JP6552950B2 - 半導体装置、半導体装置の製造方法、インバータ回路、駆動装置、車両、及び、昇降機 - Google Patents

半導体装置、半導体装置の製造方法、インバータ回路、駆動装置、車両、及び、昇降機 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、導体装置、半導体装置の製造方法、インバータ回路、駆動装置、車両、及び、昇降機に関する。
次世代の半導体デバイス用の材料としてSiC(炭化珪素)が期待されている。SiCはSi(シリコン)と比較して、バンドギャップが3倍、破壊電界強度が約10倍、熱伝導率が約3倍と優れた物性を有する。この特性を活用すれば低損失かつ高温動作可能な半導体デバイスを実現することができる。
しかし、例えば、SiCを用いてMIS(Metal Insulator Semiconductor)構造を形成する場合、半導体と絶縁層との間に存在する界面準位の密度がSiと比較して大きくなる。このため、電荷の移動度が低下し、MISFET(Meatl Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のオン抵抗が高くなるという問題がある。
また、例えば、SiC上に金属電極を設けてSBD(Schottky Barrier Diode)を製造する場合、SiCと金属電極との間に存在する界面準位によりフェルミレベルのピン止めが生じる。このため、SBDとして所望の特性が実現できないという問題がある。
特表2014−523131号公報
本発明が解決しようとする課題は、SiC表面の界面準位が低減された半導体装置、半導体装置の製造方法、インバータ回路、駆動装置、車両、及び、昇降機を提供することにある。
実施形態の半導体装置は、第1の面を備えるSiC層と、絶縁層と、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群の少なくとも一つの元素を含有し、前記元素の濃度のピークの半値全幅が1nm以下であり、前記ピークの前記元素の濃度が、5×10 20 cm −3 以下である、前記SiC層の前記第1の面と前記絶縁層との間の領域と、を備え、前記絶縁層中の前記元素の濃度が、1×10 17 cm −3 以下である
第1の実施形態の半導体装置を示す模式断面図である。 第1の実施形態のSiC半導体の結晶構造を示す図である。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。 第4の実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。 第5の実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。 第5の実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。 第5の実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。 第6の実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。 第6の実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。 第7の実施形態の半導体装置を示す模式断面図である。 第8の実施形態の半導体装置を示す模式断面図である。 第9の実施形態の半導体装置を示す模式断面図である。 第10の実施形態の半導体装置を示す模式断面図である。 第11の実施形態の半導体装置を示す模式断面図である。 第12の実施形態の半導体装置を示す模式断面図である。 第13の実施形態の半導体装置を示す模式断面図である。 第13の実施形態の変形例の半導体装置を示す模式断面図である。 第14の実施形態の半導体装置を示す模式断面図である。 第14の実施形態の変形例の半導体装置を示す模式断面図である。 第15の実施形態の半導体装置を示す模式断面図である。 第16の実施形態の駆動装置の模式図である。 第17の実施形態の車両の模式図である。 第18の実施形態の車両の模式図である。 第19の実施形態の昇降機の模式図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一の部材等には同一の符号を付し、一度説明した部材等については適宜その説明を省略する。
また、以下の説明において、n、n、n及び、p、p、pの表記は、各導電型における不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわちnはnよりもn型の不純物濃度が相対的に高く、nはnよりもn型の不純物濃度が相対的に低いことを示す。また、pはpよりもp型の不純物濃度が相対的に高く、pはpよりもp型の不純物濃度が相対的に低いことを示す。なお、n型、n型を単にn型、p型、p型を単にp型と記載する場合もある。
(第1の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、第1の面を備えるSiC層と、絶縁層と、SiC層の第1の面と絶縁層との間に設けられ、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素を含有し、上記元素の濃度のピークの半値全幅が1nm以下であり、第1の面においてSi(シリコン)又はC(炭素)いずれとも結合しないSi(シリコン)及びC(炭素)の面密度を第1の面密度とした場合に、上記元素の面密度である第2の面密度が第1の面密度の1/2以下である領域と、を備える。
以下、便宜上、上記領域を界面領域と称する。また、便宜上、界面領域に含有される上記元素を終端元素と称する。
図1は、本実施形態の半導体装置であるMISFETの構成を示す模式断面図である。このMISFET100は、pウェルとソース領域をイオン注入で形成する、Double Implantation MOSFET(DIMOSFET)である。
このMISFET100は、n型のSiC基板12を備えている。本明細書ではSiC基板12等の面に対し、図1における上側の面を表面、下側の面を裏面と称する。
SiC基板12は、例えば、不純物濃度1×1018cm−3以上1×1020cm−3以下の、例えばN(窒素)をn型不純物として含む4H−SiCのSiC基板である。
図2は、SiC半導体の結晶構造を示す図である。SiC半導体の代表的な結晶構造は、4H−SiCのような六方晶系である。六角柱の軸方向に沿うc軸を法線とする面(六角柱の頂面)の一方が(0001)面である。(0001)面と等価な面を、シリコン面と称し{0001}面と表記する。シリコン面にはSi(シリコン)が配列している。
六角柱の軸方向に沿うc軸を法線とする面(六角柱の頂面)の他方が(000−1)面である。(000−1)面と等価な面を、カーボン面と称し{000−1}面と表記する。カーボン面にはC(炭素)が配列している
一方、六角柱の側面(柱面)が、(1−100)面と等価な面であるm面、すなわち{1−100}面である。また、隣り合わない一対の稜線を通る面が(11−20)面と等価な面であるa面、すなわち{11−20}面である。m面及びa面には、Si(シリコン)及びC(炭素)の双方が配列している。
以下、SiC基板12の表面がシリコン面に対し0度以上30度以下傾斜した面、裏面がカーボン面に対し0度以上30度以下傾斜した面である場合を例に説明する。
SiC基板12の表面上には、例えば、n型不純物の不純物濃度5×1015以上2×1016cm−3以下のn型のドリフト層(SiC層)14が形成されている。ドリフト層14は、例えば、SiC基板12上にエピタキシャル成長により形成されたSiCのエピタキシャル成長層である。
ドリフト層14の表面(第1の面)も、シリコン面に対し0度以上30度以下傾斜した面である。ドリフト層14の膜厚は、例えば、5μm以上100μm以下である。
ドリフト層14の一部表面には、例えば、p型不純物の不純物濃度5×1015cm−3以上1×1017cm−3以下のp型のpウェル領域(SiC層)16が形成されている。pウェル領域16の深さは、例えば0.6μm程度である。pウェル領域16は、MISFET100のチャネル領域として機能する。
pウェル領域16の一部表面には、例えばn型不純物の不純物濃度1×1018cm−3以上1×1022cm−3cm−3以下のn型のソース領域18が形成されている。ソース領域18の深さは、pウェル領域16の深さよりも浅く、例えば0.3μm程度である。
また、pウェル領域16の一部表面であって、ソース領域18の側方に、例えば、p型不純物の不純物濃度1×1018cm−3以上1×1022cm−3以下のp型のpウェルコンタクト領域20が形成されている。pウェルコンタクト領域20の深さは、pウェル領域16の深さよりも浅く、例えば0.3μm程度である。
ドリフト層14及びpウェル領域16の表面(第1の面)に連続的に、これらの層及び領域を跨ぐように形成されたゲート絶縁層(絶縁層)28を有している。ゲート絶縁層28には、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜、又は、high−k絶縁膜が適用可能である。ゲート絶縁層28のリーク電流を抑制する観点からは、high−k絶縁膜と比較して、バンドギャップの大きいシリコン酸化膜を適用することが望ましい。
また、ゲート絶縁層28中にC(炭素)が過剰に存在すると、デバイス特性に悪影響を与えるトラップ準位の密度が増加する恐れがある。したがって、ゲート絶縁層28中のC(炭素)の濃度が1×1018cm−3以下であることが望ましい。
