JP2016183997A - 現像ローラ、現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2には、型転写により形成された多数の凸部を有するゴム弾性層の、凸部の径、被覆層の厚み及び凸部の面積割合等を特定の条件に設定した現像ローラが記載されている。
一方、特許文献2に記載の現像ローラは、凸部の面積割合が型内面で30〜78%と多く、転写したローラ凸部周辺のトナーフィルミングが生じ易くなるという問題があった。さらには現像剤搬送量が多いため、白地汚れを発生することがあった。
(1)軸体と、前記軸体の外周に成形されたゴム弾性層と、前記ゴム弾性層の外周に形成された被覆層とを備えた現像ローラであって、
前記被覆層が、前記ゴム弾性層の表面形状により規則的に形成された多数の凸部を有し、被覆層の表面の13125μm2の領域に存在する前記凸部の数が20個以下であり、
前記被覆層の十点平均粗さRzが5.5μm以下である現像ローラ。
(2)前記凸部が、千鳥配列又は並列配列で規則的に配列され、前記軸体の軸線に対してバイアスを1°以上89°未満でつけてある(1)に記載の現像ローラ。
(3)前記凸部の規則的な配列が、現像ローラ上の位置を選択できる(1)又は(2)に記載の現像ローラ。
(4)前記被覆層の全面積SAに対する、前記凸部の表面積STの表面積比(ST/SA)が、0.05〜0.2の範囲内である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の現像ローラ。
(5)前記被覆層が、その表面に表層を有している(1)〜(4)のいずれか1項に記載の現像ローラ。
(6)前記表層が、Si元素及びフッ素元素の少なくとも1種を含有する(5)に記載の現像ローラ。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の現像ローラを備えた現像装置。
(8)上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の現像ローラを備えた画像形成装置。
本発明の現像ローラ及び現像装置は、画像形成装置が高濃度で高画質の画像を長期にわたって形成することに貢献できる。また、本発明の画像形成装置は、高濃度で高画質の画像を長期にわたって形成できる。
本発明の現像ローラの好ましい例である現像ローラ1は、図1に示されるように、棒状又は管状の軸体(図1において図示しない)と、軸体の外周に形成された管状のゴム弾性層(図1において図示しない)と、ゴム弾性層の外周に形成された被覆層4とを備えている。
軸体は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等で構成された所謂「芯金」であり、良好な導電特性を有している。軸体は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等の絶縁性芯体にメッキを施して導電化した軸体であってもよい。軸体は、金属で形成された、高伝導性であることが好ましい。
ゴム弾性層は、発泡ゴムからなる発泡層であってもよいが、厚み精度が優れる点で、中実な層であるのが好ましい。本発明において「中実」とは、内部に中空部が存在しない場合に加えて、例えば0.1個/mm2以下の中空部が存在する場合をも包含する。
ゴム弾性層の凸部を形成可能な成形金型については、後述する。
本発明における凸部の配列を、図2を参照して、説明する。図2には、本発明の現像ローラが有する凸部の配列の例を概略的に示す図であり、図2(a)には60°千鳥配列、図2(b)には45°千鳥配列、図2(c)には並列配列が、それぞれ、示されている。これらの配列は、いずれも、軸線センター(図2において横方向)に対するバイアス角度は0°とされている。
千鳥配列は、配列角度が軸センター(軸体の軸線)に対して1〜89°の角度で凸部4aが配列されたものを含み、好ましくは60°の角度aで凸部4aが配列した60°千鳥配列(図2(a)参照)、45°で凸部4aが配列した45°角千鳥配列(45°のバイアスをつけた並列配列と同義である。図2(b)参照)が挙げられる。なお、本発明において、配列角度aを特定する場合、配列角度aは正確な角度に加えて±1°の範囲を含む。例えば、60°千鳥配列は、配列角度aが60°±1°の範囲で凸部4aが配列された千鳥配列を含む。
