JP2016183118A - 増殖因子前駆体のリフォールディング方法 - Google Patents

増殖因子前駆体のリフォールディング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 遺伝子組換え体の培養で得られた増殖因子前駆体のリフォールディングの方法を提供する。
【解決の手段】 遺伝子組換え体の培養液から増殖因子前駆体のインクルージョンボディを調製し、アルギニン、ジメチルスルフォキシド及び還元型グルタチオンを含む緩衝液によってリフォールディングを行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、幹細胞の分化誘導にかかわる細胞増殖因子前駆体のリフォールディング方法に関する。
TGFβは多様な機能を持つ増殖因子であり、TGFβスーパーファミリーと呼ばれる構造が類似した一群の増殖因子の一つである(非特許文献1)。これらの増殖因子は細胞の増殖、分化、細胞外マトリクスの形成などに関与する。TGFβにはTGFβ1、TGFβ2、TGFβ3等と呼ばれる複数の類縁体が知られている。これらのアミノ酸配列のホモロジーは65%以上であり、in vitro試験では類似した生理活性を示すことが報告されている(非特許文献2)。一方で、造血幹細胞への阻害、内皮細胞の増殖、脊椎動物胚における中胚葉の形成などに対する効果には相違があることが知られており(非特許文献1)、生体内ではそれぞれ別の役割をもっているものと考えられている。
TGFβはいずれもアミノ酸残基数390〜412の2本ポリペプチド鎖よりなる前駆体として生合成され、限定的タンパク質分解を受けてC末端側のアミノ酸残基数112のポリペプチド2本よりなる成熟体となる(特許文献1)。前駆体のN末端付近にはシグナルペプチドを有しており、生合成の際の細胞外への分泌に関与する。続くプロ領域は分子種毎に長さが異なっており、タンパク質のフォールディングや2量体の形成、因子の活性調整に関与する。プロ領域には細胞結合アミノ酸配列モチーフであるRGD配列が存在し、またC末端側には限定的タンパク質分解のサイトとなる共通アミノ酸配列モチーフRXXRが存在する。成熟体は7つのシステイン残基を有し、そのうち6つがポリペプチド内でのSS結合を形成し、残りの1つはポリペプチド間でのSS結合を形成して2量体の安定化に関与する。(非特許文献3)。上記の構造はTGFβスーパーファミリーに属するタンパク質全てに共通した構造である。TGFβ3の構造の概略図を図1に示した。
TGFβは細胞や組織のタイプ、他の増殖因子の有無に依存して、細胞の有糸分裂や増殖・成長を促進・阻害し、脂質生成、筋発生、軟骨形成、骨形成、免疫細胞機能の調節、走化性の刺激、分化の誘導や阻害の活性を示す。また、炎症の発生後に顆粒組織の形成に関与し、フィブロネクチンやコラーゲン、各種プロテアーゼインヒビター等の細胞外マトリクス遺伝子の発現を促進するなどの多様な生理活性を示す(特許文献1)。そのためTGFβは医薬品や再生医療における細胞調製用試薬として注目されており、安価に提供するための大腸菌による製造法の検討が多数行われている(特許文献1、非特許文献1、非特許文献4)。これらの方法ではいずれも成熟体領域を菌体内にインクルージョンボディとして発現させ、リフォールディングで目的物が得られている。
一方、TGFβは生体内で通常は、プロ領域と成熟体領域間のペプチド結合切断されているものの、両者が非共有結合的に結合したラテント複合体(Latent Complex)として存在する。この複合体はN末端付近のシステイン残基で別のタンパク質であるラテントTGF結合タンパク(Latent TGF Binding Protein、LTBP)のシステイン残基にSS結合で結合し、これを介して細胞外マトリクス内に局在する(非特許文献5)。
このラテント複合体のRGDモチーフに、細胞が表層のインテグリンを介して結合すると、ラテント複合体に力学的な刺激が加えられて変形し、成熟体が複合体から遊離して活性発現することが知られている(非特許文献5)。従って、TGFβの生理活性の解析には前駆体またはラテント複合体を使用することが必要であるだけでなく、TGFβを医薬品や細胞調製用試薬として使用する際にTGFβを細胞に対して効果的に作用する環境に局在させることや徐放させるために前駆体を利用することは有用である。しかしながら、TGFβの前駆体やラテント複合体は動物細胞の培養で調製することが一般的であり(非特許文献5、6)、培養コストが安価な微生物細胞系で発現した後にリフォールディングして調製する方法は報告されていなかった。
特許第4354980号公報
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本発明の目的は、遺伝子組換え大腸菌で発現させたTGFβスーパーファミリーに属する増殖因子前駆体、特にproTGFβのリフォールディング方法に関する。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、大腸菌で発現したproTGFβが、アルギニンとジメチルフルフォキシドの存在下で効率的にリフォールディングできることを解明し、本発明の完成に至った。
