JP2016181673A - 半導体装置、インバータ回路、駆動装置、車両及び、昇降機 - Google Patents

半導体装置、インバータ回路、駆動装置、車両及び、昇降機 Download PDF

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Abstract

【課題】高い閾値を実現する半導体装置を提供する。
【解決手段】実施形態の半導体装置は、p型のSiC層と、ゲート電極と、SiC層とゲート電極との間のゲート絶縁層とを備え、ゲート絶縁層は、第1の層と、第1の層とゲート電極との間の、第1の層よりも酸素密度の高い第2の層と、F(フッ素)、D(重水素)、H(水素)の群の元素である第1の元素を含有し、第1の元素の濃度の第1のピークを有する、第1の層と第2の層との間に跨る第1の領域と、Ge、B、Al、Ga、In、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、ランタノイドの群の元素である第2の元素を含有し、第2の元素の濃度の第2のピークを有し、第2のピークからの距離が第1のピークからの距離よりも短いC(炭素)の濃度の第3のピークを有する、第1の層内の、第2の領域と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、半導体装置、インバータ回路、駆動装置、車両及び、昇降機に関する。
次世代の半導体デバイス用の材料としてSiC(炭化珪素)が期待されている。SiCはSi(シリコン)と比較して、バンドギャップが3倍、破壊電界強度が約10倍、熱伝導率が約3倍と優れた物性を有する。この特性を活用すれば低損失かつ高温動作可能な半導体デバイスを実現することができる。
しかし、例えば、SiCを用いてMISFET(Meatl Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を形成する場合、半導体と絶縁層との間に存在する界面準位の密度がSiと比較して大きくなる。このため、電荷の移動度が低下し、MISFETのオン抵抗が高くなるという問題がある。
このため、例えば、SiCと絶縁層との界面に界面準位を終端するためにN(窒素)やリン(P)を導入する方法がある。この方法を用いた場合、N(窒素)やリン(P)がn型ドーパントとして働き、nチャネル型のMISFETの閾値が低下する恐れがある。
SiCMOSFETの誤動作を起こさないためには、動作温度(例えば200℃)に於いて、少なくとも3V以上の閾値が必要であり、5V以上が望ましい。そういった中、窒素やリンの終端では、1V程度に落ちてしまうのが現状である。
特開2011−228429号公報
本発明が解決しようとする課題は、高い閾値を実現する半導体装置、インバータ回路、駆動装置、車両及び、昇降機を提供することにある。
実施形態の半導体装置は、p型のSiC層と、ゲート電極と、前記SiC層と前記ゲート電極との間のゲート絶縁層とを備え、前記ゲート絶縁層は、第1の層と、前記第1の層と前記ゲート電極との間の、前記第1の層よりも酸素密度の高い第2の層と、F(フッ素)、D(重水素)、H(水素)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し、前記第1の元素の濃度の第1のピークを有する、前記第1の層と前記第2の層との間に跨る第1の領域と、Ge(ゲルマニウム)、B(ボロン)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群の少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、前記第2の元素の濃度の第2のピークを有し、前記第2のピークからの距離が前記第1のピークからの距離よりも短いC(炭素)の濃度の第3のピークを有する、前記第1の層内の第2の領域と、を有する。
第1の実施形態の半導体装置を示す模式断面図。 第1の実施形態のSiC半導体の結晶構造を示す図。 第1の実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図及び元素分布を示す図。 第1の実施形態の作用及び効果の説明図。 第2の実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図。 第2の実施形態の作用及び効果の説明図。 第3の実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図及び元素分布を示す図。 第3の実施形態の作用及び効果の説明図。 第4の実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図及び元素分布を示す図。 第4の実施形態の作用及び効果の説明図。 第5の実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図及び元素分布を示す図。 第5の実施形態の作用及び効果の説明図。 第6の実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図及び元素分布を示す図。 第6の実施形態の作用及び効果の説明図。 第7の実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図及び元素分布を示す図。 第7の実施形態の作用及び効果の説明図。 第8の実施形態の駆動装置の模式図。 第9の実施形態の車両の模式図。 第10の実施形態の車両の模式図。 第11の実施形態の昇降機の模式図。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一の部材等には同一の符号を付し、一度説明した部材等については適宜その説明を省略する。
また、以下の説明において、n、n、n及び、p、p、pの表記は、各導電型における不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわちnはnよりもn型の不純物濃度が相対的に高く、nはnよりもn型の不純物濃度が相対的に低いことを示す。また、pはpよりもp型の不純物濃度が相対的に高く、pはpよりもp型の不純物濃度が相対的に低いことを示す。なお、n型、n型を単にn型、p型、p型を単にp型と記載する場合もある。
(第1の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、p型のSiC層と、ゲート電極と、SiC層とゲート電極との間のゲート絶縁層とを備える。記ゲート絶縁層は、第1の層と、第1の層とゲート電極との間の、第1の層よりも酸素密度の高い第2の層と、F(フッ素)、D(重水素)、H(水素)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し、第1の元素の濃度の第1のピークを有する、第1の層と第2の層との間に跨る第1の領域と、Ge(ゲルマニウム)、B(ボロン)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群の少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、第2の元素の濃度の第2のピークを有し、第2のピークからの距離が第1のピークからの距離よりも短いC(炭素)の濃度の第3のピークを有する、第1の層内の第2の領域と、を有する。
図1は、本実施形態の半導体装置であるMISFETの構成を示す模式断面図である。このMISFET100は、pウェルとソース領域をイオン注入で形成する、Double Implantation MOSFET(DIMOSFET)である。また、MISFET100は、電子をキャリアとするnチャネル型のMOSFETである。
このMISFET100は、n型のSiC基板12を備えている。本明細書ではSiC基板12等の面に対し、図1における上側の面を表面、下側の面を裏面と称する。
SiC基板12は、例えば、不純物濃度1×1018cm−3以上1×1020cm−3以下の、例えばN(窒素)をn型不純物として含む4H−SiCのSiC基板である。
図2は、SiC半導体の結晶構造を示す図である。SiC半導体の代表的な結晶構造は、4H−SiCのような六方晶系である。六角柱の軸方向に沿うc軸を法線とする面(六角柱の頂面)の一方が(0001)面である。(0001)面と等価な面を、シリコン面と称し{0001}面と表記する。シリコン面にはSi(シリコン)が配列している。
六角柱の軸方向に沿うc軸を法線とする面(六角柱の頂面)の他方が(000−1)面である。(000−1)面と等価な面を、カーボン面と称し{000−1}面と表記する。カーボン面にはC(炭素)が配列している
一方、六角柱の側面(柱面)が、(1−100)面と等価な面であるm面、すなわち{1−100}面である。また、隣り合わない一対の稜線を通る面が(11−20)面と等価な面であるa面、すなわち{11−20}面である。m面及びa面には、Si(シリコン)及びC(炭素)の双方が配列している。
以下、SiC基板12の表面がシリコン面に対し0度以上8度以下傾斜した面、裏面がカーボン面に対し0度以上8度以下傾斜した面である場合を例に説明する。
SiC基板12の表面上には、例えば、n型不純物の不純物濃度5×1015以上2×1016cm−3以下のn型のドリフト層14が形成されている。ドリフト層14は、例えば、SiC基板12上にエピタキシャル成長により形成されたSiCのエピタキシャル成長層である。
ドリフト層14の表面も、シリコン面に対し0度以上8度以下傾斜した面である。ドリフト層14の膜厚は、例えば、5μm以上100μm以下である。