そして、ゲート絶縁層28上には、ゲート電極30が形成されている。ゲート電極30には、例えば、ドーピングされたポリシリコン等が適用可能である。ゲート電極30上には、例えば、シリコン酸化膜で形成される層間絶縁膜32が形成されている。
ゲート電極30下の、ソース領域18とドリフト層14とに挟まれるpウェル領域16がMISFET100のチャネル領域として機能する。
ゲート絶縁層28は、ゲート電極30とドリフト層14との間に設けられる。そして、ドリフト層14とゲート絶縁層28との間には、界面領域40が設けられる。
界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
終端元素は、ドリフト層14とゲート絶縁層28との間の界面に偏析している。終端元素の濃度のピークの半値全幅は1nm以下である。濃度のピークの半値全幅は0.5nm以下であることが望ましく、0.2nm未満であることがより望ましい。
界面領域40は、単原子層(monoatomic layer)であることが望ましい。
ドリフト層(SiC層)14の表面(第1の面)においてSi(シリコン)又はC(炭素)いずれとも結合しないSi(シリコン)及びC(炭素)の面密度を第1の面密度と定義する。また、終端元素の面密度を第2の面密度とする。第2の面密度は第1の面密度の1/2以下である。
第2の面密度が第1の面密度の1/120以下であることが望ましい。また、第2の面密度が第1の面密度の1/12000以上であることが望ましい。
界面領域40における終端元素の濃度のピークは、5×1018cm−3以上であることが望ましい。また、1×1019cm−3以上であることがより望ましい。
ゲート絶縁層(絶縁層)28中の終端元素の濃度は、1×1018cm−3以下であることが望ましい。絶縁層中の終端元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各終端元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。ゲート絶縁層28中の終端元素の濃度は、例えば、界面領域40における終端元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の濃度とする。
MISFET100は、ソース領域18とpウェルコンタクト領域20とに電気的に接続される導電性のソース電極34を備えている。ソース電極34は、pウェル領域16に電位を与えるpウェル電極としても機能する。
ソース電極34は、例えば、Ni(ニッケル)のバリアメタル層と、バリアメタル層上のAl(アルミニウム)のメタル層との積層で構成される。Niのバリアメタル層とAlのメタル層とは反応により合金を形成していてもよい。
また、SiC基板12のドリフト層14と反対側、すなわち、裏面側には、導電性のドレイン電極36が形成されている。ドレイン電極36は、例えば、Ni(ニッケル)である。
なお、本実施形態において、n型不純物は例えば、N(窒素)やP(リン)が好ましいが、As(ヒ素)あるいはSb(アンチモン)等を適用することも可能である。また、p型不純物は例えば、Al(アルミニウム)が好ましいが、B(ボロン)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)等を適用することも可能である。
以下、本実施形態の半導体装置の作用及び効果について説明する。
SiCのMIS構造において、高い移動度が実現できない原因の一つは、界面のSi(シリコン)やC(炭素)のダングリングボンドが終端されず、界面準位を形成することにあると考えられる。発明者らによる第一原理計算による検討の結果、アルカリ土類金属であるBe(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる元素(終端元素)により、安定してSiC層表面のダングリングボンドを終端できることが明らかになった。
より具体的には、例えば、SiC層とシリコン酸化膜との積層構造中に、上記元素が存在する場合、上記元素がSiC層中やシリコン酸化膜中に存在するよりも、上記元素がSiC層の表面のSi(シリコン)又はC(炭素)と電子の交換作用を伴ってSiC層表面に結合する方がエネルギー的に安定であることが判明した。1個の上記元素は、2価であるため、SiC層表面で近接する2個のSi又はCとの間で電子の交換を行うことでSiC層表面に結合する。しかし、SiC層とシリコン酸化膜との積層界面のみに終端元素が偏析した構造を作りこむには、後に記すようなプロセスの工夫が必要である。
上記元素とSi又はCとの間の結合状態は、XPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)測定などにより確認することが可能である。
本実施形態では、SiC層の表面を、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素で終端する。したがって、MIS構造の界面の界面準位が低減され、チャネル部で高い移動度が得られる。よって、オン抵抗が低いMISFETが実現できる。
図3は、本実施形態の半導体装置のバンド図の一例を示す図である。SiC半導体のシリコン面をSr(ストロンチウム)で終端させた場合のバンド図を第一原理計算で求めている。
図3に示すように、SrがSiと結合することにより、Siのダングリングボンドが終端され、価電子帯と伝導帯との間のミッドギャップ中のダングリングボンドに起因する界面準位が無くなる。そして、バンドギャップエネルギーは、バルク4H−SiCのバンドギャップエネルギーを回復している。
また、第一原理計算によれば、本実施形態の終端元素は、例えば、ダングリングボンドを終端することが知られるH(水素)やN(窒素)よりも、エネルギー的に安定な終端構造が形成できることが判明している。したがって、例えば、製造中に高温工程を経ても、終端元素の乖離によるダングリングボンドの発生が生じにくい。
SiC層表面を酸化する場合、酸素がSiのバックボンドにアタックすることにより、SiCと酸化膜との界面のラフネスが生じ、ゲート絶縁層の信頼性が低下する恐れがある。また、酸化中にC(炭素)が酸化膜中に拡散し、リーク電流の増大、信頼性の低下が生じる恐れがある。また、酸化中にSiC層にC(炭素)の空孔が生じてトラップ準位を形成し、MISFETの移動度が低下する恐れがある。
本実施形態によれば、上記の終端元素により、SiC層の最表面が終端され、安定した界面領域40が形成される。安定な界面領域40が存在すると、酸化性雰囲気に晒されても、SiC層の更なる酸化が抑制される。したがって、界面のラフネスや、C(炭素)の酸化膜中への拡散が抑制される。よって、ゲート絶縁層のリーク電流の増大や信頼性の低下が抑制される。また、C(炭素)の空孔の形成も抑制され、MISFETの移動度の低下も抑制される。
一方、SiC層の表面に結合しない余剰の終端元素が存在すると、その終端元素は絶縁層中に拡散することになる。例えば、絶縁層がシリコン酸化膜である場合、シリコン酸化膜中に終端元素のシリケートや酸化物が形成される。絶縁層中の終端元素のシリケートや終端元素の酸化物は、バンドオフセットが小さいため、トラップ準位を形成し、絶縁層の信頼性を低下させる恐れがある。
したがって、終端元素が、SiC層と絶縁層との界面でSiC層と結合する量以上に存在することは、デバイス特性を劣化させるため望ましくない。
上述のように本実施形態の終端元素は、2個のSi又はCとの間で電子の交換を行うことでSiC層表面に結合する。このため、SiC層の表面において、終端元素は、ダングリングボンドを備えうるSi又はCの数の半分より多くは結合できない。
したがって、余剰の終端元素が存在しないようにする観点から、終端元素の第2の面密度は第1の面密度の1/2以下であることが望ましい。言い換えれば、終端元素の第2の面密度は第1の面密度の1/2よりも大きくないことが望ましい。ここで、第1の面密度は、SiC層の表面(第1の面)においてSi(シリコン)又はC(炭素)いずれとも結合しないSi(シリコン)及びC(炭素)の面密度である。言い換えれば、SiC層の表面(第1の面)において、ダングリングボンドを備えうるSi又はCの面密度である。
例えば、ドリフト層14の表面(第1の面)がシリコン面である場合を考える。シリコン面の表面に現れるSi(シリコン)又はC(炭素)の面密度は、2.4×1015cm−2である。シリコン面では、表面のC(炭素)は、すべてSi(シリコン)と結合している。したがって、シリコン面の場合は、SiのみがSi又はCのいずれとも結合しないので、第1の面密度は半分の1.2×1015cm−2となる。したがって、第2の面密度は、0.6×1015cm−2以下、すなわち、6×1014cm−2以下であることが望ましい。
仮に、界面領域の厚さを0.2nmとすると、6×1014cm−2の面密度は、体積密度で3×1022cm−3に相当する。したがって、上記終端元素のピークの濃度は、3×1022cm−3以下であることが望ましい。
SiC層表面の界面準位密度は1×1014cm−2程度以下である。この場合、1個の上記終端元素が1個の界面準位を終端させるとすると、終端元素の上限は1×1014cm−2となる。これは、シリコン面の第1の面密度である1.2×1015cm−2の1/12である。よって、第2の面密度が第1の面密度の1/12以下であることが望ましい。また、第2の面密度が1×1014cm−2以下であることが望ましい。
仮に、界面領域の厚さを0.2nmとすると、1×1014cm−2の面密度は、体積密度で5×1021cm−3に相当する。したがって、上記終端元素のピークの濃度は、5×1021cm−3以下であることが望ましい。
