JP2016183304A - アクリル系粘着テープの製造方法及びアクリル系粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】アクリル系粘着層の重量平均分子量の低下を抑制する。
【解決手段】アクリル系粘着テープの製造方法は、アクリル系モノマーと光重合開始剤とを含有する光重合性モノマー組成物からアクリル系ポリマーAを生成し、アクリル系ポリマーAと未反応アクリル系モノマーとを含有するポリマーシロップを調製する工程(a)と、アクリル系モノマーと光重合開始剤とチオール系連鎖移動剤とを含有する粘着性付与ポリマー形成用組成物から生成した粘着性付与ポリマーと、エポキシ基及びイソシアネート基の少なくとも一方を含有する単官能アクリル系モノマーと、ポリマーシロップとを混合して、粘着剤塗工液を調製する工程(b)と、粘着剤塗工液を剥離フィルム基材に塗布して粘着剤塗布膜を形成する工程(c)と、粘着剤塗布膜に活性エネルギー線を照射し、粘着剤塗布膜中の未反応アクリルモノマーからアクリル系ポリマーBを生成し、アクリル系粘着層を形成する工程(d)とを有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線照射により硬化したアクリル系粘着層を有するアクリル系粘着テープの製造方法及びアクリル系粘着テープに関する。
自動車、電気製品、建築物等において、構造材同士の接合、又は構造材への部品の接合の際に、紫外線照射により硬化したアクリル系粘着層を有するアクリル系粘着テープが広く使用されている。
アクリル系粘着テープの製造方法として、例えば、重量平均分子量が700000〜3000000となるアクリル系ポリマーと未反応アクリル系モノマーとを含有するポリマーシロップを調製する工程と、ポリマーシロップに重量平均分子量2000〜10000の粘着性付与ポリマーを混合して粘着剤塗工液を調製する工程と、粘着剤塗工液を剥離フィルム基材に塗布して粘着剤塗布膜を形成する工程と、粘着剤塗布膜に紫外線を照射し、粘着剤塗布膜中の未反応アクリルモノマーから、光重合により、重量平均分子量が350000〜650000となるアクリル系ポリマーを生成させることによりアクリル系粘着層を形成する工程とを有する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2012−102317号公報
粘着性付与ポリマー形成用の組成物には、通常、連鎖移動剤が用いられる。粘着性付与ポリマーを調製した際、未反応の連鎖移動剤は、粘着性付与ポリマー中に反応残渣として残留する。このような反応残渣を含有する粘着性付与ポリマーを用いた粘着剤塗布膜に、活性エネルギー線(例えば紫外線)を照射して光重合を行うと、アクリル系粘着層の重量平均分子量が低下してしまう傾向にあることが分かった。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、アクリル系粘着層の重量平均分子量の低下を抑制できるアクリル系粘着テープの製造方法及びアクリル系粘着テープを提供する。
本願発明者が鋭意検討の結果、エポキシ基及びイソシアネート基の少なくとも一方を含有する単官能アクリル系モノマー(以下、特定単官能アクリル系モノマーともいう。)を、粘着性付与ポリマーと混合することにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明に係るアクリル系粘着テープの製造方法は、アクリル系モノマーと光重合開始剤とを含有する光重合性モノマー組成物からアクリル系ポリマーAを生成し、アクリル系ポリマーAと未反応アクリル系モノマーとを含有するポリマーシロップを調製する工程(a)と、アクリル系モノマーと光重合開始剤とチオール系連鎖移動剤とを含有する粘着性付与ポリマー形成用組成物から生成した粘着性付与ポリマーと、エポキシ基及びイソシアネート基の少なくとも一方を含有する単官能アクリル系モノマーと、ポリマーシロップとを混合して、粘着剤塗工液を調製する工程(b)と、粘着剤塗工液を剥離フィルム基材に塗布して粘着剤塗布膜を形成する工程(c)と、粘着剤塗布膜に活性エネルギー線を照射し、粘着剤塗布膜中の未反応アクリルモノマーからアクリル系ポリマーBを生成し、アクリル系粘着層を形成する工程(d)とを有する。
また、本発明に係るアクリル系粘着テープは、上記アクリル系粘着テープの製造方法により得られたものである。
本発明は、特定単官能アクリル系モノマーを、粘着性付与ポリマーと混合することにより、粘着性付与ポリマー中のチオール系連鎖移動剤の反応残渣が失活するため、アクリル系粘着層の重量平均分子量が低下するのを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、下記順序にて詳細に説明する。
1.アクリル系粘着テープの製造方法
2.アクリル系粘着テープ
3.実施例
<1.アクリル系粘着テープの製造方法>
以下、本実施の形態に係るアクリル系粘着テープの製造方法について、工程毎に詳細に説明する。
[工程(a)]
工程(a)において、アクリル系モノマーと光重合開始剤とを含有する光重合性モノマー組成物からアクリル系ポリマーAを生成する。これにより、アクリル系ポリマーAと未反応アクリル系モノマーとを含有するポリマーシロップを調製する。
光重合性モノマー組成物に用いるアクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリレート((メタ)アクリル酸エステル)と、(メタ)アクリル酸とが挙げられる。(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートとを包含する。また、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸とを包含する。
(メタ)アクリレートは、単官能であってもよいし、多官能であってもよい。(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−又はiso−プロピル(メタ)アクリレート、n−、iso−又はtert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸直鎖又は分岐アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;アリル(メタ)アクリレート等のアルケニル(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアリールオキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリレートは、ヒドロキシル基、アルコキシル基等で置換されていてもよい。(メタ)アクリレートは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、アクリル系モノマーとしては、単官能のアルキル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸と、多官能のアルキル(メタ)アクリレートとを併用することが好ましい。具体的には、2−エチルヘキシルアクリレートと、アクリル酸と、二官能のアクリレートとを併用することが好ましい。二官能のアクリレートは、例えば、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(CH=CHCO−(OCHCHOCOCH=CH;n=3〜23)、ポリプロピレングリコールジアクリレート(CH=CHCO−(OC−OCOCH=CH;n=3〜12)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、ビスフェノールFエチレンオキサイド変性ジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート等が挙げられる。例えば、アクリル酸の配合量は、2−エチルヘキシルアクリレート100質量部に対し、1〜20質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましい。また、二官能のアクリレートの配合量は、2−エチルヘキシルアクリレート100質量部に対し、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜1質量部がより好ましい。
光重合性モノマー組成物に用いる光重合開始剤としては、一般的なラジカル型光重合開始剤やカチオン型光重合開始剤が挙げられる。例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン[DC(ダロキュア)2959、BASF社製]、α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチルアセトフェノン[DC1173、BASF社製]、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン[IRG(イルガキュア)651、BASF社製]、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン[IRG−184、BASF社製]などのアセトフェノン系光重合開始剤;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系光重合開始剤;その他のハロゲン化ケトン、アシルフォスフィノキシド(例えば、ビス(2,4,6―トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド[IRG819、BASF社製])、アシルフォスファナートなどの光重合開始剤を挙げることができる。
光重合開始剤の配合量は、アクリル系モノマーの合計100質量部に対し、0.005〜0.5質量部が好ましく、0.01〜0.3質量部がより好ましい。このような範囲にすることにより、重合反応をより良好に進行させるとともに、アクリル系ポリマーAの重量平均分子量が小さくなりすぎないようにすることができる。光重合開始剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その合計量が上記範囲を満たすことが好ましい。
光重合性モノマー組成物は、必要に応じて、アクリル系モノマー及び光重合開始剤以外の他の成分を含有していても良い。
アクリル系ポリマーAは、光重合性モノマー組成物に活性エネルギー線を照射し、アクリル系モノマーから光重合により生成することが好ましい。
光重合反応は、窒素やアルゴンガス気流中などの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。光重合反応時の温度は、25〜130℃が好ましく、25〜85℃がより好ましく、40〜120℃がさらに好ましい。このような範囲にすることにより、反応速度をより適切な範囲にすると共に、副反応の発生をより効果的に抑制することができる。
活性エネルギー線は、紫外線であることが好ましい。紫外線の波長は、通常の光重合時に使用されている光源(捕虫用ランプ、高圧水銀灯、ブラックライト等)からの250〜400nmの光を使用することが好ましい。
