアZCをさらに加える他は、比較例1と同様の手順で、実施例の二層触媒を作製した。実施例1、2及び3の二層触媒は、基材にコーティングされた下層触媒層のPr-パイロクロアZCが、基材の容量に対して、それぞれ5、10又は20 g/Lの量であり、下層触媒層の他の材料及び上層触媒層の全ての材料が、比較例1と同一の量となるように作製した。また、実施例4、5及び6の二層触媒は、基材にコーティングされた下層触媒層のLa-パイロクロアZCが、基材の容量に対して、それぞれ5、10又は20 g/Lの量であり、下層触媒層の他の材料及び上層触媒層の全ての材料が、比較例1と同一の量となるように作製した。実施例1、2及び3の二層触媒において、基材にコーティングされた下層触媒層のPr-パイロクロアZCの量は、100質量部のLa-Al2O3(下層の総質量に対して実施例1が45質量%、実施例2が43質量%、実施例3が40質量%)に対し、それぞれ0.077、15又は31質量部となった。また、実施例4、5及び6の二層触媒において、基材にコーティングされた下層触媒層のLa-パイロクロアZCの量は、100質量部のLa-Al2O3(下層の総質量に対して実施例4が45質量%、実施例5が43質量%、実施例6が40質量%)に対し、それぞれ0.077、15又は31質量部となった。
[I-3. 参考例の二層触媒の作製]
比較例1の二層触媒の作製において、スラリー1の調製時に、所定量のパイロクロア相構造を有するセリア−ジルコニア複合酸化物(パイロクロアZC)をさらに加える他は、比較例1と同様の手順で、参考例の二層触媒を作製した。参考例1、2及び3の二層触媒は、基材にコーティングされたパイロクロアZCが、基材の容量に対して、それぞれ5、10又は20 g/Lの量であり、下層触媒層の他の材料及び上層触媒層の全ての材料が、比較例1と同一の量となるように作製した。参考例1、2及び3の二層触媒において、基材にコーティングされた下層触媒層のパイロクロアZCの量は、100質量部のLa-Al2O3(下層の総質量に対して参考例1が45質量%、参考例2が43質量%、参考例3が40質量%)に対し、それぞれ0.077、15又は31質量部となった。
<II. 触媒の評価方法>
V型8気筒の4.3 Lガソリンエンジンを用いて、比較例1、実施例1〜3及び参考例1〜3の触媒の熱耐久処理を行った。スタートアップコンバータ(S/C)及び車体下部搭載コンバータ(UF/C)からなる排気ガス浄化用触媒システムにおいて、比較例1、実施例1〜6及び参考例1〜3の触媒のいずれかをS/C触媒に使用した。S/C床温を1000℃に設定した。1分間に、フィードバック、フューエルカット、リッチ及びリーンを含むサイクルを50時間実施した。A/F切り替え時のNOx排出量は、流入ガス雰囲気のA/Fが、サブO2センサによりリッチ及びリーン間で切り替わったと判定された時点のNOx排出量とした。また、定常リッチNOx浄化率は、流入ガス雰囲気のA/Fをリッチ状態で継続させた場合の浄化率とした。
<III. 触媒の評価結果>
比較例1、実施例1〜3及び参考例1〜3の触媒の熱耐久処理試験において、下層触媒層へのパイロクロアZCの添加量とA/F切り替え時のNOx排出量との関係を図10に示す。図中、黒塗り四角は、比較例1の試験結果を、黒塗り三角は、実施例1〜3の試験結果を、黒塗り菱形は、参考例1〜3の試験結果を、それぞれ示す。また、比較例1、実施例4〜6及び参考例1〜3の触媒の熱耐久処理試験において、下層触媒層へのパイロクロアZCの添加量とA/F切り替え時のNOx排出量との関係を図12に示す。図中、黒塗り四角は、比較例1の試験結果を、黒塗り三角は、実施例4〜6の試験結果を、黒塗り菱形は、参考例1〜3の試験結果を、それぞれ示す。図10及び12に示すように、実施例1〜3及び実施例4〜6の二層触媒は、比較例1の二層触媒と比較して、A/F切り替え時のNOx排出量が低下した。また、実施例1〜3及び実施例4〜6の二層触媒は、Pr又はLaを含有しない従来型のパイロクロアZCを下層触媒層に含有する参考例1〜3の二層触媒と比較しても、A/F切り替え時のNOx排出量が低下した。この結果から、本発明の二層触媒は、Pr又はLaを含有するパイロクロアZCを下層触媒層に含有することにより、長期に亘って高温条件下で使用した後でも、A/F切り替え時におけるNOx排出量を大幅に低減して、高い排気ガス浄化能力を発揮できることが明らかとなった。