ドリフト層14の一部表面には、例えば、p型不純物の不純物濃度5×1015cm−3以上1×1017cm−3以下のp型のpウェル領域(SiC層)16が形成されている。pウェル領域16の深さは、例えば0.6μm程度である。pウェル領域16は、MISFET100のチャネル領域として機能する。
pウェル領域16の一部表面には、例えばn型不純物の不純物濃度1×1018cm−3以上1×1022cm−3cm−3以下のn型のソース領域18が形成されている。ソース領域18の深さは、pウェル領域16の深さよりも浅く、例えば0.3μm程度である。
また、pウェル領域16の一部表面であって、ソース領域18の側方に、例えば、p型不純物の不純物濃度1×1018cm−3以上1×1022cm−3以下のp型のpウェルコンタクト領域20が形成されている。pウェルコンタクト領域20の深さは、pウェル領域16の深さよりも浅く、例えば0.3μm程度である。
ドリフト層14及びpウェル領域(SiC層)16の表面に連続的に、これらの層及び領域を跨ぐように形成されたゲート絶縁層128を有している。
そして、ゲート絶縁層128上には、ゲート電極30が形成されている。ゲート電極30には、例えば、ドーピングされたポリシリコン等が適用可能である。ゲート電極30上には、例えば、シリコン酸化膜で形成される層間絶縁膜32が形成されている。
ゲート電極30下の、ソース領域18とドリフト層14とに挟まれるpウェル領域16がMISFET100のチャネル領域として機能する。
ゲート絶縁層128は、ゲート電極30とpウェル領域(SiC層)16との間に設けられる。ゲート絶縁層128の膜厚は、例えば、30nm以上300nm以下である。また、ゲート絶縁層128のシリコン酸化膜換算膜厚は、例えば、30nm以上60nm以下である。
図3は、本実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図及び元素分布を示す図である。図3(a)がp型のSiC層16、ゲート絶縁層128及びゲート電極30部分の拡大図、図3(b)が元素分布を示す図である。
ゲート絶縁層128は、第1の層128a、第2の層128b、第1の領域129a、第2の領域129bを備える。第2の層128bは、第1の層128aとゲート電極30との間に設けられる。第2の層128bは、第1の層128a上に設けられる。
第1の層128a及び第2の層128bは、例えば、酸化膜又は酸窒化膜である。第1の層128a及び第2の層128bは、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、ハフニウム酸化膜、ジルコニウム酸化膜、アルミウム酸化膜である。
第2の層128bの酸素密度は、第1の層128aの酸素密度よりも高い。第1の層128aがシリコン酸化膜、第2の層128bがハフニウム酸化膜である場合を例に説明する。
第1の領域129aは、第1の層128aと第2の層128bとの間に設けられる。第1の領域129aは、第1の層128aと第2の層128bとの界面に設けられる。第1の領域129aは、F(フッ素)、D(重水素)、及び、H(水素)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第1の元素を含有する。
そして、第1の領域129aは、第1の元素の濃度の第1のピークを有する。第1のピークの半値全幅は1nm以下である。第1の元素は、第1の層128aと第2の層128bとの界面に偏析している。第1の元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の第1の元素の濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。
第2の領域129bは、第1の領域129aと第1の層128aとの間に設けられる。第2の領域129bは、Ge(ゲルマニウム)、B(ボロン)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第2の元素を含有する。
そして、第2の領域129bは、第2の元素の濃度の第2のピークを有する。第2のピークの半値全幅は1nm以下である。第2の元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の第2の元素の濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。第2のピークは、第1のピークからの距離が4nm以下である。第2のピークは、第1のピークからの距離が1nm以下であることが望ましい。第2の元素は、第1の層128aと第2の層128bとの界面の第1の層128a側に偏析している。
なお、本明細書中、ピークとピークとの距離とは、各ピークの頂部の間の距離を意味するものとする。
第2の領域129bは、更に、C(炭素)の濃度の第3のピークを有する。第3のピークの半値全幅が1nm以下である。Cの濃度のピークから1nm以上離れた位置のCの濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。Cの濃度は、SIMSにて確認できるが、Cの検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。第3のピークは、第1のピークからの距離が4nm以下であり、第2のピークからの距離が第1のピークからの距離よりも短い。第3のピークと第2のピークとは重なっていることが望ましい。
なお、第1の層128a、第2の層128b、第1の領域129a、第2の領域129b中の元素濃度及びその分布は、例えば、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)により求めることが可能である。
MISFET100は、ソース領域18とpウェルコンタクト領域20とに電気的に接続される導電性のソース電極34を備えている。ソース電極34は、pウェル領域16に電位を与えるpウェル電極としても機能する。
ソース電極34は、例えば、Ni(ニッケル)のバリアメタル層と、バリアメタル層上のAl(アルミニウム)のメタル層との積層で構成される。Niのバリアメタル層とAlのメタル層とは反応により合金を形成していてもよい。
また、SiC基板12のドリフト層14と反対側、すなわち、裏面側には、導電性のドレイン電極36が形成されている。ドレイン電極36は、例えば、Ni(ニッケル)である。
なお、本実施形態において、n型不純物は例えば、N(窒素)やP(リン)が好ましいが、As(ヒ素)あるいはSb(アンチモン)等を適用することも可能である。また、p型不純物は例えば、Al(アルミニウム)が好ましいが、B(ボロン)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)等を適用することも可能である。
以下、本実施形態の半導体装置の作用及び効果について説明する。
SiCのMISFETでは、SiC層とゲート絶縁層との界面の界面準位に起因して、電子の移動度が低下し、オン抵抗が高くなるという問題がある。このため、例えば、SiC層と絶縁層との界面に、界面準位を終端するためのN(窒素)やリン(P)を導入する方法がある。この方法を用いた場合、N(窒素)やリン(P)がn型ドーパントとして働き、nチャネル型のMISFETでは閾値が低下する恐れがある。このため、nチャネル型のMISFETでは電子の高い移動度と高い閾値との両立が求められている。
図4は、本実施形態の作用及び効果の説明図である。本実施形態では、第1の領域129aに正電荷が存在し、第1の領域129aに近接する第2の領域129bに負電荷が存在する。この正電荷と負電荷が固定ダイポールを形成している。固定ダイポールは、ゲート電極側が正電荷、SiC層16側が負電荷となる。したがって、この固定ダイポールによりnチャネル型のMISFETの閾値が上昇する。よって、高い閾値を備えるMISFETが実現できる。
本実施形態では、ゲート絶縁層128が、酸素密度の異なる第1の層128aと第2の層128bとの積層構造となっている。酸素密度の異なる第1の層128aと第2の層128bとの界面では酸素欠陥の密度が大きくなる。発明者による第一原理計算の結果、F(フッ素)、D(重水素)、及び、H(水素)から選ばれる第1の元素が酸素欠陥の存在する界面に導入されると、電子を放出して酸素欠陥を埋め正の固定電荷となることで安定となる。
一方、発明者による第一原理計算の結果、Ge(ゲルマニウム)、B(ボロン)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群から選ばれる第2の元素は、絶縁層中、特に、シリコン酸化膜中で、C(炭素)及びO(酸素)と結合して複合体を形成することで安定になることが明らかになった。そして、この複合体は、シリコン酸化膜中で電子トラップ準位を形成することも明らかとなった。
本実施形態では、F(フッ素)、D(重水素)、及び、H(水素)から選ばれる第1の元素から、電子が、第2の元素、C(炭素)及びO(酸素)の複合体に供給されて固定ダイポールが形成され、固定ダイポールが安定となっている。
第1のピークの濃度、第2のピークの濃度、第3のピーク濃度は、1×1019cm−3以上4×1022cm−3以下であることが望ましい。上記範囲を下回ると、固定ダイポールによる閾値上昇効果が得られない恐れがある。また、上記範囲を超えて元素を膜中に導入することは困難である。
第2の元素は、C(炭素)と1:1の量比で結合して複合体を形成する。したがって、第2の元素とC(炭素)との量比は、1:1に近いことが望ましい。したがって、第2のピークの濃度が、第3のピークの濃度の80%以上120%以下であることが望ましい。
また、第2の元素は、C(炭素)と結合して複合体を形成しているため、第3のピークと第2のピークとは重なっていることが望ましい。