また、螺旋状等のピッチ配列は、凸部の作成方法にもよるが、ロールの回転速度と送りピッチと凸作成部のインターバルにより規則的な配列となる。
ここで、凸部の配列にバイアスをつけるとは、凸部の配列における配列方向と、軸体の軸線とが平行ではなく、配列方向と軸線とが1〜89°の角度で交差する状態に設定することをいう。
凸部の配列における配列方向は、ゴム弾性層の表面を観察したときに見られる凸部の配列様式において、配列様式を形成する複数、通常2つの配列方向のうちいずれか一方の配列方向であればよい。このときの交差角(バイアス角度)は、例えば後述する顕微鏡等を用いた方法によって、観測することで、確認及び測定することができる。
例えば、現像ローラの両端部近傍に凸部を設けると、端部から現像剤が漏れ出すことがある。この現像剤漏れを防止するため、現像ローラの両端部に凸部を形成しないことができる。これにより、現像ローラの表面のうちトナーシールする範囲に、トナーシール部と現像ローラの隙間に現像剤が入り込むことを防止できる。このような凸部形成の位置選択性はエッチング工程のフォトマスク設計とフォトマスクセッティング工程で実施できる。
また、粒子解析ソフトにおいて2値化し、粒子カウント(凸部カウント)できることが条件である。この2値化により、凸部と平坦部との境界を確認できる。
凸部の形状は、特に限定されないが、円錐状(お椀状を含む)又は多角錐状であることが、画像処理で検出し易い点で、好ましい。
また、凸部の大きさは、後述する表面積比(ST/SA)が所定の範囲内となるのであれば特に限定されないが、例えば、1〜40μmが好ましく、1〜35μmがより好ましく、1〜30μmがさらに好ましい。
凸部の間隔(ピッチ)は、各配列様式を表す配列方向それぞれについて、同一でもよく、異なっていてもよい。この間隔は、後述する凸部数及び表面積比(ST’/SA’)を満たすものであれば特に限定されない。
凸部の大きさ(外径)は、それぞれ、後述する表面積比(ST/SA)が所定の範囲内となるのであれば特に限定されない。例えば、外径は、1〜40μmが好ましく、1〜35μmがより好ましく、1〜30μmがさらに好ましい。
凸部の高さは、後述する十点平均粗さRzが所定の範囲内となるのであれば特に限定されない。例えば、0.5〜5.5μmが好ましく、1〜5.5μmがより好ましく、2〜5.5μmがさらに好ましい。
凸部の間隔は、各配列様式を表す配列方向それぞれについて、同一でもよく、異なっていてもよい。この間隔は、後述する凸部数及び表面積比(ST/SA)を満たすものであれば特に限定されない。
被覆層4が有する凸部の数は、被覆層4における表面のうち13125μm2(140μm×93.75μm)の領域に存在する凸部の数(凸部数という)が20個以下となるように、設定される。上記領域内の凸部数が20個を超えると、凸部近傍にトナーフィルミングが発生しやすく、トナーフィルミングにより被覆層4に付着する現像剤量(フィルミング量という)が多くなる。トナーフィルミングの発生を長期わたって抑え、しかもフィルミング量も低減できる点で、凸部数は、20個未満であることが好ましい。凸部数の下限値は、凸部が存在する限り特に限定されないが、例えば、1個以上であることが好ましく、2個以上であることがより好ましく、3個以上であることがさらに好ましい。
すなわち、被覆層4の表面において、軸方向の中央約200mm以内の部分を観測対象(測定点は少なくとも3点)とし、そのうちの13125μm2(140μm×93.75μm)の領域を、レーザ顕微鏡:VK−8700により、倍率100倍にて、観察する。観測領域において、140μmの長さ方向を現像ローラ1の軸方向と平行な方向にセットし、93.75μmの長さ方向は現像ローラ1の円周方向と平行な方向にセットする。
このようにして観測した観測領域内に存在する凸部を画像処理にて計数する。各測定点で計数された凸部数を平均して、上記領域内の凸部数とする。
現像剤搬送性とトナーフィルミング及び白地汚れの防止とをさらに改善できる点で、表面積比(ST/SA)は、0.05〜0.18であることが好ましく、0.05〜0.15であることがより好ましい。