すなわち本発明は、以下の発明を包含する:
(1)TGFβスーパーファミリーに属する細胞増殖因子前駆体を微生物細胞内で不溶性発現させた後、アルギニン、ジメチルスルフォキシド、及び還元型グルタチオンを含む緩衝液によりリフォールディングすることを特徴とする細胞増殖因子前駆体の製造方法。
(2)TGFβスーパーファミリーに属する増殖因子の前駆体がTGFβである(1)に記載の製造方法。
(3)TGFβの前駆体がTGFβ3である(2)に記載の製造方法。
(4)前記緩衝液中のアルギニン濃度が0.1〜2M、ジメチルスルフォキシドが5〜60%(V/V)、還元型グルタチオンが0.002〜20mMであり、弱アルカリ性の緩衝液を用いる(1)〜(3)に記載の製造方法。
(5)弱アルカリ性の緩衝液がpH8.5〜10の緩衝液である(2)〜(4)に記載の製造方法。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本明細書においてproTGFβ3は、ヒトproTGFβ3のpro領域と成熟体領域を含むものであり、
(i)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも24番目のロイシンから412番目のセリンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質や、
(ii)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも24番目のロイシンから412番目のセリンまでのアミノ酸残基を含み、かつ前記アミノ酸残基のうちの一つ以上が他のアミノ酸残基に置換、挿入または欠失したタンパク質、があげられる。
本発明の形質転換体を作製する際に用いる宿主としては、バチルス属(ブレビバチルス属細菌やパエニバチルス属細菌のような広義のバチルス属細菌も含む)や大腸菌に代表される細菌、サッカロマイセス属、ピキア属、シゾサッカロマイセス属に代表される酵母、麹菌に代表される糸状菌等が例示できるが、取扱いの簡便な大腸菌を宿主とするのが好ましい。大腸菌で発現する場合には、不溶性の封入体として発現される。
本発明の形質転換体の培養液から発現したタンパク質を回収するには、培養液を遠心分離して得られる宿主細胞を適切な緩衝液で懸濁し細胞破砕(物理的破砕、薬剤による破砕など)後、遠心分離により破砕残渣を回収することで、発現したタンパク質を含む不溶性画分を得ればよい。なお薬剤により宿主細胞を破砕する際は、例えば、150mM NaClと1mM EDTAと6mM MgSOと250U/L Benzonase(商品名)と0.3g/L Lysozymeと0.4% Triton X−100と0.5% CTAB(臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム)と50mM CaClを含む50mM Tris−HCl(pH8.0)(特願2012−129732号)や、BugBuster Protein extraction kit(Novagen社製)等の市販の抽出試薬を用いて破砕するとよい。
回収したタンパク質を含む不溶性画分は、そのまま本発明のリフォールディングを行うこともできるが、不溶性画分からTGFβスーパーファミリーに属する細胞増殖因子前駆体のうち、例えばproTGFβの封入体を精製した後にリフォールディング処理することもできる。proTGFβの封入体の精製は、尿素や塩酸グアニジンなどのタンパク質変性剤で可溶化した後に、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過法、アフィニティクロマトグラフィー等により精製単離することができる。イオン交換クロマトグラフィー用担体は、カルボキシメチル基、スルホプロピル基、ジエチルアミノ基といったイオン交換基を担体に結合したものであり、TOYOPEARL CM−650、TOYOPEARL SP−650、TOYOPEARL DEAE−650(以上、東ソー社製)、CM Sepharose FastFlow(GEヘルスケア社製)が例示できる。
疎水クロマトグラフィー用担体は、エーテル基、フェニル基、ブチル基といった疎水性官能基を担体に結合させたものであり、TOYOPEARL Ether−650、TOYOPEARL Phenyl−650、TOYOPEARL Butyl−650(以上、東ソー社製)が例示できる。ゲルろ過にはTSK−Gel G3000SWやTOPEARL HW55(以上、東ソー社製)があげられる。
アフィニティークロマトグラフィーで精製を行う場合は、抗TGFβ3抗体を固定化したカラムや、His−Trap−Regin(ノバジェン社製)、ハロタグ精製キット(プロメガ社製)などを使用することができる。なお、His−Trap−Reginやハロタグ精製キットで精製する場合には、目的のproTGFβ3遺伝子のN末端又はC末端、あるいは分子内の適切なサイトに、Hisオリゴマー(通常は4〜6)又はハロタグをコードする塩基配列を付加・挿入して発現させる必要がある。