次に、本実施形態の半導体装置の製造方法について、図1、図3を参照しつつ説明する。特に、ゲート絶縁層128の製造方法について説明する。第1の元素がAl(アルミニウム)、第2の元素がF(フッ素)である場合を例に説明する。
まず、SiC層16上に熱酸化膜を形成する。この際、熱酸化膜中には基板中のC(炭素)が拡散する。この熱酸化膜が第1の層128aとなる。
次に、酸化窒素雰囲気で熱窒化処理を行い、SiC層16と熱酸化膜との界面のダングリングボンドをN(窒素)で終端する。
次に、熱酸化膜上に、Al(アルミニウム)膜を蒸着する。次に、フッ素プラズマ中でフッ化処理を行う。
次に、酸化ハフニウム膜をCVD法により堆積する。この酸化ハフニウム膜が、第2の層128bとなる。その後、窒素雰囲気中でアニールを行う。このアニールにより、F(フッ素)が、第1の層128aと第2の層128bとの界面に偏析するとともに、基板から供給されたC(炭素)、Al膜から供給されたAlとO(酸素)が結びつき
複合体が形成される。この複合体が界面のF(フッ素)に引き寄せられて、第1の領域129aと第2の領域129bが、形成される。
その後、例えば、多結晶シリコンのゲート電極が形成される。
その他の工程については、公知の製造方法を適用することにより、図1、図3に示したMISFET100が形成される。
本実施形態によれば、高い移動度と高い閾値との両立が可能なnチャネル型のMISFETが実現できる。
Al以外の元素の導入方法として、Ge(ゲルマニウム)、B(ボロン)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)であっても、Alと同様に金属を蒸着させれば良い。或いは、イオン打ち込みによって作っても良い。イオン打ち込みで作る場合には、同じ領域に炭素を打ち込むことで炭素を取り入れることも可能である。以下の実施形態でも同様である。
F(フッ素)以外の元素の導入方法として、D(重水素)、H(水素)であっても、Hプラズマ、Dプラズマ処理を行えば良い。以下の実施形態でも同様である。
(第2の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、ゲート絶縁層が、第1の層と第2の層の積層構造を複数層備えること以外は、第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と重複する内容については、記述を省略する。
図5は、本実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図である。図5に示すように、ゲート絶縁層128は、第1の層128aと第2の層128bの積層構造を2層備えている。第1の領域129aと第2の領域129bも2層備えている。
図6は、本実施形態の作用及び効果の説明図である。本実施形態では、第1の層128aと第2の層128bの積層構造を2層備え、第1の領域129aと第2の領域129bを2層備えることで、固定ダイポールも2層形成される。MISFETの閾値の上昇は固定ダイポールの層数に比例する。したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態と比較して、更に、MISFETの閾値が上昇する。
なお、ここでは、第1の層128aと第2の層128bの積層構造を2層備える場合を例に説明したが、3層以上とすることも可能である。特に、高耐圧のSiC−MISFETでは、ゲート絶縁層厚を厚くすることが、ある程度許容されるため、積層回数を増加させて閾値を上昇させることが容易である。
ここで、基板から遠い場所に形成された129b中に炭素を十分に取り込むことは、TEOSをプリカーサとした膜とするなどの工夫により可能である。その他の作り方は第1の実施形態と同様である。場合によっては、炭素をイオン打ち込みによって取り込んでも良い。以下の実施形態に於いても、炭素が必要な場合には、TEOSによるSiO膜を使えば良い。
(第3の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、ゲート絶縁層が、第1の層と、第1の層とゲート電極との間の、第1の層よりも酸素密度の高い第2の層と、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し、第1の元素の濃度の第1のピークを有する、第2の層内の第1の領域と、Ge(ゲルマニウム)、B(ボロン)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、第2の元素の濃度の第2のピークを有し、第2のピークからの距離が第1のピークからの距離よりも短いC(炭素)の濃度の第3のピークを有する、第2の層内の第2の領域と、を有する。ゲート絶縁層の構成が異なる以外は、第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図7は、本実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図及び元素分布を示す図である。図7(a)がp型のSiC層16、ゲート絶縁層228及びゲート電極30部分の拡大図、図7(b)が元素分布を示す図である。
ゲート絶縁層228は、第1の層228a、第2の層228b、第1の領域229a、第2の領域229bを備える。第2の層228bは、第1の層228aとゲート電極30との間に設けられる。第2の層228bは、第1の層228a上に設けられる。
第1の層228a及び第2の層228bは、例えば、酸化膜又は酸窒化膜である。第1の層228a及び第2の層228bは、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、ハフニウム酸化膜、ジルコニウム酸化膜、アルミウム酸化膜である。
第2の層228bの酸素密度は、第1の層228aの酸素密度よりも高い。第1の層228aがシリコン酸化膜、第2の層228bがハフニウム酸化膜である場合を例に説明する。
第1の領域229aは、第1の層228aと第2の層228bとの間に設けられる。第1の領域229aは、第1の層228aと第2の層228bとの界面の第2の層228b側に設けられる。第1の領域229aは、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第1の元素を含有する。
そして、第1の元素の濃度の第1のピークを有する。第1のピークの半値全幅は1nm以下である。第1の元素は、第1の層228aと第2の層228bとの界面に偏析している。第1の元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の第1の元素の濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。
第2の領域229bは、第1の領域229aと第1の層228aとの間に設けられる。第2の領域229bは、Ge(ゲルマニウム)、B(ボロン)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第2の元素を含有する。
そして、第2の元素の濃度の第2のピークを有する。第2のピークの半値全幅は1nm以下である。第2の元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の第2の元素の濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。第2のピークは、第1のピークからの距離が4nm以下である。第2のピークは、第1のピークからの距離が1nm以下であることが望ましい。第2の元素は、第1の層228aと第2の層228bとの界面の第1の層228a側に偏析している。
第2の領域229bは、更に、C(炭素)の濃度の第3のピークを有する。第3のピークの半値全幅が1nm以下である。Cの濃度のピークから1nm以上離れた位置のCの濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。第3のピークは、第1のピークからの距離が4nm以下であり、第2のピークからの距離が第1のピークからの距離よりも短い。第3のピークと第2のピークとは重なっていることが望ましい。
なお、第1の層228a、第2の層228b、第1の領域229a、第2の領域229b中の元素濃度及びその分布は、例えば、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)により求めることが可能である。
図8は、本実施形態の作用及び効果の説明図である。本実施形態では、第1の領域229aに正電荷が存在し、第1の領域229aに近接する第2の領域229bに負電荷が存在する。この正電荷と負電荷が固定ダイポールを形成している。固定ダイポールは、ゲート電極側が正電荷、SiC層16側が負電荷となる。したがって、この固定ダイポールによりnチャネル型のMISFETの閾値が上昇する。よって、高い閾値を備えるMISFETが実現できる。
本実施形態では、酸素密度の高い第2の層228b中に、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)から選ばれる第1の元素が固定される。発明者による第一原理計算の結果、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)から選ばれる第1の元素は、電子を放出して酸素密度の高い第2の層228b中の金属元素を置換して安定化することが明らかになっている。