一般に、SiC層表面の界面準位密度は1×1013cm−2程度とされている。この場合、1個の上記終端元素が1個の界面準位を終端させるとすると、終端元素の上限は1×1013cm−2となる。これは、シリコン面の第1の面密度である1.2×1015cm−2の1/120である。よって、第2の面密度が第1の面密度の1/120以下であることが望ましい。また、第2の面密度が1×1013cm−2以下であることが望ましい。
仮に、界面領域の厚さを0.2nmとすると、1×1013cm−2の面密度は、体積密度で5×1020cm−3に相当する。したがって、上記終端元素のピークの濃度は、5×1020cm−3以下であることが望ましい。
また、上記元素による終端効果を実現するためには、少なくとも存在すると考えられる界面準位の10個に1個は上記終端元素で終端させることが出来れば十分な効果がある。したがって、第2の面密度が第1の面密度の1/1200以上であることが望ましい。また、第2の面密度が1×1012cm−2以上であることが望ましい。
仮に、界面領域の厚さを0.2nmとすると、1×1012cm−2の面密度は、体積密度で5×1019cm−3に相当する。したがって、上記終端元素のピークの濃度は、5×1019cm−3以上であることが望ましい。
また、上記元素による終端効果を実現するためには、少なくとも存在すると考えられる界面準位の100個に1個は上記終端元素で終端させることが望ましい。したがって、第2の面密度が第1の面密度の1/12000以上であることが望ましい。また、第2の面密度が1×1011cm−2以上であることが望ましい。
仮に、界面領域の厚さを0.2nmとすると、1×1011cm−2の面密度は、体積密度で5×1018cm−3に相当する。したがって、上記終端元素のピークの濃度は、5×1018cm−3以上であることが望ましい。
なお、第1の面密度は、SiC層の表面(第1の面)の面方位が定まれば、幾何学的に算出することが可能である。また、第2の面密度は、例えば、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)により求めることが可能である。例えば、第2の面密度は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)によりカウントされた界面領域の上記終端元素の量を、入射イオンのビーム面積で除した値である。
また、絶縁層中に終端元素が存在して、デバイス特性を劣化させることを抑制する観点から、絶縁層中の上記終端元素の濃度が、1×1018cm−3以下であることが望ましい。絶縁層中の終端元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各終端元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。
また、絶縁層中に上記終端元素が存在して、デバイス特性を劣化させることを抑制する観点から、界面領域40は、単原子層(monoatomic layer)であることが望ましい。
単原子層とは、SiC表面に終端元素が原子1層分しかない状態を意味する。界面領域40が、単原子層の場合、界面領域40の物理的膜厚は、原子1個分以下である。具体的には0.2nm未満である。
界面領域40が単原子層の場合、SiC層の表面において、Si(シリコン)又はC(炭素)いずれとも結合しないSi(シリコン)及びC(炭素)の数と、終端元素の数が一致する場合、すなわち、第1の面密度と第2の面密度が等しい場合を、界面領域40が1モノレイヤ(1ML)であると定義する。界面領域40が単原子層の場合、第2の面密度が第1の面密度の半分であるため、界面領域40は1/2モノレイヤ以下である。界面領域40は1/120モノレイヤ以下であることが望ましい。また、界面領域40は1/12000モノレイヤ以上であることが望ましい。
なお、終端元素で終端されていない界面準位が、H(水素)、N(窒素)、F(フッ素)で終端されても構わない。したがって、界面領域40に、H(水素)、N(窒素)、又は、F(フッ素)が含有されていても構わない。
なお、終端元素の内、原子半径が大きい元素程、より安定にSiC層表面に結合する。したがって、安定した終端構造を実現する観点からは、終端元素がBa(バリウム)又はSr(ストロンチウム)であることが望ましい。一方、半導体装置の製造コストを低減させる観点からは、終端元素は、安価な元素であるMg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)であることが望ましい。
なお、ドリフト層14の表面(第1の面)は、シリコン面に対し0度以上8度以下傾斜した面であることが望ましい。
以上、本実施形態によれば、SiC層とゲート絶縁層との間の界面準位が低減され、高い移動度を備えたMISFETが実現される。そして、SiC層とゲート絶縁層との間の界面の間のラフネスが低減されている。また、終端元素のゲート絶縁層中の濃度が抑制されている。したがって、ゲート絶縁層のリーク電流が低減されるとともにゲート絶縁層の信頼性が向上する。よって、高い動作性能及び高い信頼性を備えたMISFET100が実現される。
(第2の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、ドリフト層(SiC層)の表面(第1の面)がカーボン面((000−1)面)に対し0度以上30度以下傾斜した面である点で、第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
本実施形態のMISFETの構成も、図1で示される構成と同様である。以下、図1を参照しつつ本実施形態のMISFETについて説明する。
本実施形態のMISFETでは、SiC基板12の表面及びドリフト層(SiC層)14の表面(第1の面)がカーボン面((000−1)面)に対し0度以上30度以下傾斜した面である。
そして、ドリフト層(SiC層)14とゲート絶縁層(絶縁層)28との間の界面には、界面領域40が設けられる。界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
カーボン面では、表面のSi(シリコン)は、すべてC(炭素)と結合している。したがって、カーボン面の場合は、CのみがSi又はCのいずれとも結合しない。よって、Cのみが、ダングリングボンドを形成し得る。
発明者による第一原理計算より、終端元素は、SiよりもCと結合することが、より安定であることが判明している。したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態よりも、更に安定した界面領域40を備えるMISFETが実現される。
なお、ドリフト層14の表面は、更に安定した界面領域40を実現させる観点から、カーボン面に対し0度以上8度以下傾斜した面であることが望ましい。
(第3の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、ドリフト層(SiC層)の表面(第1の面)が<0001>方向に対し0度以上30度以下傾斜する面である点で、第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
本実施形態のMISFETでは、SiC基板12の表面及びドリフト層(SiC層)14の表面(第1の面)が<0001>方向に対し0度以上30度以下傾斜する面である。例えば、ドリフト層14の表面は、a面又はm面である。なお、<0001>方向との表記は、[0001]方向と[000−1]方向を含む。
そして、ドリフト層14とゲート絶縁層(絶縁層)28との間の界面には、界面領域40が設けられる。界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
<0001>方向に対し0度以上30度以下傾斜する面では、Si(シリコン)及びC(炭素)のいずれもが、ダングリングボンドを形成し得る。
第2の実施形態で説明したように、終端元素は、SiよりもCと結合することが、より安定であることが判明している。一方、例えば、ゲート絶縁層28が酸化膜である場合、CよりもSiの方が酸素と強く結合する。
したがって、本実施形態によれば、終端元素がCと結合することで、第1の実施形態よりも更に安定した界面領域40が実現されるとともに、SiC層とゲート酸化膜28の結合もSiと酸素が結合することにより安定化する。したがって、デバイス特性が安定したMISFETが実現される。
なお、ドリフト層14の表面は<0001>方向に対しに対し0度以上8度以下傾斜した面であることが望ましい。
(第4の実施形態)
本実施形態の半導体装置の製造方法は、SiC層の第1の面に、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素のイオンをイオン注入し、SiC層の第1の面に熱酸化膜を形成し、熱酸化膜を剥離し、SiC層の第1の面上に第1の絶縁層を形成する。本実施形態の半導体装置の製造方法は、第1の実施形態に示した半導体装置の製造方法の一例である。
図4−図8は、本実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。
まず、シリコン面である表面と、カーボン面である裏面を有するn型のSiC基板12を準備する。次に、SiC基板12の表面上に、エピタキシャル成長法により、n型のドリフト層(SiC層)14を形成する。
次に、公知のフォトリソグラフィー法とイオン注入法により、p型のpウェル領域16、n型のソース領域18、及び、p型のpウェルコンタクト領域20を形成する。