紫外線の出力は、1〜120mW/cmが好ましい。このような範囲にすることにより、反応速度をより適切な範囲にすると共に、副反応の発生をより効果的に抑制することができる。
紫外線照射は、ポリマーシロップをより適度な固形分、粘度、分子量に調整するために断続的に行うことが好ましい。紫外線照射時間は、5〜60秒が好ましい。このような範囲にすることにより、反応の進行が不十分になること、及び加速度的に反応が進んでしまうことをより効果的に防止することができる。また、紫外線照射は、所定の間隔(20〜60秒のアイドリング時間)を置いて5〜250回程度行うことが好ましく、5〜40回程度行うことがより好ましい。紫外線照射を連続的ではなく、断続的に行うことにより、重合反応温度の過度の上昇をより効果的に防止することができる。また、アイドリング時間を20〜60秒とすることにより、重合反応温度の過度の上昇をより効果的に防止するとともに、重合反応温度をより適切な範囲に維持することができる。更に、照射回数を5〜250回程度とすることにより、適度な固形分、粘度、分子量のポリマーシロップをより効率的に得ることができる。
ポリマーシロップが含有するアクリル系ポリマーAは、重量平均分子量の下限値が600000以上であることが好ましく、700000以上であることがより好ましく、750000以上であることがさらに好ましい。またアクリル系ポリマーAの重量平均分子量の上限値は、3000000以下が好ましく、2000000以下がより好ましく、1000000以下がさらに好ましい。
アクリル系ポリマーAの分子量分布は、2.2〜5.6であることが好ましい。
ポリマーシロップの粘度(25℃)は、200〜5000cpsが好ましく、500〜5000cpsがより好ましく、800〜2000cpsがさらに好ましい。ポリマーシロップの粘度は、B型粘度計(ローターNo.2)を用いて、25℃で測定した値をいう。粘度が低くなりすぎないようにすることにより、後述する工程(d)において粘着剤塗布膜の厚みをより適切な範囲にすることができる。また、粘度が高くなりすぎないようにすることにより、酸素の影響による反応阻害をより効果的に防止することができる。
ポリマーシロップ中のアクリル系ポリマーAと未反応アクリル系モノマーとの存在割合は、ポリマーシロップを調製するための光重合性モノマー組成物の重合率という観点に置き換えることができる。光重合性モノマー組成物の重合率は、1〜20%が好ましく、2〜15%がより好ましく、10〜15%がさらに好ましい。このような範囲にすることにより、後述する工程(d)で生成するアクリル系ポリマーBが減少しすぎないようにすることができる。
光重合性モノマー組成物の重合率は、次のようにして算出した値をいう。即ち、ポリマーシロップを0.5g秤量し、秤量したポリマーシロップを660Paに減圧した容器に投入し、120℃で2時間放置して揮発分を揮発させ、再度精秤して重量減少量を求める。この重量減少量を残存モノマー、オリゴマーとして次式により重合率を求める。
重合率(%)=[1−(ポリマーシロップの重量減少量/揮発処理前のポリマーシロップ重量)]×100
[工程(b)]
工程(b)において、粘着性付与ポリマーと、特定単官能アクリル系モノマーと、ポリマーシロップとを混合して、粘着剤塗工液を調製する。
粘着性付与ポリマーは、アクリル系モノマーと光重合開始剤とチオール系連鎖移動剤とを含有する粘着性付与ポリマー形成用組成物に、活性エネルギー線を照射し、光重合により得ることが好ましい。アクリル系の粘着性付与ポリマーを用いることにより、上述したアクリル系ポリマーA、及び後述する工程(d)で得られるアクリル系ポリマーBに対する相溶性を良好にすることができる。
活性エネルギー線は、紫外線であることが好ましい。粘着性付与ポリマーを調製する際の紫外線照射は、上述した工程(a)における紫外線照射の条件と同一であってもよいし、異なっていてもよい。本工程における紫外線照射は、上述した工程(a)と同様の条件で行うことが好ましい。
粘着性付与ポリマー形成用組成物に用いるアクリル系モノマーは、上述した光重合性モノマー組成物で説明したアクリル系モノマーを用いることができ、単官能のシクロアルキル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸とを併用することが好ましい。具体的には、シクロヘキシル(メタ)アクリレートと、アクリル酸とを併用することが好ましい。アクリル系モノマーは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
粘着性付与ポリマー形成用組成物に用いる光重合開始剤は、上述した光重合性モノマー組成物で説明した光重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤の配合量は、粘着性付与ポリマー形成用組成物中のアクリル系モノマーの合計100質量部に対し、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。光重合開始剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その合計量が上記範囲を満たすことが好ましい。