上記のように表面を観測して、観察領域の二次元画像を得る。この二次元画像を二値化(条件:オプションソフトにより二値化、照明、ピント及びしきい値はいずれも自動調整に設定。)する。観測領域の全ピクセル数を計数し、このピクセル数から合計面積SAを算出する。また、同様にして、凸部を示す領域のピクセル数から凸部の合計表面積STを算出する。表面積STを面積SAで除して、表面積比(ST/SA)を算出する。
十点平均粗さRzは、JIS B0601−1984に準じて、先端半径2μmの測定プローブを備えた表面粗さ計(商品名「590A」、東京精密社製)に、現像ローラ1をセットし、測定長2.4mm、カットオフ波長0.8mm、カットオフ種別ガウシアンにより、少なくとも3点を測定点として測定した値の平均値とする。測定位置は、被覆層4の、軸方向の中央約200mm以内の両端部及び中央部の少なくとも3点とする。
十点平均粗さRzは、微粒子の平均粒径又は含有量等により、上記範囲に設定できる。
例えば、本発明の現像ローラは、ゴム弾性層と被覆層とを備えていれば、他の構成は特に限定されない。例えば、本発明の現像ローラは、軸体とゴム弾性層の間又はゴム弾性層と被覆層との間に接着層又はプライマー層等の中間層を有していてもよい。また、後述するように、被覆層の表面に表層を有していてもよい。
このような表層は、所定の機能を有していればよく、好ましくは、Si元素及びフッ素元素の少なくとも1種を含有することが好ましい。
Si元素を含有する表層としては、例えば、Si元素を含有する材料で形成された表層が挙げられる。Si元素を含有する材料としては、例えば、シリコーングラフトポリマー含有ウレタン、アクリルシリコーン樹脂含有ウレタン、シリコーン系レベリング剤含有ウレタン、シリコーンオイル含有ウレタン、又は、シランカップリング剤が挙げられる。
フッ素元素を含有する表層としては、例えば、フッ素元素を含有する材料で形成された表層が挙げられる。フッ素元素を含有する材料としては、例えば、フッ素ポリオールとイソシアネートとのウレタン、フッ素系界面活性剤含有ウレタン、アクリルフッ素樹脂含有ウレタン、又は、PTFEビーズなどフッ素系微小ビーズ含有ウレタンが挙げられる。
Si元素及びフッ素元素を含有する表層としては、例えば、Si元素及びフッ素元素を含有する材料で形成された表層が挙げられる。Si元素及びフッ素元素を含有する材料としては、例えば、ウレタンにフッ素ポリオールと水酸基含有アクリルシリコーン樹脂のグラフト樹脂で形成された表層が挙げられる。
すなわち、現像ローラから表層を採取した試験片を、X線光電子分光法(ESCA)にて分析する。検出された元素の種類を分析する。
また、被覆層4の十点平均粗さRzは、エッチング時間により、上記所定の範囲に設定することができる。
ゴム弾性層を形成するゴム組成物は、特に限定されないが、上記した中でも、シリコーンゴム組成物が好ましく、オルガノポリシロキサン及び導電性付与剤を含有するシリコーンゴム組成物がさらに好ましい。
導電性付与剤は、導電性を有していれば特に限定されず、例えば、導電性カーボン、ゴム用カーボン類、金属、導電性ポリマー等の導電性粉末が挙げられる。
シリコーンゴム組成物は、各種の添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、鎖延長剤及び架橋剤等の助剤、触媒、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。
この付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物は、特開2008−058622号公報に記載の「付加硬化型ミラブル導電性シリコーンゴム組成物」を用いることができ、これに記載された内容は本明細書に組み込まれる。
この付加反応型発泡シリコーンゴム組成物は、特開2008−076751号公報に記載の「付加反応型発泡シリコーンゴム組成物」を用いることができ、これに記載された内容は本明細書に組み込まれる。
金型の内表面に凹部を形成する方法は、特に限定されないが、金型の内表面を、レジスト、フォトマスク露光、エッチング、レジスト剥離及びメッキの各工程で、エッチング場所の位置を決めながら、行う。
具体的には、狙いの表面粗さと工程、条件から仕様設定し、フォトマスクパターンを作製する(工程(1))。このとき、バイアスも考慮する。