次に、ドリフト層14の表面(第1の面)から、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)のイオンをドリフト層14にイオン注入する(図4)。以下、終端元素としてSr(ストロンチウム)を例に説明する。
Srのイオン注入の前に、ドリフト層14の表面に、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁膜のキャップ膜(第2の絶縁層)を設けても構わない。Srを、キャップ膜を通してイオン注入することにより、イオン注入後のドリフト層14内のSrを、ドリフト層14の表面近傍に分布させることが容易になる。
次に、ドリフト層14に、熱酸化膜42を形成する(図5)。熱酸化膜42を形成する際に、イオン注入によりドリフト層14に導入されたSrは、エネルギー的に安定なドリフト層14と熱酸化膜42との界面に偏析して界面領域40を形成する。より具体的には、Srは、ドリフト層14と熱酸化膜42との界面のSiと結合し、界面に高い濃度で分布する。
この時、ドリフト層14内に打ち込まれたSrのほぼ全てが界面領域40、或いは熱酸化膜42に移動するように熱酸化を行うことが望ましい。つまり、Srが打ち込まれた領域全体を熱酸化により界面領域40、或いは熱酸化膜42に変えることが望ましい。
熱酸化は、例えば、ドライ酸化で900℃以上1100℃以下の温度で行う。
次に、熱酸化膜42を、例えば、公知のウェットエッチング法で全て剥離する(図6)。残存する界面領域40は、0.2nm未満である。
次に、ドリフト層14の表面側の界面領域40上に、ゲート絶縁層(第1の絶縁層)28を形成する。ゲート絶縁層28は、例えば、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法等の堆積法により形成されるシリコン酸化膜である。
ゲート絶縁層28の形成後に、ゲート絶縁層28のデンシファイのためのアニールを行っても構わない。アニールは、例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、1200℃以上1300℃以下の温度で行われる。
次に、公知の方法で、ゲート絶縁層28上にゲート電極30を形成する(図8)。ゲート電極30は、例えば、LPCVD法により形成されるドーピングされたポリシリコンである。
その後、公知のプロセスにより、層間絶縁膜32、ソース電極34、ドレイン電極36を形成し、図1に示す本実施形態のMISFET100が製造される。
本実施形態の製造方法では、熱酸化膜42を全て剥離することで、熱酸化膜42中に拡散した炭素や余剰の終端元素を除去し、ゲート絶縁層28中のトラップ準位を低減させる。
本実施形態の製造方法により、高い動作性能及び高い信頼性を備えたMISFETが実現される。
(第5の実施形態)
本実施形態の半導体装置の製造方法は、SiC層の第1の面に、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素を含む第1の膜を形成し、SiC層の第1の面に第1の絶縁層を形成する。本実施形態の半導体装置の製造方法は、第1の実施形態に示した半導体装置の製造方法の一例である。
図9−図11は、本実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。
まず、シリコン面である表面と、カーボン面である裏面を有するn型のSiC基板12を準備する。次に、SiC基板12の第1の面上に、エピタキシャル成長法により、n型のドリフト層(SiC層)14を形成する。
SiC基板12上にドリフト層14を形成した後、公知のフォトリソグラフィー法とイオン注入法により、p型のpウェル領域16、n型のソース領域18、及び、p型のpウェルコンタクト領域20を形成する。この工程までは、第4の実施形態と同様である。
次に、ドリフト層14の表面(第1の面)に、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含む終端元素含有膜(第1の膜)44を形成する(図9)。終端元素含有膜44は、例えば、上記終端元素の単体膜である。単体膜は、例えば、金属膜である。以下、終端元素としてSr(ストロンチウム)を例に説明する。
ドリフト層14表面には、終端元素含有膜44として、Srの単体膜(Sr膜)が形成される。Sr膜は、例えば、公知のスパッタ法により形成される。Sr膜は、蒸着法やMBE(Molecular Beam Epitaxy)法により形成されても構わない。
次に、ドリフト層14の表面を熱酸化し、熱酸化膜46を形成する(図10)。熱酸化膜46を形成する際に、終端元素含有膜44のSrは、エネルギー的に安定なドリフト層14と熱酸化膜46との界面に偏析して界面領域40を形成する。より具体的には、Srは、ドリフト層14と熱酸化膜46との界面のSiと結合して、界面に高い濃度で分布する。
次に、熱酸化膜46を、例えば、公知のウェットエッチング法で全て除去する(図11)。残存する界面領域40は、0.2nm未満である。
次に、第4の実施形態同様、ドリフト層14の表面側の界面領域40上に、ゲート絶縁層(第1の絶縁層)28を形成する。さらに、ゲート絶縁層28上にゲート電極30を形成する。
その後、公知のプロセスにより、層間絶縁膜32、ソース電極34、ドレイン電極36を形成し、図1に示す本実施形態のMISFET100が製造される。
なお、熱酸化膜に代えて、熱酸窒化により熱酸窒化膜を形成しても構わない。
本実施形態の製造方法では、熱酸化膜46を全て剥離することで、熱酸化膜46中に拡散した炭素や余剰の終端元素を除去し、ゲート絶縁層(絶縁層)28中のトラップ準位を低減させる。
また、余剰の終端元素が生じないように、例えば、MBE法でSrの量を制御することも可能である。例えば、第1の面においてSi(シリコン)又はC(炭素)いずれとも結合しないSi(シリコン)及びC(炭素)の面密度を第1の面密度とした場合に、Srの面密度である第2の面密度が第1の面密度の1/2以下となるようSrの量を制御する。この方法によれば、熱酸化膜や熱酸窒化膜の形成を省略することが可能となる。
本実施形態の製造方法により、高い動作性能及び高い信頼性を備えたMISFETが実現される。
(第6の実施形態)
本実施形態の半導体装置の製造方法は、終端元素含有膜44がシリケート膜である点、及び、SiC層の熱酸化を行わない点で、第5の実施形態と異なる。本実施形態の半導体装置の製造方法は、第1の実施形態に示した半導体装置の製造方法の一例である。
図12、図13は、本実施形態の半導体装置の製造方法において、製造途中の半導体装置を示す模式断面図である。
まず、シリコン面である表面と、カーボン面である裏面を有するn型のSiC基板12を準備する。次に、SiC基板12の第1の面上に、エピタキシャル成長法により、n型のドリフト層(SiC層)14を形成する。
SiC基板12上にn型のドリフト層(SiC層)14を形成後、公知のフォトリソグラフィー法とイオン注入法により、p型のpウェル領域16、n型のソース領域18、及び、p型のpウェルコンタクト領域20を形成する。この工程までは、第5の実施形態と同様である。
次に、ドリフト層14の表面(第1の面)に、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含む終端元素含有膜(第1の膜)44を形成する(図12)。終端元素を含む膜は、上記終端元素のシリケート膜である。以下、終端元素としてSr(ストロンチウム)を例に説明する。
ドリフト層14表面には、終端元素含有膜44として、Srのシリケート膜(SrSiO膜)が形成される。SrSiO膜は、例えば、公知のスパッタ法により形成される。
次に、終端元素含有膜44をエッチングにより除去する(図13)。エッチングは、公知のドライエッチング法により行う。
終端元素含有膜44をエッチングする際に、終端元素含有膜44のSrは、エネルギー的に安定なドリフト層14の表面に偏析して界面領域40を形成する。より具体的には、Scは、ドリフト層14の表面のSiと結合して、界面に高い濃度で分布する。
終端元素による界面終端構造は、エネルギー的に極めて安定である。したがって、終端元素含有膜44のエッチングにより、Srが自由に動けるようになると、界面終端構造を形成するようにドリフト層14の表面を移動する。そして、Srがダングリングボンドと結合し、界面に偏析した状態が形成される。
次に、第5の実施形態同様、ドリフト層14の表面側の界面領域40上に、ゲート絶縁層(第1の絶縁層)28を形成する。さらに、ゲート絶縁層28上にゲート電極30を形成する。
その後、公知のプロセスにより、層間絶縁膜32、ソース電極34、ドレイン電極36を形成し、図1に示す本実施形態のMISFET100が製造される。
本実施形態の製造方法により、高い動作性能及び高い信頼性を備えたMISFETが実現される。
(第7の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、トレンチゲート型のMISFETであること以外は、第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図14は、本実施形態の半導体装置であるMISFETの構成を示す模式断面図である。このMISFET200は、ゲート絶縁層及びゲート電極がトレンチ内に設けられたトレンチゲート型のMISFETである。
このMISFET200は、表面と裏面を有するn型のSiC基板12を備えている。図14においては、表面とは図の上側の面であり、裏面とは図の下側の面である。SiC基板12の表面は、シリコン面に対し0度以上8度以下傾斜した面である。