粘着性付与ポリマー形成用組成物に用いるチオール系連鎖移動剤は、チオール基を含有する連鎖移動剤である。チオール系連鎖移動剤としては、例えば、β−メルカプトプロピオン酸、メチル−3−メルカプトプロピオネート、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート、n−オクチルー3−メルカプトプロピオネート、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリスー[(3−メルカプトプロピオニルオキシーエチル)]−イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。これらの中でも、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネートが好ましい。
チオール系連鎖移動剤の配合量は、粘着性付与ポリマー形成用組成物中のアクリル系モノマーの合計100質量部に対し、1〜15質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましい。チオール系連鎖移動剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その合計量が上記範囲を満たすことが好ましい。
粘着性付与ポリマー形成用組成物は、必要に応じて、アクリル系モノマー、光重合開始剤及びチオール系連鎖移動剤以外の他の成分を含有していても良い。
粘着性付与ポリマーの重量平均分子量の下限値は、2000以上が好ましく、3000以上がより好ましく、4000以上がさらに好ましい。また、粘着性付与ポリマーの重量平均分子量の上限値は、8000以下が好ましく、7000以下がより好ましく、6000以下がさらに好ましく、5500以下が特に好ましい。このような範囲にすることにより、粘着性付与ポリマーとポリマーシロップとを容易に混合することができる。
特定単官能アクリル系モノマーは、工程(b)において粘着性付与ポリマーと混合することにより、粘着性付与ポリマー中に残留するチオール系連鎖移動剤の反応残渣と速やかに反応し、この反応残渣を失活させることができる。これにより、工程(d)において粘着剤塗布膜中の未反応アクリルモノマーからアクリル系ポリマーBを生成した場合、アクリル系粘着層の重量平均分子量が低下することを抑制することができる。
ここで、特定単官能アクリル系モノマーを、上述した工程(a)において光重合性モノマーと混合した場合、特定単官能アクリル系モノマーが光重合性モノマー中のアクリル系モノマーと反応してしまう。そのため、粘着性付与ポリマー中に残留するチオール系連鎖移動剤の反応残渣を失活させることが困難となり、工程(d)において得られるアクリル系粘着層の重量平均分子量が低下するのを抑制することができなくなってしまう。
粘着性塗工液の調製方法は、粘着性付与ポリマー中に残留するチオール系連鎖移動剤の反応残渣を失活させることができる方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、粘着性付与ポリマーと、特定単官能アクリル系モノマーと、ポリマーシロップとを一度に混合する方法が挙げられる。また、粘着性付与ポリマーと特定単官能アクリル系モノマーとを予め混合し、この混合物にポリマーシロップを混合してもよい。また、粘着剤付与ポリマーとポリマーシロップとを予め混合し、この混合物に特定単官能アクリル系モノマーを混合してもよい。特に、粘着性付与ポリマー中に残留するチオール系連鎖移動剤の反応残渣をより効果的に失活させる観点から、ポリマーシロップに、粘着性付与ポリマーと特定単官能アクリル系モノマーとを一緒に混合する方法が好ましい。
特定単官能アクリル系モノマーは、エポキシ基及びイソシアネート基の少なくとも一方を含有している単官能アクリル系モノマーであれば、特に限定されるものではない。
エポキシ基を含有する単官能アクリル系モノマーの具体例としては、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、ビスフェノールA−モノグリシジルエーテルメタクリレート等が挙げられる。これらの中でも、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルが好ましい。
イソシアネート基を含有する単官能アクリル系モノマーの具体例としては、2−イソシアネートエチルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、2−イソシアネートエチルメタクリレートが好ましい。
特定単官能アクリル系モノマーの分子量は、80〜300が好ましく、100〜250がより好ましい。
粘着剤塗工液中の特定単官能アクリル系モノマーの配合量は、粘着性付与ポリマー100質量部に対して5質量部以上であることが好ましく、8質量部以上であることがより好ましい。配合量の上限値は、粘着性付与ポリマー100質量部に対して30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下がさらに好ましい。このような範囲にすることにより、工程(d)において得られるアクリル系粘着層の重量平均分子量が低下してしまうことを、より効果的に抑制することができる。特定単官能アクリル系モノマーは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合、その合計量が上記範囲を満たすことが好ましい。
粘着剤塗工液の粘度(25℃)は、200〜5000cpsが好ましく、800〜2000cpsがより好ましい。粘着剤塗工液の粘度は、B型粘度計(ローターNo.2)を用いて、25℃で測定した値をいう。粘度が低くなりすぎないようにすることにより、後述する工程(d)において粘着剤塗布膜の厚みをより適切な範囲にすることができる。また、粘度が高くなりすぎないようにすることにより、酸素の影響による反応阻害をより効果的に防止することができる。