次いで、パイプ内面にレジスト加工する(工程(2))。さらに、フォトマスクを金型となるパイプ内にセットする(工程(3))。このとき、継ぎ目は目立たないように処理する。その後、パイプ内側より、例えばファイバー式露光装置(形名:EXECURE 4000−D、HOYA CANDEO OPTRONICS社製)にて露光する(工程(4))。露光条件は適宜に設定できる。次いで、薬液により不要な部分をレジスト剥離し(工程(5))、エッチング液にて所定の時間エッチングする(工程(6))。剥離剤により金型に残っているレジストを剥離する(工程(7))。その後に、無電解メッキにてニッケルの厚みを所定の厚みに設定する(工程(8))。こうして、金型の内表面に凹部を形成することができる。
また、レジスト加工後、ダイレクトにファイバーレーザにて金型内部より螺旋状に等ピッチで照射し、エッチング・剥離工程後、無電解めっきを施し作成してもよい。
また、好ましくは、フォトマスクを、フォトマスクに形成されたドットの配列における長手方向が、軸に対して、より好ましくは1°以上89°度未満の交差角度でバイアスするように、セットする。又は、予めバイアスをつけた状態のフォトマスクを作製しておく。
樹脂組成物に含有される熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂は、特に限定されないが、耐摩耗性に優れるウレタン樹脂が好ましい。
被覆層4がウレタン樹脂で形成される場合、樹脂組成物は、ウレタン樹脂を形成する前駆体であるウレタン調製成分を含有する。このウレタン調製成分は、ウレタン樹脂を形成できればよく、例えば、ポリオールとイソシアネートとの混合物が挙げられる。ウレタン調製成分は、ポリエステルウレタン樹脂を形成できるものが好ましく、例えば、ポリエステルポリオールとイソシアネートとの混合物が挙げられる。
ポリエステルポリオールは、1種又は2種以上を使用できる。
ポリイソシアネートは、1種又は2種以上を使用できる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアナートメチル(NBDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
このようにして塗工された樹脂組成物を硬化する方法は、樹脂組成物の硬化等に必要な熱又は水分を加えられる方法であればよく、例えば、樹脂組成物が塗工されたゴム弾性層等を加熱器で加熱する方法、樹脂組成物が塗工されたゴム弾性層等を高湿度下に静置する方法等が挙げられる。加熱温度は、例えば、100〜200℃、特に120〜160℃、加熱時間は10〜120分間、特に30〜60分間であるのが好ましい。このようにして被覆層4を形成できる。
例えば、被覆層4を形成する樹脂組成物に上記材料を混合して、ゴム弾性層3の周囲に塗布、硬化(乾燥)することにより、被覆層4と表層とを形成することができる。
Si元素を含有する表層の形成方法:
Si元素を含有する材料は、アクリルシリコーン樹脂、シランカップリング剤、反応性シリコーンオイルやレベリング剤などシリコーン系塗料用添加剤を配合することによって表面を改質できる。例えば、ポリカーボネートジオールとアクリルシリコーンポリマーの混合品合計とポリイソシアネートとのモル比率(NCO/OH)が0.85〜1.1の場合もお互いの樹脂の相容性がよければ作業変更もなく上記同じ条件にて成形できる。
F元素を含有する表層の形成方法:
フッ素元素を含有する材料は、フッ素ポリオール、フッ素ゴム、PTEF、PFA、フッ素系レベリング剤、フッ素ポリオール、アクリルフッ素ポリマー、フッ素系界面活性剤などを配合することによって表面を改質できる。例えば、ポリカーボネートジオールとポリイソシアネートとのモル比率(NCO/OH)が0.85〜1.1の場合も添加剤としてお互いの樹脂の相容性がよければ作業変更もなく上記同じ条件にて成形できる。また、フッ素樹脂パウダーを混合してもよい。
Si元素及びF元素を含有する表層の形成条件:
フッ素系シリコーングラフト樹脂をイソシアネートとのモル比率(NCO/OH)が0.85〜1.1の場合もお互いの樹脂の相容性がよければ作業変更もなく上記同じ条件にて成形できる。また、Si元素を含有する材料の配合にフッ素系添加剤を相容性が良ければ混ぜてもよい。また、フッ素元素を含有する材料の配合にシリコーン系添加剤を混ぜてもよい。