このSiC基板12は、例えば、4H−SiCのSiC基板である。
SiC基板12の表面上には、n型のドリフト層(SiC層)14が形成されている。ドリフト層14は、例えば、SiC基板12上にエピタキシャル成長により形成されたエピタキシャル成長層である。ドリフト層14の表面も、シリコン面に対し0度以上8度以下傾斜した面である。
ドリフト層14の一部表面には、p型のpウェル領域(SiC層)16が形成されている。pウェル領域16は、MISFET200のチャネル領域として機能する。
pウェル領域16の一部表面には、n型のソース領域18が形成されている。また、pウェル領域16の一部表面であって、ソース領域18の側方に、p型のpウェルコンタクト領域20が形成されている。
ドリフト層14の表面からSiC基板12に向かう方向にトレンチ50が設けられる。トレンチ50の内壁面は、例えば、m面又はa面となっている。
トレンチ50内のドリフト層14、pウェル領域16及びソース領域18の表面(第1の面)に連続的に、これらの層及び領域を跨ぐように形成されたゲート絶縁層(絶縁層)28を有している。
そして、ゲート絶縁層28上には、ゲート電極30が形成されている。トレンチ50側面のソース領域18とドリフト層14とに挟まれるpウェル領域16がMISFET200のチャネル領域として機能する。
ゲート絶縁層28は、ゲート電極30とドリフト層14との間に設けられる。そして、ドリフト層14とゲート絶縁層28との間の界面には、界面領域40が設けられる。界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
そして、ソース領域18とpウェルコンタクト領域20とに電気的に接続される導電性のソース電極34を備えている。ソース電極34は、pウェル領域16に電位を与えるpウェル電極としても機能する。また、SiC基板12のドリフト層14と反対側、すなわち、第2の面側には、導電性のドレイン電極36が形成されている。
本実施形態によれば、界面領域40が存在することにより第1の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。さらに、トレンチゲート構造を採用することにより、MISFETの集積度を向上させること、JFET領域を無くしたことにより導電損を低減することが可能となる。
(第8の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、MISFETではなく、IGBTであること以外は、第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図15は、本実施形態の半導体装置であるIGBTの構成を示す模式断面図である。
このIGBT300は、表面と裏面を有するp型のSiC基板112を備えている。図15においては、表面とは図の上側の面であり、裏面とは図の下側の面である。SiC基板112の表面は、シリコン面に対し0度以上8度以下傾斜した面である。
SiC基板112の表面上には、n型のドリフト層(SiC層)14が形成されている。ドリフト層14は、例えば、SiC基板112上にエピタキシャル成長により形成されたエピタキシャル成長層である。ドリフト層14の表面(第1の面)も、シリコン面に対し0度以上8度以下傾斜した面である。
ドリフト層14の一部表面には、p型のpウェル領域(SiC層)16が形成されている。pウェル領域16は、IGBT300のチャネル領域として機能する。
pウェル領域16の一部表面には、n型のエミッタ領域118が形成されている。
また、pウェル領域16の一部表面であって、エミッタ領域118の側方に、p型のpウェルコンタクト領域20が形成されている。
ドリフト層14及びpウェル領域16の表面に連続的に、これらの層及び領域を跨ぐように形成されたゲート絶縁層(絶縁層)28を有している。
そして、ゲート絶縁層28上には、ゲート電極30が形成されている。ゲート電極30上には、例えば、シリコン酸化膜で形成される層間絶縁膜32が形成されている。
ゲート電極30下のソース領域18とドリフト層14とに挟まれるpウェル領域16がMISFET100のチャネル領域として機能する。
ゲート絶縁層28は、ゲート電極30とドリフト層14との間に設けられる。そして、ドリフト層14とゲート絶縁層28との間の界面には、界面領域40が設けられる。界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
そして、エミッタ領域118とpウェルコンタクト領域20とに電気的に接続される導電性のエミッタ電極134を備えている。エミッタ電極134は、pウェル領域16に電位を与えるpウェル電極としても機能する。
また、SiC基板112のドリフト層14と反対側、すなわち、第2の面側には、導電性のコレクタ電極136が形成されている。
本実施形態によれば、界面領域40が存在することにより第1の実施形態と同様の作用及び効果を得ることが可能である。したがって、高い動作性能及び高い信頼性を備えたIGBT300が実現される。
(第9の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、MISFETの終端領域に界面領域が設けられる点で第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図16は、本実施形態の半導体装置であるMISFETの構成を示す模式断面図である。MISFET400は、素子領域と、素子領域の周囲に設けられる終端領域を備えている。終端領域は、MISFET400の耐圧を向上させる機能を備える。
素子領域には、例えば、第1の実施形態のMISFET100がユニットセルとして配置される。
終端領域は、p型のリサーフ領域(SiC層)60、p型のコンタクト領域62、p型のガードリング領域(SiC層)64、フィールド酸化膜(絶縁層)33、界面領域40を備える。界面領域40は、p型のリサーフ領域60及びp型のガードリング領域64の表面(第1の面)と、フィールド酸化膜33との間に設けられる。
界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
フィールド酸化膜33は、例えば、シリコン酸化膜である。フィールド酸化膜33中の終端元素の濃度は、1×1018cm−3以下であることが望ましい。フィールド酸化膜33中の終端元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各終端元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。フィールド酸化膜33中の終端元素の濃度は、例えば、界面領域40における終端元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の濃度とする。
MISFET400のオフ時に、リサーフ領域60、ガードリング領域64、及び、ガードリング領域64の間のドリフト層14に空乏層が形成されることで、MISFET400の耐圧が向上する。
しかし、リサーフ領域60及びガードリング領域64と、フィールド酸化膜33との間の界面に界面準位が存在すると、電荷が界面準位にトラップされる。トラップされた電荷の電界により、所望の空乏層が形成されなくなる恐れがある。この場合、MISFET400の耐圧が劣化する。
本実施形態によれば、界面領域40を設けることで界面準位が終端されている。したがって、所望の空乏層が形成され耐圧の安定したMISFETが実現される。
(第10の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、SiCのPINダイオードの終端領域に界面領域が設けられる点で第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図17は、本実施形態の半導体装置であるPINダイオードの構成を示す模式断面図である。
PINダイオード500は、n型のカソード領域70、n型のドリフト層(SiC層)72、p型のアノード領域74、p型のガードリング(SiC層)76、界面領域40、保護膜(絶縁層)78、アノード電極80、カソード電極82を備える。
界面領域40は、ガードリング76及びドリフト層72と、保護膜78との間に設けられる。
界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
保護膜78は、例えば、シリコン酸化膜である。保護膜78中の終端元素の濃度は、1×1018cm−3以下であることが望ましい。保護膜78中の終端元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各終端元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。保護膜78中の終端元素の濃度は、例えば、界面領域40における終端元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の濃度とする。
PINダイオード500のオフ時に、ガードリング76、ドリフト層72に空乏層が形成されることで、PINダイオード500の耐圧が向上する。
しかし、ガードリング76及びドリフト層72と、保護膜78との間の界面に界面準位が存在すると、電荷が界面準位にトラップされる。トラップされた電荷の電界により、所望の空乏層が形成されなくなる恐れがある。この場合、PINダイオード500の耐圧が劣化する。
本実施形態によれば、界面領域40を設けることで界面準位が終端されている。したがって、所望の空乏層が形成され耐圧の安定したPINダイオードが実現される。