粘着剤塗工液は、必要に応じて、一般的な粘着剤に用いられる添加剤を含有してもよい。添加剤としては、無機物(炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、タルク、酸化チタン等)、無機中空体(ガラスバルーン、シラスバルーン、セラミックバルーン等)、有機物(ナイロンビーズ、アクリルビーズ、シリコンビーズ等)、有機中空体(塩化ビニリデンバルーン、アクリルバルーン等)等の充填剤;発泡剤;染料;顔料;重合禁止剤;安定剤等を用いることができる。
[工程(c)]
工程(c)において、粘着剤塗工液を剥離フィルム基材に塗布して粘着剤塗布膜を形成する。
粘着剤塗工液の剥離フィルム基材への塗布は、ドクタブレードコータ、コンマコータ等の公知の装置を用いて行うことができる。
粘着剤塗布膜の厚みは、1.5mm以下が好ましく、1.2mm以下がより好ましい。このような厚みにすることにより、工程(d)において紫外線を粘着剤塗布膜の深部までより確実に到達させることができ、硬化不良をより効果的に抑制することができる。厚みの下限は、アクリル系粘着テープの使用目的に応じて適宜決定することができ、通常、0.015〜0.02mmであることが好ましい。
なお、アクリル系粘着層として積層型のものを適用する場合、形成した粘着剤塗布膜に不織布を重ね、更にその上に粘着剤塗布膜を形成してもよい。
[工程(d)]
工程(d)において、粘着剤塗布膜に活性エネルギー線を照射し、粘着剤塗布膜中の未反応アクリルモノマーからアクリル系ポリマーBを生成し、アクリル系粘着層を形成する。
アクリル系ポリマーBの重量平均分子量の下限は、700000を超えることが好ましく、750000以上がより好ましい。また、アクリル系ポリマーBの重量平均分子量の上限は、900000以下が好ましい。
アクリル系ポリマーBの重量平均分子量は、単独で測定することが困難である。そのため、アクリル系ポリマーA及び粘着性付与ポリマーの存在下でアクリル系モノマーを重合させて得たアクリル系粘着層全体の重量平均分子量から、アクリル系ポリマーA及び粘着性付与ポリマーが寄与している部分を差し引いて求めることができる。例えば、アクリル系ポリマーBの重量平均分子量Wbは、下記式(1)によって求めることができる。
式(1):Wb=Wt−Wa−Wc
上記式中、Wtはテトラヒドロフランを用いるゲルパーミエーションクロマト法により測定したアクリル系粘着層全体の重量平均分子量を表す。Waはアクリル系ポリマーAの重量平均分子量を表す。Wcは粘着性付与ポリマーの重量平均分子量を表す。また、WcがWt及びWaに比べて著しく小さい場合、Wbの算出に際しWcを考慮対象から外すことができる。
なお、アクリル系ポリマーAの難溶媒であってアクリル系ポリマーBを溶解する溶媒を展開溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって、アクリル系粘着層の重量平均分子量を測定した場合、重量平均分子量は、アクリル系ポリマーB及び粘着性付与ポリマーの分子量を反映したものとなる。ここで、粘着性付与ポリマーの重量平均分子量がアクリル系ポリマーBよりも著しく小さい場合、アクリル系粘着層の重量平均分子量は、実質的にアクリル系ポリマーBの重量平均分子量と見なすことができる。
アクリル系粘着層の分子量分布は、2.2〜5.6であることが好ましい。即ち、主としてアクリル系ポリマーAと粘着性付与ポリマーとアクリル系ポリマーBとからなる硬化樹脂組成物の、テトラヒドロフランを用いるゲルパーミエーションクロマト法により測定した分子量分布は、2.2〜5.6であることが好ましい。分子量分布が小さすぎないことにより、アクリル系粘着テープの定荷重剥離特性をより良好にすることができる。また、分子量分布が大きすぎないことにより、凝集力が高くなりすぎないようにすることができ、タックの低下をより効果的に防止することができる。
工程(d)において照射する活性エネルギー線は、紫外線であることが好ましい。紫外線照射は、上述した工程(a)及び工程(b)における紫外線照射とは異なり、光重合性モノマー組成物の重合率を80%以上にするために、断続的ではなく連続的に紫外線照射を行うことが好ましい。すなわち、紫外線照射は、以下の条件で行うことが好ましい。
紫外線照射は、窒素やアルゴンガス気流中などの不活性ガス雰囲気下で行う、又は、片面剥離処理したPET(polyethylene terephthalate)等の高分子フィルムからなる透明な剥離シートを被せて空気中の酸素を遮断した状態で行うことが好ましい。
紫外線照射時の温度は、40〜90℃が好ましい。このような範囲にすることにより、反応速度をより適度な範囲にすると共に、副反応の発生をより効果的に抑制することができる。
紫外線の波長及び紫外線の出力の好ましい条件は、上述した工程(a)で説明した条件と同様である。
紫外線照射時間は、10〜60秒が好ましい。このような範囲にすることにより、反応を十分に進行させることができるとともに、加速度的に反応が進んでしまうことをより効果的に防止することができる。
以上のように、本実施の形態に係るアクリル系粘着テープの製造方法では、特定単官能アクリル系モノマーを、粘着性付与ポリマーと混合することにより、粘着性付与ポリマー中のチオール系連鎖移動剤の反応残渣が失活するため、アクリル系粘着層の重量平均分子量が低下するのを抑制することができる。