比較例1及び実施例1〜3の触媒の熱耐久処理試験において、下層触媒層へのパイロクロアZCの添加量と定常リッチNOx浄化率との関係を図11に示す。図中、黒塗り四角は、比較例1の試験結果を、黒塗り三角は、実施例1〜3の試験結果を、それぞれ示す。また、比較例1、並びに実施例4及び5の触媒の熱耐久処理試験において、下層触媒層へのパイロクロアZCの添加量と定常リッチNOx浄化率との関係を図13に示す。図中、黒塗り四角は、比較例1の試験結果を、黒塗り菱形は、実施例4及び5の試験結果を、それぞれ示す。図11及び13に示すように、実施例1及び2、並びに実施例4及び5の二層触媒は、比較例1の二層触媒と比較して、定常リッチNOx浄化率が向上した。しかしながら、実施例3の二層触媒は、比較例1の二層触媒と比較して、定常リッチNOx浄化率がむしろ低下した。この結果から、本発明の二層触媒において、Pr又はLaを含有するパイロクロアZCの下層触媒層への添加量が多くなると、流入ガス雰囲気のA/Fをリッチ状態で継続させた場合のNOx浄化率が低下することが明らかとなった。図11及び13の結果より、Pr又はLaを含有するパイロクロアZCの下層触媒層への添加量の最適範囲は、基材の容量に対して、5〜15質量部であり、100質量部のLa-Al2O3に対し、7.7〜23質量部であることが明らかとなった。
1…本発明の排気ガス浄化用触媒
11…上層
12…下層
13…触媒層
14…基材

Claims (3)

  1. 上層及び下層からなり、
    前記上層は、アルミナ添加セリア−ジルコニア複合酸化物を含有する担体及び該担体に担持されたロジウムと、ランタン添加アルミナとを有し、
    前記下層は、ランタン添加アルミナを含有する担体及び該担体に担持されたパラジウムと、少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物と、さらなるセリア−ジルコニア複合酸化物と、硫酸バリウムとを有し、
    前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、2.2〜4.5 μmの範囲の平均粒子径を有する一次粒子の形態であり、
    前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、ランタン、イットリウム及びプラセオジムからなる群より選択される少なくとも1種の希土類元素を、セリア−ジルコニア複合酸化物中のセリウム及びジルコニウムの総量に対して0.1〜4.0原子数%含有し、
    前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物は、その一次粒子の表面から50 nm以内の表面近傍領域に、前記少なくとも1種の希土類元素の総量のうち90原子数%以上を含有し、
    前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物におけるセリウムとジルコニウムとの含有比率が、43:57〜48:52の範囲のモル比であり、且つ
    前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物を、大気中、1100℃の温度条件で5時間加熱後のX線回折測定により得られるCuKαを用いたX線回折パターンから求められる2θ=14.5°の回折線と2θ=29°の回折線との強度比{I(14/29)値}が0.02以上であり、且つ2θ=28.5°の回折線と2θ=29°の回折線との強度比{I(28/29)値}が0.08以下である、
    排気ガス浄化用触媒。
  2. 前記少なくとも1種の希土類元素を含有するセリア−ジルコニア複合酸化物の含有量が、100質量部の前記下層のランタン添加アルミナ担体に対し、7〜25質量部の範囲である、請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒。
  3. 前記上層及び下層が表面に配置された基材をさらに有し、前記上層が、基材の全長に対して、該基材の排気ガス流出側の端部から少なくとも60%までの位置に亘って配置されており、前記下層が、基材の全長に対して、該基材の排気ガス流入側の端部から少なくとも60%までの位置に亘って配置されている、請求項1又は2に記載の排気ガス浄化用触媒。
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