(第11の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、SiCのSBD(Schottky Barrier Diode)の終端領域に界面領域が設けられる点で第1の実施形態と異なっている。第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図18は、本実施形態の半導体装置であるSBDの構成を示す模式断面図である。
SBD600は、n型のカソード領域70、n型のドリフト層(SiC層)72、p型のガードリング(SiC層)76、界面領域40、保護膜(絶縁層)78、アノード電極80、カソード電極82を備える。
界面領域40は、ガードリング76及びドリフト層72と、保護膜78との間に設けられる。
界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
保護膜78は、例えば、シリコン酸化膜である。保護膜78中の終端元素の濃度は、1×1018cm−3以下であることが望ましい。保護膜78中の終端元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各終端元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。保護膜78中の終端元素の濃度は、例えば、界面領域40における終端元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の濃度とする。
SBD600のオフ時に、ガードリング76、ドリフト層72に空乏層が形成されることで、SBD600の耐圧が向上する。
しかし、ガードリング76及びドリフト層72と、保護膜78との間の界面に界面準位が存在すると、電荷が界面準位にトラップされる。トラップされた電荷の電界により、所望の空乏層が形成されなくなる恐れがある。この場合、SBD600の耐圧が劣化する。
本実施形態によれば、界面領域40を設けることで界面準位が終端されている。したがって、所望の空乏層が形成され耐圧の安定したSBDが実現される。
(第12の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、第1の面を備えるSiC層と、金属電極と、SiC層の第1の面と金属電極との間に設けられ、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素を含有し、上記元素の濃度のピークの半値全幅が1nm以下であり、第1の面においてSi(シリコン)又はC(炭素)いずれとも結合しないSi(シリコン)及びC(炭素)の面密度を第1の面密度とした場合に、上記元素の面密度である第2の面密度が第1の面密度の1/2以下である領域と、を備える。
本実施形態の半導体装置は、アノード電極とドリフト層の間にも界面領域が設けられる点で、第11の実施形態と異なっている。第11の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図19は、本実施形態の半導体装置であるSBDの構成を示す模式断面図である。
SBD600は、n型のカソード領域70、n型のドリフト層(SiC層)72、p型のガードリング(SiC層)76、界面領域40、保護膜(絶縁層)78、アノード電極(金属電極)80、カソード電極82を備える。
界面領域40は、ガードリング76及びドリフト層72と、保護膜78との間に設けられる。また、界面領域40は、ドリフト層72と、アノード電極80との間にも、設けられる。
界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
終端元素は、ドリフト層72とアノード電極80との間の界面に偏析している。終端元素の濃度のピークの半値全幅は1nm以下である。濃度のピークの半値全幅は0.5nm以下であることが望ましく、0.2nm未満であることがより望ましい。
界面領域40は、単原子層(monoatomic layer)であることが望ましい。
ドリフト層72の表面(第1の面)においてSi(シリコン)又はC(炭素)いずれとも結合しないSi(シリコン)及びC(炭素)の面密度を第1の面密度と定義する。また、終端元素の面密度を第2の面密度とする。第2の面密度は第1の面密度の1/2以下である。
第2の面密度が第1の面密度の1/120以下であることが望ましい。また、第2の面密度が第1の面密度の1/12000以上であることが望ましい。
界面領域40における終端元素の濃度のピークは、5×1018cm−3以上であることが望ましい。また、1×1019cm−3以上であることがより望ましい。
保護膜78は、例えば、シリコン酸化膜である。
ドリフト層72とアノード電極80との間の界面に界面準位が存在すると、フェルミレベルのピン止めが生じる。このため、ドリフト層72とアノード電極80との間に所望のショットキー障壁が実現できない恐れがある。
本実施形態によれば、界面領域40を設けることで界面準位が終端されている。したがって、アノード電極80の仕事関数で定まる所望のショットキー障壁を備えるSBDが実現される。
(第13の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、第1の面を備えるダイヤモンド層と、絶縁層と、ダイヤモンド層の第1の面と絶縁層との間に設けられ、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素を含有し、上記元素の濃度のピークの半値全幅が1nm以下であり、第1の面においてC(炭素)と結合しないC(炭素)の面密度を第1の面密度とした場合に、上記元素の面密度である第2の面密度が第1の面密度の1/2以下である領域と、を備える。
SiCにかえて半導体材料としてダイヤモンドを用いること以外は、第11の実施形態と同様である。したがって、第11の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図20は、本実施形態の半導体装置であるSBDの構成を示す模式断面図である。
SBD800は、n型のカソード領域90、n型のドリフト層(ダイヤモンド層)92、p型のガードリング(ダイヤモンド層)96、界面領域40、保護膜(絶縁層)78、アノード電極80、カソード電極82を備える。
界面領域40は、p型のガードリング96及びn型のドリフト層92と、保護膜78との間に設けられる。
界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
上記終端元素は、ドリフト層92と保護膜(絶縁層)78との間の界面に偏析している。終端元素の濃度のピークの半値全幅は1nm以下である。濃度のピークの半値全幅は0.5nm以下であることが望ましく、0.2nm未満であることがより望ましい。
界面領域40は、単原子層(monoatomic layer)であることが望ましい。
ドリフト層92の表面(第1の面)においてC(炭素)と結合しないC(炭素)の面密度を第1の面密度と定義する。また、終端元素の面密度を第2の面密度とする。第2の面密度は第1の面密度の1/2以下である。
第2の面密度が第1の面密度の1/120以下であることが望ましい。また、第2の面密度が第1の面密度の1/12000以上であることが望ましい。
界面領域40における終端元素の濃度のピークは、5×1018cm−3以上であることが望ましい。また、1×1019cm−3以上であることがより望ましい。
保護膜78は、例えば、シリコン酸化膜である。保護膜78中の終端元素の濃度は、1×1018cm−3以下であることが望ましい。保護膜78中の終端元素の濃度は、SIMSにて確認できるが、各終端元素の検出限界以下(およそ1×1017cm−3以下)であることがより好ましい。保護膜78中の終端元素の濃度は、例えば、界面領域40における終端元素の濃度のピークから1nm以上離れた位置の濃度とする。
SBD800のオフ時に、ガードリング96、ドリフト層92に空乏層が形成されることで、SBD800の耐圧が向上する。
しかし、ガードリング96及びドリフト層92と、保護膜78との間の界面に界面準位が存在すると、電荷が界面準位にトラップされる。トラップされた電荷の電界により、所望の空乏層が形成されなくなる恐れがある。この場合、SBD800の耐圧が劣化する。
ダイヤモンド層の表面も、例えば、カーボン面のSiC層と同様、カーボンのダングリングボンドが存在する。終端元素は、C(炭素)と結合することによりダングリングボンドを終端する。
本実施形態によれば、界面領域40を設けることで界面準位が終端されている。したがって、所望の空乏層が形成され耐圧の安定したSBDが実現される。
更に、上述のように、終端元素は、SiよりもCと結合することが、より安定であることが判明している。ダイヤモンドを半導体材料とする場合、界面領域40の終端元素は、すべてCと結合する。したがって、極めて安定した界面領域40を備えるSBDが実現される。
(変形例)
図21は、本実施形態の変形例の半導体装置であるSBDの構成を示す模式断面図である。
変形例のSBDは、p型のカソード領域190、p型のドリフト層(ダイヤモンド層)192、n型のガードリング(ダイヤモンド層)196、界面領域40、保護膜(絶縁層)78、アノード電極80、カソード電極82を備える。
界面領域40は、n型のガードリング196及びp型のドリフト層192と、保護膜78との間に設けられる。
界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