このような現像ローラ1は、画像形成装置に装着されると、現像剤搬送性に優れるとともに画像形成装置でのトナーフィルミングの発生を抑えて、白地汚れも抑えることができる。その結果、画像形成装置が高濃度で高画質の画像を長期にわたって形成すること(耐久性の向上)に貢献できる。
画像形成装置10は、各色の現像ユニットB、C、M及びYに装備された複数の像担持体11B、11C、11M及び11Yを転写搬送ベルト6上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置であり、現像ユニットB、C、M及びYが転写搬送ベルト6上に直列に配置されている。現像ユニットBは、像担持体11B例えば感光体(感光ドラムとも称される。)と、帯電手段12B例えば帯電ローラと、露光手段13Bと、現像装置20Bと、転写搬送ベルト6を介して像担持体11Bに当接する転写手段14B例えば転写ローラと、クリーニング手段15Bとを備えている。
図1に示される現像ローラ1を以下のようにして製造した。得られた現像ローラ1について下記物性の測定及び性能の評価をした。
軸体(SUM23、直径8mm、長さ282mm)の表面をプライマーNo.4(信越化学工業製)を塗布し、150℃で30分乾燥させ、プライマー処理した。
<1>金型製造方法
金属棒から、ドリルとホーニング加工にて円筒状の金型中間製品を得た。
金型の内表面に凹部を形成する方法は、特に限定されないが、金型の内表面を、ポジ型液状レジストにてディップコーティングし、乾燥させた。予めパターンを作成したポジ型フォトマスクを円筒形状に繋ぎ、金型内側に密着させセットした。ファイバー式紫外線照射装置にて金型内より露光した。フォトマスクを取出し、アルカリにて露光部を洗浄した。エッチング液にディップさせ、40秒後引き揚げた。残っているレジスト膜を剥離剤にて剥離した。無電解めっき工程で内側に厚み5μmのニッケルメッキを作成した。
<2>金型の凹部プロファイル確認方法及び結果
金型の内表面に形成される凹部の配列、形状、大きさ(外径及び深さ)、間隔、表面積比(ST/SA)及び十点平均粗さは、次のようにして、設定した。
ターゲットの表面積比(ST/SA)から、大きさ、間隔、配列を設計し、バイアス角45°をつけて、Φ40μmでピッチ82μmの並列配列のフォトマスクを作製した。金型内面にレジストを均一に塗布、乾燥後、フォトマスクを金型内面に密着させ露光した。レジスト洗浄後、エッチング時間にて深さ15μmに調整し、十点平均粗さRzを設定した。さらに、離型性向上のためニッケルメッキ5μmを施した。
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(D)(重合度300)100質量部、BET比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル社製、R−972)1質量部、平均粒径6μm、嵩密度が0.25g/cm3である珪藻土(F)(オプライトW−3005S、北秋珪藻土社製)40質量部、及び、アセチレンブラック(G)(デンカブラックHS−100、電気化学工業社製)5質量部をプラネタリーミキサーに入れ、30分撹拌した後、3本ロールに1回通した。これを再度プラネタリーミキサーに戻し、架橋剤として、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(E)(重合度17、Si−H量0.0060mol/g)2.1質量部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1質量部、及び、白金触媒(H)(Pt濃度1%)0.1部を添加し、15分撹拌して混練して、付加硬化型液状導電性シリコーンゴム組成物を調整した。
軸体と、上記シリコーンゴム組成物とを、上記金型製造方法で作製した金型を用いて、一体成形し軸体の外周にゴム弾性層を形成した。
<4>ゴム弾性層の凸部プロファイル確認方法及び結果
ゴム弾性層の表面をレーザ顕微鏡VK−8700で確認したところ、凸部(ドーム状)の配列様式は並列配列であり、軸線に対するバイアスは45°であった。その凸部の数は3個であり、軸方向のピッチは81μmであった。凸部の外径φ30μm、十点平均粗さRz=4.6μmであった。粒子解析ソフト(2値化ソフト)にて面積比を計算したところ、表面積比は0.11であった。
・ウレタン調製成分のポリオール:カーボネートジオール(水酸基価=56、商品名:プラクセルCD220、ダイセル社製)100部、