一方、発明者による第一原理計算の結果、Ge(ゲルマニウム)、B(ボロン)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群から選ばれる第2の元素は、絶縁層中、特に、シリコン酸化膜中で、C(炭素)及びO(酸素)と結合して複合体を形成することで安定になることが明らかになった。そして、この複合体は、シリコン酸化膜中で電子トラップ準位を形成することが明らかとなった。
本実施形態では、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)から選ばれる第1の元素から、電子が、第2の元素、C(炭素)及びO(酸素)の複合体に供給されて固定ダイポールが形成され、固定ダイポールが安定となっている。
第1のピークの濃度、第2のピークの濃度、第3のピーク濃度は、1×1019cm−3以上4×1022cm−3以下であることが望ましい。上記範囲を下回ると、固定ダイポールによる閾値上昇効果が得られない恐れがある。また、上記範囲を超えて元素を膜中に導入することは困難である。
本実施形態によれば、高い移動度と高い閾値との両立が可能なnチャネル型のMISFETが実現できる。
Ta以外の元素の導入方法として、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)であっても、Taと同様に金属を蒸着させれば良い。或いは、イオン打ち込みによって作っても良い。また、第2の実施形態にならって、多重の積層膜にしても良い。
(第4の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、ゲート絶縁層が、第1の層と、第1の層とゲート電極との間の、第1の層よりも酸素密度の低い第2の層と、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し、第1の元素の濃度の第1のピークを有する、第1の層と第2の層との間に跨る第1の領域と、 N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、第2の元素の濃度の第2のピークを有し、第2のピークからの距離が第1のピークからの距離よりも短いC(炭素)の濃度の第3のピークを有する、第2の層内の第2の領域と、を有する。ゲート絶縁層の構成が異なる以外は、第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図9は、本実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図及び元素分布を示す図である。図9(a)がp型のSiC層16、ゲート絶縁層328及びゲート電極30部分の拡大図、図9(b)が元素分布を示す図である。
ゲート絶縁層328は、第1の層328a、第2の層328b、第1の領域329a、第2の領域329bを備える。第2の層328bは、第1の層328aとゲート電極30との間に設けられる。第2の層328bは、第1の層328a上に設けられる。
第1の層328a及び第2の層328bは、例えば、酸化膜又は酸窒化膜である。第1の層328a及び第2の層328bは、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、ハフニウム酸化膜、ジルコニウム酸化膜、アルミウム酸化膜である。
第2の層328bの酸素密度は、第1の層328aの酸素密度よりも低い。第1の層328aがハフニウム酸化膜、第2の層328bがシリコン酸化膜である場合を例に説明する。
第1の領域329aは、第1の層328aと第2の層328bとの間に設けられる。第1の領域329aは、第1の層328aと第2の層328bとの界面に設けられる。第1の領域329aは、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第1の元素を含有する。
そして、第1の領域329aは、第1の元素の濃度の第1のピークを有する。第1のピークの半値全幅は1nm以下である。第1の元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の第1の元素の濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。第1の元素は、第1の層328aと第2の層328bとの界面に偏析している。
第2の領域329bは、第1の領域329aと第2の層328bとの間に設けられる。第2の領域329bは、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第2の元素を含有する。
そして、第2の領域329bは、第2の元素の濃度の第2のピークを有する。第2のピークの半値全幅は1nm以下である。第2の元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の第2の元素の濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。第2のピークは、第1のピークからの距離が4nm以下である。第2のピークは、第1のピークからの距離が1nm以下であることが望ましい。第2の元素は、第1の層328aと第2の層328bとの界面の第2の層328b側に偏析している。
第2の領域329bは、更に、C(炭素)の濃度の第3のピークを有する。第3のピークの半値全幅が1nm以下である。Cの濃度のピークから1nm以上離れた位置のCの濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。第3のピークは、第1のピークからの距離が4nm以下であり、第2のピークからの距離が第1のピークからの距離よりも短い。第3のピークと第2のピークとは重なっていることが望ましい。
なお、第1の層328a、第2の層328b、第1の領域329a、第2の領域329b中の元素濃度及びその分布は、例えば、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)により求めることが可能である。
図10は、本実施形態の作用及び効果の説明図である。本実施形態では、第1の領域329aに負電荷が存在し、第1の領域329aに近接する第2の領域329bに正電荷が存在する。この正電荷と負電荷が固定ダイポールを形成している。固定ダイポールは、ゲート電極側が正電荷、SiC層16側が負電荷となる。したがって、この固定ダイポールによりnチャネル型のMISFETの閾値が上昇する。よって、高い閾値を備えるMISFETが実現できる。
本実施形態では、ゲート絶縁層328が、酸素密度の異なる第1の層328aと第2の層328bとの積層構造となっている。酸素密度の異なる第1の層328aと第2の層328bとの界面では酸素欠陥の密度が大きくなる。発明者による第一原理計算の結果、このような界面に、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)から選ばれる第1の元素が導入されると電子を受け取って酸素欠陥を埋め、固定負電荷となり、安定となることが明らかとなった。
一方、発明者による第一原理計算の結果、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群から選ばれる第2の元素は、絶縁層中、特に、シリコン酸化膜中で、C(炭素)及びO(酸素)と結合して複合体を形成することで安定することが明らかになった。そして、この複合体は、シリコン酸化膜中で電子を放出して正電荷を形成することも明らかとなった。
本実施形態では、第2の元素、C(炭素)及びO(酸素)の複合体から、電子がN(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)から選ばれる第1の元素へ供給されて安定した固定ダイポールが形成される。
第1のピークの濃度、第2のピークの濃度、第3のピーク濃度は、1×1019cm−3以上4×1022cm−3以下であることが望ましい。上記範囲を下回ると、固定ダイポールによる閾値上昇効果が得られない恐れがある。また、上記範囲を超えて元素を膜中に導入することは困難である。
本実施形態によれば、高い移動度と高い閾値との両立が可能なnチャネル型のMISFETが実現できる。
N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の導入方法としては、HfO膜成後に、それぞれの元素のプラズマ処理をすればよい。そしてその上にTEOSをプリカーサとするSiO2を形成する。こうして、実施形態の積層膜が形成される。ここで、プラズマ処理の代わりに、NH3、PH3、AsH3、SbH3、BiH3処理をしてN、P、As、Sb、Biなどの元素を吸着させても良い。また、第2の実施形態にならって、多重の積層膜にしても良い。
(第5の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、ゲート絶縁層が、第1の層と、第1の層とゲート電極との間の、第1の層よりも酸素密度の低い第2の層と、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し、第1の元素の濃度の第1のピークを有する、第1の層内の第1の領域と、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群の少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、第2の元素の濃度の第2のピークを有し、第2のピークからの距離が第1のピークからの距離よりも短いC(炭素)の濃度の第3のピークを有する、第2の層内の第2の領域と、を有する。ゲート絶縁層の構成が異なる以外は、第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図11は、本実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図及び元素分布を示す図である。図11(a)がp型のSiC層16、ゲート絶縁層428及びゲート電極30部分の拡大図、図11(b)が元素分布を示す図である。