各種クロマトグラフィー用担体を用いて精製を行なう際は、アプライ液の導入量や前記担体のタンパク吸着性能などによって決定した量の担体を、適切なオープンカラム等に充填して行なえばよい。また、クロマトグラフィー用担体は、アプライ液を導入する前に、あらかじめ適切な緩衝液(トリス/トリス塩酸塩緩衝液、グリシン/水酸化ナトリウム緩衝液、リン酸塩緩衝液等)により平衡化しておく。前述の方法で回収したタンパク質を含む溶液を、平衡化したクロマトグラフィー用担体に導入することで前記タンパク質を担体に吸着させ、平衡化に用いた緩衝液と同じ緩衝液で洗浄する。その後、溶出用緩衝液を用いて吸着した前記タンパク質を溶出させることにより精製された前記タンパク質を含む溶液を得ることができる。
上記の様にして得られたproTGFβを本発明の緩衝液に添加して、4℃にて整置することでリフォールディングが行われ、可溶性のproTGFβを得ることができる。緩衝液への添加は、変性剤で可溶化した菌体不溶性画分又はクロマトグラフィーで得られた封入体の溶液をそのまま使用することもできるが、限外ろ過膜処理による濃縮や残存する菌体由来成分の除去を行って使用することもできる。
本発明においてTGFβスーパーファミリーに属する細胞増殖因子前駆体をリフォールディングする際の緩衝液として、アルギニン、ジメチルスルフォキシド及び還元型グルタチオンを使用するが、アルギニンはTGFβスーパーファミリーに属する細胞増殖因子前駆体に変性状態からの巻き戻しという作用をもたらすために使用し、その作用を発揮させるための好ましい濃度範囲は0.1〜2Mであり、更に好ましくは0.2〜1Mである。ジメチルスルフォキシドは変性状態からの巻き戻しという作用をもたらすために使用し、その作用を発揮させるための好ましい濃度範囲は5〜60%(Vol/Vol)であり、更に好ましくは30〜50%(Vol/Vol)である。還元型グルタチオンにおいてはシステインの酸化状態を制御するという作用をもたらすために使用し、その作用を発揮させるための好ましい濃度範囲は0.002〜20mMであり、更に好ましくは2〜10mMである。
本発明の組成により、微生物で封入体として発現したTGFβスーパーファミリーに属する細胞増殖因子前駆体のうち、例えばproTGFβ3を効率よくリフォールディングでき、容易に製造することが可能となる。
proTGFβ3構造を示す図。 リフォールデンィグ前後でのproTGFβ3の電気泳動パターンを示す図。図中、IBはインクルージョンボディを、Refoldigはリフォールディング後のproTGFβ3を示し、矢印は二量体の位置を示す。
以下、ヒトproTGFβ3を例として、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
C末端His×6タグ付きproTGFβ3発現菌株の作成
(1)配列番号1のアミノ酸配列のうち、24番目のロイシンがメチオニンに置換され、25番目のセリンから412番目のセリンまでの領域をコードし、かつ5’末端付近に6塩基の余分配列とMscIサイトが付加され、3’末端にXhoIサイトと6塩基の余分配列が付加された配列番号2の塩基配列のDNAを化学合成した。
(2)(1)のDNAを制限酵素MscI(東洋紡)及びXhoI(タカラバイオ)で切断した後、キアゲン社製PCR精製キットを用いて、約1.2kbpのDNA溶液を50μlを得た。
(3)市販大腸菌用発現ベクターpET22b(+)を制限酵素MscI及びXhoIで切断した後、アルカリフォスファターゼ処理を行い(タカラバイオ)、キアゲン社製PCR精製キットを用いて、約5.5kbpのDNA溶液を50μlを得た。
(4)(2)と(3)で得たオリゴヌクレオチドを混合し、DNA Ligation kit(タカラバイオ社製)を用いてライゲーションし、これを用いて大腸菌JM109株(タカラバイオ社製)を形質転換した。
(5)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシン(和光純薬社製)を含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン社製)を用いて、発現ベクターpETproTGFb3を抽出した。
(6)(5)で作製した発現ベクターpETproTGFb3の(2)のDNA挿入領域について、チェーンターミネータ法に基づくBig Dye Terminator Cycle Sequencing FS read Reaction kit(ライフテクノロジー社製)を用いてサイクルシークエンス反応に供し、全自動DNAシークエンサーABI Prism 3700 DNA analyzer(ライフテクノロジー社製)にてヌクレオチド配列を解析した。なお当該解析の際、配列番号3(5’−TAATACGACTCACTATAGG−3’)または配列番号4(5’−GCTAGTTATTGCTCAGCGG−3’)に記載のオリゴヌクレオチドのいずれかをシークエンス用プライマーとして使用した。解析の結果設計通りであることを確認した。
(7)(5)で得られた発現ベクターpETproTGFb3で大腸菌Rosetta−gami2(DE3)のコンピテントセル(メルク社製)を形質転換し、発現菌株Rosetta−gami2(DE3)/pETproTGFb3を得た。
C末端His×6タグ付きproTGFβ3インクルージョンボディの調製