・ウレタン調製成分のポリイソシアネート:ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−B80E」、旭化成社製)36質量部
・カーボンブラック:(商品名「トーカブラック#5500」、東海カーボン社製)16.2質量部(ウレタン調製成分100質量部に対して11.9質量部)
・ジブチル錫ジウラウレート(商品名「ジ−n−ブチルすずジウラウレート」、昭和化学社製)0.03質量部
被覆層4の表面をレーザ顕微鏡VK−8700で確認したところ、凸部(ドーム状)の配列様式は並列配列であり、軸線に対するバイアスは45°であった。その凸部の数は3個であり、軸方向のピッチは82μmであった。凸部の外径φ31μm、十点平均粗さRz=4.6μmであった。粒子解析ソフト(2値化ソフト)にて面積比を計算したところ、表面積比(ST/SA)は0.105であった。
実施例1において、カーボネートジオールを商品名:プラクセル220EC(ダイセル社製)に変更し、モディパーF206(商品名、日油社製、フッ素元素を含有する材料)1部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、現像ローラ1を製造した。
得られた現像ローラは、フッ素元素を含有する材料が被覆層の表面に移行して、被覆層とは異なる表層を形成していた。
実施例1において、カーボネートジオールをプラクセル220EC(商品名、ダイセル社製)に変更し、カーボネートジオールの5部をシリコーングラフトポリマー(商品名:サイマックUS−270、東亜合成社製、Si元素を含有する材料)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、現像ローラ1を製造した。
得られた現像ローラは、Si元素を含有する材料が被覆層の表面に移行して、被覆層とは異なる表層を形成していた。
実施例1において、カーボネートジオールを(商品名:プラクセル220EC(株)ダイセル)に変更し、カーボネートジオールの5部をシリコーングラフトフッ素ポリマーXZ−007−C(商品名、T&K TOKA社製、Si元素及びフッ素元素を含有する材料)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして、現像ローラ1を製造した。
得られた現像ローラは、Si元素及びフッ素元素を含有する材料が被覆層の表面に移行して、被覆層とは異なる表層を形成していた。
被覆層を、バイアス角度1°、凸部の外径φ30μmでピッチ65μmの60°千鳥配列に変更したこと以外は実施例2と同様にして、現像ローラ1を製造した。得られた現像ローラは、表面積比(ST/SA)0.193、粒子個数5個、表面粗さRz5.3μmであった。
螺旋状ピッチ配列を作成した。金型を回転させる冶具と上下移動が可能なファイバー式レーザ装置とレーザ光を90°向きを変えるミラーと焦点調整用レンズを備えた装置にレジスト加工後の金型をセットし、長手方向の送りピッチを0.08mm、回転数400rpm、レーザ発信周波数250Khz、焦点サイズφ34μmにてレジストにパターン付を行った。レジスト剥離し、2μmのめっき後、金型を得た。この金型でゴム弾性体を成形し、実施例3と同様の塗料にて表面に塗装したところ、ドットの面積比率が12.7%の螺旋状ローラが得られた。この螺旋状ローラにおいて、凸部の外径φ30μm、ピッチ80μ、表面積比(ST/SA)0.127、粒子数3個、表面粗さRz5.0μmであった。
被覆層を、バイアス角度1°、凸部の外径φ30μmでピッチ62μmの60°千鳥配列に変更したこと以外は実施例2と同様にして、現像ローラを製造した。得られた現像ローラは、表面積比(ST/SA)0.212、粒子個数6個、表面粗さRz6.3μであった。
被覆層を、鳥バイアス角度1°、凸部の外径φ12μmでピッチ27μmの60°千鳥配列に変更したこと以外は実施例2と同様にして、現像ローラを製造した。得られた現像ローラは、表面積比(ST/SA)0.145、粒子個数21個、表面粗さ3.3μmであった。
製造した各現像ローラにおいて、10〜20倍ルーペで観察することができた。被覆層4の表面に存在する凸部はゴム弾性層の凸部により形成され、しかも多数の凸部が特定の配列で形成されていたことを確認した。