ゲート絶縁層428は、第1の層428a、第2の層428b、第1の領域429a、第2の領域429bを備える。第2の層428bは、第1の層428aとゲート電極30との間に設けられる。第2の層428bは、第1の層428a上に設けられる。
第1の層428a及び第2の層428bは、例えば、酸化膜又は酸窒化膜である。第1の層428a及び第2の層428bは、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、ハフニウム酸化膜、ジルコニウム酸化膜、アルミウム酸化膜である。
第2の層428bの酸素密度は、第1の層428aの酸素密度よりも低い。第1の層428aがハフニウム酸化膜、第2の層428bがシリコン酸化膜である場合を例に説明する。
第1の領域429aは、第1の層428aと第2の層428bとの間に設けられる。第1の領域429aは、第1の層428aと第2の層428bとの界面の第1の層428a側に設けられる。第1の領域429aは、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第1の元素を含有する。
そして、第1の領域429aは、第1の元素の濃度の第1のピークを有する。第1のピークの半値全幅は1nm以下である。第1の元素は、第1の層428aと第2の層428bとの界面の第1の層428a側に偏析している。第1の元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の第1の元素の濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。
第2の領域429bは、第1の領域429aと第2の層428bとの間に設けられる。第2の領域429bは、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第2の元素を含有する。
そして、第2の領域429bは、第2の元素の濃度の第2のピークを有する。第2のピークの半値全幅は1nm以下である。第2の元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の第2の元素の濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。第2のピークは、第1のピークからの距離が4nm以下である。第2のピークは、第1のピークからの距離が1nm以下であることが望ましい。第2の元素は、第1の層428aと第2の層428bとの界面の第2の層428b側に偏析している。
第2の領域429bは、更に、C(炭素)の濃度の第3のピークを有する。第3のピークの半値全幅が1nm以下である。Cの濃度のピークから1nm以上離れた位置のCの濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。第3のピークは、第1のピークからの距離が4nm以下であり、第2のピークからの距離が第1のピークからの距離よりも短い。第3のピークと第2のピークとは重なっていることが望ましい。
なお、第1の層428a、第2の層428b、第1の領域429a、第2の領域429b中の元素濃度及びその分布は、例えば、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)により求めることが可能である。
図12は、本実施形態の作用及び効果の説明図である。本実施形態では、第1の領域429aに負電荷が存在し、第1の領域429aに近接する第2の領域429bに正電荷が存在する。この正電荷と負電荷が固定ダイポールを形成している。固定ダイポールは、ゲート電極側が正電荷、SiC層16側が負電荷となる。したがって、この固定ダイポールによりnチャネル型のMISFETの閾値が上昇する。よって、高い閾値を備えるMISFETが実現できる。
本実施形態では、酸素密度の高い第2の層328b中に、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)から選ばれる第1の元素が固定され負電荷を形成する。
一方、発明者による第一原理計算の結果、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群から選ばれる第2の元素は、絶縁層中、特に、シリコン酸化膜中で、C(炭素)及びO(酸素)と結合して複合体を形成することで安定することが明らかになった。そして、この複合体は、シリコン酸化膜中で電子を放出して正電荷を形成することも明らかとなった。
本実施形態では、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)から選ばれる第1の元素の負電荷と、第2の元素、C(炭素)及びO(酸素)の複合体の正電荷が安定した固定ダイポールが形成する。
第1のピークの濃度、第2のピークの濃度、第3のピーク濃度は、1×1019cm−3以上4×1022cm−3以下であることが望ましい。上記範囲を下回ると、固定ダイポールによる閾値上昇効果が得られない恐れがある。また、上記範囲を超えて元素を膜中に導入することは困難である。
本実施形態によれば、高い移動度と高い閾値との両立が可能なnチャネル型のMISFETが実現できる。
Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の導入方法としては、HfO2膜成後に、それぞれの元素の金属を蒸着すればよい。その後に、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)のプラズマ処理をして、その上にTEOSをプリカーサとするSiOを形成する。こうして、実施形態の積層膜が形成される。ここで、プラズマ処理の代わりに、NH、PH、AsH、SbH、BiH処理をしてN、P、As、Sb、Biなどの元素を吸着させても良い。また、第2の実施形態にならって、多重の積層膜にしても良い。
(第6の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、ゲート絶縁層が、第1の層と、第1の層とゲート電極との間の、第1の層よりも酸素密度の高い第2の層と、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し、第1の元素の濃度の第1のピークを有する、第1の層と第2の層との間に跨る第1の領域と、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)の群の少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、第2の元素の濃度の第2のピークを有する、第2の層内の第2の領域と、を有する。ゲート絶縁層の構成が異なる以外は、第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図13は、本実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図及び元素分布を示す図である。図13(a)がp型のSiC層16、ゲート絶縁層528及びゲート電極30部分の拡大図、図13(b)が元素分布を示す図である。
ゲート絶縁層528は、第1の層528a、第2の層528b、第1の領域529a、第2の領域529bを備える。第2の層528bは、第1の層528aとゲート電極30との間に設けられる。第2の層528bは、第1の層528a上に設けられる。
第1の層528a及び第2の層528bは、例えば、酸化膜又は酸窒化膜である。第1の層528a及び第2の層528bは、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、ハフニウム酸化膜、ジルコニウム酸化膜、アルミウム酸化膜である。
第2の層528bの酸素密度は、第1の層528aの酸素密度よりも高い。第1の層528aがシリコン酸化膜、第2の層528bがハフニウム酸化膜である場合を例に説明する。
第1の領域529aは、第1の層528aと第2の層528bとの間に設けられる。第1の領域529aは、第1の層528aと第2の層528bとの界面に設けられる。第1の領域529aは、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第1の元素を含有する。
そして、第1の領域529aは、第1の元素の濃度の第1のピークを有する。第1のピークの半値全幅は1nm以下である。第1の元素は、第1の層528aと第2の層528bとの界面に偏析している。第1の元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の第1の元素の濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。
第2の領域529bは、第1の領域529aと第2の層528bとの間に設けられる。第2の領域529bは、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第2の元素を含有する。
そして、第2の領域529bは、第2の元素の濃度の第2のピークを有する。第2のピークの半値全幅は1nm以下である。第2の元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の第2の元素の濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。第2のピークは、第1のピークからの距離が4nm以下である。第2のピークは、第1のピークからの距離が1nm以下であることが望ましい。第2の元素は、第1の層528aと第2の層528bとの界面の第2の層528b側に偏析している。