本変形例のSBDは、n型とp型が反転している点で本実施形態のSBDと異なっている。本変形例によれば、界面領域40を設けることで界面準位が終端されている。したがって、所望の空乏層が形成され耐圧の安定したSBDが実現される。
(第14の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、第1の面を備えるダイヤモンド層と、金属電極と、ダイヤモンド層の第1の面と金属電極との間に設けられ、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素を含有し、上記元素の濃度のピークの半値全幅が1nm以下であり、第1の面においてC(炭素)と結合しないC(炭素)の面密度を第1の面密度とした場合に、上記元素の面密度である第2の面密度が第1の面密度の1/2以下である領域と、
を備える。
本実施形態の半導体装置は、アノード電極とドリフト層の間にも界面領域が設けられる点で、第13の実施形態と異なっている。第13の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図22は、本実施形態の半導体装置であるSBDの構成を示す模式断面図である。
SBD900は、n型のカソード領域90、n型のドリフト層(ダイヤモンド層)92、p型のガードリング(ダイヤモンド層)96、界面領域40、保護膜(絶縁層)78、アノード電極(金属電極)80、カソード電極82を備える。
界面領域40は、ガードリング96及びドリフト層92と、保護膜78との間に設けられる。また、界面領域40は、ドリフト層92と、アノード電極80との間にも、設けられる。
界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
終端元素は、ドリフト層92とアノード電極80との間の界面に偏析している。終端元素の濃度のピークの半値全幅は1nm以下である。濃度のピークの半値全幅は0.5nm以下であることが望ましく、0.2nm未満であることがより望ましい。
界面領域40は、単原子層(monoatomic layer)であることが望ましい。
ドリフト層72の表面においてSi(シリコン)又はC(炭素)いずれとも結合しないSi(シリコン)及びC(炭素)の面密度を第1の面密度と定義する。また、終端元素の面密度を第2の面密度とする。第2の面密度は第1の面密度の1/2以下である。
第2の面密度が第1の面密度の1/120以下であることが望ましい。また、第2の面密度が第1の面密度の1/12000以上であることが望ましい。
界面領域40における終端元素の濃度のピークは、5×1018cm−3以上であることが望ましい。また、1×1019cm−3以上であることがより望ましい。
保護膜78は、例えば、シリコン酸化膜である。
ドリフト層92とアノード電極80との間の界面に界面準位が存在すると、フェルミレベルのピン止めが生じる。このため、ドリフト層92とアノード電極80との間に所望のショットキー障壁が実現できない恐れがある。
本実施形態によれば、界面領域40を設けることで界面準位が終端されている。したがって、アノード電極80の仕事関数で定まる所望のショットキー障壁を備えるSBDが実現される。
更に、上述のように、終端元素は、SiよりもCと結合することが、より安定であることが判明している。ダイヤモンドを半導体材料とする場合、界面領域40の終端元素は、すべてCと結合する。したがって、極めて安定した界面領域40を備えるSBDが実現される。
(変形例)
図23は、本実施形態の変形例の半導体装置であるSBDの構成を示す模式断面図である。
変形例のSBDは、p型のカソード領域190、p型のドリフト層(ダイヤモンド層)192、n型のガードリング(ダイヤモンド層)196、界面領域40、保護膜(絶縁層)78、アノード電極80、カソード電極82を備える。
界面領域40は、n型のガードリング196及びp型のドリフト層192と、保護膜78との間に設けられる。
界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
本変形例のSBDは、n型とp型が反転している点で本実施形態のSBDと異なっている。本変形例によれば、界面領域40を設けることで界面準位が終端されている。したがって、アノード電極80の仕事関数で定まる所望のショットキー障壁を備えるSBDが実現される。
(第15の実施形態)
本実施形態の半導体装置は、第1の面を備えるダイヤモンド層と、絶縁層と、ダイヤモンド層の第1の面と絶縁層との間に設けられ、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素を含有し、上記元素の濃度のピークの半値全幅が1nm以下であり、第1の面においてC(炭素)と結合しないC(炭素)の面密度を第1の面密度とした場合に、上記元素の面密度である第2の面密度が第1の面密度の1/2以下である領域と、を備える。
SiCにかえて半導体材料としてダイヤモンドを用いること、n型とp型反転していること以外は、第10の実施形態と同様である。したがって、第10の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図24は、本実施形態の半導体装置であるPINダイオードの構成を示す模式断面図である。
PINダイオード1000は、p型のカソード領域170、p型のドリフト層(SiC層)172、n型のアノード領域174、n型のガードリング(SiC層)176、界面領域40、保護膜(絶縁層)78、アノード電極80、カソード電極82を備える。
界面領域40は、ガードリング76及びドリフト層72と、保護膜78との間に設けられる。
界面領域40は、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群から選ばれる少なくとも一つの元素(終端元素)を含有する。
本実施形態によれば、界面領域40を設けることで界面準位が終端されている。したがって、所望の空乏層が形成され耐圧の安定したPINダイオードが実現される。
更に、上述のように、終端元素は、SiよりもCと結合することが、より安定であることが判明している。ダイヤモンドを半導体材料とする場合、界面領域40の終端元素は、すべてCと結合する。したがって、極めて安定した界面領域40を備えるSBDが実現される。
(第16の実施形態)
本実施形態のインバータ回路及び駆動装置は、第1の実施形態の半導体装置を備える駆動装置である。
図25は、本実施形態の駆動装置の模式図である。駆動装置1100は、モーター140と、インバータ回路150を備える。
インバータ回路50は、第1の実施形態のMISFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュール100a、100b、100cで構成される。3個の半導体モジュール100a、100b、100cを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。
本実施形態によれば、界面準位が低減されたMISFET100を備えることで、インバータ回路150及び駆動装置1100の動作が安定する。
(第17の実施形態)
本実施形態の車両は、第1の実施形態の半導体装置を備える車両である。
図26は、本実施形態の車両の模式図である。本実施形態の車両1200は、鉄道車両である。車両1200は、モーター140と、インバータ回路150を備える。
インバータ回路50は、第1の実施形態のMISFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュール100a、100b、100cで構成される。3個の半導体モジュール100a、100b、100cを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。
インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。モーター140により車両1200の車輪1290が回転する。
本実施形態によれば、界面準位が低減されたMISFET100を備えることで、車両1200の動作が安定する。
(第18の実施形態)
本実施形態の車両は、第1の実施形態の半導体装置を備える車両である。
図27は、本実施形態の車両の模式図である。本実施形態の車両1300は、自動車である。車両1300は、モーター140と、インバータ回路150を備える。
インバータ回路150は、第1の実施形態のMISFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュール100a、100b、100cで構成される。3個の半導体モジュール100a、100b、100cを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。
インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。モーター140により車両1000の車輪1290が回転する。
本実施形態によれば、高い閾値を有するMISFETを備えることで、車両1300の信頼性が向上する。
(第19の実施形態)
本実施形態の昇降機は、第1の実施形態の半導体装置を備える昇降機である。
図28は、本実施形態の昇降機(エレベータ)の模式図である。本実施形態の昇降機1400は、かご1010、カウンターウエイト1012、ワイヤロープ1014、巻上機1016、モーター140と、インバータ回路150を備える。