上述したアクリル系粘着テープの製造方法では、架橋剤を併用しない例を説明したが、工程(c)で使用する粘着剤塗工液に、保持力向上等の目的で架橋剤を配合してもよい。
架橋剤としては、多官能エポキシ化合物、多官能イソシアネート化合物等を挙げることができる。具体的には、ビスフェノールA型のエポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンおよび1,3−ビス(N,N′−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等の多官能エポキシ化合物;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等の多官能イソシアネート化合物;及びこれらのイソシアネート化合物とトリメチロールプロパンなどのポリオールとのアダクト体等を挙げることができる。
架橋剤は、アクリル系ポリマーAの重量平均分子量が700000〜1000000の範囲で用いることが好ましい。このような範囲にすることにより、アクリル系粘着層の凝集力が高くなりすぎてしまうことをより効果的に抑制することができる。
架橋剤を用いる場合、粘着剤塗工液中における含有量は、ポリマーシロップと粘着性付与ポリマーとの合計100質量部に対し、0.5〜3質量部が好ましく、1.0〜2.0質量部がより好ましい。このような範囲にすることにより、アクリル系粘着テープの保持力とタック性をより良好にすることができる。
なお、架橋剤存在下で形成されたアクリル系粘着層の分子量分布は、架橋剤非存在下で形成されたアクリル系粘着層の分子量分布とほぼ一致する場合があるが、架橋剤による架橋反応が生じているため一致しない場合もある。例えば、架橋剤存在下で形成されたアクリル系粘着層の分子量分布は、2.2〜2.8(より好ましくは2.4〜2.7)と狭くなる場合がある。
<2.アクリル系粘着テープ>
本実施の形態に係るアクリル系粘着テープは、剥離フィルム基材上にアクリル系粘着層が形成されてなり、上述のアクリル系粘着テープの製造方法により得られたものである。アクリル系粘着テープは、上述した製造方法の工程(b)において粘着性付与ポリマーと特定単官能アクリル系モノマーとが混合されているため、アクリル系粘着層の重量平均分子量の低下が抑制されている。すなわち、本実施の形態に係るアクリル系粘着テープは、特定単官能アクリル系モノマーが混合されていない場合に比べて、アクリル系粘着層の重量平均分子量が大きくなるため、耐熱性や接着信頼性(耐荷重特性)を良好にすることができる。
また、アクリル系粘着テープのアクリル系粘着層中に、チオール系連鎖移動剤の反応残渣が残留する場合、アクリル系粘着層を他の材料(例えばプラスチック材料)に貼り付けた際、他の材料が変色してしまうことがある。これに対し、本実施の形態に係るアクリル系粘着テープは、アクリル系粘着層中にチオール系連鎖移動剤の反応残渣が実質的に含有していないため、アクリル系粘着層を他の材料に貼り付けた際、他の材料が変色してしまうことを抑制することができる。
本実施の形態に係るアクリル系粘着テープは、剥離フィルム基材上にアクリル系粘着層が形成された構造を有する。アクリル系粘着テープの他の実施の形態として、アクリル系粘着層が、不織布の両面にアクリル系粘着層が形成された積層型のアクリル系粘着層である構造が挙げられる。このような他の実施の形態に係るアクリル系粘着テープは、貼着、剥離を繰り返すことが可能な転写型の両面粘着テープとして使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、アクリル系粘着層を有するアクリル系粘着テープを作製し、アクリル系粘着層の重量平均分子量について評価した。また、アクリル系粘着テープの接着信頼性について評価した。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[ポリマーシロップの粘度]
粘度は、25℃で、ローターNo.2を備えたB型粘度計(東京計器(株)社製)を用いて測定した。
[ポリマーシロップの重合率]
重合率は、0.5g秤量したポリマーシロップを、660Paに減圧した容器に投入し、120℃で2時間放置して揮発分を揮発させ、再度精秤して重量減少量を求めた。この重量減少量を残存モノマー、オリゴマーとして次式により重合率を求めた。
重合率(%)=[1−(ポリマーシロップの重量減少量/揮発処理前のポリマーシロップ重量)]×100
[ポリマーシロップ及び粘着性付与ポリマーの重量平均分子量及び分子量分布]
ポリマーシロップ及び粘着性付与ポリマーの重量平均分子量及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマト法(Shodex GPC SYSTEM−21、昭和電工(株))により求めた。
[実施例1]
[ポリマーシロップの調製]
2−エチルヘキシルアクリレート90質量部と、アクリル酸10質量部と、二官能アクリレート(ネオペンチルグリコールジアクリレート)0.3質量部と、光重合開始剤(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、商品名:DC1173、BASF社製)0.15質量部とを混合して光重合性モノマー組成物を調製した。この光重合性モノマー組成物を窒素ガス導入管と撹拌装置と温度計とを備えた反応容器に仕込み、窒素ガスを流通(窒素流量300ml、窒素置換時間60分)させ、光重合性モノマー組成物を150rpmで撹拌しながら25〜85℃に加熱した。そして、紫外線(365nm)を出力40mW/cmで10秒間照射し、40秒間放置した。この光照射と放置のサイクルを5〜40回行った。これにより、25℃での粘度が500〜5000、重合率2〜15%、重量平均分子量600000〜2000000、分子量分布2.2〜5.6のポリマーシロップを得た。ポリマーシロップの重量平均分子量は、実質的に上述したアクリル系ポリマーAの重量平均分子量に相当する。