(1)実施例1で得た発現菌株Rosetta−gami2(DE3)/pETproTGFb3をアンピシリン(100μg/ml)、テトラサイクリン(20μg/ml)およびクロラムフェニコール(50μg/ml)を含む2YT培地(酵母エキス10g/L、バクトペプトン16g/L、NaCl 5g/L)3mlに植菌して、37℃で一晩培養した。
(2)(1)の培養液1mlを同じ培地100mlを入れた500ml容のフラスコ3本に植菌し、37℃で3時間培養した。ついで、培養温度を25℃に変更して、0.5M IPTG水溶液を0.2ml(終濃度1mM)加えて一晩培養した。
(3)培養液より、7,500rpm、30分の遠心分離によって菌体を回収し、8M塩酸グアニジンを含む0.1M リン酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)に懸濁して、室温で1.5時間、マグネチックスターラーで攪拌して、インクルージョンボディを抽出した。次いで7,500rpm、30分の遠心分離によって上清を回収した。
(4)His−Trap−Resin(Novagen社)のカラム(ベッド容量30ml)を予め6M尿素、250mM NaCl、0.05%NP−40を含む−20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)で平衡化し、(5)の上清を通液して、インクルージョンボディを吸着させた。このカラムをpH6.8に調整した同じ緩衝液で洗浄し、次いでpH4.2に調整した同じ緩衝液で溶出することにより精製されたインクルージョンボディの溶液(濃度1.5mg/ml)、20mlを得た。
リフォールディング
実施例2のインクルージョンボディ18.5mlを、260mlの40%(V/V)ジメチルスルフォキシド(DMSO)、1M NaCl 、0.5M L−アルギニン を含む0.1M トリス塩酸バッファー(pH9.5)で希釈し、還元型グルタチオンを5mMになるように添加して4℃で3日間静置した。次いで、5Lの20mMイミダゾールと1.5M尿素を含む20mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)に対して2回透析を行った。さらに予め20mMイミダゾールと250mM NaClを含む20mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)で平衡化したHis−Trap−Resinのカラム(ベッド容量30ml)に通液して、リフォールディングされたproTGFβ3を吸着させ、同じ緩衝液でカラムを洗浄した後に、250mMイミダゾールと250mM NaClを含む20mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)で溶出し、可溶化された0.25mg/mlのproTGFβ3の溶液5mlを得た。
溶出物をSDS電気泳動法で分析したところ、インクルージョンボディでは非還元条件においても分子量45Kの単一バンドが観察されるのみであったのに対し、リフォールディング後は2量体の約90Kのバンドが観察され、正しい立体構造を有する2量体proTGFβ3が生成していることが確認された。電気泳動の結果を図2に示した。
シグナルペプチドの下流にシステインタグ及びHis×6タグを挿入したproTGFβ3のリフォールディング
(1) 配列番号5に示す合成DNAを用いた他、実施例1(1)〜(6)と同様にして発現ベクターpETCyt3proTGFβ3を調製し、配列を確認した。
(2)このベクターを実施例1(7)と同様に形質転換して発現菌株Rosetta−gami2(DE3)/pETCyt3proTGFb3を得た。
(3)実施例2と同様に精製インクルージョンボディを調製した。
(4)実施例3と同様にリフォールディング操作を行った。この溶液をHis−Trap−Resin(ベッド容量3ml)に吸着させ、20mMイミダゾールと250mMNaClを含む20mMトリス塩酸緩衝液 (pH8.0)で洗浄した後に、250mMイミダゾールと250mMNaClを含む20mMトリス塩酸緩衝液 (pH4.3)で溶出しproTGFβ3濃度0.1mg/mlの溶液6mlを得た。

Claims (5)

  1. TGFβスーパーファミリーに属する細胞増殖因子前駆体を微生物細胞内で不溶性発現させた後、アルギニン、ジメチルスルフォキシド、及び還元型グルタチオンを含む緩衝液によりリフォールディングすることを特徴とする細胞増殖因子前駆体の製造方法。
  2. TGFβスーパーファミリーに属する増殖因子の前駆体がTGFβである請求項1に記載の製造方法。
  3. TGFβの前駆体がTGFβ3である請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記緩衝液中のアルギニン濃度が0.1〜2M、ジメチルスルフォキシドが5〜60%(V/V)、還元型グルタチオンが0.002〜20mMであり、弱アルカリ性の緩衝液を用いる請求項1〜3に記載の製造方法。
  5. 弱アルカリ性の緩衝液がpH8.5〜10の緩衝液である請求項2〜4に記載の製造方法。
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