第2の領域529bは、更に、C(炭素)の濃度の第3のピークを有することが望ましい。第3のピークの半値全幅が1nm以下である。Cの濃度のピークから1nm以上離れた位置のCの濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。第3のピークは、第1のピークからの距離が4nm以下であり、第2のピークからの距離が第1のピークからの距離よりも短い。第3のピークと第2のピークとは重なっていることが望ましい。
なお、第1の層528a、第2の層528b、第1の領域529a、第2の領域529b中の元素濃度及びその分布は、例えば、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)により求めることが可能である。
図14は、本実施形態の作用及び効果の説明図である。本実施形態では、第1の領域529aに負電荷が存在し、第1の領域529aに近接する第2の領域529bに正電荷が存在する。この正電荷と負電荷が固定ダイポールを形成している。固定ダイポールは、ゲート電極側が正電荷、SiC層16側が負電荷となる。したがって、この固定ダイポールによりnチャネル型のMISFETの閾値が上昇する。よって、高い閾値を備えるMISFETが実現できる。
本実施形態では、ゲート絶縁層528が、酸素密度の異なる第1の層528aと第2の層528bとの積層構造となっている。酸素密度の異なる第1の層528aと第2の層528bとの界面では酸素欠陥の密度が大きくなる。発明者による第一原理計算の結果、このような界面に、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)から選ばれる第1の元素が導入されると電子を受け取って酸素欠陥を埋め、固定負電荷となり、安定となることが明らかとなった。
本実施形態では、酸素密度の高い第2の層528b中に、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)から選ばれる第2の元素が固定され正電荷を形成する。第2の元素は、C(炭素)と共存することで安定する。
したがって、本実施形態では、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)から選ばれる第2の元素から選ばれる第2の元素から、電子が、界面のN(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)から選ばれる第1の元素に供給されて固定ダイポールが形成され安定となっている。
第1のピークの濃度、第2のピークの濃度、第3のピーク濃度は、1×1019cm−3以上4×1022cm−3以下であることが望ましい。上記範囲を下回ると、固定ダイポールによる閾値上昇効果が得られない恐れがある。また、上記範囲を超えて元素を膜中に導入することは困難である。
本実施形態によれば、高い移動度と高い閾値との両立が可能なnチャネル型のMISFETが実現できる。
各元素の導入方法は、これまでの実施形態に倣えば良い。第2の実施形態にならって、多重の積層膜にしても良い。
HfO中にCを導入したければ、Cを含むプリカーサを用いたCVD成膜を行えば良い。また、イオン打ち込みにより導入しても良い。或いは、基板酸化を行えば、基板から拡散したCを使うことも出来る。
(第7の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、ゲート絶縁層が、第1の層と、第1の層とゲート電極との間の、第1の層よりも酸素密度の低い第2の層と、F(フッ素)、D(重水素)、H(水素)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し記第1の元素の濃度の第1のピークを有する、第1の層と第2の層との間に跨る第1の領域と、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群の少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、第2の元素の濃度の第2のピークを有する、第1の層内の第2の領域と、を有する。ゲート絶縁層の構成が異なる以外は、第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図15は、本実施形態のp型のSiC層、ゲート絶縁層及びゲート電極部分の拡大図及び元素分布を示す図である。図15(a)がp型のSiC層16、ゲート絶縁層628及びゲート電極30部分の拡大図、図15(b)が元素分布を示す図である。
ゲート絶縁層628は、第1の層628a、第2の層628b、第1の領域629a、第2の領域629bを備える。第2の層628bは、第1の層628aとゲート電極30との間に設けられる。第2の層628bは、第1の層628a上に設けられる。
第1の層628a及び第2の層628bは、例えば、酸化膜又は酸窒化膜である。第1の層628a及び第2の層628bは、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、ハフニウム酸化膜、ジルコニウム酸化膜、アルミウム酸化膜である。
第2の層628bの酸素密度は、第1の層628aの酸素密度よりも低い。第1の層628aがハフニウム酸化膜、第2の層628bがシリコン酸化膜である場合を例に説明する。
第1の領域629aは、第1の層628aと第2の層628bとの間に設けられる。第1の領域629aは、第1の層628aと第2の層628bとの界面に設けられる。第1の領域629aは、F(フッ素)、D(重水素)、H(水素)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第1の元素を含有する。
そして、第1の領域629aは、第1の元素の濃度の第1のピークを有する。第1のピークの半値全幅は1nm以下である。第1の元素は、第1の層628aと第2の層628bとの界面に偏析している。第1の元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の第1の元素の濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。
第2の領域629bは、第1の領域629aと第1の層628aとの間に設けられる。第2の領域629bは、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第2の元素を含有する。
そして、第2の領域629bは、第2の元素の濃度の第2のピークを有する。第2のピークの半値全幅は1nm以下である。第2の元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の第2の元素の濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。第2のピークは、第1のピークからの距離が4nm以下である。第2のピークは、第1のピークからの距離が1nm以下であることが望ましい。第2の元素は、第1の層628aと第2の層628bとの界面の第1の層628a側に偏析している。
第2の領域629bは、更に、C(炭素)の濃度の第3のピークを有することが望ましい。第3のピークの半値全幅が1nm以下である。Cの濃度のピークから1nm以上離れた位置のCの濃度は、十分に小さく、1×1018cm−3以下であることが望ましい。元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。第3のピークは、第1のピークからの距離が4nm以下であり、第2のピークからの距離が第1のピークからの距離よりも短い。第3のピークと第2のピークとは重なっていることが望ましい。
なお、第1の層628a、第2の層628b、第1の領域629a、第2の領域629b中の元素濃度及びその分布は、例えば、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)により求めることが可能である。
図16は、本実施形態の作用及び効果の説明図である。本実施形態では、第1の領域629aに正電荷が存在し、第1の領域629aに近接する第2の領域629bに正電荷が存在する。この正電荷と負電荷が固定ダイポールを形成している。固定ダイポールは、ゲート電極側が正電荷、SiC層16側が負電荷となる。したがって、この固定ダイポールによりnチャネル型のMISFETの閾値が上昇する。よって、高い閾値を備えるMISFETが実現できる。
本実施形態では、ゲート絶縁層628が、酸素密度の異なる第1の層628aと第2の層628bとの積層構造となっている。酸素密度の異なる第1の層628aと第2の層628bとの界面では酸素欠陥の密度が大きくなる。発明者による第一原理計算の結果、F(フッ素)、D(重水素)、及び、H(水素)から選ばれる第1の元素が酸素欠陥の存在する界面に導入されると、電子を放出して酸素欠陥を埋め正の固定電荷となることで安定となる。
本実施形態では、酸素密度の高い第1の層628b中に、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)から選ばれる第2の元素が固定される。第2の元素は、C(炭素)と共存することで安定する。