Figure 2016183304
[粘着性付与ポリマーの調製]
シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)90.60質量部と、メタクリル酸(MAA)2.80質量部と、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(DC1173、BASF社製)0.93質量部と、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート(EHMP)5.61質量部とを、窒素ガス導入管と撹拌装置と温度計とを備えた反応容器に仕込んだ。続いて、反応容器に窒素ガスを流通(窒素流量6L、窒素置換時間30分)させながら、混合物を200rpmで撹拌して60.0℃に加温した。そして、紫外線(365nm)を出力40mW/cmで30分間照射し、混合物の上昇した温度が70.0℃になるまで約10分間放置した。この光照射と放置のサイクルを3回行った。これにより、粘着性付与ポリマー溶液を得た。得られた粘着性付与ポリマー溶液500gをステンレス製の容器に移し、コンベア式UV照射機(製品名:ECS−151U、アイグラフィックス社製)を用いて紫外線(365nm)を出力90mW/cmで3分間照射した。これにより、重量平均分子量3000〜5500の粘着性付与ポリマーを得た。得られた粘着性付与ポリマー中、EHMPの含有量は、100ppmであった。
Figure 2016183304
[粘着剤塗工液の調製]
ポリマーシロップ100質量部と、粘着性付与ポリマー10質量部と、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル1質量部とを混合し、粘着剤塗工液を調製した。
捕虫用蛍光ランプ(主波長352nm、0.44mW/cm)を60mm間隔で並べ、被照射体に対して200mmの高さから約2.00mW/cmの紫外線照射を行うことができる紫外線照射炉を備えた塗布装置(UVコータ)を用いて、上質紙の両面をシリコーン剥離処理した剥離紙に、厚さ50μmになるように粘着剤塗工液を塗布した。塗布した粘着剤塗工液の上に厚さ50μmのポリプロピレン不織布基材を重ねた。さらに、この不織布基板上に粘着剤塗工液を塗布し、その上に片面をシリコーンで剥離処理した厚さ50μmの透明ポリエステルフィルムを重ねた。これにより、粘着剤塗工液膜と、不織布基材と、粘着剤塗工液膜とからなり、粘着剤塗布膜の厚さが0.15mmである積層テープを得た。この積層テープをUVコータ内の紫外線照射炉の中で、積層テープの透明ポリエステルフィルム側から紫外線照射を60秒間行った。続いて、高圧水銀ランプ(主波長365nm、出力80mW/cm)を使用して、照射強度35.5mW/cmで紫外線照射を30秒間行い、紫外線硬化型の粘着剤塗工液を十分に硬化させることにより転写型のアクリル系粘着テープを得た。
[実施例2]
粘着剤塗工液の調製において、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルに替えて、等量の2−イソシアネートエチルメタクリレートを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアクリル系粘着テープを得た。
[比較例1]
粘着剤塗工液の調製において、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてアクリル系粘着テープを得た。
[アクリル系粘着テープの評価]
得られた各実施例及び比較例のアクリル系粘着テープについて、アクリル系粘着層の重量平均分子量、分子量分布を以下のように評価した。結果を表1に示す。
アクリル系粘着層の重量平均分子量(粘着剤可溶分分子量)及び分子量分布は、展開溶媒としてテトラヒドロフランを使用するゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置(Shodex GPC SYSTEM−21、昭和電工(株)製)を用いて測定した。粘着剤可溶分分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置での分析の際に展開溶媒であるテトラヒドロフランで溶出されうる成分(アクリル系ポリマーB及び粘着性付与ポリマー)である。ここで、粘着性付与ポリマーの重量平均分子量がアクリル系ポリマーBの重量平均分子量よりも著しく小さいため、粘着剤可溶分分子量が、実質的にアクリル系ポリマーBの重量平均分子量に相当するものと見なした。
[接着信頼性評価]
実施例及び比較例で得られたアクリル系粘着テープを25mm幅にカットし、片面のポリエステルフィルムを剥離し、アクリル系粘着テープの露出面をプライマー処理しているPETフィルムで裏打ちをした。その後、もう片面の剥離紙を剥離し、粘着シートの露出面をSUS板に貼合し、1時間室温に放置後、SUS板の端から25mmのところに切れ込みを入れ、100℃のオーブンに入れ、1kgの荷重をかけ、1時間後のズレを観察した。実用上、ズレが1mm以下で落下しないことが望まれる。
Figure 2016183304