製造した各現像ローラにおいて、被覆層に存在する凸部数、及び、表面積比(ST/SA)を、上記方法により、それぞれ測定した。結果(百分率)を表1に示す。
製造した各現像ローラにおいて、被覆層の十点平均粗さRzを、上記方法により、測定した。結果を表1に示す。
製造した各現像ローラについて、以下のようにして、印字濃度及びフィルミング量を測定した。結果を表1に示す。
用いた画像形成装置は、型番:C610dn2(沖データ社製)であった。この画像形成装置の現像ローラとして、製造した各現像ローラを現像装置内に装着した。次いで、23℃55%の条件で、ベタ画像を形成し、印字評価を確認した。2000枚印刷後のフィルミング状況と、画像品質(ベタ印字の初期印字形成部分と終期印字形成部分との濃度段差率)を評価した。濃度測定にはX−Rite社製のX−Rite500分光濃度計を使用した。
○:濃度段差率が96〜100%であった場合
△:濃度段差率が92〜95%であった場合
×:濃度段差率が91%以下であった場合
フィルミング量は、転写した現像剤の質量で下記基準により評価した。本試験において、フィルミング量は0.002mg以下が合格である。
実施例1〜6の現像ローラは、いずれも、本発明の凸部数及び十点平均粗さRzを満たしていた。これらの現像ローラは、印字濃度(現像剤搬送性)に優れるとともに、トナーフィルミングを抑えることができた。また、十点平均粗さRz等が上記範囲にあるため白地汚れも防止できた。
また、実施例2〜4に示されているように、現像ローラが、被覆層の表面に表層を備えていると、フィルミングの安定性が増した。
一方、比較例1は、十点平均粗さRzが大きく、フィルミング量が増え、印字濃度も実施例より劣る結果となった。比較例2は、凸部数が大きく、印字濃度が満足できるものではなかった。また、フィルミング量を抑えることができなかった。
4 被覆層
4a 凸部
6 転写搬送ベルト
10 画像形成装置
11B、11C、11M、11Y 像担持体
12B、12C、12M、12Y 帯電手段
13B、13C、13M、13Y 露光手段
14B、14C、14M、14Y 転写手段
15B、15C、15M、15Y クリーニング手段
16 記録体
20 現像装置
21B、21C、21M、21Y、34 筐体
22B、22C、22M、22Y 現像剤
23B、23C、23M、23Y 現像剤担持体
24B、24C、24M、24Y 現像剤規制部材
30 定着手段
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
33 無端ベルト支持ローラ
35 開口部
36 無端ベルト
41 カセット
42 支持ローラ
B、C、M、Y 現像ユニット
Claims (8)
- 軸体と、前記軸体の外周に成形されたゴム弾性層と、前記ゴム弾性層の外周に形成された被覆層とを備えた現像ローラであって、
前記被覆層が、前記ゴム弾性層の表面形状により規則的に形成された多数の凸部を有し、前記被覆層の表面の13125μm2の領域に存在する前記凸部の数が20個以下であり、
前記被覆層の十点平均粗さRzが5.5μm以下である現像ローラ。 - 前記凸部が、千鳥配列又は並列配列で規則的に配列され、前記軸体の軸線に対してバイアスを1°以上89°未満でつけてある請求項1に記載の現像ローラ。
- 前記凸部の規則的な配列が、現像ローラ上の位置を選択できる請求項1又は2に記載の現像ローラ。
- 前記被覆層の全面積SAに対する、前記凸部の表面積STの表面積比(ST/SA)が、0.05〜0.2の範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像ローラ。
- 前記被覆層が、その表面に表層を有している請求項1〜4のいずれか1項に記載の現像ローラ。
- 前記表層が、Si元素及びフッ素元素の少なくとも1種を含有する請求項5に記載の現像ローラ。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の現像ローラを備えた現像装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の現像ローラを備えた画像形成装置。
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