したがって、本実施形態では、界面の、F(フッ素)、D(重水素)、H(水素)から選ばれる第1の元素から、電子が、酸素密度の高い第1の層528b中のMg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)から選ばれる第2の元素に供給されて固定ダイポールが形成され、固定ダイポールが安定となっている。
第1のピークの濃度、第2のピークの濃度、第3のピーク濃度は、1×1019cm−3以上4×1022cm−3以下であることが望ましい。上記範囲を下回ると、固定ダイポールによる閾値上昇効果が得られない恐れがある。また、上記範囲を超えて元素を膜中に導入することは困難である。
本実施形態によれば、高い移動度と高い閾値との両立が可能なnチャネル型のMISFETが実現できる。
各元素の導入方法は、これまでの実施形態に倣えば良い。第2の実施形態にならって、多重の積層膜にしても良い。
(第8の実施形態)
本実施形態のインバータ回路及び駆動装置は、第1の実施形態の半導体装置を備える駆動装置である。
図17は、本実施形態の駆動装置の模式図である。駆動装置1100は、モーター140と、インバータ回路150を備える。
インバータ回路50は、第1の実施形態のMISFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュール100a、100b、100cで構成される。3個の半導体モジュール100a、100b、100cを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。
本実施形態によれば、高い閾値を有するMISFETを備えることで、インバータ回路150及び駆動装置1100の動作が安定する。
(第9の実施形態)
本実施形態の車両は、第1の実施形態の半導体装置を備える車両である。
図18は、本実施形態の車両の模式図である。本実施形態の車両1200は、鉄道車両である。車両1200は、モーター140と、インバータ回路150を備える。
インバータ回路150は、第1の実施形態のMISFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュール100a、100b、100cで構成される。3個の半導体モジュール100a、100b、100cを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。
インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。モーター140により車両1200の車輪90が回転する。
本実施形態によれば、高い閾値を有するMISFETを備えることで、車両1200の動作が安定する。
(第10の実施形態)
本実施形態の車両は、第1の実施形態の半導体装置を備える車両である。
図19は、本実施形態の車両の模式図である。本実施形態の車両1300は、自動車である。車両1300は、モーター140と、インバータ回路150を備える。
インバータ回路150は、第1の実施形態のMISFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュール100a、100b、100cで構成される。3個の半導体モジュール100a、100b、100cを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。
インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。モーター140により車両1300の車輪90が回転する。
本実施形態によれば、高い閾値を有するMISFETを備えることで、車両1300の信頼性が向上する。
(第11の実施形態)
本実施形態の昇降機は、第1の実施形態の半導体装置を備える昇降機である。
図20は、本実施形態の昇降機(エレベータ)の模式図である。本実施形態の昇降機1400は、かご1010、カウンターウエイト1012、ワイヤロープ1014、巻上機1016、モーター140と、インバータ回路150を備える。
インバータ回路150は、第1の実施形態のMISFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュール100a、100b、100cで構成される。3個の半導体モジュール100a、100b、100cを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。
インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。モーター140により巻上機1016が回転し、かご1010が昇降する。
本実施形態によれば、高い閾値を有するMISFETを備えることで、昇降機1400の信頼性が向上する。
以上、第1乃至第7の実施形態では、炭化珪素の結晶構造として4H−SiCの場合を例に説明したが、本発明は6H−SiC、3C−SiC等、その他の結晶構造の炭化珪素に適用することも可能である。
また、第1乃至第7の実施形態では、nチャネル型のプレーナ型のMISFETを例に説明したが、nチャネル型のトレンチ型のMISFETにも本発明を適用することは可能である。また、nチャネル型のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)にも本発明を適用することは可能である。
また、第3乃至第7の実施形態についても、ゲート絶縁層が、第1の層と第2の層の積層構造を複数層備え、複数層の固定ダイポールを備える構成とすることも可能である。
また、異なる実施形態の層構成を組み合わせたゲート絶縁層を半導体装置に設けることも可能である。例えば、第1の実施形態と第7の実施形態を組み合わせることによって、積層膜の界面を有効に使うことが出来る。
従来の電荷トラップ膜では、電荷の注入作業が必要だが、高密度で入れることが出来るというメリットもある。従来の電荷トラップ膜では、時間が経つにつれ、電荷が放出されてしまい、閾値が低下するという問題がある。これは、トラップ状態が、それ程安定ではないことを意味している。
それに対し、上記実施形態では、ゲート絶縁層中に安定なダイポールを形成することが出来る。非常に安定であるため、絶縁層中から電荷の出入りはない。唯一の問題は、トラップ量を、それ程高く出来ないために、シフト量が稼げないという点があげられる。しかし、その点は、多重の積層にすることでシフト量をかなり大きく出来る。ダイポール一つ当たりで、1〜5V程度可能である。よって、目標の5V程度であれば、ダイポールを1〜3段程度導入すれば、十分である。更に5Vを超えて7V程度にすると、安定性が増すので、非常に有効である。SiC/絶縁層界面をしっかり終端すると、移動度は上昇するが、閾値が低下してしまう。上記実施形態では、終端とは独立したゲート絶縁層の積層構造によって、閾値を自由にコントロールできる。
また、第9乃至第11の実施形態において、本発明の半導体装置を車両やエレベータに適用する場合を例に説明したが、本発明の半導体装置を例えば、太陽光発電システムのパワーコンディショナー等に適用することも可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
16 pウェル領域(SiC層)
30 ゲート電極
100 MISFET(半導体装置)
128 ゲート絶縁層
128a 第1の層
128b 第2の層
129a 第1の領域
129b 第2の領域
140 モーター
150 インバータ回路
228 ゲート絶縁層
228a 第1の層
228b 第2の層
229a 第1の領域
229b 第2の領域
328 ゲート絶縁層
328a 第1の層
328b 第2の層
329a 第1の領域
329b 第2の領域
428 ゲート絶縁層
428a 第1の層
428b 第2の層
429a 第1の領域
429b 第2の領域
528 ゲート絶縁層
528a 第1の層
528b 第2の層
529a 第1の領域
529b 第2の領域
628 ゲート絶縁層
628a 第1の層
628b 第2の層
629a 第1の領域
629b 第2の領域
1100 駆動装置
1200 車両
1300 車両
1400 昇降機
本実施形態の半導体装置は、ゲート絶縁層が、第1の層と、第1の層とゲート電極との間の、第1の層よりも酸素密度の高い第2の層と、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し、第1の元素の濃度の第1のピークを有する、第2の層内の第1の領域と、Ge(ゲルマニウム)、B(ボロン)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群から選ばれる少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、第2の元素の濃度の第2のピークを有し、第2のピークからの距離が第1のピークからの距離よりも短いC(炭素)の濃度の第3のピークを有する、第の層内の第2の領域と、を有する。ゲート絶縁層の構成が異なる以外は、第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。

Claims (34)

  1. p型のSiC層と、
    ゲート電極と、
    前記SiC層と前記ゲート電極との間のゲート絶縁層とを備え、
    前記ゲート絶縁層は、
    第1の層と、
    前記第1の層と前記ゲート電極との間の、前記第1の層よりも酸素密度の高い第2の層と、
    F(フッ素)、D(重水素)、H(水素)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し、前記第1の元素の濃度の第1のピークを有する、前記第1の層と前記第2の層との間に跨る第1の領域と、