表3に示すように、比較例1では、粘着性付与ポリマーに、特定単官能アクリル系モノマーを混合しなかったため、アクリル系粘着層の重量平均分子量が700000であった。また、接着信頼性試験の結果が良好ではなかった。
これに対し、実施例1、2では、粘着性付与ポリマーと特定単官能アクリル系モノマーとを混合して、粘着剤塗工液を調製したため、アクリル系粘着層の重量平均分子量が800000であった。すなわち、実施例では、比較例の場合に比べて、アクリル系粘着層の重量平均分子量の低下が抑制されていることが分かった。また、接着信頼性試験の結果が良好であることが分かった。

Claims (13)

  1. アクリル系モノマーと光重合開始剤とを含有する光重合性モノマー組成物からアクリル系ポリマーAを生成し、上記アクリル系ポリマーAと未反応アクリル系モノマーとを含有するポリマーシロップを調製する工程(a)と、
    アクリル系モノマーと光重合開始剤とチオール系連鎖移動剤とを含有する粘着性付与ポリマー形成用組成物から生成した粘着性付与ポリマーと、エポキシ基及びイソシアネート基の少なくとも一方を含有する単官能アクリル系モノマーと、上記ポリマーシロップとを混合して、粘着剤塗工液を調製する工程(b)と、
    上記粘着剤塗工液を剥離フィルム基材に塗布して粘着剤塗布膜を形成する工程(c)と、
    上記粘着剤塗布膜に活性エネルギー線を照射し、上記粘着剤塗布膜中の未反応アクリルモノマーからアクリル系ポリマーBを生成し、アクリル系粘着層を形成する工程(d)とを有する、アクリル系粘着テープの製造方法。
  2. 前記アクリル系ポリマーBの重量平均分子量が700000を超える、請求項1に記載のアクリル系粘着テープの製造方法。
  3. 上記アクリル系ポリマーBの重量平均分子量が750000〜900000である、請求項1又は2に記載のアクリル系粘着テープの製造方法。
  4. 前記アクリル系ポリマーAの重量平均分子量が600000〜3000000である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクリル系粘着テープの製造方法。
  5. 上記粘着性付与ポリマーの重量平均分子量が2000〜8000である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアクリル系粘着テープの製造方法。
  6. 上記エポキシ基及びイソシアネート基の少なくとも一方を含有する単官能アクリル系モノマーの配合量は、上記粘着性付与ポリマー100質量部に対して5質量部以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアクリル系粘着テープの製造方法。
  7. 上記エポキシ基及びイソシアネート基の少なくとも一方を含有する単官能アクリル系モノマーは、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、ビスフェノールA−モノグリシジルエーテルメタクリレート、2−イソシアネートエチルメタクリレート、及び2−イソシアネートエチルアクリレートのうち少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアクリル系粘着テープの製造方法。
  8. 上記粘着性付与ポリマー形成用組成物は、アクリル系モノマーの合計100質量部に対し、光重合開始剤0.25〜2質量部と、チオール系連鎖移動剤3〜10質量部とを含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアクリル系粘着テープの製造方法。
  9. 上記チオール系連鎖移動剤は、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネートである、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアクリル系粘着テープの製造方法。
  10. 上記工程(d)における活性エネルギー線は紫外線であり、
    上記工程(d)における紫外線照射は、不活性ガス雰囲気下、40〜90℃の温度で、波長250〜400nmの光を1〜120mW/cmの出力で10〜60秒間照射する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のアクリル系粘着テープの製造方法。
  11. 上記アクリル系ポリマーAは、上記工程(a)において上記光重合性モノマー組成物に紫外線を照射することにより生成し、
    上記工程(a)における紫外線照射は、不活性ガス雰囲気下、25〜130℃の温度で、波長250〜400nmの光を1〜120mW/cmの出力で5〜60秒間照射することを、20〜60秒の間隔を挟んで、5〜250回行う、請求項1〜10のいずれか1項に記載のアクリル系粘着テープの製造方法。
  12. 上記粘着性付与ポリマーは、上記工程(b)において上記粘着性付与ポリマー形成用組成物に紫外線を照射することにより生成し、
    上記工程(b)における紫外線照射は、不活性ガス雰囲気下、25〜130℃の温度で、波長250〜400nmの光を1〜120mW/cmの出力で5〜60秒間照射することを、20〜60秒の間隔を挟んで、5〜250回行う、請求項1〜11のいずれか1項に記載のアクリル系粘着テープの製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のアクリル系粘着テープの製造方法により得られたアクリル系粘着テープ。
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