インバータ回路150は、第1の実施形態のMISFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュール100a、100b、100cで構成される。3個の半導体モジュール100a、100b、100cを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。
インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。モーター140により巻上機1016が回転し、かご1010が昇降する。
本実施形態によれば、高い閾値を有するMISFETを備えることで、昇降機1400の信頼性が向上する。
なお、第1乃至第12の実施形態において、n型とp型とを入れ替えた構造のデバイスも同様に特性向上が実現できる。
以上、実施形態では、炭化珪素の結晶構造として4H−SiCの場合を例に説明したが、本発明は6H−SiC、3C−SiC等、その他の結晶構造の炭化珪素に適用することも可能である。
また、第17乃至第19の実施形態において、本発明の半導体装置を車両やエレベータに適用する場合を例に説明したが、本発明の半導体装置を例えば、太陽光発電システムのパワーコンディショナー等に適用することも可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
14 ドリフト層(SiC層)
16 pウェル領域(SiC層)
28 ゲート絶縁層(絶縁層)
30 ゲート電極
33 フィールド酸化膜(絶縁層)
40 界面領域(領域)
60 リサーフ領域(SiC層)
64 ガードリング領域
72 ドリフト層(SiC層)
76 ガードリング(SiC層)
78 保護膜(絶縁層)
80 アノード電極(金属電極)
92 ドリフト層(ダイヤモンド層)
96 ガードリング(ダイヤモンド層)
100 MISFET(半導体装置)
140 モーター
150 インバータ回路
200 MISFET(半導体装置)
300 IGBT(半導体装置)
400 MISFET(半導体装置)
500 PINダイオード(半導体装置)
600 SBD(半導体装置)
700 SBD(半導体装置)
800 SBD(半導体装置)
900 SBD(半導体装置)
1000 PINダイオード(半導体装置)
1100 駆動装置
1200 車両
1300 車両
1400 昇降機

Claims (26)

  1. 第1の面を備えるSiC層と、
    絶縁層と、
    Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群の少なくとも一つの元素を含有し、前記元素の濃度のピークの半値全幅が1nm以下であり、前記ピークの前記元素の濃度が、5×10 20 cm −3 以下である、前記SiC層の前記第1の面と前記絶縁層との間の領域と、
    を備え
    前記絶縁層中の前記元素の濃度が、1×10 17 cm −3 以下である半導体装置。
  2. 前記第1の面において前記SiC層中のSi(シリコン)又はC(炭素)いずれとも結合しないボンドを有するSi(シリコン)及びC(炭素)の面密度を第1の面密度とした場合に、前記元素の面密度である第2の面密度が前記第1の面密度の1/120以下である請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記第2の面密度が前記第1の面密度の1/12000以上である請求項2記載の半導体装置。
  4. 前記ピークの前記元素の濃度が、5×1018cm−3以上である請求項1乃至請求項3いずれか一項記載の半導体装置。
  5. 前記領域が前記元素の単原子層(monoatomic layer)である請求項1乃至請求項いずれか一項記載の半導体装置。
  6. 前記第1の面が<0001>方向に対し0度以上30度以下傾斜する面である請求項1乃至請求項いずれか一項記載の半導体装置。
  7. 前記第1の面が(000−1)面に対し0度以上30度以下傾斜する面である請求項1乃至請求項いずれか一項記載の半導体装置。
  8. 前記絶縁層上にゲート電極を、更に備える請求項1乃至請求項いずれか一項記載の半導体装置。
  9. 前記第2の面密度は、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)によりカウントされた前記領域の前記元素の量を、入射イオンのビーム面積で除した値である請求項2又は至請求項3記載の半導体装置。
  10. 第1の面を備えるダイヤモンド層と、
    絶縁層と、
    Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群の少なくとも一つの元素を含有し、前記元素の濃度のピークの半値全幅が1nm以下であり、前記ピークの前記元素の濃度が、5×10 20 cm −3 以下である、前記ダイヤモンド層の前記第1の面と前記絶縁層との間の領域と、
    を備え
    前記絶縁層中の前記元素の濃度が、1×10 17 cm −3 以下である半導体装置。
  11. 前記第1の面において前記ダイヤモンド層のC(炭素)と結合しないボンドを有するC(炭素)の面密度を第1の面密度とした場合に、前記元素の面密度である第2の面密度が前記第1の面密度の第2の面密度が前記第1の面密度の1/120以下である請求項10記載の半導体装置。
  12. 第1の面を備えるn型のSiC層と、
    金属の第1の電極と、
    前記第1の電極との間に前記SiC層を挟む第2の電極と、
    Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群の少なくとも一つの元素を含有し、前記元素の濃度のピークの半値全幅が1nm以下であり、前記ピークの前記元素の濃度が、5×10 20 cm −3 以下である、前記SiC層の前記第1の面と前記第1の電極との間の領域と、
    を備え
    前記第1の電極と前記SiC層との間にショットキー障壁を有する半導体装置。
  13. 前記第1の面において前記SiC層中のSi(シリコン)又はC(炭素)いずれとも結合しないボンドを有するSi(シリコン)及びC(炭素)の面密度を第1の面密度とした場合に、前記元素の面密度である第2の面密度が前記第1の面密度の1/120以下である請求項12記載の半導体装置。
  14. 前記第2の面密度が前記第1の面密度の1/12000以上である請求項13記載の半導体装置。
  15. 前記ピークの前記元素の濃度が、5×1018cm−3以上である請求項12乃至請求項14いずれか一項記載の半導体装置。
  16. 第1の面を備えるn型のダイヤモンド層と、
    金属の第1の電極と、
    前記第1の電極との間に前記ダイヤモンド層を挟む第2の電極と、
    Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群の少なくとも一つの元素を含有し、前記元素の濃度のピークの半値全幅が1nm以下であり、前記ピークの前記元素の濃度が、5×10 20 cm −3 以下である、前記ダイヤモンド層の前記第1の面と前記第1の電極との間の領域と、
    を備え
    前記第1の電極と前記ダイヤモンド層との間にショットキー障壁を有する半導体装置。
  17. 前記第1の面において前記ダイヤモンド層中のC(炭素)と結合しないボンドを有するC(炭素)の面密度を第1の面密度とした場合に、前記元素の面密度である第2の面密度が前記第1の面密度の1/120以下である請求項16記載の半導体装置。
  18. 請求項1乃至請求項17いずれか一項記載の半導体装置を備えるインバータ回路。
  19. 請求項1乃至請求項17いずれか一項記載の半導体装置を備える駆動装置。
  20. 請求項1乃至請求項17いずれか一項記載の半導体装置を備える車両。
  21. 請求項1乃至請求項17いずれか一項記載の半導体装置を備える昇降機。
  22. SiC層の第1の面から、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群の少なくとも一つの元素のイオンをイオン注入し、
    前記SiC層の前記第1の面に熱酸化膜を形成し、
    前記熱酸化膜を剥離し、
    前記SiC層の前記第1の面上に第1の絶縁層を形成する半導体装置の製造方法。
  23. 前記イオンをイオン注入する前に、前記SiC層の前記第1の面に第2の絶縁層を形成する請求項22記載の半導体装置の製造方法。
  24. 前記第1の絶縁層上にゲート電極を形成する請求項22又は請求項23記載の半導体装置の製造方法。
  25. SiC層の第1の面に、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群の少なくとも一つの元素を含む第1の膜を形成し、
    前記SiC層の前記第1の面に第1の絶縁層を形成する半導体装置の製造方法であって、
    前記第1の膜を形成した後、前記第1の絶縁層を形成する前に、前記第1の面に熱酸化膜を形成し、
    前記第1の絶縁層を形成する前に、前記熱酸化膜を剥離する半導体装置の製造方法。
  26. SiC層の第1の面に、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)の群の少なくとも一つの元素を含む第1の膜を形成し、
    前記SiC層の前記第1の面に第1の絶縁層を形成する半導体装置の製造方法であって、
    前記第1の膜が前記元素のシリケート膜、又は、前記元素の酸化膜であり、
    前記第1の絶縁層を形成する前に、前記シリケート膜、又は、前記酸化膜を剥離する半導体装置の製造方法。
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