    Ge(ゲルマニウム)、B(ボロン)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群の少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、前記第2の元素の濃度の第2のピークを有し、前記第2のピークからの距離が前記第1のピークからの距離よりも短いC(炭素)の濃度の第3のピークを有する、前記第1の層内の第2の領域と、
    を有する半導体装置。
  2. 前記第2のピークの前記第1のピークからの距離が4nm以下であり、前記第3のピークの前記第1のピークからの距離が4nm以下である請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記第1のピーク、及び、前記第2のピークの半値全幅が1nm以下である請求項1又は請求項2記載の半導体装置。
  4. 前記第3のピークの半値全幅が1nm以下である請求項1乃至請求項3いずれか一項記載の半導体装置。
  5. 前記第1の層がシリコン酸化膜である請求項1乃至請求項4いずれか一項記載の半導体装置。
  6. 前記第2の層がハフニウム酸化膜、又は、ジルコニウム酸化膜である請求項1乃至請求項5いずれか一項記載の半導体装置。
  7. p型のSiC層と、
    ゲート電極と、
    前記SiC層と前記ゲート電極との間のゲート絶縁層とを備え、
    前記ゲート絶縁層は、
    第1の層と、
    前記第1の層と前記ゲート電極との間の、前記第1の層よりも酸素密度の高い第2の層と、
    Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し、前記第1の元素の濃度の第1のピークを有する、前記第2の層内の第1の領域と、
    Ge(ゲルマニウム)、B(ボロン)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群の少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、前記第2の元素の濃度の第2のピークを有し、前記第2のピークからの距離が前記第1のピークからの距離よりも短いC(炭素)の濃度の第3のピークを有する、前記第2の層内の第2の領域と、
    を有する半導体装置。
  8. 前記第2のピークの前記第1のピークからの距離が4nm以下であり、前記第3のピークの前記第1のピークからの距離が4nm以下である請求項7記載の半導体装置。
  9. 前記第1のピーク、及び、前記第2のピークの半値全幅が1nm以下である請求項7又は請求項8記載の半導体装置。
  10. 前記第3のピークの半値全幅が1nm以下である請求項7乃至請求項9いずれか一項記載の半導体装置。
  11. 前記第1の層がシリコン酸化膜である請求項7乃至請求項10いずれか一項記載の半導体装置。
  12. 前記第2の層がハフニウム酸化膜、又は、ジルコニウム酸化膜である請求項7乃至請求項11いずれか一項記載の半導体装置。
  13. p型のSiC層と、
    ゲート電極と、
    前記SiC層と前記ゲート電極との間のゲート絶縁層とを備え、
    前記ゲート絶縁層は、
    第1の層と、
    前記第1の層と前記ゲート電極との間の、前記第1の層よりも酸素密度の低い第2の層と、
    N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し、前記第1の元素の濃度の第1のピークを有する、前記第1の層と前記第2の層との間に跨る第1の領域と、
    N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群の少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、前記第2の元素の濃度の第2のピークを有し、前記第2のピークからの距離が前記第1のピークからの距離よりも短いC(炭素)の濃度の第3のピークを有する、前記第2の層内の第2の領域と、
    を有する半導体装置。
  14. 前記第2のピークの前記第1のピークからの距離が4nm以下であり、前記第3のピークの前記第1のピークからの距離が4nm以下である請求項13記載の半導体装置。
  15. 前記第1のピーク、及び、前記第2のピークの半値全幅が1nm以下である請求項113又は請求項14記載の半導体装置。
  16. 前記第3のピークの半値全幅が1nm以下である請求項13乃至請求項15いずれか一項記載の半導体装置。
  17. 前記第2の層がシリコン酸化膜である請求項13乃至請求項16いずれか一項記載の半導体装置。
  18. 前記第1の層がハフニウム酸化膜、又は、ジルコニウム酸化膜である請求項13乃至請求項17いずれか一項記載の半導体装置。
  19. p型のSiC層と、
    ゲート電極と、
    前記SiC層と前記ゲート電極との間のゲート絶縁層とを備え、
    前記ゲート絶縁層は、
    第1の層と、
    前記第1の層と前記ゲート電極との間の、前記第1の層よりも酸素密度の低い第2の層と、
    Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し、前記第1の元素の濃度の第1のピークを有する、前記第1の層内の第1の領域と、
    N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群の少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、前記第2の元素の濃度の第2のピークを有し、前記第2のピークからの距離が前記第1のピークからの距離よりも短いC(炭素)の濃度の第3のピークを有する、前記第2の層内の第2の領域と、
    を有する半導体装置。
  20. 前記第2のピークの前記第1のピークからの距離が4nm以下であり、前記第3のピークの前記第1のピークからの距離が4nm以下である請求項19記載の半導体装置。
  21. 前記第1のピーク、及び、前記第2のピークの半値全幅が1nm以下である請求項19又は請求項20記載の半導体装置。
  22. 前記第3のピークの半値全幅が1nm以下である請求項19乃至請求項21いずれか一項記載の半導体装置。
  23. 前記第2の層がシリコン酸化膜である請求項19乃至請求項22いずれか一項記載の半導体装置。
  24. 前記第1の層がハフニウム酸化膜、又は、ジルコニウム酸化膜である請求項19乃至請求項23いずれか一項記載の半導体装置。
  25. p型のSiC層と、
    ゲート電極と、
    前記SiC層と前記ゲート電極との間のゲート絶縁層とを備え、
    前記ゲート絶縁層は、
    第1の層と、
    前記第1の層と前記ゲート電極との間の、前記第1の層よりも酸素密度の高い第2の層と、
    N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し、前記第1の元素の濃度の第1のピークを有する、前記第1の層と前記第2の層との間に跨る第1の領域と、
    Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)の群の少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、前記第2の元素の濃度の第2のピークを有する、前記第2の層内の第2の領域と、
    を有する半導体装置。
  26. 前記第2のピークの前記第1のピークからの距離が4nm以下である請求項25記載の半導体装置。
  27. 前記第2の領域が、前記第1のピークからの距離が4nm以下であり、前記第2のピークからの距離が前記第1のピークからの距離よりも短いC(炭素)の濃度の第3のピークを有する請求項25又は請求項26記載の半導体装置。
  28. p型のSiC層と、
    ゲート電極と、
    前記SiC層と前記ゲート電極との間のゲート絶縁層とを備え、
    前記ゲート絶縁層は、
    第1の層と、
    前記第1の層と前記ゲート電極との間の、前記第1の層よりも酸素密度の低い第2の層と、
    F(フッ素)、D(重水素)、H(水素)の群の少なくとも一つの元素である第1の元素を含有し、前記第1の元素の濃度の第1のピークを有する、前記第1の層と前記第2の層との間に跨る第1の領域と、
    Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)、La(ランタン)、ランタノイド(Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)の群の少なくとも一つの元素である第2の元素を含有し、前記第2の元素の濃度の第2のピークを有する、前記第1の層内の第2の領域と、
    を有する半導体装置。
  29. 前記第2のピークの前記第1のピークからの距離が4nm以下である請求項28記載の半導体装置。
  30. 前記第2の領域が、前記第1のピークからの距離が4nm以下であり、前記第2のピークからの距離が前記第1のピークからの距離よりも短いC(炭素)の濃度の第3のピークを有する請求項28又は請求項29記載の半導体装置。
  31. 請求項1乃至請求項29いずれか一項記載の半導体装置を備えるインバータ回路。
  32. 請求項1乃至請求項29いずれか一項記載の半導体装置を備える駆動装置。
  33. 請求項1乃至請求項29いずれか一項記載の半導体装置を備える車両。
  34. 請求項1乃至請求項29いずれか一項記載の半導体装置を備える昇降機。
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